Gori ≒ ppdwy632

〈ぼく〉の思索の一回性の偶然性の実験場。

朝日新聞出版

本「失われた近代を求めて 下 (朝日選書986)」橋本治5

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「自然主義」と呼ばれた作品群は、「言えない」を主題とする小説として生まれ、いつしか赤裸々な「自分のこと」を告白する私小説へと変貌する。いま最も読まれなくなった文豪の代表作――島崎藤村『破戒』が達成したものと、国木田独歩『武蔵野』によって開かれた地平とは何か? 「自然主義」との関わりから近代文学の核心に迫る第二部「「自然主義」と呼ばれたもの達」。そして、明治の始まる前年に生まれた夏目漱石、尾崎紅葉、幸田露伴、正岡子規、一つ年下の北村透谷らの作品を読み解く第三部では、明治を生きた第一世代の群像を「近代」と「前近代」の相克として活写する。西洋由来の「近代」を受け入れた日本人が何を求めたのか、その一方で「近代」によって失われたものとは何か、その謎と実相に迫る「明治二十年代の作家達」。橋本治による「近代」「文学」論の完結編。


≪目次: ≫
第二部 「自然主義」と呼ばれたもの達(承前)
第三章 「秘密」を抱える男達

 六 どうして『破戒』は「自然主義の小説」なのか?
 七 そういうことかもしれない
 八 「言えない」という主題 PART2――瀬川丑松も場合
 九 瀬川丑松の不思議な苦悩
 十 言えない言えない、ただ言えない

第四章 国木田独歩と「自然主義」
 一 最も読まれない文豪
 二 国木田独歩と自然主義
 三 《白粉沢山》ではない文章
 四 「自然主義」と錯覚されたもの
 五 『武蔵野』が開いた地平

第五章 とめどなく「我が身」を語る島崎藤村
 一 『春』――「岸本捨吉」の場合
 二 「始まり」がない
 三 岸本捨吉を書く島崎藤村
 四 岸本捨吉の見出したもの
 五 父を葬る

第三部 明治二十年代の作家達
第一章 青年と少年(こども)の断絶

 一 それは一体なんだったんだろう?
 二 『坊っちゃん』と前近代青年
 三 「近代」というへんな時代
 四 「猫」に文学は担えない
 五 近代を受け入れてしまった「青年」

第二章 北村透谷と浪漫主義
 一 二つしかない「主義」
 二 失われた「甘っちょろさ」
 三 「浪漫主義」から「自然主義」へ
 四 浪漫主義は《やは肌》にしか宿らない
 五 『厭世詩家と女性』を書く北村透谷
 六 最も浪漫主義的なもの
 七 挫折した少年
 八 北村透谷の初心
 九 なぜ彼は詩を書くのか
 十 囚われの人の浪漫主義

第三章 北村透谷のジレンマ
 一 北村透谷のつまづき
 二 北村透谷の怒り
 三 北村透谷の変質
 四 北村透谷の《個人的生命(ライフ)》
 五 《処女の純潔》を論ずる北村透谷

第四章 紅露(こうろ)時代
 一 明治生まれの第一世代
 二 なんにも知らない正岡子規
 三 正岡子規と紅露時代
 四 井原西鶴がやって来る
 五 北村透谷と紅露時代
 六 《粋》と恋愛の関係
 七 尾崎紅葉の書く女性像に本気になる北村透谷
 八 いたって浪漫主義的な《侠》
 九 天才幸田露伴
 十 幸田露伴はどういう書き手か?

終章 近代が来てどんないいことがあると思っていたのだろうか?
 一 『五重塔』はどういう小説か
 二 「人を描く」とはどういうことか
 三 のっそり十兵衛はなぜ嵐の五重塔に上るのか
 四 明治文学きっての名文
 五 近代が来てどんないいことがあると思っていたのだろうか?
 六 小説を書く夏目漱石

あとがき (二〇一四年九月  橋本 治)


※本書は、2010年4月2013年3月、2014年10月に小社より刊行された『失われた近代を求めて』全三巻の構成を二分冊にしたものです。


≪著者: ≫ 橋本 治 (はしもと おさむ) 1948年東京都生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、1977年『桃尻娘』で小説現代新人賞佳作を受賞しデビュー。1996年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、2005年『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、2008年『双調平家物語』で毎日出版文化賞、2018年『草薙の剣』で野間文芸賞を受賞。近著に『父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない』『思いつきで世界は進む』がある。2019年1月に逝去。


橋本治 『失われた近代を求めて 上 』(朝日選書、2019年) '19/08/24
橋本治 『「自然主義」と呼ばれたもの達 (失われた近代を求めて II)』(朝日新聞出版、2013年) '13/04/21
橋本治 『言文一致体の誕生 (失われた近代を求めて I)』(朝日新聞出版、2010年) '10/06/25


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本「やってはいけない不動産投資 (朝日新書718)」藤田知也5

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やってはいけない不動産投資 (朝日新書)
○著者: 藤田 知也
○定価: 本体750円+税
○ISBN: 978-4022950185






――誰がどれだけワルなのか? 腐りきった不動産業界のタブーに斬り込む!――
「老後の不安」と「投資に興味」があるなら、次に狙われるのはアナタの番だ――。エリートをハメて田舎のボロ物件で4000万円荒稼ぎ、水も出ない新築を買わせてバックレる、やったモン勝ちの不正業者は高卒でも年収3000万円、営業スマイルという仮面で隠した「本性」を暴く!


≪目次: ≫
はじめに――一流エリートがカモにされるワケ
 客をダマせば年収3000万円
 地獄の入り口は「将来不安」
 巧みな交渉術、見抜くのは困難
 まだまだ続くウソと不正

第1章 「長期保証」で油断させる
 休日にトイレそうじ
 水も出ない“新築アパート”
 ヒツジを狙うハイエナたち
 あっさり破られる契約書
 破綻必至の自転車操業
 生命保険の営業マンもダマされる
 業者のえじきになるタイプ
 割に合わない投資コスト
 精巧に偽造された病院のハンコ
 カモは目先の収支しか見ない
 吸い上げられた利益がすこし戻るだけ

第2章 「今がチャンス」と錯覚させる
 投資ブームでアパート乱立
 需要を6万戸上回った賃貸住宅供給
 無理筋の金融緩和策
 「黒田バズーカ」でブームを後押し
 新築マンションは過去最高値に
 賃料相場はほぼ横ばい
 不利な投資タイミング

第3章 「リスク」から目をそらす
 ワンルーム1戸でボーナス100万円
 販売促進で500万円上乗せ
 「フルローン」と「オーバーローン」の違い
 銀行を欺く三つの方法
 「お値引き」という響き
 築30年超でも4000万円ボロ儲け
 医科大の卒業名簿で営業電話
 仲介手数料のルールは無視
 ピンハネしやすい三為契約とは
 ボロ物件も奪い合いの「スルガ・バブル」

第4章 「不正」には気づかせない
 「エビデンスをつくる」
 貯金がないならつくっちゃえ
 手口はグーグルと銀行員に教わった
 1口座10万円で偽造を「発注」
 国税庁HPで作ったウソ申告書
 「宝くじが当たりました」
 ニセモノの「銀行HP」
 ユルそうな地銀・信金をパトロール

第5章 「高利回り」と見せかける
 レントロールが手品のように変わる
 「カーテン行きます」
 「断れない客」を狙う
 借金1000万円おかわり
 東証1部TATERUの手口
 表面利回りには意味がない
 レバレッジは危ない

第6章 「ウソ」は堂々とつく
 消費者金融の借金をなくすマジック
 節税したつもりが実は大損
 ヤバイ確定申告の中身
 相続税対策で田んぼにアパート
 ひとごとではないレオパレス問題
 ランキングサイトもお金で操作
 バカ正直な客は喰いモノになる
 “ババ”みたいな違法物件
 会社員が20億円借りた「1法人1物件スキーム」
 不正業者“野放し”の国交省と東京都

第7章 それでもまだ投資したい人のために
 ブームのあとにチャンスはやってくる
 なぜ下げ相場は買い時なのか
 投資はタイミングが一番
 荒波に向かってこぎ出す覚悟はあるのか
 誰も経験したことのない超高齢化社会
 業者の手口に学ぶ「不動産投資4カ条」
  ー分の目と足で見極めろ
  ▲灰好箸肇螢好をぜんぶ洗い出せ
  L造辰燭乕ず引き返せ
  た箸両罎砲△辰薪蟷颪鬚擦

おわりに (2019年4月 藤田知也)
参考文献
不動産業界“ウラ"用語索引


≪著者: ≫ 藤田知也 (ふじた・ともや) 朝日新聞記者。早稲田大学大学院修了後、2000年に朝日新聞社入社。02〜12年「週刊朝日」記者。経済部を経て18年4月から特別報道部に所属。著書に『強欲の銀行カードローン』(角川新書)、『日銀バブルが日本を蝕む』(文春新書)がある。




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本「失われた近代を求めて 上 (朝日選書985)」橋本治5

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近代日本文学の黎明期に誕生した「私」をめぐる二つの小説――田山花袋『蒲団』と二葉亭四迷『平凡』が、文学の未来に残した可能性と困難。なぜ彼らは新しい文体を必要としたのか?
『古事記』に始まり、平安後期の慈円による『愚管抄』を経て、二葉亭四迷の翻訳『あひびき』に至るまで模索されてきた日本語文体は、言文一致体の誕生によって一つの完成をみる。
新しい言葉を獲得していく書き手たちのドラマを、小説家の視線と身体性から鮮やかに描き出す「第一部 言文一致体の誕生」。
つづく「第二部「自然主義」と呼ばれたもの達」では、「言えない」を主題とする小説として生まれた「自然主義」が、いつしか赤裸々な「自分のこと」を告白する私小説へと変貌する姿を活写していく。
橋本治がはじめて近代日本文学の作品群と向き合いながら、「近代」の組み立て直しを試みる本格評論


≪目次: ≫
はじめに

第一部 言文一致体の誕生
第一章 そこへ行くために

 一 「古典」という導入部から――
 二 文学史はなにを辿るのか
 三 『徒然草』の時代――あるいは、芸能化と大衆化の中で
 四 和漢混淆文と言文一致体――あるいは、文学史の断絶について
 五 大僧正慈円の独白

第二章 新しい日本語文体の模索――二葉亭四迷と大僧正慈円
 一 大僧正慈円と二つの日本語
 二 慈円と二葉亭四迷
 三 『愚管抄』とは、そもそもいかなる書物なのか?
 四 「作者のあり方」と「作品のあり方」を考えさせる、日本で最初の発言

第三章 言文一致とはなんだったのか
 一 二葉亭四迷とは「何者」か?
 二 口語と文語――あるいは口語体と文語体、更にあるいは言文一致体の複雑
 三 言文一致体は「なに」を語ったか
 四 そして、言文一致体はどこへ行くのか

第四章 不器用な男達
 一 哀しき『蒲団』
 二 近代文学の本流争い
 三 いたってオタクな田山花袋
 三 どうして「他人」がいないのか
 四 「もう一つの『蒲団』」の可能性
 五 空回りする感情
 六 「そういう時代だった」と言う前に

第五章 『平凡』という小説
 一 改めて、言文一致体の持つ「意味」
 二 『平凡』を書く二葉亭四迷
 三 「言わないこと」の意味、「言えないこと」の重要さ
 四 「言わないこと」のテクニック
 五 連歌俳諧的な展開と論理
 六 「隠されたテーマ」がやって来る

第六章 《、、、、》で終わる先
 一 『平凡』がちゃんとした小説であればこそ――
 二 「ポチの話」はどのように位置付けられるのか
 三 尻切れトンボになることの真実
 四 『浮雲』の不始末を完結させる『平凡』
 五 「悪態小説」としての『浮雲』
 六 分からないのは、「他人のこと」ではなくて、まず「自分のこと」である


第二部 「自然主義」と呼ばれたものたち
第一章 「自然主義」とはなんなのか?

 一 森鷗外と自然主義
 二 自然主義の悪口はうまく言えない
 三 「『性的人生記(ヰタ・セクスアリス)』と題される書物に関する物語」
 四 なにが彼を翻弄するのか?
 五 本家の自然主義と日本の自然主義
 六 もう一人の「自然主義」の作家、島崎藤村の場合
 七 果たして近代の日本に「自然主義の文学」は存在していたのか?

第二章 理屈はともかくてして、作家達は苦闘しなければならない
 一 通過儀礼としての自然主義
 二 理念もいいが、文体も――
 三 言文一致体が口語体へ伝えたもの
 四 言文一致体の「完成」
 五 若くて新しい「老成の文学」
 六 「自然主義」をやる田山花袋
 七 様々な思い違い
 八 「翻訳」について――あるいは、文体だけならもう出来ていた
 九 田山花袋の道筋

第三章 「秘密」を抱える男達
 一 田山花袋の恋愛小説
 二 かなわぬ恋に泣く男
 三 美文的小説
 四 『わすれ水』――そのシュールな展開
 五 「言えない」という主題
(下巻につづく)


※本書は、2010年4月2013年3月、2014年10月に小社より刊行された『失われた近代を求めて』全三巻の構成を二分冊にしたものです。


≪著者: ≫ 橋本 治 (はしもと おさむ) 1948年東京都生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、1977年『桃尻娘』で小説現代新人賞佳作を受賞しデビュー。1996年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、2005年『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、2008年『双調平家物語』で毎日出版文化賞、2018年『草薙の剣』で野間文芸賞を受賞。近著に『父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない』『思いつきで世界は進む』がある。2019年1月に逝去。


橋本治 『「自然主義」と呼ばれたもの達 (失われた近代を求めて II)』(朝日新聞出版、2013年) '13/04/21
橋本治 『言文一致体の誕生 (失われた近代を求めて I)』(朝日新聞出版、2010年) '10/06/25


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本「父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない (朝日新書714)」橋本治5

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――「父はえらい、男はえらい、だから説明能力がなくてもいい」そんなバカげた世界は、とっくの昔に崩壊している!――
トランプ大統領の出現後、日本の組織でもパワハラ、セクハラが露わになり、官僚や大学のオヤジ体質が暴かれていく。男たちの「論理」が通用しない時代に、なぜ「父権制の亡霊」がはびこるのか。都知事選の変遷、ハリウッド映画の分析、学生運動の成り立ちから政治家のスキャンダルまで、あらゆる現象を歴史的にひもときながら、これまでの「当たり前」が失効する世界の到来を説く。ベストセラー『知性の顛覆』に続く、橋本治による最後の指南!


≪目次: ≫
編集部付記

第一章 世界はゆるやかに混乱して
 一 制度は崩壊しているのに
 二 二〇一七年都議選の背景PART1――「東京」が変わる
 三 二〇一七年都議選の背景PART2――「都市おやじ」の時代
 四 二〇一七年都議選の背景PART3――おやじ達の衣替え
 五 二〇一七年都議選の背景PART5――熟年の家庭内離婚
 六 「国民ファースト」ではなくて、なぜ「日本ファースト」?

第二章 とんでもなく下らない話
 一 「父権制の顚覆」の由来
 二 『スター・ウォーズ』の謎
 三 父がいないスーパーヒーロー達
 四 父はやたらと死んでしまう
 五 スーパーマンはなぜ殺される?
 六 そしてワンダーウーマンが現れる

第三章 女と論理
 一 大昔の遥かに遠い地球とは別の銀河系では
 二 「論理」にまつわる二つの側面
 三 「当たり前」が大問題になる
 四 学生運動と経営学
 五 再び「当たり前」を問題にする
 六 「女と論理」はどうなったのか?

第四章 組織の崩壊
 一 一年前から続く出来事
 二 病む組織、組織を病ませるもの
 三 セクハラ君もやって来る
 四 セクハラもパワハラだ
 五 もう忘れられている一年前のこと

第五章 父権性の亡霊
 一 突然話を分かりやすくさせたもの
 二 昔よくいた田舎のおっさん
 三 田舎のオヤジの運命
 四 父親は、豊かになって瓦解して行く
 五 オヤジは説明をしない、だから説明能力がない
 六 永田町と日本ボクシング連盟
 七 忖度は誰かがしたのかもしれないが、私が「しろ」と言ったわけではない
 八 そんなことはともかく、トランプ大統領と仲がいい安倍総理大臣は外交に強い
 九 モラルではなく、説明能力がない

第六章 誰も経験したことがない世界
 一 元日本ボクシング連盟終身会長が愛した映画『ゴッドファザー』とその「愛のテーマ」
 二 家族より「個=孤」が美しかった時代
 三 女の居場所
 四 それを女が「抑圧」と解釈したら――
 五 「結婚」という最小の社会的単位の持っていた意味
 六 「家」と王国、家長と王様
 七 「家」の持っていた意味


※『父権の崩壊 あるいは指導者はもう来ない』は、「小説トリッパー」2017年秋季号から2018年冬季号まで連載されました。2019年1月29日、著者の橋本治氏が逝去されたため、書籍化に際しては誤字・脱字、明らかな事実誤認など、必要最小限の修正に止め、そのほか〔 〕で補足した箇所以外は雑誌掲載時のままにしてあります。
※橋本氏の生前の意向を受けて、連載時のタイトル「指導者はもう来ない 父権制の顛覆」から改題していますが、本文中でタイトルについて言及している箇所については、初出時のママとしました。


≪著者: ≫ 橋本 治 (はしもと・おさむ) 1948年東京都生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、77年に小説『桃尻娘』で小説現代新人賞佳作を受賞しデビュー。創作・エッセイに止まらず、博覧強記の知性をもとに評論家としても活躍。『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、『双調平家物語』で毎日出版文化賞、『草薙の剣』で野間文芸賞を受賞。著書に『巡礼』『橋』『リア家の人々』『たとえ世界が終わっても』『知性の顛覆』『九十八歳になった私』『思いつきで世界は進む』他多数。2019年1月に逝去。



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本「憲法の良識 「国のかたち」を壊さない仕組み (朝日新書664)」長谷部恭男5

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フェイク憲法論に惑わされてはいけない!専門知識ゼロからわかる憲法の極意。――
憲法に関するおかしな言説が世にはびこっている。人びとがそれを信じるようになると、憲法がおかしな方向に変えられるリスクがある。条文自体も、解釈や運用も、ねじ曲げられる可能性があるのだ。その結果、起こるおかしな事態に巻き込まれるのは、日本人にほかならない。憲法学の第一人者が、見当ちがいの議論を一から解きほぐす。


≪目次: ≫
はじめに

序章 九条をめぐる不思議な議論
 「とにかく変えろ」の不思議
 九条をなくすことで高まる脅威
 天皇の生前退位と東京五輪
 憲法のいう「戦力」とは何か
 自衛隊は戦力なのか
 ケガ人や急病人を放置していいのか
 法の解釈のしどころ
 憲法が保障する権利は守られているか
 「七・一閣議決定」が不明確にしたこと
 ポジティヴリストの危険性
 盲腸のような条文
 実現可能性があるのか
 [序章のポイント]

第1章 憲法とは何だろうか
 立憲主義と憲法の関係
 憲法とふつうの法律はどこがちがうか
 統治機構の条項は政府の仕組みを定める
 自分で判断しないように
 憲法は法の要求を解除する
 人間本来の姿に立ち戻る
 万引きで一〇年刑務所に入れられる
 人はいかに行動すべきか
 「出発点はゼロ」のはず
 憲法のほんとうの役割
 [第1章のポイント]

第2章 プロジェクトとしての立憲主義
 「どう生きるか」を自分で判断する
 人々に無理を強いる仕組み
 特定の価値観で社会を統一したいのか
 今の生き方を守りたい
 変えることを受け入れるとき
 [第2章のポイント]

第3章 改憲問題の本質とは何だろうか
 戦争に敗れたとき、国家体制は変わる
 道理の通らないことでも、やり通す
 憲法のあるべき姿を知っていますか?
 韓国で九回改正された理由
 「押しつけ憲法」 のほんとうの意味
 飛び出した「自衛隊明記」案
 憲法で書き込む「自衛隊の現状」とは
 根拠のない解釈変更
 変わらない、変わらない、絶対変わらない
 「第二段階」を隠すもの?
 自衛隊の存在を書かないことの意味
 [第3章のポイント]

第4章 「緊急事態条項」のあぶない実態
 首相が「特に必要」と考えれば宣言できる
 国家総動員法のスイッチを憲法に
 超法規的措置――福田内閣の判断
 法の支配の限界
 プチ緊急事態条項と有権解釈
 [第4章のポイント]

第5章 平和主義は単純じゃない
 「純粋なパシフィズム」は実践できるか
 ヒツジとオオカミの共存?
 芦部信喜の群民蜂起論
 九条の条文どおりに行動すべきか
 「武力の行使」の出発点がゼロ
 [第5章のポイント]

第6章 民主主義の核心とは何だろうか
 旗色の悪かった民主主義
 自分の判断がくつがえされることの少ない単純多数決
 みんなが幸福になるための単純多数決
 正しい結論になる確率の高い単純多数決
 確かな保証はない
 [第6章のポイント]

第7章 憲法と戦争の意外な関係
 ほんとうの「愛国」とは何か
 核兵器の使用は正当化できるか
 戦争が憲法のあり方を決める
 アメリカが日本に要求したこと
 戦争の変化が普通選挙をうんだ
 自己保存への権利
 [第7章のポイント]

終章 個人的体験からつかんだもの
 学生時代は、わからないことだらけ
 カツカレー?、それともニシンそば?
 人の生き方は比べられない
 政治と宗教の関係をどう決めるか
 自分にあったアプローチ
 留学して役立ったこと
 日本の大学教育
 知的指導者としての憲法学者?
 同じ失敗をしなための教訓
 [終章のポイント]

おわりに (二〇一八年二月 Y. H.)


≪著者: ≫ 長谷部恭 (はせべ・やすお) 1956年、広島県生まれ。早稲田大学法学学術院教授。専門は憲法学。東京大学法学部卒業。学習院大学法学部助教授、東京大学教授などを経て、2014年より現職。15年、衆議院憲法審査会で安保法案を「憲法違反」と発言し物議をかもした。著書に『憲法の理性』『比較不能な価値の迷路』(ともに東京大学出版会)、 『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書)、『憲法とは何か』(岩波新書)、 『法とは何か 増補新版』(河出ブックス)、共著に『ナチスの「手口」と緊急事態条項』(集英社新書)、編著に『論究憲法』(有斐閣)など。


長谷部恭男 『憲法の円環  circus constitutionis 』(岩波書店、2013年) '13/07/22
長谷部恭男 『憲法とは何か』(岩波新書、2006年) '13/07/01
長谷部恭男 『憲法のimagination  Écrits imaginatifs de droit constitutionnel 』(羽鳥書店、2010年) '13/06/26
長谷部恭男 『憲法入門  An Introduction to Constitutional Law 』(羽鳥書店、2010年) '13/06/01
長谷部恭男 『法とは何か 法思想史入門』(河出ブックス、河出書房新社、2011年) '13/05/27
長谷部恭男 『続・Interactive憲法  The Life and Opinions of Professor B, the Constitutional Conversationnist, Vol. 2 』(法学教室Library、有斐閣、2011年) '13/05/20
長谷部恭男 『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書、2004年) '13/05/13
長谷部恭男 『Interactive憲法  The Life and Opinions of Professor B, the Constitutional Conversationnist 』(法学教室Library、有斐閣、2006年) '13/05/09



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本「負けない力 (朝日文庫)」橋本治5

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負けない力 (朝日文庫)
○著者: 橋本 治
○定価: 本体640円+税
○ISBN: 978-4022619334










今の時代、知性は何の役にも立たないと言われているが、知性とはその役に立たないと思われているものの中から、自分にとって必要なものを探し当てる能力である。手っ取り早く役に立つ情報を求めて、結果「考える力」が弱体化し負けてしまう。そんなあなたのための、勇気の書。

「負けない力」とは知性のことだ! そもそも本当の知性とは何か? 「勉強が出来る」「頭がいい」ことが重視されてきた結果、「負け続けてきた」この国で、知性を手にするために。ロングセラー『知性の顛覆』につながる思考鍛錬エッセイ。


≪目次: ≫
はじめに

第一章 知性はもう負けている
 「知性がある」と「頭がいい」は関係ない/価値の基準はどうして「一つ」になったのか/「勉強しなきゃ勝てない」は、明治時代以来の日本人の思い込み/勝つために勉強して、でも負ける/どうしてそんなに負けるんだろう?/勝ちに行くつもりで負ける日本/もう日本が学ぶべき「先進国」はない/日本には、「独創性を育てる教育」なんかない/ズレが日本の独自性を生む/就職試験は学校の勉強とは違う/自己啓発本が必要になる理由/穴に落ちたらどうします?/とりあえず失敗をする/人は、成功したり失敗したりを繰り返してなんとかなる/それでも知性はジリジリと負ける/親切な「方法」なんかはない

第二章 知性はもっと負けている
 「知的な美人」がはやらない/「知的な美人」が登場した頃/「流行のあり方」が変わる/「社会の力」が弱くなると/なんでもかんでも許される/ボディコンという自己主張/そしてみんな思想的になった/自己主張が強いからといって、知性があるわけではない/大衆化でみんな「そこそこ」になる/みんなが「そこそこ」になってやばくなる/アイドルは自己主張をしない/そもそも「知性」はえらそうなものだった

第三章 「知性」がえらそうだった時代
 「知性」がえらそうだった時代/重要なのは「知性」ではなく、知識の量だった/コピペは昔から当たり前にあった/知識を得てどうするのか?/多くの人が大学へ行くようになると/大学に「革命」は起こらなかったが、大学は変わった/こうして「教養」はなくなる/「教養」ってなんなんだ?/夏目漱石の書く「教養」/なぜ「教養」はえらいのか?/「教養」をバカにする夏目漱石/坊っちゃんになるか、赤シャツになるか、野だいこになるか/「知識を身につける」と「知識が身に沁みる」/「分かりません」と言えますか?/「なにが分からないか」を人に説明するのはむずかしい/エライ人は分かりやすい説明をしない/一度「負け」を認めてしまう/「教養」は体制順応型人間を作る/ランキングで出来上がっている世界でも/それは「権威主義」です/「根拠」は自分で作る/この本の著者だって少しばかり不安がっている

第四章 「教養主義的な考え方」から脱するために
 「教養主義」ってなんだ?/「下らない」ってなんだ?/死滅しない「教養主義的な考え方」/「考え方」も入れ換える?/「他人の考え方を知識として仕入れる」ということ/教養主義者に「自分」はあるのか?/真面目な日本人は、それで「マニア」になる/日本人の考える「自分」/日本人は簡単に「考え方」を入れ換える/日本人の「損得」の考え方/時代の変化に敏感な人、鈍感な人/利口な日本人は文句を言わない/「自分」は、「自分の中」にあるのか、それとも「自分の外」にあるのか?/「海外への扉」が開きっ放しになって/正解は、自分の外の「誰か」が握っている/日本人の「自分」は社会のDNAが作る/でも、外にあったはずの「正解」が見えなくなってしまったら/「考え方」はそう簡単に変えられない

第五章 「負けない」ということ
 やっとここで「知性の話」/知性のある人は、「私には知性がある」などと言わない/「他人の知性」を認める能力/知性には「出題範囲」がない/「答」を見つけるよりも、「問題」を見つける方がずっとむずかしい/コンピュータの分からないこと/「自分の中の問題」が一番見つけにくい/どうして「自分は世界で一番頭がいい」などと思ってしまうのだろう/「謙遜」について/「謙遜」という名の防衛力/人はどうして「勝とう」と思うのだろう/恐竜はものを考えなかった/不安があるからものを考え、それがなければ考えない/「それでも平気」と思える機能/それでも「負けてはいけない」と思う理由

終章 世界はまだ完成していない
 減点法の世界/なじみのある「格差社会」/「みんな」という高い壁/「世界はもう完成している」という思い込み/「なんかへんだな・・・・・・」と感じることからしか始まらない/もしかしたら、最も大きく最も困難な問題について

文庫版のためのあとがき (二〇一八年四月二十七日)


≪著者: ≫ 橋本 治 (はしもと おさむ) 1948年東京都生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、『桃尻娘』で小説現代新人賞佳作を受賞。評論家としても活躍。『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、『「三島由紀夫」とは何者だったのか』で小林秀雄賞、『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、『双調 平家物語』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。近著に『知性の顛覆』『いとも優雅な意地悪の教本』『草薙の剣』。




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本「核と戦争のリスク  北朝鮮・アメリカ・日本・中国 動乱の世界情勢を読む (朝日新書645)」薮中三十二/佐藤優5

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――北朝鮮の核保有容認にしろ、先制攻撃にしろ、「日米べったり」にこそ 真の危険が潜んでいる!――
トランプの「忠実なお供」と見られている日本。安全保障の根幹に触れる国家の危機が迫る今、日本人の基礎体力と感性の低下が、より深刻な事態を招いている。大国に割って入る知恵と戦略を持つにはどうすべきか。6者協議をはじめ、北朝鮮、中国と激しい外交交渉を行った元外務事務次官と人気作家が緊急ガチンコ対談!


≪目次: ≫
はじめに――日米一体路線への不安 (2017年11月14日 薮中三十二)

第1章 北朝鮮とアメリカ――今そこにある戦争の危機
 日米「べったり」がはらむリスクとは?
  ●同じスクール同士のつき合い
  ●Shinzo, Let’s go together! の恐怖
  ●100万単位の死者が出るシミュレーション
  ●日本で国連軍会議が開かれている?
 アメリカに日本はどう向き合うか?
  ●アメリカでは「部族間対立」が起きている
  ●日米の立場は同じではない
  ●CIAと「ロケットマン」の真意
 国際情勢が緊迫する中、リーダーの役割は何か?
  ●「扱い」をめぐる日本とドイツの差
  ●首脳同士の「親密さ頼み」は危険
  ●首脳の役割が高まる時代

第2章 日本の上空を北朝鮮のミサイルが飛んだ日
 あの日、政府はなぜ浮足立ったのか?
  ●国家存亡の危機?――日本政府の過剰反応
  ●だれも国際法を知らなかった?
  ●「戦闘行為」という言葉の意味
  ●本当の危機意識を持つとき
 「なんとなく」ではなく、ハードエビデンスで分析する
  ●制裁効果が表れている証拠はあるか?
  ●北朝鮮が本当に破れかぶれになるとき

第3章 北朝鮮の核容認論と日本の核武装論
 アメリカの論調「核保有やむなし」への異論
  ●恫喝外交がまかり通る危険
  ●自民党が封印したあの議論
  ●「北朝鮮のパキスタン化」の危機
  ●危機意識の持ち方、考え方
 核をめぐる日本のシナリオとは何か?
  ●閣議決定された「核保有も核使用も憲法は禁止せず」
  ●ウラン濃縮とプルトニウム抽出が認められる国
  ●原発と核開発の基礎能力
  ●日本が核武装できない理由
  ●「非核1・5原則」で内閣総理大臣が核のボタンを押す?

第4章 小泉訪朝と6者協議――あのとき何が起きていたのか
 2005年の非核化合意はなぜ破られたのか?
  ●外交交渉における戦略とは
  ●金正日が大嫌いだったプーチン
  ●小泉訪朝で示した金正日の本音
  ●北朝鮮をめぐる二つのパイプライン
  ●見逃された心理面からのアプローチ
  ●当事者なのに交渉には入れない
  ●最後は決裂してもいい
 拉致問題でなぜ読み違えたのか?
  ●北朝鮮が初めて謝罪した日
  ●個人主義と合理主義

第5章 北朝鮮の真相――リーダーの頭の中、民衆の本音
 金正恩の革命観の根底にあるものは何か?
  ●金正恩はロシア語にも通じている
  ●レーニンの革命モデルにもとづく
  ●初めて現れた「クーデター」という言葉
  ●朝鮮半島統一のその先
  ●ロシアが警戒する朝鮮ナショナリズム
 北朝鮮の国民は現状をどう認識しているか?
  ●北朝鮮の民衆と終戦間際の日本
  ●大量消費社会の到来が体制崩壊につながる
  ●政権がはらむ自爆の可能性
 経済発展と管理システムは両立できるのか?
  ●北朝鮮はなぜ潰れないのか
  ●クリスチャンとしての金日成
  ●中国で目の当たりにした経済発展
  ●北朝鮮崩壊、三つのシナリオ

第6章 変貌する中国とのつき合い方
 肥大化する中国の自己イメージにどう向き合うか?
  ●中国が抱く「新秩序」のイメージ
  ●ナショナリズムが作る「敵のイメージ」
  ●中国の海洋進出が終わる日
 日本から提案できることは何か?
  ●次官級協議でわかったこと
  ●南北でつけられた30分の時差
  ●「顔が見えたら撃てない」――国境警備隊司令官の言葉

第7章 海洋をめぐる戦い――尖閣問題と東シナ海
 「尖閣問題」の本質とは何か?
  ●墓穴を掘った「係争のある島」
  ●猪瀬直樹副知事の「金集め」
  ●見たこともない人が習近平の隣に
  ●立ち消えになった清国との割譲案
  ●地理的関係がすぐに頭に浮かぶ
 東シナ海での日中共同開発合意のメッセージ
  ●中間線での線引き
  ●取れるときに取らないと、一生取れない
  ●漁船衝突事件の真相
  ●日中の合意に慌てた韓国
  ●日本はもっと警護を固めた方がいい

第8章 二つの顔を使い分けるしたたかさ
 「大義」とタテマエを使って優位に立てるか?
  ●「平和」を大義に中国を追い込める
  ●したたかにやればいい
  ●中国と東南アジア、二つの顔を使い分ける
  ●「テロとの戦い」と Win-Win ゲーム
 中国にどこまで迫れるか?
  ●メンツ丸つぶれの中国
  ●「中国の核心」習近平の腹の中
  ●ユニラテラル会合? アメリカ一人ぼっち
 アメリカにとって日本とは何か?
  ●アメリカは国内しか見えないのか?
  ●70年間の平和の重み
  ●何が本当にヤバいのか――交渉のツボを見抜く力
 トランプの対北朝鮮問題への本気度は?
  ●トランプ大統領のアジア訪問、裏オモテ
  ●強いリーダーが好き――トランプ・習近平関係

おわりに――歴史的大転換を読み解く力 (2017年11月19日、曙橋(東京都新宿区)の自宅にて  佐藤 優)


≪著者: ≫ 藪中三十二 (やぶなか・みとじ) 1948年、大阪府生まれ。元外務事務次官、立命館大学特別招聘教授。大阪大学法学部中退。69年、外務省入省。73年、コーネル大学卒業。北米局第二課長、ジュネーブ国際機関日本政府代表部公使、在シカゴ日本領事、アジア大洋州局長、外務審議官(経済・政治担当)、外務事務次官などを歴任。2010年退官後、外務省顧問、大阪大学特任教授、グローバル人材を育成するための私塾「薮中塾グローバル寺子屋」主宰など多方面で活躍。著書に『国家の命運』(新潮新書)、『世界に負けない日本』『トランプ時代の日米新ルール』(共にPHP新書)など。

≪著者: ≫ 佐藤 優 (さとう・まさる) 1960年、東京都生まれ。作家、元外務省主任分析官、同志社大学神学部客員教授。同志社大学神学部卒業。同大大学院神学研究科修了。85年、外務省入省。在英日本国大使館、在ソ連邦日本国大使館などを経て、95年から外務省国際情報局分析第一課に勤務。北方領土交渉などで活躍。2002年、背任と偽計業務妨害容疑で逮捕。09年、最高裁上告棄却。13年、執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失う。著書に『創価学会と平和主義』『超したたか勉強術』『使える地政学』『悪の正体』(いずれも朝日新書)など多数。




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本「おひとりさま vs. ひとりの哲学 (朝日新書651)」山折哲雄/上野千鶴子5

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 ひとり


――日本人の死に方をめぐるガチンコ対談。逝き方の極意。――
「おひとりさま」シリーズの社会学者・上野千鶴子さんと『「ひとり」の哲学』(新潮選書)が評判の宗教学者・山折哲雄さんが、老いの果ての死をじっくり語り合う。さまざまな最期の迎え方の中から何を、どう選ぶのか。男の哲学的理想と女の社会学的現実がぶつかりあう。


≪目次: ≫
まえがき (上野千鶴子)

第1ラウンド おっさんの「野垂れ死にの思想」
 何が世捨て人だ、漂泊だ
 まったくのひとりで死んでいった尾崎放哉
 「野垂れ死にの思想」は老いと死に対する思考停止だ
 沖縄の島で看取られる「おっさんのエゴイズム」
 「野垂れ死にの思想」を女の口から聞いたことがない

第2ラウンド 思想としての「ひとり」
 「ひとり」の哲学の一遍が「ひとり」ではなかったのはなぜ?
 「ひとり」の哲学と仏教教団に矛盾はありませんか?
 確信の小乗仏教、迷いの大乗仏教

第3ラウンド 「いい気なもんだね」
 「野垂れ死にの思想」を口にする男を看取るのは、女
 「夫婦は二世」なって妻はノー・サンキュー
 いまの世に「夫婦は二世」を信じたい
 「妻はきっと見捨てないだろう」は根拠なき信念?

第4ラウンド ブルータス、お前もか
 人間は死んだら骨になる。その先は・・・・・・
 「土に還る」万物生命教
 「日本の知性」たちも晩年は神を受け入れる不思議
 「上野さんもブルータスになるだろう」と“山折の呪い”

第5ラウンド 「死にゆく人はさみしいもんや」
 ひとり死にゆくさみしさは癒されるのか
 「ほっといてくれ」と「ほっとかれへん」
 「逃げる」というのも大切だ
 父をきょうだいで看取ったおひとりさま

最終ラウンド 「個」と「ひとり」
 「おひとりさま」も日本の風土のDNAに搦め捕られる?
 最後の最期まで迷い、悩みぬけばよい
 おっさんに都合のよい「ひとり」の哲学
 家族を捨てて遊行者になったガンディーの中の「個」と「ひとり」

あとがき (山折哲雄)


≪著者: ≫ 山折哲雄 (やまおり・てつお) 1931年サンフランシスコ生まれ。宗教学者、評論家。国際日本文化研究センター元所長、同名誉教授、国立歴史民俗博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授。2002年、『愛欲の精神史』で和辻哲郎文化賞受賞。2010年、南方熊楠賞受賞。著書に『親鸞をよむ』『ひとり達人のススメ』『「ひとり」の哲学』『勿体なや祖師は紙衣の九十年 大谷句仏』『日本人の「死」はどこにいったのか』(共著)など多数。

≪著者: ≫ 上野千鶴子 (うえの・ちづこ) 1948年富山県生まれ。社会学者。東京大学名誉教授、認定NPO法人WAN理事長。1994年、『近代家族の成立と終焉』でサントリー学芸賞受賞。2011年度朝日賞受賞。著書に『ナショナリズムとジェンダー』『生き延びるための思想』『おひとりさまの老後』『男おひとりさま道』『みんな「おひとりさま」』『ひとりの午後に』『おひとりさまの最期』『また身の下相談にお答えします』など多数。


山折哲雄 『親鸞をよむ』(岩波新書、2007年) '12/01/05




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本「知性の顚覆 日本人がバカになってしまう構造 (朝日新書615)」橋本治5

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「ヤンキー」と、言い訳する「大学出」ばかりで、この国にもはや本物の知性は存在しないのか?
イギリスのEU離脱、トランプ政権誕生、ヘイト・スピーチ・・・・・・ 世界的に「反知性主義」が叫ばれて久しい中、その実態は主義というよりは、「かつて持っていた自分の優越を崩されたことによる不機嫌さ」という「気分」に過ぎないのではないか? その「空気」が生まれるに至るメカニズムを読み解き、もう一度自ら本物の「知性」を建て直すための処方箋を提示する、示唆に富んだ一冊!

日本もアメリカも、政治経済はめちゃくちゃで、モラルもなにもあったもんじゃない。
「ヤンキー」と、言い訳する「大学出」ばかりで、この国にはもはやほんものの知性は存在しないのか? 吹き荒れる「反知性主義」の実態は、思想ではなく単なる気分に過ぎないと看破し、世界が壊れゆく歴史的転換を柔らかに読み解く。
もやもやを晴らす快刀乱麻の書!


≪目次: ≫
新書のためのまえがき

第一章 ヤンキー的なもの
 一 「自分はヤンキーなのかもしれない」という衝撃
 二 「自分」を消す必要
 三 不良は自己主張をする
 四 みんな自己主張をしたいんだな

第二章 大学を考える
 一 大学解体が言われた昔
 二 そもそも勉強が好きじゃない
 三 自分の足下の深くて大きな穴
 四 大学を離れて「ワケのわからないもの」になる
 五 うっかりすると「反知性」になる

第三章 不思議な頭脳
 一 上昇志向がない
 二 根拠のない優越
 三 ヘイトスピーチってなんだったんだ?
 四 中流化して更に中流化する世界

第四章 知の中央集権
 一 東京のなにがエライ?
 二 「東京の山の手」とは?
 三 だから東京は支配的(ドミナント)になる
 四 拘束衣としての言語
 五 知は中央集権する

第五章 なぜ下品になったのか
 一 日本人は下品になった
 二 知性はモラルを捨てて行く
 三 「自己主張」という下品な行為
 四 もう崩すものはない

第六章 「経済」という怪物
 一 国民投票をする国民の正体
 二 EUが成立した頃
 三 「大きいもの」はいつまでもつか
 四 「みんなのあり方」と「こっちのあり方」
 五 国民はバカかもしれないけれど
 六 産業が発達して豊かになると、その結果、働く人間に皺寄せが来る
 七 「経済」という怪物、あるいは、もうパイの皮しか残っていないのに

最終章 顚覆しちゃいましたね
 一 「だから言ったじゃないの」とは言えないんだけどさ
 二 改めて「反知性主義」を考える
 三 さかのぼって、「主義(イデオロギー)」とはなんだ?
 四 トランプはヒトラーになれない
 五 現代で「知性」とはどういうものか
 六 「ムカムカする」を抱えて生きる、たとえば「アメリカの人達」
 七 更にもう一度、反知性主義を生み出してしまう「知性」について
 八 顚覆してしまった知性の「その先」

あとがき


※初出 「小説 TRIPPER」 連載評論 「知性の顚覆」 2015年夏季号〜2017年春季号(2016年冬季号は休載)に、まえがきとあとがきを書き下ろし、また一部内容を加筆・修正しました。


≪著者: ≫ 橋本 治 (はしもと・おさむ) 1948年東京都生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、『桃尻娘』で小説現代新人賞佳作を受賞。評論家としても活躍活躍。『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、『「三島由紀夫」とは何者だったのか』で小林秀雄賞、『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、『双調平家物語』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。近著に『たとえ世界が終わっても』。




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本「日本史のなぞ なぜこの国で一度だけ革命が成功したのか (朝日新書583)」大澤真幸5

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――革命とは無縁と思われる日本にも、歴史上、ただ一人、革命家とみなしうる人物がいた――。それは誰か?――
日本史のなぞを足がかりに、中国の易姓革命、イエス・キリストの革命との比較考察を通じて、社会を変える真因に迫る、知的興奮に満ちた思考の記録。

変化に乏しく見える日本の歴史でも、一人だけ革命家は存在する。信長でも明治維新の志士でもない革命家とは誰か? イエス・キリストの革命、中国の易姓革命、日本の天皇制など、洋の東西、日本史と世界史を俯瞰しながら、社会を変える真因に迫る、大澤社会学の新たな地平。


≪目次: ≫
まえがき

I 革命家はただ一人
1 革命とは
 問い/革命の定義
2 革命なき社会
 いくつかの革命候補/織田信長/後醍醐天皇
3 唯一の革命家
 第三代執権/東国・西国戦争/上皇流配と六波羅探題/初めての固有法
4 ふしぎな好評価
 唯一の例外/なぜか激賞

II 東の革命/西の革命
1 伝わらない一書
 問いの再確認/此亦一奇事なり
2 革命を否定する革命
 易姓革命/湯武放伐/革命を否定する革命/天命という冗長/これは民主主義か
3 革命の反復の反復
 「契約の更改」/申命記改革/解釈者革命/なぜ〈反復の反復〉なのか/法の支配のアンチノミー
4 中間小括――革命の一般範式

III 天皇なき天皇制
1 天皇というなぞ
 万世一系/天皇の誕生/天皇制と武家政権/武士の由来
2 きこしをす者
 対極的な天皇像/「きこしをす」/執政の「外注」/戦後の「元老」は誰か/「ミコトモチ」と「ホカヒビト」/革命の不可能性の条件
3 日本的革命の論理
 御成敗式目/自主的秩序の過剰肯定/武蔵野守泰時とイエス・キリスト/ディドロの賭/天皇なき天皇制/評定衆と議会/三島と老女

やや長めのあとがき (二〇一六年九月一五日 大澤真幸)

※初出 I・II・III――「小説トリッパー」2014年冬季号、2015年春季号・夏季号


≪著者: ≫ 大澤真幸 (おおさわ・まさち) 1958年長野県松本市生まれ。社会学者。専門は理論社会学。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。社会学博士。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。著書に『虚構の時代の果て』『ナショナリズムの由来』『不可能性の時代』『〈問い〉の読書術』、共著に『ふしぎなキリスト教』など多数。


橋爪大三郎/大澤真幸/宮台真司 『おどろきの中国 Astonishiing Chaina 』(講談社現代新書、2013年) '13/07/11
大澤真幸 『生権力の思想 事件から読み解く現代社会の転換』(ちくま新書、2013年) '13/03/25
大澤真幸 『量子の社会哲学 革命は過去を救うと猫が言う』(講談社、2010年) '12/11/13
大澤真幸 『逆接の民主主義 格闘する思想』(角川oneテーマ21、2008年) '12/11/04
見田宗介/大澤真幸 『二千年紀の社会と思想』(atプラス叢書、太田出版、2012年) '12/05/21
大澤真幸 『不可能性の時代』(岩波新書、2008年) '12/04/20
大澤真幸 『近代日本思想の肖像』(講談社学術文庫、2012年) '12/04/17
大澤真幸 『「正義」を考える 生きづらさと向き合う社会学』(NHK出版新書、2011年) '12/04/07
大澤真幸 『夢よりも深い覚醒へ 3・11後の哲学』(岩波新書、2012年) '12/04/03
大澤真幸 『社会は絶えず夢を見ている』(朝日出版社、2011年) '12/03/10
橋爪大三郎×大澤真幸 『ふしぎなキリスト教  Wonders In Christianity 』(講談社現代新書、2011年) '11/11/11
大澤真幸 『近代日本のナショナリズム』(講談社選書メチエ、2011年) '11/07/08



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本「日本国憲法の価値 (朝日新書569)」外岡秀俊5

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新たな安保法が施行された戦後71年の日本。左派の衰退が明らかになり、自己責任を唱える声が高まるにつれ「失われた対抗軸」を模索する動きが出てきた。20世紀を代表する3人のリベラリストの思想から、憲法を読み解き、新時代の言論空間を構想する。

自由と平等はなぜ大切なのか?
基本的人権はなぜ守られなければならないのか?
新たな安保法が施行された戦後71年の日本。「左派」の衰退が明らかになり、国権や自己責任を唱える声が高まるにつれ 「失われた対抗軸」を模索する動きが出てきた。バーリン、ポパー、ロールズ――。20世紀を代表する3人のリベラリストの思想から日本国憲法を読み解き、新時代の言論空間を構想する。


「自民党・憲法改正草案の真相」よりもっと大切なこと、それは日本国憲法のどこをどう変えてはならないのか、その限界を設定することである。保守も革新も、改憲派も護憲派も、これまで誰も語ってこなかった、日本国憲法とリベラリズムと価値観をめぐる根源的な思索!

日本国憲法といえば、「国民主権」「基本的人権」「平和主義」が有名だが、不思議なことに、この3原則がなぜ大切なのか、なぜそれを守っていかねばならないのか、歴史や思想の根底にまで探って考える機会はほとんどなかった。保守も革新も、改憲派も護憲派も、これまで誰も語ってこなかった、日本国憲法のほんとうの価値について、20世紀を代表する思想家――バーリン、ポパー、ロールズの思想に遡って考え抜いた根源的な思索の書。マックス・ヴェーバー、新渡戸稲造、内村鑑三、南原繁、丸山真男、加藤周一、ジョン・ダワー、スラヴォイ・ジジェクらの思想と言葉からリベラリズムの価値観へと昇華させた著者の真骨頂、ついに新書で登場!


≪目次: ≫
はじめに

第1章 リベラルの深化――三人の思想家から
 保守も左派もいる欧州の「リベラル」/日本国憲法の三原則はなぜ大切か/説得力に欠ける論調
1 バーリンの思想
 バーリンによるミルの解釈/プロテストの権利/「消極的自由」と「積極的自由」/自由の衝突/デモクラシーと自由/あらゆるところで起きた「不合理」/「基本的人権」の意味/「歴史決定論」への批判/「個人の選択は自由」は幻想/直面するディレンマから目を逸らさず
2 ポパーの思想
 カール・ポパーの『開かれた社会とその敵』/G・オーウェルの『1984年』/ナチス高官を生んだオーストリア/プラトンの呪文/「閉ざされた社会」と「開かれた社会」/ギリシャの精神革命/プラトンのアプローチ/「歴史信仰」の結論/プラトンの国家論/ソクラテスの教え/「閉ざされた社会」の綱領/欧州を席巻したナチス/ヘーゲルと部族主義/弁証法と「同一哲学」/「絶対精神」「世界精神」の思考過程/ファシズムの登場/知的な人々に信じ込ませる/経済に操られる傀儡(くぐつ)/「史的唯物論」への評価/マルクスの国家論/「開かれた社会」の価値/「ユートピア社会工学」/民主主義の条件/「寛容であれ」
3 ロールズの思想
 公正としての正義/功利主義と社会契約/「原初状態」と「無知のヴェール」/二原理の定式/二原理が意味するもの/むきだしの資本主義から協同の社会へ/「多数決ルール」という手続き/「市民的不服従」の定義/近代的立憲デモクラシーと切り離せない/良心的拒否と平和主義/ロールズとベトナム戦争

第2章 リベラリズムで読み解く日本国憲法
 日本国憲法とリベラリズム/憲法に内在する価値観/「自由」と「平等」/「健全な民主主義」/基本的人権が失われる危惧/「生存権」と朝日訴訟/「健康で文化的な水準」の内実/「生活保護バッシング」と「自己責任論」/「実態を顧みない絵空事」/国連憲章にある「諸国民の合意」/条件付きの平和主義/「集団的自衛権」の問題/相互性とは何か/介入の歯止め/自らに課した道

第3章 21世紀のリベラリズムの覚醒
1 リベラルは「左派」の代名詞ではない
 「立憲主義」「民主主義」の危機感/保革や左右を問わず/精神的な遺産
2 札幌発リベラリズム
 もう一つの系譜/プロテスタンティズムの倫理/新渡戸稲造の「平民道」/内村鑑三のもとに集まる人々/「ファナティックな人たちと話してもしょうがない」
3 リベラルは「左派」ではない
 国家主義者の追放後/アメリカ的功利主義への抵抗/希薄になったリベラリズム/加藤周一氏の言葉
4 「左翼」はなぜ説得力を失ったか
 ジョン・ダワー氏の言葉/「革新」「左翼」の決定的ダメージ/デモクラシーの結集軸/沖縄と民主主義
5 海外での民主化・抗議運動
2015年夏、日本で起きた現象/「相互接続権力」/テロとテクノロジー/中国の情報空間/グローバル化の再定義
6 20世紀末から活発化した反グローバル化運動
 ジジェク氏の言葉/「中国は例外かもしれない」/歴史モデルの提示/「オキュパイ・ウォール・ストリート」
7 「ひまわり学生運動」と「雨傘革命」
 台湾の抗議運動「ひまわり学生運動」/香港の大規模デモ「雨傘革命」/為政者の露骨な言葉/「80後」と「90後」の違い
8 全体主義への歯止めとしてのリベラリズム
 「遅れたプチブル思想」/ネット空間に紛れ込む「裏」の言説/丸山真男の四パターン
9 丸山論文を読み解く
 「個人主義」と「社会思想」の登場/1929年の大恐慌後/日本の大衆運動のスタイル/「近代」の相対化
10 「民主化」から「自立化」、「私化」へ
 「所得倍増計画」で加速した経済成長/キーワードは「一億総中流」/高度成長と大衆運動/「おたく文化」と「ひきこもり」
11 カウンター・デモクラシーが生まれた
 「おひとりさま」が標準に/社会全体で進んだ「コストカット」/「カリスマ的政治指導」の始まり/SNS型の運動形態/システム危機に陥ったとき

第4章 21世紀リベラリズムの課題
 「自由」「平等」と民主主義/価値を保障する条件/少子高齢化と一極集中化/巨大災害のリスク/若年層と女性/デジタル化と監視社会/覇権の流動化/立憲主義への意思/「報道・言論の自由」の危機/「何が秘密か、それが秘密なんだ」/テレビへの政治圧力

「あとがき」に代えて (2016年5月24日 著者)


≪著者: ≫ 外岡秀俊 (そとおか・ひでとし) 1953年、札幌市生まれ。ジャーナリスト、作家。東京大学法学部卒業。朝日新聞入社。ニューヨーク特派員、東京本社編集局長などを務め、2011年、退社。著書に『情報のさばき方』(朝日新書)、『地震と社会』(みすず書房)、『3・11複合被災』(岩波新書)、『北帰行 新装版』(河出書房新社)など。

外岡秀俊 『震災と原発 国家の過ち  文学で読み解く「3・11」』(朝日新書、2012年) '12/07/22
外岡秀俊 『3・11 複合被災』(岩波新書、2012年) '12/05/24



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本「哲学の先生と人生の話をしよう」國分功一郎5

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哲学の先生と人生の話をしよう
○著者: 國分功一郎
○定価: 本体1,600円+税
○ISBN: 978-4022511157






――哲学は人生論でなければならない!――
99%の愛と1%の鞭が詰まった34の処方箋。

『暇と退屈の倫理学』で話題の哲学者・國分功一郎が初めて挑む人生相談。ときに優しく、おおむね厳しい言葉で生きる力を与えてくれます。――父親が生活費を送金してくれません/子持ちの彼女への愛は本物か/勉強よりコミュ力?/恋愛が長続きしないのは?/女性との接し方が分かりません/婚外セックスに虚しさを感じ始めて…/語学を学ぶには?/哲学の勉強をするにはどこの大学がいいですか/夫に主導権を握られてます/彼女のために高級ソープ通いをやめるべき?/「自分に嘘をつく」とは?/年下と仲良くなるには/会社の先輩から行きたくない飲みに誘われます/タメ口の仕事相手が許せません/彼氏の仕事を応援できない/理想を持って働くことは贅沢でしょうか/母親と、母親の夫との距離感がつかめません/気力が萎えて困ってます/悲観的な夫に腹が立つ/自信を持つにはどうしたらいいですか/抑え難い復讐心があります……。人気メルマガ「PLANETS」で話題の連載、待望の書籍化!


≪目次: ≫

I 愛、欲望、そして心の穴――失業の救済は知らないが、個人の救済は勉強だ!
 1. バブル世代の父親がドバイから仕送りを送ってこなくて困窮しています
 2. 子持ちの彼女への愛は本物でしょうか?
 3. 勉強より、リア充のようなコミュ力を磨いた方がいいのでしょうか?
 4. 女性との接し方が分からず、ホモソーシャル的な空気に逃げてしまいます
 5. 29歳ですが、まともに長続きをした恋愛をしたことがありません
 6. 婚外セックスに虚しさを感じ始めました
 7. マスターベーションばかりしてしまうのですがどうすれば良いですか?
 8. 義両親の態度が「ゴネ得」に感じられてしまいます
 9. 断っても断っても誘ってくる相手に諦めてもらいたいです(手を汚さずに)
 10. 仲良くしようとしてくる親が気持ち悪くて耐えられません
 11. どうすれば前向きに語学を学ぶことができるようになるでしょうか

II プライドと蔑みと結婚と――ダダダダッ、ダッダダ
 12. 哲学の勉強をするには、どこの大学に行くのがいいでしょうか?
 13. 付き合っていた頃から、何かと夫に主導権を握られています
 14. 彼女のために高級ソープ通いをやめるべきでしょうか?
 15. 「自分に嘘をつく」とは、どういうことなのでしょうか?
 16. 年下の人と仲良くなるにはどうすれば良いでしょうか?
 17. 会社の先輩から、行きたくない飲みに誘われます
 18. タメ口の仕事相手がどうしても許せません
 19. 知人が、高校を中退して美容師になると言っているのですが・・・
 20. 交際相手が自分の言葉で話してくれません
 21. 一対一の恋愛関係がクソゲーに思えて仕方ありません
 22. ぼくと家族が生き抜くためには何が必要でしょうか?
 23. 彼氏の仕事を応援することができません

III 仕事も情熱も相談も――反革命の思想こそがやさしさを・・・
 24. 理想や情熱を持って働きたいというのは贅沢なのでしょうか?
 25. 問題のある先輩に、どのように対処すれば良いでしょうか?
 26. 色々な情熱が薄れ、気力が萎えて困っています
 27. 母親と、母親の夫との距離感がつかめません
 28. 相談というのは、どうやつてすれば良いでしょうか?
 29. 悲観的な夫に腹が立ってしまいます
 30. 勝手に悪人のレッテルを貼られて困っています
 31. 先が見えず不安です。自信を持つにはどうしたら良いでしょうか?
 32. 男前が好きな自分を認めても良いでしょうか?
 33. 押さえ難い復讐心があります
 34. 好きな女性が進路に悩んでいます

あとがき――哲学は人生論でなければならない (二〇一三年十月 國分功一郎)


≪著者: ≫ 國分功一郎 (こくぶん こういちろう) 哲学者。1974年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。パリ第10大学およびパリ社会科学高等研究院DEA取得。博士(学術:東京大学)。高崎経済大学経済学部准教授。著書に『スピノザの方法』『暇と退屈の倫理学』『ドゥルーズの哲学原理』『来るべき民主主義』、共著に『哲学の自然』(中沢新一氏との対談)、『社会の抜け道』(古市憲寿氏との対談)、訳書にジャック・デリダ『マルクスと息子たち』など。

國分功一郎 『来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』(幻冬舎新書、2013年) '14/04/17
中沢新一/國分功一郎 『哲学の自然』(atプラス叢書、太田出版、2013年) '13/11/24
國分功一郎 『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社、2011年) '13/11/19
ジャック・デリダ 『マルクスと息子たち  Marx & Sons, 2002 』(國分功一郎 訳、岩波書店 (2004年) '09/09/22
ジル・ドゥルーズ 『カントの批判哲学  La philosophie critique de Kant, 1963 』(國分功一郎 訳、ちくま学芸文庫、2008年) '09/08/11


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本「代表質問 16のインタビュー (朝日文庫)」柴田元幸5

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代表質問 16のインタビュー (朝日文庫)
代表質問 16のインタビュー (朝日文庫)

○著者: 柴田元幸
○出版: 朝日新聞出版 (2013/7, 文庫 413ページ)
○定価: 1,029円
○ISBN: 978-4022647108



Sixteen Interviews


村上春樹やバリー・ユアグローに創作の秘密を聞き、沼野充義と米露の文学について語り合う。ジョン・アーヴィングには架空取材を試み、内田樹からは村上春樹作品の意義を教わる――。読めばフィクションがもっと好きになる! 目から鱗の、文学者インタビュー集。 《解説・福岡伸一


≪目次: ≫
I ちょっと短めに
★テス・ギャラガー(Tess Gallagher)/生と死はつながっている
 (『マリ・クレール』1991年2月号)
★ベン・カッチャー(Ben Katchor)/僕の漫画はもっぱら経済のことを描いている
 (『インビテーション』2003年6月号)
リチャード・パワーズRichard Powers)/パワーズ、村上春樹を読む
 (『アエラ・イングリッシュ』2006年7月号)
ケリー・リンクKelly Link)/われわれはどこまでゾンビか
 (『アエラ・イングリッシュ』2008年1月号)
★スチュアート・ダイベック(Stuart Dybek)/小説は挫折した詩、あるいは詩のDNAを隠している
 (2008年9月25日、東京大学本郷キャンパス法文2号館にて)

II じっくり何度も話しました
村上春樹Haruki Murakami)/『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を語る
 (『出版ダイジェスト』1907号、2003年3月11日)
★村上春樹/一九八九年の村上春樹
 (『ユリイカ/村上春樹の世界』1989年6月臨時増刊号)
★バリー・ユアグロー(Barry Yourgrau)/夢、ヤクザ映画、子供の目
 (2002年12月1日、青山ブックセンター本店にて/『新潮』2003年3月号)
★バリー・ユアグロー/桜とヤクザのいる風景
 (『飛ぶ教室』8号 2007年冬)
ロジャー・パルバース(Roger Pulvers)/英日狂演滑稽対談
 (『五行でわかる日本文学 英日狂演滑稽五行詩(リメリック)) There was an Oid Pond with Frog and other literary limericks 』刊行記念特別対談/進行・編集、研究社編集部・金子靖)
★ロジャー・パルバース/神のいらない時代のバイブル・ストーリーズ
 (『すばる』2008年2月号)

III 日本でいろんな人たちと
古川日出男(Hideo Furukawa)/古川日出男という現象は運動体である
 (『文藝』2007年秋号)
沼野充義(Mitsuyoshi Numano)/トランス・アトランティック・ドストエフスキー
 (『ユリイカ』2007年11月号)
内田樹(Tatsuru Uchida)/『村上春樹にご用心』をめぐって
 (2007年10月21日、青山ブックセンターにて)
岸本佐知子(Sachiko Kishimoto)/柴田訳の秘密
 (『文藝』2009年春号)

IV じつはインタビューじゃないインタビュー
ジョン・アーヴィングJohn Irving)/アーヴィングはこう語った……と思う、たぶん――柴田元幸・構成 架空インタビュー
 (『ユリイカ』1989年12月号)

あとがき (二〇〇九年五月十二日 柴田元幸)
解説/福岡伸一(ふくおか しんいち/生物学者)


※本書は二〇〇九年七月、新書館より刊行されたものです。


≪著者: ≫ 柴田元幸 (しばた もとゆき) 1954年東京都生まれ。東京大学文学部教授、翻訳家。92年『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、2005年『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞、10年トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞を受賞。著書に、『つまみぐい文学食堂』『生半可版 英米小説演習』『翻訳教室』など。訳書に、スチュアート・ダイベック『シカゴ育ち』、J・D・サリンジャー『ナイン・ストーリーズ』、レベッカ・ブラウン『犬たち』、ポール・オースター『オラクル・ナイト』、バリー・ユアグロー『真夜中のギャングたち』、アーネスト・ヘミングウェイ『こころ朗らなれ、誰もみな』など多数。


柴田元幸/沼野充義/野崎歓 編著 『文学の愉しみ '08』(若島正/小谷真理 著、放送大学教材;共通科目・人文系、放送大学教育振興会、2008年) '10/12/05
工藤庸子/大石和欣 編著 『世界の名作を読む '07』(沼野充義/柴田元幸/池内紀 著、放送大学教材:基礎科目、放送大学教育振興会、2007年) '10/11/26
国際交流基金企画、柴田元幸/沼野充義/藤井省三/四方田犬彦 編 『世界は村上春樹をどう読むか  A Wild Haruki Chase 』(文春文庫、2009年) '10/11/14
柴田元幸 『翻訳教室  Lectures on Literary Translation, from English to Japanese, 2006 』(新書館、2006年) '10/01/27
ポール・オースター 『ティンブクトゥ  Timbuktu, 1999 』(柴田元幸 訳、新潮社、2006年) '07/11/24
柴田元幸 編訳 『紙の空から』(晶文社、2006年) '07/06/14



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本「「自然主義」と呼ばれたもの達 (失われた近代を求めて II)」橋本治5

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失われた近代を求めてII 自然主義と呼ばれたもの達
「自然主義」と呼ばれたもの達 (失われた近代を求めて II)

○著者: 橋本 治
○出版: 朝日新聞出版 (2013/3, 単行本 245ページ)
○定価: 2,310円
○ISBN: 978-4022510549




自然主義」と呼ばれたもの達は「言えない」を主題とする小説として生まれ、いつしか赤裸裸な「自分のこと」を告白する私小説へと変貌する。「新しい小説」と格闘する文豪達の姿を活写しつつ、「自然主義」との関わりから日本近代文学の核心に迫る。

島崎藤村破戒』、田山花袋蒲団』から私小説へ。日本の「自然主義」は「言えない秘密」を抱える男達の物語だった。それがいつしか「事実」を告白する小説へと変貌する。藤村の「自分語り」を通して、自然主義の本質に迫る橋本流近代文学論。


≪目次: ≫
第一章 「自然主義」とはなんなのか?
 一 森鷗外と自然主義
 二 自然主義の悪口はうまく言えない
 三 「『性的人生記(ヰタ・セクスアリス)』と題される書物に関する物語」
 四 なにが彼を翻弄するのか?
 五 本家の自然主義と日本の自然主義
 六 もう一人の「自然主義」の作家、島崎藤村の場合
 七 果たして近代の日本に「自然主義の文学」は存在していたのか?

第二章 理屈はともかくてして、作家達は苦闘しなければならない
 一 通過儀礼としての自然主義
 二 理念もいいが、文体も――
 三 言文一致体が口語体へ伝えたもの
 四 言文一致体の「完成」
 五 若くて新しい「老成の文学」
 六 「自然主義」をやる田山花袋
 七 様々な思い違い
 八 「翻訳」について――あるいは、文体だけならもう出来ていた
 九 田山花袋の道筋

第三章 「秘密」を抱える男達
 一 田山花袋の恋愛小説
 二 かなわぬ恋に泣く男
 三 美文的小説
 四 『わすれ水』――そのシュールな展開
 五 「言えない」という主題
 六 どうして『破戒』は「自然主義の小説」なのか?
 七 そういうことかもしれない
 八 「言えない」という主題PART2――瀬川丑松の場合
 九 瀬川丑松の不思議な苦悩
 十 言えない言えない、ただ言えない

第四章 国木田独歩と「自然主義」
 一 最も読まれない文豪
 二 国木田独歩と自然主義
 三 《白粉沢山》ではない文章
 四 「自然主義」と錯覚されたもの
 五 『武蔵野』が開いた地平

第五章 とめどなく「我が身」を語る島崎藤村
 一 『春』――「岸本捨吉」の登場
 二 「始まり」がない
 三 岸本捨吉を書く島崎藤村
 四 岸本捨吉の見出したもの
 五 父を葬る


※初出 「小説トリッパー」 二〇一〇年夏季号〜二〇一二年春季号



橋本治 『言文一致体の誕生 (失われた近代を求めて I)』(朝日新聞出版、2010年) '10/06/25
 近代文学の黎明期に誕生した「私」をめぐる二つの小説――田山花袋『蒲団』と二葉亭四迷『平凡』が、文学の未来に残した可能性と困難。なぜ彼らは新しい文体を必要としたのか? 小説家たちが格闘する120年を読みかえる、ありえなかった文学史






にじゅうごめーとるせんすい
息を大きく吸いこんで、プールの底深く潜って泳ぐ。子どものころ、スイミングスクールのトレーニングメニューとして。水の中は無音、静寂、ひとりっきりの世界。いきをひそめる、みずからゴールと定めた地点(時間)まで


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本「橋本治という立ち止まり方 on the street where you live 」橋本治5

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橋本治という立ち止まり方 on the street where you live
橋本治という立ち止まり方 on the street where you live

○著者: 橋本 治
○出版: 朝日新聞出版 (2012/10, 単行本 248ページ)
○定価: 1,890円
○ISBN: 978-4022510013
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やっぱり立ち止まって少し考えるべきなのかなぁ、どうなんだろう??!


この国の未来を本当に考えるのであれば 立ち止まれ、ニッポン! リーマンショック政権交代東日本大震災を経てふたたび歩き出すための英知が、ここにあります


≪目次: ≫
第一章 リーマンショックのあった二〇〇八年の秋頃から、本について考えていた
本の未来、人の未来、社会の未来
エンターテインメントの罠
幸か、不幸か
『大恐慌時代の生きかたは猫に学べ』という本について
やってみないと分からないことについて
「本」はもう閉ざされているのかもしれない
「ものを考えさせてくれる本」と「ものを考えさせてくれない本」
「共和制」ってこんなもんだったんだろうか?
軋み

第二章 政権交代の二〇〇九年の頃には、政治のことを考えていた
天皇制はよく分からない
この先の天皇制
大きなものが崩れる時
ようやく「戦後」は終わるのか――
変革の時と凪の時
「イデオロギー」を少し考える
ネットの世界に「えらい人」はいないんでしょ?
やっぱり「頭」がない
リーダー論
「聞くこと」と「言うこと」と

第三章 二〇一〇年になると、古い政治のことを考えていた
将軍達の党
「決断力」というものについて
総理大臣がコロコロ代わる日本の政治構造
誰が「全体」を考えるんだろう?
「戦前」の中に「戦後」はない
業界の人
「民主化」って、そんなに簡単なことじゃないでしょう

第四章 二〇一〇年の秋、立ち止まる前に素っ転んだ
闘病記
『橋本治という立ち止まり方』
みんなの小さなルビコン河
なんにも変わっちゃいないんだな
老いと病人
病院で学んだこと
思想の行く末
此頃思ふ事

第五章 二〇一一年の東日本大震災の後、大震災とは直接関係ないことを考えている
大きなものが倒れた後で
言ってもしょうがないかもしれない話
「交通整理」ほど面倒なものはない
「絶対反対」と言う人を説得することは出来ない
自明の理は自明の理でしょう
焦ってもしょうがない
「強いリーダー」に不慣れな国
一番肝心で一番むずかしいところ
不安感、焦燥感、罪悪感

あとがき


※初出 「行雲流水録」として「一冊の本」二〇〇八年十月号から二〇一二年四月号連載。単行本化にあたり掲載順を並べかえ、「橋本治という立ち止まり方 on the street where you live 」と改題した。


橋本治 『橋本治という考え方  What kind of fool am I 』(朝日新聞出版、2009年) '09/05/09
橋本治 『橋本治という行き方  What way to go! 』(朝日新聞出版、2005年) '07/02/25





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本「震災と原発 国家の過ち  文学で読み解く「3・11」 (朝日新書336)」外岡秀俊5

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震災と原発 国家の過ち 文学で読み解く「3・11」 (朝日新書)
震災と原発 国家の過ち  文学で読み解く「3・11」 (朝日新書336)

○著者: 外岡秀俊
○出版: 朝日新聞出版 (2012/2, 新書 256ページ)
○定価: 819円
○ISBN: 978-4022734365
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下敷きにされたレポート「被災地で考える」は、インターネット上の『WEBRONZA』(朝日新聞社)で2011年5月から8回にわたって連載された


「無明」の被災地でジャーナリストが見たのは、震災原発事故に対応する国家の「罪」! この国の「再生」を文学作品を介して考える。
深い洞察力と透徹した文章で知られる元・朝日新聞編集委員が、大震災原発事故に震える現地を何度も歩いた。そして知る――。著名な文学作品の数々が、この国の過ちを言い当てていたと。「汚染の拡大」「孤立」「内部被曝の危険性」をも告発していたと。


≪目次: ≫
はじめに

第1章 復興には、ほど遠い――カミュペスト
宮古で/気仙沼で/石巻で/『ペスト』の国/災厄の構図〔であるがごとく/隔離、追放、永遠の足踏み/終わりなき未決状態/隔離に生じる不平等/人間的な温かみ〕/今できること

第2章 「放射能に、色がついていたらなあ」――カフカ
南相馬で/政府がしたこと/何が起きているのか/学校で/特別養護老人ホームで/「指示」と現実のズレ/カフカの『城』/『城』の構図〔ダブルバインド/役所と掟/職務と自分自身〕/「安心」が崩れるリスク

第3章 「帝国」はいま――島尾敏雄『出発は遂に訪れず』
「戦争文学」は何を伝えたか/〔戦争文学の4類型/1 「内務班」文学/2 
「彷徨」の文学/3 「戦記」としての文学/4 「虚妄の帝国」を撃つ文学〕/第二の敗戦?/戦時下に書かれた『暗黒日記』/〔帝国の文法/1 言い換え/2 すり替え/3 形容詞は最大級に/4 敵を誇大に描く〕/〔帝国の作法/1 「負ける」は禁物/2 「想定」してはならない。考えてはならない/3 帝国では、心に思うことと正反対の言葉をいわねばならない〕/「安全神話」の崩壊/「帝国」と同じ体質

第4章 東北とは何か――ハーバート・ノーマン『忘れられた思想家 安藤昌益のこと』
「東北文学の歴史的性格」/『忘れられた思想家』/再び、東北の可能性

第5章 原発という無意識――エドガール・モランオルレアンのうわさ
やらせメール/核燃料サイクル/「脱原発」四つの立場/『オルレアンのうわさ』/「神話の構造」/「対抗神話」/『「フクシマ」論』/〈原子力ムラ〉と「原子力ムラ」/「3・11」以前のチェック/「安全神話」と「対抗神話」

第6章 ヒロシマからの問い――井伏鱒二黒い雨
放射能と差別/『黒い雨』と『重松日記』/『重松日記』の足取り/『黒い雨』の足取り/改編の理由/「黒い雨」報告書/原爆症認定訴訟/近畿訴訟判決/ヒロシマ・ナガサキからフクシマへ

第7章 故郷喪失から、生活の再建へ――ジョン・スタインベック怒りの葡萄
楢葉町では/富岡町では/人災と自然災害の複合/故郷と家/大恐慌とグローバル化/「生活再建」を

終章 「救済」を待つのではなく――宮沢賢治雨ニモマケズ
藤原先生との出会い/宮古では/釜石よ、よみがえれ/両石の仮設住宅で/尾崎白浜の漁師たち/大船渡から気仙沼へ

おわりに (二〇一二年一月 外岡秀俊)


≪著者: ≫ 外岡秀俊 (そとおか・ひでとし) ジャーナリスト。北海道大学公共政策大学院(HOPS)研究員。1953年、札幌市生まれ。朝日新聞社で学芸部、社会部、ニューヨーク特派員、編集委員などを経て2006年から2年間、東京本社編集局長を務めた。2011年、退社。著書に『地震と社会』(みすず書房)、『情報のさばき方――新聞記者の実戦ヒント』(朝日新書)などがある。

外岡秀俊 『3・11 複合被災』(岩波新書、2012年) '12/05/24





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本「臨床とことば (朝日文庫)」河合隼雄×鷲田清一5

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臨床とことば (朝日文庫)
臨床とことば (朝日文庫)

○著者: 河合隼雄×鷲田清一
○出版: 朝日新聞出版 (2010/4, 文庫 312ページ)
○価格: 630円
○ISBN: 978-4022616623
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ことばは騙る、ふとじぶんじしんの口外する〈ことば〉について考えてみて、どこまでホントのことで、どこからがよくもわるくもホントのことではないのか、ホントのことを言わないことは、どうなんだろう、ホントのことだから言ってもいいだろう、といったような考え方があって、ホントのことだからやっぱり言えないよぉ、というような配慮というのか気遣いだって、ときに必要とされるものなのか、じゃぁ、どのあたりまでホントのことをズバリと言って、どのあたりからはホントのことを言わないでおこうか、などと考えはじめるには、そもそもホントのことっていったいなんなんだろう、これまたじぶんじしんのことをふりかえって考えてみるに、さて、ホントの〈ぼく〉っていったいなんなんなんだろう、なにがホントでなにがホントではないのか、これまた考えれば考えるほどに訳が分からなくなる、ジッサイのところ、マジメに考えれば考えるほどに


臨床心理学者・河合隼雄と、臨床哲学者・鷲田清一。偉大なる二人の臨床家によるダイアローグ。「ことば」とは何か。「人間」とは、「人と人との距離」とは、そして「聴くこと」とは。本質的かつ深遠な問題についてやさしく問いかけながら、密接に繋がり合う心理学と哲学のあわいに「臨床の知」を探る。


≪目次: ≫
臨床心理学と臨床哲学――河合隼雄    臨床の知/聴くこと/言語とイメージ/さまざまの距離/対話の必要性
聴くことの重さ――河合隼雄×鷲田清一    臨床哲学事始め/ことばを掴んでしまう/「見る」以外の感覚を/カギは「調和」の感覚/ことばをほぐす/便宜的因果性に賭ける/事例研究と文学の違い
臨床における「距離」――河合隼雄×鷲田清一    哲学学とハウツー時代からの離脱/ボーダーレス化した大人と子ども/現代社会の成人儀礼(イニシエーション)/人と人の距離感をどう取るか/言語化できない「臨床の知」/「食事」と「性事」/食という切実なテーマ/個より普遍に至る道
「語り」と「声」――鷲田清一    「語り」について(他者の「全人的理解」/時間のなかの出来事/関心ということ/語りの手前で/〈語る/聴く〉のなかの共犯関係/語りのゆくえ)/「声」について(声の肌理/生存の、「心」よりももっと古い生地/身震い/律動/声にふれる)

文庫版あとがき  鷲田清一
解説  鎌田 實(かまた みのる 医師・作家)


※本書は二〇〇三年二月、阪急コミュニケーションズより刊行されたものです。


≪著者: ≫ 河合隼雄 (かわい はやお) 1928年兵庫県生まれ。臨床心理学者、心理療法家。京都大学理学部卒。京都大学教授、国際日本文化研究センター教授を歴任、2002年文化庁長官に就任。07年7月逝去。著書に、『昔話と日本人の心』『明恵 夢を生きる』『こころの処方箋』『おはなし おはなし』『Q&A こころの子育て 誕生から思春期までの48章』など多数。

≪著者: ≫ 鷲田清一 (わしだ きよかず) 1949年京都府生まれ。哲学者。京都大学文学部卒。関西大学文学部教授、大阪大学大学院文学研究科長・文学部長を経て、国立大学法人大阪大学総長。著書に、『じぶん・この不思議な存在』『「聴く」ことの力』『「待つ」ということ』『新編 普通をだれも教えてくれない』『わかりやすいはわかりにくい? 臨床哲学講座』など多数。

河合隼雄編著 『心理療法対話』(岩波書店、2008年) '08/04/29
河合隼雄 『泣き虫ハァちゃん』(新潮社、2007年) '08/04/22
河合隼雄 『こころの声を聴く――河合隼雄対話集』(新潮社、1997年) '07/01/05

鷲田清一 『新編 普通をだれも教えてくれない』(ちくま学芸文庫、2010年) '11/04/12
鷲田清一 『噛みきれない想い』(角川選書、角川学芸出版、2009年) '11/03/13
鷲田清一 『「待つ」ということ』(角川選書、角川学芸出版、2006年) '11/02/05
徳丸吉彦/青山昌文編著、鷲田清一/卜田隆嗣/寺内直子/加藤厚子/福岡正太著 『芸術・文化・社会 〔改訂版〕 '06』(放送大学教材、放送大学教育振興会、2006年) '10/11/29





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本「言文一致体の誕生 (失われた近代を求めて)」橋本治5

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失われた近代を求めてI 言文一致体の誕生 (失われた近代を求めて 1)
言文一致体の誕生 (失われた近代を求めて)

○著者: 橋本治
○出版: 朝日新聞出版 (2010/4, 単行本 248ページ)
○価格: 1,890円
○ISBN: 978-4022507334
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なんだかいろいろとあって(いろいろがあるのかどうなのかもよくわからないままに)バタバタと落ち着かない、なにをやってもしていても、あいもかわらずヘタクソで、じょうずにできている気がまったくしないのは、いつものこと(ヘタクソをつづけつづけて40年!!?)。イレギュラーな、レギュラーにあらざる状態(状況)は、もっともなにがレギュラーでありえるのかと考えるには、不変で安定するほどに確定的なものごとがあるとも思えないのではあるが、イレギュラーもレギュラーも永続的な不変なものではなく、あれよあれよと、いずれ時を経て(たいした時を経ずとも)、それがいつなんどきのことであるのかは分かったものでもないけれど(分からないからオモシロイ!?)、しかるべき方向へと向かって流動していることの、ひとつのあらわれなのかもしれない(そうじゃないかもしれない)♪、まぁまぁ、ひとつの瞬間的な時間を切り取って、その瞬間的なタイミングでの判定をなすことに、善悪なり優劣なり好悪なりの判定をくだすことに、なんの意味があろう?!、意味がないとは言わないけれど、その場面場面でのみずからの状態(状況)を、客観的に冷静に見詰める俯瞰する(内省する)ことは、ぼくもときどき、どちらかといえば頻繁に、ぶっちゃけ、そんなことばかりしていたりするんだけれど、何事もほどほどにバランスみたいなものが


≪目次: ≫
はじめに
第一章 そこへ行くために    「古典」という導入部から――/文学史はなにを辿るのか/『徒然草』の時代――あるいは、芸能化と大衆化の中で/和漢混淆文言文一致体――あるいは、文学史の断絶について/大僧正慈円の独白
第二章 新しい日本語文体の模索――二葉亭四迷と大僧正慈円    大僧正慈円と二つの日本語/慈円と二葉亭四迷/『愚管抄』とは、そもそもいかなる書物なのか?/「作者のあり方」と「作品のあり方」を考えさせる、日本で最初の発言
第三章 言文一致とはなんだったのか    二葉亭四迷とは「何者」か?/口語文語――あるいは口語体と文語体、更にあるいは言文一致体の複雑/言文一致体は「なに」を語ったか/そして、言文一致体はどこへ行くのか
第四章 不器用な男達    哀しき『蒲団』/近代文学の本流争い/いたってオタクな田山花袋/どうして「他人」がいないのか/「もう一つの『蒲団』」の可能性/空回りする感情/「そういう時代だった」と言う前に
第五章 『平凡』という小説    改めて、言文一致体の持つ「意味」/『平凡』を書く二葉亭四迷/「言わないこと」の意味、「言えないこと」の重要さ/「言わないこと」のテクニック/連歌俳諧的な展開と論理/「隠されたテーマ」がやって来る
第六章 《、、、、》で終わる先    『平凡』がちゃんとした小説であればこそ――/「ポチの話」はどのように位置付けられるのか/尻切れトンボになることの真実/『浮雲』の不始末を完結させる『平凡』/「悪態小説」としての『浮雲』/分からないのは、「他人のこと」ではなくて、まず「自分のこと」である

※初出「小説トリッパー」2008年夏季号〜2009年冬季号





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本「橋本治という考え方  What kind of Fool am I 」橋本治5

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橋本治という考え方 What kind of fool am I
橋本治という考え方  What kind of fool am I

○著者: 橋本治
○出版: 朝日新聞出版 (2009/4, 単行本 238ページ)
○価格: 1,470円
○ISBN: 978-4022505705
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さすがにまだ半袖ワイシャツのサラリーマンはぼくだけだろう(多分)、もし仮にいたとしても多くはないはず(上着もネクタイもなし)。いちにち雨天で最高気温はおよそ20度くらいだったであろうから、朝の通勤時間帯に土砂降りの雨だったことからも、コートを羽織っている人も少なくなかったような気がしている。気がしている、と書いたのは、ぼくは電車の中はもちろんのこと駅構内でもほぼ顔を上げることなく、ひたすら読書に耽っているから、まわりの風景や人に視線を向けることがないから、雰囲気だけで直視したわけではなく詳細はわからないから。そもそもまわりがどうであろうとも、ぼくはぼくが快いと思う行動をみずから選択するだけであり(関係もなければ関心も興味もないのだが)、雨が降ると湿気が不快であり、とくに気温が冷房するほどには高くないからこそ空調が中途半端で不快指数はさらにアップする。長袖ワイシャツという選択もあるけれど、雨に濡れると不快であり、だったら雨に濡れてもサッと拭ける素肌をむきだした半袖にかぎる♪、あと、半袖シャツは自分でアイロンかけられるからクリーニング代が不要で安上がり(その分の多少の手間と労力と時間はかかるけど)、クロスバイクでのトレーニングで日焼けした腕を見せびらかしてみたり(誰も見てはいない)、そうそう、クロスバイクでコケたときの右肘の外傷が大きなかさぶたになっていて、まだちょっとジュクジュクしていたり、治りかけでかゆくなったりで、外気にさらしていたいこともあったりする。ますますどうでもいいことだね。

私は書き始める前、ろくに考えていない。「書き始めればなんとかなるだろう」と思っていて、緻密な構成などというものはない、ほとんどない。「えーと、ああなって、こうなって」と、ほんの二、三行分の文章を頭の中でグチャグチャ組み立ててつぶやいて、それを書き始めると、たちまち変わってしまう。・・・  (P.153、「規範と壁」)

書き記されたことばを、そのままに受け取っちゃダメよ♪、考え方、『橋本治という考え方』でしょ♪


≪目次: ≫
「なにも知らない」からのスタート
「全然ものを知らない人たち」について/マイナスを埋めるためのプラス/なんでそんなに寛容なんだろう/文芸批評は、まず「あらすじ」だろう/人との接点/「本を読む」ということ
「上司は思いつきでしかものを言わないからな」と思っていた頃
ものは考えよう/「あり方」を考える/話すことと書くこと/参加と参考/そう言われても――/批評の傘/マーケティングという傘
「風景」について
個人の中で時代は終わる/アンゲロプロスにはまる/遠い風景/きっかけはヴィスコンティ/些か個人的な事情/「テーマ」という風景
ほんのちょっとだけの近代文学史
三つの文体/言文一致体って、そんなにたいしたものか?/文体だけが近代か/普通じゃない普通/特殊な人の特殊な語り――『卍』/色のついてる窓口/色気のある近代/「自分」という文体
再び「風景」について
規範と壁/描写と説明/阿久悠氏が死んだので/再び「風景」について/文字は音だと思うけど/果たして漢字は「音」なのか/小津安二郎的美しさ
閑話休題
間奏曲/時代が終わる/ハリウッドは現実を見ない/あまり考えたくないこと/それがなくなる可能性
人は哀しや
あのおばさんは「不条理」だったか……/人は誰もが「主役」かもしれないが/誰もが「主役」になってくれるわけではない/自分に合わない考え方/誰かそろそろまとめてくれないかな

*初出「行雲流水録」として「一冊の本」二〇〇五年二月号から二〇〇八年五月号に連載。単行本化にあたり掲載順を並びかえ「橋本治という考え方  What kind of fool am I 」と改題した。


標高933m♪




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