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誤読された万葉集 (新潮新書)
誤読された万葉集 (新潮新書073)

○著者: 古橋信孝
○出版: 新潮社 (2004/6, 新書 204ページ)
○価格: 714円
○ISBN: 978-4106100734
おすすめ度: 4.0
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そうそう、珍しく会社帰りに同僚との酒席を得て、まぁまぁぼくはよくもわるくも(どちらかといえば周りに迷惑をかける機会が多いことを考えるには言わずもがな)イッショケンメイで、イッショウケンメイは適正な方向へとエネルギーが向けられるならばケッコウなことなんだろうけれど


万葉集は誤って理解されてきた――。庶民の素朴な生活感情を素直に表現した国民歌集などではない。山上憶良は家族思いで大伴旅人は大酒飲みというイメージには問題がある。性の歌もある。都市生活が営まれ、郊外も誕生していた。平安文学とのあいだに断絶はない。……従来の万葉観を大胆にくつがえし、最古の古典に新たな輝きを与える。


≪目次: ≫
はじめに(万葉集は国民歌集か/「マンヨウシュウ」か「マンニョウシュウ」か/異世界に触れる楽しさ)
1 人麻呂は妻の死に泣いたのか(黄色は死を統御する色/恋人の死 妻の死/人麻呂は日本最初の文学者/歴史書に人麻呂の名がない理由は)
2 額田王天武天皇は不倫の関係か(秘められた恋?/宴会は今も昔も/人妻とは)
3 山上憶良は家族思いだったか(マイホーム・パパか理想家タイプの政治家か/母と子の関係が揺らいでいた/家族問題に関心の強かった奈良時代/政治家・憶良の主張)
4 大伴旅人は大酒飲みか(酒の讃歌/竹林の七賢/旅人は読書人/この世の男が仙女に出会う/清貧への憧れ)
5 逢引の夜には月が出ている(逢えるのは満月の前後/出かける前に占いをする/雨の夜は逢えない/月の呪力/十六夜はなぜ「いざよい」と読むのか/「立ち待ち」「居待ち」「寝待ち」の月)
6 妹が妻や恋人の意となるわけは(妹の山 兄の山/「妹」と「妻」/異母妹と同母妹は区別される/兄と妹の関係は神話的/理想の結婚相手)
7 枕詞にも意味がある(太陽に関係する/夜が明けるときの空の色/「たらちねの」母とは/枕詞の三条件/起源はどこにあるか/春日をなぜカスガと読むのか/新しい枕詞)
8 序詞の不思議を解く(旅の歌に地名が詠まれるわけ/土地を称える/無関係な二つの文が一つに/生産過程をうたう)
9 挽歌は異常死の死者を悼む歌である(有馬皇子の魂は/万葉集は歌の歴史を語る/異常死の魂を鎮める/大伴旅人の妻の場合/さまよう客死した人の鎮魂)
10 旅の歌には美意識がある(健康管理は主婦の役割/父への想いをうたうのは防人歌だけ/恋人か妻による無事の祈願/美意識の誕生/和歌成立期の緊張)
11 斎藤茂吉の解釈にも問題はある(もの足りない見方/行幸に従う宮廷歌人は/神代のままに久しくある木/千鳥はなぜ鳴くのか)
12 方言はなぜ東歌と防人歌にかぎられるのか(万葉集の表記/東国は特別な地方だった/未開の地というイメージ/編集意図があった/方言に興趣をひかれた家持
13 性の笑いもある(あんたのモノは小さいね/お前のアレはカサカサだ/解釈する意味はない/縁語の起源/こんな歌も宮廷ではうたわれていた/宴会では愛唱歌をうたう/からかう歌もある)
14 日本には古代から郊外があった(春日野の変化で季節の到来を知る/一日の時間の変化/神々の力をもらう時節/都市の野遊びは郊外に向かう/神々は郊外に集まる/都市を支える空間)
15 万葉集から平安文学へ(本当に「国風暗黒時代」だったのか/英雄の悲劇から個人の悲劇へ/仮名文の習熟がなければ/仮名文とは/万葉集が平安文学を生み出す)
あとがき (平成十六年五月五日 古橋信孝)
参考文献

※万葉集の表記は中西進『万葉集 全訳注原文付 (一)〜(四)』(講談社文庫)を参考にした。――著者


≪著者: ≫ 古橋信孝 (ふるはし・のぶよし) 1943(昭和18)年東京生まれ。国文学者。武蔵大学教授(国文学)。東京大学文学部国文科卒業。著書に『古代の恋愛生活』『吉本ばななと俵万智』『万葉歌の成立』『古代都市の文芸生活』『雨夜の逢引』『平安京の都市生活と郊外』『和文学の成立』など。





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