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夜と霧 新版
夜と霧 新版  Viktor E. Frankl, EIN PSYCHOLOG ERLEBT DAS KONZENTRATIONSLAGER, in ...trotzdem Ja zum Leben sagen (Kösel-Verlag, München 1977)

○著者: ヴィクトール・E・フランクル池田香代子
○出版: みすず書房 (2002/11, 単行本 169ページ)
○価格: 1,575円
○ISBN: 978-4622039709
おすすめ度: 4.5
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とてもとてもカンタンには書きえない。
フシギな(本書との)出会いは、冷蔵庫をお願いしたリサイクルショップのおじさんからの連絡をちょっとイライラしながら待つ、自室近くの図書館分館の書棚にて。なにかメボシイ本はないかなぁ〜とボンヤリながめるぼくの目にふととびこんできた『夜と霧』のタイトルであったのか、それとも旧版のサブタイトル「ドイツ強制収容所の体験記録」であったのか、いまとなっては記憶が定かではないのだが、いずれであったとしてもその偶然というにはあまりにも出来すぎた出会い♪、しかも、新版である本書と旧版(霜山徳爾訳)とが並んであって、見比べてみたものの、どちらか一方だけを選択することができなくて両方とも借りることにしたのだった。ぼくのなかで高い信頼をおく“みすず書房”が出していることも、ぼくを積極的な行動に駆り立てたひとつの小さくない要因であろう。まずは新訳から読むことにしたのは、旧い翻訳より新しい翻訳の方が読み易いことがいちばんにあげられよう。ことばづかいであり、表現や解釈が新しいものの方が、より深い理解を求めるぼくには、いや能力に自信がないぼくにはなじみ易い。それでも、旧い翻訳にある、その時、その時代の臨場感というのか、新訳とはまた違った味わいがあろうかと。どちらがいいとかよくないとかではなく、どちらにもその特有の意義があろうとも。
せつない、とだけ書き記すに止める。


≪目次: ≫
心理学者、強制収容所を体験する
知られざる強制収容所/上からの選抜と下からの選抜/被収容者一一九一〇四の報告――心理学的試み
第一段階 収容
アウシュヴィッツ駅/最初の選別/消毒/人に残されたもの――裸の存在/最初の反応/「鉄条網に走る」?
第二段階 収容所生活
感動の消滅(アパシー)/苦痛/愚弄という伴奏/被収容者の夢/飢え/性的なことがら/非情ということ/政治と宗教/降霊術/内面への逃避/もはやなにも残されていなくても/壕のなかの瞑想/灰色の朝のモノローグ/収容所の芸術/収容所のユーモア/刑務所の囚人への羨望/なにかを回避するという幸運/発疹チフス収容所に行く?/孤独への渇望/運命のたわむれ/遺言の暗記/脱走計画/いらだち/精神の自由/運命――賜物/暫定的存在を分析する/教育者スピノザ/生きる意味を問う/苦しむことはなにかをなしとげること/なにかが待つ/時機にかなった言葉/医師、魂を教導する/収容所監視者の心理
第三段階 収容所から解放されて
放免

『夜と霧』と私――旧版訳者のことば (霜山徳爾 二〇〇二年九月)
訳者あとがき (二〇〇二年九月三十日 池田香代子


≪著者: ≫ ヴィクトール・E・フランクル (Viktor Emil Frankl, 1905-1997) 1905年、ウィーンに生まれる。ウィーン大学卒業。在学中よりアドラー、フロイトに師事し、精神医学を学ぶ。第二次世界大戦中、ナチスにより強制収容所に送られた体験を、戦後まもなく『夜と霧』に記す。1955年からウィーン大学教授。人間が存在することの意味への意志を重視し、心理療法に活かすという、実存分析やロゴテラピーと称される独自の理論を展開する。1997年9月歿。著書『夜と霧』『死と愛』『時代精神の病理学』『精神医学的人間像』『識られざる神』『神経症』(以上、邦訳、みすず書房)『それでも人生にイエスと言う』『宿命を超えて、自己を超えて』『フランクル回想録』『〈生きる意味〉を求めて』『制約されざる人間』『意味への意志』(以上、邦訳、春秋社)。

[訳者] 池田香代子 (いけだ・かよこ) 1948年東京生まれ。ドイツ文学翻訳家。主な著書に『哲学のしずく』(河出書房新社、1996)『魔女が語るグリム童話』(正は宝島社、1999 続は洋泉社、1998)『世界がもし100人の村だったら』(マガジンハウス、2001)『花ものがたり』(毎日新聞社、2002)など。主な翻訳にゴルデル『ソフィーの世界』(NHK出版、1996)、『完訳クラシック グリム童話』(全5巻、講談社、2000)などがある。『描たちの森』(早川書房、1996)で第1回日独翻訳賞受賞(1998)。


夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録
夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録

○著者: V.E.フランクル霜山徳爾
○出版: みすず書房 (1985/1, 単行本 208ページ)
○価格: 1,890円
○ISBN: 978-4622006015
おすすめ度: 4.5
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