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本「聖なる酔っぱらい伝説」ヨゼフ・ロート、池内紀
聖なる酔っぱらい伝説  Joseph Roth, Die Legende vom heiligen Trinker, 1939 (白水uブックス110)

○著者: ヨーゼフ・ロート池内紀
○出版: 白水社 (1995/8, 新書 171ページ)
○価格: 945円
○ISBN: 978-4560071106
おすすめ度: 4.5
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ぼくの言い方はキツイ。威圧的で好戦的。
ぼく自身が他者にたいしてキツイ言い方をしておきながら、すこし前までよく口を吐いたことばが「もっとやさしい(キツくない)言い方はできないものかなぁ」。
いまでは、表面的なやさしさを含んだことばを耳にすると、逆に身構えてしまう。「で、ホントのところは、なにが言いたいの?、なにが目的なの?」とは、ずいぶん人が悪い。ことば通りに素直に受けとることができない。否定的にとらえる、というだけでなく、ストレートな意味と反対の意味との双方の側面までを窺い見て、ときには表面には現れないけどちょこっと垣間見えないわけではないような深層を想像しないとも限らない。考えすぎでカンちがいが少なくないのであろうけれども、なにかができるわけでもなく、な〜んにもできないないのではあるけれども、考えないことはない。考えれば考えるほどに、ぼくにはなにもできない、ぼくになにができようか、との思いをつよくするだけではあるのだが。

こんど結婚するらしい(本人から聞いたわけではなくウワサとして耳にした)会社の20歳代後半の女性スタッフは、小柄で細身で可愛らしいけど、強気で勝ち気で。どうやら、顎関節症の疑いをもっているらしく、歯ぎしりを気にして(相方に言われた?!)、マウスピースがどうのとか。ストレス?、顎に違和感があり痛いらしい。とくにぼくは話題に割り込むつもりもなく、ボンヤリと仕事をしていたんだけど、なにかのキッカケからぼくに話が振られて。そう、ぼくはすでにマウスピースを持っている。3年くらい前だと思うんだけど、歯科医に相談してつくってもらった(たしか5千円くらいだった)。いまでは使っていないけど、しばらく手放せなかった。顎に違和感があって痛かった。気になって気になって仕方がなかった。まだ家族と同居していたころだった?!ハズだけど、ぼくは睡眠のタイミングが合わないことを理由にひとりで寝ていて(ぼくは早寝で寝付がよくて3秒で寝れるのに電気が点いていて明るいことを嫌った、相方は睡眠障害気味でなかなか寝付けなかった)、だから歯ぎしりをしているかどうかを誰にも尋ねることができなかったのではあるが、かつて一緒に寝ていたころには歯ぎしりがウルサイとはよく言われた。そのころのぼくは、みずからのストレスの存在を否定した。忌み嫌った。恥ずかしいと、カッコワルイと思った。だから隠したかった。見えないようにしたかった、見たくなかった。まるで平静であるかのごとく装うことをつよく意識した。
マウスピースはいまでもお守りのようにとってあるけど、いまではまったく使っていない。いま歯ぎしりをしていないとは断言できない。しているかもしれない。ときにしているであろうと思う。いまは顎に違和感を感じていない。また気になるようであればマウスピースを使うと思う。あの違和感や痛みは忘れることはない、マウスピースがあることも忘れることはない。
そう、いまでもストレスを感じないことはない。我を忘れてしまうほどの怒りであったり、イライラと興奮状態にならないわけではない。もしかしたら、あまり我慢することをしなくなった分だけ、以前よりもさらにヒドイ状態になっているかもしれない。
すこし前には、全身のかゆいブツブツ(湿疹)に悩まされたっけ。いろんな薬を試してみたけど、皮膚科の診療も受けたけど、快方にむかうことはなかった。いわゆるところのストレスが原因だって自分でもわかっていた。皮膚科の医師にはストレスが原因だと思うと伝えた。軽く流された。医師も商売だから診療めいたことをして薬を処方したいのであろうと理解した。思い切って薬にたよることをやめて、気ながに付き合っていこう決めて、しばらく放っておいたら、気がついたときには治まっていた。
件の会社の同僚の彼女には、マウスピースをおすすめした。採用するかどうかは彼女の判断、ぼくが知るところではない。ぼくにとっては、マウスピースはお守りみたいなもので、いろんな意味で効果があったと思ったから。とくに精神的な安心が得られよう。睡眠中というみずからの知らないところで無意識のうちに、つよい力で歯を喰いしばっているのかと思うと、けっして気味がいいものではない。精神的な負担は、それでなくとも本質的にストレス耐性?!に劣っているからこそ、なんらかの症状がサインとして表出しちゃっているのであろうことからも、軽減できるものは意識して軽減するに越したことはないのではないか。受け容れてしまって、上手く付き合っていった方がいいんじゃないかなぁ。


ヨーゼフ・ロート(Joseph Roth, 1894-1939)

≪目次: ≫
聖なる酔っぱらいの伝説  Die Legende vom heiligen Trinker, 1939
四月、ある愛の物語  April. Die Geschichte einer Liebe, 1925
皇帝の胸像  Die Büste des Kaisers, 1934

解説 (一九八九年十月 池内 紀)
Uブックス版に寄せて (一九九五年七月 池内 紀)

*本書は1989年に単行本として小社から刊行された。

ヨハーン・ヴォルフガング・ゲーテ『ファウスト 第一部』(池内紀訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ、2004)
池内紀『カフカの生涯』(新書館、2007)
ヨーハン・G・A・ガレッティ『象は世界最大の昆虫である ガレッティ先生失言録』(池内紀編訳、白水uブックス、2005)
池内紀『モーツァルトの息子 史実に埋もれた愛すべき人たち』(知恵の森文庫、光文社、2008)
カフカ『ノート〈2〉 掟の問題』(池内紀訳、白水uブックス、カフカ・コレクション、2006)
カフカ『ノート〈1〉 万里の長城』(池内紀訳、白水uブックス、カフカ・コレクション、2006)
カフカ『流刑地にて』(池内紀訳、白水uブックス、カフカ・コレクション、2006)
カフカ『』(池内紀訳、白水uブックス、カフカ・コレクション、2006)
カフカ『失踪者』(池内紀訳、白水uブックス、カフカ・コレクション、2006)
カフカ『変身』(池内紀訳、白水uブックス、カフカ・コレクション、2006)
カフカ『断食芸人』(池内紀訳、白水uブックス、カフカ・コレクション、2006)
池内紀『ゲーテさんこんばんは』(集英社文庫、2005)
池内紀『となりのカフカ』(光文社新書、2004)