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〈ぼく〉の思索の一回性の偶然性の実験場。

多和田葉子

本「エクソフォニー 母語の外へ出る旅」多和田葉子5

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エクソフォニー-母語の外へ出る旅-
エクソフォニー 母語の外へ出る旅

○著者: 多和田葉子
○出版: 岩波書店 (2003/8, 単行本 188ページ)
○価格: 2,100円
○ISBN: 978-4000222662
おすすめ度: 4.5
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いまのところぼくは、日本語の能力を高めることに注力している。外国語に興味がないわけではない。むしろ、翻訳著書を原著で読みたい欲求は小さいものではない。それでも、目的をより深く多角的な理解を求めることとしたときに、あくまでもぼくが選択する方法として。年若いころより「ことば」に興味をいだいて取り組んでいたら、その選択は異なったものとなるであろう。
旅にたいする興味を失して久しい。経済的な問題が小さくないことを理由として掲げたとしても、それ以上に、本を読みすすめて知れば知るほど文化や歴史にたいする無知におもいいたり、現状のわからない状態のままに、時間と労力を費やして足を運び入れることに意義を見出せない。卵が先か鶏が先か、ではないけれど、難しく考えすぎずに直接目で見て肌で空気を感じることで得られるモノだって看過できないことに一定の理解を示しつつ。
まぁ、無理をする必要はなかろう。


≪目次: ≫
初めに
第一部 母語の外へ出る旅
1 ダカール エクソフォニーは常識/2 ベルリン 植民地の呪縛/3 ロサンジェルス 言語のあいだの詩的な峡谷/4 パリ 一つの言語は一つの言語ではない/5 ケープタウン 夢は何語で見る?/6 奥会津 言語移民の特権について/7 バーゼル 国境の越え方/8 ソウル 押し付けられたエクソフォニー/9 ウィーン 移民の言語を排斥する/10 ハンブルク 声をもとめて/11 ゲインズヴィル 世界文学、再考/12 ワイマール 小さな言語、大きな言語/13 ソフィア 言葉そのものの宿る場所/14 北京 移り住む文字たち/15 フライブルク 音楽と言葉/16 ボストン 英語は他の言語を変えたか/17 チュービンゲン 未知の言語からの翻訳/18 バルセロナ 舞台動物たち/19 モスクワ 売れなくても構わない/20 マルセイユ 言葉が解体する地平
第二部 実践編 ドイツ語の冒険
1 空間の世話をする人/2 ただのちっぽけな言葉/3 嘘つきの言葉/4 単語の中に隠された手足や内臓の話/5 月の誤訳/6 引く話/7 言葉を綴る/8 からだからだ/9 衣装/10 感じる意味

著作リスト


≪著者: ≫ 多和田葉子 (たわだ ようこ) 1960年、東京生まれ。高校時代、第二外国語として、ドイツ語を習い始める。早稲田大学第一文学部ロシア文学科卒業。ハンブルク大学修士課程、チューリッヒ大学博士課程修了。文学博士(専門はドイツ文学)。1982年よりハンブルク在住。1991年「かかとを失くして」で第34回群像新人文学賞を受賞、1993年「犬婿入り」で第108回芥川賞を受賞。1994年にはハンブルク市からレッシング奨励賞を、また1996年にはドイツ語での文学活動に対してバイエルン州芸術アカデミーからシャミッソー文学賞を授与される。2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花賞、2002年『球形時間』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、2003年『容疑者の夜行列車』で伊藤整文学賞を受賞するなど、日本語の作家として、またドイツ語の作家として旺盛な創作活動を展開している。

多和田葉子「旅をする裸の眼」(講談社文庫、2008)







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本「旅をする裸の眼 (講談社文庫)」多和田葉子5

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旅をする裸の眼 (講談社文庫)
旅をする裸の眼 (講談社文庫)

○著者: 多和田葉子
○出版: 講談社 (2008/1, 文庫 290ページ)
○価格: 620円
○ISBN: 978-4062759427
おすすめ度: 4.5
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そう、キッカケは、西成彦「世界文学のなかの『舞姫』」(理想の教室、みすず書房、2009)にあって。東西冷戦を経て、ベルリンの壁が壊されて、ひとつになったドイツ(に学んだ著者)。東と西と、世界を二分する対立があった時代があって。なるほど、ベトナム、ヨーロッパから距離的には遠く離れたアジアにあって、かつてフランスの植民地として、しかし東西冷戦時代には東側諸国として、東ドイツ、ソ連(ロシア)に近かった。混濁の。「裂け目」としての「視力」とは?、カメラの眼によるシネマ(映画)。たいするみずからの眼により、みずからの眼の視力によって眼にする異国。いきなりあっけなくも誘拐されてはじまる物語ではあるものの、みずからの意思にあらざるところから展開される、異国から異国へと移動をつづける、外からの偶然性の高い出来事に起因して移動を余儀なくされながらも、移動する主体としての少女の眼を通して「旅」。


≪目次: ≫
第一章 1988 Repulsion 1965
第二章 1989 Zig Zag 1974
第三章 1990 Tristana 1970
第四章 1991 The Hunger 1983
第五章 1992 Indochina 1992
第六章 1993 Drôle d'endroit pour une renconrte 1988
第七章 1994 Belle de jour 1966
第八章 1995 Si c'était à refaire 1976
第九章 1996 Les voleurs 1996
第十章 1997 Le dernier Métro 1980
第十一章 1998 Place Vendôme 1998
第十二章 1999 Est-ouest 1999
第十三章 2000 Dancer in the dark 2000

解説「文学的想像力としての裸の眼」/中川成美(立命館大学文学部教授)

※この作品は、二〇〇四年十二月に小社より刊行されたものです。


≪著者: ≫ 多和田葉子 (たわだ・ようこ) 1960年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ハンブルク大学文学修士課程修了。チューリヒ大学文学博士課程修了。ベルリン在住。'91年「かかとを失くして」で群像新人文学賞を受賞。'93年「犬婿入り」で芥川賞を受賞。ドイツ語での文学活動に対、し'96年シャミッソー文学賞、2005年ゲーテ・メダルを授与される。'00年「ヒナギクのお茶の場合」で泉鏡花賞、'02年「球形時間」でBunkamuraドゥマゴ文学賞、'03年「容疑者の夜行列車」で伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞。近著に「海に落とした名前」「アメリカ 非道の大陸」「溶ける街透ける路」などがある。







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