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空海と日本思想 (岩波新書)
空海と日本思想 (岩波新書1400)

○著者: 篠原資明
○出版: 岩波書店 (2012/12, 新書 240ページ)
○定価: 798円
○ISBN: 978-4004314004



思・想
思想の基本系のありようをさぐる。変奏されつづける思想の基本的なありよう


西洋において、プラトンの哲学が後世に大きな影響を与え続けているが、日本においてそのような存在はいるのだろうか? 空海について思索を重ねてきた著者は、空海思想の基本概念である「風雅・成仏・政治」を日本思想理解のための基本的な視点(基本系)と捉え、さまざまな事例を通して論ずる。斬新で刺激的な日本思想論。


≪目次: ≫
まえがき

序章 プラトン空海
1 プラトン哲学の基本系
プラトン哲学の基本系/美のイデア/美しいことは善いこと/善と美と正義
2 基本系の変奏と西洋思想
中世と近代による変奏/トマス・アクィナスにおける神/超越的概念としての美/悪に対して/共通善と法/クローチェと基本系/美と善/悪に対する闘い/思想の基本系の要件
3 日本思想の基本系と空海
風雅と成仏と政治/風雅人にして仏教僧/鎮護国家/無常観/天皇制

1章 風雅連綿――詩人として
1 『性霊集』の世界へ
生誕と出自/大学出奔/『聾瞽指帰』と『三教指帰』/詩人空海
2 美と風雅
美しい術と風雅/風雅の原義/美と「うつくし」/心と言葉/書の場合
3 自然を友とする
ちる言の葉/心を境物に遊ばしめ/宇宙の生成に寄り添う
4 無常観と〈さび〉
無常の暴風/電影/草庵に始まる/〈さび〉の生成/山の庵/寂と大日如来

2章 即身成仏へ――仏教者の教え
1 即身成仏とは
風雅から大日如来へ/点無限としての大日如来/大日如来と心/六大体大説/点マジックとイメージ動力学/この身を捨てずして/法身の言語
2 密教の心識論
十識とは/安然による継承/心敬の〈ひえさび〉/
3 遍満と凝縮
梵字への思い/阿字と吽字/浅略と深秘/凝の位相/凝の方位/行動への方向づけ

3章 報恩の政治学――密厳国土のために
1 仏教と国家
ひとつの国家論/薬の処方/護国の意味
2 四恩に報いる
四恩とは/早期帰国の謎/開かれた報恩/綜芸種智院の理念/三宝の恩/高野への思い/密厳国土へ

4章 建物・道具・物語と基本系
1 風雅の四方位
ひとつのエピソードから/ホモ・ファベルと自然/利休秀吉/無常観/系譜という物語/風雅の四方位/桂離宮と四方位
2 四方位とマンダラ
空海という名/風雅人として/密教僧として/マンダラとしての大塔/風雅の四方位からマンダラへ
3 天皇との関わり
四方位から天皇を見ると/両部神道と両部マンダラ/アマテラスと大日如来/伊勢の西行/西行による基本系

5章 日本思想の基本系
1 慈円による変奏
空海と日本思想の基本系/仮名書きの思想家/「心遣る」歌学と密教/道理の歴史叙述
2 九鬼周造による変奏
風流について/芸術の時間性/自然と意気と諦念の政治学/偶然性と回帰的時間/ありなし間からの転回

終章 空海と現代日本
1 風雅の拡張
西脇順三郎フランシス・ベーコン/淋しさが押し寄せてくる/植物を友として/草間彌生と宇宙への広がり
2 いまかつて間の立場から
いまかつて間と六大/寂の三段階/新しみとさびしみ/風雅モダニズム/さびしみつつ新しむ/さびしむメディア/万象に証せられる
3 密厳国土の政治学と現代
宗左近東京大空襲/輪廻転生と美の哀しさ/忘恩に対する闘い/いまかつて間と密厳国土/天皇と基本系

空海・略年譜
参考文献


≪著者: ≫ 篠原資明 (しのはら・ともあき) 1950年香川県に生まれる。1980年京都大学大学院博士課程修了。専攻、哲学・美学。京都大学教授。著書、『漂流思考』(弘文堂、講談社学術文庫)、『トランスエステティーク』(岩波書店)、『五感の芸術論』(未来社)、『言の葉の交通論』(五柳書院)、『心にひびく短詩の世界』(講談社現代新書)、『ドゥルーズ』『エーコ』(以上、講談社)、『言霊ほぐし』(五柳書院)、『まぶさび記』(弘文堂)、『ベルクソン』(岩波新書)ほか。訳書、『開かれた作品』(エーコ、共訳、青土社)、『物語における読者』(エーコ、青土社)、『非人間的なもの』(リオタール、共訳、法政大学出版局)ほか。


篠原資明 『ドゥルーズ ノマドロジー  Gilles Deleuze: nomadologie, 1997 』(現代思想の冒険者たちSelect、講談社、2005年) '09/10/25
篠原資明 『ベルクソン 〈あいだ〉の哲学の視点から』(岩波新書、2006年) '09/10/24





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