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――「最も嫌われる経済思想」の逆襲――
社会保障改革から震災復興まで、ビジョンを示す

「市場競争を煽って格差を拡大し、日本の伝統を破壊した」「世界金融危機を引き起こした元凶」――現在の日本において、新自由主義ほど批判される経済思想はない。だが、その見方は本当に正しいのだろうか。本書では、「小泉改革」や世界金融危機の再検討、さらに日本経済史を通じて、その誤解をとく。そのうえで、新自由主義の思想に基づき、社会保障改革から震災復興まで、日本経済再生のビジョンを示す。


≪目次: ≫
はじめに――危機の時こそ市場の活用を

第1章 新自由主義の思想とは何か
 1 基本的な考え方
誤解の蔓延/賢人政治と共同体主義/本来の新自由主義とは
 2 市場と政府の役割分担
公共財の供給――道路公団民営化を例に/事前的規制と事後的規制/市場競争と「弱者保護」/談合は必要悪か/環境問題にも市場を活用/排出権取引市場の創設/景気対策の必要性/所得再分配/福祉という「保険」/「効率性」の概念
 コラム 四大思想家を読み直す ジョン・ロールズ

第2章 資本主義の終焉?
 1 サブプライム・ローン問題の本質
「一〇〇年に一度」は大げさ/サブプライム・ローンの失敗要因/リスクと不確実性/格付け機関の「利益相反」/システミック・リスト/セーフティー・ネットの罠
 2 効率的な金融市場規制とは
四つの制度改革/資本主義は変わるか/野球とサッカーの審判の違い
 コラム 四大思想家を読み直す アダム・スミス

第3章 市場主義は日本の伝統
 1 平清盛から「天下の台所」まで
貿易国家を目指した福原遷都/信長を支えた「楽市・楽座」/世界の先進商業都市・大坂
 2 一九四〇年体制と一九七〇年体制
戦前は欧米型市場経済/戦時の一九四〇年体制/イラクと日本占領の対比/田中角栄の一九七〇年体制
 3 分裂国家日本
産業政策の功罪/貿易自由化は「アメリカの圧力」?/「対日年次改革要望書」/分裂国家/国際主義と国内開発主義との対比
 コラム 四大思想家を読み直す フリードリッヒ・ハイエク

第4章 小泉改革で格差は拡大したか
 1 所得格差拡大の真相
高齢化という要因/若年層が格差拡大している理由/自由貿易は行きすぎか/成功体験の弊害
 2 規制緩和への誤解
「失われた一〇年」への挑戦状/派遣法の規制緩和への誤解/タクシー参入規制は保護貿易/司法試験改革の理想と現実/市場競争に代わる選択肢はあるか/選択的夫婦別姓
 コラム 四大思想家を読み直す ミルトン・フリードマン

第5章 小泉改革は「行きすぎ」だったか
 1 郵政民営化の明暗
民営化の論理/政府の株式保有は必要か/真の目的は?
 2 進まなかった地方分権化
市場主義と地域主義の共通点/あるべき「三位一体の改革」/人口減少時代の過疎対策
 3 構造改革特区
モデルは米国政府/全国展開への道筋/自治体の意欲
 4 財政再建はなぜ成功しなかったのか
再び開いた「ワニの口」/カナダ型財政再建との対比/「埋蔵金」は無意味/社会保障費削減の失敗/社会保障目的税/公共投資の限界/所得再分配機能の強化を

第6章 社会保障改革
 1 年金制度は何のためにあるか
給付と負担の均衡/世代内の所得移転に重点を/専業主婦年金の改革案/未納付問題の抜本的解決策/税方式にすれば大幅な増税が必要?/新自由主義で考える年金制度
 2 質の高い医療を

第7章 労働市場改革
 1 雇用格差を縮小する方法
企業の利益追求が問題?/日本企業は「労働者管理企業」/年功賃金は公平か/解雇ルールの策定を
 2 新卒一括採用、定年制という悪習
企業が新卒一括採用にこだわる理由/人材ビジネスを成長産業に/「定年退職禁止」が先進国の大勢/公務員制度改革
 3 女性が活きるために
少子化の要因/ワーク・ライフ・バランスはなぜ実現できないか

第8章 新産業の可能性
 1 コメを輸入産業に
コメの可能性/もはや保護している時ではない/農業の活性化のために
 2 医療・介護・保育をサービス産業へ
ドラッグ・ラグ/公的保険の範囲を見直す/混合介護/混合保育
 3 都市の再開発とコンパクト・シティー
シャッター商店街は「商売放棄地」/都市空間の活用/固定資産税は都市の使用料/民間事業者の活用/混雑料金/新自由主義に基づく都市政策

終章 震災復興とTPP
復興財源は増税ではなく「増収」で/生産者利益の視点から/反対論の不思議な論理/TPPで農業の構造改革を/市場の活用による復興計画

おわりに (二〇一一年七月 八代尚宏)
読書案内


≪著者: ≫ 八代尚宏 (やしろ・なおひろ) 1946年(昭和21年)、大阪府生まれ。68年国際基督教大学教養学部、70年東京大学経済学部卒業。経済企画庁(現内閣府)、OECD事務局、上智大学国際関係研究所教授、日本経済研究センター理事長等を経て、国際基督教大学客員教授。安倍・福田内閣で経済財政諮問会議議員。メリーランド大学博士(経済学)、労働経済学・日本経済論専攻。著書『現代日本の病理解明』(東洋経済新報社、1980年、日経・経済図書文化賞)、『日本的雇用慣行の経済学』(日本経済新聞社、1997年、石橋湛山賞)、『少子・高齢化の経済学』(東洋経済新報社、1999年)、『規制改革』(有斐閣、2003年)、『健全な市場社会への戦略』(東洋経済新報社、2007年)、『労働市場改革の経済学』(東洋経済新報社、2009年)ほか。

八代尚宏 『規制改革で何が変わるのか』(ちくま新書、2013年) '13/08/26



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