Gori ≒ ppdwy632

〈ぼく〉の思索の一回性の偶然性の実験場。

中央公論新社

本「目からウロコの自然観察 [カラー版] (中公新書2485)」唐沢孝一5

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ヒバリはなぜ天高く舞いながらさえずるのだろうか? アカメガシワの新芽はどうして赤いのか? 百日紅(サルスベリ)はその名の通り100日咲きつづけるのか? ヒガンバナは本当にお彼岸に咲くのか? 秋にたくさんいたスズメたちは冬にどこに行ってしまうのか? 見慣れた動植物を詳しく観察してみると、意外な発見に満ちている。ツユクサやオシロイバナのような草花からチョウやツバメ、カエルまで四季の生き物の素顔をカラーで紹介。


≪目次: ≫
はじめに (2018年4月 唐沢孝一)


 1 早春の江戸川で雑草観察
 2 千葉県や東京都区内に自生するカタクリ
 3 早春に舞うギフチョウ、ヒメギフチョウ
 4 アカメガシワの葉はなぜ赤い?
 5 ニホンアカガエルの産卵
 6 ヒキガエルの蛙合戦と都市への適応
 7 花蜜や樹液を吸うメジロ
 8 ヒバリが囀る季節

初夏
 1 空地の雑草を観察する
 2 這い上がる植物
 3 庭先で観察できるジャコウアゲハ
 4 ホタルの観察――発光生物の不思議
 5 クモ――多彩なハンティング
 6 JR山手線駒込駅のツバメ


 1 サルスベリの花の思惑
 2 美しくも逞しいツユクサ
 3 オシロイバナの同花受粉
 4 日本列島を北上する昆虫
 5 暑い夏はトンボ観察
 6 身近な爬虫類――ヤモリ、トカゲ、カナヘビ
 7 アオバト――命懸けで海水を飲む
 8 数千羽のツバメのねぐら入り
 9 高山や亜高山の鳥を楽しむ


 1 ヒガンバナが知らせてくれる秋
 2 イネに擬態したタイヌビエ
 3 犬の天敵、チカラシバ
 4 ひっつき虫の観察
 5 ヘッジローともぐり込み植物
 6 ドングリとクリの実を観察する
 7 ナツヅタの紅葉と落葉
 8 アキアカネ――避暑地のできごと
 9 カマキリの捕食・交尾・産卵
 10 ジョロウグモ――命懸けの恋
 11 稲刈りとサギのオートライシズム
 12 モズの高鳴きと早にえ
 13 スズメの集団ねぐら、単独ねぐら
 14 ヒヨドリの渡り
 

 1 氷の芸術――霜柱とシモバシラ
 2 葉痕と冬芽の観察
 3 成虫で越冬するホソミオツネントンボ
 4 滑空するムササビの観察
 5 カモ類の越冬と婚活
 6 レンジャクとヤドリギの不思議
 7 視界を遮る40万羽のアトリ
 8 真鶴岬のクロマツ林、魚つき保安林

謝辞 (2018年4月1日 唐沢孝一)
索引


≪著者: ≫ 唐沢孝一 (からさわ・こういち) 1943年、群馬県生まれ。1966年、東京教育大学(現筑波大学)理学部卒業。都立高校の生物教師をへて、都市鳥研究会顧問。NPO法人自然観察大学学長。都市鳥の生態や自然観察の方法について研究している。著書、『モズの話』(北隆館)、『マン・ウォッチングする都会の鳥たち』(草思社)、『カラスはどれほど賢いか』(中公新書)、『スズメのお宿は街のなか』(中公新書)、『早起きカラスはなぜ三文の得か』(中公文庫)、『ネオン街に眠る鳥たち』(朝日新聞社)、『江戸東京の自然を歩く』(中央公論新社)、『よみがえった黒こげのイチョウ』(大日本図書)、『校庭の野鳥』(全国農村教育協会)、『野鳥博士入門』(全国農村教育協会)、『都会でできる自然観察』(明治書院)、『唐沢流自然観察の愉しみ方』(地人書館)。



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本「物語 タイの歴史 微笑みの国の真実 (中公新書1913)」柿崎一郎5

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物語タイの歴史―微笑みの国の真実 (中公新書 1913)
○著者: 柿崎一郎
○定価: 本体920円+税
○ISBN: 978-4121019134











13世紀以降、現在の領域に南下し、スコータイ、アユッタヤーといった王朝を経て、18世紀に現王制が成立したタイ。西欧列強の進出のなか、東南アジアで唯一独立を守り、第二次世界大戦では日本と同盟を組みながらも、「敗戦国」として扱われず、世渡りの上手さを見せてきた。本書は、ベトナム、ビルマなどの周辺諸国、英、仏、日本などの大国に翻弄されながらも生き残った、タイ民族2000年の軌跡を描くものである。


≪目次: ≫
はじめに

序章 歴史への誘い
 「優等生」タイのクーデタ/歴史の重要性/本書の視点/本書の構成

第1章 タイ族国家の勃興――古代〜16世紀後半
I タイ族の起源
 タイ族とは/タイ族の出自/タイ族の「くに」ムアン/南詔王国/タイ族の南下
II タイ領での政治権力の発生
 「海のシルクロード」の成立/ドゥヴァーラヴァティー/シュリーヴィジャヤ/クメール帝国の隆盛/地方拠点の出現
III スコータイ朝
 タイ族大ムアンの出現/スコータイ朝の成立/ラームカムヘーン王/マンダラ型国家の出現/スコータイの衰退
IV アユッタヤー朝
「アヨータヤー」/アユッタヤー朝の成立/アユッタヤー朝の支配論理/マンダラの拡大/ビルマとの関係

第2章 マンダラ国家の隆盛――16世紀末〜19世紀前半
I アユッタヤー朝の復興
 ビルマからの独立の回復/ナスーレアン王のマンダラ強化/港市アユッタヤーの繁栄/山田長政/プラーサートーン王
II アユッタヤーの繁栄と凋落
 ナーラーイ王/ヨーロッパ勢との確執/「交易の時代」の終焉/「平和なアユッタヤー」/ビルマによるアユッタヤー陥落
III トンブリーからバンコクへ
 タークシンの登場/トンブリー朝/タークシン王の失脚/ラッタナコーシン朝の出現/中マンダラの平定
IV ラッタナコーシン朝の反映と対立
 対外貿易の隆盛/大マンダラ間の争い/ラーオ諸国の支配/イギリスとの関係/マンダラ最後の栄光
【コラム】 王室――比類なき存在感

第3章 領域国家の形成――開国〜不平等条約の改正
I タイの「開国」
 バーネイ条約――西欧諸国との最初の関係/モンクット王/バウリング条約による「開国」/不平等条約の功罪/イギリスの非公式帝国主義
II 領域の縮小
 カンボジア保護国化/ホー征伐とシップソーンチュタイ喪失/パークナーム事件/フランスの野心/「緩衝国」
III タイの近代化
 チュラロンコーン王/チャクリー改革/お雇い外国人の活躍/領域統合への模索――鉄道の導入/不平等条約の改正
IV 国際社会への登場
 ワチラーウット王/上からのナショナリズム/第一次世界大戦への参戦/不平等条約の撤廃へ領域統合の推進――鉄道の拡充
【コラム】 政治――クーデタ、改憲、民主化

第4章 シャムからタイへ――立憲革命〜第二次世界大戦
I 立憲革命
 絶対王政への不満/人民党の誕生/クーデタによる立憲革命/人民党政府の分裂/ボーウォーラデート親王の反乱
II ピブーンと失地回復
 ピブーンのナショナリズム/第二次世界大戦開戦とタイ/「失地」回復要求――大タイ主義/紛争の勃発――仏印対タイ/「失地」の回復
III 第二次世界大戦への「参戦」
 戦争までの状況/開戦と宣戦布告/ビルマへの進軍/日本軍への不信拡大/ピブーンの日本離れ
IV 「敗戦国」からの脱却
 自由タイ/クアン内閣の両面外交/宣戦布告無効宣言/国際社会への復帰/コメによる復興
【コラム】 日本との関係――知られざる日本人

第5章 国民国家の強化――戦後復興期〜1980年代
I 西側陣営のタイ
 民主主義政治の混乱と国王怪死事件/ピブーンの復活/西側陣営への編入/経済ナショナリズムと緩和政策/ピブーンの凋落
II 「開発」の時代
 タイ式民主主義/「開発」の推進/「開発」の可視化/「奇跡の作物」の導入/「最後の砦」
III 民主化とその反動
 「開発」体制への反発と反日運動/一〇月一四日事件/「民主化」の時代/サイゴン陥落と「民主化」の終焉/反動の時代
IV 国民国家の安定化
 プレーム首相の登場/経済の立て直し/「ビュッフェ内閣」/「インドシナを戦場から市場へ」/政党政治の腐敗
【コラム】 ――最大の政治勢力

第6章 「先進国」をめざして――1990年代〜
I 二つの「危機」
 アーナン政権/五月の暴虐/「人民のための憲法」/経済危機/危機の克服
II タックシン帝国の興亡
 タックシンの台頭/「タックシノミックス」/権威主義の再来/「売夢政策(ナヨーバーイ・カーイ・ファン)」の現実/反タックシン運動/タックシン政権の崩壊
III インドシナの「先進国」へ
 メガシティー・バンコク/地方経済の発展/「メコン圏」の地域協力/オーバープレゼンス/反タイ感情の醸成
【コラム】 経済――顕在化する都市と農村の格差

終章 試練を越えて
 「世渡り上手」なタイ/「世渡り上手」の試練/「タイ」から「シャム」へ

あとがき (二〇〇七年八月 柿崎一郎)

主要図版出所一覧
主要参考文献
タイの歴史 略年表(スコータイ朝以降)


≪著者: ≫ 柿崎一郎 (かきざき・いちろう) 1971年静岡県生まれ。1993年東京外国語大学外国語学部卒業。1999年東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了(博士〔学術〕)。同年4月より横浜市立大学国際文化学部専任講師、2003年4月より同助教授、2005年4月より同国際総合科学部准教授。著書、『タイ経済と鉄道 1885〜1935年』(日本経済評論社、2000年、第17回大平正芳記念賞受賞)、Laying the Tracks : The Thai Economy and its Railways 1885-1935, Kyoto University Press, 2005. ほか論文多数。



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本「幸福とは何か ソクラテスからアラン、ラッセルまで (中公新書2495)」長谷川宏5

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幸福とは何か――。この問いに哲学者たちはどう向き合ってきたのか。共同体の秩序と個人の衝突に直面した古代ギリシャのソクラテス、アリストテレスに始まり、道徳と幸福の対立を見据えたイギリス経験論のヒューム、アダム・スミス。さらに人類が世界大戦へと行きついた二〇世紀のアラン、ラッセルまで。ヘーゲル研究で知られる在野の哲学者が、日常の地平から西洋哲学史を捉えなおし、幸福のかたちを描き出す。


≪目次: ≫
まえがき

序章 幸福への問い
 「夜色楼台図」の情景/三好達治「雪」の祈り/静けさと平穏さ/身近さ/永田弘の「友人」/一人から一人への伝言/佐野洋子『一〇〇万回生きたねこ』の物語/最終の一行が語るもの

第一章 古代ギリシャ・ローマの幸福観――共同体と個人の分裂
 賢者ソロンの教え
1 ソクラテスの生きかた
 死刑執行の日/哲学者としてのふるまい/共同体の意思との対立/国法遵守の主張/市民との隔たり/新しい共同体/知への信頼
2 最高善――アリストテレス
 徳と幸福の関係/幸福は行動の目的か/幸福な子どもはいない/ソロンの幸福観を継ぐ/共同体の綻び/幸福は最上位のものか/テオーリア(観想)/「ゆるやかさ」の対極
3 エピクロスとセネカ
 アレクサンドロス大王の死/都市国家の衰退期/エピクロスの愛用語/人間における自然への着目/「快」の行きつくところ/ストア派とエピクロス派の近さ/セネカのにがい自省/類を異にする正義・善/徳・善の対極にある快楽

第二章 西洋近代の幸福論――道徳と幸福の対立
 なぜ中世を問わないのか
1 経験への執着――ヒューム
 ベーコンに始まる/人間の本性を問う/「印象」と「観念」/印象から経験の総体へ/革命的な思考の転換/道徳にまつわる経験/必然性と経験/自己のとらえかた/抽象的・一般的な思考への批判/幸福論への困難な道筋
2 共感と道徳秩序――アダム・スミス
 『道徳感情論』/共感とはなにか/道徳と日常の暮らし/幸福と日常の暮らし/『国富論』/分業というもの/都市と農村の商取引/社会の進歩/社会的存在としての人間
3 カントとベンサム
 『実践理性批判』の課題/道徳法則はどんな形か/自由・道徳と幸福のあいだ/道徳論に幸福論はない/「最大多数の最大幸福」へ/快楽と苦痛/拡大する経済活動のなかで/功利性とは/快楽・善・幸福の三位一体/『自由論』登場の背景

第三章 二〇世紀の幸福論――大戦の時代に
 世界大戦の時代
1 青い鳥の象徴するもの――メーテルリンク
 「思い出の国」/「夜の御殿」/何億羽ものにせの青い鳥/時代状況の軽薄さと残酷さ/幸福の存在への疑い/幸福を求めつづけること
2 健全なる精神――アラン
 心身の安定と祈り/観念過剰、感情過多への戒め/タイタニック号沈没事故/悲劇のイメージを超えて/困難な状況下での生きる力/小屋を作る石工のすがた/健全な精神/確固たる楽天主義/幸福になる義務/「プロポ」というスタイル/日常茶飯の出来事からの出発
3 常識の立場――ラッセル
 楽天的な世界観を後盾に/熱意というもの/外へと向かう興味/二〇世紀の現実観/回復すべき心の平衡/大地との触れ合い/退屈のなかに身を置く

終章 幸福論の現在
 室生犀星の郷愁/「人生相談」が映し出す現在/思考と論理の先にあるもの/近代世界と個人/質的変化をもたらすもの/幸福論の守備範囲

あとがき (二〇一八年二月二二日  長谷川 宏)


≪著者: ≫ 長谷川 宏 (はせがわ・ひろし) 1940年島根県生まれ。68年東京大学文学部哲学科博士課程単位取得退学。哲学者。自宅で学習塾を開くかたわら、原書でヘーゲルを読む会を主宰。一連のヘーゲルの翻訳に対し、ドイツ政府よりレッシング翻訳賞を受賞。著書、『日本精神史』(講談社、2015)、『新しいヘーゲル』(講談社現代新書、1997)、『高校生のための哲学入門』(ちくま新書、2007)、『生活を哲学する』(岩波書店、2008)ほか。訳書、『精神現象学』(ヘーゲル著、作品社、1998)、『歴史哲学講義』(ヘーゲル著、岩波文庫、1994)、『芸術の体系』(アラン著、光文社古典新訳文庫、2008)、『美術の物語』(ゴンブリッジ著、共訳、ファイドン、2007)ほか。


G.W.F.ヘーゲル 『法哲学講義  Vorlesungen uber Rechtsphilosophie 』(長谷川宏 訳、作品社、2000年) '13/11/29
ヘーゲル 『歴史哲学講義 〈下〉  Vorlesungen uber die Philosophie der Geschichte 』(長谷川宏 訳、岩波文庫、1994年) '12/11/09 , '08/12/20
ヘーゲル 『歴史哲学講義 〈上〉』(長谷川宏 訳、岩波文庫、1994年) '12/10/29 , '08/12/12
カール・マルクス 『経済学・哲学草稿  Ökonomisch-philosophisch Manuskripte, 1844 』(長谷川宏 訳、光文社古典新訳文庫、2010年) '10/07/24
ユルゲン・ハーバマス 『イデオロギーとしての技術と科学  Technik und Wissenschaft als Ideologie, 1968 』(長谷川宏 訳、平凡社ライブラリー、2000年) '09/02/20
アラン 『芸術の体系  le Systeme des beaux-arts, 1920 』(長谷川宏 訳、光文社古典新訳文庫、2008年) '08/09/17

長谷川宏 『ヘーゲルの歴史意識』(講談社学術文庫、1998年) '12/11/06
長谷川宏 『初期マルクスを読む』(岩波書店、2011年) '12/10/26
長谷川宏 『ことばへの道 言語意識の存在論』(講談社学術文庫、2012年) '12/09/18
長谷川宏 『同時代人サルトル』(講談社学術文庫、2001年) '09/03/09
長谷川宏 『丸山眞男をどう読むか』(講談社現代新書、2001年) '09/02/08
長谷川宏 『新しいヘーゲル』(講談社現代新書、1997年) '09/02/02
長谷川宏 『いまこそ読みたい哲学の名著 自分を変える思索のたのしみ』(光文社文庫、2007年) '09/01/31
長谷川宏 『ヘーゲル『精神現象学』入門』(講談社選書メチエ、1999年) '09/01/29
長谷川宏 『格闘する理性 ヘーゲル・ニーチェ・キルケゴール』(洋泉社MC新書、2008年) '09/01/27
長谷川宏 『生活を哲学する』(双書哲学塾、岩波書店、2008年) '09/01/20
長谷川宏 『高校生のための哲学入門』(ちくま新書、2007年) '09/01/12




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本「社会学 わたしと世間 (中公新書2484)」加藤秀俊5

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社会学 - わたしと世間 (中公新書 2484)
○著者: 加藤秀俊
○定価: 本体780円+税
○ISBN: 978-4121024848











一五〇年前に充てた安易な訳語のせいで、抽象的で理解しにくい「社会」と「社会学」。だが、社会とは私たちを取りまく身近な世間のことにほかならない。本書では、集団、コミュニケーション、組織、自我などのキーワードを切り口に、世の中の仕組みをよりよく知るこの学問の本質、方法を述べる。半世紀以上にわたり研究を続けてきた碩学による社会学入門にして、知的好奇心を持ちつづけ、人生を楽しむためのヒント。


≪目次: ≫
まえがき

第一章 「社会学」――現代の世間話
 「世間」というもの/「世態学」と「社会学」/「世間話」の記録/世俗の学/文芸としての「社会学」

第二章 集団――つながる縁
 「世間」と「人間」/「縁」と「相性」/「むすぶ」心/「みんな」の正体/「みんな」の新陳代謝

第三章 コミュニケーション――ことばの力
 「体感」について/日常会話/文字でつながる/新聞の功罪/いちどにつながる

第四章 組織――顔のない顔
 「法人」の時代/「タテ」と「ヨコ」/「仲間」のさまざま/固い組織・やわらかい組織/国家――最大の法人

第五章 行動――ひとの居場所
 個体空間/居場所のデザイン/職制と居心地/疎外――居場所のないひと/アジール――居場所のないひとの居場所

第六章 自我――人生劇場
 義理と人情/仮面の世界/演技する人間/ラッキョの皮/プロフィール

第七章 方法――地べたの学問
 ふるさとの学問/さまざまな現場/定性か定量か/国学としての社会学/「私社会学」のすすめ

あとがき (二〇一八年四月 加藤秀俊)


≪著者: ≫ 加藤秀俊 (かとう・ひでとし) 1930年(昭和5年)、東京都に生まれる。東京商科大学(現一橋大学)卒業。シカゴ大学大学院修了。京都大学人文科学研究所助手、京都大学教育学部助教授、学習院大学教授、国際交流基金日本語国際センター所長、日本育英会会長などを歴任。社会学博士。著書に『加藤秀俊著作集』(全12巻、中央公論社)、『整理学』『人間関係』『取材学』(以上、中公新書)、『独学のすすめ』(ちくま文庫)、『隠居学』(講談社文庫)、『メディアの展開』(中央公論新社)、『加藤秀俊社会学選集』(全2巻、人文書院)など。
加藤秀俊データベース
URL http://katodb.la.coocan.jp/



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本「ふしぎな県境 歩ける、またげる、愉しめる (カラー版、中公新書2487)」西村まさゆき5

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地図を詳しく見ていくと、日本各地に複雑怪奇な県境(けんざかい)が存在する。ショッピングセンターの売り場を分断している、一つの村が丸ごと他県に囲まれている、盲腸県境が幅1メートル×長さ8キロにわたって細長く続く、実際の県境からだいぶ離れたところに「県境」バス停がある・・・・・・。こんな県境が、なぜ生まれたのか? 実際に行ってみると何があるのか? 地元の人は不便ではないのか? 県境マニアが全国13ヵ所の県境を検証。



≪目次: ≫
はじめに

1 練馬に県境がひと目でわかる場所があるので見に行った
 見た目で県境がわかる場所はないか?/県境初心者にもついてきてもらった/バス停を降りるとすぐに県境!/地元のおばさんは知っている/よく見ると街並みの雰囲気もちょっと違う/県境錯綜地帯へ/県境初心者におすすめの県境です

2 店舗内に県境ラインが引かれているショッピングモール
 ニュータウンの中にある県境/店内の県境はどうなっているのか?/ついに県境を発見!/とくに誰も意識はしていない県境/ふだん使いの県境/見えないけれど存在する県境/「県境ショッピングモール」として観光地化するのか?

3 東京都を東西に一秒で横断できる場所
 サクッと横断完了/実際の県境はちょっと違う!?/元狭山村の合併問題/入り組んだ県境は越境合併が原因だった

4 「峠の国盗り綱引き合戦」で浜松と飯田が仲良すぎて萌え死にそう
 県境マニア注目の祭り/公共交通機関のみで兵越峠を目指す/実際に県境が動く・・・・・・わけではない/高速道路と完成を願う祭り/中立の立場から、豊橋市が行司役を/まずはアトラクション/やっと綱引きが始まります/ピリピリしてきたぞ/国境の杭を打つ/仲がいいからこその真剣勝負

5 蓮如の聖地に県境を見に行く
 蓮如の聖地、しかも県境/雨が降ってきた・・・・・・/見逃しかける県境/住宅街の中の境目はどうなってるかな/学校の先生だけ言葉が違う/県境までしか除雪しない/「県境の館」計画/そして、二〇一六年・・・・・・/吉崎の県境は大聖寺川の川筋が変わったから?/まったく交流がなかった

6 標高二〇〇〇メートルの盲腸県境と危険すぎる県境
 県境マニアのあこがれ「福島県の盲腸県境」/どこが県境なのか、目印がない/ここにたどり着くまでの話を聞いてほしい/いきなり山場を迎える/危険すぎる県境で死にかける/盲腸県境スタートです/縦走して飯豊山本山に向かう/なぜ盲腸県境なのか?/ついに本山小屋に到着/翌朝、飯豊山山頂を目指す/登山は下山

7 福岡県の中に熊本県が三ヵ所もある場所
 県境をまたいだ貴重な飛び地/福岡、熊本県境に到着、第一の飛び地へ/廃線跡に寄り道しつつ第二の飛び地へ/言い訳できない何もなさ/飛び地のハウスで花を育てている/江戸時代の用水問題が発端/大海に浮かぶ軍艦のような飛び地/江戸時代と地続きの現代

8 日本唯一の飛び地の村で水上の県境をまたぐ
 日本でここだけ。村まるごと飛び地/近いけれど時間がかかる熊野地方/川の上の県境を・・・・・・またいだ!/ゴールで解体される筏/なぜ飛び地はできたのか?/飛び地がピンとこない村の人たち

9 県境から離れたところにある「県境」というバス停
 大好物がドッキング/で、県境バス停はどこに?/ついに発見、県境バス停/県境にあるから県境

10 埼玉、栃木、群馬の三県境が観光地化している?
 にわかに活気づく「三県境」/すでに先客がいた三県境/丁寧な説明の看板が出ていた/なんでも県境に見えてくる/看板を設置した人に話を聞こう/谷中湖を掘って嵩(かさ)上げした/家を曳いた

11 湖上に引かれた県境を見に行く
 山陰唯一の市街地の県境/あのベタ踏み坂も実は県境

12 カーナビに県境案内をなんどもさせたかった
 東京都と神奈川県の県境が入り組んでいる/なんども県境を越えたい

13 町田市、相模原市の飛び地の解消について担当者に話を聞く
 東京都、神奈川県の町田・相模原領有問題/都県境の上で記念撮影

あとがき

参考文献
初出一覧



≪著者: ≫ 西村まさゆき (にしむら・まさゆき) 1975年、鳥取県生まれ。イッツ・コム「デイリーポータルZ」など、主にインターネットサイトで、地図や地名、県境など地理に関する記事や、国語辞典に関する記事等を執筆。著書 『「ファミマ入店音』の正式なタイトルは、「大盛況」に決まりました』(笠倉出版社、2016)、『鳥取 「地理・地名・地図」の謎――意外と知らない鳥取県の歴史を読み解く!』(共著、じっぴコンパクト新書、2015)ほか。




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本「横山大観 近代と対峙した日本画の巨人 (カラー版、中公新書2478)」古田亮5

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横山大観は明治元年(1868)に生まれた日本画最大の巨人である。東京美術学校の第1期生として入学し、岡倉天心に師事した。大観はその後、明治日本が推し進めた近代化や、日清・日露戦争の勝利、太平洋戦争への突入と敗北を目の当たりにするが、こうした時代のうねりは彼の画業と軌を一にしている。本書は、1958年に90年の生涯を閉じた大観の生涯と画業を、もう一つの日本近代史として描くものである。


≪目次: ≫
はじめに
凡例

第1章 誕生――明治前半期
1 生い立ち
 幕末の水戸藩/出生/青少年期/明治初期の美術界
2 東京美術学校
 東京美術学校創設/狩野芳崖との出会い/入学試験/フェノロサ由来のカリキュラム/手探りのスタート/学生時代の作品/大観のアルバイト
3 岡倉天心との出会い
 奇才の師・岡倉天心/岡倉の理想/明治二十年代の政治思想と日本画界/シカゴ万博の装飾画/卒業制作にみる新しい日本画の姿
4 日本画家「大観」の誕生
 「大観」という雅号/古画模写時代/帰京、結婚/日本絵画協会への出品/無我――岡倉の宿題への回答

第2章 苦闘――明治後半期
1 日本美術院創設
 東京美術学校紛擾事件/日本美術院の創設/《屈原(くつげん)》/二十五円の生活
2 朦朧体
 空気を描く方法/大観の朦朧表現/《迷児》の時代/真真会
3 インド・西欧体験
 インドへ/アメリカへ/展覧会の開催/国際人、大観/欧米での朦朧体/「無国籍な美術」の提示
4 悲愁十二年
 家族との死別/都落ち/「餓死寸前」の大観と春草/菱田春草の死/大観の自覚
5 初期文展
 「絵画について」/審査会での激論/大観は何と戦ったのか/印象派風の作品群/《蕭湘八景》/絵に語らせ、絵に歌わせる天賦の才

第3章 躍動――大正期
1 日本美術院の再興
 岡倉天心の死/再興/《遊刄有余地(ゆうじんよちあり》/支援者たち
2 装飾的彩色画
 色彩印象派/《秋色》《喜撰山》/群青の富士/速水御舟と《夜桜》/《紅葉》の装飾的様式
3 水墨画の展開
 水墨画の伝統/水墨画のイメージソース/墨の技法と材料/《生々流転》/東洋思想を描く

第4章 大成――昭和初期
1 権勢と孤独
 ローマ日本美術展/東と西の争い/精神的更生/孤立する巨人
2 彩管報国
 皇室とのつながり/海山に因む十題の制作/翼賛画
3 大観作品の同時代性
 皇国思想と水戸学/離見の見

第5章 不偏――戦後・歿後
1 戦後
 終戦/《四時山水》/昭和二十年代/戦後の画論
2 終焉
 富士と大衆/《或る日の太平洋》/最晩年/永眠
3 歿後
 大観論の六十年/「戦時中にとった行動に対する責任を明らかにすべき」/巨匠のイメージ
4 大観小論
 意志の芸術/屈原の姿

おわりに (二〇一八年二月二十六日  古田 亮)
参考文献


≪著者: ≫ 古田 亮 (ふるた・りょう) 1964年東京都生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業、同大学院修士課程修了、博士課程中退。93年東京国立博物館研究員。98年東京国立近代美術館(2001年より主任研究官)を経て、06年に東京藝術大学美術館助教授に就任、現在准教授。専門は近代日本美術史。04年「琳派RIMPA展」、06年「揺らぐ近代展」、08年「横山大観展」、13年「夏目漱石の美術世界展」など多くの企画展を担当する。著書に『狩野芳崖・高橋由一』(2006年、ミネルヴァ書房)、『俵屋宗達』(2010年、平凡社新書/第32回サントリー学芸賞)、『高橋由一』(2012年、中公新書)、『美術「心」論』(2012年、平凡社)、『特講 漱石の美術世界』(2014年、岩波現代全書)、『視覚と心象の日本美術史』(2014年、ミネルヴァ書房)、『日本画とは何だったのか』(2018年、角川選書)など。

古田亮 『俵屋宗達 琳派の祖の真実』(平凡社新書、2010年) '10/07/14



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本「藤原氏 権力中枢の一族 (中公新書2464)」倉本一宏5

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「大化改新」で功績を残したとされる鎌足に始まる藤原氏。律令国家を完成させた不比等から四家の分立、ミウチ関係を梃子に天皇家と一体化した摂関時代まで権力中枢を占めつづける。中世の武家社会を迎えても五摂家はじめ諸家は枢要な地位を占め、その末裔は近代以降も活躍した。本書は古代国家の成立過程から院政期、そして中世に至る藤原氏千年の動きをたどる。権力をいかにして掴み、後世まで伝えていったかを描く。


≪目次: ≫
はじめに――藤原氏とは何か

序章 鎌足の「功業」と藤原氏の成立
一、北東アジア情勢と乙巳の変
 激動の北東アジア国際情勢/中臣鎌子の野望/諸王子への接近/蘇我石川麻呂との連携/乙巳のクーデター/曽我本宗家の滅亡
二、「大化の改新」と鎌足の「功業」
 「改新政府」の発足/「大化改新」と鎌足/百済滅亡と国際情勢/鎌足の病悩と藤原氏の成立/鎌足薨去/山階精舎と鎌足の墓/鎌足の「功業」

第一章 不比等の覇権と律令体制
 鎌足後の中臣氏/不比等の前半生
一、中臣氏との決別
 氏上中臣大島/藤原大島/不比等の任官/珂瑠(軽)王立太子/藤原氏の確立
二、律令国家の権力中枢
 律令国家権力中枢の構造/議政官組織の構成原理/蔭位制と藤原氏/太上天皇、知太政官事、藤原氏の大臣・内臣
三、不比等の覇権
 大宝律令体制の完成/武智麻呂の出仕/太上天皇制/持統と高天原/律令国家の危機/元明即位/平城遷都/広成皇子の皇籍剥奪/首皇子立太子/光明子と県犬養広刀自/房前、朝政参議/不比等病悩/不比等死去

第二章 奈良朝の政変劇
一、四家の分立と王権
 長屋王政権と藤原四子/内臣房前/基皇子誕生と立太子/基皇太子の死と安積親王の誕生/「長屋王の変」/光明子立后/藤原四子体制の確立
二、聖武と光明子と仲麻呂と
 橘三千代の死と武智麻呂政権の確立/藤原四子体制の崩壊/四子の子たち――南家/四子の子たち――北家/四子の子たち――式家/四子の子たち――京家/橘諸兄政権の成立/孝謙天皇の即位/「光明子−仲麻呂」体制/「橘奈良麻呂の変」/仲麻呂の政治/淳仁天皇の即位/孝謙太上天皇と淳仁天皇の対立
三、奈良朝末期の政変劇
 恵美押勝の乱/四家の官人たち――南家/四家の官人たち――北家/四家の官人たち――式家/四家の官人たち――京家/称徳と道鏡の王権/光仁天皇の擁立/他戸の廃太子と山部の立太子/式家主導体制の衰退/桓武天皇即位/藤原四家の官人の動向/種継の専権/長岡遷都/種継暗殺事件

第三章 藤原北家と政権抗争
一、平安京の確立と北家
 長岡京の日々/平安京遷都平城天皇の政治/伊予親王の変と藤原氏/平城天皇の譲位/「薬子の変」の発端/「薬子の変」の顛末/皇太子の廃立/平安京の確立と冬嗣の昇進/淳和天皇即位と嵯峨太上天皇
二、前期摂関政治と良房・基経
 良房の昇進/承和ぼ変/北家の繁栄/文徳天皇即位/太政大臣良房/外祖父「摂政」良房/応天門の変/摂政良房/良房から基経へ/春日社/陽成天皇の即位と摂政基経/基経の政務ボイコット/陽成天皇の退位/光孝皇統と基経/宇多天皇の即位/「阿衡の紛議」/関白基経/「寛平の治」
三、北家以外の門流のその後
 南家のその後/式家のその後/京家のその後/北家以外の藤原氏

第四章 摂関政治の時代
 醍醐天皇と後継者
一、摂関常置と政権抗争
 摂関常置/「天暦の治」/冷泉天皇と「揚名関白」/円融天皇と九条流・小野宮流/花山天皇という存在/外祖父摂政兼家と国母詮子/中関白家の日々/「七日関白」道兼
二、道長の権力
 道長政権の成立/中関白家の失脚/彰子の後宮制覇/一条天皇から三条天皇へ/「この世をば」/再分配システムとしての道長
三、頼通政権の成果
 藤原市北家の嫡流/倫子と明子/後継者としての頼通選定/道長死後の頼通と教通/後一条天皇の時代の頼通政権/後朱雀天皇の時代の頼通政権/後冷泉天皇の時代の頼通政権/宇治に隠退/頼通の時代

第五章 摂関家の成立と院政
一、院政と摂関家の転機
 後三条天皇の皇位継承構想/院政の創始と摂関家の権力の失墜/堀河から鳥羽へ、師通から忠実へ/忠通と忠実/崇徳と近衛/忠通と頼長/後白河の即位
二、家格と家業の形成
 摂関家の成立/家格と家業の形成
三、主流から外れた諸家
 中御門流/中関白家/閑院流/小野宮流/勧修寺流/日野家/魚名流/南家/式家/京家/藤原氏の諸家

第六章 武家政権の成立と五摂家の分立
一、武家政権の成立と摂関家
 保元の乱と藤原氏/平治の乱/摂関家の動向/治承・寿永の乱と摂関家
二、鎌倉幕府の成立と五摂家の分立
 頼朝と朝廷/近衛家と九条家/摂家将軍/五摂家の分立
三、武家としての藤原氏
 式家としての魚名流/秀郷流の武家/北家以外の武家

おわりに――日本史と藤原氏
 摂関家の辛苦/様々な家格/日本と藤原氏

略年表
参考文献


≪著者: ≫ 倉本一宏 (くらもと・かずひろ) 1958年(昭和33年)、三重県津市に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位修得退学。国際日本文化研究センター教授。博士(文学、東京大学)。専門は日本古代政治史、古記録学。著書、『蘇我氏――古代豪族の興亡』(中公新書、2015)、『人物叢書 一条天皇』(吉川弘文館、2003)、『戦争の日本史2 壬申の乱』(吉川弘文館、2007)、『藤原道長 「御堂関白記」 全現代語訳』(講談社学術文庫、2009)、『藤原行成 「権記」 全現代語訳』(講談社学術文庫、2011-2012)、『藤原道長の日常生活』(講談社現代新書、2013)、『藤原道長の権力と欲望』(文春新書、2013)、『平安朝 皇位継承の闇』(角川選書、2014)、『「旅」の誕生』(河出ブックス、2015)、『藤原伊周・隆家』(ミネルヴァ日本評伝選、2017)、『戦争の日本古代史』(講談社現代新書、2017)ほか。


倉本一宏 『藤原道長の日常生活』(講談社現代新書、2013年) '13/04/28
倉本一宏 全現代語訳 『藤原道長「御堂関白記」 〈下〉』(講談社学術文庫、2009年) '12/05/27
倉本一宏 全現代語訳 『藤原道長「御堂関白記」 〈中〉』(講談社学術文庫、2009年) '12/05/02
倉本一宏 全現代語訳 『藤原道長「御堂関白記」 〈上〉』(講談社学術文庫、2009年) '12/04/27
倉本一宏 全現代語訳 『藤原行成「権記」 〈下〉』(講談社学術文庫、2012年) '12/03/24
倉本一宏 全現代語訳 『藤原行成「権記」 〈中〉』(講談社学術文庫、2012年) '12/02/17
倉本一宏 全現代語訳 『藤原行成「権記」 〈上〉』(講談社学術文庫、2011年) '12/02/08
佐藤信 編著 『日本の古代 '05』(倉本一宏/佐々木恵介 著、放送大学教材:専門科目 人間と文化コース、放送大学教育振興会、2005年) '11/05/02



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本「剣と清貧のヨーロッパ 中世の騎士修道会と托鉢修道会 (中公新書2467)」佐藤彰一5

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俗世間を離れ、自らの心の内を見つめる修道院。だが12世紀、突如その伝統から大きく離れた修道会が生まれた。騎士修道会と托鉢修道会である。かたや十字軍となって聖地エルサレムやイベリア半島、北方で異教徒と戦い、かたや聖フランチェスコらが都市のただ中で民衆の信仰のあり方をラディカルに変革した。これら犁柑勠瓩箸發いΔ戮修道会の由来と変遷を、各修道会の戒律や所領経営などにも注目しながら通観する。


≪目次: ≫
はじめに

第一章 十字軍遠征と騎士
1 発端
 ビザンティン皇帝からの使者/帝国側の思惑/エルサレム王国誕生/贖罪としての十字軍/騎士修道会の出現――テンプル騎士修道会/ホスピタル騎士修道会/ドイツ騎士修道会/イベリア半島の騎士修道会
2 騎士とは何か
 社会の三機能論/戦士から騎士へ/フランク国家の騎士層/騎士身分の成立/聖ベルナールの『新しい騎士を讃えて』/殺人ではなく悪の誅殺である・・・・・・

第二章 騎士修道会の戒律
1 戒律の系譜
 聖ベネディクトか聖アウグスティヌスか/テンプルの会則/ホスピタル騎士修道会規則の集成作業/ドイツ人の東方進出と布教/『ドイツ騎士修道会の書 Ordensbuch 』/イベリア半島の騎士修道会と戒律/シトー派の『決議事項 difiniciones 』
2 戒律の内容
 二つの戒律の冒頭/テンプル騎士修道会戒律の非体系性/騎士の礼拝や騎士の受け入れ/祈り・衣服・食事
3 テンプルの慣習律と会則
 総長の出陣/従軍司祭と団員の過ち/無所有観念の徹底/軍旗はためくところ
4 騎士修道会の特権
 教皇権にとっての騎士修道会/教皇による教会法上の特権/破門と埋葬特権/十分の一税の免除

第三章 国際金融と所領経営――テンプルとホスピタル騎士修道会
1 騎士修道会の組織様式
 騎士修道会の中枢/中間審級の厚み/指令区と会館
2 所領の形成と経営
 騎士修道会への寄進者/寄進の動機/寄進されたもの/所領の経営様式
3 騎士修道会と為替技術
 アマルフィ商人の東方への進出/ジェノヴァ商人とヴェネツィア商人の浸透/聖地における活動の財源/キプロスでの借金をパリで清算する/ジャン・ド・ジョワンヴィルの証言/貨幣の流通速度のもつ隘路/テンプル騎士修道会とフランス王国財政
4 テンプル騎士修道会の終焉
 反攻計画――「ゲリラ戦」か「総力戦」か/騎士修道会の統合問題/テンプル騎士修道会の最期/弾圧の動機/受益者ホスピタル

第四章 国家としての騎士修道会――ドイツ騎士修道会
1 北方への異教徒の世界へ
 ドイツ騎士修道会の活動空間/異教徒の習俗/改宗者の棄教/一二二六年のリミニ金印勅書
2 日常の構造
 騎士修道会への加入/加入資格/騎士修道士の活動分野/修道会組織のハイアラキー/地域管区、参議管区、指令区
3 征服地の開発と経済組織
 「処女地」プロイセンの開発/土地の配分/農業と牧畜/修道会工房の手工業生産/修道会貨幣の造幣/商業と交易のネットワーク/窮迫する財政
4 ポーランド王国の封臣へ
 リトアニア大公国との戦い/ヨーロッパ貴族の「プロイセン遍歴」/タンネンベルクの戦い/宗教改革と世俗化

第五章 レコンキスタの旗の下に――イベリア半島の騎士修道会
1 イベリア土着の騎士修道会
 イベリアの騎士修道会はイスラームに学んだのか/カラトラーバ防衛/新たな騎士修道会の発足/霧に包まれたアルカンタラ成立の歴史/カセレス兄弟団からサンチャゴ騎士修道会へ
2 騎士修道会と社会
 聖地への誘い/一三世紀中葉の変化/霊的オーラの翳り/十字軍税の創設/修道会加入の動機/弛緩する修道会兄弟団の絆/モラン・ペレスの場合/ドミニコ会の台頭
3 所領経営と植民
 イベリアのコマンドリー(指令区)/さまざまな所領の形態/指令の交代/財産目録の作成/牧畜経済の役割/稀薄な人口と植民活動
4 海外進出と騎士修道会
 アラゴン連合王国の地中海進出/「地理上の発見」への貢献と植民地支配の先兵――ポルトガル/騎士修道会がもたらしたもの

第六章 ヨーロッパの都市化と富の行方――托鉢修道会の出現
1 異端と使徒的生活
 至福千年のインパクト/さまざまな異端の様相/カタリ派異端の登場/使徒的生活(ウィタ・アポストリカ)
2 都市社会の生成と増大する軋轢
 「都市の復活」か連続的発展か/通商圏の拡大と輸送技術の進化/都市の成長――フランスの場合/都市社会の様相/高まる社会的緊張と不和
3 貨幣使用の浸透
 一二世紀以前の貨幣使用をめぐる研究動向/新たな銀鉱山の開発と流通量の飛躍的増大/都市・貨幣・托鉢修道会

第七章 聖フランチェスコの革新
1 聖フランチェスコの「生成」
 フランス贔屓の金持ち息子/文学と騎士道への憧れと挫折/「転換」の刻/家族と世俗の紐帯の切断/改悛者フランチェスコと教皇インノケンティウス三世
2 霊性と思想の独自性
 フランチェスコの新しさ/斬新な福音手法/絶対的無所有と貨幣/学識への不信/感性の領野/「平和」の思想
3 修道会の展開
 教皇公認以後の「貧しき人」/公認された会則/西ヨーロッパにおける初期の展開/聖フランチェスコ伝写本の新発見

第八章 異端告発と学識者――ドミニコ修道会の役割
1 カレルエガの子
 イスラーム支配の軛からの離脱/教会学校の生徒ドミニクス/オスマ聖堂参事会の気風/カタリ派異端との遭遇
2 托鉢修道会への道
 ラングドック地方での福音活動/プルイユ修道院の創建/ドミニコ修道会の誕生/拡散する修道会/ドミニクス、フランチェスコに会う/一二二〇年のボローニャ総参事会/托鉢原理の採用/ドミニクスの死と列聖
3 修道会の構造と特徴
 組織運営の仕方/聖務日課と典礼/教育と大学/ドミニコ修道会の展開

第九章 修道院の外で――ベギン派が映すもの
1 聖と俗の狭間で
 叙任権闘争のパラドクス/「ペギン beguine 」とは何か/ベギン派に加わること/ベギン女性の社会的出自/ベギン女性の収入源/托鉢修道会との関わり
2 ベギン女性の思想と霊性
 女性が聖人となることの困難/中世後期の変化/内面的生への傾斜と連帯/神秘主義の潮流/ベギン女性の「結婚の神秘」/『神性の流れる光』/プロテスタンティズムの水脈

おわりに
 修道生活の弛緩と頽廃/自発的な改革の努力

あとがき (平成二九年一〇月 宗教改革五〇〇周年に錦繍の軽井沢にて 著者)

参考文献
事項索引
人名索引


≪著者: ≫ 佐藤彰一 (さとう しょういち) 1945年山形県生まれ。1968年、中央大学法学部卒、1976年、早稲田大学大学院博士課程満期退学。名古屋大学教授等を経て、同大学名誉教授。日本学士院会員。『修道院と農民――会計文書から見た中世形成期ロワール地方』により日本学士院賞受賞。専攻・西洋中世史。博士(文学)。著書、『禁欲のヨーロッパ』(中公新書、2014)、『贖罪のヨーロッパ』(中公新書、2016)、『世界の歴史(10) 西ヨーロッパ世界の形成』(中央公論社、1997/中公文庫、2008)、『カール大帝――ヨーロッパの父』(世界史リブレット 人、山川出版社、2013)、『中世世界とは何か ヨーロッパの中世1』(岩波書店、2008)、『歴史書を読む――「歴史十書」のテクスト科学』(山川出版社、2004)、『中世初期フランス地域史の研究』(岩波書店、2004)、『ポスト・ローマ期フランク史の研究』(岩波書店、2000)、『修道院と農民――会計文書から見た中世形成期ロワール地方』(名古屋大学出版会、1997)、『地域からの世界史(13) 西ヨーロッパ(上)』(朝日新聞社、1992)。訳書、『西洋写本学』(ベルンハルト・ビショッフ著、瀬戸直彦と共訳、岩波書店、2015)ほか。


佐藤彰一 『中世世界とは何か』(ヨーロッパの中世1、岩波書店、2008年) '11/12/29



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本「トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち (中公新書2451)」藤原辰史5

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 ♪ 燃える男の 赤いトラクター それがお前だぜ いつも仲間だぜ ♪



19世紀末にアメリカで発明されたトラクター。直接土を耕す苦役から人類を解放し、作物の大量生産を実現。近代文明のシンボルとしてアメリカは民間主導、ソ連、ナチス・ドイツ、中国は国家主導により、世界中に普及する。だが農民や宗教界の拒絶、化学肥料の大量使用、土嬢の圧縮、多額のローンなど新たな問題・軋轢も生む。20世紀以降、この機械が農村・社会・国家に何をもたらしたか、日本での特異な発展にも触れて描く意欲作。


≪目次: ≫
まえがき

第1章 誕生――革新主義時代のなかで
 1 トラクターとは何か
 2 蒸気機関の限界、内燃機関の画期
 3 夜明け――J・フローリッチの発明

第2章 トラクター王国アメリカ――量産体制の確立
 1 巨人フォードの進出――シェア77%の獲得
 2 農機具メーカーの逆襲――機能性と安定性の進化
 3 農民たちの憧れと憎悪――馬への未練

第3章 革命と戦争の牽引――ソ独英での展開
 1 レーニンの空想、スターリンの実行
 2 「鉄の馬」の革命――ソ連の農民たちの敵意
 3 フォルクストラクター――ナチス・ドイツの構想
 4 二つの世界大戦下のトラクター

第4章 冷戦時代の飛躍と限界――各国の諸相
 1 市場の飽和と巨大化――斜陽のアメリカ
 2 東側諸国での浸透――ソ連、ポーランド、東独、ヴェトナム
 3 「鉄牛」の革命――新中国での展開
 4 開発のなかのトラクター――イタリア、ガーナ、イラン

第5章 日本のトラクター――後進国から先進国へ
 1 黎明期――私営農場での導入、国産化の要請
 2 満州国の「春の夢」
 3 歩行型開発の悪戦苦闘――藤井康弘と米原清男
 4 機械化・半機械化論争
 5 日本企業の席巻――クボタヤンマーイセキ三菱農機

終章 機械が変えた歴史の土壌

あとがき (二〇一七年七月 藤原辰史)

参考文献
トラクターの世界史 関連年表
索引


≪著者: ≫ 藤原辰史 (ふじはら・たつし) 1976(昭和51)年北海道に生まれ、島根県で育つ。99年京都大学総合人間学部卒業。2002年京都大学人間・環境学研究科中途退学、京都大学人文科学研究所助手、東京大学農学生命科学研究科講師を経て、13年4月より、京都大学人文科学研究所准教授。専攻・農業史。著書、『ナチス・ドイツの有機農業――「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」』(柏書房、2005年)、『カブラの冬――第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆』(人文書院、2011年)、『増補版 ナチスのキッチン――「食べること」の環境史』(共和国、2016、水声社、2012年)河合隼雄学芸賞、『稲の大東亜共栄圏――帝国日本の〈緑の革命〉』(吉川弘文館、2012年)、『食べること考えること』(共和国、2014年)、『戦争と農業』(集英社インターナショナル新書、近刊)など。




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本「キリスト教は「宗教」ではない 自由・平等・博愛の起源と普遍化への系譜 (中公新書ラクレ597)」竹下節子5

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本来、「生き方マニュアル」として誕生した教えは、受難と復活という特殊性から「信仰」を生み、「宗教」として制度化したことで成熟する。広く世界に普及する一方で、様々な思惑が入り乱れ、闘争と過ちを繰り返すことにもなった。本書は、南米や東洋での普及やその影響を通じて、ヨーロッパ世界が相対化され、近代に向かう中で「本来の教え」が普遍主義理念に昇華するまでの過程を、激動の世界史から解読する。


≪目次: ≫
はじめに

序論

第一章 「イズム」としてのキリスト教
 日本社会の「世俗性」/フランス社会の世俗性/「イズム」としてのキリスト教の誕生/イエスの生き方という「イズム」/「生き方の指針」として残されたぎりぎりのキリスト教/キリスト教は失敗から始まった/自由の革新性/「福音」の誕生

第二章 信仰が「宗教」となる時
 キリスト教のスタートアップ/「信仰」の誕生/普遍宗教にならなかったユダヤ教/「イエスの教え」への信仰が普遍宗教になったわけ/キリスト教は脱宗教から始まった/迫害はなぜ終わったのか/宗教表現の基盤となった終末観/「救済」あるいは「原罪」とは何か?

第三章 「宗教」となっていくキリスト教
 「宗教」としてのキリスト教のユニークさと強み/「復活」がキリスト教を創った/永遠の命/六人の教父の話/カトリック教会

第四章 宣教師たちのキリスト教
アメリカ大陸の場合――カトリック教会とインディオの魂
 羽モザイク/先住民差別と神学の関係/科学と哲学による考察/共同体主義と普遍宗教の出会い/モダニズムの誕生
日本の場合
 布教はなぜ成功したのか/片目の聖徒/ロレンソの最期/「生き方」としてのキリスト教と宣教師/日本人の殉教の形と「イズム」としてのキリスト教/「愛」と「自由」に殉じた人々/キリスト教のインパクト/カルチャーとインカルチュレーション/近代日本での宣教/二〇世紀のカトリック

第五章 「文明」としてのキリスト教
 科学的真実とキリスト教/政治と社会とキリスト教/南米出身のローマ教皇/キリスト教的「自由」の難しさ/「文化」としてのキリスト教/苦しみの表現/典礼暦と芸術/「美」は「回心」をもたらすか

終章 キリスト教と日本

おわりに

あとがき


≪著者: ≫ 竹下節子 (Takeshita Setsuko) 比較文化史家・バロック音楽奏者。東京大学大学院比較文学比較文化修士課程修了。同博士課程、パリ大学比較文学博士課程を経て、高等研究所でカトリック史、エゾテリズム史を修める。フランス在住。著書に『聖母マリア』『知の教科書 キリスト教』『「弱い父」 ヨセフ』(以上講談社選書メチエ)、『カルトか宗教か』(文春新書)、『からくり人形の夢』(岩波書店)、『キリスト教の真実』(ちくま新書)、『戦士ジャンヌ・ダルクの炎上と復活』(白水社)、『ナポレオンと神』(青土社)、『ローマ法王』(中公文庫)、『レオナルド・ダ・ヴィンチ伝説の虚実』『無神論』『ユダ』『キリスト教の謎』(以上中央公論新社)ほか多数。


竹下節子 『キリスト教の真実 西洋近代をもたらした宗教思想』(ちくま新書、2012年) '12/05/29




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本「物語 ポーランドの歴史 東欧の「大国」の苦難と再生 (中公新書2445)」渡辺克義5

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十世紀に産声をあげたポーランド王国は、十四〜十六世紀に隆盛を極めるが、王朝断絶後、衰退に向かう。十八世紀、ロシア・プロイセン・オーストリアによる分割で国家は消滅。第一次大戦後に束の間の独立を勝ち取るも、第二次大戦中にはドイツとソ連に再び国土を蹂躙された。冷戦下の社会主義時代を経て一九八九年に民主化を達成。潜在力を秘めた地域大国は今、どこへ向かうのか。栄光と悲運に彩られた国と民族の歴史。


≪目次: ≫
まえがき

序章 王国の黎明期
 初期ビャスト朝/宿敵ドイツ騎士団
コラム ポーランドの主要都市

第一章 中世の大国――ポーランド・リトアニア連合王国の隆盛
 初期ヤギェウォ朝/ポーランド中世の文化/シュラフタ民主政/プロイセンの臣従/ルネサンス/選挙王制/東方進出/バルト海をめぐる攻防/トルコやコサックとの戦い/ヤン・カジミェシュの退位/アウグスト二世とレシュチンスキ
コラム ポーランド絵画の世界

第二章 王制の終焉と国家消滅――露・普・墺によるポーランド分割
 スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキ/アメリカ独立戦争に加わるポーランド人/四年国会と五月三日憲法/コンチュンシュコ蜂起と第三次ポーランド分割
コラム 映画に見るワルシャワ

第三章 列強の支配と祖国解放運動――繰り返される民族蜂起
 イタリアのポーランド軍団/ナポレオンのもとで/ウィーン会議後のポーランド/十一月蜂起/大亡命/クラクフ放棄とガリツィアの虐殺/ロマン主義/一八四八年革命とポーランド人/一月蜂起/実証主義/諸政党の誕生/第一次大戦とその影響
コラム ポーランド人の姓

第四章 両大戦間期――束の間の独立とピウスツキ体制
 第一次大戦後の国境の画定/ポーランド・ソヴィエト戦争/三月憲法/ピウスツキ体制/第二次大戦直前のポーランド外交
コラム 国際共通補助語エスペラント

第五章 ナチス・ドイツの侵攻と大戦勃発――亡命政府と地下国家の成立
 第二次大戦勃発/ワルシャワ市長スタジンスキ/スタジンスキ逮捕/ソ連軍の侵攻と第四次ポーランド分割/ポーランド亡命政府と国内地下組織の成立/ナチス・ドイツによる占領政策/ウムシュラークプラッツ/コルチャック先生/シコルスキ・マイスキー協定/アンデルス軍の創設/ポーランド人コミュニストの活動/「輪」作戦と人民防衛軍による爆弾テロ/「メキシコ供弸鄒錙織ティンの森事件/ワルシャワ・ゲットー蜂起/ゲットー放棄救援作戦/亡命政府陣営幹部の交替/「山男」作戦
コラム カルスキはポロコーストを目撃したのか

第六章 ソ連による解放と大戦終結――ワルシャワ蜂起の功罪
 労働者党の戦術変更/一九四三年十月二十六日付政府訓令/「嵐」作戦/テヘラン会談/クチェラ暗殺事件/ワルシャワに「嵐」作戦導入/ワルシャワ蜂起における外国人/ワルシャワ蜂起、そしてミコワイチクの辞任/ヤルタ会談/戦後支配に向けて
コラム ワルシャワ蜂起は本当に避け得なかったのか

第七章 社会主義政権時代――ソ連支配のくびきの下で
 一九四六年の国民投票/キェルツェ事件/一九四七年の総選挙/ポーランド統一労働者党の成立/スターリン主義/十月の春/三月事件/十二月事件/ギェレク政権下で/ポーランド出身のローマ教皇
コラム 尾を引く戦争の記憶

第八章 民主化運動と東欧改革――自主管理労組「連帯」とワレサ
 「連帯」の誕生/戒厳令布告/円卓会議の開催/「連帯」内閣の誕生と問題点/ワレサ、大統領へ/一九九〇年大統領選挙の分析/一連の変革を経て
コラム 映画・演劇の巨匠、アンジェイ・ワイダ

終章 ポーランドはどこへ向かうのか
 第三共和政の始まり/クファシニェフスキ大統領/カチンスキ大統領/コモロフスキ大統領以降/経済の行方
コラム ワルシャワ蜂起記念館

あとがき (二〇一七年六月 渡辺克義)
主要参考文献
ポーランド略年表


≪著者: ≫ 渡辺克義 (わたなべ・かつよし) 1960年(昭和35年)、新潟県生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒業。東京都立大学大学院修士課程修了。東京大学大学院博士課程修了。ワルシャワ大学大学院修了(Ph.D.)。山口県立大学教授。専門はポーランドの歴史と文化、ポーランド語学。著書に『カチンの森とワルシャワ蜂起』(岩波ブックレット)、『ザメンホフとエスペラント』(日本エスペラント協会)、『ポーランドを知るための60章』(編著、明石書店)、『ポーランド学を学ぶ人のために』(編著、世界思想社)など。訳書に『アンジェイ・ワイダ 自作を語る』(共訳、ヴァンダ・ヴェルテンシュタイン編、平凡社)、『奪われた祖国ポーランド』(共訳、スタニスワフ・ミコワイチク著、中央公論新社)、『ポーランド映画史』(共訳、マレク・ハルトフ著、凱風社)、『映画と祖国と人生と・・・』(共訳、アンジェイ・ワイダ著、凱風社)など。




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本「海賊の世界史 古代ギリシアから大航海時代、現代ソマリアまで (中公新書2442)」桃井治郎5

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 海賊は、人類共通の敵??


古代ギリシアのヘロドトスは海賊たちを英雄とみなし、ローマのキケロは「人類の敵」と罵倒した。スペインとオスマン帝国が激突したレパントの海戦の主役は海賊であり、大英帝国を裏面から支えたのもカリブ海に跋扈するバッカニア海賊だった。19世紀、欧米の覇権主義で海賊は滅びたが、現代のソマリア海賊として甦る。キリスト教とイスラームの対立、力と正義の相克など、多様な視座で読み解く、もう一つの世界史。


≪目次: ≫
はじめに

第1章 海賊のはじまり
 歴史の父ヘロドトス/古代ギリシアの海賊王/ギリシア神話の海賊/クレタの海上支配/太王と海賊/カルタゴとローマ/キリキア海賊とカエサル/ポンペイウスの海賊鎮圧/ローマ最後の海賊/キケロの海賊論/アウグスティヌスと中世の萌芽

第2章 海賊の再興
 古代の終焉/ヴァンダル族ガイセリック王/ヴァンダル族の海賊行為/ボン岬の海賊/イスラーム誕生/イスラーム世界の拡張/トリポリのレオ/サン・トロペのムスリム海賊/ヴァイキングの進出/ノルマンディー公国/シチリア王国の誕生/ヨーロッパの反撃/レコンキスタの開始/十字軍の呼びかけ/十字軍とサラーフ・アッディーン/十字軍の終焉と騎士道修道会/二項対立の時代

第3章 二つの帝国
 帝国の誕生/レコンキスタと海賊/スペインの反撃/レスボス島の兄弟/大型ガレー船の拿捕/ベジャイア攻略の失敗/アルジェ王ウルージ/ウルージの最期/アルジェ総督ハイルッディン/チュニス攻略/ジェノヴァ提督アンドレア・ドーリア/カール五世のチュニス遠征/プレヴェザの海賊/カール五世のアルジェ遠征/不信心な同盟/オスマン・フランス合同作戦/マルタ大包囲戦/レパントの海賊/セルバンテス『ドン・キホーテ』

第4章 黄金期の海賊
 新大陸の発見/コロンブスの運命/スペインの掠奪/ラス・カサスの告発/富の争奪戦/ホーキンズの密貿易/サン・ファン・デ・ウルアの復讐/ドレークの世界周航/無敵艦隊との対決/カリブの海賊バッカニア/モーガンの掠奪行/パナマ遠征/ジャマイカ副総督への就任/キッドの活躍/私掠から海賊へ/ウェストファリア体制の成立/海洋論争/ロジャーズの世界周航/「海賊共和国」/黒ひげティーチ/二人の女海賊/最後の大海賊ロバーツ

第5章 海賊の終焉
 レパント海戦後の混沌/和平関係の構築/アメリカ合衆国の建国/アダムズ=ジェファーソン論争/和平条約の締結/トリポリとの対立/トリポリ戦争の結末/アメリカ新外交の確立/シドニー・スミスの告発/エクスマス卿の遠征/海賊廃絶の決議/ヨーロッパの通告/アルジェの反論/チュニスのジャン論/一八三〇年の解決

第6章 現代と海賊
 ソマリア海賊の出現/国際法上の海賊/近代国際秩序の形成/海賊とテロリズム/海賊の二面性

おわりに (桃井 治郎)

参考文献


≪著者: ≫ 桃井治郎 (ももい・じろう) 1971年、神奈川県に生まれる。筑波大学第三学群社会工学類卒業、中部大学大学院国際関係学研究科中退。博士(国際関係学)。中部高等学術研究所研究員、在アルジェリア日本国大使館専門調査員などを経て、中部大学国際関係学部准教授。専攻・国際関係史、マグレブ地域研究、平和学。著書『アルジェリア人質事件の深層――暴力の連鎖に抗する「否テロ」の思想のために』(新評論、2015年)、『「バルバリア海賊」の終焉――ウィーン体制の光と影』(中部大学、2015年)、『近代と未来のはざまで――未来観の変遷と21世紀の課題』(共編、風媒社、2013年)。



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本「物語 オランダの歴史 大航海時代から「寛容」国家の現代まで (中公新書2434)」桜田美津夫5

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16世紀、スペイン王権との戦いから「低地諸州(ネーデルランデン)」北部であるオランダは独立。商機を求めてアジアや新大陸へ進出し、17世紀、新教徒中心の共和国は、世界でも最有力の国家となった。だが四次にわたる英蘭戦争、フランス革命の余波により没落。ナポレオン失脚後は王国として復活し、20世紀以降、寛容を貴ぶ先進国として異彩を放つ。本書は、大航海時代から現代まで、人物を中心に政治、経済、絵画、日本との交流などを描く。


≪目次: ≫
はじめに

図表 「オランイェ・ナッサウ家系図」
地図 「オランダ(2017年現在)」

第1章 反スペインと低地諸州の結集――16世紀後半
 1 ハプスブルク家支配――フェリーペ2世の即位
 2 反抗運動の開始――異端対策をめぐる対立
 3 オランイェ公の挙兵と海乞食党の役割
 4 独立――オランイェ公暗殺とスペイン軍一掃

第2章 共和国の黄金時代――17世紀
 1 特異な国制――ホラント州法律顧問と州総督
 2 繁栄する経済――国際商業の結節点
 3 各宗派の共存――カルヴァン派からユダヤ教まで
 4 黄金時代の多彩な文化――美術・科学・出版業

第3章 英仏との戦争、国制の変転――17世紀後半〜19世紀初頭
 1 イギリスとの海戦、フランスとの陸戦
 2 富の偏在と貧困――度重なる戦火
 3 アメリカ独立支援と第四次英蘭戦争
 4 フランス革命の余波――バターフ共和国から王国、併合へ

第4章 オランダ人の海外進出と日本
 1 大航海時代――三つの航路の開拓
 2 東インド会社と西インド会社――拠点形成と軍事行動
 3 日蘭関係の始まり――16世紀末から鎖国まで
 4 江戸期、蘭学の繁栄――西洋研究の跳躍台

第5章 ナポレオン失脚後の王国成立――19世紀前半
 1 ネーデルランデン連合王国の実験
 2 ベルギーの独立――七月革命の衝撃
 3 植民地支配――ジャワ戦争とアチェ戦争
 4 ウィレム2世の豹変――近代化と自由主義者の躍進

第6章 母と娘、二つの世界大戦――19世紀後半〜1945年
 1 国民の分裂――宗派勢力と社会主義の台頭
 2 第一次世界大戦化の中立政策
 3 柱状社会化――四つの部分社会の並立
 4 ナチス・ドイツの支配――五年間の占領と抵抗

第7章 オランダ再生へ――1945年〜21世紀
 1 インドネシア独立問題――植民地帝国の終焉
 2 ドレース首相による福祉国家建設
 3 経済成長の果実と60年代の騒乱
 4 ベアトリクス女王と「寛容」の国

おわりに (二〇一七年三月一七日 桜田 美津夫)

主要参考文献
オランダ首相一覧(20世紀以降)
第二院の議席数の推移
オランダ関連年表


≪著者: ≫ 桜田美津夫 (さくらだ・みつお) 1955(昭和30)年岡山生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得。早稲田大学助手を経て、1992年より就実女子大学文学部助教授。就実大学人文科学部教授。専攻は16~17世紀オランダ史。共著、『ヨーロッパ的自由の歴史』(南窓社、1992年)、『近世ヨーロッパの東と西』(山川出版社、2004年)、『世界史史料』第5・6巻(岩波書店、2007年)、『大学で学ぶ西洋史〔近現代〕』(ミネルヴァ書房、2011年)、『文献解説 西洋近現代史1 近世ヨーロッパの拡大』(南窓社、2012年)など。



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本「帝国大学 近代日本のエリート育成装置 (中公新書2424)」天野郁夫5

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今なお大きな存在感を持つ旧七帝大。明治維新後、西欧の技術を学ぶため、一八八六年の帝国大学令により設立が始まった。本書では、各地域の事情に応じて設立・拡充される様子、帝大生の学生生活や就職先、教授たちの研究と組織の体制、予科教育の実情、太平洋戦争へ向かう中での変容などを豊富なデータに基づき活写。建学から戦後、国立総合大学に生まれ変わるまでの七〇年間を追い、エリート七大学の全貌を描く。


≪目次: ≫
プロローグ なぜ帝国大学か
 アメリカの大学で/七人の兄弟/帝国大学という命名/帝国大学の性格/揺るがぬ存在感/帝国大学の編成/総合大学主義/専門学校の存在/大学群のなかの帝国大学

第I部 誕生と発展
第一章 東西両京の大学――東京・京都
 帝国大学以前/専門学校の時代/大学像の模索/最初の帝国大学/京都――第二の帝国大学/貧弱な資源/京都帝大の挑戦/試験重視からの脱却
第二章 列島の南北へ――東北・九州・北海道
 明治三〇年代の「八年計画」/九州・東北帝大の誘致運動/京都帝大福岡医科大学/東北帝大という難題/古河家の寄附金/東北・九州両帝大の発足/北海道帝大の独立
第三章 拡充と増設――大阪・名古屋
 「大学令」の公布/高等教育拡張計画/帝国大学の整備/経済学部の新設/教養主義と法文学部/大阪――第六帝国大学/名古屋――最後の帝国大学/二人の姉妹/京城帝国大学/台北帝国大学/日本人のための大学か

第II部 高等学校生活
第四章 予科と教養教育の間
 大学という共同体/帝国大学予科/特異な学校/予科としての高等中学校/高等中学校から高等学校へ/専門学校化構想の挫折/教養教育と「新制高等中学校」構想/「学芸大学校」論の登場/新高等学校令と大学令/教養教育という建前/実体は帝国大学予科/高等学校の危機/大学予科への回帰
第五章 自由と人間形成
 予備教育の時代/外国語中心の「教養教育」/キャンパスライフ/寄宿舎と籠城主義/校友会の役割/自治と自由の形骸化/進学準備への傾斜
第六章 入試から進学まで
 高等学校と入学試験/「綜合試験」制度の導入/「分割制」と「集合試験」/「二班制」の導入/入試問題漏洩事件/帝国大学への進学/東京か京都か/高校卒業者の進路/ペッキングオーダー

第III部 学生から学士へ
第七章 エリートたちの学生生活
 学生と学士/「大人」の学生たち/受験戦争と年限短縮論/試験漬けの帝大生/卒業成績と恩賜の銀時計/立派な卒業証書/学士という称号/学士会の発足
第八章 大正デモクラシーのなかで
 学制改革と帝国大学/試験重視の教育批判/教育の革新へ/廃止された卒業式と銀時計/秋入学から春入学へ/学生生活調査/楽ではなかった経済生活/勉強と娯楽と
第九章 官から民へ――職業の世界
 行政官僚の養成へ/帝国の人材育成基地/世人の批判/明治四二年の就業状況/実業界への進出/就職難の時代/学校斡旋と一括・定期採用/就職貴族の受難/書生から学生へ/帝大卒の就業状況/エリートの輩出率

第IV部 教授たちの世界
第一〇章 教授への道
 教授の共同体/「洋人・洋語学校」/留学というルート/教授の任用資格/大学院の開設/学位令と大学院/推薦博士の制度/養成システムの不備
第一一章 講座制と大学自治
 官僚としての帝大教授/教育研究の責任体制/講座制の実態/教授会自治へ/戸水事件と学問の自由/高等教員の供給基地/帝国大学間の格差
第一二章 学界の支配者たち
 大学自治と人事権/京都帝大「沢柳事件」/総長の選任/「大学制度改革私見」/待遇改善と停年制/研究環境の整備/未整備の大学院の改革/教授市場と帝国大学

第V部 終焉と転生
第一三章 大学財政の問題
 帝国大学と財政/自立への模索/特別会計制度の出発/挫折した基本金構想/定額支出制の導入/積算校費の時代へ/不足する研究費/科学研究費の制度化/時局と科学振興
第一四章 戦時体制のもとに
 帝国と大学の亀裂/京都帝大の滝川事件/荒木文相の人事介入/科学動員の時代/研究機能の強化策/理工系人材の育成策/困難な新設/理工科大学化への道/特別研究生制度/研究人材の確保策/付置研究所の大増設/戦後への遺産
第一五章 国立総合大学へ
 帝国大学の終戦処理/原子力・航空関連の研究禁止/教員の復学と追放/学生たちの戦後/帝国大学の「整備方針案」/「総合大学」化への動き/文系学部の新設/「女子帝国大学」構想/新帝大の誘致運動/六・三・三・四制への移行/帝国大学の位置づけ/帝国大学令の廃止/「国立総合大学」誘致運動/国立総合大学設置の一一原則

エピローグ 研究大学への道
 東京帝大の学制改革案/南原繁と天野貞祐/教刷委と別格化構想/学術研究所・大学院化/総合大学と複合大学/一県一大学原則/「特別の地域」/講座制への着目/温存された講座制/講座制か学科目制か/大学院の設置/資源の重点配分/「研究大学」への道

あとがき (二〇一七年新春 天野郁夫)
引用・参考文献
帝国大学 関連年表


≪著者: ≫ 天野郁夫 (あまの・いくお) 1936(昭和11)年、神奈川県生まれ。一橋大学経済学部・東京大学教育学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。教育学博士。名古屋大学助教授、東京大学教育学部教授、同学部長、国立大学財務・経営センター研究部長を歴任。東京大学名誉教授。専攻は教育社会学、高等教育論。著書、『高等教育の日本的構造』(玉川大学出版部、1986年)、『近代日本高等教育研究』(玉川大学出版部、1989年)、『旧制専門学校論』(玉川大学出版部、1993年)、『教育と近代化』(玉川大学出版部、1997年)、『日本の高等教育システム』(東京大学出版会、2003年)、『学歴の社会史』(平凡社ライブラリー、2005年)、『教育と選抜の社会史』(ちくま学芸文庫、2006年)、『試験の社会史』(平凡社ライブラリー、2007年、サントリー学芸賞受賞)、『国立大学・法人化の行方』(東信堂、2008年)、『大学の誕生(上・下)』(中公新書、2009年)、『高等教育の時代(上・下)』(中公叢書、2013年)、『新制大学の誕生(上・下)』(名古屋大学出版会、2016年)ほか。


竹内洋 『立志・苦学・出世 受験生の社会史』(講談社学術文庫、2015年) '15/11/23
斉藤利彦 『試験と競争の学校史』(講談社学術文庫、2011年) '11/03/29
竹内洋 『学歴貴族の栄光と挫折』(講談社学術文庫、2011年) '11/03/10



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本「ゴリラは戦わない 平和主義、家族愛、楽天的 (中公新書ラクレ575)」山極壽一+小菅正夫5

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ゴリラの世界は、誰にも負けず、誰にも勝たない平和な社会。石橋を叩いても渡らない慎重な性格で、家族を愛し、仲間を敬い、楽天的に生きる。人間がいつのまにか忘れてしまった人生観を思い出させてくれる「ゴリラ的生き方」とは何か? 京都大学総長と旭山動物園前園長が、ゴリラの魅力について存分に語り合った話題の一冊!


≪目次: ≫
ゴリラの学校 山極壽一
 ゴリラを訪ねてアフリカの旅/日本モンキーセンター/ゴリラからの挨拶

第一章 ゴリラは人間よりカッコいい!!
ゴリラは人間を超えている
 ゴリラは人間を超えている/「ひとりゴリラ」の孤独/旭山動物園のゴンタとマリ/石橋を叩いても渡らない/力強さは“背中の威厳”
「戦わない」ゴリラ的平和主義
 “対等”ということが重要/「リーダー」と「ボス」の違い/人間は将来に“保険”をかける/ハンディキャップ理論/背中で語る/ゴリラは子どもによって優しくなる/子どもを殺した
ゴリラが人間の生きる道を指し示してくれている
 食を通じた社会関係が崩壊するか/食卓の戦争

第二章 人間はゴリラに学べ!!
ゴリラの性
 ゴリラの交尾の“学習”/ニホンザルの“イモ洗い”
ゴリラの食物事情
 親が子どもに味を教える/サルと類人猿はまったく違う消化器官/腸内細菌が受け継がれる/動物園の“仕掛け”/動物と話がしたい/動物の目線
繁殖をさせられなければ動物園ではない
 ゾウの繁殖/不機嫌なゴリラ/柵の中に転落した子ども
動物園の動物たち
 ホモセクシャルなゴリラ/過去の記憶が残っている/命の繋がり/縮尺の法則

チンパンジーの「ゴクウ」の話 小菅正夫


≪著者: ≫ 山極壽一 Yamagiwa Juichi 京都大学第26代総長。1952年東京都生まれ。京都大学理学部卒業、同大学院理学研究科博士課程単位取得退学。理学博士。専門は、人類学・霊長類学。(財)日本モンキーセンター・リサーチフェロー。日本霊長類学会会長、国際霊長類学会会長を歴任。アフリカ各地でゴリラの行動や生態を探っている。

≪著者: ≫ 小菅正夫 Kosuge Masao 旭川市旭山動物園前園長。札幌市環境局参与(札幌市円山動物園担当)。1948年札幌市出身。北海道大学獣医学部卒業。在学中は北大柔道部主将で活躍。段位は四段。73年に入園。一時は閉園の危機にあった旭山動物園を再建し、日本最北にして日本一の入場者を誇るまで育て上げたことで有名。


山極寿一 『父という余分なもの サルに探る文明の起源』(新潮文庫、2015年) '16/07/31
山極寿一 『父という余分なもの サルに探る文明の起源』(新書館、1997年) '10/05/08
山極寿一 編 『ヒトはどのようにしてつくられたか』(シリーズ ヒトの科学、岩波書店、2007年) '10/05/03
山極寿一 『暴力はどこからきたか 人間性の起源を探る』(NHKブックス、日本放送出版協会、2007年) '10/04/26



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本「トルコ現代史 オスマン帝国崩壊からエルドアンの時代まで (中公新書2415)」今井宏平5

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1923年に建国したトルコ共和国。革命を主導し、建国の父となったムスタファ・ケマルは、共和主義・民族主義・人民主義・国家資本主義・世俗主義・革命主義という6原則を掲げ国家運営の舵を取った。それから約1世紀、数度のクーデタ、オザル首相の政治改革を経たトルコでは、エルドアンが政敵を排除しながら躍進を続けている。ケマルが掲げた6原則を通して、トルコの百年の足跡を振り返る。


≪目次: ≫
はしがき
 一〇〇年の歴史と、六つの原則

地図 「トルコ周辺の地図」
地図 「トルコの主な県」

序章 トルコはいま、何を目指しているのか
1 「新興国」トルコの台頭
 経済の安定成長/国際社会で増す存在感/中東における「モデル」兼潤滑油/シリア内戦の鍵を握る国家
2 公正発展党の登場
 現代版「瀕死の病人」/転機としての二〇〇二年/二〇一五年は新たな転換点?
3 本書の目的と分析視覚

第一章 トルコ共和国の国家建設
1 オスマン帝国の崩壊とトルコ共和国の建国
 一九世紀におけるオスマン帝国の衰退と改革/青年トルコ人運動から独立戦争へ
2 ムスタファ・ケマルの改革
 ケマルの権力掌握/クルド・ナショナリズムの顕在化/コラム「サイド・ヌルスィー」/内政の理念と原則/アタテュルクからイノニュへ/取り残される地方
3 現実主義に徹した建国初期の外交
 外交の理念と原則/建国初期の外交――国境の画定を目指して/一九三〇年代の外交――現状維持の模索/第二次世界大戦期(一九四〇年代前半)の外交

第二章 複数政党制下における混乱
1 共和人民党から民主党への政権交代
 複数政党制の導入/民主党の結成/アドナン・メンデレスの生い立ち/メンデレスの光と影
2 第二共和政の幕開け
 五月二七日クーデタ/国家統一委員会による軍政/一九六一年憲法の制定へ/二度のクーデタ未遂事件
3 デミレルとエジュヴィトによる政権運営
 デミレルの登場/治安の悪化と書簡クーデタ/デミレルの政治手腕/イノニュからエジェヴィトへ/エリート政治から社会民主主義へ
4 混迷の七〇年代
 エルバカンと国民救済党/テュルケシュと民族主義者行動党/七〇年代後半の治安悪化/修正を余儀なくされる共和国の理念

第三章 冷戦期のトルコ外交
1 一九四〇年代後半の外交――西側への急傾斜
 ソ連の脅威の高まり/アメリカによる経済・軍事援助/NATO加盟への試み/トルコのNATO加盟
2 一九五〇年代の外交――西側への献身
 西側重視の継続/中東防衛構想/「巻き込まれる恐怖」とアメリカへの不信
3 デタント期の外交――全方位外交とキプロス紛争
 キプロス紛争/コラム「イスタンブル生まれのギリシャ人、ルム」/ソレントの部分的関係修復/アラブ諸国への接近/第二次キプロス紛争/アメリカとの関係悪化とその修復/冷戦に翻弄されたトルコ外交/コラム「その後のキプロス」

第四章 トゥルグット・オザルの時代
1 第二共和政の終焉
 一九八〇年九月一二日クーデタ/一九八二年憲法の制定/一九八三年一一月選挙
2 オザルの来歴と権力掌握の過程
 マラトゥヤ発イスタンブル経由アメリカ行き/九月一二日クーデタ以前のオザルの政治活動/「一・二四決定」による経済改革/祖国党の特徴/トルコ―イスラーム統合論の実践/大物政治家たちの復帰/首相から大統領へ
3 新自由主義経済の導入と「アナトリアの虎」
 国家資本主義の時代/コラム「コチ財閥とサバンジュ財閥」/新自由主義経済への転換/TÜSİAD から「アナトリアの虎」へ
4 オザル時代の外交
 EC加盟交渉の進展/親米路線の強化/湾岸危機/北イラク・クルド問題/中央アジアと南コーカサスへの積極的な関与/BSECの発足/拡大するBSECの活動/「共通のトルコ性」の推進と限界/エネルギー・シルクロード/ネオリベラル型ポピュリズムの時代

第五章 迷走する第三共和政
1 クルド問題の変遷
 一党独裁時代から複数政党制時代へ/クルド人の票の行方/「トルコの東部には、クルド人が生活している」/PKKの発足/オジャランの恐怖政治/コラム「トルコの池上彰――アフメット・アリ・ビランド」/クルドを認めたオザルとデミレル/PKKの活動の活発化/クルド系政党の確立と解党/人民民主主義党の興廃
2 連立政権下で不安定化する内政
 デミレルからチルレルへ/チルレルの手腕/オザルからユルマズへ/ユルマズのつまずき/福祉党の躍進/軍部の圧力を受けて/エジェヴィトの再登場/一九九九年における民族主義者行動党の躍進
3 九〇年代の外交政策
 福祉党の外交政策/イスラエルとの関係強化/民主左派党の外交政策/シリア危機/EU加盟交渉の進展/オザル以降のEU加盟交渉/OIC―EU共同フォーラム/現実との齟齬が顕在化した共和国の理念

第六章 公正発展党の台頭とその政権運営
1 公正発展党の誕生
 公正発展党の設立/二〇〇二年一一月三日総選挙
2 党の牽引者たち
 レジェップ・タイイップ・エルドアン/政治家としてのエルドアン/アブドゥッラー・ギュル/政治家としてのギュル/ビュレント・アルンチ/ジェミル・チチェク/アフメット・ダーヴトオール/アリ・ババジャン/ギュレン運動の後押し
3 低所得層に配慮した経済・社会政策
 「強い経済に向けたプログラム」の実践/掘っ立て小屋から高層マンションへ
4 二〇〇七年の大統領選挙と軍部の衰退
 大統領選挙を巡る公正発展党と世俗派のつばぜり合い/軍部による一連の政府転覆計画/コラム「オルハン・パムク」/失墜する軍部の影響力
5 公正発展党の初期の外交
 イラク戦争への対応/トルコ軍派兵に前向きなエルドアン/戦争の回避を目指したギュル/見送られたイラクへの派兵/拡大中東・北アフリカ・イニシアティブへの協力/EU加盟交渉/行き詰まる加盟交渉/理念とその牽引車の変容

第七章 安定を模索する公正発展党
1 公正発展党の外交ドクトリン
 五つの原則/コラム「アフリカで存在感を高めるトルコ」/地域秩序安定のための「現状維持」/現状維持から現状打破へ/トルコの「中心国」外交
2 クルド人との和解に向けた試み
 二〇一三年以前の公正発展党とクルド問題/計画の内容/「民主的イニシアティブ」の蹉跌/停戦に至るまでの過程/停戦宣言/実らなかった停戦交渉/交戦の再開
3 ゲズィ抗議の発生とその政治的意味
 公正発展党に対する抗議運動/ゲズィ抗議の発端/ゲズィ抗議の評価
4 公正発展党の「長い二〇一四年」
 二〇一四年地方選挙/二〇一四年大統領選挙/二〇一五年総選挙/再選挙による揺り戻し/トルコで活動を活発化させるIS/強い政府はいかに安定を担保できるのか

第八章 トルコと日本の関係
1 はじまりはエルトゥールル号事件
 エルトゥールル号 事件の概要/非公式外交から公式外交へ
2 実質的な協力の模索
 第二次世界大戦による国交断絶/経済を基盤とした関係/第二次ボスポラス海峡大橋とマルマライ・プロジェクト/イラン在留邦人の救助/オザル以降の関係強化
3 公正発展党政権期の日本とトルコの関係
 「日本におけるトルコ年」と「トルコにおける日本年」/日本とトルコの経済関係/発電所建設における協力
4 串本町訪問
 悲劇の記憶から友好の象徴へ/串本町の取り組み/コラム「トルコのテレビ・ドラマと映画」/トルコにおける日本語・日本教育

終章 建国一〇〇周年を見据えて
1 揺らぎ続ける建国の理念
 六本の矢との対話/増えるシリア難民/ダーヴトオールの退場/暴走した元守護者
2 山積みの外交課題
 泥沼のシリア内戦/シリア難民問題の新たな局面/EUとの戦略的関係/ロシアとの関係改善/共和国建国一〇〇周年を見据えて

あとがき (二〇一六年一二月一四日 深大寺の鐘が遠くに鳴り響く調布の自宅にて 今井宏平)

図表 「トルコ共和国の歴代大統領と政権」
図表 「主な政党の系譜」
参考文献


≪著者: ≫ 今井宏平 (いまい・こうへい) 1981年、長野県生まれ。2006年、中央大学大学院法学研究科政治学専攻博士前期課程修了。06年からトルコのビルケント大学に留学、07年から11年までトルコの中東工科大学国際関係学部博士課程に留学。11年、中東工科大学国際関係学部博士後期課程修了。13年、中央大学大学院法学研究科政治学専攻博士後期課程修了。中東工科大学Ph.D. (International Relations)。中央大学博士(政治学)。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、16年より日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所研究員。専門は、現代トルコ外交・国際関係論。著書に『中東秩序をめぐる現代トルコ外交』(ミネルヴァ書房、2015年)、『中東の新たな秩序』(共著、ミネルヴァ書房、2016年)、『現代中東を読み解く』(共著、明石書店、2016年)がある。


新井政美 編著 『イスラムと近代化 共和国トルコの苦闘』(講談社選書メチエ、2013年) '13/02/07



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本「江戸の災害史 徳川日本の経験に学ぶ (中公新書2376)」倉地克直5

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江戸の大火事、富士山噴火、地震、飢饉、疫病・・・・・・ 頻発する大災害を人々はいかに生き抜いたのか。災害と防災でたどる新たな江戸時代史

江戸時代は大災害が集中した、日本史上でも稀な時期である。江戸を焼き尽くした明暦の大火、富士山の大噴火、日本史上最大級の宝永地震、度重なる飢饉などの記憶は今も語り継がれている。一方、幕府や藩、地域社会、家の各レベルで人々が防災に取り組んだのも江戸時代に入ってからだった。いのちを守るシステムはいかに形成され、いかに機能しなくなったのか。災害と防災から見えてくる新たな江戸三百年史の試み。


≪目次: ≫
まえがき
 活動期に入った地震列島/災害と歴史学

はじめに
 災害史における江戸時代/気候変動/戦争と平和/「いのち」の環境/徳川日本人の名刺/徳川日本の地域性/災害をめぐる心性

第1章 徳川日本の成立と災害
1 慶長期の災害
 関ヶ原以前/関が原以後/慶長三陸地震津波/「津波」という語の登場/伊勢踊流行
2 家光の「御代始め」と寛永の飢饉
 島原天草一揆/渡島駒ヶ岳の噴火/寛永の飢饉/「仁政」へのシフト/自己批判する領主
3 災害と都市
 明暦の大火/災害と情報/「非人」身分の成立/寛文・延宝期の災害
コラム1 災害報道文学の登場

第2章 災害と「公共」空間の広がり
1 綱吉の登場と災害
 天和の治/災害と「怪異」/元禄関東大地震と津波/記憶と供養/流言と「世直り」/宝永大地震と津波/救恤と復興/宝永富士山大噴火/諸国高役金/御手伝普請と拝借金
2 享保の改革と災害
 「国役普請」制度/江戸の火事と消防/疫病流行/享保の飢饉/上方の施行と江戸の打ちこわし/「世直り」と「みろくの世」
コラム2 地域・村・家の記憶

第3章 「公共」をめぐるせめぎあい
1 宝暦期の状況
 蝦夷大島津波と越後高田大地震/宝暦の飢饉/『民間備荒録』/「農書」と飢饉/囲籾と義倉/間引き禁止と赤子養育制度/美濃三川の宝暦治水/「国役普請」の再開/杉田玄白の『後見草』
2 天明浅間山大噴火と天明の飢饉
 浅間山大噴火/復旧をめぐる「公儀」と村方/鎌原村の復興/青ヶ島噴火/天明の飢饉始まる/救恤のための拝借金/村山地方の郡中議定/天明七年の打ちこわし/大坂・京都の状況/飢饉後の対策/「法天文化」論
コラム3 供養塔の語るもの

第4章 「徳川システム」の疲労
1 寛政期以降の地域社会
 寛政の改革/「名大官」による幕府領「改革」/島原大変肥後迷惑/「藩政改革」の行方/疲弊する村/繰り返す災害と御手伝/惣庄屋による「勧農富民」
2 天保の飢饉と地域社会
 寛政から文化・文政期の地震災害/天保の飢饉/大塩の乱/天保から嘉永期にかけての熊本藩/仙台藩の動向/仙台藩の献金侍/出羽村山「郡中」の動向/「天保の改革」の挫折
3 安政の大地震と「世直り」願望
 善光寺地震/嘉永三年の水害/安政東海・南海地震/安政江戸地震/連続する地震/安政コレラ騒動/「ええじゃないか」/ある村の明治維新
コラム4 「鯰絵」とはなにか

まとめにかえて

 「いのち」を守る諸関係/「公共」機能の多様化と矛盾/通俗道徳と「世直り」の意識/「地域」の浮上/「徳川システム」から明治へ

あとがき (五年後の二〇一六年三月一一日に 倉地克直)
〔付記〕(二〇一六年四月二〇日)

参考文献


≪著者: ≫ 倉地克直 (くらち・かつなお) 1949年(昭和24年)、愛知県に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。岡山大学大学院社会文化科学研究科教授などを歴任。岡山大学名誉教授。専攻、日本近世史、民衆史、文化史。著書、『近世の民衆と支配思想』(柏書房、1996)、『性と身体の近世史』(東京大学出版会、1998)、『近世日本人は朝鮮をどうみていたか』(角川選書、2001)、『漂流記録と漂流体験』(思文閣出版、2005)、『江戸文化をよむ』(吉川弘文館、2006)、『日本の歴史11 徳川社会のゆらぎ』(小学館、2008年)、『池田光政』(ミネルヴァ書房、2012)、『「生きること」の歴史学』(敬文舎、2015)など。



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本「ヒト 異端のサルの1億年 (中公新書2390)」島泰三5

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――サルが生まれ、ヒトが誕生し、日本人になるまで。――
1億年前、インドとマダガスカルからなるレムリア大陸で霊長類は産声を上げた。2000万年前には東南アジアの失われた大陸スンダランドで類人猿が進化し、アフリカに到達したその仲間からヒトが生まれる。華奢(きゃしゃ)な骨格と裸の皮膚、巨大脳をもつ、異端なサル=現代人は、いつ、どこで生まれたのか。そして日本人の祖先はどこからやってきて、どこに行こうとしているのか。サルから日本人へのはるかな足跡を追う。


≪目次: ≫
はじめに
図表 1 「類人猿2000万年史」
図表 2 「ホモ属人類200万年史」
図表 3 「ヒト上科の属名一覧」

第一章 起原はレムリア――マダガスカル・アンジアマンギラーナの森から
 マダガスカルの原猿類の多様さ/これほど多様なマダガスカルの原猿類はどこで生まれたのか?/漂流仮説とレムールの起原/霊長類はどこで生まれたのか/霊長類の分類とその系統/さて、類人猿の道をたどってみよう

第二章 歌うオランウータン――ボルネオとスマトラの密林にて
 「キング」と出会う/オランウータンの主食は何か?――三次元空間の巨大霊長類/類人猿2000万年の歴史/類人猿第一世代/中新世後期の類人猿第二世代/ふたたび旅は始まり、オランウータンは歌を歌う

第三章 笑うゴリラ――ヴィルンガ火山の高原より
 ルワンダからの手紙/マウンテンゴリラに会いに行く/ゴリラの主食は、いったい何か/冷たい息吹――ヒッパリオン動物相/ヴァレシアン・クライシス――地中海地域で激変する環境/アフリカの類人猿第二世代とゴリラの起原/ゴリラの分布域の不思議/ヴィルンガ火山群のマウンテンゴリラ/ゴリラは笑うし、言葉も使う

第四章 類人猿第三世代のチンパンジーとアルディピテクス――タンガニーカ湖畔の森から
 類人猿第三世代――チンパンジーとの遭遇/チンパンジーの選んだ道/類人猿第三世代――その二、アルディピテクス/アルディピテクスとはどんな類人猿なのか?/その時代と環境 地中海地域――メッシニアン塩分危機/東アフリカ――隆起による乾燥化/アルディピテクスの生きていた生態系/アルディピテクスの葉と手足/アルディピテクスのニッチ(生態的地位)/その社会/アルディピテクスは人類の祖先か?

第五章 類人猿第四世代、鮮新世のアウストラロピテクス――ツァボ国立公園にて
 アウストラロピテクス属の誕生/アナメンシスとアファレンシス/アファレンシスの歩き方/アナメンシストアファレンシスの臼歯のエナメル質の厚さ/その歯は何を示しているのか?/アウストラロピテクスの社会/ジャッカルの目――マサイラマ国立保護区

第六章 ホモ・エレクトゥスとハンドアックスの謎――マサイマラから
 マサイマラのライオンとマサイ人/類人猿第四世代/ボノボの出現/更新世のアウストラロピテクス属/ホモ属の出現/ホモ・エレクトゥス類(原人たち)の主食は何か?/ハンドアックスの謎/謎その1――巨大さ/謎その2――定型的な形/謎その3――分布の特異さ/謎その4――使用痕のないこと/ハンドアックスの用途についての学説/威嚇/王獣ホモ・エレクトゥス/では、原人たちはどんな群れを作ったのか?

第七章 格闘者ネアンデルタール
 ネアンデルタールの時代――50万年前から3万年前まで/ネアンデルタールの生活環境/体の重武装化/人類史上最大の脳/ネアンデルタールの石器――中期旧石器時代/ネアンデルタールの生活と主食/ネアンデルタールの絶滅――動物地理学的解釈

第八章 ホモ・サピエンスの起原――ナイヴァシャ湖にて
 アンタナナリヴの沼/ホモ・サピエンスの起原/どこでホモ・サピエンスは出現したのか?/「バザルーサと同じこと」――アフリカの湖沼群地帯にて/ゲノムの解析によってホモ・サピエンスの特性、裸の皮膚がほの見える/補注:毛についての事実とふたつの側面と「はだかの起原」

第九章 最後の漁撈採集民、日本人――宇和海の岸辺にて
 東へ、日の昇る彼方へ/日本人の近縁者たち/日本人の起原/朝鮮からつながる古日本半島の時代――15万年前まで/新日本半島の時代――15万年前からAT噴火(2万6000年前)前後まで/ホモ・サピエンス、日本列島に入る/最終氷河期の最隆期――3万年前から1万3000年前まで/「かりに真理を犬としてみる」/言葉の起原/縄文漂流民/完新世温暖期に農耕が始まり、脳は縮む

終章 ほほえみの力

あとがき (二〇一六年七月 本郷展雲荘にて)


総索引文献


≪著者: ≫ 島 泰三 (しま・たいぞう) 1946年、山口県下関市生まれ。下関西高等学校、東京大学理学部人類学科卒業。東京大学理学部大学院を経て、78年に(財)日本野生生物研究センターを設立、房総自然博物館館長、雑誌『にほんざる』編集長、天然記念物ニホンザルの生息地保護管理調査団(高宕山、臥牛山)主任調査員、国際協力事業団マダガスカル国派遣専門家(霊長類学指導)等を経て、NGO日本アイアイファンド代表。アイアイ生息地の保護につとめる。マダガスカル国第5等勲位シュバリエ。理学博士(京都大学)。著書、『親指はなぜ太いのか』(2003)、『安田講堂 1968-1969』(2005)、『戦う動物園』(編、2006)、『孫の力』(2010、以上、中公新書)、『腰・肩・ひざは「ねじって」治す』(山内英雄との共著、2014)、『腰・肩・ひざは「ふたりで」治す』(山内英雄との共著、2015、以上、中公新書ラクレ)、『どくとるアイアイと謎の島マダガスカル』上・下(八月書館、1997)、『アイアイの謎』(どうぶつ社、2002)、『サルの社会とヒトの社会』(大修館書店、2004)、『はだかの起原』(木楽舎、2004)、『決定版 日本水族館紀行』(阿部雄介写真、木楽舎、2013)ほか。



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本「シェイクスピア 人生劇場の達人 (中公新書2382)」河合祥一郎5

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ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare, 1564〜1616)は、世界でもっとも知られた文学者だろう。『マクベス』や『ハムレット』などの名作は読み継がれ、世界各国で上演され続けている。本書は、彼が生きた動乱の時代を踏まえ、その人生や作風、そして作品の奥底に流れる思想を読み解く。「万の心を持つ」と称された彼の作品は、喜怒哀楽を通して人間を映し出す。そこからは今に通じる人生哲学も汲み取れるはずだ。


≪目次: ≫
まえがき

第1章 失踪の末、詩人・劇作家として現れる
 生没の記録は教会に有り/父の出世/少年時代/強烈な経験/父の没落/青春、結婚/カトリック弾圧/シェイクスピアの失踪、アルマダの海戦/失われた年月

第2章 宮内大臣一座時代
 エドワード・アレン率いるストレインジ卿一座/宮内大臣一座/グローブ座以前/故郷に錦を飾る/名前が出る/グローブ座/エリザベス女王治世の終焉/父の死、王女の死

第3章 国王一座時代と晩年
 二人のウイリアム/国王一座/大切な友/決断/物騒な時代/初孫/ブラックフライアーズ劇場/引退へ向けて/グローブ座炎上/囲い込み騒動/遺言状/シェイクスピアの謎

第4章 シェイクスピア・マジック
 シェイクスピア・マジック 宗愁織ぅ爛好螢奪廖辛饌罎旅渋ぁ織轡Дぅスピア・マジック◆宗愁謄譽檗璽董璽轡腑鵝織轡Дぅスピア・マジック――自由自在な場所設定/シェイクスピア劇場の特徴――韻文

第5章 喜劇――道化的な矛盾の世界
 喜劇はすべてを肯定する/シェイクスピア劇の賢い道化たち/オクシモロン/喜劇の構造 宗衆鼎け討ら攪乱過程へ/喜劇の構造◆宗充膓擇班筋/二重のアイデンティティを可能にする変装/光と影

第6章 悲劇――歩く影法師の世界
 悲劇の本質――ヒューブリス/『ハムレット』/『オセロー』/『リア王』/『マクベス』/その他の悲劇/ルネサンス的世界観/世界劇場

第7章 シェイクスピアの哲学――心の目で見る
 心の目(マインズ・アイ)/客観的事実と主観的事実/外見と内実/魔法の鏡/パスペクティブ――見えないものを見る/ストア派の哲学/ストア派を目指すハムレット/ストア派哲学者エピクテートス/コーディーリアはストア派/ストア派の認識論/演劇の力は信じる力

あとがき (二〇一六年六月 河合祥一郎)
シェイクスピア関連年表
参考文献


≪著者: ≫ 河合祥一郎 (かわい・しょういちろう) 1960年、福井県生まれ。東京大学文学部英文科卒業。東京大学大学院人文科学研究科修士課程・人文社会系研究科博士課程およびケンブリッジ大学修士・博士課程を経て、両大学より博士号(Ph.D)取得。東京大学大学院総合文化研究科准教授などを経て、東京大学大学院総合文化研究科教授(表象文化論)。著書、『謎解き『ハムレット』』(三陸書房、2000年、ちくま学芸文庫、2016年)、『ハムレットは太っていた!』(白水社、2001年)、サントリー学芸賞受賞[芸術・文学部門])、『国盗人』(白水社、2009年)、『あらすじで読むシェイクスピア全作品』(祥伝社新書、2013年)、『シェイクスピアの正体』(新潮文庫、2016年、『謎解きシェイクスピア』[2008年、新潮選書]を改題)など。訳書、『新訳 ハムレット』(シェイクスピア著、角川文庫、2003年)、『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル著、角川文庫、2010年)、『新訳 ドリトル先生アフリカへ行く』(ヒュー・ロフティング著、角川つばさ文庫、2011年)など多数。

河合祥一郎 『『ロミオとジュリエット』 恋におちる演劇術』(理想の教室、みすず書房、2005年) '09/03/18



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本「地図と愉しむ東京歴史散歩 地下の秘密篇 (中公新書2403)」竹内正浩5

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丸ノ内線はなぜあちこちで地上に顔を出すのか。三田線の終点は他線と接続しない西高島平になぜなったのか。東京の地下鉄にはたくさんの秘密が隠されている。ほかにも霞が関・市谷・麻布・上野など、あちこちにあった巨大な地下壕の跡、日本最大の怨霊である崇徳院をまつった神社など、日常では目にすることの少ない東京の姿を、地図と模式図とカラー写真で紹介する。好評シリーズ第5弾。地下にはドラマあり。


≪目次: ≫
はじめに
地図 「地下鉄路線図」

第1章 深すぎる地下鉄、浅すぎる地下鉄
 地形と道路をなぞる地下鉄/「一号線」がなぜ浅草線なのか
1 銀座線と丸ノ内線
 犬猿の仲だった地下鉄会社/地下鉄駅がなぜ地上三階なのか/谷を埋めて造成した車両基地/地下鉄に「高原駅」がある!?/国会議事堂の敷地を横断する謎/なぜ丸ノ内線は神田駅を避けたか
2 日比谷線と都営浅草線
 建設競争の二つの路線/浅草線絶対有利のなずが・・・・・・/浅草線を次々襲う難工事
3 東西線、千代田線、都営三田線
 都県境を越えた東西線/不忍池が干上がる/公園直下の車両基地/東京メトロの線名が集中する謎/割ばかり食ってきた三田線
4 深すぎる地下鉄、複雑化する乗り継ぎ
 ほとんど神業のトンネル交差/大江戸線よりも深い地下鉄/最長のエスカレーターはどこにある

第2章 都心の地下壕の話
 皇室の防空対策/地下深く眠る陸軍の地下壕/地下鉄工事で消えた海軍の壕/総理官邸にも地下壕があった/未完成に終わった議事堂の地下壕/毒ガス対策がなされた地下施設/上野公園にあった地下壕/都内各地にも築造/後を絶たない地下壕の事故

第3章 怨霊神の系譜
 王政復古を阻んだ崇徳院の呪詛/京都に遷都した神霊/外地にもあった崇徳院の社/朝廷の祟り神を守護神に/祭神変更をめぐるトラブル/将門が招いた暴風雨/110年目の将門復活/都心に残るゆかりの古社/1000年目の雷火/旧河道脇に鎮まる祟り神

第4章 団地の土地を読み解く
1 東京に団地が根づいた理由
 「10年で住宅問題を解決してみせる」 「団地」の語源はどこに/団地の三種の神器/半世紀後の孤独死問題/当世の社宅はマンション風/巨大団地のベビーブーム
2 団地の土地の来歴を探る
 軍事施設が団地に/工場跡団地が醸す雰囲気/都心の桃源郷/動物園が移転寸前だった団地/豪邸を転用した団地も

主要参考文献
地下鉄路線・駅一覧


≪著者: ≫ 竹内正浩 (たけうち・まさひろ) 1963年、愛知県生まれ。1985年、北海道大学卒業。文筆家。地図や近現代史研究をライフワークとする。著書、『カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩』『カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩 都心の謎篇』『カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩 地形篇』『カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩 お屋敷のすべて篇』(以上、中公新書)、『地形で謎解き!「東海道本線」の秘密』(中央公論新社)、『水系と3Dイラストでたどる東京地形散歩』(宝島社)、『写真と地図でめぐる軍都・東京』(NHK出版新書)、『カラー版 空から見える東京の道と街づくり』(じっぴコンパクト新書)、『空から見る戦後の東京』(実業之日本社)、『地図で読み解く日本の戦争』『鉄道と日本軍』(以上、ちくま新書)、『軍事遺産を歩く』(筑摩書房)、『地図で読み解く東京五輪』(ベスト新書)、『地形で読み解く鉄道路線の謎 首都圏編』(JTBパブリッシング)、『日本の珍地名』『地図もウソをつく』『戦争遺産探訪 日本編』(以上、文春新書)、『地図だけが知っている日本100年の変貌』(小学館101新書)など。




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本「競馬の世界史 サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで (中公新書2391)」本村凌二5

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――優駿たちの夢の競演――
中東生まれのアラブ馬を始祖とし、イギリスで誕生したサラブレッド。この純血種は名馬エクリプスの登場で伝説化され、欧米から世界中に広まった。ダービーなど若駒が競い合うクラシックレースが各国で始まって人気を博し、二十世紀以降、凱旋門賞をはじめとするビッグレースが創設された。観衆の胸を躍らせた名勝負の舞台裏では、人と馬のいかなる営みがあったのか。優駿たちが演じた筋書きのないドラマを世界史としてたどる。


≪目次: ≫
プロローグ

第1章 古代民衆の熱狂――競馬の黎明期
 オリンピックの戦車競走/古代ローマの「パンとサーカス」/馬とヨーロッパ中世

第2章 英国王の庇護のもとで――近代競馬の胎動
 最古の競馬場チェスター/狩猟から競馬へ/賭博の横行/イタリアのパリオ競馬

第3章 サラブレッドの誕生――品種改良のはじまり
 アラブ馬の渇望/サラブレッドの三大始祖/エクリプス誕生/伝説の名馬

第4章 クラシックレースの成立――十八世紀のヨーロッパ競馬
 ロンドン再生とクラブの流行/ジョッキークラブの実力者/高潔なるバンベリー卿/オークス、ダービーの創設/ヨーロッパ各国への影響/独立以前のアメリカ

第5章 市民社会と近代競馬の発展――十九世紀のヨーロッパ競馬
 三冠馬の誕生/人間の性としての「遊戯」/労働者階級と賭け師/競馬への批判/ベンティンク卿の功罪/ラウス卿の献身/グラディアトゥールの衝撃/最初のスター騎手アーチャー/アイルランドとフランスの競馬/他の諸国の競馬事情

第6章 馬産地ケンタッキーの台頭――十九世紀の世界の競馬
 恵まれた立地条件/白熱のマッチレース/レキシントンの激闘/ケンタッキーダービーの創設/イギリス入植地の競馬/開国日本の状況/文明開化と競馬開催

第7章 凱旋門賞創設と国際レースの舞台――二十世紀のヨーロッパ競馬
 新世紀の幕開けから第一次大戦へ/ダービー卿とアガ・カーン/アメリカ流の「侵入」/イタリア産馬ネアルコの奇跡/二十世紀の代表的イギリス馬/大種牝馬ノーザンダンサー/アイルランドとフランスの活況

第8章 繁栄する合衆国の英雄たち――二十世紀のアメリカ競馬
 アメリカ競馬、冬の時代/国民的英雄マンノウォー/「最強世代」との呼び声/北米産血統の隆盛/三冠馬続出の七〇年代/ブリーダーズカップの創設

第9章 日本競馬の飛躍――二十世紀の世界の競馬
 欧米以外の地域の競馬事情/日清・日露戦争と軍馬育成/安田伊左衛門と日本ダービー創設/有馬頼寧と日本中央競馬会発足/ハイセイコー人気と二頭の三冠馬/平成の名勝負

第10章 国際化時代のビッグレース――現代の競馬

エピローグ

あとがき (二〇一六年七月吉日 本村凌二)
主要参考文献
写真引用文献
用語ノート
馬名索引


≪著者: ≫ 本村凌二 (もとむら・りょうじ) 1947年(昭和22年)、熊本県に生まれる。一橋大学社会学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学教授等を経て、早稲田大学国際教養学部特任教授。東京大学名誉教授。博士(文学)。専攻、古代ローマ史。『薄闇のローマ世界』でサントリー学芸賞、『馬の世界史』でJRA賞馬事文化賞を受賞。2008年、一連の業績に対し、地中海学会賞を受賞。著書、『暗闇のローマ世界』(東京大学出版会)、『古代ポンペイの日常生活』(講談社学術文庫)、『愛欲のローマ史』(講談社学術文庫)、『馬の世界史』(中公文庫)、『多神教と一神教』(岩波新書)、『地中海世界とローマ帝国』(「興亡の世界史」4、講談社)、『帝国を魅せる剣闘士』(山川出版社)、『ローマ人に学ぶ』(集英社新書)、『古代ローマ人との対話』(岩波現代文庫)、『世界史の叡智』(中公新書)、『世界史の叡智 悪役・名脇役篇』(中公新書)、『ローマ帝国人物列伝』(祥伝社新書)ほか。


本村凌二 『馬の世界史 A World History of the Horse 』(中公文庫、2013年) '16/07/17
本村凌二 『はじめて読む人のローマ史1200年』(祥伝社新書、2014年) '14/12/29
本村凌二 『世界史の叡智 勇気、寛容、先見性の51人に学ぶ』(中公新書、2013年) '13/07/23
本村凌二 『古代ローマとの対話 「歴史感」のすすめ』(岩波現代文庫、2012年) '13/01/16
本村凌二 『ローマ人に学ぶ』(集英社新書、2012年) '13/01/10
本村凌二/中村るい 『古代地中海世界の歴史』(ちくま学芸文庫、2012年) '12/12/02
本村凌二 『多神教と一神教 古代地中海世界の宗教ドラマ』(岩波新書、2005年) '11/08/20
本村凌二/高山博 編著 『地中海世界の歴史 古代から近世 '09』(放送大学教材、共通科目;一般科目・人文系、放送大学教育振興会、2009年) '10/12/28
本村凌二 『古代ポンペイの日常生活』(講談社学術文庫、2010年) '10/11/02


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本「中曽根康弘 「大統領的首相」の軌跡 (中公新書2351)」服部龍二5

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「風見鶏」と批判されながら、首相就任後は米中韓と蜜月関係を築き国鉄等の民営化を推進。日本の地位を大きく上昇させた政治家の軌跡

自主憲法制定を訴えるタカ派、主張を変える「風見鶏」、首相就任時も、田中角栄の影響下「田中曽根内閣」と批判された中曽根康弘。だが「戦後政治の総決算」を掲げた中曽根は、「大統領的」手法によって国鉄などの民営化を推進、レーガン米大統領や中韓と蜜月関係を築き、サミットを通じて、日本の国際的地位を大きく上昇させる。本書は中曽根の半生を辿り、日本が敗戦から1980年代、戦後の頂点へと向かう軌跡を追う。


≪目次: ≫
はしがき
凡例

序章 幼少期――材木商から内務省へ
 松五郎とゆく/尋常小学校/政治への関心/旧制静岡高校/東京帝大/内務省へ

第1章 出征と敗戦――海軍主計中尉
 海軍経理学校/呉からの出港/フィリピン・インドネシア・台湾/帰国と敗戦/占領体験/青年懇話会/『青年の理想』/初当選

第2章 「青年将校」――野党時代
 民主党の混乱/「青年将校」/「ライバル」としての田中角栄/原点としての反吉田/徳富蘇峰/国民民主党と「北村学校」/再軍備を求めて/旧海軍軍人との接触/吉田との攻防/改進党の結成と革新派/「爆弾質問」/福田赳夫との「上州戦争」/群馬三区/日米安保体制の受容へ/ハーバード大学セミナー/ライシャワーとの対話/原子力の平和利用/「ミスター・アトム」――原子力予算の獲得/反吉田勢力への接近と防衛庁設置/共産圏の視察

第3章 保守合同と初入閣――岸内閣科学技術庁長官
 日本民主党から自民党へ/鳩山内閣の成立/自主憲法制定論/日ソ国交回復――波乱の演説/三縁主義/河野派の春秋会/石橋内閣から岸内閣へ/アジア・アフリカ歴訪/沖縄訪問/初入閣――科学技術庁長官/科学技術と宇宙開発/安保改定と岸への批判

第4章 「キル・ザ・タイム」から派閥の領袖へ
 池田内閣の反主流派/河野との離反――「キル・ザ・タイム」/ケネディ兄弟とパフォーマンス/「中曽根マシーン」の形成/首相公選運動/外遊/佐藤内閣の発足/アジア・アフリカ会議一〇周年/中国とアメリカ/河野の死/中曽根派の結成/最年少の派閥領袖/派閥と財界/芦浜原発計画/拓殖大学総長

第5章 非核三原則と「自主防衛」
――佐藤内閣運輸相・防衛庁長官
 佐藤への書簡/EC発足後のヨーロッパ/運輸相への就任/非核三原則/「持ち込ませず」という「政治的ゼスチャー」/成田空港と日ソ航空交渉/再び無役へ/米中の間で/防衛政策の模索/「自主防衛五原則」――防衛庁長官/「核兵器の導入は留保した方がよい」/「非核中級国家」と「中曽根構想」/パフォーマンス

第6章 「新自由主義」と石油危機――田中内閣通産相
 自民党総務会長/“中曽根工作”/「三角大福中戦争」/「角福戦争」/通産相への就任/周恩来との会談/中東歴訪/「資源的安全保障」と「新自由主義」――福祉国家の時代/石油危機/中東再訪/日本の前途

第7章 「三角大福中」の時代――幹事長・総務会長・行政管理庁長官
 「椎名裁定」/自民党幹事長/「日本的福祉国家」/国鉄ゼネスト/八ッ場ダム/ロッキード事件/幹事長辞任へ/福田内閣の成立/「新自由主義」と政治参加/衆議院の証人喚問/二度の外遊/「政治原理のコペルニクス的転換」――総務会長再任/「風見鶏」/福田への違和感/総裁選の初陣/大平の中曽根評/四〇日抗争へ/「ハプニング解散」/行政管理庁長官――鈴木内閣/第二臨調と「増税なき財政再建」/民活に向けて

第8章 首相の一八〇六日――「大統領的首相」を求めて
I 田中角栄の影、積極外交の成果――第一次首相期
 鈴木内閣の迷走/政権構想と理念/田中派の不満/「密室の一二時間」/「仕事師内閣」誕生へ/所信表明演説/「大統領的首相」と「指令政治」/メディアへの「中曽根チェック」/「戦後政治の総決算」/憲法改正の棚上げ/三木の注文、大平の遺産/電話会談/電撃訪韓という発想/瀬島龍三の起用/全斗煥との会談/「ロン・ヤス」関係と「浮沈空母」発言/中曽根外交への危惧/東南アジア歴訪/ウイリアムズバーグ・サミット/参議院選挙/大韓航空機撃墜事件/田中角栄へのロッキード判決/突き返された書簡/大敗のロッキード選挙/新自由クラブとの連立へ
II 「太平洋協力」と三公社民営化――第二次首相期
 第二次内閣の人事/内外政の課題/アジア外交――胡耀邦との蜜月/二階堂擁立劇と総裁再選/田中角栄の失脚/プラザ合意へ/「太平洋協力」とオーストラリア/ゴルバチョフとの会談/ボン・サミット/靖国神社公式参拝/国連演説/東京サミットへの地ならし/レーガンの親書/キャンプ・デービッド会談/東京サミット/電電公社の民営化/国鉄の分割民営化
III 三〇四議席の重み――第三次首相期
 「死んだふり解散」/三〇四議席/「一九八六年体制」の行方/藤尾発言と知識水準発言/防衛費一%枠突破/東欧訪問/アメリカの対日制裁/税制改革への執念/売上税の廃案/最後の外遊へ/外交の要諦

終章 「命の限り蝉しぐれ」――首相退任後の三〇年
 竹下総裁指名/未練と自負/「命の限り蝉しぐれ」/リクルート事件/ゴルバチョフとフセイン/連立政権の時代へ/ポスト五五年体制の混迷/橋本内閣への期待と「情」/大勲位菊花大綬章/旧中曽根派の分裂/小泉からの引退勧告/議員最後の演説/『自省録』の小泉批判/憲法改正への執着/民主党政権と自民党の復活/東日本大震災/国家の再建/長寿と「終着駅」/九回目の年男

註記

あとがき (二〇一五年一二月 服部龍二)

主要図版出典一覧
中曽根康弘 略年譜 (1918- )


≪著者: ≫ 服部龍二 (はっとり・りゅうじ) 1968(昭和43)年東京都生まれ。92年京都大学法学部卒業、97年神戸大学大学院法学研究科単位取得退学。博士(政治学)。中央大学総合政策学部教授、日本政治外交史・東アジア国際政治史専攻。著書、『東アジア国際環境の変動と日本外交 1918‐1931』(有斐閣、2001年、吉田茂賞受賞)、『広田弘毅――「悲劇の宰相」の実像』(中公新書、2008年)、『日中歴史認識――「田中上奏文」をめぐる相剋 1927-2010』(東京大学出版会、2010年)、『日中国交正常化――田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦』(中公新書、2011年、大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞特別賞受賞)、『大平正芳 理念と外交』(岩波書店、2014年)、『外交ドキュメント 歴史認識』(岩波新書、2015年)ほか多数。

服部龍二 『外交ドキュメント 歴史認識』(岩波新書、2015年) '15/04/12
服部龍二 『日中歴史認識 「田中上奏文」をめぐる相剋 1927‐2010  Understanding Sino-Japanese History: Conflict over Tanaka Memorial, 1927-2010 』(東京大学出版会、2010年) '13/01/03
服部龍二 『広田弘毅 「悲劇の宰相」の実像』(中公新書、2008年) '12/02/09
服部龍二 『日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦』(中公新書、2011年) '12/01/24



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本「お春」橋本治5

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お春
○著者: 橋本 治
○定価: 本体1,400円+税
○ISBN: 978-4120048661









浅草花川戸の乾物問屋の一人娘・お春。
美しい母は度重なる浮気の末、父とは別の男の胤を宿し、流産で死んだ。
懶惰な母親を嫌悪し、北国屋の家から解放されたいと願うお春だったが、 ある夜部屋に忍び込んできた番頭の伝九郎に体を許してしまい――。

「夢のような愚かさを書いてみたい」
橋本治が『刺青』にはじまる谷崎潤一郎文学をオマージュした、愚かしく妖しい少女の物語。

艶やかで猥雑な江戸の夜。未だ男を知らぬ十七のお春。彼女をつけ狙う男たち。女と男の愚かな情欲が絡み合う―橋本治が文豪・谷崎にオマージュを捧げる快作時代小説。

好いた男の声と色めいた視線があればいい――艶やかで猥雑な江戸の夜。未だ男を知らぬ十七のお春が溺れた女と男の“愚の奈落”とは。橋本治が文豪・谷崎に捧げる快作時代小説。


≪目次: ≫
桃花の夜 
梅果の雨 


※本書は『中央公論』(二〇一五年六月号〜二〇一五年十一月号)に連載された「桃花の夜」「梅果の雨」(各全三回)を加筆・修正したものです。

装画 岡田嘉夫
装幀 中島かほる


≪著者: ≫ 橋本 治 (はしもと おさむ) 1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。77年『桃尻娘』で講談社小説現代新人賞佳作。以後、小説・評論・古典の現代語訳・戯曲・エッセイ等、あらゆるジャンルに精力的な執筆活動を行う。96年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、05年『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、08年『双調 平家物語』で毎日出版文化賞を受賞。他に『窯変 源氏物語』『小林秀雄の恵み』『巡礼』『』『リア家の人々』『幸いは降る星のごとく』『結婚』等、著書多数。



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本「馬の世界史  A World History of the Horse (中公文庫)」本村凌二5

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馬は、人間社会のなかで、多種多様な役割を担わされてきた。太古には狩猟の対象になり、やがて車を引き、人を乗せ、人間の世界に深く入りこんだ。人が馬を乗りこなさなかったら、歴史はもっと緩やかに流れていただろう。戦争、交易、世界帝国・・・・・・、馬から歴史を捉え直す。  JRA賞馬事文化賞受賞作。


≪目次: ≫
プロローグ――もし馬がいなかったら、二一世紀はまだ古代だった

1章 人類の友
 人間に飼い慣らされる動物の条件とは/馬は人間に飼い慣らされるべくして進化してきた?/野生の馬はなぜ衰退したか/シマウマを飼った男/家畜化の始まり

2章 馬と文明世界――戦車の誕生
 最初に馬に乗った人間はなにを思ったか/馬に荷物を引かせる/「山のロバ」と「砂漠のロバ」/戦車の誕生/戦車武人の登場/「速度」という観念が変えたもの/東アジアの戦車

3章 ユーラシアの騎馬遊牧民と世界帝国
I 西方ユーラシア
 騎乗の普及/古代人はどのように馬に乗っていたか/最古の騎馬遊牧民キンメリア人/ヘロドトスの描いたスキタイ人/スキタイ系文化はどこから来たのか/アッシリア帝国と騎馬軍団/アッシリア馬とエジプト馬/ペルシア帝国/スキタイ北伐作戦の失敗/「王の道」
II 東方ユーラシア
 東方の騎馬遊牧民/殷と周の対決/戦車から騎兵へ/秦の由来/司馬遷の描いた騎馬遊牧民/騎馬遊牧民と世界帝国のダイナミズム/汗血馬の伝説

4章 ポセイドンの変身――古代地中海世界の近代性
 ギリシアで戦車は用いられたか/オリンピックの花形、戦車競走/なぜ「馬の神」は「海の神」となったか/ギリシア人と騎馬/アレクサンドロスの愛馬/ローマ軍と騎兵隊/「パンとサーカス」の世界/競走馬の育成/古代地中海世界の近代性とはなにか/馬と海と「海域世界」
〈補論〉 馬なき古代文明――アメリカ

5章 馬駆ける中央ユーラシア
 ゲルマン民族大移動とフン族の脅威/ローマ帝国の解体/フン族とはどんな人々か/四つの自然区分/「オアシスの道」シルクロード/騎馬遊牧民の馬/夷狄は蛮族か?/突厥の大遊牧帝国

6章 アラブ馬とイスラム世界
 アラブ馬成立の謎/ベドウィンがもたらした馬/馬は「至上の祝福」/アラビア半島はなぜ名馬を生んだか/十字軍の重馬/軽装のトルコ騎兵

7章 ヨーロッパ中世世界と馬
 ビザンツ帝国の戦車競走/イスラム侵攻と騎士団の出現/騎士の理想の馬/英雄エル・シッドの馬バエビカ/十字軍が伝えたオリエントの馬/軍用馬を育てる/農耕馬の登場

8章 モンゴル帝国とユーラシアの動揺
 遊牧国家ウイグル/広がる遊牧国家のシステム/チンギス・ハンとモンゴル帝国/高度に組織化された編隊/「タタールの平和」/マルコ・ポーロのみたモンゴルの馬/モンゴルが「世界史」をもたらした/モンゴルを離れて/「南船北馬」/朝鮮半島と日本の馬

9章 火砲と海の時代――近代世界における馬
 ルネッサンスと獣医学への関心/馬術と馬産/アメリカ新大陸にわたった馬/馬の与えた衝撃/ヨーロッパの軍事革命の波間で/馬車の時代/小説が描いた馬車の旅

10章 馬とスポーツ
 狐狩りから障害競走へ/馬産への情熱/サラブレッドの誕生/近代競馬の成立/世界最強馬の追求

エピローグ――われわれは歴史の負債を返済しただろうか


あとがき (二〇〇一年六月 本村凌二)

参考文献
図版出典・所蔵機関一覧

文庫化によせて (二〇一三年一〇月吉日 ロンドンにて 本村凌二)


※『馬の世界史』二〇〇一年七月 講談社現代新書


≪著者: ≫ 本村凌二 (もとむら りょうじ) 1947年、熊本県生まれ。一橋大学社会学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学名誉教授。博士(文学)。専攻は古代ローマ史。主な著書に『薄闇のローマ世界』(サントリー学芸賞)、『古代ポンペイの日常生活』『ローマ人の愛と性』『多神教と一神教』『帝国を魅せる剣闘士』『世界史の叡智』など。本書でJRA賞馬事文化賞を受賞。


本村凌二 『はじめて読む人のローマ史1200年』(祥伝社新書、2014年) '14/12/29
本村凌二 『世界史の叡智 勇気、寛容、先見性の51人に学ぶ』(中公新書、2013年) '13/07/23
本村凌二 『古代ローマとの対話 「歴史感」のすすめ』(岩波現代文庫、2012年) '13/01/16
本村凌二 『ローマ人に学ぶ』(集英社新書、2012年) '13/01/10
本村凌二/中村るい 『古代地中海世界の歴史』(ちくま学芸文庫、2012年) '12/12/02
本村凌二 『多神教と一神教 古代地中海世界の宗教ドラマ』(岩波新書、2005年) '11/08/20
本村凌二/高山博 編著 『地中海世界の歴史 古代から近世 '09』(放送大学教材、共通科目;一般科目・人文系、放送大学教育振興会、2009年) '10/12/28
本村凌二 『古代ポンペイの日常生活』(講談社学術文庫、2010年) '10/11/02


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本「天使とは何か キューピッド、キリスト、悪魔 (中公新書2369)」岡田温司5

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エンジェルとキューピッドは同じ? キリストや悪魔は天使だった? キリスト教美術に登場する天使たちを追いながら、その正体に迫る

エンジェルとキューピッドは何が違うのか。キリストがかつて天使とみなされていたのはなぜか。堕天使はいかにして悪魔となったか。「天使」と聞いて、イメージが浮かばない日本人はいないだろう。しかし、天使をめぐる数々の謎に直面したとき、私たちは想像以上に複雑な陰影を彼らがもっていることに気づくはずだ。天使とは一体、何者なのか――。キリスト教美術をゆたかに彩る彼らの物語を追いかけてみよう。


≪目次: ≫
はじめに

第I章 異教の神々――天使とキューピッド
 天使、プットー(裸童)、スピリテッロ(小精霊)/古代における異教の有翼の神々と天使/異教とキリスト教をつなぐ「プネウマ」/光の天使/「ストイケイア(自然界の諸要素)」としての天使/「ゲニウス(守護霊)」と守護天使/宇宙を動かす天使/九つの天空と九つの天使の位階/天使の魔術

第II章 天からの使者として――天使とキリスト
 かつてイエスは天使であった!?/ユダヤの天使崇拝/神の顕現――天使かキリストか?/外典のなかの天使とキリスト/異端視された天使キリスト論/天使キリスト論の現代における復活/大天使ミカエルとキリスト/大天使ミカエル信仰/ビザンチンの大天使ミカエル/天使とキリストを結ぶ祭司メルキゼデク/三人の天使とアブラハム/中世の女性神秘家の幻視

第III章 歌え、奏でよ――天使と聖人
 天使の合唱と合奏/「宇宙の音楽」としての天使の音色/楽器を手にしはじめる天使たち/天使の音楽と「アルス・ノーヴァ」/天使のオーケストラ/病と死の影/架空の楽器、空想のオーケストラ/聖チェチリアと音楽の天使/法悦へといざなう天使の歌声/バロックの奏楽の天使たち/聖フランチェスコと熾天使セラフィム

第IV章 堕ちた天使のゆくえ――天使と悪魔
 天使はなぜ堕ちたのか/サタンとルシフェル/ティタンと堕天使/外典『エノク書』のなかの堕天使たち/天使の「自由意志」その一――オリゲネスの場合/善きダイモンと悪しきダイモン/裏切り者ユダ――サタンの手先/魔術師シモン――ペテロの宿敵/堕天使の「自由意志」その二――ミルトンの場合/よみがえる堕天使たち

第V章 天使は死なない――天使と近代人
 現代の堕天使――ヴェンダースの天使/メランコリーの天使/さまよう天使/芸術崇拝の天使/水晶球の天使/写真のなかの天使たち/詩人たちの天使/エフェラメルな天使たち

おわりに

主要参考文献


≪著者: ≫ 岡田温司 (おかだ・あつし) 1954年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学大学院教授。著書、『ルネサンスの美人論』(人文書院)、『ミメーシスを超えて』(勁草書房)、『カラヴァッジョ鑑』(人文書院、編著)、『モランディとその時代』(同、吉田秀和賞受賞)、『マグダラのマリア』(中公新書)、『処女懐胎』(同)、『キリストの身体』(同)、『アダムとイヴ』(同)、『芸術(アルス)と生政治(ビオス)』(平凡社)、『フロイトのイタリア』(同、読売文学賞)、 『デスマスク』(岩波書店)、『アガンペン解読』(平凡社)など。訳書、『スタンツェ――西洋文化における言葉とイメージ』(アガンペン著、ちくま学芸文庫)、『規範と形式』(ゴンリッチ著、共訳、中央公論美術出版)、『藝術論叢』(ロンギ著、監訳、同)、『開かれ――人間と動物』(アガンペン著、共訳、平凡社)、『肖像の眼差し』(ナンシー著、共訳、人文書院)など。


岡田温司 『黙示録 イメージの源泉』(岩波新書、2014年) '14/05/28
岡田温司 『アダムとイヴ 語り継がれる「中心の神話」』(中公新書、2012年) '12/12/03
岡田温司 『デスマスク』(岩波新書、2011年) '11/12/04
岡田温司 『ジョルジョ・モランディ 人と芸術』(平凡社新書、2011年) '11/07/01
岡田温司 『グランドツアー 18世紀イタリアへの旅』(岩波新書、2010年) '11/05/13
ロベルト・エスポジト 『三人称の哲学 生の政治と非人称の思想  Terza persona. Politica della vita e filosofia dell'impersonale, 2007 』(岡田温司 監訳、佐藤真理恵/長友文史/武田宙也 訳、講談社選書メチエ、2011年) '11/03/06
ロベルト・エスポジト 『近代政治の脱構築 共同体・免疫・生政治  Termini della politica, Comunita, immunita, biopolitica 』(岡田温司 訳、講談社選書メチエ、2009年) '09/11/25
岡田温司 『マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女』(中公新書、2005年) '10/08/02
岡田温司 『キリストの身体 血と肉と愛の傷』(中公新書、2009年) '10/03/08
岡田温司 『フロイトのイタリア 旅・芸術・精神分析  Italia di Freud: Arre, Viaggio, Psicoanalist 』(平凡社、2008年) '09/12/14
岡田温司 『イタリア現代思想への招待』(講談社選書メチエ、2008年) '09/11/14
岡田温司 『『ヴィーナスの誕生』 視覚文化への招待』(理想の教室、みすず書房、2006年) '09/04/18



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本「道路の日本史 古代駅路から高速道路へ (中公新書2321)」武部健一5

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道路の日本史 - 古代駅路から高速道路へ (中公新書)
○著者: 武部健一
○定価: 本体860円+税
○ISBN: 978-4121023216







――道を切り開いた人びとのドラマ――

邪馬台国の頃には獣道しかなかった日本列島も、奈良時代になると幅12mの真っ直ぐな道が全国に張りめぐらされ、駅馬の制度が設けられた。中世には道路インフラは衰退したが、徳川家康は軍事優先から利便性重視に転換して整備を進める。明治以降は奥羽山脈を貫くトンネルを掘った三島通庸、名神高速道路建設を指揮したドルシュなど個性溢れる人物の手によって道路建設が成し遂げられる。エピソード満載でつづる道路の通史。


≪目次: ≫
はじめに

第一章 世界の道路史と日本
 世界の道路史における最初の政治的エポック、ローマの道/東アジアにおける巨大道路網の展開/世界の東西を結ぶシルクロードと道路技術/日本に影響を与えた三国から隋・唐の道と橋/世界に共通した中世の道路/整備の停滞

第二章 律令国家を支えた七道駅路
一 黎明期の道
 魏使の見た日本の道路/応神天皇、厩坂道を造る/日本最初の造橋記録/最初の計画的直線道「京中大道」はいつのこと?/外つ国の客のために道を開く/並木の始め
二 律令国家と駅制
 駅制はいつ始まったか/駅制の実態が記録に現れた壬申の乱/駅制の基本構造と伝馬の制度
三 駅路のシステムと道路構造
 駅路のシステムはネットワーク/七道駅路の総駅数は402、総延長は6300キロ/古代道路は幅12メートルの直線路
四 古代路建設のさまざまな姿
 笠朝麻呂、木曽路完成の論功行賞を受ける/大野東人の新道工事と作路司の任命
五 駅制の運用
 駅路の使われ方と菅原道真/遣唐使帰る。鈴を鳴らして駅馬が走る/都の妻、早馬で夫を驚かす
六 高速道路の古代回帰
 疑問の発端/古代道路に似る高速道路/キーワードは計画性と直達性/古代からあった道路のネットワーク機能

第三章 中世――乱世と軍事の道
一 崩壊する律令体制と道
 公から私へ/熊野古道/新しい東海道の秩序と日記文学/押松、三日半で京・鎌倉を走る――衰退する馬による通信連絡/歴史的変遷を繰り返す東海道の道筋/甦った中世東海道の橋と将軍頼朝
二 新しい秩序と道
 鎌倉の都市形成と道/鎌倉街道の展開と鉢の木伝説/全国への道と蒙古襲来/統一した道路システムを持たなかった中世の後半期/道路遺構の発掘から見た中世の道の歴史的性格
三 戦国時代の道
 弱者は道を壊し、きょうしゃはみちをつくる/信玄の棒道

第四章 近世――平和の礎としての道
一 覇者の道
 覇者は道を与える――織田信長/秀吉の道と橋
二 五街道――265年の幕政を支えた道
 五街道は平和の道/五街道の宿駅制度/田中丘隅と川崎宿/井上通女と新居関所/天竜の渡しと既得権益/文化交流に益した参勤交代/一日100キロ超の猛スピードもあった参勤の旅/名君の下に名橋あり
三 近世の道路構造
 街道の建設基準/路面構造と歩車分離構造の試み/街道の維持管理を担う清掃丁場/橋梁架設の難易を考慮した建設区分/橋梁架設と代官/一里塚の数と距離計測の違い/街道並木の伝統と日光街道/江戸期の全国の街道とその延長

第五章 近代――鉄道の陰に追いやられた明治の道
一 明治の道を造った二人の日本人
 道路は冬の時代/三島通庸/大久保酣珪
二 明治の道を旅した二人のイギリス人
 イザベラ・バード/アーネスト・サトウ
三 自動車時代に入った大正時代
 ようやく実った道路法/道路法の象徴、道路元標/関東大震災を契機として発展した道路・橋梁技術/太平洋戦争と自動車道路計画

第六章 現代――高速道路時代の到来
一 戦後の道路を生んだ二人の田中
 アメリカの援助で始まった戦後の道路復興/舞い上がる粉塵とその被害/田中精一/田中角栄
二 やはり外国によって目覚めた戦後の道
 ラルフ・J・ワトキンス/クサヘル・ドルシュ/名神高速道路におけるアメリカの影
三 全国的高速道路網の展開
 高速道路推進の二大潮流とその決着/東海道か中央道か/全国的構想道路網の展開/戦後の道路構造の歩み
四 安全への戦い
 「聞いてくれ『魚勝』の歎きを」/飛騨川事故の教訓/道路の安全率をどうとらえるか
五 試練に立つ環境との相克
 自然環境と歴史環境/生活環境と住民運動による試練/道路景観に新風を吹き込んだ「塀の美学」/埋蔵文化財との調整/自動車時代への対応

終章 日本を支えるシステムとしての道
 道路とは何か――構造と機能/道路特定財源制度の終焉と道路公団の民営化/市町村道100万キロは日本の誇り/高速道路網発展の展望/ラウンドアバウト(環状交差点)の持つ意味/道路空間の新しい広がり/今後のあるべき日本の道/みんな道路だ――総合道路法を作ろう

あとがき (平成二十七年四月 桜の散りはじめる日 武部 健一)
参考文献


≪著者: ≫ 武部健一 (たけべ・けんいち) 1925年、東京都生まれ。1948年、京都大学工学部土木工学科卒業。建設省・日本道路公団で高速道路の計画・建設に従事。日本道路公団東京建設局長、常任参与等を歴任。(株)片平エンジニアリング社長、同会長を経て、道路文化研究所を主宰。工学博士。著書、『インターチェンジ』(技術書院、1965年)、『道のはなし I・II』(情報堂出版、1992年)、『道 I・II』(法政大学出版局、2003年)、『完全踏査 古代の道』(吉川弘文館、2004年)、『完全踏査 続古代の道』(吉川弘文館、2005年)、『漢詩 小倉百人一首』(道路文化研究所、2014年)ほか。



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本「鉄道技術の日本史 SLから、電車、超電導リニアまで (中公新書2312)」5

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およそ150年の、1870年ころからの、日本における鉄道の技術の歴史♪


さて、どうにも、雨降りの湿気が障る、不穏な事件や事故のニュースが絶えることがなく切ない、いずれにしてもなんにせよ、いろいろある、仕方がない、物事には限りがある、よくも悪くも、なるようになる、なるようにしかならない、ならないようにはならない・・・

で、ぼくの40歳からの大学生生活、5年と半分の11期で、ようやく(予定よりずいぶん時間を超過して)、前期に落とした1科目の単位認定試験を再試験でリベンジで「Aマル」評価(100〜90点)で合格して、前年には卒業研究論文をまとめて「B」評価で、124の卒業要件単位を修得した、通知が届いた、ホッ、

が、パソコン仕事で、ドライアイと腱鞘炎と、、、すこしいろいろ考えなくてはならないだろう、じっさいのところ、考えれば考えるほどに、少なからぬ年齢と経験とを積み重ねてしまって、どうにもこうにも、不可能性ばかりで、あぁ、
気分転換を兼ねて、気が滅入ること甚だしいので、自転車でフラフラとね、ママチャリの前かごは便利だなぁ、
15日には靖国神社の人だかり、一時期よりもニュースの扱いは小さいものの、警察や機動隊なんか半端ない数の人と車が動員されてて、まぁ駐輪場を探して停めて警戒警備の最中に足を踏み入れる気は失せた、そそくさと外周を通り過ぎた、

また別の日だったかなぁ、そう、8年半くらい前になるのかなぁ、独り暮らしをはじめた、都下の木造アパートまで、これまたママチャリで、案の定、建物は取り壊されて更地だった、
あの失意のドン底、深く暗い洞窟の中のような生活、なんとか這い出すことができた、思い出したくもないけど、あの時があって、潜水、息を止めて、息を潜めて、グッと踏み止まって、踏ん張って、いまとなっては、まぁいろいろだ、

で、久しぶりに軽い自転車を、すでに前輪を取り外して部屋の片隅に追いやって久しいクロスバイクを引っ張り出したのは、そう、荒川、かつては多摩川だった、サイクリングロード、堤防の内側が走り易そう、と、
河口まで17km、東西線の少し先まで、往復で40km近い、ママチャリではダメだ♪、
さっそく、サイコロコンピュータの電池を注文したよ、だって、今朝の2回目のチャレンジで2時間弱で走破できることを確認♪、かつてのトレーニングコースは峠越えの約88kmで4時間弱だった、ずいぶん長いこと2年以上もサボっていたから、老いて衰えたし、だから、ほぼ平坦で負荷が小さく短時間で2時間弱のトレーニングコースは嬉しい♪♪



鉄道橋とトンネルの改良、ATCやATS、VVVF等の発明、SLから新幹線、超電導リニアへの変遷。鉄道技術の150年史に迫る!

イギリスの指導のもと、明治の初めに産声を上げた日本の鉄道。山がちな国土に狭軌という悪条件を克服する過程で、高速性、快適性、安全性を向上させ、1964年の東海道新幹線開業によってついに世界トップの水準に躍り出た。日本は現在、超電導リニアの技術で諸外国をリードし、かつて指導を受けたイギリスに高速電車網を構築している。本書では、明治から平成まで、多岐にわたる鉄道技術の進歩に光を当てる。


≪目次: ≫
まえがき
 ー立化の時代=1870〜1920年の50年間/SL時代の終焉と無煙化の時代へ=1920〜1955年の35年間/4存技術の集大成=1955〜1985年の30年間/IT技術から将来技術へ=1985〜2015年の30年間

プロローグ
 イギリス公使に口説かれて/外国人雇入方心得/熱心なイギリス人教師/日本人機関士の誕生/真面目な日本人生徒/井上勝の半生

第一章 線路を敷かねば汽車は走れない
 標準軌か? 狭軌か?/鉄道土木は金がかかる/ちょんまげ帯刀の測量員/鉄道建設は測量から/三角測量の優れた点/請負業者が支えた建設工事/「ヨイトマケ」からランマーへ/木橋から鉄橋へ/日本特有のトンネル事情/トンネル掘削の工法

第二章 鉄がなければ始まらない
 木造客車はお手のもの/江戸っ子の実力/八幡製鉄所はまずレールを造った/レールの品質改良/台車もモーターも皆輸入/車輪と車軸に目を着けた住友金属

第三章 SL製造は先端技術だった
 SLの輸入から国産へ/技術習得の最終仕上げへ/SLの強大化及び技巧化/〈過熱蒸気システム〉/〈複式機構〉/〈多気筒方式〉/動輪径を大きく!/日本のSLを採点すれば

第四章 ディーゼルカーも一時は世界一
 気動車の登場/ディーゼル列車の興亡/ディーゼルカーの原理/ディーゼル機関車は戦後生まれ/液体式への転換/苦心の末、保有台数世界一へ/自動車エンジンとの関係性は?/蒸気エンジン vs. 内燃エンジン vs. 電気モーターの大競演

第五章 雨後の筍の郊外電車
 インターアーバンの後継者は日本/アメリカのインターアーバン/日本の郊外列車/電車部品も最初はすべて輸入/電車の国産化に賭けた男

第六章 電車王国の形成
 新性能電車の出現/台車の振動を研究せよ/〈ボルスターレス台車〉/〈振り子台車(振り子システム)〉/〈自己操舵台車〉/〈横揺れ防止台車〉/モーターと駆動装置/三相交流モーターの登場/名馬は名ジョッキーなくしては走れない/〈VVVFによる直流から交流への整流〉/〈VVVFによる交流の変圧〉/〈VVVFによる交流周波数の変更〉/エポックとなったペアの実用化/車体はうんと軽くなった/交流電化がなければ新幹線はできなかった/忘れてはいけない電気機関車三種

第七章 新幹線の衝撃
 世界は始めて振り向いた/世界は高速鉄道の時代/強度の問題/高速鉄道の線路/流線型から空力フォルムへ/トンネル事情

第八章 事故は減ったが用心は大事
 鉄道ブレーキの揺籃期/信号の歴史/日本での運用/三河島事故の教訓/ATSとATC

第九章 鉄道技術の担い手と新技術
 道車両を造るのは誰?/工作局と鉄道技研/鉄道省の帝王学

第一〇章 鉄道の先端技術
 リニアにはいろいろある/夢の「超伝導リニア」/磁気浮上リニアの技術史/超電導の原理/フリーゲージ・トレイン/ハイブリッド気動車など

第一一章 鉄道立国・日本
 輸入大国から輸出大国へ/輸出でも日本は電車王国/日本の電車輸出の象徴「ジャベリング」/「ガラパゴス化」を脱却せよ

あとがき
主要参考文献


≪著者: ≫ 小島英俊 (こじま・ひでとし) 1939年東京都生まれ。東京大学法学部を卒業後、三菱商事化学品部門で国内外に勤務したのち、食品関係の会社(株)セデベ・ジャポンを設立し、代表取締役を務めた。2005年より鉄道史・近代史を中心に執筆活動を展開。鉄道史学会会員。著書、『流線型列車の時代』(NTT出版、2005年)、『文豪たちの大陸横断鉄道』(新潮新書、2008年)、『鉄道という文化』(角川選書、2010年)、『外貨を稼いだ男たち』(朝日新書、2011年)、『時速33キロから始まる日本鉄道史』(朝日文庫、2012年)、『合理的避戦論』(イースト新書、2014年)ほか。


原田勝正 『明治鉄道物語』(講談社学術文庫、2010年;筑摩書房、1983年) '10/10/03


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本「朝鮮王公族 帝国日本の準皇族 (中公新書2309)」新城道彦5

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朝鮮王公族―帝国日本の準皇族 (中公新書)
○著者: 新城道彦
○定価: 本体840円+税
○ISBN: 978-4121023094






1910年8月、日本は大韓帝国を併合した。最大の懸案だった皇帝一族の処遇については、王族・公族の身分を華族より上に新設し、解決を図った。1945年8月の敗戦まで、男子は軍務に就くなど、皇族同様の義務と役割を担う。異民族ながら「準皇族」扱いされた彼らの思いは複雑であり、日本に忠誠を尽くす者、独立運動に関与する者など多様であった。本書は、帝国日本に翻弄された26人の王公族の全貌を明らかにする。


≪目次: ≫
まえがき
図表 「王公族および関係者略系図」

序章 帝国とは何か――東アジアの皇帝という存在
 帝国のイメージ/皇帝は独立国の証/「家」という枠組み

第1章 韓国併合と皇帝の処遇――廃位なれど臣従でなく
1 伊藤博文の対韓政策――文官が思い描いた理想
 統監就任の決意/韓国併合の利益と不利益/国防上の価値/大韓帝国の財政健全化/高宗の抵抗と伊藤の威圧的態度/君主よりも社稷(しゃしょく)を重視/軍隊解散の意図/皇太子李垠の東京留学/純宗皇帝の全国巡幸/次期統監の選定をめぐる攻防
2 王公族の誕生――条件は「大公」ではなく「王」
 安重根を「凶徒」と表現/併合計画の前進――韓国皇室の処遇/「適当の時機」の到来/二つの条件――「韓国」の国号と「王」の尊称/関東大水害による日本政府の混乱/尊称と礼遇の準備/「王」か「李王」か/誰が王公族を監督するのか/朝鮮総督府支配下の李王職/朝鮮貴族の創設
3 李王の冊立――西欧近代のルールを重視
 「冊封」ではなく「冊立」/李王を丁重に冊立/君臣主従の席次を回避/皇族と王公族の序列/韓国併合に対する民衆の思い/併合を批判する芦田均/意外に平穏だった朝鮮

第2章 帝国日本に根を張る王公族――それぞれの処世術
1 準皇族という扱い――王公家軌範をめぐる紛糾
 皇室制度の黎明期に誕生した王公族/李垠と方子王女の婚約/枢密院の反発/典憲二元主義の唯一の例外
2 王公族二六名の素顔――恭順か反抗か
  I 李王家――大韓帝国の嫡流と皇族からの妃
 李太王と李王の日常/住居は徳寿宮と昌徳宮/昌徳宮の火災と御真影/李垠をめぐる許嫁の噂/方子が婚約者となった真相/小原駩吉の回顧による裏付け/皇族の礼遇という魅力/避けられぬ皇室典範の修正/皇族会議の招集と奉幣奉告祭/父親の複雑な思い/「王世子の系嗣」李晋の誕生/突然の別れ/待望の第二子李玖/李太王の愛娘李徳恵/なぜ宗武志との結婚に至ったのか
  II 李堈公家――素行不良の初代当主と貧窮する後継者
 王妃閔氏の暗殺事件後に日本へ逃避/アメリカでの奔放な暮らし/繰り返される非常識な振る舞い/隠居の模索と挫折/摂政裕仁親王への直訴/父に疎まれた李鍵/広橋誠子との結婚/遠くに想う故郷
  III 李熹(喜の下に火)公家――クーデターを目論んだ日陰の系譜
 かろうじて公族となった李太王の兄李熹/公を継承した長男の李沛亜芯鮮王朝末期のクーデター計画/命をかけた骨肉の争い/李鍝が養子となって家督を相続/朴泳孝の孫娘と結婚/李欷の忘れがたみ李辰琬
3 宮内省による「王公族譜」の編纂
 書類への登録/読みと字画へのこだわり/姓の取り扱い

第3章 「皇帝」の死と帝国日本の苦悩
1 異例の「国葬」選択――朝鮮人の懐柔のために
 李熹公と李欷の葬儀/国葬となった李太王/皇族を超えた処遇/直前に三・一独立運動が発生/寂寞の国葬、盛況の内葬
2 墓碑、弔旗への「皇帝」掲記要求
 墓碑名は「皇帝」か「王」か/「愚直なる侠骨」の大胆な行動/李王の薨去にどう対処するか/陸軍に元帥位を要求/「皇帝」の表記をめぐって紛糾/沿道を埋める拝観者
3 李太王と李王の実録編修――帝国の正統性のために
 朝鮮王朝の貴重図書を継承/日本の実録編修――明治維新後の進展/浅見倫太郎による関連史料の蒐集/『朝鮮王朝儀軌』とは何か/朝鮮総督府に無償譲渡を依頼/なぜ『李王実録』が編修されなかったのか/『朝鮮王朝実録』を継承して編修/宮内庁に移管した『朝鮮王朝儀軌』のその後

第4章 昭和時代の王公族――祖国は韓国か、日本か
1 「プリンス・リー」李垠の洋行
 第二代李王の呼称問題/裕仁親王と同じく欧州外遊/ドイツを経て北欧へ/大日本帝国の「プリンス」として
2 陸軍将校の生業と忠義――三人の王公族軍人
 軍人のエリート街道を邁進/二・二六事件の鎮圧に参加/日中戦争・太平洋戦争時に各地を転戦/趣味は蘭の栽培とカメラ/東京大空襲と原爆の被害にあった公族
3 終戦、喪失、そして貧困――冷たい仕打ち
 王公族の処遇を気にする昭和天皇/李王家を支援する土建業者/身分に執着して滄浪閣を失う/李王家邸を国際基督教大学の本部に/日本人になりたい李鍵公/祖国へ戻るのを躊躇/王公族身分の消滅/李承晩の冷たい仕打ち/桃山佳子の奮闘/虔一の不倫と離婚/李垠夫妻の日本国籍取得と李玖の結婚/朴正熙による厚遇と王族の最期/李玖の死で注目された開成高校の教頭

終章 帝国に在りて何を思う
 「家」の維持のために/皇族に同化する第二世代/朝鮮人たちの思い――復辟の可能性

あとがき (二〇一四年一〇月 新城道彦)
参考文献


≪著者: ≫ 新城道彦 (しんじょう・みちひこ) 1978年愛知県生まれ。2009年九州大学大学院比較社会文化学府博士後期課程単位取得退学。博士(比較社会文化)。同年九州大学韓国研究センター講師(研究機関研究員)、11年同助教、12年新潟大学大学院現代社会文化研究科助教を経て、15年4月よりフェリス女学院大学国際交流学部准教授、専攻・東アジア近代史。著書『天皇の韓国併合』(法政大学出版局、2011年)、共著『朝鮮王朝「儀軌」』(NHK出版、2011年)、『大韓帝国の保護と併合』(東京大学出版会、2013年)。


加藤陽子 『昭和天皇と戦争の世紀』(天皇の歴史、講談社、2011年) '13/10/31
加藤陽子 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社、2009年) '12/03/04
伊藤之雄 『山県有朋 愚直な権力者の生涯』(文春新書、2009年) '12/01/30
瀧井一博 『伊藤博文 知の政治家』(中公新書、2010年) '11/11/30



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本「朝露通信」保坂和志5

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朝露通信
○著者: 保坂和志
○定価: 本体2000円+税
○ISBN: 978-4120046711






たびたびあなたに話してきたことだが僕は鎌倉が好きだ。この小説の主役は語り手の猖有瓩任覆、僕が経てきた時間と光景だ、それ以上に、読みながら読者の心に去来するその人その人の時間と光景だ。人は孤立していない、一人一人は閉じられた存在ではない。人は別々の時間を生きて大人になるが、別々の時間を生きたがゆえに繋がっている。朝露の一滴が世界を映す。

※初出 『読売新聞』 夕刊 2013年11月2日〜2014年6月21日


≪著者: ≫ 保坂和志 (ほさか かずし) 1956年、山梨県生まれ。早稲田大学政経学部卒業。93年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、95年『この人の閾』で芥川賞、97年『季節の記憶』で谷崎潤一郎賞と平林たい子賞、2013年『未明の闘争』で野間文芸賞を受賞。他の著書に『プレーンソング』『猫に時間の流れる』『残響』『〈私〉という演算』『もうひとつの季節』『生きる歓び』『明け方の猫』『世界を肯定する哲学』『カンバセイション・ピース』『書きあぐねている人のための小説入門』『小説の自由』『小説の誕生』『小説、世界の奏でる音楽』『「三十歳までなんか生きるな」と思っていた』『猫の散歩道』『魚は海の中で眠れるが鳥は空の中では眠れない』『カフカ式練習帳』、小島信夫との共著『小説修行』など。

保坂和志 『小説、世界の奏でる音楽』(新潮社、2008年) '08/10/22
保坂和志 『言葉の外へ』(河出書房新社、2003年) '08/02/01
小島信夫/保坂和志 『小説修業』(朝日新聞社、2001年) '08/01/27
保坂和志 『世界を肯定する哲学』(ちくま新書、2001年) '08/01/19
保坂和志 『小説の誕生』(新潮社、2006年) '08/01/11
保坂和志 『小説の自由』(新潮社、2005年) '07/12/28
保坂和志 『カンバセイション・ピース』(新潮文庫、2006年) '07/11/29
保坂和志 『生きる歓び』(新潮社、2000年) '07/11/23
保坂和志 『書きあぐねている人のための小説入門』(草思社、2003年) '07/11/21
保坂和志 『途方に暮れて、人生論』(草思社、2006年) '07/11/18
保坂和志 『「三十歳までなんか生きるな」と思っていた』(草思社、2007年) '07/11/11


152
 小学校の子どもたちが二人か三人、せいぜい四人ぐらいでおしゃべりしながら帰ってくるのが僕は大好きだ、子どもたちは一様にだらだらしてる、だらだらしてる子どもだから絶え間なく動いてもいる、四人いれば誰か一人は一番前でこっち向きになって歩く、一人じゃなく二人ぐらいが同時にしべってる、子どもたちは話がぶつからない、大人同士みたいに「ちょっと聞いて」なんて遮らなくてもするっ、するっと話がよける、まさかこの時が人生の最も幸せな時間のひとつだなんてそのときは思いもしない、大人になってもそんなこと思わない人がほとんどかもしれないが僕はそうだ。
 ・・・   (p306)

150
 ・・・
 野球盤でヨッちゃんはピッチャーになると投球用のレバーを弾かずに思いっきりガンッ! と押した、たった十五センチか二十センチの距離を小さなパチンコ球サイズの球が転がるんじゃなくビュンッ! と飛んできた、
「打てないよ!」と言うと「打てるよ。」とヨッちゃんは言った、一人でレバーをガンッ! と押して、ビュンッ! ときた球を打ち返して見せた、「ホントだ! 打てる!」
 ふつうにレバーを弾く野球ゲームよりガンッ! の方がずっと興奮して真剣になった、球は盤面から少し浮いてくるから当たり方によっては本当にホームランになって盤の外に飛んだ、どっちが打っても場外ホームランが出ると二人で興奮した、夏休みに従兄がいっぱい来たときヨッちゃんとやるガンッ! をやったら、
「そんな荒っぽいのはダメだ。」と言われた。   (p303)



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本「ヘーゲル 法の哲学 〈II〉 (中公クラシックスW13)」ヘーゲル、藤野渉/赤沢正敏 訳5

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法の哲学〈2〉 (中公クラシックス)
○著者: ヘーゲル藤野渉/赤沢正敏 訳
○定価: 本体1,500円+税
○ISBN: 978-4121600219






「理性的なものは現実的であり、現実的なものは理性的である」という有名なことばは、本書の序文に出てくる。主観的な正しさより客観的な理法、正義を重んじたヘーゲル最後の主著。


≪目次: ≫
凡例


『法の哲学』
第三部 倫理 (§142〜360)
 第一章 家族 (§158〜181)
  A 婚姻 (§161〜169)
  B 家族の資産 (§170〜172)
  C 子供の教育と家族の解体 (§173〜180)
  家族から市民社会への移行 (§181)
 第二章 市民社会 (§182〜81)
  A 欲求の体系 (§189〜208)
    a 欲求の仕方と満足の仕方 (§190〜195)
    b 労働の仕方 (§196〜198)
    c 資産 (§199〜208)
  B 司法活動 (§209〜229)
    a 法律としての法 (§211〜214)
    b 法律の現存在 (§215〜218)
    c 裁判 (§219〜229)
  C 福祉行政と職業団体 (§230〜256)
    a 福祉行政 (§231〜249)
    b 職業団体 (§250〜256)
 第三章 国家 (§257〜360)
  A 国内公法 (§260〜329)
   I それ自身としての国内体制 (§272〜320)
    a 君主権 (§275〜286)
    b 統治権 (§287〜297)
    c 立法権 (§298〜320)
   II 対外主権 (§321〜329)
  B 国際公法 (§330〜340)
  C 世界史 (§341〜360)
    1 東洋的治世
    2 ギリシア的治世
    3 ローマ的治世
    4 ゲルマン的治世


年譜
読書案内 (長谷川 宏)


≪著者: ≫ ヘーゲル (Georg Wilhelm Friedrich Hegel) 1770〜1831。近代ドイツ最大の哲学者。シュトゥットガルトの中級官吏の家に生まれ、18歳でチュービンゲンの神学校に入学。親友ヘルダーリンとともにフランス革命に共感、自由主義的な神学観を抱き聖職に就くことを断念し、哲学者となってベルリン大学教授として生涯を終えた。「ドイツ観念論の大成者」であると同時に、その限界を超えて社会的現実における人間の学へと一歩をすすめ、マルクスにも大きな影響を与えた。

[訳者: ] 藤野 渉 (ふじの・わたり) 1912年(明治45年)熊本県生まれ。京都大学文学部卒業。名古屋大学名誉教授。著書に『史的唯物論と倫理学』『哲学とモラル』、訳書にマルクス『経済学・哲学手稿』ほか。1983年(昭和58年)逝去。

[訳者: ] 赤沢正敏 (あかざわ・まさとし) 1922年(大正11年)広島県生まれ。東京大学大学院修了。愛知教育大学教授。訳書に、ユージン・カメンカ『マルクス主義の倫理学的基礎』(藤野渉との共訳)ほか。1970年(昭和45年)逝去。


ヘーゲル 『法の哲学 〈I〉』(藤野渉/赤沢正敏 訳、長谷川宏 解説、中公クラシックス、2001年) '14/04/26
ヘーゲル 『法哲学講義  Vorlesungen über Rechtsphilosophie 』(長谷川宏 訳、作品社、2000年) '13/11/29
ヘーゲル 『法の哲学 自然法と国家学の要綱 下巻 〈ヘーゲル全集9b〉』(上妻精/佐藤康邦/山田忠彰 訳、岩波書店、2001年) '13/08/24 , '12/09/26
ヘーゲル 『法の哲学 自然法と国家学の要綱 上巻    Grundlinien der Philosophie des Rechts, 1821 〈ヘーゲル全集9a〉』(上妻精/佐藤康邦/山田忠彰 訳、岩波書店、2000年) '13/08/20 , '12/09/23
ヘーゲル 『歴史哲学講義 〈下〉  Vorlesungen uber die Philosophie der Geschichte 』(長谷川宏 訳、岩波文庫、1994年) '12/11/09 , '08/12/20
ヘーゲル 『歴史哲学講義 〈上〉』(長谷川宏 訳、岩波文庫、1994年) '12/10/29 , '08/12/12

ヘーゲル 『小論理学 ヘーゲルの本文だけで論理をたどる』(山内清 訳解、大川書房、2013年) '14/03/25
権左武志 『ヘーゲルとその時代』(岩波新書、2013年) '14/01/23
久保陽一 『ドイツ観念論とは何か カント、フィヒテ、ヘルダーリンを中心として』(ちくま学芸文庫、2012年) '13/03/05
岩崎武雄 『カントからヘーゲルへ』(UP選書、東京大学出版会、1997年) '12/12/31
長谷川宏 『ヘーゲルの歴史意識』(講談社学術文庫、1998年) '12/11/06
村岡晋一 『ドイツ観念論 カント・フィヒテ・シェリング・ヘーゲル』(講談社選書メチエ、2012年) '12/09/06
加藤尚武 編著 『ヘーゲル 「精神現象学」入門』(原崎道彦/伊坂青司/栗原隆/松山壽一/座小田豊/滝口清栄/山純 著、講談社学術文庫、2012年) '12/06/11
熊野純彦 『ヘーゲル 〈他なるもの〉をめぐる思考』(筑摩書房、2002年) '09/12/30
長谷川宏 『新しいヘーゲル』(講談社現代新書、1997年) '09/02/02
長谷川宏 『ヘーゲル『精神現象学』入門』(講談社選書メチエ、1999年) '09/01/29
長谷川宏 『格闘する理性 ヘーゲル・ニーチェ・キルケゴール』(洋泉社MC新書、2008年) '09/01/27


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