社会主義 Der Sozialismus. Rede zur allgemeinen Orientierung von österreichischen Offizieren in Wien 1918:Max Weber, Gesammelte Aufsätze zur Soziologie und Sozialpolitik, 1924,SS,492-518 (講談社学術文庫)
著者: マックス・ウェーバー、浜島朗 訳
出版: 講談社 (1980/8、2006/8 第28刷,文庫 124ページ)
価格: 630円
ISBN: 978-4061585119
・・・晩年のウェーバーが一九一八年六月にウィーンでオーストリア将校団をまえにして行なったこの啓蒙的な時局講演は、社会主義に対するかれの態度・見方をまとまった形で表明した唯一の文献であるという点で、すくなからぬ興味をそそるものがある。 (P.4、「はしがき」)
≪目次: ≫
はしがき
読者への手引き
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予備的な事柄/三等車内で見聞したこと/啓蒙活動と軍事的権威/労働運動における指導者と大衆/軍隊と組合に共通するもの
供〔閏膽腟繊Υ盈柔度・社会主義
民主主義とは/直接民主主義の貴族主義的性格/アメリカの民主主義/素人による行政/アメリカ労働者の役人観/専門官僚制の出現とそれにともなう大学の性格の変化/身分的感情の高まり/アメリカで経験したこと/全般的官僚制化の不可避性/工場の官僚制化/大学・研究所の官僚制化/軍隊の官僚制化/国家機構の官僚制化/社会主義は官僚制化を回避できるか
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私経済的秩序/生産の無政府状態/企業家的需要充足の歴史的諸形態/都市ギルドによる統制/工場生産と規律/競争・淘汰・失業/利潤動機による合理化と機械化/人に対する物の支配/共同経済としての社会主義/国営化と官僚統制/だが、じっさいには産業による国家の統制/国家社会主義は労働者を隷属させる/企業家社会主義?/消費者社会主義/消費は社会化されうるか
検革命への希望とその挫折――『共産党宣言』批判――
『共産党宣言』とその予言/未来のヴィジョン/人に対する人の支配の消滅?/資本主義は没落するか/窮乏化法則と産業予備軍/窮乏化論の放棄/労資二大陣営への分解/ホワイトカラーの増大/恐慌の見とおしと革命/恐慌論の破綻/生産の社会化と資本家の退場/証券民主化と受益層の増大/機械化による労働者階級の統一性の崩壊/監督者(=産業下士官)の増大/標準化の影響/職員層の身分的・脱プロレタリア的性格/大破局説から修正主義へ/現実政治への傾斜
后ー匆饉腟舛力線上の諸問題
政党と労働組合/政治主義の革命路線/経済主義の現実路線/サンディカリズムと直接行動/ゼネストとテロル/既成秩序への挑戦/議会主義の否認/改良主義への敵対/だれが生産を管理するのか/革命指導者のロマン主義的傾向/ロシアにおける実験/プロレタリアートの独裁の現実をどうみるか/一国社会主義か世界革命か
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革命とその結果に対する社会主義の態度/メンシェヴィキの立場/革命はなにをもたらしうるのか/農民の保守性/革命の展望は暗い/社会主義者と講和問題/講和か革命か/社会主義者との対決/社会主義と国民的利益
訳注
〈解説〉社会主義をめぐるウェーバーの思想と行動/濱島朗
1 社会・労働運動への態度
ブルジョア的近代化の路線/行動の軌跡/福音社会派の対抗運動/「市民的自由の国民政党」をめざして/労資関係の近代化に向けて/市民化を介しての国民化
2 社会民主党への態度
社会民主党批判の基本的立場/ドイツ社会主義運動の宿命/頽廃した社会民主党の内情/革命待望主義/プチブル根性と政治的無気力/党官僚制化の病弊
3 社会主義批判の論点
社会主義へのアンビヴァレントな態度/セカンドハンドの社会主義批判/唯物史観批判の概要/教条主義への反対/理念の役割/辺境革命論と合理化史論/社会主義批判の基調/所有説対支配説/資本主義自動崩壊説批判
4 ドイツ革命への対決――レーテ権力と社会化の問題をめぐって――
ドイツ革命の性格/「血なまぐさいカーニヴァル」/革命反対の態度で一貫/穏健派には好意的、過激派には敵対的/市民層の延命をめざす「左翼への戦術的接近」/レーテ権力よりも政治形態の民主化を/完全社会化を阻止するために/人民投票的大統領制提案のねらい/行政による経済運営のコントロール/自由な企業家の経済運営能力への信頼/社会主義は合理的経済計算を低下させる/計画経済における強制と無能率/社会化委員固辞と政治離脱
≪著者: ≫ マックス=ウェーバー(Max Weber) 1864年エルフルト生まれ。ドイツの社会科学者。理念型にもとづく社会科学の方法論を提起し,マルクスと並んで後世に絶大な影響を与えた。1920年没。著書に『職業としての学問』『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』『経済と社会』など多数がある。
≪訳者: ≫ 濱島朗(はましま あきら) 1926年東京都生まれ。社会学者。東京大学文学部社会学科卒業。元東京学芸大学教授。著書に『ウェーバーと社会主義』,訳書として『権力と支配』(ウェーバー著)などがある。
『職業としての政治 Max Weber POLITIK ALS BERUF 1919 (岩波文庫、マックス・ヴェーバー 著、脇圭平 訳、1980/3;2006/6 第44刷) 』