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タックス・ヘイブン――逃げていく税金 (岩波新書)
タックス・ヘイブン 逃げていく税金 (岩波新書1417)

○著者: 志賀 櫻
○出版: 岩波書店 (2013/3, 新書 240ページ)
○定価: 798円
○ISBN: 978-4004314172






税制の根幹を破壊する悪質な課税逃れ。そのカラクリの中心にあるのがタックス・ヘイブンだ。マネーの亡者が群れ蠢く、富を吸い込むブラックホール。市民の目の届かない場所で、税負担の公平を損なうさまざまな悪事が行なわれている。その知られざる実態を明らかにし、生活と経済へ及ぼす害悪に警鐘を鳴らす。


≪目次: ≫
序章 市民はこの実態を知らなくてよいのか
日本の税制は公平か/魑魅魍魎の伏魔殿/何が行われているのか/高額所得者や大企業による脱税・租税回避/マネー・ロンダリング/テロ資金への関与/巨額投機マネーによる世界経済の大規模な破壊/困難な実態解明/体験的タックス・ヘイブン論

第1章 タックス・ヘイブンとは何か
1 どこにあるのか? なぜあるのか?
どこにあるのか?/王室属領/シティ、ウォルマート・ストリート、欧州諸国/なぜあるのか?
2 タックス・ヘイブン・リスト
タックス・ヘイブンの判断基準/「有害な税の競争」報告書/ブラックリストの功罪/先進国の金融センター
3 オフショア・センター
事前規制の重要性/オンショアとオフショア/オフショアの二つのタイプ/タックス・ヘイブンと金融センター/大陸のタックス・ヘイブン
4 タックス・ヘイブンの利用法
サンドイッチという手法/帰ってこない所得/金融サービスの裏面

第2章 逃げる富裕層
1 節税・租税回避・脱税
あいまいな境界/日本の富裕層
2 タックス・ヘイブン事件簿 その一
武富士事件/フィルム・リース事件ほか/UBS事件/リヒテンシュタインのLGT事件
3 やせ細る中間層
強い経済は分厚く健全な中間層から/ジニ係数/ゆらぐ財政基盤/富裕層の租税回避が招くもの/望ましい税制とその執行可能性の問題

第3章 逃がす企業
1 国境を越えた租税回避の問題
租税回避/直接税の痛税関/アメリカにおける企業の租税回避
2 タックス・ヘイブン事件簿 その二
オウブンシャ・ホールディング事件/外国税額控除余裕枠事件/オリンパス事件、AIJ事件
3 タックス・ヘイブン対策税制
タックス・ヘイブンを利用する租税負担ゼロのからくり/タックス・ヘイブン対策税制の発明/日本のタックス・ヘイブン対策税制
4 移転価格税制
移転価格税制とは
5 税金争奪戦
OECD移転価格ガイドライン/課税権はどこにある?

第4章 黒い資金の洗浄装置
1 犯罪資金を追え
マネー・ロンダリングとは何か/その手口とは?/FATF/日本のマネーロンダリング対策/国境の壁
2 タックス・ヘイブン事件簿 その三
五菱会事件/BCCI事件/北朝鮮秘密口座事件/HSBCマネロン疑惑事件
3 テロ資金とのかかわり
テロの現場に身を置く/テロ資金とテロ対策

第5章 連続して襲来する金融危機
1 マネーの脅威
暴走するマネー/金融危機のメカニズム/レバレッジ/暴走マネーの供給源/ファンド/ヘッジ・ファンドとタックス・ヘイブン
2 繰り返す金融危機
ブラック・マンデー/スウェーデン危機/アジア通貨危機/日本の金融危機――今そこにある危機/日本の金融危機――長期にわたる失敗の積み重ね/LTCM破綻/ITバブル崩壊
3 危機の連鎖とリスク
高度金融商品の問題点/トゥー・ビッグ・トゥー・フェイル(too big to fail)/リスクと連鎖/世界が密接につながっているという事実/ヘッジ・ファンドの害悪
4 タックス・ヘイブンの害悪
椰子の茂るカリブの島/群小のオフショア金融センター/ロンドン=シティ/ニューヨーク=ウォール・ストリート

第6章 対抗策の模索
1 仕組みに潜む課題
所得逃れの道具立て/多様な事業体の問題/情報交換の問題/情報開示の成功・不成功
2 タックス・ヘイブン退治
椰子の茂るタックス・ヘイブンへの対策/群小の金融センターへの対策/ロンドン、ニューヨークへの対策/国際的プレッシャー
3 ヘッジ・ファンド退治
人間の強欲(グリード)/ボルカー・ルールとAIFM/戦術に規制をかける
4 グローバル・プルーデンシャル・レギュレーション
FSB/金融機関の規制1――銀行/金融機関の規制2――証券/金融機関の規制3――保険
5 新しい税のあり方
トービン税/国際連帯税/EUにおける金融取引税構想/シティズンシップ課税/出国税/新世紀の租税制度の設計/国際協力による調査

終章 税金は誰のためのものか

あとがき (二〇一三年三月 志賀 櫻)


≪著者: ≫ 志賀 櫻 (しが・さくら) 1949年東京都生まれ。1970年司法試験合格、1971年東京大学法学部卒業、大蔵省入省。熊本国税局宮崎税務署長、在連合王国日本国大使館参事官、主税局国際租税課長兼OECD租税委員会日本国メンバー、主計局主計官をへて、1993年警察庁へ出向、岐阜県警察本部長、1998年金融監督庁国際担当参事官兼FSF日本国メンバー、特定金融情報管理官兼FATF日本国メンバー、2000年東京税関長、2002年財務省退官、2010〜12年政府税制調査会納税環境整備小委員会特別委員。弁護士。著書、『詳解 国際租税法の理論と実務』(民事法研究会、2011)ほか。


三木義一 『日本の税金 新版』(岩波新書、2012年) '12/05/06





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