Gori ≒ ppdwy632

〈ぼく〉の思索の一回性の偶然性の実験場。

筑摩書房

本「やりなおし高校地学 地球と宇宙をまるごと理解する (ちくま新書1432)」鎌田浩毅5

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京大の人気No.1教授が贈る――日本人に必須の地学の教養がこの一冊に!
日本列島は2011年にマグニチュード9の巨大地震に見舞われて以来、千年ぶりの「大地変動の時代」に入った。4枚のプレートがひしめく日本で生き延びるには、地学の知識が不可欠だ。本書は、大学入試センター試験に出題された問題を解きながら、地球内部の構造、日本列島の成り立ち、地震と噴火のメカニズム、地球温暖化問題、宇宙の歴史まで、地学の「壮大」かつ「実用的な」エッセンスを、京大人気No.1教授の「科学の伝道師」が解説する。すべての日本人に捧げる、サバイバルのための地学入門!


≪目次: ≫
まえがき
 絶滅の生存者が次代の覇者に/「大地変動の時代」に入った日本

第1章 地球とは何か
1 地球はどのようにできたのか?
 原始太陽ができたおかげで惑星ができた/マグマオーシャンが冷えることで地球の核と大気・海洋ができた
2 地球の形と大きさ
 地球が丸いことに気づいたのは?/地球の大きさはどうしてわかる?/ニュートンが考えた回転楕円体/ジオイドで知る、地球のかたち/アイソスタシーとは何か/ある地点における「重力」は、どのように計算するか
3 地球は巨大な「磁石」である
 地磁気とは何か/地磁気はなぜできたのか?/生命を守る地球の磁場

第2章 地球は生きている!――その活動をさぐる
1 地球の内部はどうなっているのか?
 地球の内部構造を卵に置き換えて考える/地球内部の熱はどこから来たのか
2 大地は動く――地球の活動の謎を解く
 大陸移動説とは何か――中央海嶺の発見/海底は動いている/地磁気の逆転が、日本の千葉で起こっていた!?/プレートとはどんなもの?/プレートの運動でさまざまな現象が解決する/沈み込んだプレートの行方――プルーム・テクトニクス/地震が起こるのもプレート・テクトニクスのため/火山はどうしてできるのか

第3章 地球の歴史を繙く
1 地球の「変化」 「成長」の手がかりとは
 時代の情報と環境の情報/地層を「読む」ための基本ルール
2 地質学とは何か
 地層を「つないで」推測する/世界中に分布した化石を利用する方法/各年代と生物にとっての大事件/地質学の誕生――スミスの功績/放射性元素を利用する
3 岩石の「読み方」
 岩石の「でき方」/火成岩は何からできているのか/火成岩の種類/岩石から時代の情報を読み解くには/岩石を生む「変成」とは何か

第4章 日本列島の成り立ち
1 日本列島は地学的にはどのようなキャラなのか?
 4つのプレートが押し合いへし合いする現場/日本列島は地震の巣である
2 日本列島はどのような岩石からできているか
 日本列島は大陸から分離してできあがった/ホットプルームと日本列島/日本列島へ「岩石が付加される」とはどういうことか?/日本列島はこのように形作られた
3 日本列島の形ができるまで
 日本列島の起源と形成のプロセス/フォッサマグナとは何か/活火山を背骨とする日本列島/プレート運動が各地の地形を作った
4 日本列島の特徴
 火山活動が地上に残す爪痕/火山と共存するための心構え/富士山が世界にも稀な火山であるワケ/西南日本が警戒すべき巨大断層・南海トラフとは/九州にも「地震の巣」がある/液状化現象という二次被害/津波の発生するメカニズム

第5章 動く大気・動く海洋の構造
1 地球を覆う大気の構造
 大気が気象の「決め手」となる/大気はどのような構造をしているか
2 地球上の温度が一定に保たれる仕組み
 太陽エネルギーが地球を暖める/地球から出ていくエネルギーもある/「温室」 効果をもたらす気体/日本の「猛暑」は温暖化のせい?/ヒートアイランドはなぜ起こる?/地球規模で見ると・・・・・・
3 大気が大循環するメカニズム
  緯度によって変わる気流/赤道近くで大気はどう動くか/中緯度・高緯度地域ではどう動くか/地球の自転が気流にどうかかわるか
4 海洋も大循環している
 水が動けば気象も変わる/大循環する海水の不思議/海水の動きには月と太陽も影響する/風と海流によって起こるエルニーニョ現象/地球は「ミニ氷河期」に向かっている?

第6章 宇宙とは何か
1 宇宙の誕生と構造
 宇宙の始まりはビッグバン!/宇宙に元素ができるまで/宇宙に銀河ができるまで/ダークマターと宇宙の構造
2 恒星の誕生と進化
 恒星ができるまで/主系列星の大きさと寿命/恒星の終焉と赤色巨星/赤色巨星以降の恒星の進化と終末/恒星の進化がわかるHR図
3 私たちの銀河系
 銀河系の構造/銀河系の公転と中心部
4 さまざまな銀河と膨張する宇宙
 銀河の形による分類/活動する銀河/膨張する宇宙

あとがき
 地学の勉強法/人類の存立基盤について知る/高校地学をめぐる現状/「大地変動の時代」の地学/長尺の目」で地球を考える

参考文献
索引


≪著者: ≫ 鎌田浩毅 (かまた・ひろき) 1955年、東京生まれ。東京大学理学部地学科卒業。通産省地質調査所を経て、97年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。理学博士。専門は火山学、地球科学、科学教育。京大の講義「地球科学入門」は毎年数百人を集める人気で教養科目1位の評価。著書に『地学のツボ』(ちくまプリマー新書)、『京大人気講義 生き抜くための地震学』(ちくま新書)、『座右の古典』(ちくま文庫)、『地学ノススメ』『富士山噴火と南海トラフ』(講談社ブルーバックス)、『地球の歴史(全3巻)』『理科系の読書術』(中公新書)、『地球とは何か』(サイエンス・アイ新書)、『火山噴火』(岩波新書)、『火山はすごい』(PHP文庫)、『世界がわかる理系の名著』(文春新書)、『一生モノの勉強法』『知的生産な生き方』(東洋経済新報社)ほか多数。



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令和元年台風第19号












本「露出する女子、覗き見る女子 SNSとアプリに現れる新階層 (ちくま新書1429)」三浦展/天笠邦一

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誰もがファストファッションに身を包む現代、格差は目に見えにくいものになっている。では、現実の社会で確実に広がっている、所得や働き方、結婚による断絶を、何を手掛かりに読みとけばいいのか―― その答えは、スマホの中にあった! 20-30代女性5442人への調査から、現代女性のSNSとアプリの利用実態を徹底分析。「インスタ映え」だけではない、新しいメディアを駆使して格差社会を生き抜く女性たちの姿が見えてくる。


≪目次: ≫
まえがき (三浦 展)

第1章 露出志向と覗き見志向――SNSで棲み分ける女性たち (天笠邦一)
はじめに
 ネットと現実の間にある高い壁/ネットは、現実よりも広大になった!/SNSは、異なる価値観・ステータスの棲み分けの場/既婚者のSNS、未婚者のSNS/選べるつながりと選べないつながり/上流メディアとしてのFacebook/流通するのはステータスか、情報か/世間体が必要なメディアと必要でないメディア/都会のメディアとしてのInstagram/SNSから現代女性を理解するための四象限
1 Facebook女子――おじさん的ステータスを露出する選ばれた女性たち
 おじさんくさいSNS/Facebookは「格差」が見えるメディア/Facebook女子は上流意識が高め/永遠の学級委員長としてのFacebook女子/オープンな世界でのつながり強者/ストレスを乗り越えて成功を目指す/ネット上のつながりはキャリアアップのためのコネクション/「おじさん」的正しさを獲得し、消費する
2 ストーリー女子――「今」を露出し、答えを探さずつくる女性たち
 「映え」系と「ウェイ」系の違い/24時間で投稿が消える/「今」を拡散できるストーリー機能/報われるSNSと報われないSNS/「中流」な若者向けコミュニケーションツール/未婚者にとってはコトショウヒ消費のためのツール/リアルの覇者としてのストーリー女子/リアルなコミュニティで幸せを感じる/自分を露出し、正解を作る、私が答えのストーリー女子
コラム1 マッチングアプリ(Tinder)とは? (天笠)
3 ライブ女子――突き抜けた露出の先にうまれる「プチ教祖」
 かっこいい女子ライブ配信/ネット上の「流し」/社会的には安定しているライブ女子の「ヒーロー(ヒロイン)志向」/社会・経済的に安定志向のライブ女子/なんにでも肯定的でポジティブなライブ女子/競争もまったりもほどほどに/ワクワク、ドキドキを求めている/学習意欲も高く、努力を怠らない/ままならない現実の先に/突き抜けたオープンの先にあるクローズな親密性
コラム2 ライブ配信サービスの誕生 (天笠)
4 検索女子――「いまここ」にない世界を覗き見る女性たち
 検索をして「徹夜」する/終わらない・正解のないSNSでの検索/情報とひもづいた「感情」を検索する/縛られていない人のメディア/「上流」「下流」が入り混じる検索女子/一人でないひとり遊び/一人でYouTubeをみんなと見る/同期できる今を探す「検索同期」/検索で「(傷つきやすい)いまここ」から離れたどこかへ/行きつく未来も暗いという覚悟/下流志向の検索女子が行きつく先は「不幸」なのか?
5 閲覧女子――幸せを覗き見て、幸せに備え続ける女性たち
 雑誌のようにInstagramを閲覧する/Instagramで「女子」を覗き続ける未婚女性/閲覧女子はけっして不遇な状況におかれているわけではない/ビジョンはない閲覧女子/ビジョンのかわりにお金が欲しい/キラキラを閲覧して不満を募らせる/レジャー経験の少なさと連動する交友関係の相対的な狭さ/消費はしないが、お金はある/「今ここ」を守るために/女性を見つめつつ、女性・ジェンダーに反発する/自らを疎外する「正しさ」に耐える閲覧女子/勝ち馬に乗る女性を観察しながら「備え続ける」閲覧女子
まとめ――SNSが生み出す女性の分析
 SNSで他者の中に自分を映す女性たち/見通しのきかない分断された世界へ/ネットと、現実世界との接点を改めて見つめなおす

第2章 インスタ映え系、自己露出系、金融系、占い系――アプリの使い方による女子の類型 (三浦 展)
1 利用アプリごとに女子を分類する
 分析の方法/利用アプリの分野の概要
2 インスタ映え系は普通っぽい女子力で勝負する
 インスタ映え系は女子力、モテ志向/インスタ映え系は普通のOL風、金融系はロハス志向も
コラム3 レシピ動画サイト(kurashiruなど)とは? (天笠)
3 自己露出系女子はハロウィンで上流意識をアピールする
 自己露出系は結婚が早い/自己露出系は男性に経済力を求める/自己露出系は消費好きでセックスアピール系/勝ち組の自己露出系こそがハロウィンの主役
コラム4 自己露出系女子インタビュー (三浦)
4 金融系女子は堅実に蓄財する
 金融系はパワーカップル志向/女性の年収が高いと結婚しにくいというのは嘘/シャンパンと外車が好きだが、堅実に蓄財もする/癒しと和食と酒が好き
5 孤独に彷徨うゲーム系、占い系、情報系、マッチング系
 ゲーム系女子は不安が大きい/孤独な占い系、マッチング系/マッチング系や占い系は彼氏がいるのかどうかすらわからない/利用アプリ分野と就職行動の相関/30代でも夢を追う/ゲーム系女子は亀を飼う?/自分探しを続けるマッチング系は体力づくりと機能性飲料が好き/マッチング系は、なりたい職業が多すぎる/女性のライフコースと利用するアプリは相関する/見えなかった格差が見えてきた
コラム5 ネットで流行(はや)っている占い
資料 アプリ利用分野の分類

第3章 筋肉女子(ボディ系)の誕生とその政治性 (三浦 展)
1 なりたい職業はその人を表す
 なりたい職業分析から見えてくるもの/人気上位はOL、パン屋、雑貨屋だが・・・・・・/20代前半は夢を見るが25歳からは現実的/未婚率や離婚率の上昇には女性の職業の多様化が影響を与えている/学歴によってなりたい職業は違う
2 なりたい職業とSNS
 なりたい職業とInstagramたTwitterへの投稿の関係/なりたい職業がボディ系という女性/ボディ系、ビューティ系は、インスタ映えを狙い、自己を露出する
3 ボディ系はかつてのギャル系である
 ボディ系女子にとっては自分の体がメディアである/ボディ系女子増加の社会的・文化的背景/ギャル文化が消滅し、一人で強く生きていくボディ系女子の時代へ/ボディ系女子は浴衣を着て、社会経済系の雑誌を読む
コラム6 筋肉女子インタビュー (三浦)
4 なりたい職業の階級格差
 ボディ系女子は上昇傾向が強い/なりたい職業と階層の関係/現状に満足だが将来に不安な若者が主流、というのは嘘/均等法以後の不安な女性が筋力を求める/ボディ系の階層意識の謎
5 女性はどのように分化したか
 『下流社会』で提示した四象限の検証/エリート系女性は仕事と子育てを両立/ボディ系はミリオネーゼ系を目指す
6 ボディ系の政治性
 ボディ系は自民党の親衛隊か/博士課程修了者だけが男並みに9条見直し支持
コラム7 資格系キャバクラに行ってみた (三浦)
資料 なりたい職業・SNS利用法・余暇行動の分類

あとがき――入り組み、もつれた要素を分解する楽しさ (三浦 展)
あとがき――SNSは自己努力感を生み出すためのエンジン (天笠邦一)


≪著者: ≫ 三浦 展 (みうら・あつし) 1958年生まれ。社会デザイン研究者。一橋大学社会学部卒業後、(株)パルコ入社。『アクロス』編集長を務める。90年、三菱総合研究所入社。99年、カルチャースタディーズ研究所設立。消費社会、若者、階層、都市などの研究を踏まえて新しい時代を予測している。著書に『都心集中の真実』(ちくま新書)、『ニッポン若者論』(ちくま文庫)、『下流社会』(光文社新書)など多数。

≪著者: ≫ 天笠邦一 (あまがさ・くにかず) 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。博士(政策・メディア)。藤沢市役所政策研究員、慶應義塾大学SFC研究所などを経て昭和女子大学人間社会学部現代教養学科准教授。専門はメディア論で、子育てなどの日常生活とソーシャルメディアについて研究している。


三浦展 『下流社会 新たな階層集団の出現』(光文社新書、2005年) '08/02/08



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本「明智光秀と本能寺の変 (ちくま新書1426)」渡邊大門5

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明智光秀と本能寺の変 (ちくま新書)
○著者: 渡邊 大門
○定価: 本体価格880円+税
○ISBN: 978-4480072412











なぜ明智光秀は本能寺で織田信長を討ったのか。下克上の時代とはいえ、戦国の覇王であり主君への謀叛の背景には謎が多い。光秀の経歴も秘密めいている。そのためさまざまな憶測がされ、信長への私怨説、朝廷か足利義昭か、はては徳川家康による陰謀説などが語られてきた。名門・土岐明智氏を自称しながら足軽衆としてキャリアをスタート。主君を変えながら武功を重ねて頭角を現わした「知将」の人生をたどりながら、明智光秀という戦国ミステリーの主人公を読み解く!


≪目次: ≫
はじめに
第一章 本能寺の変の勃発
第二章 光秀の出自と前半生
第三章 京都における光秀
第四章 信長と義昭の決裂
第五章 「鞆幕府」の成立と光秀の動向
第六章 光秀の大躍進
第七章 本能寺の変「陰謀説」に根拠はあるか?
第八章 光秀の最期
おわりに (二〇一九年六月 渡邊大門)
主要参考文献


≪著者: ≫ 渡邊大門 (わたなべ・だいもん) 歴史学者。1967年神奈川県生まれ。90年3月、関西学院大学文学部史学科日本史学専攻卒業。2008年3月、佛教大学大学院研究科博士後期課程修了。株式会社歴史と文化の研究所 代表取締役。博士(文学)。主な著書に『流罪の日本史』(ちくま新書)、『信長政権――本能寺の変にその正体を見る』(河出ブックス)、『宇喜多秀家と豊臣政権――秀吉に翻弄された流転の人生』(洋泉社・歴史新書)、編著に『織田権力の構造と展開』(歴史と文化の研究所)がある。



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本「植物はおいしい 身近な植物の知られざる秘密 (ちくま新書1425)」田中修5

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私たちは、毎日、いろいろな野菜や果物、穀物を食べています。本書では季節ごとの旬の食材植物から、驚きの新品種、香りの効能、認知症予防まで「食べる植物」について「すごい」「おもしろい」「ふしぎ」と感じる「おいしい話題」を豊富に紹介します。植物たちのかしこさ、生きるためのしくみの巧みさ、私たちの健康にもたらす効能など、食材植物たちがもつ楽しい資質を、ラジオなどでおなじみの植物博士が、平明にやさしく解説する一冊です。


≪目次: ≫
はじめに (二〇一九年七月一一日  田中 修)

第一章 夏に話題の植物
 夏バテとは?
 「不老長寿の妙薬」とは?
 「野菜の王様」とは?
 夏休みの自由研究に、キウイの実験
 夏休みの自由研究の発展
 なぜ、パイナップルを食べると、舌がチクチクするのか?
 キウイの食べ頃は?

第二章 秋に話題の植物
 「救荒作物」とは?
 なぜ、石焼き芋は甘いのか?
 なぜ、サツマイモを食べると、“おなら”がでるのか?
 “サツマイモのおなら”は、臭くないのか?
 食用部は、根ではないのか?
 サツマイモの新品種の特徴は?
 サツマイモに、花は咲くのか?
 宇宙に運ばれた食材植物とは?
 歌われる“パプリカ”
 シャインマスカットの悩みとは?

第三章 冬に話題の植物
 温州ミカンは、むずかしい漢字で話題に!
 人間の健康を守る“温州ミカンの力”
 ミカンについて、子どもの質問
 ハクサイに見られる黒い斑点は?
 鍋料理の締めは?
 なぜ、イチゴは、タネから栽培しないのか?

第四章 春に話題の植物
 「春を告げる野菜」とは?
 ゴボウの“アク抜き”は必要か?
 誤食で話題となる「食べる薬」とは?
 春の訪れを告げる“幻の王様”とは?
 ビワについての子どもの質問

第五章 おコメの戦国時代
 乱立する品種のネーミングは?
 戦国時代を迎える前のおコメは?
 “おいしいおコメ”とは?
 北海道で、おいしいおコメが生まれる!
 おコメの消費量の減少
 新品種が続々と誕生する背景は?
 宣伝合戦の背景にあるのは?
 宣伝合戦の武器は?
 猛暑に負けないイネとは?

第六章 新品種で話題の植物たち
 硬くならないお餅をつくる“もち米”
 「ぽろたん」を助ける「ぽろすけ」の誕生
 「ぽろすけ」は、「ぽろたん」の何を助けるのか?
 ピーナッツを越える落花生とは?
 なぜ、ラッカセイは、土の中にマメをつくるのか?
 波打たないシソの葉っぱ
 タネのない“単為結果性”のナスビの誕生
 サクランボの大型化

第七章 香りが話題の植物
 猛毒アリを退治するワサビの香り
 火災警報装置に使われるワサビの香り
 切り刻んでも、涙が出ないタマネギ
 ブロッコリーの人気の秘密は?
 グレープフルーツで、若づくり!

第八章 認知症を予防する植物たち
 アルツハイマー型認知症の原因は?
 ビールの苦味の成分は?
 赤ワインも負けていない!
 おつまみには?
 緑茶の“予防力”

おわりに――キノコの話題
 食材としてのキノコ
 キノコの話題
 世界一大きい生き物は?
 キノコの発生
 キノコの人工栽培
 おがくずは使い捨て!
 ファブリック・キノコ栽培とは?
 キノコは、花を咲かせることができるか?

参考文献


≪著者: ≫ 田中 修 (たなか・おさむ) 1947年京都府生まれ。京都大学農学部大学院博士課程修了。米国スミソニアン研究所博士研究員、甲南大学理工学部教授などを経て、同大特別客員教授。農学博士。専門は植物生理学。主な著書に『植物はすごい』『植物のひみつ』『植物はすごい 七不思議篇』『雑草のはなし』(以上中公新書)、『クイズ植物入門』『入門たのしい植物学』(以上講談社ブルーバックス)、『植物は人類最強の相棒である』(PHP新書)、『植物のあっぱれな生き方』(幻冬舎新書)、『植物のかしこい生き方』(SB新書)、『葉っぱのふしぎ』『花のふしぎ100』『タネのふしぎ』『植物学「超」入門』(以上サイエンス・アイ新書)ほか多数。



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本「大阪 都市の記憶を掘り起こす (ちくま新書1401)」加藤政洋5

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大阪 (ちくま新書)
○著者: 加藤政洋
○定価: 本体価格820円+税
○ISBN: 978-4480072177

















キタとミナミの違いとは何か? 梅田の巨大地下街はどのように形成されたのか? 2025年万博予定地「夢洲」の暗い過去とは? 梅田、船場、アメリカ村、飛田新地、釜ケ崎、新世界、法善寺横丁、ユニバ、夢洲・・・・・・ 気鋭の地理学者が街々を歩き、織田作之助らの著作を読み、この大都市の忘れられた物語を掘り起こす。大阪とはどんな街なのか? これを読めば、見える景色はがらりと変わる。


≪目次: ≫
序章 路地と横丁の都市空間
1 下水処理場の居住空間
 ポンプ室の上に/生活空間としての路地/再現された〈路地〉
2 空間表象としての〈横丁〉
 法善寺裏の食傷通路/空間パッケージとしての〈横丁〉/名は実を超えて/本書の構成

第1章 大阪《南/北》考
1 梅田の都市景観
 駅頭の風景/グローカル梅田/東京の匂い
2 駅と遊郭
 二枚の写真/縁辺の遊興空間/駅前の遊郭
3 駅前ダイヤモンド
 カタチか地価か/地霊の不在/さながら遊郭の如し/変転する駅前空間/土地利用の高度化
4 相克する《南/北》
 《南》――方角から場所へ/岸本水府の《南》/二つの〈顔〉/インテリの《北》/宮本又次の《北》礼讃/競演から協演へ
5 明日を夢見る《北》、懐古する《南》
 場所の履歴――場所・水辺・火災・駅/鍋井克之の予感/明日の夢、昔の夢

第2章 ラビリンスの地下街
1 梅田の異空間
 裏町を歩く/地下街の原風景/ふたつの横丁
2 排除の空間
 はじまりの地下道/変転する地下空間/繰り返される排除
3 もうひとつの都市
 地下街の拡散/地下街ラビリンス

第3章 商都のトポロジー
1 起ち上がる大阪
 焦土と化した街/織田作の戦災余話/場所への愛着/船場トポフィリア/復興の風景と場所感覚
2 同業者街の変動
 新旧の商工地図/谷町筋の「既製服」と「機械」/船場の問屋街/丼池の繊維問屋街/玩具・人形・菓子の問屋街/道具商の街/掘割と問屋街/脱水都化の象徴
3 新しい消費空間の登場
 拡散する《ミナミ》/《アメリカ村》の発見/自然発生のまち?

第4章 葦の地方へ
1 重工業地帯のテーマパーク
 此花ユニバ/沈む地面/小野十三郎の大阪
2 新開地の風景
 石川栄耀の〈場末論〉/此花区の新開地
3 梁石日の錯覚
 葦しげる湿地の開発/《今里新地》の現在

第5章 ミナミの深層空間――見えない系をたどる
1 石に刻まれた歴史
 京都東山の豊国廟/阿倍野墓地と千日前
2 《飛田新地》から新世界へ
 飛田遊郭の誕生/郭の景観/青線と芸人のまち/「糸ある女」の飲み屋横丁
3 花街としての新世界
 歓楽の混在郷/新世界は花街だった
4 釜ケ崎と黒門市場
 第五回内国博のインパクト/スラムとしての日本橋筋/地図にないまち/原風景――鳶田の木賃宿街/釜ケ崎の成立をめぐる語り/釜ケ崎銀座の沖縄/黒門市場の成立
5 《ミナミ》――相関する諸場の小宇宙
 千日前へ/空間的排除としての郊外化

第6章 大阪1990――未来都市の30年
1 大阪湾の新都心
 二〇二五年万博、夢の舞台/テクノポート大阪
2 ダイナミック大阪と「負の遺産」
 ファッショナブルな都市空間/大阪1990の出発点/土地信託と「負の遺産」
3 都市の空間構造と〈場所〉
 グローバル化時代の都市/場所からの発想/大阪2025の都市像

終章 界隈の解体
 〈界隈〉のひろがり/再開発による分断/モール化する阿倍野/小野十三郎の足どり/界隈の行く末

あとがき (二〇一九年二月 加藤政洋)
主な引用・参考文献


≪著者: ≫ 加藤政洋 (かとう・まさひろ) 1972年信州生まれ。立命館大学文学部教員。富山大学人文学部卒業、大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程修了、博士(文学)。専門は人文地理学。著書に『大阪のスラムと盛り場』(創元社)、『花街』(朝日選書)、『敗戦と赤線』(光文社新書)、『京の花街ものがたり』(角川選書)、『神戸の花街・盛り場考』(神戸新聞総合出版センター)、『那覇』(フォレスト)、編著に『モダン京都』(ナカニシヤ出版)、共編著に『地図で楽しむ京都の近代』(風媒)などがある。




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本「想像のレッスン (ちくま文庫)」鷲田清一5

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想像のレッスン (ちくま文庫)
○著者: 鷲田 清一
○定価: 本体価格880円+税
○ISBN: 978-4480435828










「他者の未知の感受性にふれておろおろするじぶんをそのまま晒けだしたかった」という著者のアート評論。かすかな違和の感覚を掬い取るために日常の「裂け目」に分け入り、「見る」ことの野性を甦らせるアートの跳躍力とは。アート、演劇、舞踏、映画、写真、音楽、ファッションなどについて、「ここにあるものを手がかりにここにないものを思う」評論集。


≪目次: ≫
まえがき

レッスン0 見えないものを見る
 視界をこじ開ける――何が目見えているのか
 言葉になりえぬものへ言葉を駆使して潜り込む
 歳とともにすこし見えてきたこと
 じぶんの弱さに向きあう
 想像力が萎縮している
 想像力をはぐくむ知恵
 都市のすきま
 古木と寺社の場末
 都市の原っぱ
 一線を越える跳躍力

レッスン1 壊れたもの――日常のがらくたのなかから
 言葉のちぐはぐ
 思考停止を破る――束芋&できやよい《にっぽんの、ななかむら》
 「普通」がじりじりする アブナさをもとめている――サザンオールスターズ・サマーライブ in 横浜
 「あたりまえ」と「ありきたり」――荒川洋治 『忘れられる過去』
 「お惣菜」の思考――《ブリコラージュ・アート・ナウ》 展
 日常の雑然とした淀み
 着生のすがた――《コモン・スケープ――今日の写真における日常へのまなざし》 展
 がらくたの高貴さ、あるいは世界の外に出るための小さな回転扉――チャールズ・シミック 「コーネルの箱」(柴田元幸 訳)

レッスン2 塞がれたもの――困難な自由について
 やりすごす
 「押し返す」デザイン
 浮いている/流されているという感覚に抗して――湊町アンダーグラウンドプロジェクト
 夢の跡――見えなくなったものを見るために
 喪に服す建築――表参道の、細胞膜のようなビル群
 飛沫のはねた跡――結成五十周年記念 「具体」 回顧展
 壊れない覆い――K. K. 《ワラッテイイトモ、》
 音楽で人を殺せるか?
 「音楽」からの自由――高橋悠治・ゴルトベルク変奏曲
 センスとノンセンスのあいだを往復する思考――追悼・市川浩

レッスン3 棄てられたもの――時を行き来する
 時が流れる、お城が見える
 時のあわい――南木佳士 『神かくし』
 だれもじっとしているわけではない
 ラスト・ダダ――火遊びの季節(とき)
 「あたりまえ」への小さな裂け目――大阪現代演劇祭 「GUYS掘
 納得
 初老の男のためのおとぎ話――パトリス・ルコント監督 『列車に乗った男』
 遇うて空しく過ぐる勿(なか)れ――河瀬直美 『沙羅双樹』 によせて
 〈老い〉を聴く
 老いは、重くて、軽い――谷川俊太郎の minimal によせて
 一枚のピクチュア

レッスン4 見失ったもの――意味のゼロ還元?
 惹かれた身体
 身体を侵襲する都市――ヴィクター&ロルフ 《ファッションと色彩》 展
 消えた幸福論
 意味への問いを封印する――《ハピネス――アートにみる幸福への鍵》 展
 どこで意味から放たれるのか?――スペイン舞踊 「サロメ」
 〈光〉の創世記――勅使川原三郎公演 「Luminous」
 記憶のすきま
 眼になりくる――ホンマタカシ 『きわめてよいふうけい』
 「見える」ことの豊穣さ――鈴木理策写真展 《海と山のあいだ》
 現われの起伏をなぞる――直島・地中美術館
 〈しるし〉としての女形――ダニエル・シュミット監督 『書かれた顔』
 〈しるし〉になりきる――森村泰昌の戦略
 中心もなく、エンディングもなく――《私あるいは私――静かなる燃焼系》 展

レッスン5 消え入るもの――〈顔〉
 消え入ることで現われてくるもの
 わたしの〈顔〉 展
 宝誌和尚立像/パルミジャニーノ 「凸面鏡の自画像」/萬鐵五郎 「雲のある自画像」/マン・レイ 「カザティ公爵夫人」/香月泰男 「涅槃」/ジャコメッティ 「頭部」/フランシス・ベーコン 「ルシアン・フロイトの肖像のための習作三点」/アンディ・ウォーホル 「ミック・ジャガー」/篠山紀信 「山口百恵・19歳」/奈良美智 「Milky Lake」

レッスン6 忘れてはならないもの
 いま、家族のかたちは?
 交差するいのちの光景――ふたたび、河瀬直美 『沙羅双樹』 をめぐって
 コミュニケーションの仲立ちをする建築家――山本理顕建築模型展
 恋はせつない、やるせない?
 「この」というささやかな訴え――《山本耀司――May I help you?》 展
 眼、ひとつ。――伊勢真一のドキュメンタリー映画
 最後の友情?
 一以上でも一以下でもなく――煌めきのガラス絵 木田安彦の世界
 孤立させられる「痛み」
 痛い映画――クリスティン・ジェフズ監督 『シルヴィア』
 イメージにどこか抗ってしまうひと――中島美嘉サマーツアー
 いのちのはずみ?――ピナ・バウシュ 「炎のマズルカ」
 明滅するいのち――ジンガロ公演 「ルンタ」 における人馬一体

レッスン7 限界へのまなざし
 できないということ
 限界をくぐり抜ける――舘野泉リサイタル
 うぶ毛のような感覚――西嶋豊彦の絵
 受け身でいるのはもうよそう――金沢21世紀美術館
 手当と修復――ニコラ・フィリベール監督 『パリ・ルーヴル美術館の秘密』
 物への敬意、ざわめきのなかの気品
 ここではない別の場所――もうひとつのレッスン

あとがき (二〇〇五年九月 鷲田清一)

文庫版あとがき (二〇一九年春 鷲田清一)

解説 失われたものの痛みから 堀畑裕之(服飾ブランド matohu デザイナー)


※本書の単行本は、2005年10月、『〈想像〉のレッスン』の書名で、NTT出版より刊行されました。


≪著者: ≫ 鷲田清一 (わしだ・きよかず) 1949年京都市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。大阪大学・京都市立芸術大学名誉教授。せんだいメディアテーク館長。専門は哲学。現象学をベースに、臨床哲学、モード批評などを幅広く展開する。著書に、『「聴く」ことの力――臨床哲学試論』(桑原武夫学芸賞受賞、ちくま学芸文庫)、『モードの迷宮』(サントリー学芸賞受賞、ちくま学芸文庫)、『ちぐはぐな身体』『ひとはなぜ服を着るのか』(ちくま文庫)など多数。


鷲田清一 『哲学の使い方』(岩波新書、2014年) '15/06/17
鷲田清一 『老いの空白』(岩波現代文庫、2015年) '15/04/04
鷲田清一 『京都の平熱 哲学者の都市案内』(講談社学術文庫、2013年) '13/04/30
鷲田清一 『語りきれないこと 危機と傷みの哲学』(角川oneテーマ21、角川学芸出版、2012年) '12/04/13
鷲田清一×赤坂憲雄 『東北の震災と想像力 われわれは何を負わされたのか』(講談社、2012年) '12/04/07
鷲田清一×永江朗 『哲学個人授業 〈殺し文句〉から入る哲学入門』(ちくま文庫、2011年) '12/03/07
鷲田清一 『だれのための仕事 労働vs余暇を超えて』(講談社学術文庫、2011年) '11/12/23
鷲田清一 『「ぐずぐず」の理由』(角川選書、角川学芸出版、2011年) '11/10/04
河合隼雄×鷲田清一 『臨床とことば』(朝日文庫、朝日新聞出版、2010年) '11/05/10
鷲田清一 『新編 普通をだれも教えてくれない』(ちくま学芸文庫、2010年) '11/04/12
鷲田清一 『噛みきれない想い』(角川選書、角川学芸出版、2009年) '11/03/13
鷲田清一 『「待つ」ということ』(角川選書、角川学芸出版、2006年) '11/02/05
徳丸吉彦/青山昌文 編著、鷲田清一/卜田隆嗣/寺内直子/加藤厚子/福岡正太 著 『芸術・文化・社会 〔改訂版〕 '06』(放送大学教材、放送大学教育振興会、2006年) '10/11/29



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本「京都思想逍遥 (ちくま新書1388)」小倉紀蔵5

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京都思想逍遥 (ちくま新書)
○著者: 小倉 紀蔵
○定価: 本体価格900円+税
○ISBN: 978-4480072085









千二百年にわたる人々の記憶が集積した古都をそぞろ歩く。するとたちまち、源氏物語や古今和歌集に始まり、道元、世阿弥、頼山陽、鈴木大拙、三島由紀夫に至るまでのさまざまな言葉と交錯し、その〈たましひ〉と交響することになる。逍遥によってこそ、諸行無常の悲哀を追体験でき、権力者がつくりあげたものではない本当の歴史が理解できるのだ。東アジアの思想のみならず、古今東西の思想・文学を広く渉猟してきた著者ならではの、京都の「奥深きところ」をめぐる思想案内。


≪目次: ≫
逍遥のはじめに――京を歩くとは、祈ること

序章 京都とは――逍遥の準備
1 悲哀する京都
  悲哀のみやこ/悲哀とは、生のかがやき
2 京都、歴史の破砕
  京都を歩くとは、歴史に抗うこと/破砕するパサージュ
3 京都、言の葉の乱れ散る
  言の葉の飛び交う/言の葉アナーキー
4 夢とうつつを生きる
  伏して恋い、起きても惑う京都/夢幻を生きる
5 京都に霊性はないのか
  鈴木大拙と京都/「日本的霊性」とは/京都の文化を批判する/大拙の霊性と〈第三のいのち〉
6 創造性臨界ラインを歩く
  「創造性臨界ライン」とは/地震以前/物質とひとと情報の流入ルート

第一章 出町柳から北白川まで
1 鴨川――渡来人と京都
  渡来人の土地/百万遍へ
2 百万遍――わが解体
  田中の西田幾多郎旧邸宅/いよいよ百万遍へ/自らを解体する高橋和巳/自己解体の現場はいま
3 聖護院――伊東静雄
  百万遍から聖護院へ/百合子と静雄/京都への嫌悪
4 若王子と法然院――和辻哲郎と九鬼周造
  黒谷から若王子へ/若王子から法然寺へ

第二章 北白川から御苑まで
1 西田幾多郎と『善の研究』
  国体思想の痕跡/アニメと西田哲学/生命と自我をめぐる格闘/西田幾多郎/純粋経験/自由に生きよ
2 後期の西田幾多郎
  場所/述語的/絶対矛盾的自己同一
3 柳宗悦と民藝
  柳宗悦と民藝/悲哀なのか?/『李朝を巡る心』
4 尹東柱(ユンドンジュ)とはだれか
  鴨川と鄭芝溶/尹東柱と京都/尹東柱と馬光洙

第三章 御苑から丸太町通まで 
1 桓武天皇と京都
  桓武天皇の遷都/桓武天皇とグローバリズム/世界都市・平安京/風水地理、背山臨水
2 御苑・富小路広場――紀貫之と「古今和歌集」
  塚本邦雄と定家/紀貫之の路線/『古今和歌集』仮名序の世界観/歌か、社会か
3 盧山寺――『源氏物語』の「あはれ」
  紫式部のいた場所/「あはれ」と〈いのち〉/「をかし」と〈いのち〉
4 中原中也と頼山陽
  中原中也/頼山陽と大塩平八郎の友情

第四章 丸太町通から四条まで
1 寺町通二条――檸檬
  梶井基次郎と寺町通/憂鬱と檸檬
2 京都の中心――文化革命の現場
  京都の中心とは/「京都文化」が代表するもの/文化革命は完了した/複雑な蔑視の構造
3 御池通から四条まで――似非逸脱者の京都
  弛緩している/東京資本のほくそ笑み
4 こころも道も狭い京都
  こころの狭さ/毎日が曲芸大会
5 御池通――三島由紀夫
  三島由紀夫と『金閣寺』/絶対的なもの/絶対から相対へ、そしてまた絶対へ
6 祇園祭――川端康成『古都』
  滅びの感覚/〈あいだ〉の領域

第五章 四条から八条まで
1 「裏京都」はどこにある
  「裏京都」/鴨川と「裏京都」/葬る場所/清水寺
2 源融と高瀬川
  源融と六条河原院/塩をめぐって/橋と美と生政治/高瀬川/森鴎外の「高瀬舟」
3 正面から東山七条へ――殉教と侵略と『梁塵秘抄』
  元和キリシタン殉教/耳塚/馬町と空襲/馬町から東山七条へ/今様と後白河法皇/平安時代の前衛思想
4 今熊野――世阿弥
  今熊野と世阿弥/世阿弥はアバンギャルド/笛の〈いのち〉/花は〈第三のいのち〉
5 深いところ
  矛盾の結節点へ

第六章 八条から深草まで
1 京都駅――宇宙的、あまりに宇宙的
  不思議な車掌/宇宙的、あまりに宇宙的/地球外生物を見るような
2 東九条と在日コリアン
  東九条/在日コリアンとして京都に生きる/深草へ、サウスへ
3 月輪から伏見稲荷へ
  モビリティの否定/上下動のまち/月輪と清少納言/深草と藤原俊成/伏見稲荷大社へ/アニミズムとシャーマニズム/伊藤若冲
4 深草と道元
  深草と道元/道元の「脱落」

逍遥の終わりに――美とニヒリズムの京都

謝辞


≪著者: ≫ 小倉紀蔵 (おぐら・きぞう) 1959年東京生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科教授。東京大学文学部ドイツ文学科卒業、韓国ソウル大学校哲学科大学院東洋哲学専攻博士課程単位取得退学。専門は東アジア哲学。著書『入門 朱子学と陽明学』『新しい論語』『朝鮮思想全史』(以上、ちくま新書)、『朱子学化する日本近代』『北朝鮮とは何か』(以上、藤原書店)、『創造する東アジア』『〈いのち〉は死なない』(以上、春秋社)、『心で知る、韓国』(岩波現代文庫)、『韓国は一個の哲学である』(講談社学術文庫)など。


小倉紀蔵 『新しい論語』(ちくま新書、2013年) '14/01/18
小倉紀蔵 『心で知る、韓国』(岩波現代文庫、2012年) '13/09/19
小倉紀蔵 編著 『現代韓国を学ぶ  Making Sense of Contemporary Korea 』(有斐閣選書、2012年) '13/09/08
小倉紀蔵 『入門 朱子学と陽明学』(ちくま新書、2012年) '13/02/06
小倉紀藏 『韓国語はじめの一歩』(ちくま新書、2000年) '11/08/18
小倉紀蔵 『歴史認識を乗り越える 日中韓の対話を阻むものは何か』(講談社現代新書、2005年) '11/08/14
小倉紀蔵 『ハイブリッド化する日韓』(エヌティティ出版、2010年) '11/08/05
小倉紀蔵 『日中韓はひとつになれない』(角川oneテーマ21、2008年) '11/07/29
小倉紀蔵 『韓国は一個の哲学である 〈理〉と〈気〉の社会システム』(講談社学術文庫、2011年) '11/06/22


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本「国際法 (ちくま新書1372)」大沼保昭5

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国際法 (ちくま新書)
○著者: 大沼 保昭
○定価: 本体価格1,100円+税
○ISBN: 978-4480071651











国際法とは何かと聞かれても、すぐにイメージしにくいかもしれない。でも、憲法や安全保障のような国民全体の大問題だけでなく、コンビニでパンを買うといった私的な問題にまで国際法は関わっている。そのように広く国際社会に通用している国際法をどう理解すればよいのか。弱肉強食の「国際社会」という不条理の世界で、法はどう働くのか。そうした「生きた国際法」を誰にでもわかる形で、国際法の第一人者が解説。グローバル時代を生きるすべての現代人にとって必読必携の書。


≪目次: ≫
はじめに (二〇一八年八月 大沼保昭)



第一部 国際法のはたらき
第1章 国際社会と法
 I 国際法の歴史
  1 「国際法の父」はグロティウス?
  2 地域規範秩序の併存から世界全体に妥当する国際法へ
  3 二〇世紀の脱植民地化、二一世紀のアジアの復興と国際法
 II 国際法のはたらき
  1 「国際法は無力」という神話――国際法の社会的役割と有用性
  2 国際法の社会的構造

第2章 国家とその他の国際法主体
 I 国家
  1 「国家の黄昏」という神話
  2 人民の自決権
  3 国家機関
 II 主権
  1 主権と主権国家体制
  2 管轄権の衝突と調整
 III 非国家主体
  1 国際組織
  2 企業、NGO、民族的少数者・先住民族と国際赤十字、女性、個人

第3章 国際法のありかた
 I 国際法のありかた
  1 国際法が問題となる場面
  2 国際法はどのように認識・解釈されるのか
 II 条約
  1 条約の重要性
  2 条約に関するルール
  3 条約と国内法との調整
 III 不文国際法
  1 自然法と慣習国際法
  2 多国間条約、国連決議、国際会議の決議、国際司法裁判所の判決など

第4章 国際違法行為への対応
  1 法の実効性を担保するメカニズム
  2 国家の違法行為と国家責任
  3 国際公共義務の違反
  4 誰が違法と決めるのか

第二部 共存と協力の国際法
第5章 領域と国籍
 I 領域
  1 国家の領域
  2 二一世紀の領域規制原理
  3 海洋法
 II 国民国家と国籍
  1 国民と国籍
  2 国際法と国籍法
  3 外国人の地位と外交保護

第6章 人権
 I 人権の歴史
  1 人権の普遍性と歴史性
  2 国連体制下の国際人権保障
  3 地域人権保障
 II 国際非差別法と少数者保護の展開
  1 非差別への道
  2 民族差別の禁止と少数者の保護
 III 多様な世界の人権
  1 国際人権保障の国内的実施
  2 外部からの強制による人権保障
  3 国際政治の人権化とそれへの反動

第7章 経済と環境の国際法
 I 経済の歴史と国際法
  1 第二次大戦前の国際経済と法
  2 ブレトンウッズ=ガット体制
 II 国際通貨と国際法
  1 ガットからWTOへ
  2 WTO法の主要原則とその問題点
 III 投資・通貨・金融と国際法
  1 国際投資にかかわる国際法
  2 通貨・金融にかかわる国際法
 IV 国際経済システムが抱える問題
  1 経済格差と貧困
  2 東風は西風を圧するか――アジアの復興と国際経済法
 V 環境の保護
  1 二〇世紀の物質文明と地球環境
  2 地球環境保護への歩み
 VI 地球文明の将来
  1 大気と海洋の保護
  2 気候変動
  3 世界遺産の保護
  4 将来の世代へ――世代間衡平の問題

第三部 不条理の世界の法
第8章 国際紛争と国際法
 I 国際紛争と国際法
  1 紛争解決の歴史と戦争の違法化
  2 国際法と紛争の平和的解決の枠組み
 II 国際仲裁と国際裁判
  1 国際仲裁
  2 国際司法裁判所
 III 国家間紛争解決と国際法
  1 多国間条約下の紛争解決
  2 国連と紛争解決
  3 国際紛争解決における国際法の地位

第9章 戦争と平和
 I 武力の規制と集団安全保障
  1 「戦争と平和」への国際法のアプローチと国連
  2 集団安全保障のメカニズム
  3 国連の非軍事的措置
  4 軍事的措置
  5 国連の平和維持活動
 II 武力行使の国際法的正当化の諸形態
  1 自衛権
  2 自衛権以外の正当化根拠
 III 国連体制の意義と限界
  1 集団安全保障体制の機能不全
  2 内戦と複合的武力紛争の実例
  3 PKOの多様化と人間の安全保障
 IV 不条理の世界と国際法――二一世紀の「戦争と平和」
  1 テロリズム
  2 二一世紀における人道的干渉
  3 国際法、このいらつかせうもの

参照文献
ブックガイド
謝辞 (娘 大沼みずほ


≪著者: ≫ 大沼保昭 (おおぬま・やすあき) 1946年生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科教授、明治大学法学部特任教授などを歴任。東京大学名誉教授。専攻は国際法学。著書『サハリン棄民』(中公新書、1992年)、『人権、国家、文明』(筑摩書房、1998年)、『「慰安婦」問題とは何だったのか』(中公新書、2007年)、『「歴史認識」とは何か』(中公新書、2015年)、International Law in a Transcivilizational World,(Cambridge University Press,2017)など多数。2018年10月逝去。



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本「デカルト入門講義 (ちくま学芸文庫)」冨田恭彦5

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デカルト入門講義 (ちくま学芸文庫)
○著者: 冨田 恭彦
○定価: 本体価格1,200円+税
○ISBN: 978-4480099068









科学者であったルネ・デカルトは、自然科学の礎たりえる知識をもとめ、第一哲学=形而上学の再構築に乗り出す。なにひとつ信じられるものがない「懐疑」を出発点に、それでも絶対疑えない原理「我あり」へ、更に「神あり」「物体あり」へと証明をすすめる。本書はその哲学をまず『省察』『哲学の原理』など主著を追ってわかりやすく解説。ついで『世界論』『人間論』を通して、近代哲学の理解に不可欠な自然学的論理を説明する。スピノザ、ロック、バークリ、ライプニッツ、カント、フッサール等々、その後のすべての西洋哲学に強烈な影響力を持ち続けたのは何故か。


≪目次: ≫
はじめに

第1章 デカルトの生涯――1596年〜1650年
 誕生/ラ・フレーシュ学院/ポワチエ大学/軍隊――ベークマンとの出会い/神聖ローマ皇帝フェルディナント二世と三〇年戦争/フリードリッヒ五世とエリーザベト王女/ノイブルクの炉部屋/三つの夢/『詩人集』と二つの詩/自然科学・第一哲学(形而上学)・方法・道徳/「方法」について――「精神指導の規則」/「方法」について――『方法序説』の場合/デカルトの学問観/とりあえずの道徳/メルセンヌ/デカルトとメルセンヌ/屈折の法則(一つの例)/ベークマンとの決別/『世界論』の公刊の断念/遺稿の出版について/『方法序説』と三試論/「幾何学」のラテン語版/ヘレナと、娘フランシーヌ/『第一哲学についての省察』/『省察』第二版とフランス語版/『哲学の原理』/『哲学の原理』のフランス語版/エリーザベト王女/『情念論』/シャニュとクリスティーナ女王/スウェーデンへ、そして、逝去

第2章 『省察』を読む(I)――第一省察〜第三省察
 「第一哲学」と「形而上学」/デカルトの形而上学と自然学/すべてを疑う(方法的懐疑)/少しでも疑わしいものは偽とみなして排除する/疑いの理由(1)――感覚はときとして欺く/疑いの理由(2)――夢と覚醒の区別が明確ではない/疑いの理由(3)――数学でも間違えたことがある/疑いの理由(4)――欺く神/ハードらが高ければ高いほど/アルキメデスの(支)点/我思う、ゆえに我あり/「考えるもの」としての「心」/蜜蝋の話/明証性の規則/「観念」の論理(1)/デカルトの今後の方針/誤りはどこにありうるか/観念の分類/――生得観念・外来観念・作為観念/外来観念の考察――似ているか似ていないか/「自然の光」と「自然の衝動」/考察の続き/次の手――観念が表現するもの/「観念」の論理(2)――表現的実在性/もう一つの論理――原因と結果の関係/形相的実在性/観念の原因/観念の別の分類/物体の観念についての考察/物体の観念は私に由来すると考えることができる/神の存在証明/神は欺く者ではない

第3章 『省察』を読む(II)――第四省察〜第六省察
 神の存在と善なる神/誤謬の原因――知性と意志/神は欺かず、誤謬は意志の制限によって回避できる/物体の観念――その判明な部分/第三の、神の存在証明/最も完全なもの/物体の存在証明へ/想像することと理解することの区別から/感覚・再説/物体の存在証明/物体について知られること/自然によって教えられること/軽率な判断に対して/「誇張された懐疑」の停止/夢と覚醒の区別・再説

第4章 形而上学を支える自然学――物体の本性と観念の論理
 『省察』の中の自然学/『哲学の原理』第二部/物体の存在の確かさ/物体の性質/ロックの「一次性質」と「二次性質」の区別の先取り/話を戻して/身体と心の結びつき/物体の本性――重さや固さや色などではなく、延長のみ/真空の否定/原子の否定/物質は限りのない微小部分に分割される/運動の第一原因/慣性の法則/自然学の数学的原理/形而上学の中の自然学/「観念」登場/自然学的基盤/「第二答弁」に付された説明から/『人間論』に見られる「観念」の用法/「観念」の自然学的論理空間

第5章 デカルトの「循環」?――「自然の光」だけを頼りとして
 デカルトの学問観・再説/「自然の光」の用法/方法の適用/「自然の光」と「神の恩寵」/「明晰判明」/デカルトの「循環」/「第二反論」での指摘とデカルトの答弁/前提と結論/スキオー系の言葉とノースコー系の言葉/デカルトの答弁/「第四反論」での指摘とデカルトの答弁/第二答弁第四項から/デカルトの言うとおりであるとすれば/クワインの先駆?/明晰判明でないものが支えとなって

第6章 主観主義の伝統と分析哲学の起点――デカルト哲学の射程
 デカルトとアウグスティヌス――もう一つ、古くから言われてきたこと/一六三七年に戻って/『神の国』第11巻第26章/デカルトの説明/デカルトのネットワーク/デカルトの観念論/すべてを廃棄した上での「我あり」/デカルト的観念論の魅力/すべてを心の側から――主観主義/もともとの「二重存在」構造と主観主義/分析哲学のルーツ/ニーチェとハイデッガー/結びにかえて――フッサールのデカルト評

あとがき (二〇一九年正月 冨田恭彦)

※本書は、ちくま学芸文庫のために書き下ろしたものである。


≪著者: ≫ 冨田恭彦 (とみだ・やすひこ) 1952年、香川県生まれ。京都大学文学部哲学科卒。京都大学博士(文学)。ハーバード大学客員研究員などを経て、京都大学名誉教授/同志社大学講師。著書に、『ロック哲学の隠された論理』(勁草書房)、『クワインと現代アメリカ哲学』(世界思想社)、『観念説の謎解き』(世界思想社)、『観念論の教室』(ちくま新書)、『ローティ』(ちくま選書)、『カント入門講義』『ロック入門講義』(ちくま学芸文庫)、Inquiries into Locke’s Theory of Ideas(Olms)、 The Lost Paradigm of the Theory of Ideas (Olms)、「科学哲学者柏木達彦」シリーズ全5冊(ナカニシヤ出版)、「生島圭」シリーズ全3冊(講談社現代新書)など、訳書に、R.ローティ『連帯と自由の哲学』(岩波書店)がある。



ルネ・デカルト 『省察  Meditationes de prima philosophia, 1641 』(山田弘明 訳、ちくま学芸文庫、2006年) '09/08/22
ルネ・デカルト『哲学原理  Principia philosophiae, 1644 』(山田弘明/吉田健太郎/久保田進一/岩佐宣明 訳・注解、ちくま学芸文庫、2009年) '09/08/12
デカルト『情念論  Les passions de l'ame, 1649 』(谷川多佳子 訳、岩波文庫、2008年) '08/07/14
デカルト『方法序説  Discours de la méthode, 1637 』(谷川多佳子 訳、ワイド版岩波文庫、2001年) '08/06/27



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・・・・・・そこで、デカルトは、「自分のために暫定的に(par prouision)ある道徳(morale)を定め」ることにします。
 暫定的道徳は、四つの格率(maxime)からなっています。それぞれの格率は、次のように表現されています。

第一の格率は、私の国の法律と習慣に従い、神の恩寵によって子どもの頃から教えられてきた宗教を常に守り、他のすべてのことにおいては、私が共に生きていかなければならない人々のうちの最も良識のある人々が実生活において一般に受け入れている、最も穏健で最も極端でない意見に従って自分を律することであった。

私の第二の格率は、自分の行動においてできるだけ揺るぎない断固たる姿勢で臨み、どれほど疑わしい意見であってもひとたびそれを受け入れることに決めたなら、それがまったく確かなものである場合と同じように、どこまでもそれに従うことであった。

私の第三の格率は、運命に打ち克つよりもむしろ自分に打ち克ち、世の中に秩序を変えるよりも自分の欲望を変えるよう、常に努めることであった。

最後に、このような道徳の結論として、私は人々がこの世で携わるさまざまな仕事をすべて点検し直すことにし、一番いいものを選ぶよう努めた。そして、ほかの人々が携わる仕事についてはなにも言うつもりはないが、〔私自身については〕私が見いだした仕事を続けること、すなわち、全生涯をかけて自分の理性を磨き、自分に課した方法に従って真理の認識をできるだけ進めるのが最もよいと考えた。(p.066-p.067)












本「大坂城全史 歴史と構造の謎を解く (ちくま新書1359)」中村博司5

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大坂城全史 (ちくま新書)
○著者: 中村 博司
○定価: 本体価格1,200円+税
○ISBN: 978-4480071804











かつて浄土真宗の聖地として栄え、織田信長の後を承けた豊臣秀吉、徳川家康・秀忠まで、時の権力者が本拠地として修築を重ねた大坂城。豊臣家の居城として栄華を極めるが、大阪夏の陣で落城。江戸幕府に再築されるものの、幕末には大部分が焼失した。明治以降、大阪市民の支持を得て天守閣が復興、現在まで市民に愛され続けている。長きにわたり権力者たちの興亡の舞台となった名城を、最新の研究成果に基づき読み解く、通説を刷新する決定版通史。


≪目次: ≫
凡例

はじめに
 大坂というところ/本書の構成

第一章 大坂本願寺の時代
1 蓮如建立の大坂御坊
 本願寺八世宗主蓮如/大坂御坊の成立/蓮如の死と大坂御坊のその後
2 大坂本願寺の成立と繁栄
 十五、十六世紀の畿内の情勢/山科本願寺の焼き討ちと大坂本願寺の成立/大坂本願寺と寺内町/顕如の貴族化と本願寺の寺格の向上
 【コラム1】 本願寺証如と寺内町民との交流
3 「石山合戦」と本願寺の大坂退去
 信長の登場と摂津中島への進出/「石山合戦」の発端と経過/木津河口での海戦/和睦の経過と本願寺の逃亡/「石山」の語義について
4 本願寺と寺内町の遺構を求めて
 本願寺・寺内町の所在地についての諸説/御坊は本丸のなか、寺内町は二ノ丸

第二章 番城の時代
1 織田信長の番城として
 信長の大坂入城とその守備体制/本能寺の変と大坂城
2 池田恒興の番城として
 清須会議と池田恒興の摂津領有/秀吉の畿内支配と賤ヶ岳の合戦

第三章 豊臣秀吉・秀頼の時代
1 大坂掌握と築城の準備
 坂本城から天下統一の意思を発信/築城工事の準備に着手/石垣用石材の産地
 【コラム2】 「普請石持ちに付て掟」を読む
2 本丸普請の経過とその実態
 本丸普請始まる/本丸地下石垣と大坂城「本丸図」の発見/大坂城本丸の概要/本丸探訪 宗什御門から表御殿へ/本丸探訪◆宗襲御殿に入り、天守を見学する
3 城下町の形成
 細川忠興邸の造営と平野町城下町/広大な豊臣秀次邸とその廃絶/大川端にあった肥後加藤家の大阪屋敷/キリスト教の教会と上町城下町/天満本願寺と天満城下町/城下町の街区構成と住民の出自
 【コラム3】 山科言経の見た城下町
4 関白任官と二ノ丸の造営
 関白政権への志向と諸国平定/大坂城二ノ丸の造営/「大坂普請ようよう周備」/秀吉の五畿内支配構想
5 秀吉晩年の工事と城下町の変貌
 「惣構堀」の普請と城下町の変貌/慶長三年に始まった最晩年の工事/大手前の発掘調査で見つかった巨大な堀
6 秀頼治世下の大坂とその最期
 秀吉没後の家康専横と大名屋敷をめぐる攻防/二条城における秀頼と家康の会見/大坂冬の陣と巨大な大坂城の出現/大坂夏の陣と大坂落城
 【コラム4】 黒田如水妻らあの大坂脱出事件

第四章 松平忠明の時代
1 本丸の石垣撤去と日用普請による修復
 大坂城本丸、破却される/本格普請に先立って行われた日用普請
2  松平忠明の事績
 大坂城三重構造説と四重構造説/「三ノ丸壊平」の意味するもの/道頓堀開削と松平忠明

第五章 徳川秀忠による大坂城再築工事
1 再築工事の開始に至るまで
 二代将軍徳川秀忠と大坂再編計画/「旧城」に倍増あって
2 再築工事の経過
 普請に参加した担当大臣/第一期普請/櫓の建築/第二期普請/第三期普請/再築工事の発令・褒賞など
 【コラム5】 鳥取藩池田家の巨石運び
3 大坂城石垣用石材のふるさと
 小豆島石丁場/前島石丁場
 【コラム6】 新「肥後石考」

第六章 徳川時代の大坂城と城下町 1 2 3
1 徳川幕府と大坂支配の構造
 二百六十年続いた「徳川の平和」と大坂城/大坂城守衛の構造
2 大坂城で起こったことあれこれ
 大坂を訪れた三人の城主/大天守への落雷一件/本丸御金蔵から四千両を盗みだした男/学者城代、西ノ丸屋敷で雪の結晶を観察/大塩平八郎の乱勃発
 【コラム7】 大坂城に出没した幽霊・妖怪
3 幕末の大坂城
 大坂城の大修復/二度の対長州戦争と大坂城/鳥羽伏見の戦いと大坂城/廃墟となった大坂城
 【コラム8】 将軍徳川慶喜の忘れもの

第七章 近代の大阪城と天守閣復興
1 大阪鎮台から第四師団司令部へ
 日本陸軍発祥の地、大坂城/師団司令部の成立と和歌山城御殿の城内移設
 【コラム9】 オーストリア皇太子の大坂城訪問
2 天守閣復興
 大大阪の出現と関一市長の天守閣復興計画/復興は、豊臣時代の天守をモデルに/「天守閣郷土歴史館」としてスタート
3 戦後の大阪城
 軍部の支配地から市民のお城へ/文化観光施設として再出発した天守閣/市民の貴重な財産・大阪城の今

おわりに (二〇一八年八月十五日(フランシスコ・ザビエル日本到着の記念日に) 中村博司)
大坂城略年表
参考文献
所蔵・提供・出典一覧


≪著者: ≫ 中村博司 (なかむら・ひろし) 1948年、滋賀県大津市生まれ。滋賀大学教育学部卒業。大阪城天守閣学芸員、大阪市教育委員会主任学芸員、(財)大阪市文化財協会企画調整課長、大阪城天守閣副館長を経て、2000年より大阪城天守閣館長。2007年3月退職。2017年大阪大学大学院文学研究科博士課程修了(文学博士)。現在、大阪樟蔭女子大学非常勤講師。共著に『戦国合戦絵屏風集成』(中央公論社、1980-81年)、『日本名城集成 大坂城』(小学館、1985年)等、編著書に『よみがえる茨木城』(清文堂、2007年)、『天下統一の城 大坂城』(新泉社、2008年)等がある。



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本「思いつきで世界は進む 「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと (ちくま新書1384)」橋本治5

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「あんな時代もあったよね」と懐かしんで振り返ることができないここ数年の怒涛の展開。国会でも巷でも、まともな議論はなりたたないし、小難しいことを言われると、言ってくる相手に怒りを覚えるような輩だらけ。さらには、世界も日本も、バカが偉くなってしまい、それに疑問をもつことにも麻痺しちゃっている今日この頃。そんな世の中に起きた日常の変化から世界的な事象までを見渡した時評集。


≪目次: ≫
はじめに

第一章 バカは忘れたころにやってくる
 反知性より無知性がこわい
 「バカ」という抑止力
 ニュースがどんどん下りて行く
 さまよえる男達
 度を過ぎた量はこわい
 「ありのまま」ってなんだ
 「危機意識」はないのか?!
 祭の継承
 アクセルを左にしたらどうだろう
 人間は機械じゃない、機械は人間じゃない
 電波で荷物は運べない

第二章 いったい日本はどこへいく
 戦後七十周年
 人を介する事実(ファクト)
 十九年という時間
 人が死ぬとこと
 終わった社会
 知らぬが仏
 二つの「自由」
 なくなったもの
 批評のポジション
 ガハハ vs. やァね
 道徳教育は必要ないのかもしれないなァ
 やな女とこわい女

第三章 誰もが話を聞かない時代
 議論の余地
 まず「総論」から始めよ
 簡単に分からないために
 しかるべき人達
 東京都民は――
 強権政治の終わり
 国会は裁判所ではないでしょ
 おもしろくすることを考えればいいのに
 世界で七十二番目
 「不徳の致すところ」で辞める
 すごい人達

第四章 思いつきで世界は進む
 言うだけなら簡単なこと
 フィクションが襲って来る
 それは「表現の自由」なんだろうか?
 秩序と国家
 イスラム原理主義の向く先
 めんどくさいことを考えたくない病
 部族化する世界
 明けない夜
 隣の国
 アジアの時代か――
 時間は均一に進んでいないの?

第五章 世界は一つなんて誰がいった?
 「世界は一つ」でいいのかしら?
 『三銃士』の頃を思い出す
 「世界一つ」じゃなくてもいいよね
 紙に戻せばいいのに
 自己承認欲求と平等地獄


※本書はPR誌「ちくま」2014年7月号から2018年8月号までの巻頭随筆をまとめたものである。


≪著者: ≫ 橋本 治 (はしもと・おさむ) 1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。小説・戯曲・評論・エッセイ・古典の現代語訳・浄瑠璃などの古典芸能の新作ほか、多彩な執筆活動を行う。著書に『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(小林秀雄賞受賞、新潮社)、『蝶のゆくえ』(柴田錬三郎賞受賞、集英社)、『双調 平家物語』(毎日出版文化賞受賞、中央公論新社)、『草薙の剣』(野間文芸賞受賞、新潮社)、『国家を考えてみよう』『古典を読んでみましょう』(ちくまプリマー新書)、『人はなぜ「美しい」がわかるのか』(ちくま新書)など多数。



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本「沖縄報道 日本のジャーナリズムの現在 (ちくま新書1362)」山田健太5

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沖縄報道 (ちくま新書)
○著者: 山田 健太
○定価: 本体価格900円+税
○ISBN: 978-4480071774








オスプレイ機は「不時着(読売・産経)」したのか「墜落(沖縄紙)」したのか――。沖縄をめぐる報道から偏向、分断、ヘイトが生まれる構造を解きあかす。

2016年に名護市で起きたオスプレイ機事故を報じた新聞各紙の見出しは、「不時着」「大破」「墜落」とそれぞれニュアンスが異なる言葉を使用していた。ここには、各紙の「沖縄か本土か」「政府寄りか沖縄寄りか」という立場の違いが反映されている。このような沖縄と本土の意識差は近年、「溝」「対立」から「分断」へと深刻化している。本書では、沖縄現代史と今日の沖縄が抱える問題を踏まえた上で、このような状況を招いたメディアの現状と、それを生み出す構造を解き明かす。


≪目次: ≫
はじめに――温度差から対立・分断へ

序章 忖度(そんたく)
 だれに〈忖度〉しているのか/いつから〈忖度〉が始まったのか/戦後メディア史と報道機関への圧力/狭まる表現可動域/表現の自由はより制約的に

第1章 地図
1 沖縄のメディア地図
 豊かで強固な沖縄文化/地政学的な距離/戦前と戦後の断絶
2 沖縄の新聞
 三層構造/沖縄の新聞市場の特徴/二紙の競合/担保される健全性/厳しい経営状況のなかで/競争から協業へ/「マス」メディアの条件/八重山日報の沿革
3 沖縄の放送
 放送における免許制度/放送法改正の動き/三層構造/戦後沖縄の放送/民放に続きNHKも/一局二波/地域放送

第2章 歴史
1 戦争による断絶
 憲法により区分される新聞史/二重の制約による断絶/戦後の復興/豊富な地域紙
2 在沖米軍基地の地位
 基地の強制収用/沖縄切り離し
3 基地をめぐる運動体
 基地建設反対派/新基地建設反対派へのカウンター

第3章 分断
1 対立の構造
 日本の縮図/押しつけ/かえりみられない住民意思/沖縄ニュースの作られ方
2 事実を歪めるメディアがもたらす沖縄の分断
 消極的加担と積極的煽動/沖縄地元紙の「偏向」神話/東京では政治問題化されるとニュース
3 民意の伝え方
 民意をはかる指標/世論調査からみる民意/どの民意を大切にするか

第4章 偏見
1 ヘイトを許す社会
 「土人」発言/政治家によるヘイト擁護/言論の自由の保障対象は
2 ヘイトへのメディア加担
 ヘイトを言論の自由という風潮/「どっちもどっち」はあり得ない/プリミティブ表現の特性/その重要性/「ニュース女子」事件/消極的な加担
3 フェイク・ニュース
 フェイクの悪循環/フィルターバブル/プラットフォーム事業者の責任/忘れられる権利をめぐって/メディアの社会的役割

第5章 偏向
1 公平とは何か
 偏向=絶対悪の思い込み/信仰に近い「公平」絶対主義/偏向批判の元凶/メディア自身が作る「風潮」/量的バランス/地ダネは六〜七割/アンバランスでバランスをとる/正しい比率は存在するのか
2 在京紙と地元紙の報道格差
 八つの事件をもとに/無理解の時代/軽視・黙殺の時代/政治の時代/対立の時代/沖縄が「闘っている」もの
3 主張するメディア
 「ビジネス」としての戦略/主張を示す/感情を示す/強い主張となる背景

終章 権力
 自由と公共性の軽視/沖縄メディアに強いられる闘い/#沖縄でよかった/マスメディアにできることは

おわりに (二〇一八年九月 沖縄・伊江島にて 山田健太)
沖縄ジャーナリズムを知るための文献一覧
索引


≪著者: ≫ 山田健太 (やまだ・けんた) 1959年京都市生まれ。専修大学人文・ジャーナリズム学科教授。専門は言論法、ジャーナリズム研究。日本ペンクラブ専任理事、情報公開クリアリングハウス理事を務めるほか、自由人権協会理事・事務局長、BPO放送人権委員会委員などを歴任。主著に『放送法と権力』(田畑書店、2016年)、『法とジャーナリズム』(学陽書房、2014年)、『現代ジャーナリズム事典』(三省堂、2014年、監修)他多数。



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本「人類5000年史 II 紀元元年〜1000年 (ちくま新書1287-2)」出口治明5

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人類史を一気に見通すシリーズの第二巻。漢とローマ二大帝国の衰退、世界三大宗教の誕生、陸と海のシルクロード時代の幕開け等、激動の1000年が展開される。

文明の誕生から現代まで、人類五〇〇〇年の歴史をまとめる著者のライフワークの第二巻。漢とローマという東西の二大帝国が衰退、世界は分断化の時代へ。また、キリスト教、大乗仏教が生まれ広まった(紀元元年‐五〇〇年)。イスラーム教が興り、唐、イスラーム帝国、東ローマ帝国を含めた海と陸のシルクロードの時代が幕を開けた(五〇一‐一〇〇〇年)。八世紀に入ると、「日本」という国が誕生した。


≪目次: ≫
はじめに (二〇一八年一一月  出口 治明)

第六章 第四千年紀前半の世界 (紀元元年から五〇〇年まで)
 ナザレのイエス/大乗仏教の誕生/王莽の新/東漢の成立/班超(はんちょう)父子による西域の支配/東漢における科学の発達/インドの新帝国クシャーン朝/人類の最も幸福な時代/新約聖書の成立とストア派/東漢の衰退/三国時代/魏から晋へ/混乱するローマ帝国とサーサーン朝の建国/危機の三世紀/ローマ帝国の変質/晋の南遷/ローマ帝国の東遷とキリスト教の伸張/グプタ朝の興隆/諸部族の侵入とローマの東西分割統治/東アジアの政治的混迷と文化の爛熟/朝鮮半島の三国時代の始まり/北魏による華北統一/国家仏教の隆盛/諸部族の西ヨーロッパ定住/西ローマ帝国の滅亡とは何だったのか

第七章 第四千年紀後半の世界 (五〇一年から一〇〇〇年まで)
 北魏の分裂/中国統一への動き/フランク王国の分割と再統一/ユスティニアヌス一世とホスロー一世/隋の文帝と煬帝/長安の春(貞観の治)/密教の誕生とインド仏教の衰退/預言者ムハンマド/イスラーム世界の拡大/ウマイヤ朝の成立/中国唯一の女帝/武韋(ぶい)の禍(か)とは何か/日本の誕生/開元の治とイコノクラスム/アッバース革命と安史の乱/ローマ教皇の自立/バクダードの繁栄とIT革命/マムルークの登場/唐の衰亡/税制の改正と唐の中興/唐の大宗教弾圧とインドの三王朝/唐の滅亡から五代一〇国へ/キタイの建国と朝鮮半島の再統一/名君、世宗の即位/宋の建国/東ローマ帝国の復権/コルドバの繁栄/オットー一世のローマ皇帝戴冠/一〇〇〇年の世界のGDP

参考文献
索引


≪著者: ≫ 出口治明 (でぐち・はるあき) 立命館アジア太平洋大学(APU)学長ライフネット生命保険株式会社創業者。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒。1972年、日本生命入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画(株)を設立し、代表取締役社長に就任。2008年4月、生命保険業免許取得に伴いライフネット生命に変更。2012年上場。2018年より現職。著書に『全世界史(上・下)』(新潮社)、『0から学ぶ日本史講義 古代編』(文藝春秋)等多数。

出口治明 『人類5000年史 I 紀元前の世界』(ちくま新書、2017年) '18/01/03



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本「「身体を売る彼女たち」の事情 自立と依存の性風俗 (ちくま新書1360)」坂爪真吾5

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「身体を売る彼女たち」の事情――自立と依存の性風俗 (ちくま新書)
○著者: 坂爪 真吾
○定価: 本体価格880円+税
○ISBN: 978-4480071811










なぜ彼女たちは、JKリフレやデリヘルで働くのだろうか? 風俗で働く女性のための生活・法律相談窓口「風テラス」に寄せられる彼女たちの悩みは背景には、若者の貧困、DVや虐待などの家庭問題、ワーキングプア、見えづらい障害や病気など、複雑な社会課題が絡み合っている。そうした課題を解決するために彼女たちが選んだJKリフレやデリヘルの世界には、一度足を踏み入れると抜け出しにくい構造がある。自助と公助の狭間に落ち込んでしまった彼女たちが集う「いびつな共助」としての性風俗の世界を描き出し、自己責任論と感情論に満ちた社会に風穴をあける一冊。


≪目次: ≫
はじめに

第一章 「JKリフレ」という駆け引きの世界
 1 「いくらで」「どこまで」やるかは、私が決める
 2 「少女」と「大人」の狭間にある金脈
 3 JKリフレ嬢の実態
 4 「楽屋」に集う彼女たち
 コラム 「子ども・若者支援と性風俗」 安井飛鳥

第二章 「風俗嬢」はこうして生まれる
 1 生活保護はデリヘルに勝てない?
 2 家族から逃れるために
 3 「寮完備」「即日入居可能」に惹かれる理由
 4 昼の仕事からこぼれおちる
 5 働くから病むのか? 病んだから働くのか?
 6 すべてを解決してくれる仕事
 コラム 「風テラス相談員で得た気づきと変化」 木下大生
 コラム 「地域福祉との差異」 鈴木晶子

第三章 デリヘルの居心地がよい理由
 1 彼女たちを守る「見えない」事務所
 2 「助け合い」の果てに
 コラム 「つながりぬるく」 橋本久美子

第四章 風俗で働くことの本当の怖さ
 1 共助の中で生みだされる落とし穴
 2 自分も外の世界も透明になる
 3 「すべて現金化できる」という魔力
 4 消えない過去から逃げられない
 5 客と付きあったら、こうなった
 6 奈落の底で奪われ続ける彼女たち
 7 子どもたちへの「貧困の連鎖」を防ぐために
 コラム 「相談員から見た風テラス」 徳田玲亜

第五章 ライ麦畑のサバイバル・ガイド
 コラム 「「なんとなくヤバそう」を越えてつながるために」 浦寛泰

あとがき (二〇一八年九月三日 新潟市の仕事場にて 坂爪真吾)


≪著者: ≫ 坂爪真吾 (さかつめ・しんご) 1981年新潟市生まれ。東京大学文学部卒。一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。新しい「性の公共」を作る、という理念の下、重度身体障がい者に対する射精介助サービス、風俗店で働く女性の無料生活・法律相談事業「風テラス」など、社会的な切り口で現代の性問題の解決に取り組んでいる。著書に『性風俗のいびつな現場』『男子の貞操』(ちくま新書)『はじめての不倫学』(光文社新書)『見えない買春の現場』(ベスト新書)『セックスと障害者』(イースト新書)他多数。



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本「情報生産者になる (ちくま新書1352)」上野千鶴子5

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情報生産者になる (ちくま新書)
○著者: 上野 千鶴子
○定価: 本体価格920円+税
○ISBN: 978-4480071675









問いの立て方、データ収集、分析、アウトプットまで、新たな知を生産し発信するための方法を全部詰め込んだ一冊。学生はもちろん、すべての学びたい人たちへ。

情報があふれかえる時代、しかし、それを消費するだけではタダの情報グルメや情報ディレッタント。価値のある情報を生産し、発信する側にまわる方がずっとおもしろい。オリジナルな問いを立て、過去の研究に学び、一次データを収集し、それに分析を加え、アウトプットするまでの一連の過程を、具体例を交えながら解説。あまたの人材を育ててきた教育者として、新たな知を生み出す技法を惜しみなく公開する。この一冊で、あなたも情報生産者になれる!


≪目次: ≫
はじめに――学問したいあなたへ

I 情報生産の前に
1 情報とは何か?

 情報とは?/問いを立てる/オリジナリティとは何か/一次情報と二次情報/インプットとアウトプット/言語だけが情報か?/学問とは何か
2 問いを立てる
 作文教育のまちがい/かみあう議論をする/研究とは何か/問いを立てる/答えの出る問いを立てる/小さな問いにブレイクダウンする/研究は極道だ/わたしの問題をわたしが解く/学問は極道だ

II 海図となる計画をつくる
3 先行研究を批判的に検討する

 先行研究とは何か?/先行研究をフォローする/凡庸な問いには先行研究が多い/誰も立てたことのない問い/分野と言語圏を超える/「批判的」であること/指導教官などいないものと思え
4 研究計画書を書く
 研究を予告する/研究計画書には書式がある/(1) 研究テーマ/(2) 研究内容/(3) 理論仮説&作業仮説/(4) 研究対象/(5) 研究方法/(6) 先行研究および関連資料/(7) 研究用機材・研究費用/(8) 研究日程/(9) 本研究の意義/(10) 本研究の限界/未完の研究計画書/時代区分をする/着地点を見通す
5 研究計画書を書く(当事者研究版)
 リベンジ戦/当事者研究ヴァージョン/クレイム申し立ての宛て先/オジサンの研究計画書/引きこもりの若者の研究計画書

III 理論も方法も使い方次第
6 方法論とは何か

 理論は道具/「仮説」を立てる/単身世帯が増えた/家族の個人化仮説/理論仮説から作業仮説へ/さまざまな調査手法/孤独死で何が悪い?/引きこもったままでも暮らせるには?
7 対象と方法の選択
 エスノグラフィ/対話的エスノグラフィ/事例研究/オートエスノグラフィと当事者研究/データ・コレクション/データ分析/京都学派の情報生産術

IV 情報を収集し分析する
8 質的情報とは何か?

 語、言説、物語/質的情報の分析法/KJ法の小道具/情報生産の方法/データをユニット化する
9 インタビューの仕方
 半構造化自由回答法とは/対象者のサンプリング/信頼と調査倫理/インタビューのノウハウ
10 質的情報の分析とは何か?
 分析と総合/写真投影法/ヒューマン・エソロジー/カテゴリー化/マッピングとチャート化/チャート化/ストーリーテリングのルール/メタメタ情報の生産
11 KJ法のその先へ
 マトリックス分析/マトリックス分析の実例/マトリックス分析の利点/データをしゃぶりつくす/マトリックス分析のアウトプット/結論セッション/報告書を出す/データに語らせる

V アウトプットする
12 目次を書く

 言語の優位/設計図を書く/目次の構成の仕方/注意事項/目次のカスタマイズ/目次は何度でも書き換える
13 論文を書く
 論文のお作法/サンプル・チャプターを書く/書ける章から書く/情報を蓄積する/情報を配列する/結論先取型で書く/裏ワザは使わない/知っていることをすべて書かない/自明だと思われる情報を省略しない/概念や用語は定義して用いる/本文と引用を区別する/引用ストックのつくり方/剽窃・盗用をしない/書式、引用、注、文献の表記/フォントとサイズ/わかりやすい日本語で/どんな人称で書くか/誰に宛てるか?/誰が宛て先か?
14 コメント力をつける
 代わりにやってみせろ/コメンテーターになる/内在的コメントと外在的コメントを区別する/内在的コメントの仕方/役に立つコメント・役に立たないコメント/コメント・セッションをつくる/ディフェンス力をつける/司会の役割とは
15 論文の書き方を学ぶ
 東大で上野千鶴子に論文執筆を学ぶ/1 「志は高くもってもらいたい」――テーマの設定/2 「これでは論文とは言えない」――論文の形式/3 「書きたいものより書けるものを書いてください」――現実という制約/4 「言いたいことが伝わらなければ、その全責任は書き手側にあります」――表現の技術/5 「学問は真理のためではない」――学問という政治/上野ゼミのDNA

VI 読者に届ける
16 口頭報告をする

 プレゼン能力が大事/時間資源は稀少だ/口頭報告はごまかしがきく/パワポの功罪/ライブと対面性/ライブはおもしろい
17 メッセージを届ける
 どうやって届けるか?/単著を刊行する/一般読者に届ける
18 プロデューサーになる
 印刷メディアか電子メディアか/私有財・クラブ財・公共財/媒体を選び分ける/文体を選ぶ/コンテンツをつくる/出版という権力/編集者はプロデューサー/読者に届ける/コンテンツをつくる/情報生産者を育てる

あとがき (二〇一八年盛夏に 上野千鶴子)
参考文献


※本書は、PR誌「ちくま」二〇一七年一月号から二〇一八年三月号までの連載に加筆・修正を加えたものです。


≪著者: ≫ 上野千鶴子 (うえの・ちづこ) 1948年富山県生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。認定NPO法人ウィメンズアクショネットワーク(WAN)理事長。専門学校、短大、大学、大学院、社会人教育などの高等教育機関で、40年間、教育と研究に従事。著書に『近代家族の成立と終焉』、『家父長制と資本』(岩波書店)、『おひとりさまの老後』(文春文庫)、『女ぎらい』(紀伊國屋書店)、『ケアの社会学』(太田出版)、『サヨナラ、学校化社会』(ちくま文庫)など多数。

山折哲雄/上野千鶴子 『おひとりさま vs. ひとりの哲学』(朝日新書、2018年) '18/03/28



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本「遺伝人類学入門 チンギス・ハンのDNAは何を語るか (ちくま新書1328)」太田博樹5

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遺伝人類学入門 (ちくま新書)
○著者: 太田博樹
○定価: 本体価格940円+税
○ISBN: 978-4480071385










近年、世界中の人類集団の遺伝子のバリエーションについて大規模な研究が数多くなされている。そうした中、中央アジアから東アジアにかけてチンギス・ハンの持っていたY染色体のタイプが爆発的に拡散しているという仮説が提起された。本書ではこの仮説を追うことを糸口として、遺伝子の研究方法から、人類の祖先の辿り方、進化と遺伝の捉え方まで、ゲノム時代にわれわれのルーツを追究する意義について、縦横無尽に解説する。


≪目次: ≫
プロローグ――遺伝人類学とはなにか

第1章 ゲノム・遺伝子・DNA
1 遺伝学用語の基礎知識
2 遺伝情報とセントラル・ドグマ
3 遺伝的な個人差をどう分析するか

第2章 アウト・オブ・アフリカ
1 ヒトの起源、人類の起源
2 化石から辿る人類の進化
3 他地域進化説とアフリカ単一起源説

第3章 遺伝子の系統樹から祖先をさぐる
1 DNA配列から描く系統樹の基礎
2 分岐年代をどう推定するか
3 祖先は混血していたのか

第4章 適応 vs. 中立
1 ミトコンドリアDNAとY染色体で男女の拡散を追跡する
2 進化とはなにか、遺伝とはなにか
3 集団遺伝学の誕生と中立説
4 突然変異が残るのは必然か偶然か

第5章 男女で異なる移動パターン―― sex-biased migration
1 父系社会か母系社会か
2 集団観の多様性と集団内の多様性を調べる
3 日本列島人のルーツをさぐる

第6章 チンギス・ハンのDNA
1 古代DNA分析を活用する
2 日本人の古代DNA分析
3 東アジアのY染色体分析から見えてきたもの
4 社会的・文化的・環境的要因も考える

エピローグ――ゲノム時代の人類学

あとがき (2018年3月10日 太田博樹)
参考文献
図版出典


≪著者: ≫ 太田博樹 (おおた・ひろき) 1968年生まれ。東京大学大学院理学系研究科修了、博士(理学)。マックス・プランク進化人類学研究所、イエール大学の研究員、東京大学大学院新領域創成科学研究科の助教などを経て、北里大学医学部解剖学・准教授。専門は人類集団遺伝学・ゲノム人類学。国際分子生物進化学会でW.Fitch賞受賞。著書に『ヒトは病気とともに進化した』(長谷川眞理子氏との共著、勁草書房、2013年)など。


山極寿一/尾本恵市 『日本の人類学』(ちくま新書、2017年) '17/12/31
片山一道 『骨が語る日本人の歴史』(ちくま新書、2015年) '17/02/01
埴原和郎 『人類の進化史 20世紀の総括』(講談社学術文庫、2004年) '10/10/16


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本「政治の哲学 自由と幸福のための11講 (ちくま新書1353)」橋爪大三郎5

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日本の政治がうまく行っていない。政治が失敗すれば、私たちの自由も幸福も、壊れてしまいかねない。大きな政府 vs. 小さな政府、高負担・高福祉 vs. 自由放任・・・・・・。対立軸の根本には、哲学の違いがある。だが、政治の基本となる考え方は難しくない。その原則を踏まえて行動すれば、社会は確実によくなっていく。政府、議会、安全保障から、年金、教育、医療保険まで、重要ポイントがみるみる分かる、画期的入門書!


≪目次: ≫
まえがき

第1講 政治の哲学
 政治は大事なのか  政治とは、なんだろう?  政治を理解する  政治の哲学

第2講 市場
 市場とはなにか  市場は、自由である  マルクス主義の批判  自由主義経済  政府は税をとる  夜警国家  公共財  市場の自律性  市場の失敗  教育をめぐって  保育園について  物品税/所得税/消費税  機会の平等/結果の平等  再分配政策  新自由主義 リベラリズムとリバタリアニズム  政治的立場の見取り図

第3講 政府
 政府とは何か  ホッブズの『リヴァイアサン』  契約からうまれる権力は正しい  社会契約から憲法へ  憲法はどういう契約か  権限を、授権する  憲法の精神  政府機関の構成  大統領制と議院内閣制  内閣と省庁  忠誠の対象  法律を尊重する  民主主義 なぜ多数決なのか  行政府の権限

第4講 議会
 議会の起こり  アメリカ植民地の議会  立法機関としての議会  上院と下院  なんでも立法できるのか  なぜ、銃規制ができないか  予算はなぜ単年度か  行政府をどうやってチェックするか  行政府の長をやめさせることができるか  演説のプロ

第5講 政党
 政党の起こり  二大政党制  政党は任意団体  共産党  二大政党か比例代表か  連立政権  二大政党の対立軸  保守と革新  小選挙区制  政策の違いより多様性  政党は矛盾と妥協である  党議拘束の害  官僚と議員  政党と宗教  憲法改正

第6講 安全保障
 国境はなぜあるか  交戦権  自衛戦争  非武装中立  軍事同盟  徴兵制と志願制  核兵器  自衛隊は軍隊か  戦争の目的

第7講 教育
 教育とはなにか  税金で教育費を負担する  初等教育で、なにを学ぶ  中等教育で、なにを学ぶ  高校が壊れている  大学が空洞化している  大学無償化?  大学ごとの奨学金  大学入試はいらない  教育の哲学  研究で世界をリードできるか

第8講 年金
 老後の保障  家族のネットワーク  貯蓄して老後に備える  貯蓄のムダ  何歳まで生きる  年金はどういう契約か  年金は貯蓄より得  市場と税の中間  年金が破綻したら  年金の不公平  世代間の不公平  年金のリセット  年金は公的サーヴィス

第9講 医療保険
 医療保険とは  保険の仕組み  医療保険  国民皆保険  オバマ・ケア  医療保険は福祉の基本  医療保険は再配分  医療費が増大したら  増税しか道はない  医療保険が破綻したら

第10講 家族
 市場の外の家族  家族とは何か  家族と食事  家族の本質  家族と市場  社会の単位  政府は家族に中立  性的マイノリティ  夫婦別姓  血縁は絶対なのか  福祉と介護  少子化対策は正しいか  なぜ独身なのか  独身でなにが悪い  人口が減るということ

第11講 自由
 自由とは何だろう  鳥は自由なのか  モーツァルトの自由  自由は選択  自由と社会  近代と自由  政府のつくりかた  市場の自由  地球と自由  南北の課題

あとがき (二〇一八年七月  橋爪 大三郎)


≪著者: ≫ 橋爪大三郎 (はしづめ・だいさぶろう) 1948年、神奈川県生まれ。社会学者。東京工業大学名誉教授。77年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。95〜2013年、東京工業大学教授。主な著書に『はじめての構造主義』『はじめての言語ゲーム』(以上、講談社現代新書)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『世界は宗教で動いている』『戦争の社会学』(以上、光文社新書)、『国家緊急権』(NHKブックス)、『政治の教室』(講談社学術文庫)、『丸山眞男の憂鬱』(講談社選書メチエ)、『フリーメイソン』(小学館新書)、『世界は四大文明でできている』(NHK出版新書)など多数。


橋本治+橋爪大三郎 『だめだし日本語論』(atプラス叢書、太田出版、2017年) '17/09/27
橋爪大三郎×大澤真幸 『げんきな日本論  Sociology of Japanese History 』(講談社現代新書、2016年) '17/04/02
橋爪大三郎/植木雅俊 『ほんとうの法華経  The Lotus Sutra in the True Sense 』(ちくま新書、2015年) '16/01/10
橋爪大三郎/大澤真幸/宮台真司 『おどろきの中国  Astonishiing Chaina 』(講談社現代新書、2013年) '13/07/11
橋爪大三郎 『政治の教室  Politics For Beginners, 2001 』(講談社学術文庫、2012年) '12/07/18
橋爪大三郎×大澤真幸 『ふしぎなキリスト教  Wonders In Christianity 』(講談社現代新書、2011年) '11/11/11



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本「世界史序説 アジア史から一望する (ちくま新書1342)」岡本隆司5

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――アジア史の観点から世界史を一望。そのとき「ヨーロッパの奇跡」「日本の近代化」はどう位置づけられるのか。西洋中心の歴史観を覆し「来るべき」世界史をえがく。――

遊牧・農耕・交易。この三つの要素が交叉する場所で世界史は誕生した。遊牧と農耕の境界で交易が興り、シルクロードが現れる。やがて軍事力が機動性を高め、遠隔地を結ぶ商業金融が発達し、技術革新が生じ、生産力を拡大して、ついにモンゴル帝国の出現にいたった。そして、大航海時代が幕を開け、西欧とインドが表舞台に登場すると・・・・・・。こうした視座から歴史を俯瞰するとき、「ギリシア・ローマ文明」「ヨーロッパの奇跡」「大分岐」「日本の近代化」はどのように位置づけられるのか? ユーラシア全域と海洋世界を視野にいれ、古代から現代までを一望。西洋中心的な歴史観を覆し、「世界史の構造」を大胆かつ明快に語るあらたな通史、ここに誕生!


≪目次: ≫
はじめに 日本人の世界史を
 巷の「世界史」/普遍史と世界史と西欧/グローバル・ヒストリーまで/西洋中心史観/自国史・日本史・東洋史/西と東/東西格差/アジアから見る歴史/日本人の世界史

第I章 アジア史と古代文明
1 アジア史学の構想・構成
 東洋史学の現状/東洋史学の隘路/時代区分のみなおし/東西交渉史のみなおし/先達の構想/考察の端緒/アジアの地域構成/シルクロードとは何か
2 古代文明とアジア史の出発
 文明のはじまり/遊牧の位置/文明の構成/オリエント/ギリシア・ローマ・インド/中央アジアから中国へ
3 「大移動」と古代文明の解体
 「滅亡」の時代/寒冷化/新しい体制/宗教・信仰の時代/「世界宗教」?/キリスト教とローマ・オリエント/東アジアの仏教

第II章 流動化の世紀
1 東と西の再統一
 優越するオリエント/イスラームの登場と席巻/オリエントの再統一/イスラームの定着/中央アジアの位置/突厥から隋唐へ/唐と中央アジア
2 移動と分立の東西アジア
 「東アジア」と「東ユーラシア」/仏教の位置/仏教帝国の夢/安史の乱/「東ユーラシア」の解体/ウマイヤ朝からアッバース朝へ/イスラームの多元化へ/ペルシアと中央アジア/ウイグルと中央アジアのトルコ化/イスラーム化とトルコ化の進展/西進する遊牧民
3 トルコ化と契丹
 焦点としてのウイグル/ウイグルとソグド/トルコ化・イスラーム化の内実/トルコ人の制覇と温暖化/契丹の勃興/唐宋変革/多国共存体制/モンゴル帝国の前提

第III章 近世アジアの形成
1 モンゴル帝国の建設
 モンゴルの登場/東西草原世界の制覇/政権の組織化/東西の拡大/第二のステージ/フラグの西征/クビライの達成
2 モンゴルの達成
 停止する拡大/遊牧政権の集大成/軍事と通商/首都圏の建設/商業と徴税/通貨制度
3 ポスト・モンゴルの転換
 陸から海へ/「一四世紀の危機」/チャガタイ=トルコとティムール朝/イランの形成/オスマン帝国/近世アジアの展開
4 明清交代と大航海時代
 明朝の成立/「中華」の純化/社会の商業化/「北虜南倭」/清朝の興起と達成/海上交易/インドの勃興/グローバル世界史の形成

第IV章 西洋近代
1 イタリアの盛衰と近代ヨーロッパの胎動
 地中海とイタリア/ヨーロッパとローマ/焦点としてのシチリア/フリードリヒ大帝/ルネサンスの背景/ルネサンスとは何か/イタリアの位置/没落
2 「海洋帝国」から大英帝国へ
 スペイン・ポルトガル/「海洋帝国」/西欧・北欧の位置/オランダ/環大西洋経済圏/量的拡大/イギリスの登場/イギリスの黎明/アングロ・サクソン的「法の支配」/凝集する国家
3 帝国主義と東西の「帝国」
 産業革命/革命の集結と大英帝国/近代世界経済とその核心/信用の拡大と投資の出現/帝国主義と現代/「大分岐」「大収斂」/「西欧の奇跡(ヨーロピアン・ミラクル)」/東の「帝国」と「法の支配」/西の「帝国」と「中世」

おわりに 日本史と世界史の展望
 「中世」と「近代」/「近代」と歴史学/「中世」の存否――中国と日本/日本人と歴史学と日本史/近世までの列島/「大開発」の進行と停頓/社会経済の転換/日本史とアジア史と西欧/近代日本と現代世界

あとがき (二〇一八年五月 新緑あふれる賀茂の畔から 岡本隆司)
文献一覧


≪著者: ≫ 岡本隆司 (おかもと・たかし) 1965年生まれ。京都府立大学文学部教授。主な著書に、『近代中国史』(ちくま新書)、『近代中国と海関』『属国と自主のあいだ』(いずれも名古屋大学出版会、前者で大平正芳記念賞、後者でサントリー学芸賞を受賞)、『中国の誕生』(名古屋大学出版会、アジア・太平洋特別賞・樫山純三賞受賞)、『李鴻章』(岩波新書)、『中国の論理』(中公新書)がある。


岡本隆司 『近代中国史』(ちくま新書、2013年) '13/08/13
岡本隆司 『李鴻章 東アジアの近代』(岩波新書、2011年) '11/12/16
岡本隆司 『中国「反日」の源流』(講談社選書メチエ、2011年) '11/02/10
岡本隆司 『世界のなかの日清韓関係史 交隣と属国、自主と独立』(講談社選書メチエ、2008年) '10/02/09
三谷博/並木頼寿/月脚達彦 編著 『大人のための近現代史 19世紀編』(月脚達彦/遠藤泰生/川島真/櫻井良樹/千葉功/デイヴィッド・ウルフ/松本武祝/茂木敏夫/飯島渉/生田美智子/大谷正/岡本隆司/岸本美緒/木畑洋一/栗原純/小島毅/斎藤修/塩出浩之/杉原薫/鈴木智夫/高橋均/豊見山和行/中見立夫/新村容子/朴薫/古田元夫/松方冬子/宮崎ふみ子/吉野誠 執筆、東京大学出版会、2009年) '09/12/02



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本「日本思想史の名著30 (ちくま新書1343)」苅部直5

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日本思想史の名著30 (ちくま新書)
○著者: 苅部 直
○定価: 本体価格860円+税
○ISBN: 978-4480071590














『古事記』から丸山眞男『忠誠と反逆』まで、日本思想史上の代表的名著30冊を選りすぐり徹底解説。人間や社会をめぐる、この国の思考のあり方を明らかにする。

千数百年におよぶ日本思想史上には、画期となる名著が多数生まれてきた。あるときは神話や物語、説話の形をとり、またあるときは歴史書・史論、社会・政治評論、そして近現代にはアカデミズムの産物として現れてきた研究書や「日本国憲法」などの法文――それらの名著群を博捜するなかから三十点を選りすぐり読み解くことで、「人間とは何か」「人間社会とは何か」という普遍的な問いに応える各時代の思考様式を明らかにする。遠い過去の思考に、現代を考えるヒントをさぐる。


≪目次: ≫
まえがき (二〇一八年六月)

I
1 『古事記』――国土とカミの物語
2 聖徳太子 「憲法十七条」――古代王朝における「和」
3 『日本霊異記』――不思議な道理との出会い
4 慈圓 『愚管抄』――歴史と現在を貫く「道理」
5 親鸞・唯圓 『歎異抄』――「誓願」へのまなざし
6 日蓮 『立正安国論』――世界へ広がる視野
7 北畠親房 『神皇正統記』――政治における「徳」と「正統」

II
8 山崎闇斎 『大和小学』――神代史にひそむ普遍
9 新井白石 『西洋紀聞』――異文化間の理解は可能か
10 伊藤仁斎 『童子問』――対話としての学
11 荻生徂徠 『政談』――まぼろしの庭園
12 山本常朝・田代陣基 『葉隠』――「家職」に生きる勇気
13 山片蟠桃 『夢ノ代』――「無鬼」の批判精神
14 海保青陵 『稽古談』――商業と「自由」
15 本居宣長 『くず花』――国学と儒学の対決
16 平田篤胤 『霊の真柱』――「幽冥」へのまなざし

III
17 會澤正志斎 『新論』――徳川末期の総合政策論
18 横井小楠 『国是三論』――「公論」の政治と世界平和
19 福澤諭吉 『文明論之概略』――人類の目的としての「文明」
20 中江兆民 『三酔人経綸問答』――複眼思考のすすめ
21 徳富蘇峰 『将来之日本』――「新日本」への道
22 「教育勅語」――国民道徳と天皇

IV
23 吉野作造 「憲政の本義を説いて其有終の美を済すの途を論ず」――リベラリズムのゆくえ
24 平塚らいてう 『元始、女性は太陽であった』――フェミニズムの夜明け
25 柳田國男 『明治大正史 世相篇』――「小さな声」の歴史
26 和辻哲郎 『倫理学』――「人間の学」の体系
27 九鬼周造 『人間と実存』――自由の哲学の試み
28 「日本国憲法」――平和主義と「国民主権」
29 丸山眞男 『忠誠と反逆』――思想史における「転形機」
30 相良亨 『日本人の心』――伝統との対決


≪著者: ≫ 苅部 直 (かるべ・ただし) 1965年、東京都生まれ。東京大学法学部教授。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。専門は日本政治思想史
1965年、東京都生まれ。東京大学教授。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。専門は日本政治思想史。著書『光の領国 和辻哲郎』(岩波現代文庫)、『丸山眞男――リベラリストの肖像』(岩波新書、サントリー学芸賞)、『鏡の中の薄明』(幻戯書房、毎日書評賞)、『歴史という皮膚』(岩波書店)、『秩序の夢』(筑摩書房)、『「維新革命」への道――「文明」を求めた十九世紀日本』(新潮選書)、『日本思想史への道案内』(NTT出版)など。


苅部直 『歴史という皮膚』(岩波書店、2011年) '11/04/28
苅部直 『光の領国 和辻哲郎』(岩波現代文庫、2010年) '11/04/22
苅部直 『丸山眞男 リベラリストの肖像』(岩波新書、2006年) '11/04/18



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本「欧州ポピュリズム EU分断は避けられるか (ちくま新書1327)」庄司克宏5

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欧州連合(EU)が、ポピュリズム危機に揺れている。反移民の声は衰えず、ポピュリズム政党への支持は増え続けている。中東欧では政権を担う党すら現れた。いまや、欧州の政治は左右対立ではなく、親EUの既成政党と反EUのポピュリスト政党という対立軸で動いているのだ。ポピュリズムの台頭を招いた要因はなにか。EUの基本理念であるリベラリズムは守られるのか。その統治機構や政策から分析する。


≪目次: ≫
はじめに 欧州ポピュリズムの衝撃
1 二〇一七年ポピュリズム危機――アムステルダムからプラハへ
 欧州大陸における二〇一七年選挙とポピュリスト政党/三月一五日オランダ総選挙/五月七日フランス大統領選挙/九月二四日ドイツ総選挙/一〇月一五日オーストリア総選挙/一〇月二〇日―二一日チェコ総選挙
2 欧州ポピュリズムの台頭と浸透
 欧州ポピュリズムへの支持拡大/政党イデオロギーとしてのポピュリズムの浸透
3 フランスとドイツにおけるポピュリズムとEU
 マリーヌ・ルペンとFrexit/「ドイツのための選択肢」(AfD)と反EU政策
4 本書の構成

第一章 欧州ポピュリズムとは何か
1 ポピュリズムをどのように捉えるか
 ポピュリズムの定義/排外主義・ポピュリズム/反リベラル・ポピュリズム
2 ポピュリズムとリベラル・デモクラシー
 リベラル・デモクラシー/リベラル・デモクラシーのバランスが維持されない場合/欧州ポピュリズム対リベラルEU/欧州懐疑主義――ハードとソフト
3 グローバル化と欧州ポピュリズム
 グローバル化は何をもたらしたか/グローバル化とEU/グローバル化の「管理」/グローバル化の「管理」と欧州ポピュリズム

第二章 EUとはどのような存在なのか
1 「主権の共有」とEUの自律性
 「主権の共有」と相互干渉/EUの自律性と脆弱性
2 単一市場と派生的政策
 EUの存在意義としての単一市場/単一市場の派生的政策
3 EUの権限と予算
 EU権限の強度と政策分野/EU予算
4 EUの運営と正当性
 EUの運営――超コンセンサス追求型/インプット型正当性と「民主主義の赤字」/アウトプット型正当性とEUの揺らぎ
5 EUの基本的価値と加盟条件
 EUが重視する価値とは何か?/EUに加盟するための条件は何か?――コペンハーゲン基準/EUの基本的価値に著しく違反するとどうなるか?――権利停止手続/「法の支配枠組み」/EU司法裁判所への提訴――権利停止手続の代替手段?/EUは加盟国を除名することができるか

第三章 欧州ポピュリズムはなぜ出現したのか
1 ポピュリズムの一般的発生要因
 ポピュリズムはなぜ発生するのか
2 欧州ポピュリズムの構造的要因
 欧州統合のパラドクス/モネ方式と「許容のコンセンサス」/スプラナショナル・コンプロマイズの範囲とその拡張/マーストリヒト条約とデンマーク・ショック/フィッシャー構想と欧州憲法条約の挫折/「許容のコンセンサス」の崩壊/国内政治における「隔離」と「空洞化」/各国民主主義の機能不全/EUの非多数派機関と欧州ポピュリズム/国内政治からの「隔離」がない場合
3 排外主義・ポピュリズムと移民・難民問題――国内政治からの「隔離」がない場合
 欧州市民は移民・難民をどう見ているか/移民・難民政策分野の権限はどこにあるのか
4 反リベラル・ポピュリズムとコペンハーゲン・ディレンマ――国内政治からの「隔離」がない場合
 EU加盟プロセスの国内政治からの「隔離」/コペンハーゲン・ディレンマと「隔離」の取り消し

第四章 欧州ポピュリズムはEUに何をもたらすのか
1 欧州ポピュリズムがEU政策決定に「侵入」する経路
 EUルート/国内ルート
2 欧州議会内の党派政治と欧州ポピュリズム
 欧州議会と反リベラル・ポピュリズム/なぜEUはハンガリーの反リベラル・ポピュリズムを容認するのか/ポーランドの半リベラル・ポピュリズムは続くのか/半リベラル・ポピュリズムとEU
3 国民投票と欧州ポピュリズム
 EU加盟国と国民投票/ポピュリスト政党が絡む国民投票/イギリス独立党(UKIP)とBrexit国民投票/EUからの「部分離脱」を問う国民投票 宗銃鵝三豸淒ギリシャ(EU緊縮政策)/EUからの「部分離脱」を問う国民投票◆宗銃鵝三賚伺ハンガリー(EUの難民割当)/EUからの「部分離脱」を問う国民投票――二〇一六年オランダ(EU・ウクライナ連合協定の批准)

第五章 リベラルEUのゆくえ――どう対応するのか
1 EUの立て直しと将来シナリオ
 ブラティスラヴァ宣言とEUの立て直し/欧州将来白書における五つのシナリオ
2 アラカルト欧州の試みと挫折
 イギリスによる「EU改革」提案/イギリス・EU改革合意
3 二速度式欧州のシナリオ
 二速度式欧州/二速度式欧州をめぐる「東西対立」/ローマ宣言の採択/マクロン仏大統領のソルボンヌ演説/首脳アジェンダ
4 リベラルEUの課題
 「コペンハーゲン・ディレンマ」――EUにおける法の支配のゆくえ/東西対立と南北対立/リベラルEUの将来シナリオ/統合領域の限定?

あとがき (二〇一八年三月 庄司克宏)
主要参考文献


≪著者: ≫ 庄司克宏 (しょうじ・かつひろ) 1957年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。横浜国立大学大学院教授などを経て、慶應義塾大学大学院法務研究科教授ジャン・モネEU研究センター所長。EUの法制度と政策を専門とし、主著に『欧州連合』(岩波新書)、『欧州の危機』(東洋経済新報社)、『はじめてのEU法』(有斐閣)などがある。




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本「民主政とポピュリズム ヨーロッパ・アメリカ・日本の比較政治学 (筑摩選書0162)」佐々木毅 編著5

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反エリート、反移民、反グローバリズムといった潮流が、ヨーロッパ諸国でもアメリカでも強まっている。貧困層のために立ち上がるはずの中道左派はグローバル化へと舵を切り、労働者階級はポピュリストを支持するようになった。こうした中で先進諸国の民主政は変調を来し、その連鎖は拡大しつつある。ポピュリズムの台頭は、各国の内政・外交にいかなる帰結をもたらすのか? 複雑な様相を呈する民主政の現在を第一線級の研究者が鋭く分析し、来るべき民主政のあり方を展望する。


≪目次: ≫
はじめに佐々木 毅


第I部
第1章 ポピュリズムの挑戦とEU (池本大輔)
 1 ポピュリズムとは何か?
 2 ポピュリズムが台頭するのはなぜか?
 3 なぜEUはポピュリズムの挑戦にさらされやすいのか?
 4 ポピュリズムの成否をわけるもの
 5 ポピュリズムの帰結

第2章 ゆらぐドイツの大連立――メルケル政権の展望 (安井宏樹)
 1 二大政党の敗北
 2 二〇一三年選挙の特殊事情
 3 難民政策と新興右翼政党
 4 ヴァイマール末期の再来?
 5 「ジャマイカ連立」と「信号連立」
 6 ナチスという呪縛

第3章 ブレグジットとイギリス政治阪野智一
 1 二大政党政治への回帰
 2 保守党の敗因
 3 労働党が躍進した理由
 4 ブレグジットはどう影響したか?
 5 政党と支持層のねじれ現象
 6 イギリス政党システムの変容と今後

第4章 マクロン大統領とフランス政治の行方野中尚人
 1 マクロンとその党が勝利するまで
 2 大激変の選挙結果はなぜ生じたのか?
 3 マクロンとはどのような人物か?
 4 社会党の崩壊とポピュリズムの台頭?
 5 マクロン政権とフランス政治の今後

第5章 イタリアと「民主主義の赤字」 (伊藤 武)
 1 イタリアの戦後政治
 2 「五つ星運動」の台頭と中道左派、中道右派
 3 憲法改正と選挙制度改革の挫折
 4 イタリア政治、今後の展望
 5 日本への示唆

第6章 二〇一七年のヨーロッパを乗り越えて水島治郎
 1 既成政党の不振、二大政党の弱体化
 2 危機に立つ中道左派政党
 3 共通する「四どもえ」の構造


第II部
第7章 トランプ政権とアメリカ政治待鳥聡史
 1 強調が続かないトランプ政権と議会共和党
 2 憲法制定時のアメリカ大統領
 3 「現代大統領制」の出現
 4 アメリカ大統領制の制度的特徴
 5 大統領のディレンマと分極化
 6 トランプは「普通の共和党大統領」になるのか?
 7 中長期的な社会変化への影響にも注目を

第8章 二〇一七年総選挙と日本政治谷口将紀
 1 調査から分かった有権者の傾向
 2 選挙で重視した政策は何か?
 3 憲法改正をめぐる調査結果
 4 自民党・立憲民主党・希望の党当選者の比較
 5 有権者と政治家のイデオロギー分布

第9章 日本政治の展望飯尾潤
 1 三つの「想定外」
 2 混乱の背景に何があるのか
 3 安倍政権の四つの問題点
 4 今後のための、五つの論点

第10章 財政危機からみた政治システムの問題小林慶一郎
 1 世代間問題が示す政治の限界
 2 将来世代の利益擁護には何が必要か
 3 仮想将来人の社会契約論
 4 社会統合の理念の再生

最終章 現代民主政の変容を読み解くために佐々木 毅
 1 「一九八九年の精神」
 2 歴史の中の民主政
 3 先進民主政と新興民主政の行方


あとがき (二〇一八年五月五日  佐々木 毅



≪編著者: ≫ 佐々木 毅 1942年秋田県生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学教授、東京大学総長等を経て、日本学士院会員・東京大学名誉教授。博士(法学)。政治学・西洋政治思想史を専攻。著書に『マキアヴェッリの政治思想』(岩波書店)、『いま政治になにが可能か』(中公新書、吉野作造賞)、『政治に何ができるか』(講談社、東畑記念賞)、『プラトンの呪縛』(講談社、和辻哲郎文化賞、読売論壇賞)、『政治学講義』(東京大学出版会)、『政治学は何を考えてきたか』(筑摩書房)、『政治の精神』(岩波新書)など多数。

[執筆者: ] 飯尾潤 (いいお・じゅん) 1962年生まれ。政策研究大学院大学教授。政治学・現代日本政治論を専攻。著書に『民主化の政治過程』(東京大学出版会)、『日本の統治構造』(中公新書)、『現代日本の政策体系』(ちくま新書)等。

[執筆者: ] 池本大輔 (いけもと・だいすけ) 1974年生まれ。明治学院大学法学部教授。政治学・ヨーロッパ国際関係史・イギリス政治を専攻。著書に『ヨーロッパ通貨統合史 1970-79年:イギリスとフランスの経験(英文:パルグループ・マクミラン)』。

[執筆者: ] 伊藤 武 (いとう・たけし) 1971年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科准教授。比較政治学・ヨーロッパ政治・イタリア政治を専攻。著書に『イタリア現代史』(中公新書)、共著に『保守の比較政治学』(岩波書店)等。

[執筆者: ] 小林慶一郎 (こばやし・けいいちろう) 1966年生まれ。慶應義塾大学経済学部教授。マクロ経済・経済動学を専攻。著書に『日本経済の罠』(共著、日本経済新聞出版社)、『逃避の代償』(日本経済新聞出版社)、『財政と民主主義』(共著、日本経済新聞出版社)等。

[執筆者: ] 阪野智一 (さかの・ともかず) 1956年生まれ。神戸大学大学院国際文化学研究科教授。比較政治学・イギリス政治を専攻。共著に『ブレアのイラク戦争』(朝日選書)、『現代イギリス政治』(成文堂)、『刷新する保守』(弘文堂)等。

[執筆者: ] 谷口将紀 (たにぐち・まさき) 1970年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科教授。政治学・現代日本政治論を専攻。著書に『現代日本の選挙政治』『政治とマスメディア』(以上、東京大学出版会)、『政党支持の理論』(岩波書店)等。

[執筆者: ] 野中尚人 (のなか・なおと) 1958年生まれ。学習院大学法学部教授。比較政治学・日本政治・フランス政治を専攻。著書に『自民党政権下の政治エリート』(東京大学出版会)、『自民党政治の終わり』(ちくま新書)、『さらばガラパゴス政治』(日本経済新聞出版社)等。

[執筆者: ] 待鳥聡史 (まちどり・さとし) 1971年生まれ。京都大学大学院法学研究科教授。政治学・アメリカ政治を専攻。著書に『政党システムと政党組織』(東京大学出版会)、『代議制民主主義』(中公新書)、『アメリカ大統領制の現在』(NHKブックス)等。

[執筆者: ] 水島治郎 (みずしま・じろう) 1967年生まれ。千葉大学大学院社会科学研究科教授。比較政治・ヨーロッパ政治史・オランダ政治を専攻。著書に『反転する福祉国家』(岩波書店)、『ポピュリズムとは何か』(中公新書)、共著に『保守の比較政治学』(岩波書店)等。

[執筆者: ] 安井宏樹 (やすい・ひろき) 1971年生まれ。神戸大学大学院法学研究科教授。政治学・ヨーロッパ政治史・ドイツ政治を専攻。共著に『政権交代と民主主義』(東京大学出版会)、『21世紀デモクラシーの課題』(吉田書店)等。


佐々木毅 『政治の精神』(岩波新書、2009年) '13/01/30
佐々木毅 『学ぶとはどういうことか』(講談社、2012年) '13/01/15
佐々木毅 『民主主義という不思議な仕組み』(ちくまプリマー新書、2007年) '13/01/02
佐々木毅 『政治学講義 [第2版]』(東京大学出版会、2012年) '12/12/29
佐々木毅 『宗教と権力の政治 「哲学と政治」講義II』(講談社学術文庫、2012年) '12/12/15
佐々木毅 『よみがえる古代思想 「哲学と政治」講義I』(講談社学術文庫、2012年) '12/11/01

飯尾潤 『現代日本の政策体系 政策の模倣から創造へ』(ちくま新書、2013年) '13/05/05




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本「行政学講義 日本官僚制を解剖する (ちくま新書1310)」金井利之5

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我々はなぜ官僚支配から抜け出せないのか。政治主導はなぜ無効なのか。支配・外圧・身内・権力の四つの論理で行政の作動様式を解明する、これまでにない入門書。

一九九〇年代に政治主導に向けたさまざまな政治・行政改革がなされたのに、かえって今や為政者の恣意と統治者への忖度が蔓延してしまっている。我々は悪しき支配から抜け出せないのか。支配・外界・身内・権力の四つの切り口で行政の作動様式を活写。その実相を解明したうえで、現在の官僚制とのつきあい方の心得を提示する。行政に携わる為政者にとっての「行政学の教科書」ではなく、支配と権力にさらされる被治者を読者として想定した、公務員対策たる「行政学の基本書」。


≪目次: ≫
序章 被治者にとっての行政
 々埓学とは/¬椶妨えにくい行政の正体/K椽颪料澗旅柔/ぢ茖云呂瞭睇構成――政治・自治・民衆・自由/ヂ茖仮呂瞭睇構成――環境・経済・外国・米国/β茖馨呂瞭睇構成――組織・職員・団体・人脈/第4章の内部構成――実力・法力・財力・知力

第1章 支配と行政
1 政治と行政
  〔閏臑寮における政治と行政――公選職政治家と行政職員/非民主制における政治と行政――武力革命政権と近代官僚制/H麑閏臑寮における政治家集団の再生産――官僚から政治家へ/ぢ寮移行と政治の位置づけ/ダ治家の練習をする、または、政治する高文官僚/Ω務員の「全体の奉仕者性」/Ю権交代と行政官僚制
2 自治と行政
 ヾ閏と自治/地方自治としての自治/戦前体制の国内支配制度――地方制度/す饑の民主化と自治/コ徳悗砲ける民主主義としての自治/広い意味での民主政治を実現する自治/Ц⇔亙立のための自治制――団体自治と住民自治/┨颪伴治体の政治と行政
3 民衆と行政
 ー己支配の回路/¬閏膽腟租無責任/D餽魁ν弋甕親亜伸ぁ峙卻」と「国民」的無責任/ス埓職員への就任機会/行政職員の国籍/民衆と行政職員の経済均衡/┨埓職員と民衆の類似性――代表的官僚制/行政過程への直接参加
4 自由と行政
 々駝閏膰△塙埓/⊆膰△塙埓/9駝閏膰△任呂覆個人の権利からの位置づけ/す駝閏膰△隆躙雲/ヌ閏膽腟舛箸いΑ嵜洋猊疂廚慮桐」/μ閏膽腟舛噺朕佑亮由――「自由のための民主的行政」/民主的行政と「行政からの自由」/民主主義的行政と「行政による自由」/民主主義的行政と「行政への自由」

第2章 外界と行政
1 環境と行政
 |詫/⇔鮖法伸5ぞ檗伸ぜ然環境/タ邑――総人口・年齢層別人口・地域別人口/Σ搬押伸地域社会と都市型社会
2 経済と行政
 〜点納奪と「代表なければ課税なし」/行政サービスへの対価というフィクション/7从儚発/づ治権力と経済権力/ス埓による経済支配の試み/国営企業など政府系企業/民営化は潮流か?/┻制・誘導
3 外国と行政
 [琉莵餡函伸近現代日本という領域画定/9餠画定と帝国/す駝厩餡函伸ノ琉莵餡抜屬粒宛髻伸Τ宛魎院伸Ч餾盜埓
4 米国と行政
 .汽鵐侫薀鵐轡好街嶇他鯡鸞寮/▲櫂張瀬狎觚声諾/9饑自治権拡充運動/て米安全保障条約体制/ダ鏝綟米関係の重さ/Α崋治領度」為政者のタイプ

第3章 身内と行政
1 組織と行政
 々埓組織の基本単位――省庁組織/二〇一〇年省庁再編/省庁内部組織/な担管理の原則――内閣の第一の原則/ス腟沈の原則――内閣の第二の原則/首相指導の原則――内閣の第三の原則/内閣制度の類型/内閣の補佐組織/独立組織
2 職員と行政
 ゞ畭綸な身分制?/∪鐐阿隆瑛制度/戦後公務員制度改革――身分制の打破/だ鏝絏革の挫折/ゥャリア・ノンキャリア制/ε合公務員制度と省庁官僚割拠制/Щ務官・技官
3 団体と行政
  峇洩碓貘痢廚痢峪佐永9臑痢廖伸∪官業の「鉄の三角系」/省庁共同体の「身内」――政官業報学地の六角形/こ鯵埣賃痢伸ゾ閉6ζ餌里瞭団А伸省庁共同体からの排除の論理/Ь閉6ζ餌里僚名再編と内閣という「中原」
4 人脈と行政
 |賃里反楊/∪権と人脈/政権の取り巻き/ご盈修寮治任用/ゴ盈修寮界・官界人脈づくり/Α岾惺察廚箸い人脈/э疊供覆韻い个帖法Ψ豈錙伸┐修梁召留錙伸人脈の弱さの弊害

第4章 権力と行政
1 実力と行政
 /洋呂伴体蓮伸国家警察から「自治体警察」へ/戦後都道府県警察の成立/つ觜餬蛎癲伸ダ衫里班霑解除/Α嶌瞳拡」と自衛隊/Ъ衛隊と文民統制/文民統制の補完メカニズム
2 法力と行政
 )[呂伴体蓮伸合法的支配/4盈柔的支配/ご盈柔的支配の永続性/ゴ盈塾法/λ[甼┻帖ζ盂嬲\局/Ч餡饋概弔塙餡馘弁/┯〇‥局――いわゆる「司法部」/裁判所の独立性
3 財力と行政
 〆睥呂畔樟/日本銀行と紙幣発行/「大蔵省支配」と「大蔵省解体」――大蔵・財務省主計局/ぢ臑◆財務官僚と政権交代/ズ眄民主主義と執政部予算/Ε潺ロ予算とマクロ予算――経済財政諮問会議/予算の周辺行政――予算関連法案・機構定員・給与改定・級別定数/予算の周辺財力/決算――会計検査院
4 知力と行政
 ‐霾鵑隼拉曄宗従霾鵑砲茲觜埓/空間・人的情報集積/E計調査/ざ軌蕁κ顕宗伸ゼ耕鈎亮院専門知識/広報・宣伝・答責/報道機関・電子情報空間/諜報と秘密保護と情報コミュニティ/情報格差と情報公開・個人情報保護

終章 行政とのつきあい方
 々埓を見る/¬閏臈行政の達成の難しさ/J饑歙鑪と保障戦略/いわりに

あとがき (二〇一八年一月七日 金井利之)


≪著者: ≫ 金井利之 (かない・としゆき) 1967年生まれ。東京大学法学部卒業。同助手、東京都立大学法学部助教授を経て、東京大学大学院法学政治学研究科教授。専門は自治体行政学。著書『地方創生の正体』(共著、ちくま新書)、『自治制度』『財政調整の一般理論』(以上、東京大学出版会)、『実践 自治体行政学』(第一法規)、『原発と自治体』(岩波ブックレット)、『原発被災地の復興シナリオ・プランニング』(共編著、公人の友社)など。



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本「アメリカ政治講義 (ちくま新書1331)」西山隆行5

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アメリカ政治講義 (ちくま新書)
○著者: 西山隆行
○定価: 本体価格820円+税
○ISBN: 978-4480071439










アメリカの時事問題の情報はますます増えているが、政治や社会の基本的な特徴や事実を踏まえていない論評も多く見られる。そこで、アメリカ政治を初学者にもわかりやすい形で、特定の視角や事例のみに依拠することなく、歴史、制度、文化、国際比較などの多様な視点から多角的に考察。長期的なアメリカの民主政治の考え方を重点的に解説する。さらに、単に政治過程について説明するだけではなく、デモクラシー論における規範的評価をも交えた、アメリカ政治入門書の決定版。



≪目次: ≫
はじめに

第一章 アメリカの民主政治
1 民主主義を具現する国、アメリカ?
 独裁政治の否定? 代表なくして課税なし?/共和政と民主主義の過剰/投票権の拡大/ジャクソニアン・デモクラシー/南北戦争と修正第一五条/女性参政権と選挙年齢
2 投票率の低さ
 そもそも問題なのか?/制度的要因/合理性に基づく説明
3 選挙に関する諸問題
 一票の格差/選挙管理と積極的投票権/重罪犯・元重罪犯の投票権剥奪/有権者ID
4 民主政治に関する諸問題
 利益集団政治/公共利益と民主政治/富と民主政治

第二章 大統領と連邦議会
1 大統領の権限
 行政権は大統領に属する/他の機関との関係
2 大統領と連邦議会の関係
大統領制と議院内閣制/分割政府/政策革新論/政界勢力集結と世論動員/大統領令/大統領令の問題点と利点
3 大統領のリーダーシップ
 リーダーシップに期待される理由/統治機構に対する不信/連邦議会議員の再選挙率の高さ/アウトサイダー候補への期待/リーダーシップとは?/政治状況とリーダーシップ

第三章 連邦制がもたらす影響
1 建国の由来
 連邦制とは?/人民主権と連邦制/連邦政府の権限増大
2 選挙・政党
 大統領選挙/大統領選挙人/全国党大会と選挙綱領/投票権
3 連邦制と多様性
 足による投票/民主主義の実験場/多様性の弊害
4 州・地方政府の限界と底辺への競争
 州・地方政府の限界/底辺への競争

第四章 二大政党とイデオロギー
1 現代アメリカの保守とリベラル
 アメリカにおける保守とは?/アメリカにおけるリベラルとは?
2 政党
 地方政党の連合体/利益集団の連合体/政党規律の弱さ/地方政党の衰退とメディア
3 分極化と対立の激化
 南部保守派の離反/対立の激化/利益集団の連合体としての民主党/イデオロギー志向の共和党/南部の共和党化/保守革新の完了?/権力を持った保守・共和党の苦悩

第五章 世論とメディア
1 世論による支配
 世論の曖昧さと危うさ/リップマンの懸念/世論による支配/世論と政治制度
2 メディア
 メディアの発展/空中戦と地上戦/メディアのバイアス/メディアが政治を変える/政治社会の分極化とメディア/フェイクニュースとメディア不信/メディアと統治

第六章 移民・人種・白人性
1 移民
 「多からなる一」/移民の国アメリカ/不法移民問題/二大政党と不法移民問題/中南米系の特殊性/国籍・麻薬・テロ
2 人権問題
 公民権運動の理念/ブラックパワー運動/積極的差別是正措置/多文化主義への反発
3 白人の反発
 白人労働者階級/白人労働者階級の被害者意識/社会福祉とジェンダー/トランプ現象をどう理解するか

第七章 税金と社会福祉政策
1 小さな政府? 大きな政府?
 納税者の反発/エレファントカーブ/中間層の不満
2 予算と税をめぐる攻防
 税の作り方/税をめぐる攻防
3 社会福祉政策
 市場の役割重視と労働という規範/医療保険/民間医療保険/オバマケア/拠出型と非拠出型/社会保障年金/企業年金/公的扶助/州政府の役割増大/勤労税額控除とNPOの役割
4 通商政策と社会福祉政策
 自由貿易に対する懐疑/自由貿易と社会福祉政策

第八章 文化戦争の諸相
1 社会的争点と裁判所の政治的役割
 社会的争点の重要性/裁判所の政治的役割/連邦判事の任命/裁判所の政治的利用
2 宗教とモラル
 宗教の重要性/政教分離/宗教の多様性と選択/プロテスタントの分裂/進化論と人工妊娠中絶/同性愛、同性婚
3 銃規制
 銃規制が進まないのはなぜか/建国の理念と反政府の伝統/都市と農村の対立/全米ライフル協会(NRA)

あとがき
主要参考文献



≪著者: ≫ 西山隆行 (にしやま・たかゆき) 1975年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。甲南大学法学部教授を経て、成蹊大学法学部教授。専門は比較政治・アメリカ政治。著書に『移民大国アメリカ』(ちくま新書、2016年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治』(東京大学出版会、2008年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2008年)、)、『マイノリティが変えるアメリカ政治』(共編著、NTT出版、2012年)、『知的公共圏復権の試み』(共編著、行路社、2006年)など。




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本「京都がなぜいちばんなのか (ちくま新書1329)」島田裕巳5

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京都がなぜいちばんなのか (ちくま新書)
○著者: 島田裕巳
○定価: 本体価格800円+税
○ISBN: 978-4480071415











日本のみならず、世界中の人をひきつける有数の観光地、京都。なぜ、京都は今の京都になってきたのか、その過程を探る。対象となるのは名高い京都の神社仏閣だ。それぞれに歴史があり、謎がある。その謎を一つ一つ解いていくと、今とは違う姿をとっていたことが明らかになってくる。「清水の舞台は飛び降りるためにあった?」「焼失前の金閣寺の姿とは?」「苔寺に苔はあったのか?」京都のいまだ隠された魅力を見つけ、人を惹きつけてやまない源泉を明らかにする。


≪目次: ≫
はじめに
 「千年の都」の奥深さ/散歩がそのまま歴史探訪

第一章 稲荷山に千本鳥居はいつ出現したのか
 千本鳥居は昔からあるわけではない/千本鳥居の先に広がる「お塚」/「お塚」は、なぜ明治以降に増えたのか/千本鳥居は、いつ建てられたのか/稲荷山に隠された古代の信仰/清少納言の証言

第二章 八坂神社に祀られた祟る神の威力
 京都の三大祭/祭神が変更になった八坂神社/「神仏判然令」による変化/牛頭天王から素戔嗚尊へ/牛頭天王の正体/祟り神は逆に利益をもたらす/怨霊として恐れられた天皇/怨霊が跋扈する京の都

第三章 清水の舞台は飛び降りるためにある
 創建当時の清水寺の姿/清水寺に、いつから舞台ができたのか/死の世界のただ中に建つ寺/秘仏となっている本尊/舞台から、本当に飛び降りていた/死のイメージがつきまとう清水寺

第四章 苔寺に苔は生えていなかった?!
 苔寺の拝観料は、なぜ三〇〇〇円なのか/昔の苔寺に苔はなかった?/「水の都」としての京都/明治の写真で確認すると・・・・・・/西芳寺の歴史をひもとく/西芳寺が「苔寺」として人気が出た理由/カラー写真なればこそわかる魅力

第五章 どんな金閣寺が焼けたのか
 京都第一の名所/焼失前の金閣寺の姿/三島は、焼失前の金閣を見ていたのか/三島はなぜ『金閣寺』を書いたのか/「キンキラキンの金閣寺」/「美への嫉妬」という矛盾/金閣寺における三島の美学

第六章 金閣寺の正体
 足利義満の住居として改修された金閣寺/義満亡き後の荒廃/江戸時代からの復興/本に残っている金閣寺/金閣寺の役割とは何だったのか/金箔はどの程度貼られていたのか/再建にまつわる大問題/最終段階での大幅変更/再建のための二つの選択肢/創建当時の姿に復元/金箔の使用が解禁になった理由/ふくれあがった予算額/国宝指定を解除されたことの意味/金閣の内部のあり方/阿弥陀堂の性格ももった金閣/金閣が京都のシンボルになり得た理由

第七章 銀はなくても銀閣寺
 銅板葺の銅閣も存在する/銀閣に銀は貼られていたのか/銀閣は何のための建物だったか/応仁の乱後に建てられたという事情/「銀沙灘」の存在が銀閣の由来か/色を愛でる場所、京都

第八章 密教空間としての平等院鳳凰堂
 仏教宗派の本山が集まった町/どの宗派にも属していない平等院/かつての平等院の伽藍配置/最澄と空海の役割/阿弥陀如来像に密教的な要素があるのか/密教が仏教界を席捲/密教色が一掃された平等院

第九章 京都の鬼門と裏鬼門
 比叡山延暦寺石清水八幡宮の役割/京都の「鬼門除け」/密教を初めて日本にもたらした最澄/南部六宗に対抗した最澄の試み/比叡山の発展/修行の場としての比叡山/伊勢神宮と並ぶ二所宗廟の一つ、石清水八幡宮/人々の信仰が厚かった石清水八幡宮/神仏分離により風景が一変/近代以前の京都と近代以降の京都

おわりに


≪著者: ≫ 島田裕巳 (しまだ・ひろみ) 1953年東京生まれ。宗教学者、文筆家。1976年東京大学文学部宗教学科卒業。1984年同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。専攻は宗教学。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員などを歴任。現在は、東京女子大学非常勤講師。著書に『創価学会』(新潮新書)、『葬式格差』(幻冬舎新書)、『神も仏も大好きな日本人』(ちくま新書)、『戦後日本の宗教史』(筑摩選書)、『天皇は今でも仏教徒である』(サンガ新書)、『日本の新宗教』(角川選書)等。



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本「英米哲学入門 「である」と「べき」の交差する世界 (ちくま新書1322)」一ノ瀬正樹5

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私が生まれる前にも世界は本当に存在していたのか? ものごとには原因と結果があるという確信は、実は思い込みにすぎないのではないか? この世界の当たり前のありようを疑い、立ち止まって問うてみること。それこそが哲学の入口であり核心である。ロック、バークリ、ヒューム、ラッセル、ウィトゲンシュタイン・・・・・・ 「経験」や「言語」を足場に考え抜いた哲学者たちの議論を糸口に、素朴にして深遠な哲学の根本問題へといざなう。事実(である)と規範(べき)が織りなす世界の謎を読者とともに思考する、笑いあり涙あり(?)の入門講義。


≪目次: ≫
はじめに

第1章 世界のすがた
第1話 リアリティの謎
 夢と現実/ビッグバン理論/想像可能性/無常ということ/科学と宗教/時間の基準/光速度不変/自分が生まれた後の世界/世界五分前出現仮説/閉じこもる/【質疑応答の時間】
第2話 観念論の洞察
 トレードオフ/心の中/「観念」の登場/「知覚の因果説」の問題/観念と言語/受動的に降りかかる/定義できない単純観念/暗黙の同意/【質疑応答の時間】
第3話 条件文的な可能性
 はなれてあること/空間の理解/触覚の観念/カントのこと/もしなになにしたら/センシビリア/観念を超えるもの/観念力の威力/「ある」とは知覚されること/【質疑応答の時間】
第4話 「ある」から「である」へ
 知覚していないもの/胡蝶の夢/「である」への変成/「心」が知覚すること/量子論と不確定性原理/波束の収縮/量子力学と哲学/コインシデンス/強い人間原理/【質疑応答の時間】

第2章 世界のきまり
第1話 必然性あれこれ
 「報い」としての「死」/死刑論/ピュシスとノモス/事実と規範への問い/責任概念の介入/因果と応報/原因の先行/応報と必然性/原因指定の多様性/三種の必然性/規範的必然性/【質疑応答の時間】
第2話 ないけど肯定される因果
 「異」「同」の二面作戦/子の原因は親/「によって」という関係/因果関係なんてない/夫婦関係との類比/すべての関係性はノモス?/因果的効果性/段取りを重ねる/ないけれど否定されない/ヒューム因果論の発想/【質疑応答の時間】
第3話 ランダム性、そして混沌
 ランダム化比較試験/ヒュームの疑問を免れているか/ランダム性と規則性/隠れた偏り?/浮動的安定/恒常的連接と斉一性の原理/因果関係はクセになる/ヒュームとカント/立ち上がる疑問/破綻してゆく恒常的連接/二階の因果関係/因果的超越の暗闇/【質疑応答の時間】
第4話 確率から条件分析へ
 決定論の登場/決定論は信仰?/決定論的誤謬/確率的因果の考え方/共通原因/「真の原因」の謎/結果の生起確率を低める原因/原因になるはずだけど原因ではない/反事実的条件分析の導入/反事実的条件分析の効力/原因と必要条件/因果的先取の問題/早い・遅い因果的先取/因果連鎖/「脆さ」と「影響」/現実因果、そして不在/【質疑応答の時間】

第3章 世界にすまう
第1話 因果にしみこむ不在性
 因果関係が問題になるとこ/価値的にネガティブなこと/言語行為の三つの様相/音楽化された認識論/逸脱基底的/クアエリ原理/因果性の普遍的広がり/逸脱と後悔/不在因果の問題/野放図因果/通時的野放図因果/予防の不在/【質疑応答の時間】
第2話 因果と予防
 野放図性の程度/ポジティブな価値を持つ結果/予防が不要な場合/予防可能と予防無縁/確率への考慮/曖昧性の介入/予防可能度/コストと所要時間/結果からの時間的距離/予防可能度の定式化/原因指定の適切度/【質疑応答の時間】
第3話 「である」と「べき」のはざま
 共時的野放図性に立ち向かう/不在因果と「べき」の問題/「べき」は「できる」を含む/ヒュームの法則/自然主義的誤謬/峻別主義と結合主義/「濃い概念」と「薄い概念」/規則のパラドックス/芸術的な規則性/傾性論と峻別主義/適合方向/記述性度/規範性度/記述性と規範性の相関/最後に「トロリー問題」に一言/「浮動的安定」から「死」という不在性へ/【質疑応答の時間】

参考文献
おわりに (平成三〇年二月  茨木県土浦市にて 一ノ瀬正樹)


≪著者: ≫ 一ノ瀬正樹 (いちのせ・まさき) 1957年茨城県土浦市に生まれる。東京大学文学部卒業。東京大学大学院哲学専攻博士課程修了。博士(文学)。東京大学大学院人文社会系研究科教授をへて、武蔵野大学教授。英国オックスフォード大学 Honorary Fellow。和辻哲郎文化賞、中村元賞、農業農村工学会賞著作賞を受賞。専門は哲学(因果論・パーソン概念)。著書に『英米哲学史講義』(ちくま文庫)、『人格知識論の生成』『死の所有』(東京大学出版会)、『原因と結果の迷宮』『原因と理由の迷宮』(勁草書房)、『確率と曖昧性の哲学』(岩波書店)、『放射能問題に立ち向かう哲学』(筑摩選書)、『東大ハチ公物語』(共編著、東京大学出版会)などが、論文に"Normativity, probability, and meta-vagueness"(Synthese (2017) ,Vol.194, No.10)などがある。

一ノ瀬正樹 『放射能問題に立ち向かう哲学』(筑摩選書、2013年) '13/03/02
デイヴィッド・ヒューム 『人間知性研究 〈新装版〉: 付・人間本性論摘要』(斎藤繁雄/一ノ瀬正樹 訳、法政大学出版局、2011年) '12/09/14
一ノ瀬正樹/伊東乾/影浦峡/児玉龍彦/島薗進/中川恵一 編著 『低線量被曝のモラル』(河出書房新社、2012年) '12/08/22
一ノ瀬正樹 『確率と曖昧性の哲学』(岩波書店、2011年) '12/07/25
一ノ瀬正樹 『死の所有 死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学』(東京大学出版会、2011年) '12/07/17
一ノ瀬正樹 『原因と理由の迷宮 「なぜならば」の哲学』(勁草書房、2006年) '12/07/08
一ノ瀬正樹 『原因と結果の迷宮』(勁草書房、2001年) '12/07/02
一ノ瀬正樹 『人格知識論の生成 ジョン・ロックの瞬間』(東京大学出版会、1997年) '12/06/06
一ノ瀬正樹 『死の所有 死刑・殺人・動物利用に向きあう哲学』(東京大学出版会、2011年) '11/12/30
一ノ瀬正樹 『確率と曖昧性の哲学』(岩波書店、2011年) '11/09/04



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本「世界がわかる地理学入門 気候・地形・動植物と人間生活 (ちくま新書1314)」水野一晴5

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気候、地形、動植物、人間生活……気候区分ごとに世界各地の自然や人々の暮らしを解説。世界を旅する地理学者による、写真や楽しいエピソードも満載の1冊!

世界には、さまざまな場所があり、多様な人々が暮らしている。そして、そんな各地の人間の暮らしは気候、地形、植生など色々なものの影響を受けている。ふだんは気づかなくとも、私たちの生活は自然と密接に結びついているのだ。「世界一美しい」ナミブ砂漠はなぜ赤いのか? ヨーロッパでオープンカフェが好まれるのはなぜなのか? 本書では、気候区分ごとに世界各地の自然環境と人々の暮らしを解説。五〇か国以上を訪問した著者による楽しいエピソードや写真も満載で、世界を知る楽しさが沸き起こる一冊。


≪目次: ≫
はじめに (2018年1月 水野一晴)
 世界の自然と人間生活/世界の気候区分と特徴

第1章 熱帯気候
1 自然
 熱帯(熱帯雨林とサバンナ)の分布/熱帯雨林の自然/サバンナの自然/シロアリ塚/熱帯雨林とサバンナの境界/熱帯雨林に生息する類人猿/人類発祥の物語「イーストサイドストーリー」
2 気候メカニズム
 大気の大循環と熱帯気候/熱帯収束帯が季節移動する理由/上昇気流が生じると雨が降って、下降気流が生じると乾燥する理由
3 熱帯雨林やミオンボ林の変化
 気候変動と熱帯雨林の縮小/近年の熱帯雨林の大量伐採/ミオンボ林の破壊と政治(ザンビア)
4 農業
 熱帯の農作物(天然ゴム、カカオ、コーヒー)/耕作形態/プランテーション/熱帯雨林の作物とその調理法(カメルーン)/熱帯雨林に住む農耕民と焼畑農業(カメルーン)/サバンナに住む人々とコーヒー(タンザニア)
5 住民生活
 自然とともに生きる狩猟採集民/熱帯雨林の狩猟採集民/ピグミーの人々/ムブティ・ピグミー(コンゴ民主共和国)/バカ・ピグミー(カメルーン)/ピグミーの精霊信仰(カメルーン)/トゥワ・ピグミー(ウガンダ)/ボルネオの熱帯雨林に住む人々(マレーシア)/サバンナの人々と果樹利用(ナミビア)/サバンナに住む人々の精霊信仰(タンザニア)/精霊と邪術師(タンザニア)/発展途上国の大都市への人口集中と治安の悪化/大都市のスラム化/大都市の深刻な交通渋滞

第2章 乾燥・半乾燥気候
1 自然
 砂漠とステップの分布/乾燥地の地形――インゼルベルク、メサ、ビュート/ナミブ砂漠の成立過程――白い砂丘から赤い砂丘へ/ナミブ砂漠の霧の発生メカニズム/砂漠の季節河川(ワジ、涸れ川)と洪水/かつての砂漠「カラハリ砂漠」
2 気候メカニズム
 砂漠はどこにできるか?/サヘルの干ばつはどうして起きるのか?
3 適応する動植物
 乾燥地に分布する植物の特徴と機能/ナミブ砂漠に1000年生きる固有種ウェルウィッチア/砂漠の季節河川沿いの脆弱な森林の生態/砂漠ゾウと地域住民/砂漠に生きる生物たちの知恵/フェアリーサークル(妖精の輪)の謎/砂漠の暗闇の中で生きるサソリ
4 農業
 半乾燥地の農作物/ステップの土はなぜ黒く、「世界の穀倉地帯」になるのか?
5 住民生活
 乾燥地帯で生きる人々/牧畜民コイコイ系ナマ民族の人々(ナミビア)/牧畜民ダラマの人々(ナミビア)/狩猟採集民サン(ブッシュマン)の伝統的な生活とその変化(ボツワナ)/トロフィーハンティングと地域住民/サンの人々の食事/サンの伝統的儀礼とシャーマニズム(ボツワナ)/牧畜民ヒンバの人々(ナミビア)/ラクダ遊牧を行うレンディーレの人々(ケニア)

第3章 寒帯・冷帯気候
1 自然
 ツンドラや亜寒帯(冷帯)地域の分布/氷河によってつくられた地形/日本の高山に見られる氷河地形/冷帯の森林分布
2 気候メカニズム
 寒帯・冷帯の分布とその気候メカニズム/高標高地の気候
3 冷涼地域の農業
 冷涼地帯の農業分布/氷河レスの堆積と農作物
4 高緯度地帯の住民生活
 極北の狩猟民、イヌイットの人々(カナダ)/イヌイットの慣習と現代生活/昼の長い夏と夜の長い冬(スウェーデン、ドイツ)
5 山岳地帯の農業
 ヒマラヤの森林利用と農耕(インド)/ヒマラヤのヤウ牧畜(インド)/アンデスのリャマ、アルパカの牧畜(ボリビア)
6 山岳地帯の住民生活
 高地に住む人々/ヒマラヤの住民社会(インド)/ヒマラヤの山と精霊信仰(インド)/ヒマラヤのチベット仏教(インド)/アンデス山系の人々の暮らし(ボリビア)/エチオピア高原の山岳地の人々の暮らし(エチオピア)/ケニア山の山岳信仰(ケニア)

第4章 温帯気候
1 自然
 温帯地域の分布/最終氷期ヨーロッパの自然環境と現在の植生の単調さ/地中海性気候の植生――ケープタウン周辺の多様な植生とケープペンギン
2 気候メカニズム
 夏がそれほど暑くならないヨーロッパと猛暑の日本/冬に雨が降る地中海性気候/高標高に位置する首都
3 住民生活
 西岸海洋性気候の自然と住民生活(ドイツ)/地中海性気候の自然と住民生活(イタリア)/先進国の大都市の問題――ドーナツ化現象・スプロール現象/ウォーターフロント再開発・インナーシティ問題・ジェントリフィケーション
4 日本の自然と住民生活
 日本の地形/日本の気候(温暖湿潤気候)/日本の森林/森林の利用/日本の精霊信仰/日本の自然と人々の生活

あとがき (2018年1月 水野一晴)

引用・参考文献


≪著者: ≫ 水野一晴 (みずの・かずはる) 1958年名古屋生まれ。京都大学大学院文学研究科地理学専修教授。理学博士。名古屋大学文学部地理学専攻卒業、北海道大学大学院環境科学研究科修士課程修了、東京都立大学大学院理学研究科地理学専攻博士課程修了。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科助教授などを経て、現職。専門は自然地理学(植生地理学)。調査地域は、ケニア山、キリマンジェロ、ナミブ砂漠、アンデス、インド・ヒマラヤ地域であり、調査・研究で訪れた国は50カ国以上。著書・編著書に『自然のしくみがわかる地理学入門』『人間の営みがわかる地理学入門』(ベレ出版)、『気候変動で読む地球史』(NHKブックス)、『高山植物と「お花畑」の科学』『アフリカ自然学』『アンデス自然学』(古今書院)、『神秘の大地、アルナチャル』(昭和堂)などがある。




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本「大人の恐竜図鑑 (ちくま新書1315)」北村雄一5

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大人の恐竜図鑑 (ちくま新書)
○著者: 北村雄一
○定価: 本体価格860円+税
○ISBN: 978-4480071217









陸海空を制覇した恐竜の最新研究の成果と雄姿を再現。日本で発見された化石、ブロントサウルスの名前が消えた理由、ティラノサウルスはどれほど強かったか・・・・・・。

三畳紀ジュラ紀白亜紀の恐竜時代。温暖な気候のもと海も空も陸上も恐竜が制覇。哺乳類の祖先などは捕食者たちから、ただ逃げ回るしかなかった。もちろん恐竜同士も喰うか喰われるかの弱肉強食。白亜紀後期に最強の肉食恐竜であったティラノサウルスでも、トリケラトプスの角に突かれれば命を落とした。石頭のパキケファロサウルスも頭突き攻撃で怪我をした。人気恐竜の生態や進化、近年発掘された画期的な化石や地層、絶滅の真相など、最新研究の成果を大迫力のイラストで再現する大人のための図鑑!


≪目次: ≫
第1章 恐竜とは何か?
 恐竜時代は白亜紀、ジュラ紀、三畳紀/牙をむき出しよだれダラダラの復元図/恐竜の羽毛問題/恐竜の飾り羽/ティラノサウルス愛/ティラノサウルスは走れない/混乱している恐竜の分類/骨の特徴/三大グループ「鳥盤類獣脚類竜脚形類」の違い

第2章 三畳紀 恐竜時代の始まり
 爬虫類の王国、誕生――2億5200万年前から2億100万年前
 キノグナトスカンネメエリア ペルム紀王者の末裔
 ヘレラサウルスサウロスクス 爬虫類の運動性能向上
 エオラプトル 竜脚形類か獣脚類か
 プラテオサウルスアエトサウルス 上の葉を食べたい
 ポストスクス ワニと恐竜の大きな違い
 コエロフィシス 獣脚類は俊足に進化
 ユーディモルフォドン 最古の翼竜
 パキプレウロサウルス 初期の首長竜はアンバランス
 ウタツサウルスショニサウルス 最古の魚竜は日本で発見

第3章 ジュラ紀 恐竜の巨大化と鳥の登場
 海と陸、さらに空にも進出――2億100万年前から1億4500万年前
 ヘテロドントサウルス 食性を推進する
 ディロフォサウルススクテロサウルス カエンタ累層の生活
 メガロサウルス 最初に発見された肉食恐竜
 クリンダドロメウス 羽毛恐竜のエポック
 プレシオサウルスイクチオサウルス 首長竜の狩猟法
 スケリドサウルス 400万年で3倍に巨大進化
 ステゴサウルス 背中の大きな板は何のため?
 アパトサウルス 消えたブロントサウルス
 ブラキオサウルス 陸上恐竜が水中に描かれた理由
 アロサウルス 狩りは群れか単独か
 ランフォリンクスプテロダクティルス 翼竜の尻尾
 コンプソグナトス始祖鳥 恐竜から鳥へ
 始祖鳥余談 進化の分岐図

第4章 白亜紀 温暖な楽園、南北で異なる進化
 北では鳥盤類、南では竜脚形類が繁栄――1億4500万年前から6500万年前
 イグアノドン 大きな歯で植物をばりばり
 シノサウロプテリクスプシッタコサウルス 鳥恐竜説確定
 ミクロラプトル 始祖鳥より後の時代の祖先
 ミクロラプトル余談 足の翼の使い方
 ディノニクス 恐竜と鳥の鎖骨問題
 エロマンガサウルスクロノサウルス 頭蓋骨の穴
 ギガノトサウルス 破壊槌のような突進力
 スピノサウルス シーラカンスをぱくり
 ドレッドノートス 白亜紀最重量級の迫力
 プテラノドン 大空の覇王の日常
 ティロサウルス 頑強な鼻で体当たり攻撃
 フタバサウルス 首長竜の首は硬い
 オルニトミムス 植物食に進化した肉食恐竜
 トロオドン 研究者を悩ます命名
 オヴィラプトルプロトケラトプス 変わった子育て
 ケツァルコアトルス 巨大翼竜の運動能力
 アンキロサウルス 大きなヨロイ竜
 エドモントサウルスパキケファロサウルス 大食の進化戦略
 トリケラトプス 人気恐竜の謎の生態
 ティラノサウルス 恐竜の王者は怪我だらけ

第5章 恐竜はなぜ滅んだのか
 地球を焼き尽くした巨大隕石のパワー/KT境界の奇妙な粘土層/火山説 vs. 隕石衝突説/人類 vs. 恐竜


≪著者: ≫ 北村雄一 (きたむら・ゆういち) 1969年長野県生まれ。日本大学農獣医学部卒業。サイエンスライター兼イラストレーター。生物進化から天体まで幅広い分野で活躍する。主なテーマは系統学、進化、深海、恐竜、極限環境など。『ダーウィン『種の起源』を読む』(化学同人社)で科学ジャーナリスト賞大賞2009を受賞。近著には「生きもの摩訶ふしぎ図鑑」シリーズの『生きた化石』『巨大生物』(保育社)や、『深海生物の「なぜそうなった?」がわかる本』(秀和システム)、『発見!? 宇宙生物』(汐文社)など。翻訳書もある。


北村雄一 『ダーウィン『種の起源』を読む』(化学同人、2009年) '09/03/16
北村雄一 『深海生物ファイル あなたの知らない暗黒世界の住人たち』(ネコパブリッシング、2005年) '08/06/13
北村雄一 『深海生物の謎 彼らはいかにして闇の世界で生きることを決めたのか』(サイエンス・アイ新書、2007年) '08/06/02



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本「古代史講義 邪馬台国から平安時代まで (ちくま新書1300)」佐藤信 編5

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古代史研究の最新成果と動向を一般読者にわかりやすく伝えるべく15人の専門家の知を結集。列島史の全体像が1冊でつかめる最良の入門書。参考文献案内も充実。

昨今の研究の進展を受けて、かつての古代史の通説は覆され、学校教科書での古代史の記述も様変わりしつつある。大化の改新は六四五年のクーデタではない、「聖徳太子」は厩戸王でありその役割は限定的であった、東北の城柵は行政官庁だった、などはその一部である。そこで十五人の研究者が集い、古代史の最新の研究成果と研究動向を一般読者にわかりやすく伝える。一般読者が誤解しがちな点やかつての教科書で書かれていたために広まっている誤解などを正す、最新・最良の入門書。


≪目次: ≫
はじめに (佐藤信)

第1講 邪馬台国から古墳の時代へ (吉松大志)
 「魏志倭人伝」と邪馬台国論争/倭人伝の構造/倭人伝の背景にある中国王朝の世界観/交易からみる卑弥呼時代の日本列島/山陰地域と東アジア交易網/弥生時代的交易システムの終焉とヤマト王権

第2講 倭の大王と地方豪族 (須原祥二)
 三〜四世紀の古墳とヤマト政権/四世紀の朝鮮半島情勢とヤマト政権の変容/大王権力の確立/諸制度の整備/オホド大王の即位

第3講 蘇我氏とヤマト王権 (鈴木正信)
 蘇我氏とは/出自と本拠/台頭とその背景/仏教公伝と崇仏論争/崇峻暗殺と推古即位/推古朝と蘇我氏/蝦夷と入鹿の登場/乙巳の変とその背景/その後の蘇我氏

第4講 飛鳥・藤原の時代と東アジア (中村順昭)
 七世紀後半という時代/大化改新/斉明大王と百済出兵/大王から天皇へ/壬申の乱と天武天皇/公民支配の形式と藤原京

第5講 平城京の実像 (馬場 基)
 平城京の課題/平城京造営前史/平城京造営/平城遷都/平城京の「都市性」/平城京の変化と終焉

第6講 奈良時代の争乱 (佐々田 悠)
 奈良朝政治史の基調/密告の背景――長屋王事件/木簡と史書/疫病から内乱へ――藤原広嗣の乱/内乱に至る道程/仲麻呂政権と奈良麻呂の変/絶頂からの転落――藤原仲麻呂(恵美押勝)の乱

第7講 地方官衙と地方豪族 (佐藤 信)
 律令国家と地方官衙/郡家の構成/遺跡群としての郡家跡/郡司層と郡雑任/地方官衙遺跡の複合性/郡家の公的機能・財政機能/郡家の宗教・祭祀機能/郡家の文書行政機能/郡家の給食機能/郡家の生産機能・交通機能/地方豪族と王権/上野国佐位郡司の檜前部君氏と采女/郡家と地方豪族

第8講 遣唐使と天平文化 (飯田剛彦)
 天平文化における国際性とは/正倉院宝物の中の舶載品/正倉院宝物にみる文化の受容と展開/仏教文化の受容/遣唐使の果たした役割 宗十こ悗筏蚕僂僚得/遣唐使の果たした役割◆宗淑己の将来と異邦人の招請

第9講 平安遷都と対蝦夷戦争 (吉野 武)
 桓武天皇の即位と二大事業/長岡遷都と郊祀祭天の儀/対蝦夷戦争の継承/征夷の失敗と成功――第一次征討と第二次征討/長岡廃都と平安遷都の決断/平安遷都/二大事業の継続と終焉

第10講 平安京の成熟と都市王権の展開 (仁藤智子)
 平安初期の政権基調/平安初期の政治改革/平安京の成熟と空間認識/王権を揺るがす政変――承和の変・応天門の変/都市民の祈り

第11講 摂関政治の実像 (榎本淳一)
 摂関政治とは/摂関政治の時代/摂関政治期の国政・政務/摂関政治の権力構造/摂関政治と天皇制

第12講 国風文化と唐物の世界 (河内春人)
 国風文化とは何か/遣唐使の途絶/国際交流の担い手/文化のありよう/「国風」という認識/残された課題

第13講 受領と地方社会 (三谷芳幸)
 受領のイメージ/受領の誕生/負名体制と検田/「所」と郎等/受領の任命と成績審査/国衙雑色人と郡司/契約の時代

第14講 平将門・藤原純友の乱の再検討 (宮瀧交二)
 NHK大河ドラマ『風と雲と虹と』/『将門記』が伝える平将門の乱/考古学からみた平将門の乱/埼玉県上里町中堀遺跡の調査/環境歴史学からみた平将門の乱/藤原純友の乱の新展開/伝説の中に歴史的事実(史実)を見出す

第15講 平泉と奥州藤原氏 (大平 聡)
 平泉という地/研究の歩み/柳之御所遺跡/都市平泉の形成/京とのつながり/奥州藤原氏の独自性

おわりに (二〇一八年一月 佐藤 信)

編・執筆者紹介



≪編著者: ≫ 佐藤 信 (さとう・まこと) 1952年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は日本古代史。実証的な史料批判の上に、遺跡や出土文字資料など幅広い歴史資料を活用した古代史研究を展開している。著書『日本古代の宮都と木簡』(吉川弘文館、1997年)、『古代の遺跡と文字資料』(名著刊行会、1999年)、『出土史料の古代史』(東京大学出版会、2002年)、『古代の地方官衙と社会』(山川出版社日本史リブレット、2007年)など多数。 【編者/はじめに・第7講・あとがき】

≪執筆者: ≫ 吉松大志 (よしまつ・ひろし) 1982年生まれ。島根県古代文化センター主任研究員。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了、同博士課程単位取得満期退学。専門は日本古代史。論文「古代における諸司監察」(『日本歴史』763)、「『出雲国風土記』の地名起源説話と古代の地域社会」(島根県古代文化センター編『古代祭祀と地域社会』)、「日置氏と欽明朝の出雲」(『出雲古代史研究』26)など。 【第1講】

≪執筆者: ≫ 須原祥二 (すはら・しょうじ) 1967年生まれ。四天王寺大学人文社会学部教授。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は日本古代史。編著書『古代地方制度形成過程の研究』(吉川弘文館)、『恩頼堂文庫分類目録』(四天王寺国際仏教大学図書館)など。 【第2講】

≪執筆者: ≫ 鈴木正信 (すずき・まさのぶ) 1977年生まれ。文部科学省教科書調査官。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。専門は日本古代史。著書『日本古代氏族系譜の基礎的研究』(東京堂出版)、『大神氏の研究』(雄山閣)、『Clans and Genealogy in Ancient Japan 』(Routledge)、『日本古代の氏族と系譜伝承』(吉川弘文館)など。 【第3講】

≪執筆者: ≫ 中村順昭 (なかむら・よりあき) 1953年生まれ。日本大学文理学部教授。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)。専門は日本古代史。著書『律令官人制と地域社会』(吉川弘文館)、『地方官人たちの古代史』(吉川弘文館)など。 【第4講】

≪執筆者: ≫ 馬場 基 (ばば・はじめ) 1972年生まれ。奈良文化財研究所都城発掘調査部主任研究員、京都大学大学院人間・環境研究科客員准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程中退。専門は日本古代史。著書『平城京に暮らす』(吉川弘文館)など。 【第5講】

≪執筆者: ≫ 佐々田 悠 (ささだ・ゆう) 1976年生まれ。宮内庁正倉院事務所保存課技官。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は日本古代史。論文「記紀神話と王権の祭祀」(『岩波講座日本歴史』第二巻、岩波書店)、「正倉院文書と聖語蔵経巻」(栄原永遠男ほか編『東大寺の新研究2 歴史のなかの東大寺』法蔵館)など。 【第6講】

≪執筆者: ≫ 飯田剛彦 (いいだ・たけひこ) 1968年生まれ。宮内庁正倉院事務所保存課長、奈良女子大学客員教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。専門は日本古代史。著書『日本の美術52 正倉院の地図』(ぎょうせい)、『正倉院美術館』(共著、講談社)、論文「正倉院宝庫修理の歴史と自然災害」」(『正倉院紀要』38)など。 【第8講】

≪執筆者: ≫ 吉野 武 (よしの・たけし) 1966年生まれ・宮城県多賀城跡調査研究所主任研究員。東北大学大学院文学研究科修士課程修了。専門は日本古代史。論文「多賀城創建木簡の再検討」(『歴史』第126輯)、「陸奥国の城柵と運河」(鈴木靖民ほか編『日本古代の運河と水上交通』夜着書店など。 【第9講】

≪執筆者: ≫ 仁藤智子 (にとう・さとこ) 1963年生まれ。国士舘大学文学部准教授。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程単位取得退学。博士(人文科学)。専門は日本古代史。著書『平安初期の王権と官僚制』(吉川弘文館)。論文「女帝の終焉」(『日本歴史』837)、「〈都市王権〉の成立と展開」(『歴史学研究』768)など。 【第10講】

≪執筆者: ≫ 榎本淳一 (えのもと・じゅんいち) 1958年生まれ。大正大学文学部教授。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。専門は日本古代史。著書『唐王朝と古代日本』(吉川弘文館)、編著『古代中国・日本における学術と支配』(同成社)など。 【第11講】

≪執筆者: ≫ 河内春人 (こうち・はるひと) 1970年生まれ。明治大学・中央大学・立教大学・大東文化大学・首都大学東京兼任講師。明治大学大学院博士後期課程中退。博士(斯学。専門は日本古代史・東アジア交流史。著書『東アジア交流史のなかの遣唐使』(汲古書院)、『日本古代君主号の研究』(八木書店)、『日朝関係史』(共著、吉川弘文館)など。 【第12講】

≪執筆者: ≫ 三谷芳幸 (みたに・よしゆき) 1967年生まれ。筑波大学大学院人文社会科学研究科准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。専門は日本古代史。著書『律令国家と土地支配』(吉川弘文館)、『岩波講座日本歴史 第4巻 古代4 』(共著、岩波書店)、『ここまで変わった日本史教科書』(共著、吉川弘文館)など。 【第13講】

≪執筆者: ≫ 宮瀧交二 (みやたき・こうじ) 1961年生まれ。大東文化大学文学部教授。立教大学大学院文学研究科博士課程から埼玉県立博物館主任学芸員を経て現職。博士(学術)。専門は日本古代史・博物館学。著書『岡倉天心 思想と行動』(共著、吉川弘文館)、論文「村落と民衆」(上原真人ほか編『列島の古代史3 社会集団と政治組織』岩波書店)など。  【第14講】

≪執筆者: ≫ 大平 聡 (おおひら・さとし) 1955年生まれ。宮城学院女子大学学芸学部人間文化学科教授。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。専門は日本古代史。著書『聖徳太子』(山川出版社日本史リブレット)、論文「世襲王権の成立」(鈴木靖民編『日本の時代史2 倭国と東アジア』吉川弘文館)など。 【第15講】


五味文彦/佐藤信 編著 『日本古代中世史 '11』(佐々木恵介/本郷和人/中島圭一 著、放送大学教材:専門科目・人間と文化コース、放送大学教育振興会、2011年) '11/10/28
佐藤信 編著 『日本の古代 '05』(倉田一宏/佐々木恵介 著、放送大学教材:専門科目・人間と文化コース、放送大学教育振興会、2005年) '11/05/02



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本「身体が生み出すクリエイティブ (ちくま新書1307)」諏訪正樹5

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身体が生み出すクリエイティブ (ちくま新書)
○著者: 諏訪正樹
○定価: 本体価格840円+税
○ISBN: 978-4480071248










お笑い芸人はなぜ面白い一言を言えるか? 彼ら自身も言語化できないように、お笑いは暗黙の身体知である。プロから一般人まで、人はふとクリエイティブなことをやってのける。そのメカニズムは未解明だが、身体とことばを上手に共存させて発想することが、クリエイティブの源である。日常生活において、体感にしかと向き合って着眼と解釈を行い、なんでも試してみるマインドを持つことが、いまよりもクリエイティブになる秘訣である。それは現在のAIにはまだとても難しいことである。


≪目次: ≫
はじめに

第1章 「クリエイティブ」とはどういうことだろう
 「柔軟であれ」、「臨機応変であれ」と言われても/臨機応変のメカニズムは未解明/クリエイティブは日常生活に溢れる/インキュベーション――孵化するようにアイディアが育つ/メンタルリープ――発想とは枠を外して飛躍すること/良い発想は枠の外し方すら新しい/補助線を引くということ――見えていない要素を足す/「図形塊」をどのように学ぶのか/発想力が問われる「大喜利」/クリエイティブは身体知

第2章 「考える枠」を超えることの難しさ
 制約緩和理論/能動的に制約を外せるか?/補助線問題 vs. パズル問題/着眼と関係づけ/知識が制約になることがある/知識がデザインの飛躍を妨げてしまう事例/着眼と解釈の固定化がクリエイティブの敵

第3章 デザイナー 着眼と解釈に長けた人たち
 デザインスケッチ/建築家のスケッチ/意図していなかった知覚的情報の発見/デザイン仕様の創造/孵化フェーズの正体――縛りを解くこと/曖昧図形の多様な解釈/似た図形が左右に並ぶと「目」に見えてしまう/構成的知覚(constructive Perception)/デザイナーは構成的知覚に長けている

第4章 お笑い芸人も長けている
 比喩の重要性/松本人志の「喩えツッコミ」/スキーマ理論――理解するとはどういうことか/ボケるという行為/羽生善治「良い手が二つ三つ見える」/知識を適用して発想するのではない

第5章 クリエイティブの源――身体を入れ込み世界に触れる
 身体を没入させる/大喜利をやってみた/やはり駄作のオンパレード/少し思考モードが変わり始めた/身体を没入させる思考モード/そして生まれた傑作/身体で世界に触る事例――建築家のスケッチ/「発想を生む行動原理」を問いたい

第6章 身体で世界に触るとはどういうことか
 現出と現出者/曖昧図形の多様解釈――現出を自覚してみよう/大喜利を「現出」の考え方で説明/「からだメタ認知」――体感に向きあうための認知手法/体感を「正しく、きちんと表現する」のではない/ことばで表現した場合 vs. しない場合/体感に向き合うことと「現出」/酸味に対する感覚/現出を自覚するトレーニング

第7章 AIが直面するクリエイティブの壁
 Pepper くんと芸人の遭遇/複雑な状況認識が求められる/用意されたプロットを実行するだけ/常識や身体基盤機構/AI は「閉じていない世界」に直面している/認識枠(フレーム)/認識枠とクリエイティブであるということ/ディープラーニング/ディープラーニングの限界/クリエイティブの源は、感情と情動の中枢機構/コンピュータの知は人知を超えるか/コンピュータは日常生活に入り込めるか
[コラム1] ニューラルネット
[コラム2] 自己符号化器

第8章 日常に溢れるクリエイティブ
 個人の生活の中のクリエイティブ/街を散策する/道草の勧め/食べたことのない料理に挑戦する/料理のコツを体得する/私が着眼しているポイント/聴こうとして、聞こえてくるものごとを逃さない/こつの体得はクリエイティブな学びである/野球の打撃スキルの学び/「頭の位置」という新しい視点/料理とお酒の相性を考える/本書のまとめ

あとがき (二〇一七年一一月  諏訪 正樹)

参考文献


≪著者: ≫ 諏訪正樹 (すわ・まさき) 1962年大阪生まれ。慶應義塾大学環境情報学部教授。工学博士。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。(株)日立製作所基礎研究所、シドニー大学建築デザイン学科主任研究員、中京大学情報理工学部教授等を経て現職。身体知の学び、コミュニケーションのデザインを専門とする。『「こつ」と「スランプ」の研究――身体知の認知科学』(講談社メチエ)、共著に『知のデザイン――自分ごととして考えよう』、『一人称研究のすすめ――知能研究の新しい潮流』(共に近代科学社)等がある。




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本「集中講義! ギリシア・ローマ (ちくま新書1295)」桜井万里子/本村凌二5

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古代、大いなる発展を遂げたギリシアローマ。これらの歴史を見比べると、世界史における政治、思想、文化の原点が見えてくる。学びなおしにも最適な一冊。

古代地中海を中心に歴史をつくりあげたギリシアとローマ。同じような時期に政治・経済・文化が発展していったが、ギリシアではポリスがまとまり大国とならなかった一方、ローマは超大国へと、その覇権を広げていった。また思想・哲学などの華々しい文化が生みだされたギリシアに比べて、ローマでは目立ったものは出てきていない。なぜ、そのような違いはうまれたのか?ギリシアからローマへ受け継がれ、その後ヨーロッパまで影響をあたえたものはなにか? それぞれの専門家が通史からはこぼれおちた側面に光をあてる。


≪目次: ≫
はじめに (桜井万里子)

第一章 民主政と共和政
1 ポリス誕生のダイナミズム
 私たちと古代ギリシア人/ギリシアのポリス/ギリシア語とラテン語/ミケーネ文明は古代ギリシア人の最初の文明/線文字B文書の解読/ミケーネ時代の諸王国の構造/暗黒時代からポリスの時代へ/ポリスの誕生/ポリスとは/自由人と奴隷/貴族政の社会から民主政の社会へ/民主政の始まり/民主政の仕組み・評議会/陶片追放(オストラキスモス)/民衆法廷/市民資格の要件/市民は一体という夢の共有/祭りと市民生活/供儀暦に潜在する庶民の熱意/公共奉仕(レイトゥルギア)に見る市民意識/ペロポネソス戦争とポリスの凝集力の変化
2 ローマはなぜ拡大したのか
 ローマはギリシアの後の話なのか/ギリシアとローマの交流の起源/ローマの都市のモデル/ローマに残るギリシアの痕跡/ローム建国の秘密/S.P.Q.R「ローマの元老院と民衆」/ギリシアと違ってローマはなぜ拡大したのか/古代のファシズムとはなにか/古代ローマ人の荒々しさ/地中海世界を征服する/ローマ帝国へ価値観の変化/領土を増やすことに固執する元老院/共和政の終焉

第二章 高尚な文化と俗な生活
1 アテナイ民主政と弁論術の成熟
 ペロポネソス戦争後の民主政と弁論/ホメロスの叙事詩と弁論/狡知の人オデュッセウス/アキレウスが受けた教育/悲喜劇の時代から弁論の時代へ/アリストテレスの『弁論術』/法定弁論/アテナイ最大の政治家ペリクレスの弁論/弁論術は政治家の武器/法定弁論はアテナイ社会を反映する/職業的弁論作者リュシアス/法定弁論から垣間見られる女性の地位/大弁論家デモステネス/デモステネスの政敵アイスキネス/ローマ属州内の都市アテナイ/第二ソフィスト思潮/ヘロデス・アッティコス
2 落書き・風刺・風呂
 周縁の人々から見るローマ/解放奴隷が果たした役割/外からやってきた人たち/女性の地位の違い/自立した女性の登場/哲学の違いはどこに現れたか?/落書きと風刺の文化/ローマ人はきれいな水を好んでいた/ローマの弁論術

第三章 ギリシアとローマをつなぐもの
1 人間をどう捉えるのか
 政体循環論について/大国を形成しようという発想/宗教的な違い/ギリシアの宗教観/ポリスの密度が文化をつくった/厳密か寛容か/どこまでが市民なのか/敗戦将校の待遇
2 ローマ人はギリシアをどの程度意識していたか
 奴隷の歴史/女性の身分の違いについて/娼婦はどういう身分だったのか/ローマのみならずギリシアにも風呂はあった/議論はいかに成熟するのか/ヨーロッパへの影響/ギリシアの精神はどこに引き継がれたか/ギリシア語と哲学の関係/キリスト教の影響/歴史の教訓を活かす

あとがき (本村凌二)

参考文献

※なお、「はじめに」、第一章第一節、第二章第一節を桜井が、第一章第二節、第二章第二節、「あとがき」を本村が担当した。第三章は二人の対談となっている。


≪著者: ≫ 桜井万里子 (さくらい・まりこ) 1943年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科西洋史学専門課程修士課程修了。東京学芸大学教育学部教授、東京大学大学院人文社会系研究科教授を経て、東京大学名誉教授。専門は古代ギリシア史。主な著書に『古代ギリシアの女たち』(中央公論新社)、『ソクラテスの隣人たち――アテナイに於ける市民と非市民』『ヘロドトスとトゥキディデス――歴史学のはじまり』(共に、山川出版社)などがある。

≪著者: ≫ 本村凌二 (もとむら・りょうじ) 1947年熊本県生まれ。一橋大学社会学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学大学院総合文化研究科教授などを経て、早稲田大学国際教養学部特任教授、東京大学名誉教授。主な著者に『古代ポンペイの日常生活』『地中海世界とローマ帝国』(共に講談社学術文庫)、『多神教と一神教』(岩波新書)、『帝国に魅せる剣闘士』(山川出版社)などがある。



本村凌二 『競馬の世界史 サラブレッド誕生から21世紀の凱旋門賞まで』(中公文庫、2016年) '17/01/02
本村凌二 『馬の世界史 A World History of the Horse 』(中公文庫、2013年) '16/07/17
本村凌二 『はじめて読む人のローマ史1200年』(祥伝社新書、2014年) '14/12/29
本村凌二 『世界史の叡智 勇気、寛容、先見性の51人に学ぶ』(中公新書、2013年) '13/07/23
本村凌二 『古代ローマとの対話 「歴史感」のすすめ』(岩波現代文庫、2012年) '13/01/16
本村凌二 『ローマ人に学ぶ』(集英社新書、2012年) '13/01/10
本村凌二/中村るい 『古代地中海世界の歴史』(ちくま学芸文庫、2012年) '12/12/02
本村凌二 『多神教と一神教 古代地中海世界の宗教ドラマ』(岩波新書、2005年) '11/08/20
本村凌二/高山博 編著 『地中海世界の歴史 古代から近世 '09』(放送大学教材、共通科目;一般科目・人文系、放送大学教育振興会、2009年) '10/12/28
本村凌二 『古代ポンペイの日常生活』(講談社学術文庫、2010年) '10/11/02


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