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歴史という教養 (河出新書)
○著者: 片山杜秀
○定価: 本体800円(税別)
○ISBN: 978-4309631035










この国には「歴史」が足りない。歴史に学べと簡単に言うが、先行きの見えない時代の中で、それはいったいどういうことなのか――。当代屈指の思想史家が、歴史センスのみがき方を緊急講義。

「歴史」が足りないと、言葉は安っぽくなり、行動は独りよがりになり、前例を知らないので何でも新しいと錯覚し、思考が厚みを持たないので場当たり的になり、刹那の変化に溺れて、忍耐も我慢も欠いて、とんでもなく間違える・・・・・・ 歴史に学べと言うが、先行きの見えない時代の中で、それはいったいどういうことなのか――。博覧強記の思想史家が説く、これからの「温故知新」のすすめ。


≪目次: ≫
まえがき

序章 「歴史」が足りない人は野蛮である
 歴史的に考える、ということ/アウシュヴィッツとナチスの論理/なぜ、ユダヤ人が?/全部ユダヤのせいになる/究極の合理主義/忘れない、ということ/野蛮人になるというのか/歴史とは、子泣き爺である/歴史はないている

第一章 「温故知新主義」のすすめ
 温故知新主義/朱子はこう言っている/伊藤仁斎はこう言っている/遠近両用の歴史センス/昔の話なんて意味がない?/自己愛は歴史愛になる/詐術を見抜くために/荻生徂徠はこう言っている/あらためて温故知新とは/臆病こそが正しい

第二章 「歴史好き」にご用心
 「温故知新」の敵を知れ
1 人には守りたいものがある――「保守主義」という落とし穴
 何を保守するのか/保守主義者はこう考える/予約はするが、賭けはしない/小説の人、戯曲の人/保守、それは生き残り戦術の基本/革命家は「歴史のそとがわ」にいる?/ふるきをたずねて、新しきことがないことを知る/それは正しい教訓か/保ち守りたいものを奪われるのは怖い/「歴史のうちがわ」で引き受ける
2 昔に戻ればいい、はずがない――「復古主義」という落とし穴
 そこに「知新」はあるのか/そんなことは不可能なのに・・・・・・/復古は人を安心させる/過去志向だけでも未来志向だけでも、つらい/「あのときはよかった」という蟻地獄

第3章 歴史が、ない
1 「懐かしさ」はびっくりするほど役に立たない――「ロマン主義」という落とし穴
 分かりやすい、ということ/「むかしむかし」の想像力/われわれはみなロマン主義者?/ロマン主義者は決断しない/そこには「温故」も「知新」もない
2 今だけで済むわけではない――「神話」「啓蒙主義」「ファシズム」という落とし穴
 神には歴史がない/「啓蒙」と科学的精神/計算可能・予測可能・制御可能/資本主義は歴史を忘れさせる/歴史なき熱狂、歴史なき陶酔

第4章 ニヒリズムがやってくる
1 歴史は繰り返す、と思ったらアウト――「反復主義」という落とし穴
 「完璧な平等」を求めて/ブランキという男/「反復」という諦念/世界は反復と繰り返しと複製でできている/「ああ、またか」/心が動かない/「似ている」を肯定しつつ「同じだ」を否定する
2 なぜか答えが先にある――「ユートピア主義」という落とし穴
 ユートピアと歴史/マルクス主義の登場/五分で分かるマルクス主義の歴史的認識/頂上が決まっている山に登るのか/ユートピア主義という化け物

第5章 歴史と付き合うための六つのヒント
第一のヒント 歴史の道は似たものさがし
 「既視感」という手がかり/必要なのは「活知識」
第二のヒント 歴史小説は愛しても信じない
 『徳川家康』がベストセラーになったワケ/読者が司馬遼太郎に求めたもの/「似せたもの」に喜んではいけない
第三のヒント 「偉人」を主語にしてはいけない
 歴史のカメラがピンボケしていないか/「時と所を得る」という視点/英雄は、出ない/個人の値打ちは、小さい
第四のヒント ものさし変えれば意味変わる
 タイム・スケールを変えてみる/正解がある、わけではない/こんなにも違って見える/歴史を複眼で見る
第五のヒント 歴史を語る汝が何者であるかを知れ
第六のヒント 歴史は「炭坑のカナリア」である

第6章 これだけは知っておきたい五つの「史観」パターン
 すべてはひとつの「史観」である/「史観」のパターンを知る
パターン 「右肩下がり」史観――どんどん悪くなります
 仏教は仏教でなかった?/「末法」という考え方/「懺悔」という態度/孔子もまた・・・・・・
パターン◆「右肩上がり」史観――どんどんよくなります
 悲観ばかりではない/人間中心主義の時代/主役は神ではない/妄執への警鐘
パターン 「興亡」史観――盛者は必ず滅ぶ、次の盛者も必ず滅ぶ
 「交替」という発想/絶滅に学ぶ/人類滅亡のシナリオ/集団の拡大/繁栄が繁栄の条件を壊す
パターンぁ「勢い」史観――今いちばん強いのは誰か
 日本人にはなじみやすい/価値では動かない日本人/簡単で、楽
パターンァ「断絶」史観――あるところで全部が変わる

終章 教養としての「温故知新」
 危機の時代に何ができるか/人間の理性に絶望する/歴史から自由にはなれない/だからといって不自由なのか/すべては偶然、だから自由/歴史の知恵に従って、賽を振る

あとがき (二〇一八年一二月 片山杜秀)


≪著者: ≫ 片山杜秀 (かたやま・もりひで) 1963年、宮城県生まれ。思想史家。慶應義塾大学法学部教授。専攻は近代政治思想史、政治文化論。音楽評論家としても活躍。著書に『近代日本の右翼思想』(講談社選書メチエ)、『音盤考現学』『音盤博物誌』(アルテスパブリッシング、吉田秀和賞、サントリー学芸賞)、『未完のファシズム』(新潮選書、司馬遼太郎賞)、『ベートーベンを聴けば世界史がわかる』(文春新書)など。



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