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弁証法とイロニー 戦前の日本哲学 (講談社選書メチエ)
弁証法とイロニー 戦前の日本哲学 (講談社選書メチエ550)

○著者: 菅原 潤
○出版: 講談社 (2013/5, 単行本 216ページ)
○定価: 1,575円
○ISBN: 978-4062585538





田辺元と保田与重郎を二つの極に、ハイデガー・ベンヤミンらと同時代の思想的営為として戦前日本の思想を読み解く比較哲学史の試み

戦前期、「近代」を問う日本の知識人たちは何を思想的課題とし、何を思考し続けていたのか。田辺元の「弁証法」と保田与重郎の「イロニー」を二つの極に、三木清の「人間学」・萩原朔太郎の「デカダンス」の思想を媒介項とすることにより戦前の思想地図を大幅に書き換える。同時に、ハイデガー・ベンヤミンらと同時代の思想的営為として戦前期の思想を世界の哲学思潮の中に位置づける意欲作。


≪目次: ≫
プロローグ――なぜこの二つの語なのか
二つの語から連想されること/ロマン派とイロニー/現象学と弁証法/ディルタイからみた現象学とのつながり/ヘルダーリンを介したハイデガーとベンヤミン/田辺元と現象学/三木清とハイデガー/三木・萩原朔太郎・保田与重郎――生田長江からの影響/「比較哲学史」の可能性/「昭和思想史」と「日本哲学史」/弁証法をめぐる田辺と三木/三木と文学論/三木と日本浪漫派/保田与重郎と亀井勝一郎――日本浪曼派における対立/イロニーとデカダンス/デカダンスの系譜――田辺・朔太郎・保田/章立てについて

第一章 田辺元の弁証法、あるいは発出論批判
田辺の人間性/京都学連事件について/河上肇と三木/田辺による弁証法批判/シェリングへの共感/弁証法的自由の視点/観念弁証法と唯物弁証法/「物質的存在の発展運動」――絶対弁証法とは何か・その一/「個人的人格」――絶対弁証法とは何か・その二/個人と全体の弁証法――絶対的弁証法とは何か・その三/船山信一と高山岩男/船山による田辺批判/田辺による西田批判/シェリングによる発出性批判/シェリングと田辺の親近性

第二章 架橋的思索者としての三木清
日本哲学史における位置づけ/三木における弁証法とイロニー/三木と田辺の関係/三木と唯物論との接点/人間学とイデオロギー――二つの「弁証法的なる関係」/歴史的意識と人間学/基礎経験は階級意識たり得るのか――梯による三木批判/「社会的身体」のファシズム的性格/「個人的人間」の捉え方――田辺と三木の異同/船山の見た梯の西田受容/弁証法的一般者から見たヘーゲルとマルクスの弁証法/知覚論から見た行為的直観/物質的主体の弁証法/物質的主体から見た田辺と西田の立場/実践的直観と行為的直観/高山による行為的直観の批判/「課題と解決」と場所的論理/田辺を軸にした弁証法理解

第三章 イデオロギー論とイロニー――三木清と保田与重郎の交わるところ
保田と京都学派との関係/人間学からパトスへ―「イデオロギーとパトロギー」の問題設定/松下のパトス論の背景/イロニー論が登場する文脈/保田とシュレーゲル/プロレタリア文学論の背景/群衆とパトス/イロニーと弁証法/大衆文学とイロニー/青春の喪失とデカダンツ/「浪曼派の将来」への注目/保田と亀井の大衆観/三木のミュトス的倫理/三木による日本浪曼派批判/朔太郎との接点/朔太郎と生田長江訳ニーチェ全集/朔太郎のデカダンス観/ボードレールへの傾倒/朔太郎の保田評/『日本への回帰』へ

エピローグ――比較哲学史のすすめ
田辺とフランス象徴詩/絶対弁証法から種の論理へ/種の論理から懺悔道へ/ヴァレリー・マラルメ 対 ボードレール/芸術と経済の関係/ボードレールの「高貴」――田辺のイロニー/坂部恵の朔太郎論/田辺の二通りの読み方/大海と大衆/ベンヤミンと大衆=メディア論/従来の日本哲学史研究の特徴/ユダヤ系思想家との関連/比較哲学史の地平へ


あとがき (二〇一三年三月一一日(東日本大震災から二年後) 菅原 潤)
索引


≪著者: ≫ 菅原 潤 (すがわら・じゅん) 1963年生。東北大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程修了。長崎大学環境科学部教授。専門は近現代ドイツ思想、環境哲学。著書に『シェリング哲学の逆説』(北樹出版、2001年)、『環境倫理学入門』(昭和堂、2007年)、『昭和思想史とシェリング』(萌書房、2008年)がある。



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