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キューバ

本「「没落先進国」キューバを日本が手本にしたいわけ」吉田太郎5

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「没落先進国」キューバを日本が手本にしたいわけ
「没落先進国」キューバを日本が手本にしたいわけ

○著者: 吉田太郎
○出版: 築地書館 (2009/10, 単行本 336ページ)
○価格: 2,100円
○ISBN: 978-4806713906
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キューバ・リポート第5弾。
小さいことは、意外に良いことなのかもしれない。
広大なアメリカ大陸(巨大なアメリカ合衆国)を背にして、大西洋にひらける、小さな島国としての“キューバ”と、広大なユーラシア大陸(巨大なロシア・中国)を背にして、太平洋にひらける、小さな島国“日本”と。なぜか不思議なことには、かつての東西冷戦時代には、それぞれ対抗する勢力にもっとも近接した、ある意味での前線基地?!、的な位置づけ。それゆえに、良くも悪くも注目を浴びないわけにはいかず、その面積的な小ささに比較するには大きな存在感をもってして。それでもやっぱり現実的に、小さいことには変わりがなくて、超大国の支援や何らかの後ろ盾があってこその栄華とも。
世界を二分していたうちの一極たるソ連が崩壊して、それは、資本主義 対 共産主義(社会主義)という社会システム(イデオロギー)の争いだったのかどうなのか。その勢力争いさえも、資本主義的な市場の原理のようなものが作用していたのかもしれない。社会システムで統治しようと試みて、しかしシステムに規定したとおりにものごとが進行するものでもなく、ヒトの考えはさまざまで、そもそも多様性に担保されてバランスが保たれている面を無視できなかろう。欲望には抗えない。誘惑に克つことは困難で、容易く負ける、易きに流される。システムからこぼれおちる、闇の部分のエネルギーは小さくないのであろう。規模が大きければ、小さくない力が集結して、結果として国家を崩壊に導くほどのエネルギーとなるのであろうか。ちょっとした不平不満を抱えた民衆と官僚の、それぞれのちょっとした欲望やよこしまな行動が、、、ところで、その善からぬことを画策する欲望とは。


≪目次: ≫
機…仰禧飛行の勧め
1 太平洋大西洋の二つの島の奇妙なシンクロ
    「坂の上の雲」から「崖の上のポニョ」へ/超低空飛行国家――没落先進国キューバに学ぶ/ワーキングプア社会から登場したゲリラ闘争/東西冷戦終焉後の地政学
2 地球環境の制約内で暮らす    世界唯一の持続可能な国家/経済危機を契機に省エネ運動を展開/教育を通じて全国民への省エネを実現/他国にも広がるエコ革命の輸出
3 キューバは地上の楽園なのか    ハバナの休日/マスコミも着目しはじめたキューバの医療と教育/楽園の住民たちの四つの不満/【コラム1 キューバは所得差200倍もの超格差社会】

供 ̄風を凌ぐ住まいを作る
1 オンボロ住宅屋上活用法
    屋上にドラム缶を吊り下げて野菜を栽培/屋上でウサギを飼育/数世代同居のウサギ小屋生活/家の物々交換に人だかり/偽装結婚からペテンの詐欺まで
2 コミュニティの建築家    ボランティアで住宅建設/経済危機で破綻したプレハブ住宅建設モデル/オーナーとの対話を通じて家を改築/建て主に自信をつける家づくり/コミュニティによって住宅問題は解決できる
3 エコ資材で家を建てる    オンボロ住宅を襲うハリケーン/人工衛星から古代ローマの技術に逆戻り?/建築資材として竹を活用/建築資材の地産地消で地元に雇用を創出/マイクロ・クレジットで資源は動く/南々協力で他国へも広まるエコ資材/【コラム2 「古代の建築資料」再発見の理由】
4 街づくり運動で蘇るスラム    ハードからソフトへ・住民参加型のワークショップ/住民参加でゴミを片づけ、ゴミ捨て場を森に変える/経済危機で元の木阿弥/【コラム3 市民の声は真実か?】

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1 高い食費と乱れる食生活
    エコ・レストランのキャンドルナイト/収入の三分の二にも及ぶ食費
2 荒れる農地とお役人農政    わずか半分しか耕されていない農地とサトウキビ改革の失敗/機能不全の役人天国/始まったラウルの農業改革/遊休地を貸し出し、やる気のある農家を規模拡大
3 地元農業改革プログラムで変わる農村    ハリケーン被災後も挫けない農村現場/アグロエコロジーで自給を目指す山村/エコ農法と地方分権化を進める地元農業改革プログラム/参加型のプログラムで変わる女性たち/【コラム4 都市農業と有機農業】
4 農民参加型の品種改良    農民たちが自ら行う品種改良/経済危機で種子生産力が半減/苦肉の策で始まった農民参加型の種子改良/種子交換フェアで品種が二〇倍に/各自の好みに応じた多様な育種/高収量品種よりも優れもの/農民を信頼することでコストもエネルギーも削減

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1 ハリケーンで死傷者が出ない国
    災害の方程式――キューバは国連防災のモデル国/ペットも一緒に避難所に避難/被災はあくまでも自己責任
2 皆で築きあげる安全の文化    顔が見えるハザード・マップづくり/衛生管理と予防で被災者の健康を保障/世界を視野に入れた防災医療センターの防災教育/ボランティアが総がかりで取り組む災害復旧/教育を通じて安全の文化を育む/格差社会をなくすことが被害も減らす
3 地元学を生かす安心社会    二度のハリケーンにも挫けずに学校を復旧/地元学で地域の課題を解決する子どもたち/反貧困の「正義」とは「希少資源の配分問題」/【コラム5 したたかな小国の生き残り戦術】

后,金やモノよりも文化を大切にする国
1 子どもたちは幸せになるために生まれてくる
    赤ちゃんとお母さんの健康を守る/母乳育児のために一年間の産休/父親にも家事と育児のための産休を
2 民衆教育と参加型の政治改革    縦割り行政の限界を突破するために市町村を“逆合併”/広まる民衆教育で変わる人々/ソ連崩壊を契機に始まった民衆参加/輸入モノの社会主義を見直す/住民参加によって築かれる若者たちの明日
3 芸術文化を大切にした国づくり    ソ連崩壊で風穴があいた自由への扉/文化の家を通じて国民の芸術力を伸ばす/文化を軸に格差に対抗――心を癒し自由になるためのプロジェクト/所有から満足する文化へ
4 滅び去りしパックス・トクガワーナ    貿易赤字で資源枯渇したジパング/外国人を驚かせた教養高きフリーター国家/自己責任のグローバル経済から鎖国自給という選択/権力と富を分けた徳川のガバナンス/マハンの進出プランの餌食にされたキューバ
5 人が尊厳をもって暮らせる街を作る    数世紀前にタイムスリップできる巨大博物館/先人の意思を継承し歴史文化財を守る/自己財源で歴史空間を復元/社会的事業に収益の四割をまわす/歴史伝統文化を享受する市民たち/建物の復元修復で雇用を創出

あとがき
参考文献
用語集
著者紹介


≪著者: ≫ 吉田太郎 (よしだ たろう) 1961年東京生まれ。筑波大学自然学類卒業。同学大学院地球科学研究科中退。東京都を経て、現在、長野県農業大学校勤務。
著訳書には、『200万都市が有機野菜で自給できるわけ――都市農業大国キューバ・リポート』、『1000万人が反グローバリズムで自給・自立できるわけ――スローライフ大国キューバ・リポート』、『世界がキューバ医療を手本にするわけ』、『世界がキューバの高学力に注目するわけ』、『百姓仕事で世界は変わる』(以上、築地書館)、『有機農業が国を変えた』、『江戸・キューバに学ぶ“真”の持続型社会』(共著、日刊工業新聞社)などがある。
ホームページ: http://www14.plala.or.jp/Cuba/index.htm
ブログ: http://pub.ne.jp/cubaorganic/

吉田太郎 『世界がキューバの高学力に注目するわけ』(築地書館、2008年) '09/01/02
吉田太郎 『1000万人が反グローバリズムで自給・自立できるわけ――スローライフ大国キューバ・リポート』(築地書館、2004年) '08/08/28
吉田太郎 『200万都市が有機野菜で自給できるわけ――都市農業大国キューバ・リポート』(築地書館、2002年) '08/07/01
吉田太郎 『有機農業が国を変えた――小さなキューバの大きな実験』(コモンズ、2002年) '08/06/28
ジュールス・プレティ 『百姓仕事で世界は変わる――持続可能な農業とコモンズ再生  AGRI-CALTURE: Reconnecting People, Land and Nature』(吉田太郎訳、築地書館、2006年) '08/06/04
吉田太郎 『世界がキューバ医療を手本にするわけ』(築地書館、2007年) '07/08/18







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書評/ルポルタージュ


「・・・かつて、ホセ・マルティ(José Julián Martí Pérez,1853-1895、キューバの文学者、革命家、独立思想家、建国の英雄)は、『教育されることが唯一自由になれる方法だ』と語りました。言葉を換えれば、文化があれば人民は自分の思想を持ちます。私たちは、人民が批判精神を失わずに、自分で物事を決められる能力を持つことを望んでいるのです。それは、知性を抑制し、世界中の人間を馬鹿にしようとする米国の消費文化主義との戦いなのです。消費主義に対抗できるのは、文化だけだと思いますし、グローバル化しなければならないのは、爆弾や憎しみではなく、平和、連帯、健康、そして誰しものための教育と文化なのです。」
小説家から、1997年に文化賞大臣になったアベル・プリエト氏は語る。
本が好き!PJ”からの献本。医療大国としての側面から、変化し続けるキューバの姿を克明に描いた最新リポート。
キューバにこだわる、農政業務に従事する地方公務員(長野県農業大学校勤務)の著者”吉田太郎”が、
キューバの医療制度の概要を知るコンパクトな入門書
を自負する著作。
世界情勢に疎い私にも、読み易く、分かり易い。
いきなり、
全世界174カ国の福祉医療の現実・・・
一人あたりの所得と乳幼児死亡率が、みごとに相関している。
・・・
「金がなければ、子どもたちの命は救えない・・・」
・・・
だが、ただ一国、・・・逸脱している国がある。
「人の命は 金銭よりも 価値があり 優しさと 思いやり さえあれば 命は救える。」
キューバの医療哲学は、まことに過激だ・・・

と、投げ掛ける。

実は、手にしたキッカケは、映画館の上映予告での、マイケル・ムーア監督「シッコ」の派手な映像がフラッシュバックされた、であり、「地図で読む世界情勢 第1部 なぜ現在の世界はこうなったか」に刺激された、世界情勢への興味。

そして、恥ずかしながら、現在の自分自身の健康体に甘んじて、リアルな現実としての”医療問題”を直視することがなかった。確かに、世界各国の福祉医療の崩壊が進んで久しいようだ。当然に日本も例外ではないのであろう。だから、ジャーナリスト マイケル・ムーア監督も、映画を作ったのであろうが。


本書において語られる、社会主義共和国”キューバ”の素晴らしさ。
われわれの原則は人類の幸せのために働くことにある。ここは、キューバのためだけではない。全人類のためのに、世界のために働くことに覚える充実感。
、ことあるごとにキューバの人々の口から聞かれる。
なるほど、私もキューバでの暮らしを選ぼう!
崩壊しつつある資本主義国家の、ますます拡大する格差や歪み、強い者や富める者がますます強く富み、弱き者や貧しい者はますます弱く貧しくなる、大きな矛盾。矛盾に満ちた社会への疑問。
医療費も、教育費も無料の、格差の無い、平等な、精神的に豊かな社会。コミュニティ(共同体)が機能し、共有し合い、共存する社会。


実は、8月14日に読了し書き記し始めたものの、どうしても書けない。
考えがまとまらない。
仕方が無いので、頭の片隅に残しつつ、暫しそのままにした。
素晴らしいレポート(本書)は完成度が高い報告書なのだから、その内容について、私には充分に理解し得ない故に、そういうものだ、ということで理解する。
社会主義”について、今後、興味を持ってその真髄を探る。一方では、社会主義国家の崩壊、ソ連東欧中国などの、現実を認識する。
現時点において、優れた体制が構築されたキューバ。
革命家たちの高い理想を実現させ、高い医療技術、教育機関を有している現状。亡きチェ・ゲバラ(Ernesto "Che" Guevara Lynch)であり、初代国家評議会議長として、30年以上政権を握り続けるフィデル・カストロ(Fidel Castro Ruz)の手腕。
アメリカとの関係、ソ連の崩壊、度々の経済危機、刻々と変わり続ける情勢の中でも、着実に築き上げてきた現在の地位。
現状から判断するキューバの状況は、独裁者の判断が結果的に好かった。現時点においては、優れている。将来は、誰にも分からない。
高齢のカストロの後継者は?


優れたものは、素直に認め、受け容れ、理解し、分析する。
表面のみに捉われることなく、本質的な解釈を図り、充分な考察を加える。
本質的な理解への道程は容易ではない。
自らの現在の状況の冷静な把握との対比。
それでも、自らに与えられた状況に有する絶対的な意義。過去の積み重ねに基づく、現在の状況。目指す姿、夢、新たな挑戦、現実逃避。

深く考えさせられて、全く纏まりを見せない。
それでも、立ち止まることなく歩む、自らの足で、意思の下に。

長生きのためには、いつまでも人生に興味やモチベーションを持ち続けること、禁煙し、飲酒をやめ、スポーツを行い、野菜が多いバランスが取れた食事を摂り、楽しい文化活動に参加することが必要









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写真 Canon IXY900IS(since 2006.12.4) & EOS40D + EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM(since 2008.7.23) + EF100mm F2.8 Macro USM(used, since 2008.9.10) + EF-S55-250mm F4-5.6 IS(used, since 2008.9.30) + EF50mm F1.8 供used, since 2009.4.4)

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