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入門 朱子学と陽明学 (ちくま新書)
入門 朱子学と陽明学 (ちくま新書990)

○著者: 小倉紀蔵
○出版: 筑摩書房 (2012/12, 新書 253ページ)
○定価: 840円
○ISBN: 978-4480066954




論語』のおもしろさがわからないという人は、その解釈の魅力を知らないからである。孔子・孟子の古典から知的営為を積み重ねてきた儒学。その中から宋代に新しい学問として現れ、儒教的な「宇宙認識」を哲学化した朱子学。そしてそれを継承しつつ克服しようとした陽明学。これらの世界観はいかなるものだったのか。東アジアの思想空間を今も規定するその自己・社会・宇宙のとらえ方を、心・性・理・気・鬼神などのタームを通して平易に解説。その魅惑に満ちた世界へと読者を誘う。


≪目次: ≫
凡例
はじめに――世界観としての朱子学陽明学

第一章 儒教の「宇宙快感」と「宇宙認識」
1 宇宙快感
霊と快感/快感と社会/村の快感構造
2 宇宙認識
鬼神的統治/「宇宙認識」と統治/日本の場合

第二章 まず儒教を理解する
1 儒教の多様性
儒と恐怖心/儒教の定義/愛/知/道徳的エネルギー/変革の宗教/文明――「中華世界」と儒教/感性的なアプローチ/攻撃性
2 何を読めばよいのか
四書/朱子学・陽明学

第三章 朱子学の玄関口
1 朱子学が問題にする論点
玄関口/「朱子学」という名称
2 人間性に関して
四端/性善
3 心に関して
義内
4 宇宙の動態について
太極

第四章 朱子学の核心――「理」とは何か
1 朱子学の世界
思想史と哲学の一致/美の哲学/若さとスピード/世界の二重性
2 気と理
気=スピリチュアル・マテリアル/気とアニミズム/理/もの・ことの本性/理ともの・こと/理の構造
3 人間をどうとらえるか
心/性と情

第五章 陽明学の核心――「ひとつになること」
1 陽明学の世界
心のエネルギー
2 世界とは何か
万物一体の仁/良知
3 人間をどうとらえるか
心/格物と誠意/知行合一/無善無悪

第六章 「空虚」をめぐる思索
1 孔子の「空」
『儒門空虚聚語』/『論語』の「空」
2 朱子学と陽明学の「空」
「空空如」とは何か/朱子以前と朱子/王陽明の空虚/王竜渓の空虚/空虚の実学

第七章 鬼神と社会
1 心、知、社会
心とスピード/スピードと鬼神/「愛×知×道徳」的エネルギー
2 鬼神と霊魂
鬼神の新しい見方/「純粋な洞察(die reine Einsicht = pure insight)」/ヘーゲルの集団的霊魂
3 鬼神的社会をどうつくるか
ふたつのグループ/夾雑物のない世界へ

第八章 気と生命
1 生命エネルギーとしての気
生命エネルギーの思想/生命の定義
2 気の思想
気は民衆的か/気と平等/貨幣との類似/気と還元主義/多様性と稀少性
3 自我と生命
自我が先か、生命が先か/自我の興亡/期は自我を救えるか/気は新しい思想?/新しい生命観へ

あとがき (二〇一二年十月 京都深草にて 小倉紀蔵)


≪著者: ≫ 小倉紀蔵 (おぐら・きぞう) 1959年東京生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。東京大学文学部ドイツ文学科卒業、韓国ソウル大学校哲学科大学院東洋哲学専攻博士課程単位取得。専門は東アジア哲学。著書『朱子学化する日本近代』(藤原書店)、『創造する東アジア』『〈いのち〉は死なない』(以上、春秋社)、『心で知る、韓国』(岩波現代文庫)、『韓国は一個の哲学である』(講談社学術文庫)、『ハイブリッド化する日韓』(NTT出版)、『日韓中はひとつになれない』(角川oneテーマ21)など。

小倉紀藏 『韓国語はじめの一歩』(ちくま新書、2000年) '11/08/18
小倉紀蔵 『歴史認識を乗り越える 日中韓の対話を阻むものは何か』(講談社現代新書、2005年) '11/08/14
小倉紀蔵 『ハイブリッド化する日韓』(エヌティティ出版、2010年) '11/08/05
小倉紀蔵 『日中韓はひとつになれない』(角川oneテーマ21、2008年) '11/07/29
小倉紀蔵 『韓国は一個の哲学である 〈理〉と〈気〉の社会システム』(講談社学術文庫、2011年) '11/06/22






 二千数百年にわたって変化しつつ生命力を保ってきた思想としての儒教を、ひとことで定義することは困難なのである。……著しく多義的で曖昧でもあるのである。
 儒教は思想であり哲学であり、また宗教でもあり統治理念でもあり芸術理念でもあるという多面性を持っている。
 ……それらの多義性の中から、どれをもっとも重要な中核的思想ととらえるかによって、儒教の相貌は著しく変わってくるのである。
 そのような多様性をすべて説明できるような定義は困難だが、私なりに規定してみると、次のようになる。

  儒教とは、血の連続性および超越的存在(天)との合一感を基本にして、生者と死者を包摂した愛と血と美の共同体を構築する宗教思想であり、かつ、その愛の道徳的エネルギーを外部に拡散する変革運動によって他者への統治を実現し、世界的な文明共同体を完成しようとする政治思想である。【定義A】

   (p033-035、「第二章 まず儒教を理解する」



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