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聖武天皇と仏都平城京 (天皇の歴史)
聖武天皇と仏都平城京 (天皇の歴史02)

○著者: 吉川真司
○出版: 講談社 (2011/1, 単行本 390ページ)
○定価: 2,730円
○ISBN: 978-4062807326




女性天皇たちが護った天武直系の皇統。期待とともに即位した聖武を待ち受けていた天災と政変。疫病大流行に苦悩する天皇は仏教に深く帰依し、平城京は仏都の彩りを濃くしていく。そして空前の専制君主・称徳天皇、聖武朝の否定者・桓武天皇が新時代を切り開いた。波乱に満ちた古代天皇の生涯と宮都の実像を活写する。


≪目次: ≫
カラー口絵・写真
至高の経典〈金光明最勝王経〉/大仏造顕/聖俗秩序の中心〈大極殿〉/瓦のピラミッド〈大野寺土塔〉

序章 天皇の都・仏の都
 1 二月堂の夕景
春を呼ぶ法会/平城京・平城宮と東大寺
 2 大伽藍本願聖武皇帝
古代寺院の祈り/過去帳/古代天皇と仏教
 3 仏と神と御霊
修二会を遡る/神名帳/御霊への畏怖

第一章 飛鳥から平城へ
 1 天智天皇と天武天皇
神にしませば/壬申の乱への道/聖君天智天皇/天智朝の実像/天武朝への連続性/二つの国忌
 2 天武朝の転換点
草壁皇子/浄御原令/国制整備/史書の編纂/律令体制の確立
 3 天武直系皇統の創出
天武の死/草壁の死/後皇子尊/文武天皇/大宝律令/日本国号と天皇号/直系のゆくえ
 4 飛鳥・藤原・平城
飛鳥の都/藤原京建設/仏都の実像/法会の空間/平城遷都/寺院・邸宅の移転

第二章 平城宮の儀礼と政務
 1 平城宮のすがた
平城京/平城宮/前期平城宮/藤原宮と平城宮/唐王宮と平城宮/後期平城宮へ
 2 内裏と大極殿
文献による王宮研究/内裏/男子禁制/大極殿と高御座/大極殿の成立/天皇の聴政
 3 二つの朝堂院
朝堂院/朝堂/中央区と東区/天皇への侍候/神聖なる空間
 4 朝堂と曹司
着座のルール/朝座をもたない官司/朝堂・曹司の役割/曹司の実態/神殿と仏殿

第三章 聖武天皇
 1 皇太子首親王
和銅八年の朝賀儀/元明から元正へ/藤原不比等/二振りの短刀/不比等と元明の死
 2 聖武天皇と光明皇后
聖武天皇即位/藤原宮子称号一件/皇子の誕生と夭折/長屋王の変/光明立后
 3 天平の疫病大流行
藤原四卿/四卿全滅/未曾有の大惨事/橘諸兄
 4 変乱と遷都
阿倍内親王の立太子/藤原広嗣の乱/恭仁遷都/紫香楽と難波/王権の動揺

第四章 行基と知識と天皇  
 1 仏都平城京と行基
四聖御影/行基の前半生/登美院と石凝院/生馬院/仏都からの放逐
 2 大野寺土塔
故郷での活動/大野寺/文字瓦/土塔への願い/天皇霊
 3 難波・狭山・昆陽
摂津での活動/行基集団公認/狭山池院/昆陽池院/惸独田
 4 疫病大流行の前後
行基寺院の転換/菩提院/太子信仰/国分寺建立/大養徳恭仁金光明寺
 5 盧舎那大仏
知識寺行幸/大仏造顕/東大寺の成立/八幡入京/新薬師寺/行基の入滅

第五章 四字年号時代  
 1 陸奥産金のインパクト
小田郡の黄金/太上天皇沙弥勝満/大仏開眼/金資源の確保/黄金郷の原像
 2 光明皇太后と藤原仲麻呂
紫微中台/聖武太上天皇の死/廃太子と立太子/橘奈良麻呂の変/天平宝字/光明皇太后の死
 3 空前の専制君主、称徳天皇
保良宮での不和/藤原仲麻呂の乱/称徳天皇と道鏡/宇佐八幡神託事件/称徳天皇の死
 4 変貌する王宮とイデオロギー
後期平城宮/政務形態の変化/次侍従/神仏の混交/仏堂としての大極殿/仏都の爛熟

第六章 桓武天皇   
 1 光仁から桓武へ
光仁天皇/山部親王の立太子/唐使入京/桓武天皇の即位/天智直系皇統
 2 百済王氏と交野
高野新笠/百済王氏/交野行幸/天神祭祀
 3 平城京との訣別
遷都の戦略/藤原種継暗殺事件/長岡宮/長岡京/国哀と災変
 4 平安の新京
平安京と平安宮/東寺と西寺/東北蝦夷戦争/地方行政の整備/桓武天皇の死

第七章 平安京の王権
 1 平城天皇の功罪
剋己励精/伊予親王事件/二所朝庭/薬子の変/万代の宮
 2 嵯峨天皇
桓武朝の継承/唐風化/藤原冬嗣/冷然院と嵯峨院/太上天皇の権力
 3 爛熟と転換
淳和から仁明へ/承和の聖代/勅旨田/奢侈と窮乏/時代の終わり 

第八章 仏都の命脈
 1 廃都後の平城京
奈良の京、春日の里/平城太上天皇の宮/超昇寺と不退寺/水田化する平城京/内蔵寮領梨原荘
 2 七大寺の法灯
純然たる仏都/教学の発達/御斎会と維摩会/山林修行の系譜/最澄と七大寺教団/空海と東大寺真言院/民間布教の伝統
 3 東大寺と興福寺
実忠二十九箇条/寺領荘園の再建/興福寺講堂と南円堂/仏都の景観/焼亡と再生

参考文献
年表 (西暦663・天智二年〜西暦850・嘉祥三年)
歴代天皇表
天皇系図
索引


カバー写真: 「国宝 不空羂索観音像宝冠及び化仏」 東大寺蔵、写真提供 奈良国立博物館、撮影 森村欣司

【編集委員】 大津 透河内祥輔藤井讓治藤田 覚
講談社創業100周年記念企画 「天皇の歴史」 全10巻


≪著者: ≫ 吉川真司 (よしかわ・しんじ) 1960年生まれ。京都大学大学院博士後期課程修了。京都大学教授。専攻は日本古代史。主な著書に『律令官僚制の研究』(塙書房)、編著に『展望日本歴史6 律令国家』(東京堂出版・共編)、『日本の時代史5 平安京』(吉川弘文館)、『列島の古代史』全8巻(岩波書店・共編)などがある。

吉川真司 『飛鳥の都』(シリーズ日本古代史3、岩波新書、2011年) '11/07/22
木簡学会 編 『木簡から古代がみえる』(栄原永遠男/和田萃/市大樹/馬場基/舘野和己/森公章/平川南/佐藤信/吉川真司/李成市/角谷常子/山里純一/渡辺晃宏/山本崇/井上和人 執筆、岩波新書、2010年) '11/05/18

足利健亮 『地図から読む歴史』(講談社学術文庫、2012年) '12/05/01
五味文彦/佐藤信 編著 『日本古代中世史 '11』(佐々木恵介/本郷和人/中島圭一 著、放送大学教材:専門科目 人間と文化コース、放送大学教育振興会、2011年) '11/10/28
森本公誠 『聖武天皇 責めはわれ一人にあり』(講談社、2010年) '11/10/28
川尻秋生 『平安京遷都』(シリーズ日本古代史5、岩波新書、2011年) '11/07/28
坂上康俊 『平城京の時代』(シリーズ日本古代史4、岩波新書、2011年) '11/07/24
佐藤信 編著 『日本の古代 '05』(倉本一宏/佐々木恵介 著、放送大学教材:専門科目 人間と文化コース、放送大学教育振興会、2005年) '11/05/02
坂上康俊 『律令国家の転換と「日本」』(日本の歴史05、講談社学術文庫、2009年) '11/01/12
渡辺晃宏 『平城京と木簡の世紀』(日本の歴史04、講談社学術文庫、2009年) '11/01/07
遠山美都男 『天智と持統』(講談社現代新書、2010年) '10/12/18
遠山美都男 『天平の三姉妹 聖武皇女の矜持と悲劇』(中公新書、2010年) '10/02/22
遠山美都男 『蘇我氏四代の冤罪を晴らす』(学研新書、2008年) '10/01/02
遠山美都男 『白村江 古代東アジア大戦の謎』(講談社現代新書、1997年) '09/12/29
遠山美都男 『壬申の乱 天皇誕生の神話と史実』(中公新書、1996年) '09/12/14
遠山美都男 『大化改新 六四五年六月の宮廷革命』(中公新書、1993年) '09/12/11
遠山美都男 『古代の皇位継承 天武系皇統は実在したか』(歴史文化ライブラリー、吉川弘文館、2007年) '09/12/08
橋本治 『権力の日本人』(双調平家物語ノート I、講談社、2006年) '11/03/25 , '09/09/12


大津透 『神話から歴史へ』(天皇の歴史01、講談社、2010年) '13/02/03






■未曾有の大惨事と闘う聖武天皇と行基の社会救済
相次ぐ地震、凶作と150万の死者を出した疫病大流行。国家の危機に瀕した天平年間、人々を救済するため聖武天皇は社会復興と国力回復を願い、大仏開眼へと続く苦難の道を歩みます。仏都平城京を支えたのは聖武による仏教宣揚とともに、民間布教に心血を注いだ行基と弟子たちの活動です。近年堺市に復原された行基集団の記念碑、瓦のピラミッドともいえる大野寺土塔の発掘資料をもとに、仏教による社会救済の様相を描き出します。

■女性天皇が権威と権力を掌握した時代
持統、元明、元正によって護られ、聖武へと継承された天武直系の皇統。天皇を後見した女性太上天皇の果たした役割とは? 聖武皇女・阿倍内親王は史上初の女性皇太子となり孝謙天皇として即位。譲位後、道鏡を重用し、これに反対した淳仁天皇を廃して重祚、称徳天皇として藤原仲麻呂の乱を平定します。その波乱に富んだ治世と、専制君主ぶりを活写します。

■対照的な聖武天皇と桓武天皇
元明、元正天皇、藤原不比等など常に後見者に支えられた聖武。一方、百済系渡来氏族出身者を母にもつ桓武は、自己の権威を高めるため天智直系の皇統を称揚しました。聖武と対照的な桓武が「聖武朝的なるもの」を否定し、自身が主体的に選び取り、創りだした新時代とは。天智系皇統を確立した桓武の治世と平安京の爛熟を追究します。



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