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〈ぼく〉の思索の一回性の偶然性の実験場。

吉田太郎

本「「防災大国」キューバに世界が注目するわけ」中村八郎/吉田太郎5

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「防災大国」キューバに世界が注目するわけ
「防災大国」キューバに世界が注目するわけ

○著者: 中村八郎/吉田太郎
○出版: 築地書館 (2011/11, 単行本 320ページ)
○定価: 2,520円
○ISBN: 978-4806714316
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キューバ・リポート第5弾。
防災の問題とかエネルギーの問題とか
日本の、ある意味でのエネルギー基地、原発も工場も食料も多くが東北地方でつくられて首都圏に運び込まれ、その便利で快適な生活は支えられている。大きな地震があって津波が来て、あらわになっちゃってきちゃったのは、どうにもその矛盾、限界、これまで先送りして直視することがなく、ときに意図して隠蔽されたりしてきたような問題のさまざま


風速300キロのハリケーンでも死者が出ない国
人間と暮らしを重視し、分散型自然再生エネルギー社会へとシフトするキューバの「防災力のある社会」づくりの秘密を解き明かす。

地球上で最も多くの人々の命を奪っている災害は、ハリケーンとサイクロンだ。米国やオーストラリアのような先進国といえども、自然災害のリスクからは逃れられない。だが、大型ハリケーンの襲来を年に3度も受けながら、全国民の25%にあたる300万人が安全に避難し、わずか7人の死者しか出さなかった国がある。
 地区の住宅の80%が破壊されても誰ひとり死なない。想定外の高潮が沿岸の町に差し迫れば、トラックとバスを総動員し、2時間以内に全住民が高台へと避難する。家財は安全な倉庫へと移し、避難所には医師が待機し、ペットすら獣医がケアする。災害で壊れた家屋や家具はすべて政府が補償し、被災地には全国からボランティアが駆けつけ、復旧公共事業として自宅改修費を本人に出し、街に仕事と雇用を創出していく。キューバは国連も防災のモデル国とし、米国からも視察が後を絶たない防災大国だ。
 二酸化炭素の排出量を減らすため、省エネ家電製品を全国民に配布し、小学校から大学まで省エネ教育を実施し、1990年の3分の1にまでエネルギー消費量を減らす。2006年、フィデル・カストロはさらに野心的な「エネルギー革命」を打ち出す。ベネズエラには省エネ電球を配布し、ボリビアやホンジュラスにはソーラーパネルを設置し、チリではバイオガスプラント、エクアドルでは小規模水力発電所の建設を支援する。エネルギー「革命」が、いま途上国を中心に海外に輸出されつつある。
 リスクをしなやかに受け止め、災害を受けるたびに防災とエネルギー政策を改善することで立ち向かっていく。この貧しく小さな国には3.11以降の日本が参考とすべき「災害と共生する文化」の智恵が眠っている。
 地域防災の専門家・中村八郎と、キューバの農業、医療についての著作がある吉田太郎がコンビを組んで行った緊急現地調査に基づく最新キューバ・リポート。


≪目次: ≫
プロローグ――ハリケーンで死傷者が出ない国
災害の方程式/リスクは人命被害とは直結しない/キューバは国連の防災モデル国/三〇〇万人が安全圏に避難する/防災の文化をキューバから学ぶ米国/分散型発電と自然エネルギーで災害に強い国土を目指す

第I章 三十六計逃げるに如かず、備えあれば憂いなし
第1節 欧米に匹敵するハリケーン予測システム
人命救済を最優先する国家/国民を安心させる正確な情報周知/「直ちには問題ない」で一万人が死亡/キューバの領空を飛行する米国の気象観測機/避難行動に結びついてこそ意味を持つ危険情報
現地取材1 ハリケーンに備える

第2節 満を持してハリケーンを迎える
事前の準備で避ける電源喪失/戦車、トラック、バスを総動員し、危険地帯から全員避難/子ども、女性、高齢者、病人を最優先/ペットも一緒に避難所に避難
現地取材2 防災専門家に聞く
コラム1 国防と防災

第3節 市民防衛の仕組み
米国の軍事侵攻を想定して作られた市民防衛/神戸での国際会議を契機にリスクアセスメントに着手/GISを活かしたハザード・マップづくり/神戸の国際会議から始まった防災管理センターづくり/トップダウンとボトムアップのシナジー/人間は雨風も波浪も止めることはできない
現地取材3 被災者に聞く
現地取材4 黄金の一〇分で人命を救う


第II章 人間と暮らしを重視する被災からの復興
第1節 安心の糧となる防災医療
災害に負けない病院を作る/衛生管理と予防で被災者の健康を保障/日常生活に戻ることが子どもたちの心を癒す/避難所ではエンターテインメントをどうぞ
現地取材5 災害で傷ついた心を文化で癒す

第2節 守れもしない約束はしない
高波で丸ごと消え去った街/国土を縦断したハリケーンで二〇〇万人が被災/ボランティアが総がかりで取り組む災害復旧/誰も夜露にはさらさない
現地取材6 ボランティアが泊まり込んで復旧
現地取材7 乏しい資源を連帯精神でカバー

第3節 海よ、さらば
四メートルの高波で丸ごと消え去った街/避難対応の遅れで三〇〇〇人が命を落とす/内陸部への移住が安全のための唯一の解決策/誰もが失った財産と住宅を保障される/ヤシの倒木で家を再建する/資源がない中で安全を確保する家の中の避難所
現地取材8 内陸に集落を移転する
現地取材9 蘇った漁村

第4節 安全の文化を築く
教育を通じて安全の文化を育む/小学校から始まる防災教育/実践的な防災医療を身に付けて医科大学を卒業/格差社会をなくすことが被害も減らす/複雑系の科学が解き明かすキューバの防災力の秘密
コラム2 ハリケーンの文化


第III章 災害に強い分散型自然エネルギー社会
第1節 進む再生エネルギーと節エネ教育
二〇年も前から気候変動を懸念/エネルギー革命で二酸化炭素の排出量を三分の一に/教育を通じて全国民に省エネを浸透/ 小学校から大学まで取り入れられた再生可能エネルギー教育/持続可能なエネルギー文化を作る
現地取材10 太陽は経済封鎖できない

第2節 動かなかった幻の原発
再生可能エネルギー先進国/全国電化と輸入石油への依存/冷戦下での原発開発競争/地震の島国に一二基もの原発を
第3節 キューバの再生可能エネルギー
再生可能エネルギーでの発電はたった四パーセント/農地を荒らした雑木をバイオマス・エネルギー源に/風力で三割以上の電力確保を目指す
現地取材11 ハリケーンに耐えたウィンド・ファーム

第4節 エネルギー革命とハリケーン
二〇〇四年と〇五年の暑い夏/国産石油の大増産プロジェクト/停電の元凶となった大規模火力発電/省エネ電気器具を全国民に導入/電力の半分を小規模ネットで発電/ハリケーン激甚地でも一週間以内に電気が回復
現地取材12 分散型発電で停電を回避
コラム3 エネルギー革命宣言


第IV章 防災力のある社会を作る
第1節 レジリエンスの高い社会を作る
ハリケーンで失われるカリブ海のサンゴ礁/栄枯盛衰を繰り返す自然生態系/レジリアンスとシュンペーターの創造的破壊/イノベーションが鍵を握る再生の時/レジリエンスのある社会を作る
第2節 キューバからみる日本の防災システム
経済的に貧しい中でも国民の命と財産を守るシステムが働いている/財産が守られなければ生活再建できない/日本は応急対策が中心/日本の災害復興はゼネコン中心で生活復興がない/過去の経験を無視した効率性の開発から安全と住民重視のまちづくりへ/コミュニティが衰退する中、プロとの連携強化が求められている
第3節 日本の防災対策への提言
1 地域防災計画の見直しと目標を設定した実施計画の策定が急務/2 安全な土地利用と危険地区対策のためにハザードマップが必要/3 コミュニティにおける防災計画づくりを推進する/4 避難所は、被災者の救護所として環境整備を行うべき/5 災害復興は、公共事業中心から被災者の生活と生業の回復重視へ
現地取材13 想定外の高波に対応する


エピローグ
あとがき (著者を代表して 中村八郎)

参考文献
用語集


≪著者: ≫ 中村八郎 (なかむら はちろう) 1946年長野県生まれ、法政大学工学部卒。日本大学大学院修士課程修了。東京都国分寺市役所で20年間防災まちづくり係長、都市計画課長補佐として都市計画業務に取り組む。その後NPO法人環境・災害対策研究所副理事長歴任。NPO法人くらしの安全安心サポーター理事長、日本大学理工学部及び大学院非常勤講師。著書に『災害に強い都市づくり』(共著、新日本出版社)、『市民参加の防災まちづくり』(監修・共著)『これからの自治体防災計画』『防災コミュニティ』(共著、以上自治体研究社)がある。

≪著書: ≫ 吉田太郎 (よしだ たろう) 1961年東京生まれ。筑波大学自然学類卒。同大学院地球科学研究科中退。持続可能な社会への関心から、サラリーマン稼業のかたわら有給休暇を利用してキューバを16回ほど訪れキューバの農業、環境、森林、医療、教育、住宅、文化政策 を紹介する一連の著作を執筆してきた。また、アグロエコロジーや伝統農業についての著訳書もある。著書に『200万都市が有機野菜で自給できるわけ』『世界がキューバ医療を手本にするわけ』『世界がキューバの高学力に注目するわけ』『「没落先進国」キューバを日本が手本にしたいわけ』(以上築地書館)、『有機農業が国を変えた』(コモンズ)などがある。


目黒公郎/村尾修 『都市と防災 '08』(放送大学教材、専門科目; 社会と産業コース、放送大学教育振興会、2008年) '12/03/11





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本「文明は農業で動く 歴史を変える古代農法の謎」吉田太郎5

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文明は農業で動く
文明は農業で動く 歴史を変える古代農法の謎

○著者: 吉田太郎
○出版: 築地書館 (2011/4, 単行本 304ページ)
○価格: 2,100円
○ISBN: 978-4806714200
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農業って、そう、ぼくにとっては気にならないものではなくって、気になって気になって仕方がないんだけれども、なにをどうしても語りえない、視点が切り口が立ち位置というのかスタンスが定まらない
生存するため、生命を維持し持続させるために食べる、食べるものは、分業よろしく、サラリーマンとしてのお勤め(労働)によって得た報酬によって、対価を支払って(生産者のみならず流通における各所に各者にたいして?!)、流通されている食べ物を入手して



メソポタミア文明が塩害で滅び、古代ギリシアが土壌浸食で衰退したように、文明の中心地は農法によって動く。化学肥料と農薬に依存する農法がなければ世界の食料自給率は35%だ。石油枯渇とともに人類飢餓は避けられない。だが、アステカインカスリランカと世界各地の古代文明が多くの人々を養えたのはなぜなのか。複雑系の科学は、生態系に適応した古代農法が、近代農業以上に洗練され生産性も高かったことを解き明かす。そして、いまその復活が辺境の地から始まっている。それは、未来の文明存続と食料確保への大きな鍵となることだろう。


≪目次: ≫
プロローグ 辺境農業探索へのいざない    近代農業は石油で動く工業だ/二〇一二年を境に文明はシフトする/文明シフトの鍵は辺境と古代に眠る

I バック・トゥ・ザ・フューチャー
1 なぜアグロエコロジーと伝統農業なのか
    有機農業が盛んだからアグロエコロジーに鞍替え/農業生態系のしくみを活かすアグロエコロジー/ラテンアメリカには五〇〇の農法がある
2 世界農業遺産    危機にさらされる伝統遺産/人類にとって真に価値あるものとは
3 アグロエコロジーと伝統農業を評価する国際アセスメント    緑の革命にも遺伝子組換えにも未来はない/アグロエコロジーを評価する国連食料顧問/欧米農業史観を超えて
伝統農法コラム1 なぜ秋になると山々は色づくのか――窒素とエネルギー

II 未来への遺産――マヤアステカ、アマゾン、インカ
1 古代農法の復活で村を再生――ミルパ・ソラール
    農業の近代化で村を捨てていく農民たち/世界で最も進んだ農法 ミルパ・ソラール/二万種ものトウモロコシを保全/雑草だらけのトウモロコシ畑/古代水路の復活で土壌浸食を防ぐ/一〇〇〇の言葉よりもひとつの実践が人々を説得する
2 巨大都市を養う水上菜園    湖上に浮かぶ巨大都市/運河と一体となった循環農法/都市問題の解決策は過去にある
3 森の中で作物を育てる    ハリケーンの被害が出ない古代農法/いのちが蘇ったホンジュラスの丘陵/改革はコミュニティの内部から
4 洪水を乗り切る伝統農法    蘇る三〇〇〇年前の古代農法/水と養分の循環で高収量を維持
5 アマゾンの密林に眠る古代農法    アマゾンは地球最大の人工林?/幻の黄金郷エル・ドラド/奇跡の土テラ・プラタ/動き出すテラ・プラタ再生計画
6 帝国の作法    貧困、ゲリラ、アル中の悪循環/輪作とアグロフォレストリーで養われた帝国人民/古代テラス復興プロジェクト/コミュニティは自分自身で問題を解決できる
伝統農法コラム2 レイチェル・カーソンは大量殺戮者?――スリランカのマラリア
 
III 曼荼羅というコスモロジ――インドスリランカ
1 伝統品種の復活で村を再生
    種子の近代化で自殺していく農民たち/旱魃にも浸水にも適応する在来米/一〇〇種以上の米、六〇種以上の伝統野菜を復活/コミュニティが在来品種を蘇らせ自殺者を救う
2 古代インドの植物科学    ヴリクシャ・アーユル・ヴェーダ/緑の革命への懸念から研究に着手/実証実験を通じて古代の技を復活/農業を蘇らせるもうひとつの科学体系
3 砂漠を沃野に蘇らす古代ダム    モンスーンの雨を溜める特殊ダム/古代技術で蘇る河川と村々/自然を守り虎や魚と共生する村人たち/村に住み込み、眠っているコミュニティの力を呼び起こす
4 生物多様性を保全する伝統農業    二〇〇〇年前からあったコミュニティによる水管理/利活用しながら生物多様性も保全する叡智/エコライフを文化として織り込んでいた伝統社会
5 スリランカの古代灌漑    農業近代化で自殺していく農民たち/内戦につながった経済自由化と貧困拡大/密林の奥深くに眠る古代工学技術の結晶/空海も参考とした国土を埋め尽くす灌漑網/コミュニティの崩壊で荒廃した灌漑システム
6 自然と調和した農的平等社会    自然と調和し豊かな食料を提供していた貯水池網/窒素固定樹木とオオコウモリの糞が肥料源/鳥たちのための米を栽培することで害虫を防ぐ/土地や気候、用途に応じて多様な穀物を栽培/森と共生する焼畑農業/宗教と一体化していた平等社会
7 灌漑農業の限界を突破する古代稲作    旱魃の年も高収量が得られる伝統稲作/伝統的な太陰暦に従った栽培/不耕起マルチ栽培でイネを育てる/「雑草」が害虫を防ぎ、除草剤を減らす/自然は競争相手ではない
伝統農法コラム3 生態系の安定性とキーストーン種 

IV 太古からのイノベーター――今蘇る古代の叡知
1 ニューギニア高地の盛土農法
    一万年前から独自に始まった農業/マウンドで連作されるサツマイモ/逆転層で霜害を防ぐマウンド堆肥農法/熱帯イモ根栽社会のイノベーター
2 米と魚を同時に育てる稲田養魚    グルメの曹操が注目した稲田養魚/孔明のモデル、劉基と稲田養魚伝説/雑草を食べて育つ魚たち/害虫を食べマラリアも防ぐ魚たち/近代化の中で滅びゆく伝統
3 バリの女神様    農業近代化で混乱する伝統稲作/害虫被害を防ぐ湖の女神の神秘的パワー/上下流が協力する休閑が害虫を減らす/パソコンが解き明かす古代の叡智
伝統農法コラム4 おごれるものは久しからず――極相林は勝ち組か
 
エピローグ 過去から学ぶべき教訓    自然生態系を模倣する小規模農場/生産性よりもリスク削減と持続性を重視/コミュニティレベルでは自己組織化する公益/花粉が物語るアンデスの環境破壊と文明崩壊/中世温暖化期が後押ししたインカの隆盛/過去から学ぶべき教訓

あとがきにかえて・田んぼの虫五万世代との共進化

参考文献
用語集


≪著者: ≫ 吉田太郎 (よしだ たろう) 1961年東京生まれ。筑波大学自然学類卒。同学大学院地球科学研究科中退。東京都職員を経て、長野県職員。著訳書には『200万都市が有機野菜で自給できるわけ――都市農業大国キューバ・リポート』『世界がキューバ医療を手本にするわけ』『世界がキューバの高学力に注目するわけ』『百姓仕事で世界は変わる――持続可能な農業とコモンズ再生』(以上築地書館)、『有機農業が国を変えた』(コモンズ)、『地球を救う新世紀農業――アグロエコロジー計画』(筑摩書房)、『知らなきゃヤバイ! 食糧自給率40%が意味する日本の危機』(日刊工業新聞社) などがある。
ホームページ:http://www14.plala.or.jp/Cuba/index.htm
ブログ:http://pub.ne.jp/cubaorganic/


宇根豊 『国民のための百姓学』(家の光協会、2005年) '10/08/18
久馬一剛 『土の科学 いのちを育むパワーの秘密』(PHPサイエンス・ワールド新書、PHP研究所、2010年) '10/08/16
宇根豊 『天地有情の農学』(コモンズ、2007年) '10/08/14
宇根豊 『風景は百姓仕事がつくる』(築地書館、2010年) '10/08/09
デイビッド・モントゴメリー 『土の文明史 ローマ帝国、マヤ文明を滅ぼし、米国、中国を衰退させる土の話  David R. Montgomery: “Dirt: The Erosion of Civilizations” University of California Press, 2007.』(片岡夏美訳、築地書館、2010年) '10/05/25

レイチェル・カーソン 『沈黙の春 〔新装版〕  Rachel Carson: “Silent Spring”, 1962.』(青樹簗一訳、新潮社、2001年) '10/09/13
鈴木基之/植田和弘編著 『環境と社会 '09』(大塚直著、放送大学教材、放送大学教育振興会、2009年) '11/04/22
東千秋/鈴木基之/濱田嘉昭編著 『物質循環と人間活動 '07』(放送大学教材、放送大学教育振興会、2007年) '10/09/08





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本「地球を救う新世紀農業 アグロエコロジー計画 (ちくまプリマー新書133)」吉田太郎5

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地球を救う新世紀農業 アグロエコロジー計画 (ちくまプリマー新書)
地球を救う新世紀農業 アグロエコロジー計画 (ちくまプリマー新書133)

○著者: 吉田太郎
○出版: 筑摩書房 (2010/3, 新書 191ページ)
○価格: 819円
○ISBN: 978-4480688347
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アグリ・カルチャー、農の問題って、食にも関連して(生命の生存の活動の維持とかって軽視できない)、ジッサイにとっても気になる問題としてあるのだけれども、なかなかどうして複雑でカンタンなものでもなくって、知れば知るほど奥が深くて、どうして広範な科学的な知識が要求される、なかなか語りえない、カンタンに意見できない、ような思いばかりがつよくあって、周辺?!からボチボチと
どうなんだろう、2011.3.11_14:46以降の日本の東国の関東の東京にあってぼくは、それ以前とは同じであるとは思えない、なにが違うということもなく、もっとも潜在していたものが顕在した、という意味での差異であろう、持続可能性を考えるには、そう、持続可能性を考慮しないわけには



石油が枯渇すれば、食糧危機が訪れる。私たちを包囲する食糧問題の嘘をあばき途上国から発信される持続可能な農業で石油にかわる「人類資源補完計画」を!


≪目次: ≫
プロローグ――「ミートリックス」の世界へ御招待

第一章 楽しい旅のための情報お料理法
第一節 旅の乗り物、パソコンとネットのおさらい    ネット世界の歩き方/ロンメル将軍とパソコンとの意外な関係/コンピュータの父・異常天才フォン・ノイマン/地球温暖化で使えるようになったインターネット
第二節 ネット・ワールドの歩き方    演繹法帰納法の限界/マインド・マップとKJ法
第三節 渡る世間は嘘ばかし    パラシュート・ネコ/有機農業で100%自給するキューバ?

第二章 経済封鎖が産みしもの
第一節 有機農業から化学肥料農業へ    植物は太陽エネルギーではなく有機のパワーで育つ?/有機農業から化学肥料農業へのパラダイム転換
第二節 化学肥料と農薬の誕生    ウンコがつなげる陸と海/経済封鎖が産み出した化学肥料/毒ガス戦がきっかけで発明された農薬
第三節 「緑の革命」の正体    戦いにはセメダインが必要/「緑の革命」で人々を飢餓から救う/「緑の革命」がメキシコで誕生したわけ/ロックフェラー財団が考えたこと
第四節 資源枯渇とピーク・オイル    地球を救うのは遺伝子組換え農産物?/資源は枯渇する ジュラシック・ピーク/海上の孤島ナウルの悲劇/スピリチュアリズムは農業問題を解決できるか

第三章 アグロエコロジーが地球を救う
第一節 開発途上国は先進国    幸せってなんだろう/質素な社会を目指しはじめたヨーロッパ/俺ら、東京さいかねえぇだ
第二節 中米の空中窒素固定農法    肥料を使わずに収穫を10倍に/できすぎ君育成計画の失敗/空中元素固定装置登場/エリート研究者の勘違い
第三節 甦る古代インカ農法    インカの古代テラスの復元/化学肥料を使わずに収穫を10倍に/科学的にも合理的な古代農法の秘密
第四節 ケニアのゴキブリホイホイ農法    天敵を空中から散布し2千万人を飢餓から救う/トウモロコシの収穫を10倍にするアグロエコロジー農法/天然ゴキブリホイホイ農法
第五節 田んぼの学校とバリの女神さま    50回農薬をまいて害虫が千倍に/田んぼの学校と昆虫動物園/減農薬稲作で変わっていく農民たち/お坊さんの命令で水を管理/パソコンでわかった害虫と水の不思議な関係
第六節 マダガスカルの怪奇農法    無農薬無化学肥料で15トン/神父が発明した画期的な米増収技術/SRIの驚異的な収穫の秘密
第七節 アグロエコロジーとデビルマン    ゴミ問題は「合体」で解決しましょう/ハテナというはてな

第四章 もうひとつの世界は可能だ
第一節 「ミートリックス」のエージェントの正体とは    ある一人の若い女学生の発見/「ミートリックス」のエージェントたちの神話を暴く
第二節 アグロエコロジーか遺伝子組換えか    アグロエコロジーと伝統農業を高く評価した国際アセス/「緑の革命」にも遺伝子組換えにも未来はない/報告書に猛反発する米国とバイテク企業
第三節 アグロエコロジー学校で自給を目指す国々    会員2億5千万の巨大農民結社が主張する食料主権/小規模農業が増えると街と経済が蘇る/田舎暮らしの時代

エピローグ

用語集
あとがき (吉田太郎)
引用参考文献


≪著者: ≫ 吉田太郎 (よしだ・たろう) 1961年東京生まれ。筑波大学自然学類卒業。同学大学院地球科学研究科中退。東京都を経て、長野県農業大学校勤務。著訳書には、『200万都市が有機野菜で自給できるわけ――都市農業大国キューバ・リポート』『1000万人が反グローバリズムで自給・自立できるわけ――スローライフ大国キューバ・リポート』『世界がキューバ医療を手本にするわけ』『世界がキューバの高学力に注目するわけ』『「没落先進国」キューバを日本が手本にしたいわけ』『百姓仕事で世界は変わる』(以上、築地書館)、『有機農業が国を変えた』(コモンズ)、『自給再考――グローバリゼーションの次は何か』(共著・農文協)『知らなきゃヤバイ! 食糧自給率40%が意味する日本の危機 』(日刊工業新聞社)などがある。
ホームページ:http://www14.plala.or.jp/Cuba/index.htm
ブログ:http://pub.ne.jp/cubaorganic/

吉田太郎 『「没落先進国」キューバを日本が手本にしたいわけ』(築地書館、2009年) '09/11/04
吉田太郎 『世界がキューバの高学力に注目するわけ』(築地書館、2008年) '09/01/02
吉田太郎 『1000万人が反グローバリズムで自給・自立できるわけ――スローライフ大国キューバ・リポート』(築地書館、2004年) '08/08/28
吉田太郎 『200万都市が有機野菜で自給できるわけ――都市農業大国キューバ・リポート』(築地書館、2002年) '08/07/01
吉田太郎 『有機農業が国を変えた――小さなキューバの大きな実験』(コモンズ、2002年) '08/06/28
ジュールス・プレティ 『百姓仕事で世界は変わる――持続可能な農業とコモンズ再生  AGRI-CALTURE: Reconnecting People, Land and Nature』(吉田太郎訳、築地書館、2006年) '08/06/04
吉田太郎 『世界がキューバ医療を手本にするわけ』(築地書館、2007年) '07/08/18





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本「「没落先進国」キューバを日本が手本にしたいわけ」吉田太郎5

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「没落先進国」キューバを日本が手本にしたいわけ
「没落先進国」キューバを日本が手本にしたいわけ

○著者: 吉田太郎
○出版: 築地書館 (2009/10, 単行本 336ページ)
○価格: 2,100円
○ISBN: 978-4806713906
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キューバ・リポート第5弾。
小さいことは、意外に良いことなのかもしれない。
広大なアメリカ大陸(巨大なアメリカ合衆国)を背にして、大西洋にひらける、小さな島国としての“キューバ”と、広大なユーラシア大陸(巨大なロシア・中国)を背にして、太平洋にひらける、小さな島国“日本”と。なぜか不思議なことには、かつての東西冷戦時代には、それぞれ対抗する勢力にもっとも近接した、ある意味での前線基地?!、的な位置づけ。それゆえに、良くも悪くも注目を浴びないわけにはいかず、その面積的な小ささに比較するには大きな存在感をもってして。それでもやっぱり現実的に、小さいことには変わりがなくて、超大国の支援や何らかの後ろ盾があってこその栄華とも。
世界を二分していたうちの一極たるソ連が崩壊して、それは、資本主義 対 共産主義(社会主義)という社会システム(イデオロギー)の争いだったのかどうなのか。その勢力争いさえも、資本主義的な市場の原理のようなものが作用していたのかもしれない。社会システムで統治しようと試みて、しかしシステムに規定したとおりにものごとが進行するものでもなく、ヒトの考えはさまざまで、そもそも多様性に担保されてバランスが保たれている面を無視できなかろう。欲望には抗えない。誘惑に克つことは困難で、容易く負ける、易きに流される。システムからこぼれおちる、闇の部分のエネルギーは小さくないのであろう。規模が大きければ、小さくない力が集結して、結果として国家を崩壊に導くほどのエネルギーとなるのであろうか。ちょっとした不平不満を抱えた民衆と官僚の、それぞれのちょっとした欲望やよこしまな行動が、、、ところで、その善からぬことを画策する欲望とは。


≪目次: ≫
機…仰禧飛行の勧め
1 太平洋大西洋の二つの島の奇妙なシンクロ
    「坂の上の雲」から「崖の上のポニョ」へ/超低空飛行国家――没落先進国キューバに学ぶ/ワーキングプア社会から登場したゲリラ闘争/東西冷戦終焉後の地政学
2 地球環境の制約内で暮らす    世界唯一の持続可能な国家/経済危機を契機に省エネ運動を展開/教育を通じて全国民への省エネを実現/他国にも広がるエコ革命の輸出
3 キューバは地上の楽園なのか    ハバナの休日/マスコミも着目しはじめたキューバの医療と教育/楽園の住民たちの四つの不満/【コラム1 キューバは所得差200倍もの超格差社会】

供 ̄風を凌ぐ住まいを作る
1 オンボロ住宅屋上活用法
    屋上にドラム缶を吊り下げて野菜を栽培/屋上でウサギを飼育/数世代同居のウサギ小屋生活/家の物々交換に人だかり/偽装結婚からペテンの詐欺まで
2 コミュニティの建築家    ボランティアで住宅建設/経済危機で破綻したプレハブ住宅建設モデル/オーナーとの対話を通じて家を改築/建て主に自信をつける家づくり/コミュニティによって住宅問題は解決できる
3 エコ資材で家を建てる    オンボロ住宅を襲うハリケーン/人工衛星から古代ローマの技術に逆戻り?/建築資材として竹を活用/建築資材の地産地消で地元に雇用を創出/マイクロ・クレジットで資源は動く/南々協力で他国へも広まるエコ資材/【コラム2 「古代の建築資料」再発見の理由】
4 街づくり運動で蘇るスラム    ハードからソフトへ・住民参加型のワークショップ/住民参加でゴミを片づけ、ゴミ捨て場を森に変える/経済危機で元の木阿弥/【コラム3 市民の声は真実か?】

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1 高い食費と乱れる食生活
    エコ・レストランのキャンドルナイト/収入の三分の二にも及ぶ食費
2 荒れる農地とお役人農政    わずか半分しか耕されていない農地とサトウキビ改革の失敗/機能不全の役人天国/始まったラウルの農業改革/遊休地を貸し出し、やる気のある農家を規模拡大
3 地元農業改革プログラムで変わる農村    ハリケーン被災後も挫けない農村現場/アグロエコロジーで自給を目指す山村/エコ農法と地方分権化を進める地元農業改革プログラム/参加型のプログラムで変わる女性たち/【コラム4 都市農業と有機農業】
4 農民参加型の品種改良    農民たちが自ら行う品種改良/経済危機で種子生産力が半減/苦肉の策で始まった農民参加型の種子改良/種子交換フェアで品種が二〇倍に/各自の好みに応じた多様な育種/高収量品種よりも優れもの/農民を信頼することでコストもエネルギーも削減

検々駝瓜臆辰念汰粥Π多桓匆颪鮗存修垢
1 ハリケーンで死傷者が出ない国
    災害の方程式――キューバは国連防災のモデル国/ペットも一緒に避難所に避難/被災はあくまでも自己責任
2 皆で築きあげる安全の文化    顔が見えるハザード・マップづくり/衛生管理と予防で被災者の健康を保障/世界を視野に入れた防災医療センターの防災教育/ボランティアが総がかりで取り組む災害復旧/教育を通じて安全の文化を育む/格差社会をなくすことが被害も減らす
3 地元学を生かす安心社会    二度のハリケーンにも挫けずに学校を復旧/地元学で地域の課題を解決する子どもたち/反貧困の「正義」とは「希少資源の配分問題」/【コラム5 したたかな小国の生き残り戦術】

后,金やモノよりも文化を大切にする国
1 子どもたちは幸せになるために生まれてくる
    赤ちゃんとお母さんの健康を守る/母乳育児のために一年間の産休/父親にも家事と育児のための産休を
2 民衆教育と参加型の政治改革    縦割り行政の限界を突破するために市町村を“逆合併”/広まる民衆教育で変わる人々/ソ連崩壊を契機に始まった民衆参加/輸入モノの社会主義を見直す/住民参加によって築かれる若者たちの明日
3 芸術文化を大切にした国づくり    ソ連崩壊で風穴があいた自由への扉/文化の家を通じて国民の芸術力を伸ばす/文化を軸に格差に対抗――心を癒し自由になるためのプロジェクト/所有から満足する文化へ
4 滅び去りしパックス・トクガワーナ    貿易赤字で資源枯渇したジパング/外国人を驚かせた教養高きフリーター国家/自己責任のグローバル経済から鎖国自給という選択/権力と富を分けた徳川のガバナンス/マハンの進出プランの餌食にされたキューバ
5 人が尊厳をもって暮らせる街を作る    数世紀前にタイムスリップできる巨大博物館/先人の意思を継承し歴史文化財を守る/自己財源で歴史空間を復元/社会的事業に収益の四割をまわす/歴史伝統文化を享受する市民たち/建物の復元修復で雇用を創出

あとがき
参考文献
用語集
著者紹介


≪著者: ≫ 吉田太郎 (よしだ たろう) 1961年東京生まれ。筑波大学自然学類卒業。同学大学院地球科学研究科中退。東京都を経て、現在、長野県農業大学校勤務。
著訳書には、『200万都市が有機野菜で自給できるわけ――都市農業大国キューバ・リポート』、『1000万人が反グローバリズムで自給・自立できるわけ――スローライフ大国キューバ・リポート』、『世界がキューバ医療を手本にするわけ』、『世界がキューバの高学力に注目するわけ』、『百姓仕事で世界は変わる』(以上、築地書館)、『有機農業が国を変えた』、『江戸・キューバに学ぶ“真”の持続型社会』(共著、日刊工業新聞社)などがある。
ホームページ: http://www14.plala.or.jp/Cuba/index.htm
ブログ: http://pub.ne.jp/cubaorganic/

吉田太郎 『世界がキューバの高学力に注目するわけ』(築地書館、2008年) '09/01/02
吉田太郎 『1000万人が反グローバリズムで自給・自立できるわけ――スローライフ大国キューバ・リポート』(築地書館、2004年) '08/08/28
吉田太郎 『200万都市が有機野菜で自給できるわけ――都市農業大国キューバ・リポート』(築地書館、2002年) '08/07/01
吉田太郎 『有機農業が国を変えた――小さなキューバの大きな実験』(コモンズ、2002年) '08/06/28
ジュールス・プレティ 『百姓仕事で世界は変わる――持続可能な農業とコモンズ再生  AGRI-CALTURE: Reconnecting People, Land and Nature』(吉田太郎訳、築地書館、2006年) '08/06/04
吉田太郎 『世界がキューバ医療を手本にするわけ』(築地書館、2007年) '07/08/18







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本「世界がキューバの高学力に注目するわけ」吉田太郎5

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世界がキューバの高学力に注目するわけ
世界がキューバの高学力に注目するわけ

○著者: 吉田太郎
○出版: 築地書館 (2008/10,単行本 339ページ)
○価格: 2,520円
○ISBN: 978-4806713746
おすすめ度: 4.0
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キューバ”最新リポート第四弾は“教育”。自らも教育者(長野県農業大学教授)である“吉田太郎”による、カリブの教育事情の旅♪、二〇〇七年八月刊行『世界がキューバ医療を手本にするわけ』(築地書館から“本が好き!PJ”経由の献本をキッカケとする)の姉妹書であり続編ともいえる、と“あとがき”に書き記すのは、『革命以来キューバが最も力を注いできたのは教育と福祉医療だった。(P.311)」から。
『教育されることが自由になる唯一の方法だ』革命の英雄ホセ・マルティ

≪目次: ≫
プロローグ〜キューバへの誘い

機々盂慘呂瞭罎魏鬚
1 生徒全員が学力を身に付ける――声に出して読むスペイン語
2 先進国に匹敵する少人数教室が育む学力
3 競争ではない相互学習で身に付く高学力
4 ソ連譲りの教育理論が育む高学力
5 社会共通資本の豊かさが支える高学力
供|ι郎ぜ匆颪鯡椹悗靴特太犬靴振軌蘋度
1 革命以前のキューバの教育
2 進む革命後の教育改革
3 経済危機とソ連型高度成長モデルのゆきづまり
掘〆眄危機の中でもさらに充実した教育制度
1 保育園からコミュニティへ――キューバの乳幼児教育
2 キューバの教育を支える先生たち
3 障害者に優しい教育
4 ワーキングプアを生まないキューバ流リストラ
検|Ε錙璽ングプア社会を求めて
1 社会とつながる総合教育
2 格差なき公正な競争社会を求めて
3 全国識字教育キャンペーン
4 世界に広まるキューバの識字教育法
5 無知こそが戦争を生む
6 エピローグ

あとがき

用語集および参考文献


≪著者: ≫ 吉田太郎 (よしだ たろう) 1961年東京生まれ。筑波大学自然学類卒業。同学大学院地球科学研究科中退。東京都を経て、現在、長野県農業大学校勤務(教授)。著訳書には、『200万都市が有機野菜で自給できるわけ 都市農業大国キューバ・リポート』『1000万人が反グローバリズムで自給・自立できるわけ スローライフ大国キューバ・リポート』『世界がキューバ医療を手本にするわけ』『百姓仕事で世界は変わる』(以上、築地書館)、『有機農業が国を変えた』(コモンズ)などがある。
http://www14.plala.or.jp/Cuba/index.htm


Euryops pectinatus.
「この黄色いお花の名前、なんていうか知ってる?、なんだか強そうでカッコイイ(と、ぼくは思う)お名前なんだよ♪」というぼくの問いに、一緒に歩いていた我が娘(12歳、まもなく中学生)、しばらく思案したのち、おもむろに「カメシック!」って、なんだそりゃ??(とくに意味なく発せられたらしい)、たしかに強そう(とも思えない?!)だけれども、、、寒い冬(低血圧のぼくは大の苦手)の穏やかな、というよりむしろ弱々しい陽射しを浴びて、冷たい北風にゆらゆら揺れる、幸福の(?!、と、ぼくは勝手に思い込んでいる)黄色い花、ユリオプスデイジー



本「1000万人が反グローバリズムで自給・自立できるわけ――スローライフ大国キューバ・リポート」吉田太郎5

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1000万人が反グローバリズムで自給・自立できるわけ――スローライフ大国キューバ・リポート

○著者: 吉田太郎
○出版: 築地書館 (2004/1,単行本 577ページ)
○価格: 3,780円
≫Amazon



一九九二年六月。深刻化する地球環境問題を解決するため、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロで地球サミットが開催された。世界一八三カ国の首脳や政府代表が参加した国連史上最大のイベントだった(中略)地元紙が『電撃の五分間』と形容したカストロの演説は異彩をはなっていた。拍手が鳴り響き、立つものが多く、本物の演説とはこういうものかと、大向こうをうならさせるだけの迫力は十分であった」。
この演説内容は、いまもインターネット上で読むことができるので、再現してみよう。
「ブラジル大統領、ガリ国連事務総長、そして皆さま。ある重要な生物種が、その自然な暮らしの状態を急速に破壊することによって、絶滅の危機にあります。人類であります。私どもは、それを食い止めるには、もはや遅すぎる時期にいたって、今ようやくこの問題に気づきはじめました。
この残虐な環境破壊の抜本的な責任が消費社会にあることを指摘しておくことが必要です。それは、かつての植民地主義権力と帝国主義的政権から生じたものであり、これが、今日、大多数の人民を苦しめる未発展と貧困をもたらしております。世界人口のわずか二〇パーセントが、世界で生産される金属の三分の二、エネルギーの四分の三を消費しているのです。彼らが海洋と河川を毒し、大気を汚染し、オゾン層を傷つけて穴をあけ、気候条件を反動させるガスを大気中に充満させ、私たちは、すでにカタストロフィックな影響を経験しはじめています。
森は消えうせ、沙漠は拡大し、何億トンもの肥沃な土壌が毎年海へと流出しています。数え切れないほどの生物が絶滅しつつあるのです。そして、人口増加と貧困が、たとえ環境を食いつぶしても生き伸びようとする取り乱した努力の誘因となっています。ですが、このことで第三世界諸国を非難することはできません。それらは昨日までの植民地であって、今日も不公正な国際経済秩序によって搾取されたり、略奪されたりしている国々だからです。開発を最も必要とする第三世界での発展を止めることでは問題は解決しません。
現実には、不十分な発展と貧困が、いまエコロジーに対して目にあまる冒涜をなしています。その結果、第三世界では、二つの世界大戦の各々以上の何千万もの男性や女性、そして子供たちが、毎年死んでいるのです。
不平等な貿易条件、保護政策と対外債務が、エコロジーを攻撃し、環境破壊を促進しています。もし、私たちが、この自己破壊から人類を救いたいのであれば、私たちは、世界で利用可能な富や技術をよりよく配分しなければなりません。地球上の大部分で、貧困や飢餓をもっと少なくするには、ごく少数の国々の贅沢や浪費をもっと少なくすることが必要です。環境を破壊させるライフスタイルや消費習慣をこれ以上第三世界に持ち込むことは不要です。人間の暮らしをより合理的にならしめよ。正当なる国際経済秩序を導入せしめよ。汚染なき持続可能な開発に必要なあらゆる科学を活用せよ。対外債務にではなく、エコロジーに対してこそ負債を払い、人類ではなく、飢餓こそをば消滅させようではありませんか。
共産主義に由来したとされた脅威が消えうせ、もはや冷戦、軍拡競争と軍事費へのいかなる説明理由もなくなった今、第三世界の開発を促進し、そして、エコロジー的な地球の破壊の脅威と戦うために、かかる資源を速やかに使うことに何を躊躇することがありましょうか。利己主義を終わらせよ。覇権主義を終焉せしめよ。冷淡、無責任、そして欺瞞は、もう終わりにしようではありませんか。我々ははるか以前になすべきであったことを行うには、明日では遅すぎるのであります」。*  (P.14-P.17)
*引用文献 Fidel Castro,1992 Rio Earth Summit “http://www.newhumanist.com/rio.html”

一九九九年二月、首都カラカスのベネズエラ大学に招かれたカストロは、こんなことも語っている。
「今、我々が直面しているグローバリゼーションとは何か。新自由主義のグローバリゼーションだ。
それは、持続可能なものだろうか。違う。
それは長期間にわたって持ちこたえられるものだろうか。断じてそうではない。
それは、数世紀にわたるものだろうか。明らかに違う。それはわずか十数年のものであり、遠からず消えうせるに違いない。
だが、自然やそれとともにある人類は、この現状を変革することなしに生き伸びられるほど十分な時を持っているのだろうか。いや、残された時間はほとんどない。
ならば、新しき世界を建設していくのは誰だろう。この我々の地球に住む男と女だ。
しからば、彼らの基本的な武器とはなんだろうか。思想と志の高さだ。
さすれば、種を蒔き、それを耕し、揺るぎなきものとして築きあげていくのは誰か。あなた自身の意志だ。それはユートピアなのだろうか。いや、違う。なぜなら、それは必然的なものだし、それ以外にはオルターナティブはないからだ。
ホセ・マルティはこう言っている。『今日は夢を持とう。それは、きっと明日には現実のものとなるだろう』」。* (P.564-P.565)
*引用文献 Fidel Castro, On imperialist globaization two speeches, Zed Books,1999. p78〜79



≪目次: ≫
第一章 スローな暮らしを送る南の島から
1 スローライフ大国・キューバ

モノが溢れて貧しいというパラドックス/スローライフに不可欠な国家ガバナンス/持続可能な島国から見えてくる豊かなスローライフ
2 地球サミットから持続可能な開発へ
リオ・サミットで最高評価を受けた小国/憲法を改正し持続可能な国づくりをめざす/二〇〇一年、世界環境デーのホスト国に/経済崩壊の中での持続可能な社会づくり/二一世紀の持続可能な社会のモデル

第二章 住民が住み続けられる山里づくり
1 野鳥さえずる山里〜ラス・テラサス

山中のパラダイス、ラス・テラサス・コミュニティ/コーヒープランテーション開発とその荒廃/六○○万本の植林で「新しき村」を作る/野生生物の宝庫ロザリオ山地/ユネスコの生物圏保存地域に指定/山里の暮らしと自然保護とを調和させる/経済危機を契機にエコツーリズムを展開/海外交流で地元に金を落とす
2 よみがえったカウト川――河川再生プロジェクトの女性たち
五〇〇万本の植樹を達成した森林農場プロジェクト/プロジェクトの中心を担った女性たち/ヨハネスブルク・サミットで国連賞
3 沙漠化との戦い
第六回国連沙漠化防止会議の開催国に/動き出した沙漠化と干ばつ対処全国プログラム/塩害と闘う荒野のソーラー・パネル農場/サボテンが広がる沙漠地帯に森を作る/生きるためにつくられたの三万ヘクタールの人工林/三〇〇〇ヘクタールの塩害土壌を回復/国連環境計画の沙漠化対抗プロジェクトで受賞
4 森を失ったコロンブスの楽園
密林に覆われた島の発見/住民の虐殺と伝統農法の消滅/サトウキビの島への変貌/アメリカ支配による森林破壊の加速
5 ゲリラたちの森林再生運動
森林再生に乗りだした革命政権動/管理を怠った植林運動/土地条件を無視した強引な植林/森林を破壊したソ連式大規模農地開発/なんともチグハグな森林政策
6 経済危機で始まった林政改革
エネルギーと木材を輸入して森林を増やす/石油ショックで急増した薪需要/全国森林行動計画を策定し、林政を再評価する/伐採に大臣許可を要する新森林法の策定/国家環境政策に森林マネジメントを位置づける/山村住民と林業者が儲かるための資金援助
7 山人の暮らしに役立つ研究所と大学
八〇年代から研究が進んだ林間放牧/必要な伝統的な智慧の復活/バイオマス利用の森づくり/意識の高いキューバの学生たち/持続可能な山村開発のための技術者養成/自給有機農家の豊かな暮らし/コラム1・恐竜絶滅とキューバの葉巻
8 山林集落開発がうまくいくわけ
山村地域の総合開発プロジェクト/一般市民を巻き込んだ国民緑化運動/人々が山で暮らしていける生活基盤を整える/これ以上、人は入るべからず/スローライフを満喫する山村の農家/平地でも進む植林運動、サトウキビ農場での自然再生事業/森林認証制度の導入へ

第三章 有機水田にトキが舞う
1 カリブの宝、サパタ湿地

釧路湿原からはじまったラムサール条約への参加/カリブ海最大の自然地域、野鳥の楽園/革命後の再植林運動と自然保護が湿地を守る/地元住民を参加させない自然保護行政の失敗/住民参加で自然を守る自然保護への転換/持続可能なペースで資源を使うことが自然を守る/自然エネルギーを利用して住民の暮らしを高める/カナダよりも四〇年は進んだ住民環境教育/コラム2:サパタのヤシ
2 有機水田を舞うトキたち
野生動物の天国、ビラマス湿地/野鳥と湿地と水田とのダイナミックな関係/有機農業への転換で急増したトキ/鳥害対策を超えて〜農民や学生への環境教育/野鳥保護に水田が果たす役割の研究で国際賞を受賞/トキ保全を通じて世界と交流をはじめたキューバ/コラム3:ラムサール湿地
3 マングローブダムとの深い関係
海洋生物のゆりかご/地球温暖化防止と洪水予防に役立つマングローブ/開発で失われたマングローブ/環境を整えれば自然に回復するマングローブ/換金作物生産のために国中にダムを作る/国土を荒廃させたダムラッシュ/ダム建設への反省と河川放水/全国流域委員会による流域の一貫管理/ダムから森への思想転換
4 利用することで水産資源を守る
石油依存型遠洋漁船団とその崩壊/漁業組合の創設による民営化と市場原理の導入/乱獲防止と持続可能な水産業開発へ/DNA分析とモニタリングでウミガメを調べる/食の文化を守ることが資源保全につながる/経済封鎖の一貫として貿易を禁じられたウミガメ

第四章 暮らしと密着したバイオ技術
1 微生物で石油汚染を防ぐ

アメリカのタンカー事故で動いた世界の海洋汚染対策/海洋研究の総本山〜海洋研究所/二〇〇種以上の石油分解バクテリアを見つけだす/一〇年間、各地の事故処理に成果をあげる/環境保全に燃える若き研究者たち/コラム4:自然生態系を利用した浄化システム
2 緩速ろ過法でおいしい水を自宅でつくる
全国民の九五パーセントに安全な水道水を供給/経済危機で麻痺した水道システム/緩速ろ過フィルターで水道水を浄化/コミュニティを組織化する底力/アンケート調査で実態を把握した上でフィルターを導入/コミュニティ自らの手で水質を守る/スローな水を飲むキューバとアメリカ流の効率技術を推進する日本
3 生ゴミミミズ堆肥
生ゴミ減量にミミズを活用するアメリカ西海岸/学校の環境教育で活躍するミミズたち/工業的にミミズを大量生産するパイロット/コミュニティ運動としてミミズで生ゴミを堆肥化/食料危機の最中に普及したパーマカルチャー/老人たちの生きがい運動/コンクリート都市を緑に/コラム5・オンボロ自動車とエコデザイン

第五章 環境と調和した国づくりのしくみとは
1 公害を産んだ環境保護委員会と旧環境法

環境保全委員会と環境法第三三条/現実的な規制力を欠く環境法の限界/不十分だった環境保全委員会の権限/遅れたソ連の技術が引き起こした公害問題/経済危機がもたらした明暗の劇的変化
2 科学技術環境省の設立と環境法の制定
科学技術環境省の誕生/トップダウンで命ぜられた持続可能な開発/国家環境戦略の策定/開発か環境か?環境法制定をめぐる交渉/環境法で明記された環境保全手法
3 環境アセスメントと土地利用計画
アメリカが先陣を切ってはじめた環境アセスメント/環境アセスメントで不可欠な代替案/アメリカよりも実施効力のあるキューバの環境アセス/戦略的環境アセスを可能とする土地利用計画/すべての土地利用で環境に配慮する/必要な土地利用計画との連携強化
4 リゾート開発の失敗から海岸保全へ
危機に瀕する世界の海岸/海岸線の約半分が人工化した日本/観光否定から観光リゾート立国へ/島を結ぶ石の舗装道路/生態系バランス崩れて大量の生物が死滅/海岸の自然環境を守る海岸法/セットバックによる観光開発規制/小離島や岩礁の保護とエコツーリズムへ/コラム6:サバナ・カマグェイ群島
5 生物多様性の保全する国立公園ネットワーク
豊かな生物多様性/保護地域を指定し、絶滅危惧種を守る/全国保護地域ネットワークの形成/不十分だった自然保護/生物多様性保護のための国家戦略と行動計画/生物種のリストアップと保護種指定/絶滅危惧種を回復するためのしくみ/世界の先端をいく生態系そのものの保全規定/ゾーニングを持った自然公園管理/自然公園管理のためのエコツーリズム/コラム7:キューバのワニ
6 環境教育と革命防衛委員会
開発優先の政治を変える鍵となる市民参加/市民参加と情報公開については未熟なキューバ/進んだ科学教育と遅れた環境教育というアンバランス/専門分化していた科学技術/環境教育に力を注いで国連賞を受賞/高まる市民の環境意識/活発化する市民NPO活動の波/最大のエコロジー団体、革命防衛委員会/NPO市民社会は本当に環境に優しいか/コラム8:キューバのメーデー

第六章 スローでファジーな国家ガバナンス
1 反グローバリズムの胎動――ポルト・アルグレからハバナへ

世界食料サミットのスター、カストロ/グローバル化に反対をはじめた市民たち/世界初の市民手づくりの国際食料サミット/グローバル化を痛烈に批判するハバナ食料主権宣言/小規模な農家や漁師を守ることが食料確保につながる/食文化の多様性と有機農業、もう一つの世界は可能だ/カストロの閉会発言〜飢餓なき世界は可能だ/遺伝子組み換え農産物の推進をうたった第二回食料サミット/コラム9・キューバ流・玄米菜食
2 反グローバルから地域自給へと向かう途上国
相次ぐ中南米での左翼政権の誕生/キューバのオルガノポニコが導入されたベネズエラ/近代農業の崩壊で三〇〇万人が餓死した北朝鮮/国際平和秩序にも寄与するキューバの有機農業/「足るを知る」経済を推進するタイヨハネスブルク・地球サミットで孤軍奮闘したキューバ/批判されるカジノ経済
3 自然と調和していた江戸のガバナンス
グローバル貿易経済国から国した日本/革命家、朱元璋が夢見た自給自足国家/史上初のグローバリゼーションの引き起こした弊害/国土復元のための大植林運動/里山と杉山の原風景の誕生/山林資源をコミュニティで管理する/わざと堤防を切ることで人馬を守った伝統治水/山林と一体のものとして海洋資源を管理する/江戸の優れた海洋資源マネジメント/野生生物と共生していた江戸/自立コミュニティ「ムラ」/搾取と飢餓にあえぐ江戸時代のイメージは正しいか/スローライフを満喫していた江戸の農民たち/コラム10:子どもを大切にする国
4 エピローグ・職人国家を超えて
技術職人大国の限界/ソ連文化からの自立がベースにあったキューバの改革/カストロの見る夢

あとがき
参考文献


≪著者略歴: ≫ 吉田太郎 1961年東京生まれ。筑波大学自然学類卒。同学大学院地球科学研究科中退。現在(当時)、東京都産業労働局農林水産部勤務。環境保全型農業の推進や鳥獣害対策に従事する。有機農業や環境問題は学生時代からの関心事。社会制度や経済など広い視野から「業」としての農業ではなく、持続可能な社会を実現しうる「触媒」としての「農」や「里山」のあり方を模索している。著書に『200万都市が有機野菜で自給できるわけ』(築地書館)、『有機農業が国を変えた』(コモンズ)などがある。

百姓仕事で世界は変わる 持続可能な農業とコモンズ再生』著者: ジュールス・プレティ、吉田太郎 訳 (築地書館,2006/2)
世界がキューバ医療を手本にするわけ』(築地書館,2007/8)

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本「200万都市が有機野菜で自給できるわけ −都市農業大国キューバ・リポート」吉田太郎5

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200万都市が有機野菜で自給できるわけ −都市農業大国キューバ・リポート
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書評/社会・政治



有機農業が国を変えた −小さなキューバの大きな実験 (コモンズ,2002.8)」からの勢いのままに読了するも、さすがに全405ページの長大なリポートは、内容盛り沢山で大満足♪

過激(?!)にも「今、電気や石油の供給がまったくなくなったら?」と考えてみる。
とりあえず、電車が動かなければ、会社に行けない。石油がなければ、車やトラックが動かなくて、食料品を始めとする流通全般が麻痺して、都市生活は一気に破綻する。まさに危機的状況。恐ろしくて、考える気にもなれない?!

「持続可能」な社会への転換の必要性は、日本だって無縁じゃない。当たり前のように便利さを享受して、それを当然としてなんら疑うことをしない現代社会。
まぁまぁ、良くも悪くも危機的な状況に現実的に陥らないと、なかなか現状を改革しようという意識が起こらない?!、などと呑気なことを言ってる場合じゃない。
どう考えても、考えれば考えるほどに、現代社会は「持続“不”可能性」に満ち溢れている。
キューバに見習い、江戸を見直す!?


キューバの首都ハバナはアメリカ大陸でも最も古い歴史を持つ都市である。1514年に建設が始まり、1607年には首都となる。ニューヨークやワシントンよりもはるかに古いし、太田道灌が江戸築城に着手したのは、1456年(康正2年)のことだが、城下町としての本格的な整備がはじめられたのは徳川家康が入府した1590年(天正18年)のことだから、その歴史は東京にも匹敵するといえるだろう。 (P.7)

今、世界はグローバリゼーションと新自由主義経済による国際分業に翻弄されているが、地球は生態学的に見ると「閉鎖系」である。石油やその他の地下資源もいずれは枯渇することを考えれば、ハバナ市民が経験したような出来事は、日本を含めて世界の都市がやがて直面するような事態であるといってもよい。キューバは特殊な政治状況下で、少しだけ早く地球の未来を経験してしまったともいえる。
しかし、市民の団結と参加により、この閉鎖的状況を抜け出しつつある。全輸入物資の八割以上を失うという凄まじい経済崩壊を前に途方に暮れるのではなく、むしろ220万都市を持続可能な都市として再構築するためのよい契機ととらえ、前向きに挑戦し続けている。それを担うのは、危機を契機に新たに2000以上も誕生したNPOであり、地域が抱える問題は自分たちの力で解決していこうとする市民たちである。 (P.9)

豊かさとは何だろうか。日本を含め先進国では、豊かな生活をするためには、多くの所得が必要であると信じられている。実際にマネーがなければ、明日の糧にも事欠き、立ちどころに路頭に迷う。
だが、社会学者の見田宗介は『現代社会の理論』の中で、「金がないと生きていけない社会の中で金がないことが、貧しいことなのである」と述べている。これはトートロジーの言葉遊びのようにも思えるが、キューバに来てみると俄然リアリティを持つ。
例えば、キューバでは平均月給はドル換算で20〜30ドルと定められている。年間賃金は300ドルほどだから、円に換算すれば4万円ほどにしかならない。だが、これでも十分暮らしていける。 (P.18)

キューバの有機農業技術が興味深いのは、バイオ農薬や微生物肥料といった最先端のバイオ技術と、ミミズ堆肥や輪作のような伝統農法を組み合わせ、資材が不足する中でもすぐさま実践可能な適正技術を開発したことにあるのだが、それが可能となっているのは、地域ごとの土着の栽培技術をうまく掘り起こし、農家の伝統的な知恵の再発見に努めたからだといえよう。 (P.112)

食料生産からスタートした都市農業運動は、都市生態系の多様化や木材、燃料といった生活資材全般の自給までその概念を拡大させつつあるといえるだろう。そして、そのバックボーンには、「森なき都市は病んでおり、樹木なき大地は干からびる」というホセ・マルティの思想がある。 (P.193)

個人が自由に生きながらも、同時に全体に奉仕する社会、法ではなくモラールや道徳律によって動く社会。マルティは、ルソーの影響も受けている。19世紀の自由主義思想の良質な部分だけを抽出し、ラテンアメリカの先住民族の土着文化にも視野を広げたマルティの思想。カストロの革命は、使徒マルティの志を受け継いだ弟子たるカストロのキューバ独立運動であると解釈すると分かりやすい。 (P.197)

「石油、石炭、原子力、こうした従来のエネルギーは、武器なのです。大昔か、世界中の戦争の主な原因はエネルギーでした。エネルギーを制するものが世界を制しました。それは、キューバ革命に対しても使われました。キューバに対してアメリカが取った最初の処置は、石油を供給しないというものだったんです。
これまでのエネルギーは、力ある者、金持ちを益し、貧しき者を背負わせてより隷属させました。再生可能なオルターナティブエネルギー、それはソーラーなのですが、ソーラーは、資本主義と帝国主義に対する武器なのです。
日光は誰のためにも降りそそぎます。中国人、黒人、インディアン、白人、老若男女、貧しき人、そして金持ちのためにも光り輝くほど気前がよいのです。太陽は封鎖することも、支配することも、破壊することもできません。太陽エネルギーは、人民のための武器なのです。人間が必要とする真の経済発展を生み出すことができる唯一のものなのです」 (P.240-P.241)



≪目次: ≫
はじめに キューバへのプロローグ
世界が着目するキューバの都市農業/市域の四割が農地となり、有機野菜の自給を達成/ラテンアメリカ最古の都市の新たな挑戦/サルサのリズムが響き渡る首都ハバナ
コラム1「ハバナ誕生物語」

食糧危機を救ったキューバの都市農業
1 未曾有の経済崩壊が都市を襲

金がなくても成り立つ暮らし −ラテンアメリカのユートピア/ソ連依存の疑似ユートピア/ソ連崩壊と経済封鎖のダブルパンチ/輸入食料不足と国内農業の瓦解/一○キロも痩せ、栄養不足で失明者が続出/病気になっても治療を受けられない
2 町中を耕す市民たち
日系二世が耕す「日本人」農場/ゴミ捨て場を農地に −失業者たちの協同組合農場/脱サラ教員夫婦がはじめた協同組合農場

園芸都市ハバナ、かく誕生せり
1 軍が始めた「プロジェクトX」

ビタミン錠剤が野菜の代わり/空き缶にも野菜を植える/中国系元将軍が思いついたこと/ゴミ捨て場を畑に変えるオルガノポニコ
コラム2「ハバナ各地区の都市農業の姿」
2 都市の空き地、畑になる
耕す市民に国有地を貸し出す/「都市農業グループ」設立さる/土地は公共のもの、耕せる人が使えばいい/都市計画上も都市農業を最優先
3 有機野菜づくりの助っ人・都市農業普及員
知識のない市民に野菜の作り方を教える/都市農業の先進地サンタ・フェ/草の根レベルで有機栽培技術を指導/分権化とアカウンタビリティに応える/紙はなくともテレビがあれば
4 農家に学ぶ研究員たち
都市農業を支える層の厚い研究陣/第一線の現場に立つ研究者たち/三万人以上の農家がセミナーを受講/農家と研究者との意見交換の場「都市農業全国会議」/農家との協同研究に基づく都市農業振興計画
5 コンサルティング・ショップ
ミミズ堆肥から苗木までを市民に販売/国の直営から独立採算での自主運営に/市民たちへの農業教育の拠点
コラム3「在来品種の復活」
6 人気を呼ぶ野菜直売所
三○個の卵が給料二月分/全国で一○○カ所以上の農民市場をオープン/農産物販売自由化への長き道のり/ハバナでの暴動を契機に流通改革に乗りだす/野菜消費の半分をまかなう都市農業の直売/直売を通じて廉価で市民に野菜を提供/ボランタリーな寄付の文化
7 危機を救った緑の薬品
アメリカよりも進んだ福祉医療大国/輸入医薬品を代用したハーブ薬品/非常時用にオルターナティブ医療を研究していた国防軍/東洋医学の全国的な普及/近代医療と伝統医療を統合する
8 都市農業の多面的な機能
景気が回復しても都市農業はなくさない/観光客に有機農産物を食べさせたい/食料生産、環境改善、雇用創出、生きがい対策/都市農業で活力を得たコミュニティ

緑の都市を目指して
1 わたしの緑計画

国土緑化に国民の半数が参加/草の根ボランティアで一二○○万本の木を植える/モノ不足を補う環境意識とコミュニティ参加/廃棄ビニールや空き缶で苗床を作る
コラム4「キューバの使徒ホセ・マルティ
2 首都公園プロジェクト
首都のど真ん中に緑のオアシスを/首都公園化の戦略プランを立てる/アルメンダレス川の浄化作戦/有機農場づくりと森林復元/エコツーリズムで外貨を稼ぐ
3 キューバの交通革命
自動車天国だった首都ハバナ/中国から一○○万台の自転車を緊急輸入/工員や市民のアイデアで乗りやすく改良/景気が回復しても自転車は捨てない
4 原発から自然エネルギーへ
完成しなかった幻の原発/自然エネルギーへの方向転換/ソーラーで動く山村の診療所/山村の二○○○校をソーラーパネルで電化に成功/太陽は経済封鎖できない/持続可能な開発の実験場
5 経済危機を逆手に取った環境教育
ラブレターを書くために −識字運動の展開/障害者教育から生涯学習まで、恵まれた教育環境/経済危機を逆手に環境教育へシフト/子どもの創造性を引きだす環境クラブ/省エネ運動も環境教育に活かす

持続可能な都市を可能とする仕組みづくり
1 サンフランシスコの都市農業

失業者たちの自力更生運動/菜園に様変わりしたゴミ捨て場/菜園を活かして食農教育を進める/コミュニティ住民を元気づける都市農業
2 コミュニティ・ソリューション
アメリカやイギリスで着目されるコミュニティ/構造改革の果てに蘇った空想的社会主義/コモンズの悲劇を回避するソーシャル・キャピタル/権威主義や市場原理ではコモンズの悲劇は回避できない/コミュニティに根差した社会改革を進めるキューバ
3 コミュニティ医療とまちづくり
ボトムアップ型のまちづくり/コミュニティをベースとした地域医療/高齢化社会へもコミュニティで対応/コミュニティの免疫力を高めるファミリードクター/医師に求められるコミュニティからの推薦
4 市民社会とキューバのNPO
地方分権化の推進と省庁再編
コラム5「地方分権と軍」
経済危機の中で急成長するNPO/市民社会の活性化に欠かせないNPO/官製市民組織があればNPOはいらない?/海外NGOとの連帯とインターミディアリーNPO/行政、官製巨大NPO、市民NPOのパートナーシップ
コラム6「キューバのNPO」
5 市場原理とのバランスを求めて
ソ連流のモノ重視経済の破綻/モラルによるボランティア動員とその失敗/痛みの伴わない構造改革/守るべき社会主義の理念
コラム7「『坂の上の雲』とキューバ」

21世紀の都市は園芸化する
1 躍進する世界の都市農業

将来は市民の食料需要の半分を担う都市農業/実態調査を通じて国連も都市農業に注目/アフリカから東欧まで都市農業は市民を養う/都市農業は地球温暖化の防止に貢献する?
2 江戸は世界最大の園芸都市だった
ゼロエミッション都市・江戸/環境破壊を招いた江戸の列島改造/フロンティアの喪失と累積赤字の増大/麗しき東洋のアルカディア/産業革命に匹敵した江戸の勤勉革命/ソーシャル・キャピタルが豊かな社会



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本「有機農業が国を変えた −小さなキューバの大きな実験」吉田太郎5

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有機農業が国を変えた −小さなキューバの大きな実験

○著者: 吉田太郎
○出版: コモンズ (2002/08,単行本 251ページ)
○価格: 2,310円
≫Amazon




Sustainability 持続可能性を理解したい!、と考える(語り得ない!?)ぼくが、最近もっとも感銘を受けたのが、吉田太郎 訳「百姓仕事で世界は変わる −持続可能な農業とコモンズ再生 (ジュールス・プレティ著,築地書館,2006.2)」で、
『旧くからヨーロッパでは、“農業 (AGRI-CALTURE)”は、“agri (農地)”と“calture (文化)”の二つが結びついたものとされてきた』と説かれ、さらには、『およそ600世代(1万2000年)にわたって続いてきた農業が、この2〜3世代(40〜60年)の急激な変化の前に、瞬く間に安定性を失っている』と。そこで、数少ない成功事例として取り上げられていたのが、『持続可能な農業にむけたキューバの国家政策』だった。

環境破壊的な工業社会の未来に疑問を抱き、金子美登さんの霧里農場を初めて訪ね、研修生として農業のまねごとをさせていただいたのは、大学院生のときである。思い起こせば、有機農業とのつきあいは二〇年近くなる。 (P.247)
と、あとがきに書き記す著者“吉田太郎 (1961- )”は、本書の冒頭、
「世界でもっとも有機農業が進み、今注目すべき国はどこか」と問われたとき、あなたの脳裏には、どの国が思い浮かぶだろうか。
日本ではあまり知られていないが、実はキューバは世界でも類を見ない有機農業先進国である。 (P.6)
皮肉(?!)にも、そのキッカケともなった、キューバの経済危機、
八九年から九一年にかけて社会主義圏が崩壊する、キューバは未曾有の経済崩壊と食糧危機に面してしまう。農業省のレオン国際局長が、当時を振り返る。
「ソ連からは一〇〇万トン以上の化学肥料、約三万トンの農薬、約二〇〇万トンの家畜飼料を輸入していましたが、そのすべてが大きく減りました。石油の輸入も同様に減り、八万五〇〇〇台あったトラクターの多くは停止してしまったのです。貿易量は八五%も減少しました」(中略)
革命以来の指導者カストロは「食料問題が最優先だ」と宣言し、九一年九月、国を戦時経済体制化におく。キューバ人言うところの「スペシャル・ピリオド」が始まったのである。六二年のミサイル危機をも乗り越えてきたカストロが「改革始まって以来の最大の危機」と称したのだから、どれほど事態が深刻であったかがわかるだろう。

食糧危機を抜け出す道は、輸入資源に依存しない生産方法である。大型機械や農薬・化学肥料に依存する近代農業を捨てるしかなかった。カストロは農業のすべてを「オルターナティブ」な方法で行うように命じ、農業省も「今後は有機農業で行う」と公式に宣言した。かくして、国をあげて有機農業への転換が始まるのである。 (P.20-P.22)

「機械は土に圧力をかけるんです。昔からやっていた方法で、質のよい作物はできます。機械を使うと、どうしても自然を破壊してしまいます。機械は壊れたら買い換えられますが、壊した自然を回復するには五〇年もかかるんです。自然とうまく付き合ったほうが、持続的な発展ができるのではないでしょうか」
セグントさんは、牛耕の利点をこう表現した。 (P.64)

日本では石油の輸入を前提に、農業の大規模化や大型ほ場整備が進められている。しかし、キューバのように石油の輸入が突然とだえたらどうなるのだろうか。全国の大型トラクターのほとんどは、鉄屑と化してしまうだろう。自然の流れを無視してポンプで水を汲み上げている大規模水田にも、水は来なくなってしまうだろう。キューバの牛耕への転換は、脱石油時代の持続可能農業という視点から見て、日本にも大きな課題を問いかけている。 (P.66)


「多くの人びとは、農業を単純で当たり前の活動だと考えています。しかし、それは間違いで、農業はすべての偉大な文化の塊です。なぜなら、天候、土壌、作物、家畜、自然のサイクルと多くの知識が必要なだけでなく、その知識を日々用いることが求められるからです。食べ物は工場からやってくると思われがちですが、実際には、世代から世代へと創造されてきた文化によって生み出されています」 (P.188)



≪目次: ≫
プロローグ 知られざる有機農業大国
第1章 経済危機と奇跡の回復

1 カリブから吹く有機農業運動の新しい風
2 食料危機からの回復を支えた人びと
第2章 有機農業への転換
1 キューバの土づくり
2 病害虫・雑草との闘い
3 循環型畜産への挑戦
4 広まる小規模有機稲作運動
5 化学水耕栽培から有機野菜へ
6 有機認証をめざす輸出作物
第3章 自給の国づくり
1 有機農業を支えた土地政策と流通価格政策
2 大規模農場の解体と新しい協同農場の誕生
3 広がる都市農業
4 新規就農者と個人農家の育成
5 流通の大胆な改革
第4章 有機農業のルーツを求めて
1 経済危機で花開いた有機農業研究
2 有機農業に長く取り組んできた農民たち
3 有機農業のモデルプロジェクト
4 有機農業と持続可能農業
第5章 有機農業を成功させた食農教育
1 汗の価値を忘れない人間教育
2 市民たちの野菜食普及運動
3 実践的で開かれた大学教育
エピローグ 日本とキューバの有機農業交流を



ネギとキャベツと・・・
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200万都市が有機野菜で自給できるわけ −都市農業大国キューバ・リポート
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書評/社会・政治

本「百姓仕事で世界は変わる −持続可能な農業とコモンズ再生 AGRI-CALTURE: Reconnecting People, Land and Nature」ジュールス・プレティ、吉田太郎 訳5


百姓仕事で世界は変わる −持続可能な農業とコモンズ再生 AGRI-CALTURE: Reconnecting People, Land and Nature
著者: ジュールス・プレティ、吉田太郎 訳
単行本: 396ページ
出版社: 築地書館 (2006/02)




「この著作の内容を、要約してサラリと語れるようになりたいなぁ、、、」と思うぼくは、およそ10か月前に読了している、本書と同じく築地書館から刊行、吉田太郎著「世界がキューバ医療を手本にするわけ (2007.8)」を、まったく書き記せていない。そして今も。

最近好んで手にする“佐藤優 (1960- )”の著作に何度か登場した言説に、「貧困がまったく存在しない社会の実現こそ、究極的ともいえる大きな夢」とあって、確かに、日本にあってもワーキングプアが問題視されて久しい。明治維新からの急激な経済の発展を経て、何かがおかしい!?、その何かの手がかりを、“農業 AGRI-CALTURE”から紐解く。
農業と食べ物を生産する仕組みのどこかがおかしい。過去一世紀の間に、食料の生産性を高めるという点では大きな進展がなされた。にもかかわらず、いまだに何億人もの人びとが餓えており、栄養失調状態におかれている。何億人もが十分に食べられないか、劣悪な食べ物しかとることができずに、病気にかかっている。環境も痛手を受けており、その環境悪化の多くは、近年発展してきた農業生産システムにともなって起こっているように思える。
(中略)
ヨーロッパ農業に関して今も残る最古の文献では、農業は“agri”(農地)と“calture”(文化)の二つが結びついたものと解釈されている。そして、食べ物はそれを生み出す文化とコミュニティの生命にかかわるものと見なされていた。だが今、工業的な農業が支配するなかで食べ物はたんなる商品と見なされ、農業はまるで工場のラインのように組織化されている。私が疑問を投げかけたいのはここなのだ。なるほど十分に食料を生産することは可能だ。十分な生産を損なわずに私たちは「農業」に文化を取り戻せるのだろうか? アグロエコロジー(農業生態学)や人びとが力を合わせて働くことのメリットをきめ細かく理解したうえで、公平で効率がよい持続可能な農業をつくり出せるのだろうか?

二一世紀の幕は飽いたが、人類は重大な岐路にさしかかっている。人間は約六〇〇世代にわたって農業を営んできたが、そのほとんどの歳月で農業と消費活動は、文化や社会と密接に結びついていた。圃場や草地、森林、河川、海が重要で意味をもつように、食べ物も重要で意味がある。だが、この二、三世代では、工業の原理にもとづいた農業が発展してきた。なるほど工業的な農業は大成功を収めたし、面積や労働当たりでは、以前よりもはるかに多くの食料を生み出している。だが、それが効率的にみえるのは、土壌の喪失、生物多様性へのダメージ、水質汚染、健康への被害といった有害な副作用を度外視しているからなのだ。
一万二〇〇〇年の長きにわたり、農業はずっと安定してきた。だが今、爆発的なまでの急激な変化の前に、農業は瞬く間にその安定性を失い、その急激な変化は、人びとの考え方や行動様式も根底から変えてしまった。だが私は今、私たちはこれとはまた別の変化の分岐点にいるのだと考えている。天然資源、人びとの知恵、集団の力――これらを最大限に遣いきる持続可能な農業は、よい兆しをみせつつある。とはいえ、多くの人たちはそのことをほとんど信じていない。しかも、先駆者たちは、たいがい極貧状態におかれていて、社会からも疎外されているから、その声は大きな枠組みのなかではめったに耳にされることがない。そのために持続可能な農業は静かな革命なのだ。 (P.11-P.13)

毎日パンを買ったり焼いたりするときに、実際のところパンの値段はいくらなのだろうかと、私たちはいつも疑問に思う。なるほど値段が安いことにこしたことはない。(中略)
だが、食べ物はけっして安くはない。農業生産を行った結果、発生する環境や健康へのダメージ。この隠れたコストを考慮していないために、安くみえているにすぎない。実際のところ、私たちは食べ物に対し三回も代金を支払っている。まずは店で、二度目は農家への補助金や農業開発支援に使われる税金で、そして三度目は環境や健康へのダメージを修復するためにだ。こうしたコストを社会のどこかが負担しているから安くみえるのであって、経済学者が指摘するように真のコストは店頭価格に組み込まれてはいない。 (P.99-P.100)

「参加」という言葉は、今ではどの開発機関や保全機関でもごくふつうに使われている。だが、参加という言葉は誤解されがちで、これが多くの逆説を生み出している。外部機関から自律して住民がイニシアティブを握り自発的な動員をする能動的な参加から、起こっていることをただ告げられ、あらかじめ決められた路線に沿って行動するだけという受動的な参加まで、参加という言葉を組織が解釈し用いるケースは幅広い。従来型の開発ではふつう、食料、現金もしくは物資の見返りに地元住民が働くよう奨励することが参加とされている。だが、物質的なインセンティブは人びとの認識をねじ曲げ、依存体質を生み出し、「地元住民は外からのイニシアティブで動かされることを望んでいる」との誤解も招きやすい。地元の関心や能力を構築することに努力が払われないと、ひとたびインセンティブがなくなれば、人びとは構造物を維持したり取り組みを続けようとは思わないし、人びとが認識のフロンティアを超えなければ、エコロジーの理解力も得られない。
だが、権威体制側は人びとの参加を必要としながらも、同時にこの参加を恐れるというジレンマに陥っている。人びとの合意や支援を必要としながらも、際限なく関与を広げていくと管理しにくくなってしまうではないかと懸念する。この懸念から、効果的に演出された形だけの参加しか認められなければ、住民側の不信感や大きな疎外感を招くだけに終わってしまう。
参加とは、当初に計画された以上の新た何かが発見され、さらに前進していくことを意味する。人びとの思考や行動パターンを変える共働的なオルターナティブな学びのプロセスを開発することを意味するのだ。 (P.258)



≪目次: ≫
序章 持続可能な農業への静かなる革命
第1章 世界の自然を守ってきた伝統農業

この共有資産/世界の食料問題/コモンズとの結びつき/形づくり、形づくられること/つながりを断ち切る二元性/原生自然の考え方/野生の物語とその記憶/フロンティアの言葉と記憶/重要な物語の語り部たち
第2章 コモンズの破壊がもたらした光と陰
景観に隠された暗い側面/イギリスにおけるコモンズからの排除/湿地と森林の勝者と敗者/インドにおけるコモンズからの排除/東南アジアにおけるコモンズの知恵の損失/近代の強奪/インドにおける森林保全とその利用権/保護地域と国立公園での自然保護/近代主義と景観の単調化/自然な場所を再び手に入れること
第3章 食の安全・安心と農業・農村の多面的機能
食べ物の本当の値段/農業のユニークな多面的機能/外部不経済の金銭評価/集約的な農業の水域や湿地への影響/工業的農業とその食べ物がもたらす病気/農村景観の価値の金銭評価/農業への炭素のわりあて/政策は持続農業の支援となりうるか?/統合化にむけた抜本的な挑戦/持続可能な農業にむけたキューバの国家政策/持続可能な農業にむけたスイスの国家政策
第4章 途上国で静かに進む有機農業革命
中米での革命/農業開発に対する重大な選択/持続可能な農業は機能しているのか?/土の健康の改善/水利用の効率性の改善/無農薬農業/システム全体の相乗効果/マダガスカルの集約稲作法(SRI)/ベトナムの塩水農業/中国でのエコロジカルな再構築/障害要因とトレードオフ
第5章 地産地消とスローフード
なんという成功/商品なのか文化なのか/家族農業文化は終焉してしまうのか/低下する食品価格に立ち向かう/持続可能な農業/持続可能な食空間とバイオリージョナルとの結びつき/コミュニティ支援農業/農民グループの価値/農民市場/地産地消とスローフード
第6章 遺伝子組み換え農産物
遺伝子組み換え技術とは何か/医療や農業分野での開発/対立する立場、そして、段階によって異なる技術/遺伝子組み換え作物の環境や健康への危険性/さまざまな利害関係者の対立する関心/遺伝子組み換え技術は、新技術として定着し、持続性に貢献するのか/大企業の味方か、それとも農民たちの友人なのか/遺伝子組み換え技術は、世界の食料問題を解決するのか、持続可能な農業を抹殺するのか/今後の政策の方向性
第7章 社会関係資本とコモンズの再生
自然の知識/エコロジーの理解力を構築する/「社会関係資本」の考え方/自然を改善するうえで先行条件となる社会と人間の関係/参加と社会的な学び/新たなコモンズの創造/結びつくことの個人的なメリット/社会関係資本の成熟/持続可能な未来のための資産構築
第8章 未来への扉を開く先駆者たち
デザインの抜本的な変更/土地、自然、食料生産のための倫理/オオカミの身になって考えること/環境のデザイナー/漁師と詩人/綿農家の女性たち/農民なき土地は不毛となる/山岳砂漠地帯の人たち/ケニアの役人たち/奇跡の菜園/有望な事例を結びつける
訳者あとがき 世界の農業の新たなうねりが、日本の農業に投げかける意味
開発途上国から垣間見えるもうひとつの世界農業の胎動/脱石油時代をみすえた本当の食の安全保障策とは/世界の改革からみえてきた、日本農政をよみがえらせるための道/環境直接払いで、持続可能な農業への転換をめざすスイス/行政改革と必要な農業振興策とをきちんと区別する韓国/大規模企業的な農業振興路線に決別し、小規模農家育成と有機農業支援の農政を転換/切れた自然や大地との絆の回復/コモンズが切り開く新たな有機革命/中米で静かに進む持続可能な農業革命/今アンデス高原でよみがえる2,500年前の古代農法/マダカスカル発、超稲作増収技術は人類を飢餓から救うのか?/国家的転換、コモンズ、そして新技術 −三位一体で持続可能な農業革命の先端をいくキューバ/安全な食を供給するコミュニティの力


≪著者: ≫ ジュールス・プレティ (Jules Pretty)
1989年から国際環境開発研究所で持続可能な農業プログラムのディレクターを務め、1997年より、エセックス大学(イギリス)生物科学部長、同大学の環境社会センター長。研究領域や関心は、持続可能な農業にとどまらず、グリーンな運動、土壌の健康と炭素隔離、社会関係資本と天然資源、生物多様性とエコロジカルなリテラシー、農業政策と真のコストと多岐にわたる。遺伝子組み換え農産物の健康や環境に対するリスクを政府に提言する環境リリース諮問委員会副委員長のほか、環境食糧省、国際開発省、貿易産業省などで政府諮問委員会の委員を務め、イギリス農業の再生のための国家戦略を提言するなど、政府の知恵袋としても活躍している。また、持続可能な農業の重要性を広く国民に啓発するため、マスコミやメディアにも積極的に登場し、1999年にはBBCラジオの四回シリーズ「エデンを耕す(Ploughing Eden)」、2001年にはBBCテレビの「奇跡の豆」の製作にあたった。2002年からはスローフード賞の国際審査委員も務めている。著書は多数あるが、日本で紹介されるのは初めて。

≪訳者: ≫ 吉田 太郎
1961年東京生まれ。筑波大学自然学類卒業。同学大学院地球科学研究科中退。東京都産業労働局農林水産部を経て、長野県農政部農政課勤務。有機農業や環境問題は学生時代からの関心事。社会制度や経済など広い視野から「業」としての農業ではなく、持続可能な社会を実現しうる「触媒」としての「農」や「里山」のあり方を模索している。著書に『200万都市が有機野菜で自給できるわけ (2002.8)』『1000万人が反グローバリズムで自給・自立できるわけ (2004.1)』(築地書館)、『有機野菜が国を変えた、小さなキューバの大きな実験』(コモンズ)などがある。


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それでは、持続可能な農業とはどのようなものなのだろうか? 第一に持続可能な農業は、環境にダメージを与えることなく、自然を最大限に活用しようとする。生産過程に、栄養分の循環、窒素固定、土壌の再生、天敵の利用といった自然のプロセスを結びつける。環境にダメージを与えたり、農民や消費者の健康を害する非再生資材の使用も最小限に抑えられる。農民たちの知識や技術を使えるようにし、農民たちの自律性を高め、人びとの集団的な能力をいかし、害虫、水域、灌漑、森林、資金のマネジメントといった、共同管理の問題を協働して解決する努力もしている。
持続可能な農業は、景観や経済において多機能だ。農家の家族や市場むけに食料その他の製品を生産しながらも、きれいな水、生物多様性、土壌中の炭素固定、地下水涵養、洪水防止、環境アメニティーといった一連の公共財にも寄与している。もちろん、天然資源を最大限に利用できるように、持続可能な農業の技術や実践は地元の状況に適応されなければならない。そして、持続可能な農業は、新たな社会関係(新たな社会組織によって実現する信頼関係)と関係諸機関の横と縦とでのパートナーシップ、人的能力(リーダーシップ、創造力、経営手腕と確信の能力)を備えることで最も発揮される。このようにして、不確実性に直面しながらも、ハイ・レベルの社会関係資本と人的資本を備えた農業生産システムは、より革新的になれるのだ。 P.141-P.142)

江戸は19世紀世界最大の都市である。人口は100万人を超え、人口密度は現在の東京の3倍以上だった。江戸時代は約300年続いたが、その間の芸術・文化面での革新は並はずれたもので、茶の湯、生け花、能、歌舞伎、独特の建築や都市計画、風景画と日本の主要伝統芸術のすべてを生み出した。1830年代に描かれた葛飾北斎の富士山が代表するように、最もよく知られた日本のイメージの多くは江戸時代に由来する。建築家の黒川紀章は、江戸は都市公園と菜園の緑によって花の都市として知られていたとし、江戸の最も重要な特徴のひとつがハイブリッドで有機的な自然のデザインにあったとする。江戸時代は多様性に富み、機能するものはなんであれ、都市や農村空間で使うことができた。だが、カオス状態におかれていたわけではない。何が機能するかは調和の原則にもとづき決定されていたからだ。多様性は統合にもつながり、さまざまな要素を組み合わせることで、要素をたんにあわせたよりも全体としての価値をさらに高めていった。 (P.89-P.90)

オオカミは、人間にとって重要で、象徴的な関係で、食べ物の残り物の見返りとして他の略奪者からガードし、それがおそらく約1万2000年〜1万4000年前の犬の家畜化をもたらした。 (P.306)

本「世界がキューバ医療を手本にするわけ」吉田太郎5


世界がキューバ医療を手本にするわけ
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書評/ルポルタージュ


「・・・かつて、ホセ・マルティ(José Julián Martí Pérez,1853-1895、キューバの文学者、革命家、独立思想家、建国の英雄)は、『教育されることが唯一自由になれる方法だ』と語りました。言葉を換えれば、文化があれば人民は自分の思想を持ちます。私たちは、人民が批判精神を失わずに、自分で物事を決められる能力を持つことを望んでいるのです。それは、知性を抑制し、世界中の人間を馬鹿にしようとする米国の消費文化主義との戦いなのです。消費主義に対抗できるのは、文化だけだと思いますし、グローバル化しなければならないのは、爆弾や憎しみではなく、平和、連帯、健康、そして誰しものための教育と文化なのです。」
小説家から、1997年に文化賞大臣になったアベル・プリエト氏は語る。
本が好き!PJ”からの献本。医療大国としての側面から、変化し続けるキューバの姿を克明に描いた最新リポート。
キューバにこだわる、農政業務に従事する地方公務員(長野県農業大学校勤務)の著者”吉田太郎”が、
キューバの医療制度の概要を知るコンパクトな入門書
を自負する著作。
世界情勢に疎い私にも、読み易く、分かり易い。
いきなり、
全世界174カ国の福祉医療の現実・・・
一人あたりの所得と乳幼児死亡率が、みごとに相関している。
・・・
「金がなければ、子どもたちの命は救えない・・・」
・・・
だが、ただ一国、・・・逸脱している国がある。
「人の命は 金銭よりも 価値があり 優しさと 思いやり さえあれば 命は救える。」
キューバの医療哲学は、まことに過激だ・・・

と、投げ掛ける。

実は、手にしたキッカケは、映画館の上映予告での、マイケル・ムーア監督「シッコ」の派手な映像がフラッシュバックされた、であり、「地図で読む世界情勢 第1部 なぜ現在の世界はこうなったか」に刺激された、世界情勢への興味。

そして、恥ずかしながら、現在の自分自身の健康体に甘んじて、リアルな現実としての”医療問題”を直視することがなかった。確かに、世界各国の福祉医療の崩壊が進んで久しいようだ。当然に日本も例外ではないのであろう。だから、ジャーナリスト マイケル・ムーア監督も、映画を作ったのであろうが。


本書において語られる、社会主義共和国”キューバ”の素晴らしさ。
われわれの原則は人類の幸せのために働くことにある。ここは、キューバのためだけではない。全人類のためのに、世界のために働くことに覚える充実感。
、ことあるごとにキューバの人々の口から聞かれる。
なるほど、私もキューバでの暮らしを選ぼう!
崩壊しつつある資本主義国家の、ますます拡大する格差や歪み、強い者や富める者がますます強く富み、弱き者や貧しい者はますます弱く貧しくなる、大きな矛盾。矛盾に満ちた社会への疑問。
医療費も、教育費も無料の、格差の無い、平等な、精神的に豊かな社会。コミュニティ(共同体)が機能し、共有し合い、共存する社会。


実は、8月14日に読了し書き記し始めたものの、どうしても書けない。
考えがまとまらない。
仕方が無いので、頭の片隅に残しつつ、暫しそのままにした。
素晴らしいレポート(本書)は完成度が高い報告書なのだから、その内容について、私には充分に理解し得ない故に、そういうものだ、ということで理解する。
社会主義”について、今後、興味を持ってその真髄を探る。一方では、社会主義国家の崩壊、ソ連東欧中国などの、現実を認識する。
現時点において、優れた体制が構築されたキューバ。
革命家たちの高い理想を実現させ、高い医療技術、教育機関を有している現状。亡きチェ・ゲバラ(Ernesto "Che" Guevara Lynch)であり、初代国家評議会議長として、30年以上政権を握り続けるフィデル・カストロ(Fidel Castro Ruz)の手腕。
アメリカとの関係、ソ連の崩壊、度々の経済危機、刻々と変わり続ける情勢の中でも、着実に築き上げてきた現在の地位。
現状から判断するキューバの状況は、独裁者の判断が結果的に好かった。現時点においては、優れている。将来は、誰にも分からない。
高齢のカストロの後継者は?


優れたものは、素直に認め、受け容れ、理解し、分析する。
表面のみに捉われることなく、本質的な解釈を図り、充分な考察を加える。
本質的な理解への道程は容易ではない。
自らの現在の状況の冷静な把握との対比。
それでも、自らに与えられた状況に有する絶対的な意義。過去の積み重ねに基づく、現在の状況。目指す姿、夢、新たな挑戦、現実逃避。

深く考えさせられて、全く纏まりを見せない。
それでも、立ち止まることなく歩む、自らの足で、意思の下に。

長生きのためには、いつまでも人生に興味やモチベーションを持ち続けること、禁煙し、飲酒をやめ、スポーツを行い、野菜が多いバランスが取れた食事を摂り、楽しい文化活動に参加することが必要









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主として“本”が織りなす虚構の世界を彷徨う♪

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写真 Canon IXY900IS(since 2006.12.4) & EOS40D + EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM(since 2008.7.23) + EF100mm F2.8 Macro USM(used, since 2008.9.10) + EF-S55-250mm F4-5.6 IS(used, since 2008.9.30) + EF50mm F1.8 供used, since 2009.4.4)

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