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よみがえる古代思想―「哲学と政治」講義1 (講談社学術文庫)
よみがえる古代思想 「哲学と政治」講義I (講談社学術文庫2138)

○著者: 佐々木 毅
○出版: 講談社 (2012/10, 文庫 264ページ)
○定価: 924円
○ISBN: 978-4062921381
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1996年4月から7月にかけて新宿の朝日カルチャーセンターで行なった「哲学と政治――ギリシア・ローマの世界」という五回の公開講座の内容を元として


政治について根源的に考えようとする時、人は古代ギリシア・ローマの哲学に立ち戻らざるを得ない。人間と政治の関わりについて、これほど深く、率直に議論された時代は他にないからである。ポリス最大の悪徳「ヒュブリス」とは。プラトンの唱えた「哲人王」とは。ローマの政治家はなぜ哲学を嫌ったのか。政治思想史の第一人者が「政治の本質」を語る。


≪目次: ≫
学術文庫版まえがき (二〇一二年 九月  佐々木 毅)

第一章 ソクラテス以前とソクラテス――人間にとっての政治
1 掟、ノモス、傲慢
ギリシア思想の中の「悪徳」/あらゆるものを貫く神聖な秩序/立法者――ソロンとリュクルゴス/はじめにノモスありき
2 ギリシア的な政治――ポリスと自由人
ペルシャとの政治観の違い/ノモスの権威の動揺/自然対ノモス/価値観の転倒と思想の危機
3 ソクラテスと倫理革命
ソクラテスの魂の問題/「不正をされても不正はするな」/ポリスに対するソクラテスの態度/ソクラテスと若きプラトン/ギリシアにおける政治の優位

第二章 プラトン――哲人王の意味するもの
1 イデアと人間
初期、中期、後期の特徴/魂の転換とイデアを「みる」境地への到達/すべての根拠としての「善のイデア」/霊魂の不滅と死後の物語
2 魂と政治
権力と哲学の結合/二十世紀によみがえる哲人王/民衆に迎合せず、魂を導く政治を/権力による統制で魂を正しくする/理想のポリスの三層構造/支配者階級に共産主義を/知恵、気概、欲望から成る魂の三層構造/哲学とポリスとの結合と相克/「最善の体系」から「次善の体系」へ/ポリスの潜在的可能性を哲学で基礎づける

第三章 アリストテレス――ポリスと人間の諸相
1 経験的分析の視座
本質としての目的/原因論による社会と自然の解明
2 実践の概念と学問分類
理論学、制作学、実践学の三分類/実践学と思慮/もっとも神に近いあり方としての観照的生活/アリストテレスとポリスとの関わり
3 ポリスと政治
二千年以上も圧倒的権威を持つ書物/プラトン主義的伝統の継承/よき習慣づけを教える政治学/ポリスのサイズと構成
4 家と支配の多様さ
取財術と人間関係の管理から成る家政術/奴隷論/支配の質的分類
5 国制について
六つの政体論/寡頭制と民主制の実態とは/中間階層による穏健な国制

第四章 ヘレニズム諸派の時代へ――大帝国の出現と脱ポリスの哲学
1 アリストテレスとギリシア的伝統
限界を超えれば世は乱れ、崩壊する/観照的生活と実践的生活
2 ヘレニズム世界と哲学の変容
大帝国の出現でポリスの政治学が破産/人生の意味はポリスでなく哲学に求められる
(1) キュレネ派――巧みに快楽を追求することが人生の目的
(2) キュニコス派――艱難辛苦に耐え不動心を求める
(3) エピクロス派――肉体の苦痛がない精神の平静を求めて
霊魂の不滅の否定と死の恐怖からの解放/政治に関わらず「隠れて生きよ」
(4) ストア派――賢者は神の摂理に従って生きる
世界国家、コスモポリスという新秩序/賢者と政治の接近と分裂/ソクラテスの一撃と脱政治化

第五章 古代ローマの哲学と政治論――政治の意味と無意味
1 ローマのジレンマ
大カトーの哲学に対する反感/都市国家の論理と帝国支配の緊張関係/内憂を外患に転ずるエネルギー管理
2 キケロ
ギリシアの政治学からストアの自然法へ/問題としてのカエサル/正義と公共の利益を実現する国家/ローマの現状とストア派の理想/都市国家的伝統の残り火
3 帝政期ローマとストア派の変容
価値観の中心は「自由」から「平和」へ/人間の堕落の産物としての国家/政治的生活の価値凋落
4 まとめに代えて
古代と人間のアイデンティティー/自由と平和/平和と政治の仕組み/政治参加と軍事的義務/古代とアメリカ独立革命/二十世紀の政治と古代


※本書の原本は、二〇〇三年、小社より刊行されました。


≪著者: ≫ 佐々木 毅 (ささき たけし) 1942年生まれ。東京大学法学部卒業。専攻は政治学、政治思想史。東京大学法学部教授、東京大学総長などを経て、学習院大学法学部教授、東京大学名誉教授、日本学士院会員。著書に『政治学講義』『近代政治思想の誕生』『マキアヴェッリと「君主論」』『プラトンの呪縛』『民主主義という不思議な仕組み』『学ぶとはどういうことか』ほか多数。






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