Gori ≒ ppdwy632

〈ぼく〉の思索の一回性の偶然性の実験場。

本(生物学・動物行動学・人類学など)

本「新種の発見 見つけ、名づけ、系統づける動物分類学 (中公新書2589)」岡西政典5

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現在、地球上で名前が付けられている生物は約一八〇万種。だが、まだ数百万から数千万以上もの未知種がいると言われていて、誰でも新種に出会う可能性がある。採集の楽しみから、新種を新種と見抜く方法、動物分類・命名の基本、新種として公式に認められるための論文発表の苦労まで。「珍しい生物」好きが高じて深海生物テヅルモヅルの研究者となり、実際に新種を発見してきた著者が綴る、動物分類学への招待。






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本「協力と裏切りの生命進化史 (光文社新書994)」市橋伯一5

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協力と裏切りの生命進化史 (光文社新書)
○著者: 市橋伯一
○定価: 本体820円+税
○ISBN: 978-4334044008






――生命と非生命を分かつものは?――
生命を最も特徴づけるものは「進化」である。著者は試験管内で生命を模したシステムを構築することで生物の起源と進化を研究している。
生命とは“やっかい”なもので、「勝手に増えてどんどん変わっていく」のだと著者は説明する。ただ、進化が起きるのはある条件があった。40億年にわたる生命の歴史において、「協力」と「裏切り」がなければ単細胞生物からヒトへとつながる進化は起きなかったのだ――。
進化生物学の最新研究による「私たちの起源」と「複雑化の過程」。


≪目次: ≫
まえがき

第1章 生命とはなにか
 地球は生命であふれている/生命活動の節度のなさ/生命と非生命/区別する特徴/「‘阿」/「∩殖する」/「B綣佞鬚垢襦廖真焚修箸蓮真焚修生命と非生命を分かつ/10年で0.5%変異する/細胞とDNAは生物固有/生命と非生命を区別する必要性/地球外生命体にもあてはまる生命の定義/ダーウィンが提唱した進化/進化するための3つの条件/シュピーゲルマンモンスター/進化で遺伝子が消失/進化する能力と質/生命は徐々に複雑化する/被生命は単純な状態を維持/進化により複雑化し続ける生命

第2章 ヒトへと至る協力の歴史
 細菌は最も原始的な生命/細胞におけるタンパク質のはたらき/細胞膜という袋/適材適所な分子たち/細菌の起源という謎/RNAワールド仮説/RNAワールド仮説の問題点/タンパク質ワールド仮説、脂質ワールド仮説/分子が融合して細菌へと進化/細菌のすごさ/細菌は大きくなれない/細胞壁は細胞の拘束具/高機能化を阻むもの/殻を破った細菌/細胞のエネルギー革命/真核生命の誕生/ストレスに強い酵母/「賢い」真核生物/今も進行する細胞内共生/単細胞真核生物の限界/限界を突破した多細胞生物/細胞の分化と専門化/さらに専門化した組織へ/再び殻を破る/環境認識を広げた感覚器/協力を可能にする脳/大型化の弊害/協力で多細胞生物の限界を超える/社会性の進化/昆虫の社会性/社会性を持った集団のすごさ/昆虫の高性能な脳/アリの限界/ライオンの社会性/オオカミの社会性/ヒトの社会性/ヒトとチンパンジーの違い/助け合いを可能にしたヒトの心/生命進化に共通したパターン

第3章 協力を維持するしくみ
 ヒトの社会の裏切り者/罰で裏切りを抑える/公平さを好むヒトの心/裏切りを憎む心の獲得/最強のしっぺ返し戦略/アリの社会における裏切り者/怠け者、裏切り者を抑えるしくみ/がん細胞も裏切り者/がん細胞を排除するしくみ/なぜがんはなくならないのか?/細胞内共生における裏切り者/相互依存で裏切り者を生まない/裏切り者の役割/進化的軍拡競争/裏切り者は進化の起爆剤/今日呂価値を問い直す

第4章 私たちは何ものなのか
 地球上の個体数を見積もる/単純で利己的なものが優勢/進化は複雑さを好まない/なぜ協力が進化するのか/複雑化した生物が生き残った理由/限界まで単純化した細菌/原始生命体はどこへ行った?/生物のせいで絶滅した/生きられる環境がなくなった/見つかっているけど気づいていない/地球の生物は地球外からやってきた/新発見された謎の細菌/生物のように進化する非生命はできるのか/ヒトは最も過激な生物/ヒトを継ぐのは誰だ?

あとがき (平成31年2月 市橋伯一)


≪著者: ≫ 市橋伯一(いちはし のりかず) 1978年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科先進科学研究機構教授。専門は進化生物学。2006年、東京大学大学院博士課程修了(薬学)、JST ERATO研究員、大阪大学大学院情報科学研究科准教授を経て、2019年より現職。試験管内で生命を模した分子システムを構築することにより、生命の起源と進化を理解しようとしている。遺伝情報を持ち、進化する分子複製システムを世界で初めて構築した。



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本「もうすぐいなくなります 絶滅の生物学」池田清彦5

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もうすぐいなくなります:絶滅の生物学
○著者: 池田 清彦
○定価: 本体1,300円(税別)
○ISBN: 978-4104231126












生物の99%はすでに絶滅。人類はいつ消える? そのあとは牛の天下!?

過去約6億年の間に、6度は起きている生物の大量絶滅。はたして、絶滅しやすいのはどんな生物? 環境が激変したら、我々もやっぱり死に絶える? 人類亡きあと栄えのはなんで牛? ネアンデルタール人は今もしぶとく生き延びていた? もうすぐいなくなってしまう数々の実例を紹介しながら、生命、そして進化の謎を解き明かす。


≪目次: ≫
はじめに

第一章 「強制終了」のような絶滅
 これまでに、生物の大量絶滅は六回起きている
 生物の絶滅を引き起こす「超大陸」
 大きな隕石が落ちると何が起こるか
 七六億にまで増えた人類は何によって絶滅するのか
 スノーボールアースがきっかけで、多種多様な姿の動物が出現した
 絶滅するのもしないのも「偶然」
 「絶滅」するから「進化」する

第二章 「絶滅」にはさまざまな理由(わけ)がある――「絶滅」と「進化」の関係
 ゾウはなぜ衰退したのか
 「びん首効果」と遺伝子の絶滅
 種同士のコンペティションで最強の「絶滅圧力」を発揮するのが人間
 ネアンデルタール人がホモ・サピエンスと競合して敗れたのはなぜか
 他者がしていることに共感する能力の有無
 なぜ古い種は新しい種にコンペティションで負けるのか
 人類滅亡後に地球で繁栄するのはウシ?
 系統や種にも寿命がある?
 生物は、死ななければ生きている
 合理的な分類体系をどうやって決めるのか?
 絶滅と進化を繰り返した三葉虫
 起こりやすい突然変異と起こりにくい突然変異
 アミメアリの不思議な生態
 絶滅しないためのアミメアリの生き残り戦略とは

第三章 人間が滅ぼした生物と、人間が保護しようとする生物
 五〇億羽もいたリョコウバトがわずか一〇〇年で絶滅
 白人によって大量に殺戮されたアメリカバイソン
 「中国産のトキは外来種ではない」というご都合主義
 近親交配はなぜダメなのか
 絶滅したオオカミを再導入したら、自然生態系は正常化する?
 スペシャリストとジェネラリスト
 絶滅しそうな種を養殖で増やすと犯罪になる!?
 たくさんいるか全然いないかの両極端な種
 減っている虫もいれば、増えている虫もいる

第四章 「絶滅危惧種」をめぐる状況
 「レッドリスト」「レッドデータブック」
 コウモリは哺乳類の中で絶滅しやすい生物の筆頭
 島の鳥は絶滅しやすい
 島の生態系は狭くて脆弱
 湧水の減少による両生類の絶滅
 “再発見"されて「絶滅」のリストから外れたクニマス
 農薬の影響で激減した魚や虫
 洞窟ごとに種が異なるメクラチビゴミムシ
 「絶滅種と絶滅危惧種の宝庫」の小笠原

第五章 どのような生物が「絶滅」しやすいのか
 ある場所の個体群が「絶滅」するということ
 離島の生物が絶滅しやすい理由(わけ)
 棲息域が小さい生物はつねに絶滅の危機に瀕している
 近親交配と絶滅
 三峡ダムによって絶滅に追い込まれたヨウスコウカワイルカ
 トラの全体頭数はこの一〇〇年で九割も減少した
 性を決定する仕組みのいろいろ
 自然の中では「無敵」に近い親ウミガメ
 絶滅しない絶滅危惧種
 食用魚が絶滅危惧種になるような状況下で進む養殖技術
 海洋の哺乳類や鳥類の絶滅危惧種
 CITESがあるために、「害獣」であっても捕獲できない種

第六章 「絶滅」とは何か
  種のレベルでではなく「絶滅」を考えると
 交雑した系統・種の「絶滅」とは
 生殖の様式によっても生物の絶滅のレベルは異なる
 ホモ・サピエンス以外のヒトの種はすべて絶滅したが・・・・・・
 遺伝子レベルではネアンデルタール人もデニソワ人も絶滅していない
 ネアンデルタール人との「交雑種」こそが、絶滅せずに生き延びた

あとがき (二〇一九年五月 アカボシゴマダラが舞う高尾の寓居にて  池田清彦)


※本書は、著者が2018年4月〜9月に新潮講座「絶滅の生物学」(全6回)として話した内容をもとに再構成して単行本化したものです。


≪著者: ≫ 池田清彦 (いけだ・きよひこ) 1947年、東京都生まれ。東京都立大学大学院生物学専攻博士課程単位取得満期退学。理学博士。生物学者。早稲田大学名誉教授。山梨大学名誉教授。著書に『構造主義生物学とは何か』『構造主義科学論の冒険』『昆虫のパンセ』『だましだまし人生を生きよう』『新しい生物学の教科書』『他人と深く関わらずに生きるには』『生物にとって時間とは何か』『環境問題のウソ』『38億年 生物進化の旅』『「進化論」を書き換える』『この世はウソでできている』『生きているとはどういうことか』『世間のカラクリ』『ナマケモノはなぜ「怠け者」なのか』等がある。


池田清彦 『38億年 生物進化の旅』(新潮社、2010年) '11/03/23
池田清彦 『オスは生きてるムダなのか』(角川選書、角川学芸出版、2010年) '11/03/11
池田清彦 『構造主義進化論入門』(講談社学術文庫、2011年) '11/02/27
池田清彦、養老孟司 『ほんとうの環境問題』(新潮社、2008年) '08/09/15


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本「やりなおし高校地学 地球と宇宙をまるごと理解する (ちくま新書1432)」鎌田浩毅5

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京大の人気No.1教授が贈る――日本人に必須の地学の教養がこの一冊に!
日本列島は2011年にマグニチュード9の巨大地震に見舞われて以来、千年ぶりの「大地変動の時代」に入った。4枚のプレートがひしめく日本で生き延びるには、地学の知識が不可欠だ。本書は、大学入試センター試験に出題された問題を解きながら、地球内部の構造、日本列島の成り立ち、地震と噴火のメカニズム、地球温暖化問題、宇宙の歴史まで、地学の「壮大」かつ「実用的な」エッセンスを、京大人気No.1教授の「科学の伝道師」が解説する。すべての日本人に捧げる、サバイバルのための地学入門!


≪目次: ≫
まえがき
 絶滅の生存者が次代の覇者に/「大地変動の時代」に入った日本

第1章 地球とは何か
1 地球はどのようにできたのか?
 原始太陽ができたおかげで惑星ができた/マグマオーシャンが冷えることで地球の核と大気・海洋ができた
2 地球の形と大きさ
 地球が丸いことに気づいたのは?/地球の大きさはどうしてわかる?/ニュートンが考えた回転楕円体/ジオイドで知る、地球のかたち/アイソスタシーとは何か/ある地点における「重力」は、どのように計算するか
3 地球は巨大な「磁石」である
 地磁気とは何か/地磁気はなぜできたのか?/生命を守る地球の磁場

第2章 地球は生きている!――その活動をさぐる
1 地球の内部はどうなっているのか?
 地球の内部構造を卵に置き換えて考える/地球内部の熱はどこから来たのか
2 大地は動く――地球の活動の謎を解く
 大陸移動説とは何か――中央海嶺の発見/海底は動いている/地磁気の逆転が、日本の千葉で起こっていた!?/プレートとはどんなもの?/プレートの運動でさまざまな現象が解決する/沈み込んだプレートの行方――プルーム・テクトニクス/地震が起こるのもプレート・テクトニクスのため/火山はどうしてできるのか

第3章 地球の歴史を繙く
1 地球の「変化」 「成長」の手がかりとは
 時代の情報と環境の情報/地層を「読む」ための基本ルール
2 地質学とは何か
 地層を「つないで」推測する/世界中に分布した化石を利用する方法/各年代と生物にとっての大事件/地質学の誕生――スミスの功績/放射性元素を利用する
3 岩石の「読み方」
 岩石の「でき方」/火成岩は何からできているのか/火成岩の種類/岩石から時代の情報を読み解くには/岩石を生む「変成」とは何か

第4章 日本列島の成り立ち
1 日本列島は地学的にはどのようなキャラなのか?
 4つのプレートが押し合いへし合いする現場/日本列島は地震の巣である
2 日本列島はどのような岩石からできているか
 日本列島は大陸から分離してできあがった/ホットプルームと日本列島/日本列島へ「岩石が付加される」とはどういうことか?/日本列島はこのように形作られた
3 日本列島の形ができるまで
 日本列島の起源と形成のプロセス/フォッサマグナとは何か/活火山を背骨とする日本列島/プレート運動が各地の地形を作った
4 日本列島の特徴
 火山活動が地上に残す爪痕/火山と共存するための心構え/富士山が世界にも稀な火山であるワケ/西南日本が警戒すべき巨大断層・南海トラフとは/九州にも「地震の巣」がある/液状化現象という二次被害/津波の発生するメカニズム

第5章 動く大気・動く海洋の構造
1 地球を覆う大気の構造
 大気が気象の「決め手」となる/大気はどのような構造をしているか
2 地球上の温度が一定に保たれる仕組み
 太陽エネルギーが地球を暖める/地球から出ていくエネルギーもある/「温室」 効果をもたらす気体/日本の「猛暑」は温暖化のせい?/ヒートアイランドはなぜ起こる?/地球規模で見ると・・・・・・
3 大気が大循環するメカニズム
  緯度によって変わる気流/赤道近くで大気はどう動くか/中緯度・高緯度地域ではどう動くか/地球の自転が気流にどうかかわるか
4 海洋も大循環している
 水が動けば気象も変わる/大循環する海水の不思議/海水の動きには月と太陽も影響する/風と海流によって起こるエルニーニョ現象/地球は「ミニ氷河期」に向かっている?

第6章 宇宙とは何か
1 宇宙の誕生と構造
 宇宙の始まりはビッグバン!/宇宙に元素ができるまで/宇宙に銀河ができるまで/ダークマターと宇宙の構造
2 恒星の誕生と進化
 恒星ができるまで/主系列星の大きさと寿命/恒星の終焉と赤色巨星/赤色巨星以降の恒星の進化と終末/恒星の進化がわかるHR図
3 私たちの銀河系
 銀河系の構造/銀河系の公転と中心部
4 さまざまな銀河と膨張する宇宙
 銀河の形による分類/活動する銀河/膨張する宇宙

あとがき
 地学の勉強法/人類の存立基盤について知る/高校地学をめぐる現状/「大地変動の時代」の地学/長尺の目」で地球を考える

参考文献
索引


≪著者: ≫ 鎌田浩毅 (かまた・ひろき) 1955年、東京生まれ。東京大学理学部地学科卒業。通産省地質調査所を経て、97年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。理学博士。専門は火山学、地球科学、科学教育。京大の講義「地球科学入門」は毎年数百人を集める人気で教養科目1位の評価。著書に『地学のツボ』(ちくまプリマー新書)、『京大人気講義 生き抜くための地震学』(ちくま新書)、『座右の古典』(ちくま文庫)、『地学ノススメ』『富士山噴火と南海トラフ』(講談社ブルーバックス)、『地球の歴史(全3巻)』『理科系の読書術』(中公新書)、『地球とは何か』(サイエンス・アイ新書)、『火山噴火』(岩波新書)、『火山はすごい』(PHP文庫)、『世界がわかる理系の名著』(文春新書)、『一生モノの勉強法』『知的生産な生き方』(東洋経済新報社)ほか多数。



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令和元年台風第19号












本「植物はおいしい 身近な植物の知られざる秘密 (ちくま新書1425)」田中修5

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私たちは、毎日、いろいろな野菜や果物、穀物を食べています。本書では季節ごとの旬の食材植物から、驚きの新品種、香りの効能、認知症予防まで「食べる植物」について「すごい」「おもしろい」「ふしぎ」と感じる「おいしい話題」を豊富に紹介します。植物たちのかしこさ、生きるためのしくみの巧みさ、私たちの健康にもたらす効能など、食材植物たちがもつ楽しい資質を、ラジオなどでおなじみの植物博士が、平明にやさしく解説する一冊です。


≪目次: ≫
はじめに (二〇一九年七月一一日  田中 修)

第一章 夏に話題の植物
 夏バテとは?
 「不老長寿の妙薬」とは?
 「野菜の王様」とは?
 夏休みの自由研究に、キウイの実験
 夏休みの自由研究の発展
 なぜ、パイナップルを食べると、舌がチクチクするのか?
 キウイの食べ頃は?

第二章 秋に話題の植物
 「救荒作物」とは?
 なぜ、石焼き芋は甘いのか?
 なぜ、サツマイモを食べると、“おなら”がでるのか?
 “サツマイモのおなら”は、臭くないのか?
 食用部は、根ではないのか?
 サツマイモの新品種の特徴は?
 サツマイモに、花は咲くのか?
 宇宙に運ばれた食材植物とは?
 歌われる“パプリカ”
 シャインマスカットの悩みとは?

第三章 冬に話題の植物
 温州ミカンは、むずかしい漢字で話題に!
 人間の健康を守る“温州ミカンの力”
 ミカンについて、子どもの質問
 ハクサイに見られる黒い斑点は?
 鍋料理の締めは?
 なぜ、イチゴは、タネから栽培しないのか?

第四章 春に話題の植物
 「春を告げる野菜」とは?
 ゴボウの“アク抜き”は必要か?
 誤食で話題となる「食べる薬」とは?
 春の訪れを告げる“幻の王様”とは?
 ビワについての子どもの質問

第五章 おコメの戦国時代
 乱立する品種のネーミングは?
 戦国時代を迎える前のおコメは?
 “おいしいおコメ”とは?
 北海道で、おいしいおコメが生まれる!
 おコメの消費量の減少
 新品種が続々と誕生する背景は?
 宣伝合戦の背景にあるのは?
 宣伝合戦の武器は?
 猛暑に負けないイネとは?

第六章 新品種で話題の植物たち
 硬くならないお餅をつくる“もち米”
 「ぽろたん」を助ける「ぽろすけ」の誕生
 「ぽろすけ」は、「ぽろたん」の何を助けるのか?
 ピーナッツを越える落花生とは?
 なぜ、ラッカセイは、土の中にマメをつくるのか?
 波打たないシソの葉っぱ
 タネのない“単為結果性”のナスビの誕生
 サクランボの大型化

第七章 香りが話題の植物
 猛毒アリを退治するワサビの香り
 火災警報装置に使われるワサビの香り
 切り刻んでも、涙が出ないタマネギ
 ブロッコリーの人気の秘密は?
 グレープフルーツで、若づくり!

第八章 認知症を予防する植物たち
 アルツハイマー型認知症の原因は?
 ビールの苦味の成分は?
 赤ワインも負けていない!
 おつまみには?
 緑茶の“予防力”

おわりに――キノコの話題
 食材としてのキノコ
 キノコの話題
 世界一大きい生き物は?
 キノコの発生
 キノコの人工栽培
 おがくずは使い捨て!
 ファブリック・キノコ栽培とは?
 キノコは、花を咲かせることができるか?

参考文献


≪著者: ≫ 田中 修 (たなか・おさむ) 1947年京都府生まれ。京都大学農学部大学院博士課程修了。米国スミソニアン研究所博士研究員、甲南大学理工学部教授などを経て、同大特別客員教授。農学博士。専門は植物生理学。主な著書に『植物はすごい』『植物のひみつ』『植物はすごい 七不思議篇』『雑草のはなし』(以上中公新書)、『クイズ植物入門』『入門たのしい植物学』(以上講談社ブルーバックス)、『植物は人類最強の相棒である』(PHP新書)、『植物のあっぱれな生き方』(幻冬舎新書)、『植物のかしこい生き方』(SB新書)、『葉っぱのふしぎ』『花のふしぎ100』『タネのふしぎ』『植物学「超」入門』(以上サイエンス・アイ新書)ほか多数。



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本「人類の起源、宗教の誕生 ホモ・サピエンスの「信じる心」が生まれたとき (平凡社新書913)」山極寿一/小原克博5

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チンパンジーやゴリラの世界に宗教はあるのか。文明の誕生以前の人類にも宗教的な思考が存在していたのか。私たちホモ・サピエンスが社会をつくりはじめた出発点、ひとがひとであるようになったとき、同時に宗教が生まれた。とても強力な「神や仏を信じる力」はどのように生まれ、これからの人類に、果たしてなにをもたらすだろうか。霊長類学者と宗教学者が戦わせる最新の議論。人類史における宗教の存在に鋭く迫る!

霊長類学の重鎮と宗教学・キリスト教学の一流研究者による、人類の誕生・発展と宗教との係わりを巨視的なスケールで語る対談。宗教は文明の誕生と同時に生まれたというのが定説だが、本書の議論ではさらに深く踏み込み、文明以前の人類にも宗教的観念があったか、ゴリラやチンパンジーにも宗教に類するような思考は存在するのか、など、最新の研究成果を踏まえつつ、かつてない議論を戦わせる。
対談内容は近現代社会にまで及び、「科学技術は宗教と経済のどちらをパートナーとして選んできたのか」「IT技術の発展はこれからの宗教に何をもたらすのか」など、きわめて刺激的かつ重要なテーマを論じる。白熱した議論に加え、自筆解説2本を収録。


≪目次: ≫
●対談
第1章 人類は「物語」を生み出した
 人間が生きる意味/犬に祈りはあるか/仲間を信じて食物を食べるということ/宗教の起源は「共同体のエシックス」/秩序を重んじ、不公平を甘受するニホンザル/「物語」が世界の外に人類を導いた/想像力こそホモ・サピエンスの力/集団に再び帰れるという人間の特性/集団に依存する生存戦略の理由/多産こそ集団形成の原動力/死者はいつか帰ってくる/魂はいつ現れたのか/ジャングルの未知のコミュニケーション/「言葉で空間を再現する」という能力の獲得

第2章 暴力はなぜ生まれたか
 宗教は農耕牧畜より以前に生み出された/おばあさんザルの紛争解決/富の収奪、土地の価値が武器を人に向けた/共感能力の暴発と、暴力の頻発/儀式が「仲間」という共感能力を育てる/人口爆発に追い付けない人類の社会性/コミュニケーションの限界は150人/「抵抗勢力」として始まった世界宗教/宗教の強大化が「犠牲」を求める/人類は「未来」をいつから信じ始めたのか

第3章 暴走するAIの世界
 資本主義化したキリスト教/歴史と哲学を重んじるヨーロッパの伝統/キリスト教の暴力性はなぜ生まれたか/価値の一元化とキリスト教の分裂/貨幣が宗教を追い越していった/「ヒューマニズム」の発明/人間中心主義のもとにある「孤立した人間理解」/欲望を放置する利己主義/解体される人間と魂の問題/「ホモ・デウス」、人間から神へのアップグレード/AIは人間を「排除」する/AIが人間を評価する愚

第4章 ゴリラに学べ!
 今西錦司と西田幾多郎/人間が「ルール化されたロボット」になる日/身体なきリアリティの幻想/生の身体行動からしか得られないもの/スマホ・ラマダーンで、データから脱出せよ!/なぜ宗教に「断食」があるのか

第5章 大学はジャングルだ
 コミュニティが救う自己不安/新たな社会力を生み出す場として/ジャングルではつねに新しい種が生まれる/「知のジャングル」の未来像


●補論
人間、言葉、自然――我々はどこへ向かうのか (山極寿一)
 言葉、人間と動物を分かつもの/集団化するチンパンジー、孤独を好むゴリラ/人間にはなぜ言葉が必要だったか/子供を守るためのコミュニケーション/重さを持たないコミュニケーションの道具/身体を離れてしまった「言葉」/想像の欲求が人間の心を蝕む/超越者、神、神殿の始まり/西田幾多郎の「無の哲学」と生命の本質

宗教が迎える新しい時代 (小原克博)
 霊長類研究と宗教研究/「宗教」の歴史/家族・社会の来歴/人間の言語的特徴と宗教/動物と人間/動物観・自然観の違い/自然と人工物/ロゴスと肉(身体)/食と新たな社会性/不在者の倫理


≪著者: ≫ 山極 寿一 (やまぎわ じゅいち) 1952年東京生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。理学博士。人類学者・霊長類学者。京都大学総長日本学術会議会長。著書に『ゴリラ』『家族進化論』(東京大学出版会)、『暴力はどこからきたか』(NHKブックス)、『日本の人類学』(共著、ちくま新書)、『都市と野生の思考』(共著、集英社インターナショナル新書)、『ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」』(毎日新聞出版)、『ゴリラの森、言葉の海』(共著、新潮社)などがある。

≪著者: ≫ 小原 克博 (こはら かつひろ) 1965年大阪生まれ。同志社大学大学院神学研究科博士課程修了。キリスト教神学者・宗教学者。同志社大学神学部教授良心学研究センター長。著書に『世界を読み解く「宗教」入門』(日本実業出版社)、『一神教とは何か』(平凡社新書)、『宗教のポリティクス』(晃洋書房)、『神のドラマトゥルギー』(教文館)、『良心学入門』(共著、岩波書店)、『原理主義から世界の動きが見える』(共著、PHP新書)などがある。


山極寿一/尾本恵市 『日本の人類学』(ちくま新書、2017年) '17/12/31
山極寿一 『父という余分なもの サルに探る文明の起源』(新潮文庫、2015年) '16/07/31
山極寿一 『父という余分なもの サルに探る文明の起源』(新書館、1997年) '10/05/08
山極寿一 編 『ヒトはどのようにしてつくられたか』(シリーズ ヒトの科学、岩波書店、2007年) '10/05/03
山極寿一 『暴力はどこからきたか 人間性の起源を探る』(NHKブックス、日本放送出版協会、2007年) '10/04/26



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本「ペンギンが教えてくれた物理のはなし (河出ブックス070)」渡辺佑基5

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ペンギンが教えてくれた 物理のはなし (河出ブックス)
○著者: 渡辺 佑基
○定価: 本体1,400円(税別)
○ISBN: 978-4309624709








クジラやペンギン、アザラシなどの潜水動物や、アホウドリやウといった飛翔動物をはじめ、野生動物たちの生活は人間の目に触れず、その生態は謎に包まれたままだった。そんな観察が難しい動物たちに超小型のカメラや記録計を取り付け、データから行動や生態を調査する研究手法を「バイオ(bio=生物)+ロギング(logging=記録)」と呼ぶ。本書ではバイオロギングが明らかにした野生動物の多様でダイナミックな動きから、背景にある物理メカニズムを読み解き、その進化的な意義に迫る――。


≪目次: ≫
はじめに

第一章 渡る――ペンギンが解き明かした回遊の謎
 「動物はどこに、何しに行くの?」/ミズナギドリの終わらない夏/アホウドリの46日間地球一周/クロマグロの太平洋横断/マグロは速い/ホホジロザメの100日間インド洋横断/ ザトウクジラの半球内季節移動/どうやって測定?/アルゴス――最もメジャーな動物追跡システム/ジオロケータ――親指の先サイズの革命的記録計/ポップアップタグ――魚のためのスマート機器/回遊パターンの法則/南極のアデリーペンギン
/ペンギン列車あらわる/袋浦という世界の果て/ジオロケータの装着は慎重に/「ペンギンはどこに、何しに行くの?」

第二章 泳ぐ――遊泳の技巧はサメに習う
 マグロは時速100キロでは泳がない/薄気味悪いニシオンデンザメ/世界一のろい魚/サメよ、どうしてそんなにのろいのか?/世界一速い魚/ムカシオオホホジロサメの遊泳スピード/「マグロ時速80キロ」の情報源/ペンギン、アザラシ、クジラも参戦/みんな燃費を気にしている/遊泳スピードの法則/マンボウという非常識/定置網漁はエンターテイメント/浮き袋がないのに浮くのはなぜ?/意外な泳ぎのメカニズム

第三章 測る――先駆者が磨いた計測の技
 バハマの悲劇/最初のひとしずく――生理学の巨人、ショランダー/アザラシの潜水生理――ジェラルド・クーイマン/キッチンタイマーを使った深度記録計/ペンギンの生態学――ローリー・ウィルソン/破天荒なアイデア/アザラシの生態――内藤靖彦/超精密の機械仕掛け/長期間記録への挑戦/アナログからデジタルへ/先駆者たちの法則/その動物、もう一度捕まえられる?/バイカルアザラシ調査の始まり/アザラシ回収装置って何?/動物は回収しなくていい/三度目の正直?/肝心なのは電気抵抗値/バイオロギングの未来

第四章 潜る――潜水の極意はアザラシが知っていた
 「ぺんぎんは、なんでもぐるのですか?」/ダイビング界の雄、ウェッデルアザラシ/潜水マシーン、ゾウアザラシ/マッコウクジラはなぜ2,000メートルも潜れるか/謎のベールに包まれたアカボウクジラ軍団/ウミガメの掟破りの10時間潜水/潜水能力を決める三つの要因/酸素は残さず使いましょう/燃費を上げるのは大変/潜水する動物の法則/まるまると太ったバイカルアザラシ/泳ぎ方が違う三頭のアザラシ/浮き沈みの原因は肥満度?/アザラシに重りを取り付ける/奇跡のデータ/行動記録計を体脂肪記録計に/なぜバイカルアザラシは太っているか

第五章 飛ぶ――アホウドリが語る飛翔の真実
 離島での飛行百景/縦横無尽の機動性――グンカンドリ/ヒマラヤ越えのスパルタ飛行――インドガン/苦しいときこそ冷静に/小さな体に巨大エンジン――ハチドリ/鳥と飛行機は同じか?/連続滑空のミステリー/アホウドリという振り子運動/鳥は飛行機ではない/前縁渦という不思議な渦/空飛ぶ鳥の法則/飛行速度はわからない/フランスのフランスによるフランスのための/世界一の動物大国/鵜は友達/偶然の上の偶然/日本で待っていたもの

おわりに (二〇一四年二月 渡辺佑基)


≪著者: ≫ 渡辺佑基 (わたなべ・ゆうき) 1978年、岐阜県生まれ。国立極地研究所生物圏研究グループ助教(を経て、同准教授)。農学博士。東京大学大学院農学生命科学研究科修了。野生動物に小型の記録計を取り付ける「バイオロギング」と呼ばれる手法を用いて、魚類、海鳥、海生哺乳類の生態を研究している。2007年、東京大学総長賞受賞。2010年、南極観測隊に参加しペンギン目線のビデオ撮影に成功。研究論文は米国科学アカデミー紀要に掲載された。2011年、学術分野全般で優れた実績を積み上げた人に贈られる山崎賞を受賞。


渡辺佑基 監修『それでもがんばる! どんまいなペンギン図鑑』(宝島社、2018年) '19/05/12
渡辺佑基 『進化の法則は北極のサメが知っていた』(河出新書、2019年) '19/04/21



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本「それでもがんばる! どんまいなペンギン図鑑」渡辺佑基 監修5

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それでもがんばる! どんまいなペンギン図鑑
○著者: 渡辺佑基 監修
○定価: 本体900円+税
○ISBN: 978-4800282149











一生懸命生きているのに、どこか惜しい! クスッと笑えるけど、「がんばれ!」と応援したくなる。どんまいなペンギンワールドへ、ようこそ!


≪目次: ≫
はじめに (ペンギン博士 渡辺佑基)

第1章 日本で見られる! どんまいなペンギン
 世界にはどんな種類のペンギンたちがいるの?
 どんまいなキングペンギン――王様なのに、低姿勢?
 どんまいなエンペラーペンギン――子育て中がガチな断食すぎ
 どんまいなジェンツーペンギン――学名に含まれる名前がめっちゃ暑そう
 どんまいなアデリーペンギン――怒ると顔が三角になる!?
 どんまいなヒゲペンギン――ヒゲ面だし、空き巣!?
 どんまいなキタイワトビペンギン――よく崖から突き落とされる
 どんまいなミナミイワトビペンギン――波にも、周りにも流される
 どんまいなマカロニペンギン――1個目の卵として生まれると終わる
 どんまいなコガタペンギン――レベル6まで怒らせたらコガタペンギンはやばい
 どんまいなケープペンギン――若い衆は最近、故郷で食糧難
 どんまいなマゼランペンギン――新居を建てるも、メスからの住居審査が厳しい
 どんまいなフンボルトペンギン――日本でもっともポピュラーなのに じつは絶滅危惧種
 【ペンギン博士の南極だより  まだまだ謎が多い! ペンギンの生態の秘密

第2章 教えて! どんまいなペンギンの秘密
 ペンギンが飛ばなくなったどんまいな理由
 よちよち歩きをするどんまいな都合
 ペンギンのどんまいなリーダー論
 保育園をつくらざるを得なかったどんまいな事情
 触り心地はかなりどんまい
 野生のペンギンにとって、我々はただの石ころ
 石を食べちゃうどんまいな事情
 キングペンギンがキングの座から降りた理由
 ほぼ栄養がないクラゲをわざわざ好きこのんで食べる
 大昔のペンギンのどんまいすぎるサイズ感
 【ペンギン博士の南極だより◆ 水も電気もない南極での調査生活

第3章 そうだったの? どんまいなペンギンの毎日
 うんこを撒き散らすから 巣の周りにうんこの花が咲く
 換羽中のモヒカンヘアがどんまいすぎる
 ペンギンには味覚が2つしかない
 ペンギンには叩かれない方が絶対いい
 鼻水を飛ばされるとまじで迷惑
 ペンギンは常に空気イス
 毛に見えるけどぜんぶ羽根
 暑いとペンギンも犬みたいにハァハァする
 寒すぎるとかかと立ちをする
 ペンギンだけど、寒いとおしくらまんじゅうをする
 一度親と離れたら、呼ばれるまで永遠に会えない
 歩くより、腹で滑る方が早い
 かわいいフリして超スパルタ教育
 【ペンギン博士の南極だより】 調査のためのペンギン捕獲 叩かれないように注意!

第4章 スクープ! どんまいなペンギンの事件簿
 夫婦の間で魚をゲロらせ、奪い合い
 油断禁物!常に誰かに巣を狙われている
 漁師さんの網に引っかかっちゃうことがある
 独身のペンギンは ボディガードになることがある
 宇宙人と交信するペンギンがいる!?
 食べ過ぎるとお相撲さんみたいになる
 【ペンギン博士の南極だよりぁ 何が起こったの? いつもと違う南極の光景

第5章 飼育員さんに聞こう! 水族館のどんまいなペンギン
 メス同士のカップルでも卵を育てることがある
 オス同士のカップルの末路がドラマ並みにすごい
 ペンギン界にも過保護な家庭が存在する
 自然界では敵でも、水族館ではアザラシと超仲良し
 飼育員さんに恋しているペンギンがいる
 キングペンギンが卵の代わりに氷を温めることがある
 妻の外出中に浮気相手を巣に連れ込むことがある
 アニメのキャラクターに 夢中になったペンギンがいた
 びっくりすると四つん這いになっちゃう

おわりに (ペンギン博士 渡辺佑基)


≪監修者: ≫ 渡辺 佑基 (わたなべ・ゆうき) 国立極地研究所准教授。1978年、岐阜県生まれ。野生動物に小型の記録計を取り付ける「バイオロギング」という手法を使って魚類、海鳥、海生哺乳類の生態を調べている。東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。農学博士。2007年、東京大学総長賞。2011年、山崎賞。2015年、若手科学者賞。著書『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』(河出書房新社)(毎日出版文化賞、青少年読書感想文全国コンクール課題図書)。本書籍には「ペンギン博士」として監修に携わる。けん玉1級。


渡辺佑基 『進化の法則は北極のサメが知っていた』(河出新書、2019年) '19/04/21



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本「進化の法則は北極のサメが知っていた (河出新書004)」渡辺佑基5

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進化の法則は北極のサメが知っていた (河出新書)
○著者: 渡辺 佑基
○定価: 本体920円(税別)
○ISBN: 978-4309631042









2016年、北極の深海に生息する謎の巨大ザメ、ニシオンデンザメが400年も生きることがわかり、科学者たちの度肝を抜いた。このサメはなぜ、水温ゼロ度という過酷な環境で生き延びてこられたのか? そして地球上の生物は、なぜこんなにも多様に進化したのか? 気鋭の生物学者が世界各地でのフィールドワークを通じて、「体温」を手がかりに、生物の壮大なメカニズムに迫る!


≪目次: ≫
はじめに

第一章 冷たい――本当の極寒はニシオンデンザメしか知らない
 純度100パーセントの寒村/海で最も恐ろしいもの/影の主役は深海にいる/体温ゼロ度という驚異/人間は肉まんである/具が入っていない/空調に頼る現代人、午睡でしのぐ先住民/対岸は見えている/大きな鍋のお湯は冷めにくい/トカゲであってトカゲでない/適応進化はどれほど強力か/イヌイット語のラップ音楽/世界の薄気味悪い動物コンテスト/すべてきっちり無駄にならぬように/グレイビーソースはほどほどに/世界一のスローライフ/徳川家康の同級生/スペシャル・コーヒーはいかが?

第二章 熱い――アデリーペンギンが教えてくれた南極の暮らし方
 時速100メートルの船/巨大化したカブトムシ/宇宙人と交信するペンギンたち/雉(きじ)を撃ちに行ってきます/ごく控えめに言って驚異的なこと/熱の伝導――直接吸い取ります/熱の放射――遠隔で作用します/赤字を出さないために/プールサイドでぶるぶる震える/どんな形でもきっちり580カロリー/ラクダという究極の恒温動物/素朴で意外なコアラの体温調節法/ペンギン、あなたは何者?/はなはだ不利な状況下にある/おちょぼ口にも意味はある/一喜一憂の初めての映像データ/秩序は一方的に乱れていく/ペンギンの見ていた世界/風変わりだけれど理にかなっている/調査後の至福のひととき

第三章 ぬるい――ホホジロザメに学ぶ中間的な生き方
 ワライカワセミの鳴き声の下/新幹線、ジェット機、ホホジロザメ/ジョーズはロックミュージックが好き/本物のチョコレートはベルギーにしかない/ぴたりと当てはまる最高の研究素材/カツオを研究したイギリスの軍医/熱はぐるぐると回る/化け物と呼ぶにふさわしい/レベル一、レベル二、レベル三/ティラノサウルスはダチョウのように歩く/恐竜あなたは何歳?/「レベル三」の推定/進化の収斂という生物学のハイライト/スーッと自然な感じで/悲しきボトミイ/りんご味のサイダーは極上の味/地味でもなく派手でもない、ちょうどその中間/ホホジロザメが教えてくれたこと/驚きはいつも最後にやってくる

第四章 激しい――イタチザメが見つけた生命エネルギーの法則
 巨大なドーナツ型は何のため/ツールドフランスを走るロードバイクのように/スペースシャトルを背負うボーイング機/すべては地下水脈で繫がっている/何もしなくても腹は減る/酸素とエネルギーの等価性/体重とともに増えるが体重ほどには増えない/一見もっともらしいがじつは曖昧/動物が動物として生きるペース/ジェームズ・ブラウン登場/生物はフラクタル構造をしたパイプである/あくまで経験則に過ぎない/人間もカンパチもゾウリムシも同じ/すべてを包み込む一つの数式/生物学の金字塔/大きければ大きいほどいい/からりとした晴天とうれしい予感/巨大サメの代謝量はいくら?

第五章 儚い――バイカルアザラシが語る生命時間のルール
 ロシア製の素朴なミニバン/100パーセント皆優しい/リアルで実体的な課題/アザラシという漁獲物/ウォッカには百万本のバラが似合う/休む場所のない動物たち/眠るとは? 時間とは?/このためだけに生きてきた/何かが裏で糸を引いている/生物の時間を表す式/人間にとっての一日、ニシオンデンザメにとっての一日/世界がこれほど多様なのはなぜ?/正常に機能することを心から祈る/今、たしかにそれをしている/バイカルアザラシが教えてくれたこと/究極の置いてけぼり

おわりに――人工衛星の視点から―― (二〇一八年一二月 渡辺佑基)


≪著者: ≫ 渡辺佑基 (わたなべ・ゆうき) 1978年岐阜県生まれ。国立極地研究所准教授。東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。野生動物に小型の記録計を取り付けるバイオロギングという手法を使って魚類、海鳥、海生哺乳類の生態を調べている。東京大学総長賞、山崎賞、若手科学者賞を受賞。前作『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』は第68回毎日出版文化賞受賞、第61回青少年読書感想文全国コンクール(高等学校の部)課題図書に選出。けん玉1級。



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本「遺伝人類学入門 チンギス・ハンのDNAは何を語るか (ちくま新書1328)」太田博樹5

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遺伝人類学入門 (ちくま新書)
○著者: 太田博樹
○定価: 本体価格940円+税
○ISBN: 978-4480071385










近年、世界中の人類集団の遺伝子のバリエーションについて大規模な研究が数多くなされている。そうした中、中央アジアから東アジアにかけてチンギス・ハンの持っていたY染色体のタイプが爆発的に拡散しているという仮説が提起された。本書ではこの仮説を追うことを糸口として、遺伝子の研究方法から、人類の祖先の辿り方、進化と遺伝の捉え方まで、ゲノム時代にわれわれのルーツを追究する意義について、縦横無尽に解説する。


≪目次: ≫
プロローグ――遺伝人類学とはなにか

第1章 ゲノム・遺伝子・DNA
1 遺伝学用語の基礎知識
2 遺伝情報とセントラル・ドグマ
3 遺伝的な個人差をどう分析するか

第2章 アウト・オブ・アフリカ
1 ヒトの起源、人類の起源
2 化石から辿る人類の進化
3 他地域進化説とアフリカ単一起源説

第3章 遺伝子の系統樹から祖先をさぐる
1 DNA配列から描く系統樹の基礎
2 分岐年代をどう推定するか
3 祖先は混血していたのか

第4章 適応 vs. 中立
1 ミトコンドリアDNAとY染色体で男女の拡散を追跡する
2 進化とはなにか、遺伝とはなにか
3 集団遺伝学の誕生と中立説
4 突然変異が残るのは必然か偶然か

第5章 男女で異なる移動パターン―― sex-biased migration
1 父系社会か母系社会か
2 集団観の多様性と集団内の多様性を調べる
3 日本列島人のルーツをさぐる

第6章 チンギス・ハンのDNA
1 古代DNA分析を活用する
2 日本人の古代DNA分析
3 東アジアのY染色体分析から見えてきたもの
4 社会的・文化的・環境的要因も考える

エピローグ――ゲノム時代の人類学

あとがき (2018年3月10日 太田博樹)
参考文献
図版出典


≪著者: ≫ 太田博樹 (おおた・ひろき) 1968年生まれ。東京大学大学院理学系研究科修了、博士(理学)。マックス・プランク進化人類学研究所、イエール大学の研究員、東京大学大学院新領域創成科学研究科の助教などを経て、北里大学医学部解剖学・准教授。専門は人類集団遺伝学・ゲノム人類学。国際分子生物進化学会でW.Fitch賞受賞。著書に『ヒトは病気とともに進化した』(長谷川眞理子氏との共著、勁草書房、2013年)など。


山極寿一/尾本恵市 『日本の人類学』(ちくま新書、2017年) '17/12/31
片山一道 『骨が語る日本人の歴史』(ちくま新書、2015年) '17/02/01
埴原和郎 『人類の進化史 20世紀の総括』(講談社学術文庫、2004年) '10/10/16


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本「目からウロコの自然観察 [カラー版] (中公新書2485)」唐沢孝一5

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ヒバリはなぜ天高く舞いながらさえずるのだろうか? アカメガシワの新芽はどうして赤いのか? 百日紅(サルスベリ)はその名の通り100日咲きつづけるのか? ヒガンバナは本当にお彼岸に咲くのか? 秋にたくさんいたスズメたちは冬にどこに行ってしまうのか? 見慣れた動植物を詳しく観察してみると、意外な発見に満ちている。ツユクサやオシロイバナのような草花からチョウやツバメ、カエルまで四季の生き物の素顔をカラーで紹介。


≪目次: ≫
はじめに (2018年4月 唐沢孝一)


 1 早春の江戸川で雑草観察
 2 千葉県や東京都区内に自生するカタクリ
 3 早春に舞うギフチョウ、ヒメギフチョウ
 4 アカメガシワの葉はなぜ赤い?
 5 ニホンアカガエルの産卵
 6 ヒキガエルの蛙合戦と都市への適応
 7 花蜜や樹液を吸うメジロ
 8 ヒバリが囀る季節

初夏
 1 空地の雑草を観察する
 2 這い上がる植物
 3 庭先で観察できるジャコウアゲハ
 4 ホタルの観察――発光生物の不思議
 5 クモ――多彩なハンティング
 6 JR山手線駒込駅のツバメ


 1 サルスベリの花の思惑
 2 美しくも逞しいツユクサ
 3 オシロイバナの同花受粉
 4 日本列島を北上する昆虫
 5 暑い夏はトンボ観察
 6 身近な爬虫類――ヤモリ、トカゲ、カナヘビ
 7 アオバト――命懸けで海水を飲む
 8 数千羽のツバメのねぐら入り
 9 高山や亜高山の鳥を楽しむ


 1 ヒガンバナが知らせてくれる秋
 2 イネに擬態したタイヌビエ
 3 犬の天敵、チカラシバ
 4 ひっつき虫の観察
 5 ヘッジローともぐり込み植物
 6 ドングリとクリの実を観察する
 7 ナツヅタの紅葉と落葉
 8 アキアカネ――避暑地のできごと
 9 カマキリの捕食・交尾・産卵
 10 ジョロウグモ――命懸けの恋
 11 稲刈りとサギのオートライシズム
 12 モズの高鳴きと早にえ
 13 スズメの集団ねぐら、単独ねぐら
 14 ヒヨドリの渡り
 

 1 氷の芸術――霜柱とシモバシラ
 2 葉痕と冬芽の観察
 3 成虫で越冬するホソミオツネントンボ
 4 滑空するムササビの観察
 5 カモ類の越冬と婚活
 6 レンジャクとヤドリギの不思議
 7 視界を遮る40万羽のアトリ
 8 真鶴岬のクロマツ林、魚つき保安林

謝辞 (2018年4月1日 唐沢孝一)
索引


≪著者: ≫ 唐沢孝一 (からさわ・こういち) 1943年、群馬県生まれ。1966年、東京教育大学(現筑波大学)理学部卒業。都立高校の生物教師をへて、都市鳥研究会顧問。NPO法人自然観察大学学長。都市鳥の生態や自然観察の方法について研究している。著書、『モズの話』(北隆館)、『マン・ウォッチングする都会の鳥たち』(草思社)、『カラスはどれほど賢いか』(中公新書)、『スズメのお宿は街のなか』(中公新書)、『早起きカラスはなぜ三文の得か』(中公文庫)、『ネオン街に眠る鳥たち』(朝日新聞社)、『江戸東京の自然を歩く』(中央公論新社)、『よみがえった黒こげのイチョウ』(大日本図書)、『校庭の野鳥』(全国農村教育協会)、『野鳥博士入門』(全国農村教育協会)、『都会でできる自然観察』(明治書院)、『唐沢流自然観察の愉しみ方』(地人書館)。



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本「大人の恐竜図鑑 (ちくま新書1315)」北村雄一5

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大人の恐竜図鑑 (ちくま新書)
○著者: 北村雄一
○定価: 本体価格860円+税
○ISBN: 978-4480071217









陸海空を制覇した恐竜の最新研究の成果と雄姿を再現。日本で発見された化石、ブロントサウルスの名前が消えた理由、ティラノサウルスはどれほど強かったか・・・・・・。

三畳紀ジュラ紀白亜紀の恐竜時代。温暖な気候のもと海も空も陸上も恐竜が制覇。哺乳類の祖先などは捕食者たちから、ただ逃げ回るしかなかった。もちろん恐竜同士も喰うか喰われるかの弱肉強食。白亜紀後期に最強の肉食恐竜であったティラノサウルスでも、トリケラトプスの角に突かれれば命を落とした。石頭のパキケファロサウルスも頭突き攻撃で怪我をした。人気恐竜の生態や進化、近年発掘された画期的な化石や地層、絶滅の真相など、最新研究の成果を大迫力のイラストで再現する大人のための図鑑!


≪目次: ≫
第1章 恐竜とは何か?
 恐竜時代は白亜紀、ジュラ紀、三畳紀/牙をむき出しよだれダラダラの復元図/恐竜の羽毛問題/恐竜の飾り羽/ティラノサウルス愛/ティラノサウルスは走れない/混乱している恐竜の分類/骨の特徴/三大グループ「鳥盤類獣脚類竜脚形類」の違い

第2章 三畳紀 恐竜時代の始まり
 爬虫類の王国、誕生――2億5200万年前から2億100万年前
 キノグナトスカンネメエリア ペルム紀王者の末裔
 ヘレラサウルスサウロスクス 爬虫類の運動性能向上
 エオラプトル 竜脚形類か獣脚類か
 プラテオサウルスアエトサウルス 上の葉を食べたい
 ポストスクス ワニと恐竜の大きな違い
 コエロフィシス 獣脚類は俊足に進化
 ユーディモルフォドン 最古の翼竜
 パキプレウロサウルス 初期の首長竜はアンバランス
 ウタツサウルスショニサウルス 最古の魚竜は日本で発見

第3章 ジュラ紀 恐竜の巨大化と鳥の登場
 海と陸、さらに空にも進出――2億100万年前から1億4500万年前
 ヘテロドントサウルス 食性を推進する
 ディロフォサウルススクテロサウルス カエンタ累層の生活
 メガロサウルス 最初に発見された肉食恐竜
 クリンダドロメウス 羽毛恐竜のエポック
 プレシオサウルスイクチオサウルス 首長竜の狩猟法
 スケリドサウルス 400万年で3倍に巨大進化
 ステゴサウルス 背中の大きな板は何のため?
 アパトサウルス 消えたブロントサウルス
 ブラキオサウルス 陸上恐竜が水中に描かれた理由
 アロサウルス 狩りは群れか単独か
 ランフォリンクスプテロダクティルス 翼竜の尻尾
 コンプソグナトス始祖鳥 恐竜から鳥へ
 始祖鳥余談 進化の分岐図

第4章 白亜紀 温暖な楽園、南北で異なる進化
 北では鳥盤類、南では竜脚形類が繁栄――1億4500万年前から6500万年前
 イグアノドン 大きな歯で植物をばりばり
 シノサウロプテリクスプシッタコサウルス 鳥恐竜説確定
 ミクロラプトル 始祖鳥より後の時代の祖先
 ミクロラプトル余談 足の翼の使い方
 ディノニクス 恐竜と鳥の鎖骨問題
 エロマンガサウルスクロノサウルス 頭蓋骨の穴
 ギガノトサウルス 破壊槌のような突進力
 スピノサウルス シーラカンスをぱくり
 ドレッドノートス 白亜紀最重量級の迫力
 プテラノドン 大空の覇王の日常
 ティロサウルス 頑強な鼻で体当たり攻撃
 フタバサウルス 首長竜の首は硬い
 オルニトミムス 植物食に進化した肉食恐竜
 トロオドン 研究者を悩ます命名
 オヴィラプトルプロトケラトプス 変わった子育て
 ケツァルコアトルス 巨大翼竜の運動能力
 アンキロサウルス 大きなヨロイ竜
 エドモントサウルスパキケファロサウルス 大食の進化戦略
 トリケラトプス 人気恐竜の謎の生態
 ティラノサウルス 恐竜の王者は怪我だらけ

第5章 恐竜はなぜ滅んだのか
 地球を焼き尽くした巨大隕石のパワー/KT境界の奇妙な粘土層/火山説 vs. 隕石衝突説/人類 vs. 恐竜


≪著者: ≫ 北村雄一 (きたむら・ゆういち) 1969年長野県生まれ。日本大学農獣医学部卒業。サイエンスライター兼イラストレーター。生物進化から天体まで幅広い分野で活躍する。主なテーマは系統学、進化、深海、恐竜、極限環境など。『ダーウィン『種の起源』を読む』(化学同人社)で科学ジャーナリスト賞大賞2009を受賞。近著には「生きもの摩訶ふしぎ図鑑」シリーズの『生きた化石』『巨大生物』(保育社)や、『深海生物の「なぜそうなった?」がわかる本』(秀和システム)、『発見!? 宇宙生物』(汐文社)など。翻訳書もある。


北村雄一 『ダーウィン『種の起源』を読む』(化学同人、2009年) '09/03/16
北村雄一 『深海生物ファイル あなたの知らない暗黒世界の住人たち』(ネコパブリッシング、2005年) '08/06/13
北村雄一 『深海生物の謎 彼らはいかにして闇の世界で生きることを決めたのか』(サイエンス・アイ新書、2007年) '08/06/02



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本「日本の人類学 (ちくま新書1291)」山極寿一/尾本恵市5

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日本の人類学 (ちくま新書)
○定価: 本体880円+税
○ISBN: 978-4480071002










人類はどこから来たのか? ヒトはなぜユニークなのか? 東大の分子人類学と京大の霊長類学を代表する二大巨頭が、日本の人類学の歩みと未来を語り尽くす。

遺伝子研究を導入して人類の進化をたどってきた東大の人類学と、独自の霊長類研究を展開してきた京大の霊長類学。日本の人類学は、彼らの切磋琢磨によって世界をリードしてきた。東大分子人類学の泰斗である尾本恵市と、京大霊長類学を代表する研究者である山極寿一が、人類学のこれまでの歩みと未来を語り尽くす。人類はどこからやってきたのか。ヒトはなぜユニークなのか。ユニークさゆえに生じる人間社会の問題とはなにか。新しい人類学を求める視点から鋭く論じる。


≪目次: ≫
まえがき (山極寿一)

第一章 人類学の現在
1 総合人類学がなぜ必要か
 いまなぜ人類学か/「文理融合」のオールラウンダー/人類学者の京大総長という衝撃
2 ヒト・文明・文化
 ヒトと人類の違い/文化と文明/霊長類から見た「文化」/文化としての直観力とメタファー

第二章 東大人類学と京大霊長類学
1 東大・京大、それぞれの出発点
 多様性を重視する人類学/霊長類学の出発/長谷部言人と東大人類学
2 本当のエリート教育
 長谷部人類学から受け継いだもの/飲み屋で人類学を教わる/今西錦司と「京都エリート」/草創期の分子人類学とエリートの使命感
3 長谷部人類学と今西霊長類学
 人類学との出会い/探検としての人類学/霊長類学の京大、分子人類学の東大

第三章 最新研究で見る人類の歩み
1 デニソワ人、ネアンデルタール人、ホモ・フローレシエンシス
 デニソワ人、ネアンデルタール人と現生人類との混血/ホモ・フローレシエンシスの謎/天変地異と人類の分布/ホモ・エレクトス研究の最前線/人類学と植民地主義/金髪碧眼のネアンデルタール?――なぜ人類は短期間で多様化したか
2 人類と霊長類を分けたもの
 自己家畜化とネオテニー/類人猿とヒトは子ども時代が長い/永久歯への生えかわりの遅さ/なぜ研究対象にゴリラを選んだか/チンパンジーの特異な性行動/オランウータンのネオテニー/類人猿のゲノムの違い

第四章 ゴリラからヒトを、狩猟採集民から現代文明を見る
1 ゴリラからヒトを見る
 二十数年前の交友を覚えていたゴリラ/子ども時代の記憶がよみがえる/シミュレーションするゴリラ/ゴリラのシンパシー能力
2 狩猟採集民から現代文明を考える
 なぜ狩猟採集民に目を向けねばならないのか/何でも平等に配分する狩猟採集民/戦いのロジック――ヒトとチンパンジーの違い/農耕・牧畜と戦争/私有を否定する狩猟採集文化/定住革命/女性の力が強い狩猟採集民
3 今こそ狩猟採集民に学べ
 文明人とは何か/農耕による人口増大が文明を生む/狩猟採集民と農耕民を分けたもの/自然観の違い/狩猟採集民こそが最古の先住民/狩猟採集民に何を学ぶか

第五章 ヒトはなぜユニークなのか
1 ユニークではないゲノムがユニークさを生んだ
 認知革命はなぜ起きたか/ヒトのゲノムはユニークではない/身長の違いはなぜ生じたのか/均質なまま新しい環境に進出していった人類
2 音楽の誕生
 子どもの好奇心とネオテニー/歌の起源/なぜヒトから音楽が出てきたのか/なぜ大型動物を絶滅に追いやってしまったのか
3 宗教と共同体
 宗教の誕生/人類が裸になったのは一二〇万年前/住居と共同体の移り変わり/食べるときに集まるのはヒトだけ
4 性の問題
 インセスト・タブーは人間だけの現象ではない/バーバリーマカクの実験/人間はいいつ頃からなぜ、性を隠すようになったのか

終章 これからの人類学
1 日本から何を発信すべきか
 日本の果たすべき役割/情緒の豊かさが日本の特長/なぜ人間の由来に関心が起きているのか/文明の発展を後戻りさせられるのか/閉塞感の中での人類学者の役割/教育の劣化
2 人類学に何ができるか
 人類学はいったい何の役に立つのか/DNAから人権までの総合的人類学を/基礎研究の衰退/科学と宗教のモラル/自然への畏怖の衰退/最後は教育が大事
3 大学・博物館の問題
 国立科学博物館の人類学研究/アミューズメントパーク化が研究を阻害する/アンチ東大としての京大/戦争と東大・京大/学生と教師の古き良き関係
4 総合的な人類学へ
 自然人類学と文化人類学のあいだ/日本人類学会と文化人類学会/アイヌの人類学研究の重要性/動物の社会・文化研究/総合的な人類学を現代に蘇らせる

あとがき (尾本恵市、二〇一七年九月一〇日)

参考文献


≪著者: ≫ 山極寿一 (やまぎわ・じゅいち) 1952年、東京生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学、理学博士。日本モンキーセンター、京都大学霊長類研究所、京都大学大学院理学研究科等を経て、2014年より京都大学総長。人類学と霊長類学を専門とし、ゴリラから人類や文明の起源を探る。主著に『サル化する人間社会』(集英社インターナショナル)、『暴力はどこからきたか』(NHKブックス)などがある。

≪著者: ≫ 尾本恵市 (おもと・けいいち) 1933年、東京生まれ。東京大学文学部・理学部を卒業し、東京大学大学院理学研究科博士課程中退。Ph.D(ミュンヘン大学)、理学博士(東京大学)。東京大学理学部教授、国際日本文化研究センター教授などを歴任し、アイヌ人やフィリピンのネグリトの起源の研究で世界的成果を挙げた。主著に『ヒトはいかにして生まれたか』(講談社学術文庫)、『ヒトと文明』(ちくま新書)などがある。


山極寿一 『父という余分なもの サルに探る文明の起源』(新潮文庫、2015年) '16/07/31
山極寿一 『父という余分なもの サルに探る文明の起源』(新書館、1997年) '10/05/08
山極寿一 編 『ヒトはどのようにしてつくられたか』(シリーズ ヒトの科学、岩波書店、2007年) '10/05/03
山極寿一 『暴力はどこからきたか 人間性の起源を探る』(NHKブックス、日本放送出版協会、2007年) '10/04/26

西田正規 『人類史のなかの定住革命』(講談社学術文庫、2007年) 10/10/01
レイチェル・カーソン 『沈黙の春 〔新装版〕  Silent Spring, 1962 』(青樹簗一訳、新潮社、2001年) '10/09/13



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本「霊長類 消えゆく森の番人 (岩波新書1662)」井田徹治5

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霊長類 消えゆく森の番人 (岩波新書)
○著者: 井田徹治
○定価: 本体1,020円+税
○ISBN: 978-4004316626








霊長類大絶滅時代

アフリカ、アジア、中南米など世界各地で霊長類の姿を追い、研究と保護に取り組む研究者や急速に減る生息地を取材してきた著者。体長わずか6センチのピグミーネズミキツネザルから体長180センチ体重は200キロ超にもなるヒガシローランドゴリラまで、現在496種、亜種まで含めると695種を誇る霊長類の未来は?


≪目次: ≫
はじめに

第1章 霊長類に迫る危機
  【コラム】 霊長類とは

第2章 大型類人猿の森――ルワンダ、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国
 第1節 山に暮らすゴリラ
  【コラム】 山極寿一とダイアン
 第2節 低地のゴリラ
 第3節 湿地のゴリラ

第3章 ヒトとの共生――コンゴ民主共和国、タンザニア、マダガスカル
 第1節 森の平和主義者 ボノボ
  【コラム】 ボノボ・果物をおすそ分け
 第2節 湖岸の類人猿 チンパンジー
 第3節 キツネザルの楽園

第4章 アジアの多様な霊長類――ボルネオ島、ベトナム
 第1節 森の人 オランウータン
  【コラム】 リーキーの天使たち
 第2節 追い詰められる小型霊長類 メガネザル・スローロリス
 第3節 観光ブームの裏で ラングール・テナガザル

第5章 残された聖地――アマゾン 
 第1節 知られざる森のサル ウアカリ 
 第2節 森の体操選手 ムリキ 
 第3節 絶滅の淵から タマリン 
 第4節 帰れないサルたち 
  【コラム】 新たな群れ発見の最新報告 

終章 つながる世界
 第1節 続く脅威、新たな懸念
 第2節 霊長類を守る

謝辞
参考文献


≪著者: ≫ 井田徹治 (いだ てつじ) 1959年12月、東京生まれ。1983年、東京大学文学部卒、共同通信社に入社。本社科学部記者、ワシントン支局特派員(科学担当)を経て、現在は編集委員。環境と開発の問題がライフワークで、多くの国際会議を取材。著書、『ウナギ 地球環境を語る魚』『生物多様性とは何か』『グリーン経済最前線』(共著)(以上、岩波新書)、『鳥学の100年』(平凡社)など。

井田徹治 『有害化学物質の話 農薬からプラスチックまで』(PHPサイエンス・ワールド新書、2013年) '13/11/25
井田徹治/末吉竹二郎 『グリーン経済最前線』(岩波新書、2012年) '12/06/26



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本「ゴリラは戦わない 平和主義、家族愛、楽天的 (中公新書ラクレ575)」山極壽一+小菅正夫5

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ゴリラの世界は、誰にも負けず、誰にも勝たない平和な社会。石橋を叩いても渡らない慎重な性格で、家族を愛し、仲間を敬い、楽天的に生きる。人間がいつのまにか忘れてしまった人生観を思い出させてくれる「ゴリラ的生き方」とは何か? 京都大学総長と旭山動物園前園長が、ゴリラの魅力について存分に語り合った話題の一冊!


≪目次: ≫
ゴリラの学校 山極壽一
 ゴリラを訪ねてアフリカの旅/日本モンキーセンター/ゴリラからの挨拶

第一章 ゴリラは人間よりカッコいい!!
ゴリラは人間を超えている
 ゴリラは人間を超えている/「ひとりゴリラ」の孤独/旭山動物園のゴンタとマリ/石橋を叩いても渡らない/力強さは“背中の威厳”
「戦わない」ゴリラ的平和主義
 “対等”ということが重要/「リーダー」と「ボス」の違い/人間は将来に“保険”をかける/ハンディキャップ理論/背中で語る/ゴリラは子どもによって優しくなる/子どもを殺した
ゴリラが人間の生きる道を指し示してくれている
 食を通じた社会関係が崩壊するか/食卓の戦争

第二章 人間はゴリラに学べ!!
ゴリラの性
 ゴリラの交尾の“学習”/ニホンザルの“イモ洗い”
ゴリラの食物事情
 親が子どもに味を教える/サルと類人猿はまったく違う消化器官/腸内細菌が受け継がれる/動物園の“仕掛け”/動物と話がしたい/動物の目線
繁殖をさせられなければ動物園ではない
 ゾウの繁殖/不機嫌なゴリラ/柵の中に転落した子ども
動物園の動物たち
 ホモセクシャルなゴリラ/過去の記憶が残っている/命の繋がり/縮尺の法則

チンパンジーの「ゴクウ」の話 小菅正夫


≪著者: ≫ 山極壽一 Yamagiwa Juichi 京都大学第26代総長。1952年東京都生まれ。京都大学理学部卒業、同大学院理学研究科博士課程単位取得退学。理学博士。専門は、人類学・霊長類学。(財)日本モンキーセンター・リサーチフェロー。日本霊長類学会会長、国際霊長類学会会長を歴任。アフリカ各地でゴリラの行動や生態を探っている。

≪著者: ≫ 小菅正夫 Kosuge Masao 旭川市旭山動物園前園長。札幌市環境局参与(札幌市円山動物園担当)。1948年札幌市出身。北海道大学獣医学部卒業。在学中は北大柔道部主将で活躍。段位は四段。73年に入園。一時は閉園の危機にあった旭山動物園を再建し、日本最北にして日本一の入場者を誇るまで育て上げたことで有名。


山極寿一 『父という余分なもの サルに探る文明の起源』(新潮文庫、2015年) '16/07/31
山極寿一 『父という余分なもの サルに探る文明の起源』(新書館、1997年) '10/05/08
山極寿一 編 『ヒトはどのようにしてつくられたか』(シリーズ ヒトの科学、岩波書店、2007年) '10/05/03
山極寿一 『暴力はどこからきたか 人間性の起源を探る』(NHKブックス、日本放送出版協会、2007年) '10/04/26



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本「骨が語る日本人の歴史 (ちくま新書1126)」片山一道5

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骨が語る日本人の歴史 (ちくま新書)
○著者: 片山一道
○定価: 本体820円+税
○ISBN: 978-4480068316








発掘された古人骨を調べ、当時の人の様子を明らかにする「骨考古学」。その進展によって、日本列島の歴史は大きく書き換えられねばならないことがわかってきた。実は縄文人は南方からやってきたのではない。大陸から渡来した弥生人が縄文人を駆逐したというのも本当ではない。そもそも「弥生人顔」など存在しない――旧来の歴史学に根強く残る誤謬を科学的視点から検証。人々の生身の姿を復原し歴史をひもとく「身体史観」を提唱する。骨考古学の第一人者が、日本人の実像に迫る。


≪目次: ≫
はじめに
 古人骨研究と人類学/「日本人」とはなにか

I 日本人の実像を探る
第1章 旧石器時代人
1 最古の日本人
 日本人の登場/最古の日本人はいつやって来たのか/どこから来たのか/どんな人々だったのか/よみがえる「港川人」/日本列島の旧石器時代の人物像
2 日本史の教科書から消えた「原人」たち
 おかしな「原人史観」/消えた「明石原人」「高森原人」/日本の旧石器時代人に関する真実
コラム1 骨考古学でなにがわかるか

第2章 縄文人
1 縄文人のルーツ
 縄文人の物語/縄文列島の景観/慎ましき「なんでも屋」/土器の発明/縄文人はどこから来たのか
2 古人骨から復原する縄文人
 ありがたき哉、貝塚遺跡/よみがえる縄文人たち/縄文人の骨相・人相を探る/縄文人の身体――顔型と体形/縄文人のユニークな特徴/縄文人の歯/奇妙な風習――抜歯と研歯/研歯の特別な役割/縄文人の食べ物/縄文人は日本人の基層をなす
コラム2 人骨の仕組みと法則性

第3章 「弥生人」
1 縄文人から「弥生人」へ
 弥生時代のイメージ――その移りゆきと潮目の変化/弥生時代の幕開け/「渡来した弥生人が縄文人に置きかわった」は本当か?/「渡来系か縄文系か」という二分論の限界/「弥生人」さまざま
2 「弥生人顔」神話
 「弥生人」の地域性/北部九州地方と西部中国地方の弥生時代人骨/弥生時代の海峡地帯――対馬海峡と朝鮮海峡/どれほどの渡来人が来たのか/弥生時代人骨の出土地偏在性/渡来系「弥生人」の身体特徴/縄文人もどきの「弥生人」――もうひとつの作業仮説/「縄文人顔か弥生人顔か」は粗雑な二分論/殺傷痕に見る戦乱の時代――倭国の大乱/戦乱の時代背景
コラム3 弥生時代には大型船があった

第4章 古墳時代人
1 階層分化による身体変化
 古墳時代――日本人の成立前夜/古墳時代の墓地と被葬者たち/大型古墳の被葬者たち――高身長の特権階級
2 渡来人の影響
 顔立ちの変化は混血よりも社会構造の変化によるもの/常民の骨格と顔立ち/倭人の時代――のちの日本人に向けての身体変化の画期/古墳時代の渡来人の数
コラム4 藤ノ木古墳の人骨は誰か

第5章 「中世人」・近世人・近現代人
1 「中世人」
 本家本元の「日本人」/奈良・平安時代は冬の時代/奈良・平安時代人の身体特徴/鎌倉時代から戦国時代にかけての身体特徴
2 近世人
 江戸時代の身体特徴/江戸時代人の食物事情と生活環境/江戸時代人の健康白書/梅毒の蔓延/江戸時代人の一生
3 近現代人
 近世人から近代日本人へ――通婚圏の拡大/ガリヴァーのような現代日本人/短絡的な日本人観を越えて
コラム5 横穴墓の興味深い埋葬法

II 「身体史観」の挑戦
第6章 旧来の日本人論の誤りをただす
1 身体史を俯瞰する
 「身体史」とはなにか/「吹きだまり」の旧石器人、独特な縄文人/なにもかもが様変わり――「弥生人」/「日本人顔」の登場――古墳時代人と奈良時代人/階層性が顕著に――鎌倉時代から戦国時代、さらには江戸時代へ
2 旧来の説を検証する
 日本人の始まり/縄文人をめぐるさまざまな説/縄文人は日本列島で誕生し、日本列島で育まれた/弥生時代の開国日本列島/海峡地帯を渡る――船と人々と風/日本人起源論と日本文化起源論は表裏にあらず/日本人はみな混血なのか――「混血」概念をただす
3 身体の時代変化
 日本人の身体特徴の時代変化/身長の変化/顔立ちの変化
4 アイヌと琉球の人々
 アイヌの人々/琉球諸島の人々
コラム6 神戸の新方人骨でわかる弥生時代の真実

第7章 旧来の歴史観はどこが誤っているのか
1 歴史教育の欠陥
 歴史教育の理念/先史時代にも歴史はあった/広義の歴史学/ボーダーレス化した現代社会に必要な世界史教育/失われた歴史の全体性/日本人のアイデンティティを育む日本史教育を
2 間違いだらけの歴史教科書
 とんでもない顔立ちの肖像画――織田信長や聖徳太子/リアルな人物像をうとむ歴史教科書類/それぞれの時代を表現する人物像の描き方
3 旧来の歴史学の時代区分のおかしさ
 中等教育でこぼれる縄文時代と弥生時代/日本語の「古代」の摩訶不思議/日本史における「古代」という時代/中世の兆しと古墳時代
4 「司馬史観」に物申す――日本人は一筋縄では規定できない
 日本人とは「司馬史観が好きな人たち」?/卑下と自尊の間/司馬史観に見る「民族」の濫用、「人権」の誤用/武家史観・関東史観/歴史人物像にはリアリズムが不可欠
コラム7 伏見人骨が明らかにする江戸時代の庶民像

おわりに (二〇一五年二月一二日、鈍孤庵にて 片山一道)
参考文献


≪著者: ≫ 片山一道 (かたやま・かずみち) 1945年広島県生まれ。先史人類学・骨考古学。京都大学名誉教授。京都大学農林生物学科卒業。同大大学院修士課程修了。京都大学霊長類研究所教授、京都大学大学院理学研究科教授などを歴任。理学博士。著書『古人骨は生きている』(角川選書、2002年)、『古人骨は語る』(角川ソフィア文庫、1999年)、『考える足』(日本経済新聞社、1999年)、『ポリネシア』(東京大学出版会、1997年)、『骨考古学と身体史観』(敬文舎、2013年)など。



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本「ヒト 異端のサルの1億年 (中公新書2390)」島泰三5

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――サルが生まれ、ヒトが誕生し、日本人になるまで。――
1億年前、インドとマダガスカルからなるレムリア大陸で霊長類は産声を上げた。2000万年前には東南アジアの失われた大陸スンダランドで類人猿が進化し、アフリカに到達したその仲間からヒトが生まれる。華奢(きゃしゃ)な骨格と裸の皮膚、巨大脳をもつ、異端なサル=現代人は、いつ、どこで生まれたのか。そして日本人の祖先はどこからやってきて、どこに行こうとしているのか。サルから日本人へのはるかな足跡を追う。


≪目次: ≫
はじめに
図表 1 「類人猿2000万年史」
図表 2 「ホモ属人類200万年史」
図表 3 「ヒト上科の属名一覧」

第一章 起原はレムリア――マダガスカル・アンジアマンギラーナの森から
 マダガスカルの原猿類の多様さ/これほど多様なマダガスカルの原猿類はどこで生まれたのか?/漂流仮説とレムールの起原/霊長類はどこで生まれたのか/霊長類の分類とその系統/さて、類人猿の道をたどってみよう

第二章 歌うオランウータン――ボルネオとスマトラの密林にて
 「キング」と出会う/オランウータンの主食は何か?――三次元空間の巨大霊長類/類人猿2000万年の歴史/類人猿第一世代/中新世後期の類人猿第二世代/ふたたび旅は始まり、オランウータンは歌を歌う

第三章 笑うゴリラ――ヴィルンガ火山の高原より
 ルワンダからの手紙/マウンテンゴリラに会いに行く/ゴリラの主食は、いったい何か/冷たい息吹――ヒッパリオン動物相/ヴァレシアン・クライシス――地中海地域で激変する環境/アフリカの類人猿第二世代とゴリラの起原/ゴリラの分布域の不思議/ヴィルンガ火山群のマウンテンゴリラ/ゴリラは笑うし、言葉も使う

第四章 類人猿第三世代のチンパンジーとアルディピテクス――タンガニーカ湖畔の森から
 類人猿第三世代――チンパンジーとの遭遇/チンパンジーの選んだ道/類人猿第三世代――その二、アルディピテクス/アルディピテクスとはどんな類人猿なのか?/その時代と環境 地中海地域――メッシニアン塩分危機/東アフリカ――隆起による乾燥化/アルディピテクスの生きていた生態系/アルディピテクスの葉と手足/アルディピテクスのニッチ(生態的地位)/その社会/アルディピテクスは人類の祖先か?

第五章 類人猿第四世代、鮮新世のアウストラロピテクス――ツァボ国立公園にて
 アウストラロピテクス属の誕生/アナメンシスとアファレンシス/アファレンシスの歩き方/アナメンシストアファレンシスの臼歯のエナメル質の厚さ/その歯は何を示しているのか?/アウストラロピテクスの社会/ジャッカルの目――マサイラマ国立保護区

第六章 ホモ・エレクトゥスとハンドアックスの謎――マサイマラから
 マサイマラのライオンとマサイ人/類人猿第四世代/ボノボの出現/更新世のアウストラロピテクス属/ホモ属の出現/ホモ・エレクトゥス類(原人たち)の主食は何か?/ハンドアックスの謎/謎その1――巨大さ/謎その2――定型的な形/謎その3――分布の特異さ/謎その4――使用痕のないこと/ハンドアックスの用途についての学説/威嚇/王獣ホモ・エレクトゥス/では、原人たちはどんな群れを作ったのか?

第七章 格闘者ネアンデルタール
 ネアンデルタールの時代――50万年前から3万年前まで/ネアンデルタールの生活環境/体の重武装化/人類史上最大の脳/ネアンデルタールの石器――中期旧石器時代/ネアンデルタールの生活と主食/ネアンデルタールの絶滅――動物地理学的解釈

第八章 ホモ・サピエンスの起原――ナイヴァシャ湖にて
 アンタナナリヴの沼/ホモ・サピエンスの起原/どこでホモ・サピエンスは出現したのか?/「バザルーサと同じこと」――アフリカの湖沼群地帯にて/ゲノムの解析によってホモ・サピエンスの特性、裸の皮膚がほの見える/補注:毛についての事実とふたつの側面と「はだかの起原」

第九章 最後の漁撈採集民、日本人――宇和海の岸辺にて
 東へ、日の昇る彼方へ/日本人の近縁者たち/日本人の起原/朝鮮からつながる古日本半島の時代――15万年前まで/新日本半島の時代――15万年前からAT噴火(2万6000年前)前後まで/ホモ・サピエンス、日本列島に入る/最終氷河期の最隆期――3万年前から1万3000年前まで/「かりに真理を犬としてみる」/言葉の起原/縄文漂流民/完新世温暖期に農耕が始まり、脳は縮む

終章 ほほえみの力

あとがき (二〇一六年七月 本郷展雲荘にて)


総索引文献


≪著者: ≫ 島 泰三 (しま・たいぞう) 1946年、山口県下関市生まれ。下関西高等学校、東京大学理学部人類学科卒業。東京大学理学部大学院を経て、78年に(財)日本野生生物研究センターを設立、房総自然博物館館長、雑誌『にほんざる』編集長、天然記念物ニホンザルの生息地保護管理調査団(高宕山、臥牛山)主任調査員、国際協力事業団マダガスカル国派遣専門家(霊長類学指導)等を経て、NGO日本アイアイファンド代表。アイアイ生息地の保護につとめる。マダガスカル国第5等勲位シュバリエ。理学博士(京都大学)。著書、『親指はなぜ太いのか』(2003)、『安田講堂 1968-1969』(2005)、『戦う動物園』(編、2006)、『孫の力』(2010、以上、中公新書)、『腰・肩・ひざは「ねじって」治す』(山内英雄との共著、2014)、『腰・肩・ひざは「ふたりで」治す』(山内英雄との共著、2015、以上、中公新書ラクレ)、『どくとるアイアイと謎の島マダガスカル』上・下(八月書館、1997)、『アイアイの謎』(どうぶつ社、2002)、『サルの社会とヒトの社会』(大修館書店、2004)、『はだかの起原』(木楽舎、2004)、『決定版 日本水族館紀行』(阿部雄介写真、木楽舎、2013)ほか。



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本「宇宙からみた生命史 (ちくま新書1203)」小林憲正5

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宇宙からみた生命史 (ちくま新書)
○著者: 小林憲正
○定価: 本体価格800円+税
○ISBN: 978-4480069078





生命誕生の謎を解き明かす鍵は「宇宙」にある。惑星探索や宇宙観測によって判明した新事実と従来の化学進化的プロセスをあわせ論じて描く最先端の生命史。

「われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くのか」。――近年、生命誕生の謎を解き明かす鍵が、「宇宙」にあるのではないか、という考え方が存在感を増している。生命の様々な可能性を考えるのには、もはや地球中心の思考を捨てなければならない。惑星探索や宇宙観測によってわかった新事実と従来の化学進化的プロセスをあわせ論じて描く、最先端にして最も説得力のある生命誕生の様相。


≪目次: ≫
はじめに

第1章 われわれは宇宙の中心か――天動説から地動説へ
 中華思想と天動説/コペルニクスの登場/太陽は銀河系の辺境/銀河系は宇宙のほんの一部/銀河系も宇宙の中心ではない/ユニバースからマルチバースへ/物理学の普遍化/宇宙のどこでも成り立つ化学/私たちはスターチャイルド/地球科学から惑星科学へ/太陽系外惑星の発見/生物学/圏外生物学からアストロバイオロジーへ

第2章 われわれは何者か――ガラパゴス化した地球生命
 生物と非生物/生気論からの脱却/物理学からみた生命/分子生物学のはじまり/地球生命の基本的な仕組み/分子生物学で答えられない問題/タンパク質を構成するアミノ酸の謎/地球は宇宙のガラパゴス?

第3章 われわれはどこから来たのか1――生命誕生の謎
 アリストテレスと生命の自然発生/レディの実験/パストゥールの白鳥の首フラスコ実験/ダーウィンの悩み/地球生命は宇宙からやってきた?/オパーリンとホールデン/ミラーの実験/化学進化の古典的モデルの成立/新しい原始大気モデルへ/宇宙からの有機物/生命のふるさと、海/超高温の海で生命は誕生した?/段階反応にもとづく古典的シナリオの問題/核酸の前生物的生成は可能か/宇宙でのガラクタ分子の生成/ガラクタ分子からガラクタ生命へ/生命起源の検証は可能か?

第4章 われわれはどこから来たのか2――生命進化の謎
 地球とのかかわりから生命進化を探る/地球に生命誕生が可能になるまで/最古の生命の化石を探して/最古の生命の痕跡/生命誕生の時期/生命はどこで誕生したか?/生命が誕生した海は深海底か/最初の生命は熱いお風呂好き?/光合成生物の誕生/シアノバクテリアによる環境破壊/真核生物の誕生/多細胞生物の誕生/進化と環境の大変動/全球凍結説/全球凍結と生物との関わり合い/オゾン層の誕生と生物の陸上進出/繰り返す大絶滅/恐竜絶滅の原因/大量絶滅と人類の誕生/アストロバイオロジーからみた生命の進化

第5章 太陽系に仲間はいるか――古いハビタブルゾーンを超えて
 地球外生命/ハビタブルゾーン/火星人の存在?/バイキング計画/バイキング生命探査の問題点/火星隕石の衝撃と火星探査の復活/火星の水と有機物探査/日本の火星生命探査計画/蛍光顕微鏡による生命探査/ハビタブルゾーンを超えた生命探査/エウロパの地下海と拡大ハビタブルゾーン/タイタンの生命/エンケラドゥスの生命/地球極限環境生物と地球外生命

第6章 太陽系外に生命を探る――系外惑星とSETI
 太陽系外生命の探査は可能か/SETI――地球外知性の探査/太陽系外惑星からハビタブル太陽系外惑星へ/太陽系外惑星の生命検出法/ドレークの方程式/ドレークの方程式を解く/文明は持続できるか/バイオマーカーによる太陽系外生命の検出の可能性/古典的ハビタブルゾーンを超えたダークライフの検出

第7章 人類の未来、生命の未来
 地球における大量絶滅/衝突の冬と火山の冬/核戦争と核の冬/超新星爆発/太陽にもスーパーフレアが起きるか/千年に一度、一万年に一度のカタストロフィ/第六の大量絶滅/現在、全人類の何%が生きているか/ヒトは地球を代表する生物か/地下生物圏、過去と未来の生物圏/ふたたび、われわれは宇宙の中心か/偶然と必然/ペール・ブルー・ドット/生命の真の地動説をめざして

あとがき
参考文献


≪著者: ≫ 小林憲正 (こばやし・けんせい) 1954年生まれ。東京大学大学院理学系研究科化学専攻博士課程修了。米国メリーランド大学化学進化研究所研究員などを経て、横浜国立大学大学院工学研究院機能の創生部門教授。著書に『アストロバイオロジー』(岩波科学ライブラリー)、『生命の起源』(講談社)など。

福岡伸一 『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書、2007年) '10/03/23
田近英一 『凍った地球』(新潮選書、2009年) '09/02/26
長沼毅 『生命の星・エウロパ』(NHKブックス、2004年)) '11/05/14


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本「父という余分なもの サルに探る文明の起源 (新潮文庫)」山極寿一5

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ん〜、やっぱコレすごいネ♪♪

山極寿一 『父という余分なもの サルに探る文明の起源』(新書館、1997年) '10/05/08


人類の歩みは「父」の創造から始まった――ゴリラ研究の第一人者が、丹念なフィールドワークと深い洞察に基づいて、人類に備わる特性のルーツに迫る。なぜヒトは家族で暮らすのか、父親の存在とは何か。恋愛、同性愛、遊び、食事・・・・・・。コンゴの森に分け入り、野生のゴリラと触れ合って研究を続ける霊長類学者が、「父性」を手がかりにヒトの社会を考察する。発見に満ちた文明論!


≪目次: ≫
プロローグ 父という余分なもの
 父親を内在する文化/サルに父親はいない/ゴリラに見る父親の起源/初期人類の父親像


直立歩行は舌から始まった
 舌の特別な能力/食事という社会交渉/味覚の推理能力/人類が立ち上がった理由/見つめ合う行為から生まれたもの
異国の女性が美人に見えるわけ
 群れで旅する動物たち/霊長類の旅は個体単位/母系、父系で異なる旅/遊びがパスポート
同性愛はなぜあるか
 遊びと同性愛/マウンテンゴリラの観察事例/オスたちの相姦図/異性間交尾との比較/純粋に性的なもの/のぞき込み行動の意味/想像力による性の演出/ゴリラの同性愛と人類の同性愛

II
家族という複雑系
 変わりゆく進化論と世界観/進化と共生/多様性とホミニゼーション/アフリカ類人猿の共存関係/複雑な世界の認知/共食と家族
父系の二つの源流
 父系社会の進化/果実食の世界/分散様式の類似と相違/性差に現れる社会関係/類人猿の社会と性/クモザルたちの不思議な性交渉/多様な性/二つの社会進化

III
ゴリラと暮らす
 受難の歴史/背中の威厳/竹の子の季節/最後の楽園/菜食主義者/遊動生活/密猟/ゴリラとの握手/オス同士の反目/アンクル・バート物語/オスの魅力と集団の盛衰/オスの一生――一人旅の宿命/メスの一生――集団から集団へ/子別れ/性の世界――誘惑の方法/嬰児殺し/子育てをする父親/父親と息子のきずな/配偶関係の確立

IV
サルに探る文明の起源 [対話=三浦雅士
 サルとの出会い/ニホンザルのルーツを追って/ヒトとゴリラの距離は近い/ヒトとチンパンジーの混血は不可能か?/なぜゴリラを選んだか?/現代人と原人は共存していた/人類は熱帯雨林で進化した/サルにない人間の能力/人間の能力としてのシャーマニズム/食事とセックスの関係/ゴリラは食用/お尻がパスポート/異邦人に惹かれる/発情をかくす戦略/「愛」の起源/サルは自殺しないか?/チンパンジーの自我/母であり恋人であること/ゴリラのユーモア/言語の起源/なぜヒトは大人になっても遊ぶか?/集団催眠という文化

エピローグ ゴリラがヒトを救うとき
ヒトの窮地を理解/ヒトはゴリラかチンパンジーか

あとがき (一九九七年七月)
文庫版へのあとがき 山極寿一 (二〇一五年一月)

ごつい思想、密な調査、深い知恵 (解説) 鷲田清一 (平成二十六年十二月、哲学者)

初出一覧
写真 (すべて著者による撮影)

 カバー装画: ミロコマチコ


※本書は、一九九七年九月、新書館より刊行された。


≪著者: ≫ 山極寿一 Yamagiwa Juichi 1952(昭和27)年東京生れ。霊長類学者・人類学者。京都大学理学部卒、同大学院理学研究科博士課程修了。コンゴ・カリソケ研究センター研究員、日本モンキーセンター、京都大学霊長類研究所、同大学院理学研究科助教授を経て同研究科教授。2014(平成26)年10月から京都大学総長。『おはようちびっこゴリラ』(絵本)、『ゴリラの森に暮らす』『暴力はどこから来たか』『家族進化論』『「サル化」する人間社会』など著書多数。

山極寿一 『父という余分なもの サルに探る文明の起源』(新書館、1997年) '10/05/08
山極寿一 編 『ヒトはどのようにしてつくられたか』(シリーズ ヒトの科学、岩波書店、2007年) '10/05/03
山極寿一 『暴力はどこからきたか 人間性の起源を探る』(NHKブックス、日本放送出版協会、2007年) '10/04/26


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本「イヌ どのようにして人間の友になったか (講談社学術文庫2346)」J・C・マクローリン 著・画、澤坦 訳5

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五万年も前から人との共同生活を楽しんできたイヌ。いまや、大型のマスチフや室内犬のペキニーズなど、多様な姿と特徴を持ち、病人や孤独な老人を癒してくれる。哺乳類の誕生から、太古の肉食動物の盛衰を経て、イヌがキツネやオオカミと分かれて人間と同盟を結ぶまでの過程を、一〇〇点以上のイラストと、科学的推理を交えて解明する。(解説・今泉吉晴

アメリカの動物学者でありイラストレーターでもある著者が、「人間の最良の友」といわれるイヌの進化と人間との関わりの歴史を、100点以上のイラストをまじえてやさしく物語る。
現在、世界中で人間と一緒に生活しているイヌは、13属、約36種におよぶという。家犬は人間にとっていちばん古い家畜で、およそ5万年も前から人類との共同生活を楽しんできたが、しかしこの長い期間も、2億年におよぶイヌ科の長い歴史から見れば、ほんの一部分にすぎない。そもそも人類が、武器の助けもなしに自然界の虐殺者とも思われるオオカミの子孫を友とすることができたのはなぜなのか。
本書は、哺乳類の誕生から、太古の肉食動物たちの盛衰を経て、イヌがキツネやオオカミたちと分かれて人間と「同盟」を結ぶ過程を明らかにする。まず、狩りの場で協同して大きな獲物を仕留め、人間との信頼関係を築いたイヌは、いまや、病に苦しむ人や孤独な老人を癒し、猟犬や番犬のみならず、スマートなイヌから極端に矮小化された室内犬など、さまざまな姿や特徴を持つにいたっている。
身近なイヌをもっと知るために、犬好き必読の一冊。巻末解説は今泉吉晴氏。


≪目次: ≫
はじめに

哺乳動物とは何か
犬の先祖になった食肉類
肉食の哺乳動物たちの世界
イヌの起源
詐欺師レイナードとキツネたち
狩りをする野生のイヌ
イヌ
人に飼われた犬
いろいろな犬種の生い立ち
大型の犬――マスチフ
小型の犬と矮小な犬
人間社会のなかの犬



訳者あとがき (一九八四年四月  澤 坦)

解説――人とイヌの共生が地球を救う (今泉吉晴 動物学者・都留文科大学名誉教授)
 野生のイヌと家犬は同じ種/「分類表」という迷路/人とイヌとの出会い/二〇世紀の動物行動学/ナチュラリスト、マクローリンの視線



付録――現存するイヌの仲間の属と種


※本書は、一九八四年および一九九一年に、岩波書店より刊行されました。


≪著者・画: ≫ J・C・マクローリン (John C. McLoughlin) アメリカの動物学者、サイエンス・イラストレーター。おもな著書に『動物進化の物語』『恐竜たち』『消えた竜』ほか。

[訳者: ] 澤 坦 (さわざき ひろし) 1925年、東京生まれ。東京大学農学部卒業。農学博士。東京大学農学部教授、同附属牧場長、日本中央競馬会参与などを務め、2003年没。おもな著書に『馬は語る』『比較心臓学』『馬は生きている』ほか。



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本「辺境生物はすごい! 人生で大切なことは、すべて彼らから教わった (幻冬舎新書385)」長沼毅5

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「それはしょうがないね、今いるところで頑張りなさい」  (p50)


極地、深海、砂漠などの辺境は、人類から見ると「特殊で過酷な場所」だが、地球全体でいえばそちらのほうが圧倒的に広範で、そこに棲む生物は長寿で強い。「一見生きにくそうな世界も、そこに棲む者にとっては都」「“弱肉強食”は、生物の個体数が多い地域の特別なルールでしかない」など、辺境生物を知ると、我々の常識は覆され、人間社会や生命について考えることがどんどん面白くなる。辺境生物学者である著者の科学的冒険を辿りながら、かたい頭をやわらかくする科学エッセイ。


≪目次: ≫
はじめに――生命の限界を知ることで、生命の可能性が見える (2015年7月 辺境生物学者 長沼 毅)

第一章 「辺境」の超スローライフに学べること
 北極から帰国した翌日に富士山登頂
 南極、北極、赤道直下の氷河――海を隔てて、同じ遺伝子を持つ生命が存在する
 「極限環境」と「辺境」は同じだけどちょっと違う
 謎の深海生物・チューブワーム
 海底火山の発見が、科学に大きな意識変革をもたらした
 地球全体で見れば、「辺境」のほうが圧倒的に広い
 弱肉強食ばかりが自然界の掟ではない
 実は、スローライフこそが生物界の主流?
 勝ちも負けもなく「ニッチ」で生き延びるのが、辺境生物のライフスタイル
 「地球外生命」は、究極の辺境生物

第二章 どんな生物も「世界」にはかなわない――進化も仕事も「外圧」で決まる
 入る学部を間違えたので、生物学者になった
 細部にこだわることの大切さを知る
 「キリンの首は、高所の葉を食べるために進化して長くなった」というのは間違い
 生物の進化には、目的も方向性もない
 キリンの祖先は、首が長いことを「しょうがない」と受け入れて、「今いるところで頑張った」
 人生の転機が訪れるとき、いつも私は「外からの力」に身をゆだねてきた
 望んだわけではないが、契約研究員も単身赴任制度も「第一号」
 「外圧」を利用して、うまく立ち回ることもできる
 そもそも「世界」にはかなわない
 海底火山調査に忘れ物をして冷や汗・・・・・・、そんなときも無駄にしない
 南極、北極、そしてサハラ砂漠の共通点は「塩」!?
 風向きや星のめぐり合わせ次第では、ミスも「進化」のきっかけになる

第三章 生物にも人生にも「勝ちモデル」はない
 40代前半は人生のターニングポイント
 人生に「負けモデル」はあっても「勝ちモデル」はない
 生存競争に勝つために必要な“ナルホド納得”のこと
 私たち人類は、進化における「ベスト・オブ・ベスト」の結果ではない
 辺境生物は「足るを知る」生き方をしている
 なぜ、好きな仕事で苦しまなければいけないのか?
 立派な人生を送りたいなら、「誰かに勝つ」より、「ちゃんと生きる」こと
 自分のミスを頑なに認めないのは、いいことナシ
 生物の進化は、遺伝子のミスコピーから始まる
 「If I were you」で相手のミスを許す

第四章 サイズとノイズ――生物に学ぶ組織論
 生物はどこまで小さくなれのか
 0.2〜0.1マイクロメートルが生物と非生物の「境界線」?
 「小さすぎる」ことは、生物にどんな不都合となるのか
 ノイズに強い生物、弱い生物
 人間社会においても、サイズとノイズのバランスが大切
 どんな大きさの生物も、その細胞の大きさがほぼ同じなのはなぜか考える
 われわれの知る細胞の大きさは、地球上の生命体が強く生きるのに適したサイズ
 新種の微生物を見ればわかる、人間社会のシビアな現実
 多様性を許容しない人間集団の未来は暗い

第五章 生物界の正解は、「個性尊重より、模倣と反復」
 「個性重視の教育」が、社会の多様化を阻害する?
 先人に学ぶことなく自分勝手に勉強・練習して上達するわけがない
 「自分で考える」より、先人たちの知恵を学べ。「知恵」とは「失敗の歴史」だ
 「個性」を勘違いするな。放っておいても出てくるのが個性だ
 「私はこう思います」と言う人は「考えて」いない
 脳の深層から浮上してくる「思いつき」を確実につかむために
 自然科学は、批判し合うことで進歩した
 「自分」にこだわっていたら、新しいフロンティアには乗り出せない

第六章 男社会は戦争社会――人類はどう生き延びるのか
 口も肛門もない生命体がどうやって生きているのか
 バクテリアの生態から知る、「共生」という生き方
 生命現象の本質は卵子にある――卵子こそが主役
 チョウチンアンコウの「小さなオス」の哀しい運命
 戦争中心社会では「オス」が優位になるのはなぜか
 「無益な同胞殺し」をするチンパンジーやイルカ
 ネアンデルタール人は寒さに強かった?
 ホモ・サピエンスとネアンデルタール人の明らかな差は「言語能力」
 「カインとアベル」の物語に潜む太古の記憶
 ペンギンはなぜ低体温症にならないのか
 人類の知能は「目的のある進化」を可能にした
 ヒトの脳が誕生後も成長するのは、ウイルスの仕業!
 生きているあいだに、遺伝子は変化する?
 ゲノムは生命の「楽譜」であり、これを「演奏」するのは、自分だ
 人類は「愛情遺伝子」を持っている
 世界の平和をコントロールできる「協調性遺伝子」を増やすには

終章 「動物」として生きるということ
 人間にあって、そのほかの動物にはない「自意識」の影響力
 自分の「動物的勘」に頼るなら、「頭」ではなく「腹」で判断する
 「人間性」も「個性」も、客観的なパラメータで説明される時代が来る!
 「世界」の一部として生きる幸福を知る


≪著者: ≫ 長沼 毅 (ながぬま・たけし) 1961年、人類初の宇宙飛行の日に生まれる。深海生物学、微生物生態学、系統地理学を専門とし、極地、深海、砂漠、地底など、世界中の極限環境にいる生物を探索する。筑波大学大学院生物科学研究科博士課程修了、海洋科学技術センター(JAMSTEC、現・海洋研究開発機構)研究員、カリフォルニア大学サンタバーバラ校海洋科学研究所客員研究員などを経て、広島大学大学院生物圏科学研究科准教授(を経て、広島大学教授)。『死なないやつら 極限から考える「生命とは何か」』(講談社ブルーバックス)、『長沼毅の世界は理科でできている』(全六巻 ほるぷ出版)、『地球外生命 われわれは孤独か』(共著・岩波新書)、ほか著書多数。


長沼毅/井田茂 『地球外生命 われわれは孤独か』(岩波新書、2014年) '14/04/09
長沼毅 『世界をやりなおしても生命は生まれるか? 生命の本質にせまるメタ生物学講義』(朝日出版社、2011年) '12/02/22
長沼毅 『形態の生命誌 なぜ生物にカタチがあるのか』(新潮選書、2011年) '11/08/31
長沼毅 『生命の星・エウロパ』(NHKブックス、日本放送出版教会、2004年) '11/05/14
長沼毅/藤崎慎吾 『辺境生物探訪記 生命の本質を求めて』(光文社新書、2010年) '11/03/16
長沼毅 『生命の起源を宇宙に求めて パンスペルミアの方舟』(DOJIN選書、化学同人、2010年) '10/12/27



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本「生まれ変わる動物園 その新しい役割と楽しみ方 (DOJIN選書052)」田中正之5

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日本の公設動物園で二番目に古い京都市動物園は、日本で初めて、大学の研究者が常駐している動物園だ。大学と動物園が連携し、チンパンジーやマンドリルの「お勉強」、ゴリラの出産と育児、アミメキリンやアジアゾウの夜の行動など、動物園だからこそできる研究を展開、十分に調べることができなかった動物たちの生態の理解が少しずつ進んでいる。このような具体的な取り組みをとおしていま動物園に何が求められているかを考え、これからの動物園のあるべき姿を探る。

動物園には「種の保全」「教育・環境教育」「調査・研究」「レクリエーション」という四つの目的がある。レジャー施設としてだけでなく、この四つの役割をはたす施設として変化のときを迎えている動物園。日本ではじめて、大学の研究者が常駐して研究をしている京都市動物園ではどのような取り組みがなされているのか。チンパンジーやマンドリルの「お勉強」、ゴリラの出産と育児、キリンやアジアゾウの夜の行動など、動物園にいる動物だからできる研究からわかってきた行動や生態を紹介しながら、これからの動物園のあるべき姿を考える。


≪目次: ≫
はじめに

第1章 研究フィールドは動物園
 一 動物園で始めたサルの研究
マンドリルとテナガザル/サル舎に通う毎日
 二 お勉強を始める
マンゴロウのお勉強/タッチモニターに強い関心を示した末っ子のマンマル/マンドリル一家の力関係/テナガザルのお勉強
 三 数字のお勉強
なぜ数字の勉強?/シロマティー、不満を述べる/父から息子へ、兄から妹へ伝えられる「文化」

第2章 チンパンジーのお勉強
 一 京都市動物園のチンパンジーたち
チンパンジーの勉強部屋/勉強部屋の運営方針/やってきたチンパンジーたち
 二 勉強開始
タッチモニターに触るまで/数字に触れる/1と2の順番を覚える/四人の個性が見られる勉強風景
 三 チンパンジーのいろんな姿
タッチモニターを横取りされるヨウコ/場所取り合戦/横で遊ばれても我関せず/女性のケンカ
 四 仲間の死がもたらした変化
ヨウコの死/三人になった勉強部屋
 五 新しい仲間、ジェームス
間男作戦/お見合いはうまくいくのか?/遠慮がちなジェームス/自己主張するようになったジェームス/妊娠はうまくいくか?/その後のジェームスと仲間たち/国内の個体数維持をめざして

第3章 動物園にいるいろいろな動物の姿
 一 ゴリラの観察
飼育下ゴリラの異常行動/吐き戻しの実態を観察する/もっとも効果的な対象/ゴリラは夜に何をしているのだろう
 二 アジアゾウは夜に何をしているのだろう
監視カメラによる観察/単調な夜間行動/広がる夜間行動観察の輪
 三 動物園で見られる出産
ブラジルバクの出産と育児の観察/雨が好きなバク(?)/ヤブイヌの出産と育児を観察する/アムールトラ、グレビーシマウマ、アミメキリンの出産

第4章 動物園の飼育員はどんな仕事をしている?
 一 キリンはどうやって寝るの?
夜間のキリンの行動観察/キリンは座って休む。眠るのは一回二、三分/キリンの授乳は母親の都合/キリンの体重測定/キリンの担当者が見たアフリカ/「キリンタイムズ」発行中
 二 ゴリラも道具を使う?
「ガラポン箱」で食事の時間引き延ばし作戦/「フードキャッチャー」――ゴリラの道具使用/野生のゴリラが見たい/「世界標準」をめざして
 三 元気に育て、赤ちゃんゴリラ
ゲンキの出産/抱き上げから授乳まで/赤ちゃんゴリラの保護/バトンリレー・プロジェクト/ゲンキと同居再開――バトンリレー・プロジェクトは次の段階へ/バトンリレー・プロジェクト、最終章は……

第5章 動物園はどんなところ?
四つの目的/現実の動物園/共同利用・共同研究拠点としての動物園/新・京都市動物園/動物園に課されている宿題/新しい時代の動物園

参考文献とウェブページ
あとがき (二〇一三年 今年は平和な一年でありますように  田中 正之)


≪著者: ≫ 田中 正之 (たなか まさゆき) 1968年兵庫県生まれ。95年、京都大学大学院理学研究科博士後期課程中退。京都大学霊長類研究所などを経て、京都大学野生動物研究センター准教授。博士(理学)。専門は比較認知科学。現在は、動物園動物を対象とした行動学・比較認知科学的研究を中心に研究活動を展開している。著書に『チンパンジーの認知と行動の発達』(共編著、京都大学出版会)などがある。




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本「鳥・人・自然 いのちのにぎわいを求めて  Birds, Humans, and Nature: Celebrating the Diversity of Life 」樋口広芳5

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鳥・人・自然: いのちのにぎわいを求めて
鳥・人・自然  いのちのにぎわいを求めて  Hiroyoshi HIGUCHI: “Birds, Humans, and Nature: Celebrating the Diversity of Life”, University of Tokyo Press, 2013

○著者: 樋口広芳
○出版: 東京大学出版会 (2013/5, 単行本 254ページ)
○定価: 2,940円
○ISBN: 978-4130633369




人の手に乗るスズメ、クルミを車にひかせて食べるカラス、世界を旅する渡り鳥など、鳥たちの不思議な行動や生態をわかりやすく紹介。鳥たちの世界をとおして、生物多様性の意味・仕組・保全についての理解を深め、これからの人と自然のあり方を探る。


≪目次: ≫
はじめに

第1部 鳥との一期一会
第1章 日々のくらしの中で
スズメが人の手に乗った!/窓を開けてはいけない、カラスが起こる/都市の緑、初夏のにぎわい/港にたたずむイソヒヨドリ
第2章 日本と世界の片隅で
コマドリが赤いボタンに跳びついた!/釣りをする少年を見つめるササゴイ/アビとツグミの声に包まれて/トカラの森で/はじめての野生キンケイとの出合い/湿原に映えるあでやかな姿/ヤマガラの足のぬくもり

第2部 鳥のくらしと人のくらし
第3章 人慣れスズメ、急増中――出現の記録とその背景
記録をたどってみると/どんな場所で見られるか/どう拡がったのか
第4章 鳥たちの貯食
だれが、いつ、何を貯えるのか/種による違い/どのように貯えるのか/いつとり出して食べるのか/貯食は植物にとっても得なのか
第5章 カラスと人の地域食文化
カラスの多様な食生活/季節の果実を食べる/ビワ園をつくる!?/タケノコ狩り/貝や木の実を割って食べる/生ごみに集まる都市ガラス/石鹸をかじる/ロウソクをかじる/カラスにとっての地域食文化/種による違い/食文化をもつ理由/文化の伝播
第6章 島の自然と生きものの世界――三宅島とのつき合い
三宅島の自然/三宅島の生物の特徴/托卵相手の幅が拡がるホトトギス/イタチが島の生態系に与えた影響/二〇〇〇年噴火を体験する/噴火によって島の自然はどう変わったか
第7章 放射能汚染が鳥類の生活に及ぼす影響――チェルノブイリ原発事故二五年後の鳥の世界
チェルノブイリ原発事故とメラー教授らの研究/遺伝、生理、生活史形質などへの影響/鳥類以外への影響/福島原発事故への今後の対応

第3部 世界の自然をつなぐ渡り鳥
第8章 渡り鳥の衛星追跡
衛星追跡の仕組/カモ類の春の渡り/ハクチョウ類の春の渡り/タカ類の渡り/サシバの春秋の渡り/ハチクマの春秋の渡り/季節による渡り経路の違いの理由/種による違い/今後の課題
第9章 鳥の渡り衛星追跡公開プロジェクト
対象となった鳥や実施体制/ウェブサイトの公開/渡りの開始/中国入り/インドシナ半島、マレー半島へ/インドネシアへ/さらに東へ/秋の渡り公開、終了

第4部 鳥・人・自然
第10章 これまでの研究生活を振り返って
鳥との出合い/研究との出合い/赤い卵の謎にとりくむ/アメリカ留学/渡り鳥の衛星追跡/ハチクマの渡り追跡/保全に向けての研究成果の利用/今後に向けて
第11章 若き日の「恩師」、エルンスト・マイヤー
著書を読む/島の鳥の研究/心の恩師
第12章 日々のできごとの中の鳥や自然
小次郎はほんとうにツバメを切ったのか/「はつ恋」とサンコウチョウ/官僚世界の「渡り」/尖閣諸島は国際自然保護区に/「いただきます」に込められた意味

おわりに (二〇一二年一二月 大晦日をまぢかに控えて 樋口広芳)

引用文献(よりくわしく知りたい方のために)


≪著者: ≫ 樋口広芳 (ひぐち・ひろよし) 1948年 横浜市に生まれる。1970年 宇都宮大学農学部卒業。1975年 東京大学大学院農学系研究科博士課程修了。東京大学農学部助手、米国ミシガン大学動物学博物館客員研究員、(財)日本野鳥の会・研究センター所長、東京大学大学院農学生命科学研究科教授を経て、東京大学名誉教授、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授、農学博士。日本鳥学会元会長、The Society for Conservation Biology Asian Section 元会長。主要著書、『鳥の生態と進化』(1978年、思索社)、『赤い卵の謎――鳥の生活をめぐる十七章』(1985年、思索社)、『鳥たちの生態学』(1986年、朝日新聞社)、『保全生物学』(編著、1996年、東京大学出版会)、『湿地と生きる』(共著、1997年、岩波書店)、『カラス、どこが悪い!?』(共著、2000年、小学館)、『鳥たちの旅――渡り鳥の衛星追跡』(2005年、日本放送出版協会)、『生命にぎわう青い星――生物の多様性と私たちのくらし』(2010年、化学同人)、『カラスの自然史――系統から遊び行動まで』(共編著、2010年、北海道大学出版会)ほか多数。


ジョナサン・ワイナー 『フィンチの嘴 ガラパゴスで起きている種の変貌  Jonathan Weiner: “The Beak of the Finch: A Story of Evolution in Our Time”, 1994 』(樋口広芳/黒沢令子 訳、ハヤカワ文庫NF、2001年) '10/03/26
トマス・C・グラッブ, Jr. 『野外鳥類学への招待 〈新装版〉  Thomas C. Grubb Jr. : “Beyond Birding: Field Projects for Inquisitive Birders”, 1986 』(樋口広芳/小山幸子 訳、新思索社、2006年) '10/03/09
樋口広芳/森下英美子 『カラス、どこが悪い!?』(小学館文庫、2000年) '10/03/09
樋口広芳 『鳥たちの旅 渡り鳥の衛星追跡』(NHKブックス、日本放送出版協会、2005年) '10/02/28
樋口広芳 『生命にぎわう青い星 生物の多様性と私たちのくらし』(DOJIN選書、化学同人、2010年) '10/02/27



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本「進化生物学入門 宇宙発生からヒト誕生への137億年 (講談社学術文庫2168)」栗田子郎5

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進化生物学入門 宇宙発生からヒト誕生への137億年 (講談社学術文庫)
進化生物学入門 宇宙発生からヒト誕生への137億年 (講談社学術文庫2168)

○著者: 栗田子郎
○出版: 講談社 (2013/4, 文庫 384ページ)
○定価: 1,208円
○ISBN: 978-4062921688







物質はいかに生命体になったのか?
なぜ、繁栄・絶滅が起こるのか?
ヒトとは何か?
137億年の進化史を一気に読み解く!

宇宙誕生は一三七億年前。地球発生は四六億年前。三八億年前の原始の海に、化学進化で生物の原料・アミノ酸ができ、最初の生命体(プロトビオント)が誕生した。真核生物、多細胞生物を経て、五億五〇〇〇万年前、カンブリアの大爆発。しかし、奇妙な生物の多数は絶滅。何が起こったのか? その後の進化とは? 多様な生物が生きる地球の壮大な生命のドラマを読み解く。


≪目次: ≫
学術文庫版まえがき (二〇一三年一月 栗田子郎)
さまざまな新知見/“種”の混沌状態/新種の霊長類の発見と道具使用について/「人類進化のミッシングリンク」発見?/初期人類をめぐる発見

まえがき (一九九七年二月 栗田子郎)


第一章 絶え間なき創造 多様化の歴史
1 宇宙の誕生
2 地球の誕生
3 化学進化
4 生命の誕生
5 先カンブリア時代の微化石
6 真核細胞の起源
7 奇妙奇天烈な生物たち
8 カンブリア紀の爆発的多様化の特異性
9 非運多数死
10 オルドビス紀以降の生物界の変遷

第二章 種の問題 多様化の機構
1 種の概念
1.1 古典的種概念/1.2 生物学的種とその補助概念/1.3 小種(微細種)/1.4 分類学的種
2 種内変異
2.1 形態の差として認識される変異/2.2 生化学的手法により認識される変異
3 種形成の様式
3.1 交雑が引き金となる種形成/3.1.1 複倍数体化を伴う種形成/3.1.2 半種型種形成/3.1.3 有性生殖の絆から離れる種形成/3.2 染色体の構造変化による種形成/3.2.1 停所的種形成/3.2.2 跳躍的種形成/3.2.3 核型の定向淘汰/3.2.4 生殖隔離に直結しない染色体の変化/3.3 地理的・空間的隔離による種形成/3.3.1 単一遺伝子突然変異の進化的役割/3.3.2 生殖的行動距離/3.3.3 海洋島における種形成/3.3.4 湖水内種形成

第三章 霊長類の系統と進化 多様化の一例
1 霊長類の特徴
2 現生する霊長類の分類
2.1 原猿亜目/2.1.1 ロリス下目/2.1.2 キツネザル下目/2.1.2.1 アイアイ科/2.1.2.2 キツネザル科/2.1.2.2.1 コビトキツネザル亜科/2.1.2.2.2 キツネザル亜科/2.1.2.3 インドリ科/2.2 メガネザル亜目/2.3 真猿亜目/2.3.1 広鼻猿下目/2.3.1.1 マーモセット科/2.3.1.2 オマキザル科/2.3.2 狭鼻猿下目/2.3.2.1 オナガザル科/2.3.2.1.1 オナガザル亜科/2.3.2.1.2 コロブス亜科/2.3.2.2 ヒト上科(類人類)/2.3.2.2.1 テナガザル科/2.3.2.2.2 オランウータン科/2.3.2.2.3 ヒト科
3 霊長類の進化
3.1 化石記録:途切れとぎれの轍/3.1.1 原始霊長類の化石:ローラシアの片隅に生まれて/3.1.2 原猿類と真猿類の化石:旅立ち/3.1.3 類人猿の化石:森からサバンナへ/3.1.4 ヒト科の化石:立ち上がった者の系譜/3.1.5 新人:最後の出アフリカ記/3.2 染色体と分子からみた類縁関係/3.3 継ぐのは誰か


あとがき (一九九七年二月)

引用文献
全般的参考図書
索引


※本書の原本『多様性生物学入門』は、一九九七年に東海大学出版会より刊行されました。


≪著者: ≫ 栗田子郎 (くりた しろう) 1936年生まれ。東京教育大学理学部生物学科卒業。理学博士(東京都立大学)。千葉大学名誉教授。著書に、『ヒガンバナの博物誌』『折節の花』、共著に『系統と進化』『自然史概説』など多数ある。


スティーヴン・ジェイ・グールド 『ワンダフル・ライフ バージェス頁岩と生物進化の物語  Stephen Jay Gould: “Wonderful Life: The Burgess Shale and the Nature of the History”, 1989 』(渡辺政隆 訳、ハヤカワ文庫NF、2000年) '10/01/20
サイモン・コンウェイ・モリス 『カンブリア紀の怪物たち 進化はなぜ大爆発したか  Simon Conway Morris: “Journery to the Cambrian: the Burgess Shell and the explosion of animal life”』(木下智子 訳、松井孝典 監訳、講談社現代新書、1997年) '10/02/11
チャールズ・ダーウィン 『種の起源 〈下〉  Charles Darwin: “On the Origin of Species by Means of Natural Selection”, 1859 』(渡辺政隆 訳、光文社古典新訳文庫、2009年) '10/01/28
チャールズ・ダーウィン 『種の起源 〈上〉  Charles Darwin: “On the Origin of Species by Means of Natural Selection”, 1859 』(渡辺政隆 訳、光文社古典新訳文庫、2009年) '09/10/27
チャールズ・ダーウィン 『ビーグル号世界周航記 ダーウィンは何をみたか  Charles Robert Darwin: “What Mr. Darwin saw in his voyage round the world in the ship“Beagle””, 1880 』(荒川秀俊 訳、講談社学術文庫、2010年) '10/09/29
ジョナサン・ワイナー 『フィンチの嘴 ガラパゴスで起きている種の変貌  Jonathan Weiner: “The Beak of the Finch: A Story of Evolution in Our Time”, 1994 』(樋口広芳/黒沢令子 訳、ハヤカワ文庫NF、2001年) '10/03/26



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本「〈生命〉とは何だろうか 表現する生物学、思考する芸術 (講談社現代新書2193)」岩崎秀雄5

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〈生命〉とは何だろうか――表現する生物学、思考する芸術 (講談社現代新書)
〈生命〉とは何だろうか 表現する生物学、思考する芸術 (講談社現代新書2193)

○著者: 岩崎秀雄
○出版: 講談社 (2013/2, 新書 288ページ)
○定価: 840円
○ISBN: 978-4062881937



・・・とは何だろうか、、、とは何か、とは何だろうか
僕たちの、多様な眼差し、として

 ・・・文中の人物については、原則的に存命中の人物のみ「さんづけ」で書いています。亡くなった方のみを「敬称略」にするのは、かえって失礼な気もするのですが、ご了承ください。(p13、「プロローグ」)


つくりながら見えてきた〈生命〉の本質
生物学者でアーティストでもある著者による〈生命〉への5つのアプローチ


≪目次: ≫
プロローグ

第1章 つくりながら理解する生物学──細胞をつくるとは?
生命をつくる/生命の基本単位としての細胞/ヴェンター・グループの「人工細胞」/ボトムアップ型の人工細胞構築プロジェクト/ヴェンターの合成細菌は「人工生命」か?/細胞の部分をとるためには?/ゲノム・プロジェクトのインパクト/ミニマル細胞とキリン/自己増殖するミニマル細胞?/試験管内の蛋白質合成システムの重要性/体内時計を試験管で再構築する/シアノバクテリアの概日リズム/人工遺伝子回路リズム/つくったら理解したことになるのか?

第2章 「細胞を創る」研究会をつくる
合成生物学の台頭/システム生物学/4つの段階/場をつくる――「細胞を創る」研究会/つくりたい細胞のイメージ/標準化をめぐる議論/自律増殖させるべきか、させざるべきか/安全性に関する懸念/アシロマ会議/何を目標とするのか?/文化的な死生観・生命観との関係性/各種研究助成の波/社会的な取り組み/合成生物学の経済的波及効果は?/社会的な研究システム/テクノロジー・アセスメントの重要性

第3章 合成生物学の源流をめぐって
「何ができたら人工細胞」なのだろうか?/トラウベの人工細胞/ルデュックの合成生物学宣言/ルデュックの「生きていること」の3機能/パストゥールの「自然発生説の否定」と人工細胞/ヘッケルのオウトゴニー(自己発生)説/連綿と続く「生命合成」の夢/柴谷篤弘の合成生物学構想/人工生命

第4章 表現する生命科学──生命美学という試み
チューリング・テストと人工細胞/生命の定義と間主観性/還元論のふしぎ/物質って……?/機械論的生命像/情報概念で生命を語れるか?/生物学の美的含意/ふたたびキリンの話/生命科学と日常的・情動的生命/イケてる細胞/生命科学における視覚デザイン/伝えるためのデザイン/芸術の一ジャンルとしての科学/メビウスの輪

第5章 現代芸術における生命
芸術はなぜ生命にこだわるのか/マイクロヴィーナス/GFPウサギ/培養人形/バイオメディア・アートの「場」/metaPhorest(メタフォレスト)の設立/切り絵とバクテリア/合成生物学のお祭り iGEM/バクテリア写真/オープン・ソース、DIY-BIO/Do it yourself(DIY)から Do it with others(DIWO)へ/人工的生物多様性/合成美学/バイオジェニック・タイムスタンプ/生命の「時間」に焦点を当てる/朽ちていくコンピュータに育つ、バクテリア

エピローグ

おわりに (2013年1月、東京にて 岩崎秀雄)
参考文献


≪著者: ≫ 岩崎秀雄 (いわさき ひでお) 1971年、東京生まれ。名古屋大学大学院理学研究科博士課程修了。名古屋大学助手、科学技術振興機構さきがけ研究員などを経て、早稲田大学教授(電気・情報生命工学科)。専攻は細胞分子生物学、生命美学。生物がリズムやパターンを生じるメカニズムの研究とともに、バイオメディアや切り絵を用いた造形作家として国内外で精力的に創作・展示活動を行っている。生命に関わる芸術・美学の制作・研究を推進する学際プラットフォームmetaPhorestを主宰、科学者と美術作家が混在する研究室を運営。「細胞を創る」研究会の設立にも関わり、社会文化ユニットの世話人も務める。文部科学大臣表彰若手科学者賞、日本時間生物学会学術奨励賞などを受賞。



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本「うなぎ・謎の生物  The Eel is Mysterious (水産総合研究センター叢書)」虫明敬一 編、太田博巳/香川浩彦/田中秀樹/塚本勝巳/廣瀬慶二/虫明敬一 著5

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うなぎ・謎の生物 (水産総合研究センター叢書)
うなぎ・謎の生物  The Eel is Mysterious (水産総合研究センター叢書)

○著者: 虫明敬一 編、太田博巳/香川浩彦/田中秀樹/塚本勝巳/廣瀬慶二/虫明敬一 著
○出版: 築地書館 (2012/6, 単行本 288ページ)
○定価: 2,520円
○ISBN: 978-4806714415
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ウナギ

むなぎ(武奈伎)とは、ウナギの古称で、奈良時代の『万葉集』に大伴家持が、
石麻呂(いはまろ)に 吾(わ)れもの申す夏痩せに よしといふものぞ むなぎとり召せ
と詠んだのが最初とされ、古くからスタミナ食として親しまれ


2000年以上もの間、謎の生物とされてきたウナギ。どこで生まれ、どのように育つのか? 完全養殖は可能なのか? 研究者たちの長年にわたる汗と涙の結晶、ウナギのふしぎがわかる本!


≪目次: ≫
まえがき (平成24年6月吉日 農林水産技術会議委託プロジェクト研究「ウナギの種苗生産技術の開発」 研究推進リーダー 虫明敬一)

第1章 日本人とウナギ――廣瀬慶二・虫明敬一
1 ウナギを食べる
ウナギの語源と起源/ウナギ料理/ウナギの安全性
2 ウナギの養殖
ウナギの陸上生活/ウナギ養殖の歴史
3 養殖の種苗に使うシラスウナギ
シラスウナギとは?/シラスウナギの漁獲量/シラスウナギの輸入
4 ウナギの消費量
国産ウナギの消費量/輸入ウナギの消費量
5 ウナギ種苗生産研究の夜明け
国内でのウナギ種苗生産開拓者/ウナギ種苗生産研究における県の役割
6 ウナギプロジェクトへの道
増養殖研究所とは?/自然産卵に成功!/ウナギは多回産卵するのか/雑種はできるのか/ウナギプロジェクト

第2章 ウナギの産卵場を求めて――塚本勝巳
1 産卵場の謎
ウナギの生活史/レプトセファルスの謎/大西洋のウナギ産卵場/世界のウナギ産卵場
2 太平洋の調査
産卵場調査の歴史/ビギナーズラック/魔法の石/空白の時/さまざまな試み
3 二つの仮設
採れない理由/海山仮説/新月仮説/原点回帰と新兵器
4 プレレプトセファルスの採集
ハングリードッグ作戦/プレレプトセファルスが採れた!/経験することの意味/プレレプトセファルスと卵の差
5 親ウナギの捕獲
漁業調査船・開洋丸/出港/親ウナギ捕獲!/海山とウナギの産卵/雌親魚の発見/オオウナギとニホンウナギ/産卵生態の不思議
6 卵の発見
合同調査/卵が採れた!/傾いた塩分フロント/ウナギの当たり年/産卵の水深/偶然か、必然か?/産卵地点の移動/ウナギの未来

第3章 ウナギをつくる――香川浩彦・太田博巳
1 ウナギの性
養殖ウナギは雄ばかり/天然ウナギの性/雄になるための条件/養殖場ウナギの性/ウナギの性転換/外観からの性判別
2 ウナギの成熟の不思議
成熟したウナギはいない?/天然のウナギも成熟しない?/環境によって授かる命/ウナギの寝床/ウナギの試練/成熟ウナギ発見/ウナギの産卵回数は?/なぜウナギは産卵を先延ばしにするのか/ウナギの正しい産卵行動とは?
3 ウナギを人工的に成熟させる方法
歴史的な研究成果/ウナギを成熟させる魔法の妙薬/常識では考えられないホルモンの効き目/サケ脳下垂体を集めろ/卵の黄身の役割/シロサケ脳下垂体抽出液は万能ではなかった/試験管の中の卵/この研究は何の役に立つ?
4 雌の成熟
ウナギの卵は水っぽい/水に浮かぶウナギの卵/都合よくはいかないのがウナギ/世界に誇る日本の技術/怠慢が産んだ技術/厳格な研究者の技術/夢のゆくえ
5 雄の成熟
ウナギの精巣/養殖した雄ウナギが成熟するまで/ウナギの精子/死んだ精子が半分以上!/精子は海を泳ぐ/卵のトンネルに引き寄せられる精子/精子は冷蔵庫に大量保存
6 人工授精
受精卵を得る二つの方法/ウナギの人工授精/誘発産卵法か人工授精法か
7 よい卵をつくる
卵質向上が目下の課題/卵質評価の指標とは?/地道な品質チェック作業/超小型水槽で生残率を測定/卵質改善に向けて/排卵誘発のタイミング/人工授精のタイミング/卵への栄養強化/今後の課題

第4章 ウナギを育てる――田中秀樹
1 ウナギの赤ちゃんは育つのか?
衝撃の出会い/私が「魚飼い」を目指すまで/魚の赤ちゃんを育てる/ウナギの仔魚との対面/先人の足跡
2 どんな環境がいいの?
本格的なウナギ仔魚飼育試験の始まり/ついにワムシを食べた!/元気な仔魚に育つ条件/水圧の影響/たくさん餌を食べる条件/なぜ少ししか食べないのか
3 いったい何を食べるの?
新しい餌の探索/ブレークスルー/サメ卵飼料を用いたウナギ仔魚の長期飼育法/仔魚の成長と形態の変化/新たな壁
4 足りない栄養は何?
タンパク質不足なのか/ペプチドとの出会い/飼育条件の再検討/餌の再検討/究極の餌の誕生
5 劇的な変身〜シラスウナギの誕生
6 ついに実現!「完全養殖」
7 未来のウナギ養殖

引用文献
さくいん


≪編著者: ≫ 虫明敬一 (むしあけ・けいいち) 水産総合研究センター西海区水産研究所センター長。ウナギ委託プロジェクト研究推進リーダー。1958年、岡山県生まれ。農学博士。広島大学大学院農学研究科修士課程修了。日本栽培漁業協会技術員、日本栽培漁業協会主任技術員、日本栽培漁業協会場長、水産総合研究センター本部課長、水産総合研究センター養殖研究所センター長、水産総合研究センター養殖研究所部長を歴任し、現職。主な著書は、『ブリの資源培養と養殖業の展望』(共著、恒星社厚生閣)、「シマアジ」(『水産増養殖システム――海水魚』所収、恒星社厚生閣)など。

≪著者: ≫ 太田博巳 (おおた・ひろみ) 近畿大学農学部教授。ウナギ委託プロジェクト研究参画研究者。1953年、大阪府生まれ。水産学博士。北海道大学大学院水産学研究科博士課程単位取得退学。北海道立水産孵化場科長、水産庁養殖研究所主任研究官、水産庁養殖研究所室長を歴任し、現職。主な著書は、『ウナギの初期生活史と種苗生産の展望』(共著、恒星社厚生閣)、『クロマグロ完全養殖』(共著、成山堂書店)、『日本の希少淡水魚の現状と系統保存』(共著、緑書房)、『Eel Biology』(共著、Springer-Verlag)、『Methods in Reproductive Aquaculture』(共著、CRC Press)など。

≪著者: ≫ 香川浩彦 (かがわ・ひろひこ) 宮崎大学農学部教授。ウナギ委託プロジェクト研究参画研究者。1953年、愛媛県生まれ。水産学博士。北海道大学大学院水産学研究科博士課程単位取得退学。基礎生物学研究所日本学術振興会奨励研究員、産業医科大学助手、水産庁養殖研究所研究員、水産庁養殖研究所主任研究官、水産庁養殖研究所室長を歴任し、現職。主な著書は、『水産大百科事典』(共著、朝倉書店)、『水産海洋ハンドブック』(共著、生物研究社)、『ウナギの初期生活史と種苗生産の展望』(共著、恒星社厚生閣)、『海産魚類の産卵・成熟リズム』(共著、恒星社厚生閣)、『環境ホルモン――水産生物に対する影響実態と作用機構』(共著、恒星社厚生閣)、『Eel Biology』(共著、Srringer-Verlag)、『Sparidae』(共著、Wiley-Blackwell)など。

≪著者: ≫ 田中秀樹 (たなか・ひでき) 水産総合研究センター増養殖研究所グループ長。ウナギ委託プロジェクト研究チームリーダー。1957年、大阪府生まれ。農学博士。京都大学大学院農学研究科修士課程修了。水産庁養殖研究所研究員、水産庁養殖研究所主任研究官、水産総合研究センター養殖研究所主任研究官、水産総合研究センター養殖研究所グループ長を歴任し、現職。主な著書は、『Eel Biology』(共著、Srringer-Verlag)、『水産の21世紀 海から拓く食料自給』(共著、京都大学学術出版会)など。

≪著者: ≫ 塚本勝巳 (つかもと・かつみ) 東京大学大気海洋研究所教授。ウナギ委託プロジェクト研究参画研究者。1948年、岡山県生まれ。農学博士。東京大学大学院農学系研究科博士課程中途退学。東京大学海洋研究所助手、東京大学海洋研究所助教授、東京大学海洋研究所教授を歴任し、現職。主な著書は、『グランパシフィコ航海記』(編著、東海大学出版会)、『海の生命観』(編著、東海大学出版会)、『Eel Biology』(共著、Srringer-Verlag)、『魚類生態学の基礎』(編著、恒星社厚生閣)、『旅するウナギ』(共著、東海大学出版会)など。

≪著者: ≫ 廣瀬慶二 (ひろせ・けいじ) 水産総合研究センター「水産技術」編集委員。1937年、新潟県生まれ。農学博士。東京大学大学院農学系研究科博士課程修了。東京大学農学部助手、水産庁養殖研究所部長、水産庁中央水産研究所部長、日本栽培漁業協会参与を歴任。主な著書は、『海産魚の産卵・成熟リズム』(恒星社厚生閣)、『うなぎを増やす』(成山堂書店)など。






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本「草地と日本人 日本列島草原1万年の旅」須賀丈/岡本透/丑丸敦史5

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草地と日本人: 日本列島草原1万年の旅
草地と日本人 日本列島草原1万年の旅

○著者: 須賀 丈/岡本 透/丑丸敦史
○出版: 築地書館 (2012/2, 単行本 244ページ)
○定価: 2,100円
○ISBN: 978-4806714347
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夏は夜、、、西の夜空に上弦の月


日本列島の土壌は1万年の草地利用によって形成されてきた――先史時代、万葉集の時代からひとびとの暮らしのなかで維持管理され、この半世紀で急速に姿を消した植生である、半自然草地・草原の生態を、絵画、文書、考古学の最新知見を通し、気鋭の研究者が明らかにする。


≪目次: ≫
序章  須賀丈
軽井沢は広大な草原だった/人間活動が維持してきた草原/「武蔵野」は美しい草原だった/里山に広がる草原/過去一万年の自然と人間のかかわりを根本から問い直す/本書のねらいと構成

第一章 日本列島の半自然草原――ひとが維持した氷期の遺産  須賀丈
明治から昭和初期の草原の記憶と今/日本の草原の減少と草原性生物の危機/日本列島・北東アジアの植生分布と人間活動「文明の生態史観」とユーラシア・日本の草原/半自然草原とは/日本の半自然草原/日本列島の生物相の由来と人間活動/日本列島の草原性生物の由来/「草甸」を維持した自然の攪乱/ブローデルの歴史の三つの時間/草原利用の歴史的変化をどうとらえるか/野火・黒色土・微粒炭/阿蘇の植生史と人間活動の変化/「東国」の草原と人間活動の歴史/半自然草原の歴史と草原性チョウ類の分布/半自然草原の歴史と保全――生物文化多様性を考える

第二章 草原とひとびとの営みの歴史――堆積物と史料からひもとかれる「眺めのよかった」日本列島  岡本透
環境変動と花粉分析から復元された植生の変化/最終氷期最盛期の植生/完新世の植生/植物珪酸体分析から復元される過去の植生/黒色土(黒ボク土)とは/黒色土にふくまれる微粒炭とその起源/微粒炭とブラックカーボンと地球環境問題/里山とは/半自然草原の誕生は縄文時代?/黒色土・微粒炭と縄文時代/弥生時代以降の草原/草原と牛馬の飼育/江戸時代の森林事情/正保国絵図に見る日本各地の山の状況/村絵図などに見る江戸時代の山の状況/絵画史料・文書史料に見る江戸時代の山の状況/幕末から明治にかけての山の風景/おわりに

第三章 畦の上の草原――里草地  丑丸敦史
最も身近な草地――子どもの遊び場だった畦/畦上の半自然草地――里草地/水田と里草地、そこに暮らす植物の歴史/里草地の特徴/里草地に成立する植生とその多様性/棚田の里草地における多様な環境/棚田の環境傾度に対応した多様性の分布/里草地における希少植物種とその分布/農地の集約化と放棄による半自然草原における生物多様性の減少/圃場整備による里草地の危機/耕作放棄による里草地の危機/希少植物種の受難/里草地に暮らす動物たち/里草地のかわりはあるのか/水田生態系および里草地の保全/どのように里草地および水田生態系を守っていくのか

あとがき
参考文献
索引


≪著者: ≫ 須賀 丈 (すか・たけし) 1965年大阪府生まれ。京都大学大学院農学研究科博士後期課程修了。長野県環境保全研究所主任研究員。専門は昆虫生態学、保全生物学。『長野県版レッドデータブック動物編』の作成に参画。共編著『信州の草原――その歴史をさぐる』(ほおずき書籍)、共著「日本列島における草原の歴史と草原の植物相・昆虫相」(『シリーズ日本列島の三万五千年――人と自然の環境史 第2巻 野と原の環境史』所収、文一総合出版)、編集総括および分担執筆『長野県生物多様性概況報告書』(長野県環境保全研究所)などがある。

≪著者: ≫ 岡本 透 (おかもと・とおる) 1969年山口県生まれ。東京都立大学大学院理学研究科地理学専攻卒。独立行政法人森林総合研究所木曽試験地主任研究員。共著に「動く大地――山並みの生いたち」(『雪山の生態学――東北の山と森から』所収、東海大学出版会)、「土壌と土地利用――黒色土の由来」(『森の生態史――北上山地の景観とその成り立ち』所収、古今書院)、「土壌に残された野火の歴史」(『信州の草原――その歴史をさぐる』所収、ほおずき書籍)などがある。

≪著者: ≫ 丑丸敦史 (うしまる・あつし) 1970年群馬県生まれ。京都大学理学研究科修了学位取得。京都大学生態学研究センターCOE特別研究員、総合地球環境学研究所非常勤研究員を経て、神戸大学人間発達環境学研究科准教授。共著に「花の性・両性植物における自家和合性と自動的自家受粉の進化」(『花生態学の最前線――美しさの進化的背景を探る』所収、文一総合出版)、「花標に学ぶ送粉共生系」(『プラントミメティックス――植物に学ぶ』所収、株式会社 エヌ・ティー・エス)などがある。


蔵治光一郎 『森の「恵み」は幻想か 科学者が考える森と人の関係』(DOJIN選書、化学同人、2012年) '12/08/12





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本「マジックにだまされるのはなぜか 「注意」の認知心理学 (DOJIN選書044)」熊田孝恒5

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マジックにだまされるのはなぜか 「注意」の認知心理学 (DOJIN選書)
マジックにだまされるのはなぜか 「注意」の認知心理学 (DOJIN選書044)

○著者: 熊田孝恒
○出版: 化学同人 (2012/1, 単行本 226ページ)
○定価: 1,785円
○ISBN: 978-4759813449
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タネも仕掛けも、モチロンあるのだけれども、ときにマジシャンが観客をひきつけるべき「注意」は、タネが仕掛けられているトコロとは別のトコロに観客の注意を向けさせることにあるのだから、タネと仕掛けはなんだろう?、どこにあるのだろう??、などと観客が夢中になって注意を向ければ向けるほどに、注意を集中することによって視野は焦点は絞られて、見える部分は狭くなり、見えない部分が注意のおよばない向けられない(だから気がつくことがないような、見えないはずがないのに見えてない)部分が広がって、、、なるほど、注意のメカニズムとか、その限界とは


おかげさまで?!、単位認定試験を全9科目の試験がおわった、ヨカッタ、ホッとした(ホッとしている)、脱力♨、、、やがてまもなく通達されるであろう試験結果(合格・不合格、及第・落第)はともかくとして、それはそれとしてただただ結果として受け容れる以外にないのだから、こればかりは、もちろん一喜一憂、悲喜こもごも、しないものでもないけれども、あとは野となれ山となれ、なんのことやら、ナスがママ、キュウリがパパ♪


誰もが楽しめるエンターテインメント、マジック。マジシャンは、人間の認知機能の盲点をついた巧妙なテクニックによって観客を魅了する。観客がそうとは気づかぬうちに注意を誘導し、ときには行動さえコントロールするのだ。その背後にある人間の認知機能の特性とはいかなるものか。本書では、認知機能のうちでもとくに「注意」の働きに焦点を当てマジックと関連づけながら、人の認知システムの不思議が満載されたステージを披露する。


≪目次: ≫
まえがき

第1章 マジックと人間の認知機能
一 マジックはなぜ成立するのか
マジックとは?/世の中の法則を理解する人間/錯覚する人間、それに気づかない人間/他者の影響を受ける人間
二 進んでだまされる心理
欺くテクニックを磨くマジシャン/だまされるのを楽しむ人間
三 注意とは何か

第2章 注意が働かないということ――脳損傷にともなう注意の障害
一 注意の障害としての半側空間無視
左半分への注意/注意を向けようとしない
二 半側空間無視の機序
病態失認/イギリスで接した半側空間無視の患者/注意しなければ存在しない
三 なぜ半側空間無視は左視野に起きるのか?
半側空間無視の謎/注意の機能が失われたという仮説/半側空間無視を生じさせる脳の部位
四 バリント症候群
二つのものを同時に認識できない/注意が向くのは常に一つ/注意の働き方

第3章 注意のスポットライト
一 注意のスポットライトとは何か
ポズナーの実験/視野を動き回る注意/注意のスポットライトの移動/中心手がかり実験/二種類の注意メカニズム――反射的な注意の移動と持続的な注意の移動
二 注意のスポットライトをめぐる三つの疑問
注意のスポットライトはいくつあるのか?/注意のスポットライトは大きくできるか?/注意のスポットライトの明るさは同じか?
三 注意の引き離し
半側空間無視と先行手がかり実験/注意を向け直すことができない
四 視線の移動と注意
注意が先か、眼球運動が先か/眼の構造とスポットライト/単純化することの意味

第4章 ミスディレクションと注意のコントロール
一 ミスディレクション
二 注意の目標に対する「構え」
「構え」とは何か/構えと手がかりの関係
三 注意の捕捉
手がかりにつられて移動する注意/目立つものに注意が向く/二つのモード/注意のモードの切り替え
四 視線と注意
注意の誘導/「あっちむいてほい」はなぜ難しいか/注意の対象を共有することの意味

第5章 視覚探索と注意のスポットライト
一 特徴探索と結合探索
連続的な注意の移動/視覚探索課題/特徴探索/結合探索
二 特徴統合理論
注意の統合理論/二つの問題点/誘導探索モデル
三 過去の経験も注意のスポットライトを誘導する
ポップアウトプライミング/文脈手がかり効果/六カ月後にも残っていた文脈手がかり効果
四 結合錯誤

第6章 不注意のメカニズム
一 メカニズムとしての非注意
復帰の抑制/注意を向けにくくする機構/注意の瞬き/記憶のボトルネック/ほんの一瞬の空白
二 注意をしすぎることによる不注意
エリクセン効果/課題の複雑さが注意に与える影響/資源の配分の障害/処理資源の最適配分

第7章 変化に対する気づき――シーンの認識と注意、意識
一 なぜ変化を見落とすのか
変化検出課題/短期記憶の容量/注意を向けたときにイメージができあがる/甘く見られる変化検出課題
二 注意を向けていないものは記憶されない
想定外の変化には気づかない/非注意対象の見落とし実験
三 記憶や意識の連続性
サッカード抑制と変化検出の失敗/秒針が止まって見えるのはなぜか
四 いつも注意を向けるとは限らない
高齢者の注意機能/注意機能の低下を補う行動/日常生活での注意機能

第8章 マジシャンは観客の行動をどうコントロールするか
一 行動決定についての心理学実験
無意識の情報処理――単純接触効果/選択に関する認識の不全――チョイス・ブラインドネス/判断を正当化する解釈装置  直感の正しさ
二 誤った信念はなぜ形成されるのか
原因の帰属と因果関係の理解/信念のミスディレクション/マジシャンズ・チョイス
三 脳のなかのマジシャン

あとがき (二〇一一年一一月  熊田 孝恒)

よりくわしく知りたい人へ


≪著者: ≫ 熊田孝恒 (くまだ たかつね) 1962年兵庫県生まれ。91年筑波大学大学院心理学研究科修了。教育学博士。旧通産省工業技術院製品科学研究所研究員、生命工学工業技術研究所主任研究官を経て、産業技術総合研究所ヒューマンライフテクノロジー研究部門認知行動システム研究グループ、研究グループ長。専門は認知心理学。現在は人間の認知メカニズムの解明とその応用に関する研究を進めている。






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本「キノコの教え (岩波新書1365)」小川眞5

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キノコの教え (岩波新書)
キノコの教え (岩波新書1365)

○著者: 小川 眞
○出版: 岩波書店 (2012/4, 新書 240ページ)
○定価: 840円
○ISBN: 978-4004313656
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まなざし、として、、、
この世の中に無視されてよい存在はない。人の世界にも、目立たず、振り向かれもせず、欲張らず、それでもキノコのように懸命に生きている人々がいる。いつの間にか私たちはそのような優しくつつましい生き方軽んじ、経済力と軍事力で世界を牛耳ろうとしてきたのではないだろうか。人類がこれからも、この限りある地球上に生き続けたいと願うなら、「私たちの生き方を見習っては」というキノコのつぶやきに耳を傾けたほうがよさそうである。 (p.iii-iv)
とは、まえがき、に


木の根と共生し、木材や落ち葉を分解して、菌類はひっそりと森を支えている。キノコは菌類の繁殖装置。植物とも動物とも異なる宿命のもと共生へと進化したキノコの教えをいま人類は学ぶべきではないか。マツタケやトリュフ栽培の苦心、キノコと炭による松林の再生、放射能を集めるキノコなど、食と環境と生命をめぐる興味深い話題を満載。


≪目次: ≫
カラー口絵
  アカイカタケ
  おいしいタマゴダケ
  おいしそうだが猛毒のドクツルタケ
  最近はめったに見られないマツタケの「シロ」(コロニー)
  熱帯の高木フタバガキの菌根
  クロマツ林のショウロと菌根

まえがき (二〇一二年三月  小川 眞)

1 日陰者のつぶやき
 章扉イラスト:フランスでモレルと呼ばれているアミガサタケ 〈洋子〉
キノコは木の子
キノコとカビ/世界のキノコ/どれを食べるか/熱帯でも/私は植物じゃない/植物の仲間にされる/五界説/キノコの体/成長する菌糸
キノコはいつ生まれたのだろう
菌類の起源/細菌と菌類の違い/植物とともに進化/地衣類という共生体/共生の始まり
宿命を背負って生きる
動物でも植物でもなく/腐生と寄生/菌根による共生/根毛と菌糸/いろいろな増え方/したたかに生きる
陽の当たるところへ
高等菌類/キノコの仲間たち/胞子を飛ばす/キノコはなぜ傘形か

2 これ食べられますか
 章扉イラスト:名前に似合わず食べられる菌根菌のドクベニダケ 〈洋子〉
ルールのないのが唯一のルール
嚙んでみる/色もあてにならない/茎が裂けても/キノコを食べる動物
なぜおいしいのか
シロアリが作るキノコ/アリ塚のキノコ栽培室/キノコの栄養源/おいしいものにはわけがある
重金属が好きなキノコ
金を集める菌?/銅を含む酵素/岩を食べるキノコ/水銀事件/製錬所周辺のコナラ/シイタケによる吸収/汚染地域のものは避ける
キノコと放射能汚染
福島原発事故/放射性物質を吸収するキノコ/核の時代/チェルノブイリ事故/ヨーロッパの汚染/日本での調査/食用キノコは安全か
生体濃縮されるセシウム
森に降った放射性物質/菌根菌が暮らす場所/なぜセシウムを吸収するか/キノコの役割

3 夢を追って
 章扉イラスト:栽培されるようになった木材腐朽菌のマイタケ 〈眞〉
食欲は研究の母
菌根の研究者たち/オーストラリアのトリュフ農園/黒トリュフ/トリュフ栽培小史/トリュフと菌根
見果てぬ夢
天狗の土俵/マツタケと日本人/田中長嶺/マツタケ山の管理/ようやく得るところあり/続く栽培熱
世界に広がる栽培キノコ
栽培されていたシイタケ/栽培の近代化/菌床栽培/最初に手掛けた人々
流行るキノコ鍋
香料入りキノコ/広がるヒラタケ/タイ王室の支援/インドネシアのキノコ産業/経済成長とともに

4 腐らせること
 章扉イラスト:カンバ類につく木材腐朽菌のツリガネタケ、火をうつし取るホクチとして使われた 〈眞〉
キノコが沈めた軍艦
元寇とキノコ/イギリス海軍の難問/ハルティヒ父子/褐色腐朽と白色腐朽/食べ残しをいただく
なぜ、石炭ができたのだろう
世界の炭鉱/石炭の起源/上陸した植物の戦略/後発のキノコ/腐りにくい木
腐る落ち葉
葉の上の斑点/分解の始まり/針葉樹の場合/白く腐らせる/好みの餌/知られざる働き手
自然界に無駄はない
小さな動物たち/土を作る動物/虫の糞/輪廻転生

5 森を支えるキノコ
 章扉イラスト:マツ類の苗に菌根を作るヌメリイグチ 〈眞〉
乳母になったキノコ
根に菌がつく/菌根ができるまで/菌と根の関係/芽生えを助ける/苗に肥料を与えると
遺産で育つベイツガ
平均樹齢四五〇年/地表を覆う倒木/心材から腐る/倒木に生える/上等の苗床
熱帯雨林を育てるニセショウロ
クリを助ける/熱帯雨林再生計画/フタバガキ/スクレロデルマの菌根/菌類の遷移/菌根で大木になった?
ユーカリとコツブタケ
マラチャックさん/植林と育苗/コツブタケ/狩りと炭/過酷な環境
ツンドラのキノコ
アラスカ行き/凍土/タイガへ/菌糸のマント/キノコが主役

6 環境異変を告げるキノコ
 章扉イラスト:ときに大発生する菌根菌のハツタケ 〈眞〉
はずれだしたジンクス
山豊作で里凶作/大発生/木の衰弱とキノコ/生命の危機
マツ枯れとキノコ
自然破壊し続けた人類/森林の三重苦/日本のマツ枯れ/大気汚染/異変を伝える
消えるナラ林のキノコ
二〇一一年の山/ポーランドの森から/雪と木の衰弱/汚染物質とキノコ/進むナラ枯れ/佐渡と隠岐
炭で樹勢回復と放射能除染を
根の復活/炭の使い方/炭まき実験/京都でも/放射性物質も菌糸で

7 マツを助けたショウロ
 章扉イラスト:海岸のクロマツ林を守るショウロ 〈眞〉
ショウロと炭の出会い
海辺のマツ林/窒素固定菌との共生/クロマツを植える/炭の使い方/一石三鳥
大津波に耐える
白砂青松の閖上浜(ゆりあげはま)/津波の後/ショウロが助けたマツ/民の声
消えた高田松原の再生
弱り始めたマツ/津波を受け止める/希望の一本松/小さな苗から
マツとお宮さん
ダイズに炭/炭が効く/神社とマツ林/一針葉のマツ/出雲の奇跡/大黒天奇瑞

8 キノコの教え
 章扉イラスト:姿を消すマツタケ 〈眞〉
嫌いになったマツタケ
マツタケ事始め/松茸の碑/マツタケのシロ/消えたマツタケ/栽培は不可能か
寄生か共生か
食菌植物/ランにつく菌/無葉緑ラン/根に侵入する菌糸/冬虫夏草
共進化する植物とキノコ
生命の進化のみちすじ/食物連鎖の頂点/共生の始まり/寄生から共生へ/キノコの進化/新しい共生関係
矛盾する二面性――競争と共生
いろいろな共生/共生の条件/人間の本性/強制は共倒れ/対等な関係

おわりに――「共生する木と気」を植える

地球と生物の変遷
参考文献


※章扉イラスト:小川眞/小川洋子


≪著者: ≫ 小川 眞 (おがわ・まこと) 1937年京都府生まれ、京都大学大学院農学研究科修了、農学博士。専攻、菌類学。森林総合研究所土壌微生物研究室長、同きのこ科長、関西総合テクノス、生物環境研究所を経て、大阪工業大学客員教授。日本林学賞、国際林業研究機関連合ユフロ学術賞、日経地球環境技術賞、日本菌学教育文化賞、愛・地球賞などを受賞。著書に、『マツタケの生物学』『マツタケの話』『きのこの自然誌』『炭と菌根でよみがえる松』『森とカビ・キノコ』『菌と世界の森林再生』(以上、築地書館)、『菌を通して森をみる』(創文)、『作物と土をつなぐ共生微生物』(農文協)など。

小川真 『菌と世界の森林再生』(築地書館、2011年) '11/09/09
小川真 『森とカビ・キノコ 樹木の枯死と土壌の変化』(築地書館、2009年) '09/10/29
小川真 『炭と菌根でよみがえる松』(築地書館、2007年) '08/11/01
ニコラス・マネー 『チョコレートを滅ぼしたカビ・キノコ 植物病理学入門  The Triumph of the Fungi: A Rotten History, 2006 』(小川真 訳、築地書館、2008年) '08/08/07
ニコラス・マネー 『ふしぎな生きものカビ・キノコ 菌学入門  Mr. Bloomfield's Orchard: The Mysterious World of Mushrooms, Molds, and Mycologists, 2002 』(小川真 訳、築地書館、2007年) '08/02/05





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本「死の人類学 (講談社学術文庫1793)」内堀基光/山下晋司5

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死の人類学 (講談社学術文庫)
死の人類学 (講談社学術文庫1793)

○著者: 内堀基光山下晋司
○出版: 講談社 (2006/11, 文庫 352ページ)
○定価: 1,155円 (品切・重版未定)
○ISBN: 978-4061597938
クチコミを見る



「死」の

至上の超越者である「死」を、人間はどのように文化の中に組み込んできたのだろうか。神秘としての死は語りの対象となり、さまざまなイコンのうちに視覚化され、儀礼的演技の中で操作されるようになる。儀礼と社会構造との関係、霊魂やあの世観念の内容など、ボルネオスラウェシの事例をもとに、個別文化を超えたところにある人類の共通項・普遍項を導き出す。


≪目次: ≫
学術文庫版へのまえがき
 内堀基光 (二〇〇六年七月二八日 サラワタ行きを前にして)
 山下晋司 (二〇〇六年八月六日 夏の盛りの東京の寓居にて、セミの声を聞きながら)

第一章 死の人類学の可能性
1 死という問題
死の意味論/人間以前の死/死と文化
2 未開の死・文明の死
死の民族誌へ向けて
3 死と死ぬこと
死ぬこと/想像力としての死/死の否認/死の表象分析/死とその解釈

第二章 イバン族における生と死
1 イバンの行動環境
行動環境/ロングハウスとビレック家族/世界の層序/超自然の秩序
2 人間の存在論
霊魂と身体の二元論/霊魂/分身と自己/身体的存在としての自己/存在の二元性/イバンの「アニミズム」
3 死と死者
分身としての死者/別離の神話/死の隠喩としての別離/別離の悲嘆
4 喪失の儀礼
死の風景/起こりつつある死/死とその直後/一つの通夜/葬送と埋葬/死体処理の比較民族学
5 別離と回復の象徴
服喪/服喪と共同体/「花の別れ」/喪明け/未解決の死

第三章 イバン族における死の解決
1 死霊の世界
死霊と生者/「死霊の世界」/複写と倒立性/あべこべの世界/故地としての死霊の世界/葬歌の他界ヴァージョン/知識と信念
2 死者祭宴
最終の儀式/祭宴の「道具性」/分離の完成/死の転倒
3 再生産としての死
社会の再生産/世代と名前/霊魂の行く末・生の再生産/死の解決か
4 もう一つの死
対抗イデオロギー/「神霊化」する死者/英雄の栄光化/死の否定
5 イバンの死と我々の死
死の近似性

第四章 トラジャにおける生と死
1 トラジャにおける生と死
死を中心にした社会/トラジャにおける死のありよう――儀礼性
2 トラジャ社会の構図
生活の基盤/稲作のサイクル/地位社会――トラジャの村落世界/ムランタウ――拡大する社会/一九七〇年代のトラジャの社会と文化
3 ネ・ピアの死――死の領域へ
死の弱いヴァージョン/ミナンガのプアンとカウナン/ネ・ピアの家族とその生活/狂犬病とネ・ピアの死/ネ・ピアの葬儀をめぐって/葬儀の後で
4 ネ・レバンの死者祭宴――壮大な社会劇
死者祭宴の序列/ネ・レバンの死者祭宴/ランテ――祭宴広場/祭宴の主催者たち/死者祭宴の舞台裏/儀礼の役職者たち/壮大な社会劇

第五章 トラジャにおける死の解決
1 死の儀礼的プロセス
伝統的儀礼の体系/双分的な儀礼軌範/儀礼の空間/儀礼のサイクルと時間概念/系譜的時間と祖先の創出/死の観念/死者儀礼の基本的プロセス/マセロ――浄化のプロセス
2 供犠のパラダイム
供犠祭宴としての死者儀礼/供犠という事象――複合的な全体/従来の供犠理論/マントゥヌ――トラジャの供犠概念/死の隠喩としての供犠/供犠の深層――トラジャの供犠のパラダイム
3 葬歌の分析
マバドン――葬歌のパフォーマンス/葬歌のテクスト/死のイデオロギー的解決/解決のイデオロギー
4 水牛の経済学
土地・水牛・祭宴のサイクル/遺産相続法としての水牛供犠/死をめぐる贈与交換/闘鶏の経済学/肉の分配/肉の分配と社会秩序/肉の分配における構造と反構造
5 肉の政治学――権力の再生産
肉の政治学/トラジャ版「劇場国家」/権力の表象と生成/権力の再生産の場としての死者祭宴

第六章 結論
1 イバンの死、トラジャの死
東南アジアの宗教伝統/イバンの観念主義とトラジャの儀礼主義/文化の表出と社会の型/差異が意味するもの――人類の死の全体像にむかって
2 未開の死・現代の死再考
未開の死?/現代の死?/アメリカ的死に方と日本の「お葬式」/現代日本における死という問題

あとがき (一九八六年二月六日 内堀基光 山下晋司)
参考文献


※本書の原本は、一九八六年に弘文堂より刊行されました。


≪著者: ≫ 内堀基光 (うちぼり もとみつ) 1948年東京生まれ。東京大学教養学科卒業。同大学院博士課程中退。オーストラリア国立大学高等研究所Ph.D.取得。専攻は人類学・民族学。放送大学教授。著書に『森の食べ方』など。

≪著者: ≫ 山下晋司 (やました しんじ) 1948年山口県生まれ。東京大学教養学科卒業。東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了。専攻は文化人類学。東京大学大学院総合文化研究科教授。著書に『儀礼の政治学――インドネシア・トラジャの動態的民族誌』『バリ――観光人類学のレッスン』など。


本多俊和(スチュアート ヘンリ)/棚橋訓/三尾裕子 編著、内堀基光/高橋和夫/松岡悦子 著 『人類の歴史・地球の現在 文化人類学へのいざない '07』(放送大学教材; 基礎科目、放送大学教育振興会、2007年) '10/07/25
山下晋司 編 『観光文化学』(新曜社、2007年) '10/03/03
山下晋司 『観光人類学の挑戦 「新しい地球」の生き方』(講談社選書メチエ、2009年) '10/02/24





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主として“本”が織りなす虚構の世界を彷徨う♪

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