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ユダヤ教の誕生――「一神教」成立の謎 (講談社学術文庫)
ユダヤ教の誕生 「一神教」成立の謎 (講談社学術文庫2152)

○著者: 荒井章三
○出版: 講談社 (2013/1, 文庫 288ページ)
○定価: 1,008円
○ISBN: 978-4062921527




放浪、奴隷、捕囚。民族的苦難の中で遊牧民の神は成長し、ついには全宇宙を創造・支配する唯一なる神ヤハウェに変貌する。なぜ彼らは「一神教」を成立させ、「律法の民」となったのか? キリスト教やイスラームを生み、歴史の果てにイスラエル国家をも造り上げた「奇跡の宗教」の軌跡を、『聖書』の精読を通して、神理解の変化に焦点を当てつつ探究する。


≪目次: ≫
凡例
地図 「古代オリエントの世界」「カナン(イスラエル)」「エジプト」
年表 「関連年表」「預言者年表」

プロローグ――ユダヤ教とは何か
律法の精髄――主を愛し、隣人を愛せ/ユダヤ教の中心原理としての律法/律法を守れば祝福が与えられる/『旧約聖書』の三区分/『聖書タナッハ』をいかに解釈するか/律法こそ宇宙の根本原理/シナイ山ですべての律法が与えられた/ユダヤ教――長い歴史が生んだ「行動原理」としての宗教/苦難のユダヤ人を支えたユダヤ教/ユダヤ教はキリスト教、イスラームの母胎/本書の概要
第一章 導く神――放浪の民に与えられた約束
歴史を救済史としてとらえる/先祖は羊飼い/アブラハム・イサク・ヤコブ――羊飼いの族長/お前の名はヤコブではなく、これからイスラエルと呼ばれる/伝承の書/二つの約束――族長物語からユダヤ全体の歴史へ/先送りとなる子孫と土地の約束/族長と結びついた宗教――アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神/どれが最古の呼称か/水先案内としての「神の箱」/遊牧民とともに移動する神/遊牧民の憧れ――農民・都市民との葛藤/ヨセフ物語
第二章 解放する神――エジプト・奴隷生活からの脱出
奴隷となったイスラエルの民/古代エジプトの歴史/古代エジプトの宗教/モーセの誕生/モーセにあらわれた神/私はある(エフェイェ アシェル エフェイェ、I am who I am、Je suis qui Je suis、Ich bin der Ich bin)/「イスラエル」に「ユダヤ人」が住み「へブル語」を話す(Jewish people live in Israel and speak Hebrew.)/母音がなかったへブル語/YHWH すなわちヤハウェ/ともにあり、導き、解放する神/過越祭(すぎこしさい、ペサハ)
第三章 戦う神――「聖戦」と約束の土地カナンの征服
『聖書』における土地取得/武力によるカナン征服――オールブライト説/平和的なカナン定着――アルト/ノート説/カナン定着第三の理論――メンデンホール説/農耕者カイン、牧羊者アベル/ハビル――王と町を嫌う人々/エジプトへの反抗/ハビルを連帯させた宗教運動/一〇世代仮説/戦う神/ヤハウェ主義の反主流化
第四章 農耕の神――農業王国としてのイスラエル
農業がさかんだったカナン/段々畑を造ったイスラエルの民/イスラエル社会の農業的性格/農業用語で語られる祝福と呪いイスラエル三大祭/くじ引きで分配される土地/売った土地が戻るヨベルの年/大土地所有者としての王/王が土地を奪う/農業から生まれたソロモンの王国/豊穣信仰/農業が決めた一年のサイクル/農業神バアルの台頭/ヤハウェの農業神化/ソロモンの栄華と王国の分裂
第五章 審きの神――王国の発展と選民思想の強化
ユダヤ民族の「憲法」としての十戒/奴隷にして選民/預言者アモスの「選民」批判/イスラエルの社会は歪んでいる/預言者イザヤの貴族批判/「王」の称号であったメシア/ダビデと王国の誕生/ナタン預言――ダビデの子孫が王国を継ぐ/シオンの丘に首都エルサレムを建てる/イザヤのユダ王国批判/預言者たちの社会批判
第六章 隠れたる神――ユダ王国滅亡の衝撃
バビロン捕囚/エレミヤ哀歌――主は敵となられた/イスラエルの民の自己断罪/奴隷生活の苦汁/預言者エゼキエルの見た幻/捕囚は七〇年に及ぶだろう/バビロン解放とディアスポラの開始
第七章 唯一なる神――世界の歴史を導く神へ
パレスチナ帰還――第二イザヤの預言/バビロニアの主神マルドゥクの力/創造の神/わたしをおいて神があろうか/ゾロアスターの影響/苦難の僕とは誰か/不完全な唯一神/苦難を通して贖う/隠れたる神と唯一なる神/パレスチナの転変/黙示文字/終末論的メシアと政治的メシア/苦難を打ち破るメシア
第八章 律法の神――ユダヤ教の成立
自国史の編纂と律法の完成/最も重要な「安息日の規定」/律法学者の台頭――敬虔派からファリサイ派へ/六一三の義務が毎日を律する/ミシュナ――律法を体系化した「六法全書」/生活そのものを制限せず、生活の在り方を限定する/タルムード――文書化されたミシュナとその注釈・ゲマラ
エピローグ
周辺から中心へ、中心から周辺へ/弱者の立場に立つことこそ善


参考文献
原本あとがき (一九九七年(阪神大震災第三年)九月一日 荒井章三)
文庫版あとがき (二〇一二年(阪神大震災第一八年、東日本大震災第二年)一二月一日 荒井章三)


※本書の原本は、一九九七年十月、小社より講談社選書メチエとして刊行されました。


≪著者: ≫ 荒井章三 (あらい しょうぞう) 1936年、福井市生まれ。京都大学文学部哲学科卒業、立教大学大学院文学研究科組織神学専攻博士課程修了。神戸松蔭女子学院大学教授、学長を務める。神戸松蔭女子学院大学名誉教授。神学者。専攻は旧約聖書学。新共同訳聖書編集委員・翻訳委員。共編著に『ユダヤ思想』『旧約聖書を学ぶ人のために』、翻訳にG・フォン・ラート『旧約聖書神学』などがある。






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