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精読 学問のすゝめ (幻冬舎新書)
○著者: 橋本 治
○定価: 本体840円+税
○ISBN: 978-4344985544









「天は人の上に人を造らず」の有名な書き出し。『学問のすゝめ』なのに、なぜこんな一文から始まるのか? 諭吉が挙げた学ぶべき5科目の説明が、あっという間に終わるのはなぜなのか? それより膨大に費やされている話は一体・・・・・・? 明治初期に刊行され、20万部のベストセラー、日本が太平洋戦争で負けた後に再び読まれ、いまも売れ続ける名著の謎をズバリ解く。全十七編のうち、すべての肝は初編にありと見抜いた著者が、その一文一文を噛み砕き、時代背景から文章の飛躍の意味まで懇切丁寧に解きほぐしてしまった型破りな解説本。


≪目次: ≫
はじめに――『学問のすゝめ』が読まれる時

第一回 明治五年の頃
 まだ“江戸気分”の明治に出された『学問のすゝめ』
 出だしにある有名な「天」とはなにか
 お釈迦様の「天上天下唯我独尊」の意味から考える
 キリスト教の「神」と日本の「神」との違い
 「自由と平等」なんて初耳。だから諭吉は・・・
 とにかく、「学問をすればなんでも出来る!」

第二回 学問とはなんだ
 江戸時代までの「学問」と、ここが違う
 それまでのアカデミックの頂点は「漢文」だった
 これからは「実学」だ
 何も知らない「西洋」を学ぶのは大変だ
 これからは「自分の頭で考えろ。それが学問だ」

第三回 虚学と実学
 諭吉は「商売のすゝめ」を書いたわけではない
 「虚」と「実」の違いは、「役に立つかどうか」だけではない
 では、諭吉の言う「実学」とは?
 「独立しろ」とはどういうことか

第四回 福沢諭吉がまず言いたかったこと
 全十七編の“ブログ本”で重要なのはどこか
 すべての肝はやっぱり「初編」
 輸入モノの「自由」を日本人は知っていた?
 自由においても学問においても大切な「分限」とは
 「分限」を定義する三箇条

第五回 自由になったらなにをする?
 わがまま勝手と自由は違うよ、と念を押し・・・
 江戸時代までの「自由」は、「政治」と関係ないところにあった
 「自由」+「独立」で、「自由独立」という一語がカギ
 国民に政治は開かれた。だから政治に目を向けようね
 国民が賢ければ、政府も賢くなると諭吉がしきりに匂わせたわけ

第六回 「啓蒙」ってなんだ?
 本家本元の啓蒙思想は「神との決別」から始まった
 啓蒙思想の広がり方は英・仏・独それぞれ
 輸入した啓蒙思想は行方不明になったけれども
 まっさらな近代日本に必要とされた「啓蒙」とは
 「なにをどうしたらいいのでしょう」という困った問いに、諭吉は答えた
 明治初めはみんな“蒙”。そこから立ち上がるのに必要なのが・・・

第七回 敵がようやく姿を現す
 初めは諭吉も、明るく未来を説いていた
 人民はよき国民になれ、政府にも慈悲心がある。と、まとめるはずが
 新政府と人民の関係が、だんだん怪しくなってきた
 そして諭吉は四編、五編でキレた。誰に?
 理想から離れてゆく現実。諭吉、地団駄を踏む

第八回 もしも世の中がバカだらけなら
 新しい時代の生き方がさっぱり分からなかった日本人を前にして
 大事な話の語り口を、“インテリ”と“民衆” 相手にこう変えた
 超難問! 「政府と国民の新しい関係性」をどう説明したかというと
 明治政府にもいろいろあるけど、「オレは“バカ”が許せない!」
 結論! 「速やかに学問を志し、自分で才徳を高くして・・・」

第九回 私はやらない、君がやれ
 『学問のすゝめ』はノウハウ本じゃないことを、しつこく押さえておく
 幕府の「軍政」から「民政」に移行したときの国民あり方(マナー)とは
 国民の政治参加も、議会開設の必要性も力説しない。なぜなら。
 「こういう社会を君らはなんとかしてね」 諭吉のクールな姿勢に隠されたもの

最終回 現在進行形としての『学問のすゝめ』
 後は各自で読んで下さい。でもその前に
 古典であることを意識して読むということ
 まだ全然「近代」になっていない明治という時代
 政府と人民、その関係性をおさらいする
 そして今、『学問のすゝめ』のあの一文が立ちはだかるということは

収録 福沢諭吉 『学問のすゝめ』 初編 (出典 『学問のすゝめ』 福沢諭吉、岩波文庫)


※この作品は、二〇一六年六月小社より刊行された『福沢諭吉の『学問のすゝめ』』を改題したものです。


≪著者: ≫ 橋本 治 (はしもと おさむ) 東京都生まれ。東京大学文学部国文学科卒業。小説、評論、戯曲、古典の現代語訳、エッセイ等、多彩に活動。『桃尻娘』(小説現代新人賞佳作)、『宗教なんかこわくない!』(新潮学芸賞)、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(小林秀雄賞)、『蝶のゆくえ』(柴田錬三郎賞)、『双調 平家物語』(毎日出版文化賞)、『草薙の剣』(野間文芸賞)、『窯変 源氏物語』『巡礼』『リア家の人々』『ぬえの名前』『青空人生相談所』『橋本治のかけこみ人生相談』等、著書・受賞歴多数。2019年1月逝去。


橋本治 『福沢諭吉の『学問のすゝめ』』(幻冬舎、2016年) '16/09/22



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