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〈ぼく〉の思索の一回性の偶然性の実験場。

講談社現代新書

本「おとなの青春旅行 (講談社現代新書2486)」下川裕治・室橋裕和 編著5

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おとなの青春旅行 (講談社現代新書)
○著者: 下川裕治・室橋裕和 編著
○定価: 本体920円(税別)
○ISBN: 978-4065124628












時間とお金に余裕ができたあなたに、極上の「海外ひとり旅」を提案します。団体旅行に疲れた人へ贈る、自由で冒険的な旅路。海峡料理、ベトナム戦争跡、ジャズの聖地、シルクロード、モザイク画・・・・・・ 若い頃には気づけなかった、あの土地の魅力を求めて。

朝から晩まで観光名所を回って、ヘトヘトに疲れる毎日が続くツアーにはもううんざり、というあなたへ。せっかくの海外旅なら、ひとり気ままに「生活の場」をたどりたい人へ。
旅のプロたちが太鼓判をおす、「極上の大人旅」15行程をルート図つきで紹介します!


≪目次: ≫
はじめに (室橋裕和)

第1部 極上の「海外ひとり旅」15選
第1章 アジアの美食を求めて
1 イスラムと中国が溶けあった海峡料理を──マレーシア・マラッカからシンガポールへ (下川裕治)
2 マレー半島を北上して「おらがカレー」を──シンガポールからタイ・バンコクへ (室橋裕和)
3 庶民の食堂で中華四大料理を── 中国・北京から香港へ (下川裕治)

第2章 アジアの歴史を訪ねて
4 戦地で思う、遠き反戦運動の日々──ベトナム・ホーチミンシティからハノイへ (下川裕治)
5 標高5000m、天空をゆく── 中国・青蔵鉄道 (下川裕治)
6 仏教・ヒンドゥー教の聖地巡礼──インドのガンジス河からヒマラヤのふところへ (室橋裕和)

第3章 「通」もうなる旅路
7 憧れの「ジャズ」の門戸を叩く──アメリカ・ニューヨークからニューオーリンズへ (小神野真弘)
8 シルクロードの古都に往時の息吹が残る──ウズベキスタン・ヒヴァからサマルカンドへ (室橋裕和)
9 インドシナ半島を陸路でぐるり一周──タイ、ラオス、ベトナム、カンボジア (室橋裕和)

第4章 ヨーロッパの歴史を訪ねて
10 世界遺産のモザイク芸術をこの目で──イタリア・ローマからヴェネツィアへ (田島麻美)
11 東西分断時の面影と歴史が香る街並みを歩く──ドイツ・ベルリン (荒巻香織)
12 激動の歴史の舞台・バルト三国をバスで縦断する──エストニア・ラトビア・リトアニア (Sanna)

第5章 ヨーロッパに酔いしれる
13 幸せな気持ちにさせる魔法のワインを──フランス・シャンパーニュ地方 (谷 素子)
14 パブをはしごして、青春のビールを──イギリス・ロンドン (津久井英明)
15 バルト海のローカル定期船に揺られながら──ドイツからスウェーデン、デンマークへ (久保田由希)

第2部 失敗しない「おとなの旅行術」100
1 旅の必要書類とお金を用意する
2 日程の組み方と飛行機に乗るまで
3 旅には何を持っていくのが正しいか
4 ネット環境のメリットとデメリット
5 いざ出発! 旅先に溶けこむテクニック
6 「宿」と「食」を充実させよう
7 長距離移動の負担を減らすには?
8 シニアならではの旅行術
9 旅する土地により深く入っていくヒント
10 タラブル&健康管理の裏ワザ

おわりに(室橋裕和)

執筆者一覧


≪編著者: ≫ 下川裕治 (しもかわ・ゆうじ) 1954年生まれの旅行作家。慶應義塾大学卒業後、新聞社勤務を経てフリーに。『12万円で世界を歩く』(朝日新聞社)でデビューして以来、アジアや沖縄を中心に著書多数。近著に『シニアひとり旅』(平凡社新書)、『旅がグンと楽になる7つの極意』(産業編集センター)があるほか、共編著に『新書 沖縄読本』、編著に『本社はわかってくれない』(ともに講談社現代新書)などがある。

≪編著者: ≫ 室橋裕和 (むろはし・ひろかず) 1974年生まれ。『週刊文春』記者を経て、2004年にタイ移住。バンコク発日本語情報誌『Gダイアリー』『アジアの雑誌』デスクを務める。2014年に帰国後は、アジア専門のライター・編集者として活動。主な編著に『海外暮らし 最強ナビ アジア編』(辰巳出版)などがある。



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本「げんきな日本論 (講談社現代新書2391)」橋爪大三郎×大澤真幸5

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皆さん、お待たせしました! 30万部超『ふしぎなキリスト教』でおなじみ、ふたりの社会学者が、痛快無比に語り尽くした「新・日本史」の登場です。土器、古墳、ひらがな、源氏物語、日本刀、安土城、国学・・・・・・ なぜ日本人は、かくもユニークな文化を生み出せたのでしょうか? 日本史にまつわるそもそもの疑問18個を真剣に議論することで、日本そのものの特異さやおもしろさ、現代に生きる日本人の「由来」が、どんどんわかってきます。そしてそれによって、自己を見失っていると感じる人でも、自信を取り戻して元気になれるのです!

「本書は、日本の歴史をテーマにする。
でも、ふつうの歴史の本とは、まるで違う。
歴史上の出来事の本質を、社会学の方法で、日本のいまと関連させる仕方で掘り下げるからだ。本書を読み進むにつれて、読者のみなさんは、まったく見違えるような新鮮な世界が、目の前に開けて行くのを感じられるだろう。
それは、著者の二人にとっても同様である。橋爪大三郎がまず、18の疑問を用意した。
そして、好敵手・大澤真幸と論じあった。二人にとってこの対談は、わくわくする刺戟的な体験だった。誰も(たぶん)考えたことのないようなことを、たくさん語ることができたからである。
そう、本書は、日本列島で起こったあれこれの出来事が、人類史のなかでどういう意味をもつのか、普遍的な(=世界の人びとに伝わる)言葉で、語ろうと する試みである。」――「まえがき」より


≪目次: ≫
まえがき (橋爪大三郎)

はじめに
 連立方程式としてみる/ストーリーをみつける/全体の流れ

第一部 はじまりの日本
1 なぜ日本の土器は、世界で一番古いのか
 日本の自然/日本は行き止まり/自然についての知識/移動か定住か/縄文土器はなぜ古いか/定住と交易/死者のための場所/ネイティブアメリカンとの違い/土器の編年/柳田國男と網野善彦/アンビリニアル/縄文と弥生/どうやって中国文化が伝わったか/イギリスとの違い
2 なぜ日本には、青銅器時代がないのか
 青銅器とは/青銅器は、貴族制をうむ/鉄器の登場/車輪と戦車/クニとクニ/都市国家は戦争マシン/日本の戦争は、ゆるい
3 なぜ日本では、大きな古墳が造られたのか
敵との線引き/平和のため?/古墳時代の軍事力/王の権力/青銅器の役割/天皇制なのか/なぜ王制に?/倭とは?/他称と自称
4 なぜ日本には、天皇がいるのか
 王朝の交代?/ウジとカバネ/血縁集団と名前/漢字を当てる/王と、大王/カミを祀る/神と天/日本に天がない理由/征服によって認めさせる/詫び状を入れさせる/カエサルの逆説
5 なぜ日本人は、仏教を受け入れたのか
 中心と周縁/仏教を取り入れた背景/仏教は、普遍思想/仏教のもたらす矛盾/それでも字が読めた/拒絶しつつ受容する/精神世界の二重化/漢字は意味をもちこむ
6 なぜ日本は、律令制を受け入れたのか
 朝鮮半島の地政学/中国軍は強い/天の観念を輸入できるか/カミと天/果たして律令制か/律令制の不思議/血統証明が不要

第二部 なかほどの日本
7 なぜ日本には、貴族なるものが存在するのか
 貴族とはどういうものか/中央政府のポスト/ヨーロッパの貴族/律令制と貴族/貴族はなぜ武士でないか/家産官僚でもない/土地を支配するということ/所領に住むか住まないか/荘園はネコババか/荘園の利害打算/農民のメリット/国家財政の窮乏/協会領と封建領主/協会は死なない/寺社領の不思議/寺社領か公家領か/中央政府の空洞化/クーデターが起きない理由/天皇の統治権/「空気」の支配/『古事記』『日本書紀』の戦略/贈与と税
8 なぜ日本には、源氏物語が存在するのか
 漢字と仮名/万葉仮名/表音と表意/仮名の登場/漢字の重み/三つの仮名/片仮名の特性/カタカナ先習/なぜ、両方あるのか/平仮名と音の体系/漢字は外のしるし/音読み、訓読み/古典の成立/ラカンの仮説/女性と宮廷文学/カウンター世界
9 なぜ日本では、院政なるものが生まれるのか
 摂関政治の不思議/妻の父の権力/通い婚の戦略/摂関政治の論理/田中派の論理/院政という可能性/院政の秘密/律令制の影/武家政治と院政/貴族の没落
10 なぜ日本には、武士なるものが存在するのか
 武士とはなにか/馬に乗る武者/最初は馬を飼う人びと?/押領使の任命/貴族は武装した/馬はなぜ大切か/軍のリストラ/武士はビジネス/運輸を制する/騎兵なのか/武士のルール/武士は実利的/武士はイエか/封建契約/契約から運命へ/税金逃れ
11 なぜ日本には、幕府なるものが存在するのか
 ふしぎな幕府/右近衛大将の意味/公家と武士/名目と実質/承久の乱/農民から見ると/頼朝の作戦/王朝交代ではない/南北朝の争乱/武士は脆弱/朝廷との距離/後醍醐天皇はどこが変?
12 なぜ日本人は、一揆なるものを結ぶのか
 農民の自立性/惣村の成立/都市と農村/平等で自由/惣村は社会を変えうるか/農民と領主/国人一揆/一向一揆の論理/一揆の限界/農民と武士の機能分化

第三部 たけなわの日本
13 なぜ信長は、安土城を造ったのか
 斜陽の室町幕府/誰が戦国大名になるのか/正統性の創出/戦国大名・信長/信長の安土城と天皇/天皇をしのぐ権力/天守閣とはなにか/空中の信長/もし信長が生きていたら/信長が殺される理由/直属軍がいるか/武力を超えた権威/信長とキリスト教/後醍醐と信長/武士という矛盾
14 なぜ秀吉は、朝鮮に攻め込んだのか
 後継者・秀吉/後継者を意識した/秀吉の手法/明を征服すれば・・・・・・/朝鮮出兵の焦り/戦争マシン/消極的な気分/領地が報酬/統治のルールが違う
15 なぜ鉄砲は、市民社会をうみ出さなかったか
 鉄砲開発の目的/鉄砲は社会を変える/テクノロジーと戦争/鉄砲と集団戦/武士が鉄砲を支配する/兵農分離/鉄砲は、反武士的/鉄砲とパイク兵/オスマン帝国の軍隊/鉄砲と刀/鉄砲に対する軽蔑/鉄砲を統制する
16 なぜ江戸時代の人びとは、儒学と国学と蘭学を学んだのか
 江戸時代とは何か/絶対王政ではない/徳川の平和/空気を読む大名たち/正統性が弱い/武士が行政をやる矛盾/なぜ儒学か/武士の悩み/イエ制度の実際/イエの定義/意識されたイエ/イエは幕藩制の効果/イエ制度のなかの自由/江戸時代の社会/武士と行政文書/鎌倉仏教と江戸儒学/町人の儒学/日常と儒学/主君のため、イエのため/朱子学と幕藩制/テキスト原理主義/古代にさかのぼる/儒学と国学/中国ローカルなコンテキスト/宣長と源氏物語/古事記研究/儒学と宣長/道論争/実証とフィクション/蘭学というメソッド/デリダ的補助線
17 なぜ武士たちは、尊皇思想にとりこまれていくのか
 尊皇思想の原点/新井白石と山崎闇斎/朱子学と尊皇論/天皇と教皇/無条件の服従義務/忠誠の宛て先/尊皇運動の根源/幕府はなぜ財政難なのか
18 なぜ攘夷のはずが、開国になるのか
 幕府内部の論争/独立を全うできるか/和親条約の効果/親米感情/戊辰戦争の背景/刀か鉄砲か/幕藩制と同胞意識/大勢に従う/四民平等/流動性が高かった

あとがき (大澤真幸)


≪著者: ≫ 橋爪大三郎 (はしづめ だいさぶろう) 1948年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。社会学者。東京工業大学名誉教授。著書に『はじめての構造主義』『はじめての言語ゲーム』(ともに講談社現代新書)、『ほんとうの法華経』(ちくま新書)、『戦争の社会学』(光文社新書)などがある。大澤氏との共著『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書)で、新書大賞2012を受賞した。

≪著者: ≫ 大澤真幸 (おおさわ まさち) 1958年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。千葉大学助教授、京都大学教授を歴任。著書に『ナショナリズムの由来』(講談社、毎日出版文化賞)、『不可能性の時代』(岩波新書)、『〈問い〉の読書術』(朝日新書)、『自由という牢獄』(岩波書店)などがある。


橋爪大三郎×大澤真幸 『ふしぎなキリスト教  Wonders In Christianity 』(講談社現代新書、2011年) '11/11/11



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本「田中角栄 昭和の光と闇 (講談社現代新書2382)」服部龍二5

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田中角栄 昭和の光と闇 (講談社現代新書)
○著者: 服部龍二
○定価: 本体920円(税別)
○ISBN: 978-4062883825







――角栄が夢見た「日本の未来」――
東京一極集中の是正、「限定的改憲論」、「日中裏安保」、石油・エネルギーをめぐる資源外交、北方領土問題の解決・・・・・・


≪目次: ≫
はしがき
凡例

序章 一五歳の上京――「理研は俺の大学だった」
 角次とフメ/二つの原体験/抱えていた悩み――二田尋常小学校/断念した進学/夢の上京/東京の洗礼/理研の農村工業論

第1章 大陸体験と初当選
 徴兵と満州体験/田中土建工業/朝鮮体験/立候補/落選――「若き血の叫び」/秘書との出会い――山田泰司/「金庫番」佐藤昭/「国家老」本間幸一/辻和子/初当選――伝説の「三国峠演説」

第2章 保守本流、そして最強の建設族
 初登壇――「中小企業の振興」/建設省の設置/民主党幣原派と炭鉱国家管理法/吉田茂への接近/山崎首班工作――「大将のふところ」/炭管疑獄――獄中からの立候補/池田蔵相と大平秘書官/議員立法とガソリン税/三位一体と越山会――「道路は文化」/「抜き打ち解散」と長岡鉄道/最強の建設族へ――「フロー」の行方

第3章 政界の中枢へ――「二つのハシゴ」
 保守合同と「吉田一三人衆」――鳩山内閣/佐藤派という選択――石橋内閣/「芸術的」金権政治/官僚操縦術――岸内閣郵政相/テレビと政治/一一回連続トップ当選へ――誠心会/第二次岸内閣――自民党副幹事長/池田擁立と「オールド・パー」/「二つのハシゴ」――池田内閣/議員団としての初訪韓/日本医師会との妥協――自民党政調会長/「愛の政治」と全国総合開発計画/ロバート・ケネディへの失言/限定的改憲論/四四歳の蔵相/田中と大蔵官僚/アメリカとの経済関係/先進国入りを目指して/徹夜の復活折衝/雪害と土建王国

第4章 「汚れ役」の天下取り――『日本列島改造論』
 池田から佐藤へ/山一証券の救済/自民党幹事長/日韓国会の「タイムリミット」/談合政治/「黒い霧事件」/麓邦明と榎本敏夫――田中事務所の秘書たち/都市政策大綱/麓の予見、田中の拒絶/「成功のネメシス」――高坂正堯の警鐘/幹事長への復帰/「政治はベストよりもベター」/一九六九年総選挙――田中派の起源/公明党とのパイプ――出版妨害/野党からの好意的評価/田中と福田/自動車重量税/通産相就任――佐藤との駆け引き/アメリカ都の政治決着/ばらまき予算/柏崎刈羽原発の用地売却/田中派結成/『日本列島改造論』

第5章 首相の八八六日――屈辱の「列島改造論」撤回
I 田中構想と日中国交正常化
 自民党総裁選/二つの問題/閣僚人事/「十大基本政策」/日中国交正常化/「日中裏安保」と四次防/「田中ブーム」選挙の作戦ミス/超大型予算という失策/小選挙区案の撤回
II ヨーロッパ歴訪――エネルギーと北方領土
 三つの目的/フランスで語った列島改造論/核エネルギー/「日英石油スワップ協定」案/原子力政策/西ドイツで語った日米協力/ドイツとの資源協力/ドイツからソ連へ/プレジネフとの対決――第一回日ソ首脳会談/「真の友好を開きたい」――第二回日ソ首脳会談/漁業――第三回日ソ首脳会談/「未解決の諸問題」――第四回日ソ首脳会談
III 石油危機と資源外交
 アラブ諸国への接近/列島改造論の撤回/東南アジア歴訪へ/出発前夜/フィリピン――マルコスとの良好な関係/タイ――学生との対話/シンガポール――「アジアの要衝」/マレーシア――新たな円借款/インドネシア――IGGI と日系企業/マラリ事件/スハルトの釈明/記者会見
IV 金脈問題
 凋落する人気/「企業ぐるみ選挙」/「代理戦争」と「三福」連携/『文藝春秋』の衝撃

第6章 誤算と油断――ロッキード事件
 椎名裁定という誤算/三木内閣の人事/『田中軍団』/ロッキード事件の発覚/陰謀説と誤配説/「M は最悪の premier だ」/田中の逮捕、榎本の自供/コーチャン嘱託尋問/田中の油断/チーム田中の隙/一四通の検事調書/榎本との齟齬/大弁護団/二つの弁護方針/初公判/「死よりもつらい」

第7章 「闇将軍」と「田中支配」
 田中派の「お義理解散」/「目白の闇将軍」/キング・メーカーと秘書会/大平内閣と「田中支配」/「四〇日抗争」へ/盟友の急死/鈴木内閣と二階堂の復権/木曜クラブと「総合病院」/榎本調書をめぐる攻防/検察の追求/榎本の矛盾/メディアへの露出――根強い人気/清水ノート――榎本のアリバイを求めて/榎本三恵子の証言/「ハチの一刺し」/鈴木の退陣表明へ/「田中曽根内閣」/裁判長からの質問/榎本の激白/「黒でも白」/中止された対米工作/最終弁論/「懲役四年に処する」/判決への疑問/田中の嘘/「帽子」と「所感」/ロッキード選挙と総裁声明

終章 失意の晩年――角栄が夢見た「日本の未来」
 第二次中曽根内閣/角栄が夢見た「日本の未来」――新・列島改造論/求心力を失う田中/二階堂擁立劇/控訴審戦術の蹉跌/竹下と金丸/創政会発足へ/脳梗塞/「フリーハンド」/竹下派/「神佑」を信じて/目白との電話/政界引退/他界のあとで

注記・写真出典一覧
あとがき (二〇一六年九月 服部龍二)


≪著者: ≫ 服部龍二 (はっとり りゅうじ) 1968年東京都生まれ。92年京都大学法学部卒業。97年神戸大学大学院法学研究科単位取得退学。博士(政治学)。中央大学総合政策学部教授。日本政治外交史・東アジア国際政治史専攻。著書に『東アジア国際環境の変動と日本外交 1918-1931』(有斐閣/吉田茂賞受賞)、『広田弘毅――「悲劇の宰相」の実像』(中公新書)、『日中歴史認識――「田中上奏文」をめぐる相剋 1927-2010』(東京大学出版会)、『日中国交正常化――田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦』(中公新書/大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞特別賞受賞)、『大平正芳 理念と外交』(岩波現代全書)、『外交ドキュメント 歴史認識』(岩波新書)、『中曽根康弘――「大統領的首相」の軌跡』(中公新書)ほか多数。

服部龍二 『中曽根康弘 「大統領的首相」の軌跡』(中公新書、2015年) '16/12/04
服部龍二 『外交ドキュメント 歴史認識』(岩波新書、2015年) '15/04/12
服部龍二 『日中歴史認識 「田中上奏文」をめぐる相剋 1927‐2010  Understanding Sino-Japanese History: Conflict over Tanaka Memorial, 1927-2010 』(東京大学出版会、2010年) '13/01/03
服部龍二 『広田弘毅 「悲劇の宰相」の実像』(中公新書、2008年) '12/02/09
服部龍二 『日中国交正常化 田中角栄、大平正芳、官僚たちの挑戦』(中公新書、2011年) '12/01/24



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本「〈情報〉帝国の興亡 ソフトパワーの五〇〇年史 (講談社現代新書2386)」玉木俊明5

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情報を制する国家が覇権を獲得する!

17世紀オランダの活版印刷、19世紀イギリスの電信、20世紀アメリカの電話――、世界史上のヘゲモニー国家は、情報革命の果実を獲得することで、世界の中核となった。しかし、インターネットがもたらしたのは、中核なき世界だった!

情報の非対称性がなくなっていく近世から、情報の不安定性が激しさを増す現代まで、ソフトパワーの500年の歴史を辿りながら、「近代世界システム」の誕生、興隆、終焉を描きだす一冊。


≪目次: ≫
はじめに 世界史のなかの情報革命
 インターネット世界は新しいか/情報による不安定性の時代/コミュニケーションツールとしての音声と文字/情報から見た近代世界システム/本書の構成

第一章  近代世界システムと情報
 『深夜特急』とイギリス帝国/ウォーラーステインの近代世界システム/三つのヘゲモニー国家/ポスト近代世界システムへ/ソフトパワーとハードパワー/戦後世界を支配するシステム/近代世界のはじまり

第二章  世界最初のヘゲモニー国家オランダ――グーテンベルク革命の衝撃
 書籍出版の中心としてのオランダ/拡大する情報の世界――大学の誕生/拡大する情報の世界――商人の役割/情報の非対称性/市場への参入が容易な社会/世の中を変えたグーテンベルク革命/カトリックも経済成長に貢献した/宗教改革の担い手と書物の普及/誰でも入手可能な商業情報/グーテンベルク革命と商人の手引/『完全なる商人』への系譜/商業拠点の移動と手引/情報連鎖――伝言ゲームがなくなる社会/情報の集約・発信地アムステルダム/知識社会の形成とオランダ/ヨーロッパ外世界との通信/「共通の言語」とヨーロッパ世界の拡大/いつ情報が届くかわからない世界/来る者は拒まず、去る者は追わず

第三章  繁栄するイギリス帝国と電信
 「国家の見える手」/電信と蒸気船が世界を縮めた/腕木通信――ナポレオンの情報通信技術/人類よりも速く/電信の発展/サミュエル・モールス/クックとホィートストーン/世界に延びる電信網/電信のルートと近世の貿易商人ルート/オーストラリアまで1.8日――海底ケーブルの発展/Punch から見たイギリス帝国の拡大/縮まった世界と電信/「シャーロック・ホームズ」のなかの電信/無線電信の世界/ロイターの活躍/イギリスの資本流通/電信というイギリスの構造的権力/イギリスの没落

第四章  アメリカのヘゲモニー――なぜ栄えなぜ滅びたか
 アメリカはなぜヘゲモニーを獲得したか/海運国家アメリカ/「声は感情も運ぶ」/電話の誕生/電話会社の創設/国際的に発達する電話/ソフトパワーとしての電話/AT&T の世界への発展/電信と電話の相違/アメリカのヘゲモニーとは/ブレトン・ウッズの会議/ブレトン・ウッズ会議/ブレトン・ウッズ体制――見えざる帝国/黄金の五〇年代/アメリカの衰退

第五章  近代世界システムの崩壊――不安定な情報化社会
 近代世界システムの終焉/インターネットの発達/情報による不安定性/つながりすぎた世界/携帯電話の役割/デジタルメディアの発展/インターネットがつくる社会/情報による不安定性と政治――アラブの春/アラブの春とデジタルメディア/ソフトパワーがつくるハードパワー/新しいシステムへ

おわりに 中核なき時代
 オランダからイギリスへ/イギリスの例外性/電信の役割/アメリカのヘゲモニーから近代世界システムの崩壊へ/未開拓の土地のない世界

主要参考文献
あとがき (二〇一六年六月 京都にて 玉木俊明)


≪著者: ≫ 玉木俊明 (たまき としあき) 1964年、大阪市生まれ。同志社大学大学院文学研究科(文化史学専攻)博士後期課程単位取得退学。京都産業大学経済学部教授。専門は近代ヨーロッパ経済史。著書に『北方ヨーロッパの商業と経済――1550−1815年』(知泉書館)、『近代ヨーロッパの誕生――オランダからイギリスへ』『海洋帝国興隆史――ヨーロッパ・海・近代世界システム』(以上、講談社選書メチエ)、『近代ヨーロッパの形成――商人と国家の近代世界システム』『歴史の見方――西洋史のリバイバル』(以上、創元社)、『ヨーロッパ覇権史』(ちくま新書)などがある。

玉木俊明 『ヨーロッパ覇権史』(ちくま新書、2015年) '16/03/21
川北稔 [著]、玉木俊明 [聞き手] 『私と西洋史研究 歴史家の役割  Minoru Kawakita/Toshiaki Tamaki: “The Role of a Historian: Retrospection of My Studies on European History” 』(創元社、2010年) '11/01/28
玉木俊明 『近代ヨーロッパの誕生 オランダからイギリスへ』(講談社選書メチエ、2009年) '09/12/20


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本「量子力学の哲学 非実在性・非局所性・粒子と波の二重性 (講談社現代新書2122)」森田邦久5

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――世界の描き方はひとつではない!?――
コペンハーゲン解釈や多世界解釈、逆向き因果論など量子力学の示す不思議な世界をわかりやすく紹介。知的刺激にあふれる科学哲学の入門書が登場!

私たちや私たちの身の回りの世界をつくっている、目に見えないようなミクロなものの世界について記述するのが量子力学。ところがこの理論の示す「真の姿」を理解するのはとても困難です。アルベルト・アインシュタインも量子力学のある側面を受けいれられず「私たちが見ていないときには月が存在しないというのか」と語ったといわれています。本書では、量子力学の示す不思議な世界について解説し、これまで提案されてきたコペンハーゲン解釈、多世界解釈、逆向き因果などの様々な哲学的論議をわかりやすく紹介しています。


≪目次: ≫
はじめに

第一章 量子力学は完全なのか――量子力学のなにが不思議なのか1
量子的スクラッチカード/色ははじめから決まっていたか?/電子を使って考えてみよう/ミクロの世界には私たちが知らない「なにか」があるのか?/一つ目・二つ目の課題/余分な仮定/三つ目の課題

第二章 粒子でもあり波でもある?――量子力学のなにが不思議なのか2
光は粒子なのか波なのか/光は波?/光はやっぱり粒子?/結局、光は粒子なのか波なのか/粒子か光かを選択できる?/四つ目の課題/標準的な解釈とは?/なにを見るかでなにが見えるかが決まる/相補性をどう考えるか/各解釈の概要

第三章 不可思議な収縮の謎を解け
シュレーディンガーの猫/そもそも測定ってどういうこと?/ヘタな鉄砲も数撃ちゃ当たる?/目盛の位置で測定しない場合は?/収縮の生じるメカニズム/環境との相互作用が大事/デコヒーレンスはどのようにして起こるのか/GRW理論 vs. デコヒーレンス理論/測定による収縮は実験で証明できるか

第四章 粒子も波もある
ふたたび、粒子か波か/粒子は波に乗って/NO-GO(ノー・ゴー)定理/軌跡解釈と状況依存性/軌跡解釈と非局在性/軌跡解釈と相対性理論

第五章 世界がたくさん
状態は収縮しない/デコヒーレンス理論を応用しよう/状態ベクトル/どの状態で分解するのかはどう決めるのか?/確率にどのような意味があるのか/確実に金持ちになれる方法があるのだけど……/人工頭脳を使って正しさを証明できるか/ふたたびどの状態で分散するかの問題/時間を反転できる「スーパーマン」がいたら?/多世界解釈で実在性と局在性は守られたか

第六章 他にもいろいろな解釈がある
裸の解釈1/裸の解釈2/多精神解釈1/多精神解釈2/単精神解釈/一貫した歴史解釈(多歴史解釈)1/一貫した歴史解釈(多歴史解釈)2/様相解釈1/様相解釈2

第七章 過去と未来を平等に考えてみる
未来が原因となって現在が決まる/どのようなときに逆向き因果があるのか/因果の向きは主観的か?/クライン―ゴルドン法的式に注目する/未来と過去が握手をする/交流解釈でミクロ世界の謎は解決するのか/方程式は対称なのに現実は非対称/量子力学を時間的に対称にする/非局在性をどのようにして避けるか/他の解釈の問題点/時間対称化された量子力学と多世界解釈/従来の量子力学と時間対称化された量子力学/ハーディのパラドクス/マイナス1の確率


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≪著者: ≫ 森田邦久 (もりた くにひさ) 1971年、兵庫県姫路市生まれ。大阪大学基礎工学部卒。博士(理学)、博士(文学)、いずれも大阪大学で取得。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学高等研究所助教をへて、同准教授(を経て、九州大学基幹教育院准教授)。


森田邦久 『科学哲学講義』(ちくま新書、2012年) '13/10/23


あぁ生きてる。死んでない。この世に生存している。たぶん (ワレオモフユヱニワレアリ)
なんだか大したことなどなにもしてないのに、あれやこれや、あれしてこれして、あれもしなきゃこれもしなきゃ、あちらを立ててこちらも立てて。場面に適うと想定する自分自身を、そのつど切り替えて演じ分けて。
ノイズが大きい。ぼくのなかの、AとBとCとDとEとFとGとHとIと、、、n+1なんかが、次つぎと途切れることなく語りだす。だから、うるさくって、落ち着くことがない、集中できない。まぁ仕方がない。語りたいことがあるんなら、そりゃ聞きましょ、耳を体を傾けましょ。ぜんぶ、ある程度まで、吐き出さないことには、クリアにならない。明けない夜はない、ものごとに、はじまりがあって、おわりがある、ないものではない、だろう、たぶん
じっさい、よく分からない
なにが正しくて(間違いで)、どうあることが真実で正義であるのか。
どうなんだろう、合格ラインを、ぼくはひとつには60点と設定する。
でも、じつは、20点くらいでもいい、そうして片づけてゆく、おおくはそのようにして片づけられている。
80点が要求されるときもある、ごくごく限られた場面。100点満点は、おおむね要求されない。
問題が生じなければ、それでいい、0点だって、構わない。生じた問題に、その状況に応じた対応を、事後にすればいい、しなければならない、ものなのかどうなのか



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本「絆の構造 依存と自立の心理学 (講談社現代新書2224)」高橋惠子5

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絆の構造 依存と自立の心理学 (講談社現代新書)
○著者: 高橋惠子
○定価: 777円
○ISBN: 978-4062882248






――変わる「標準家族」 崩壊する「男性稼ぎ主型」社会――
日本の家族と社会の関係が大きく変化している。私たち日本人が直面する生活困難は、家族で助け合うことだけで解決できるのか!? 仲間・友人・恋人との新たなつながりを求めて、自分らしい「愛情のネットワーク」をつくる一歩を踏み出すために――。

あなたは上手に人に依存していますか? 依存は個人に自立をもたらします。この本には「心の居場所」となる他者と贅沢な人間関係を築くためのメッセージが込められています。
揺らぐ「男性稼ぎ主型」社会の中で、専業主婦は少数派となり、単独世帯も増加を続ける。日本の家族と社会の関係は大きく変化をしているようだ。
人生90年時代を迎えた日本の「人間関係」の現在を、「絆」というキーワードを軸に生涯発達心理学から読み解く。
「絆」は、東日本大震災以降、日本中で再注目されている。特に家族の「絆」、地域の「助け合いの絆」を、政府をはじめ、メディアも人々に訴えている。しかし、我々日本人は、血縁、家族縁、地縁、社縁などに縛られすぎていないだろうか。他人とうまくコミュニケーションをとれることを高く評価し、他人との会話がないことを問題視するような、対人行動についての社会通念に翻弄されすぎていないだろうか。この伝統的な縛りを解き、通念をひとまず無視し、無理に人とつながることを一旦止めてはどうだろう。自分が生きる上で大切な人々を選択し、納得できるやり方でつきあえるように、人生を見直す時期にきているのではないだろうか。
本書では現在の日本の家族関係、仲間・友人・恋人との関係など、「人間関係」の構成や愛情のネットワークをわかりやすく解説し、これからの人と人がつながる仕組みを考察する。その上で、個人が自分らしい人間関係のネットワークを築く必要性を説く。
新たなつながりをつくる一歩を踏み出すための一冊。


≪目次: ≫
まえがき (二〇一三年八月一五日  高橋 惠子)
「仕組み」に注目する大切さ/構造をなす「仕組み」/本書の構成

序章 人間関係の神話
  人間関係とは何か
「絆」についての世論/「絆」という束縛
  「接近と回避」という人間関係の矛盾
アンビバレントな対人感情/「喜びは人に分かつと二倍になる、悲しみは人に分かつと半分になる」/しかし、私は私/自分の経験の記憶/私はこんな人という自己概念
  接近と回避の要求の調整
矛盾する要求/人を支える人間関係/上手に依存する/「自力でフィールドを去る」/「金子の姿を思い出していただけましたら幸いです」/依存と自立

第一章 日本の家族の現在
家族はセーフティーネットか/「母が重くてたまらない」
  制度としての家族
社会の最小単位としての標準家族/標準家族の減少/家族の変容と女性革命
  結婚という選択
結婚の変質の実情/結婚は選択肢のひとつ/専業主婦は少数派
  少子化は問題か
少子化とその対策/経済的な支援についてのコンセンサス/女性が働く社会と子どもの出生率/「幼い子どもは母の手で」という素朴信念/「三つ子の魂百まで」という思い込み/専業母親・専業父親のつらさ
  日本の家族の課題
性別役割分業の解消/ひとりひとりの決心が大切/母性原理と父性原理

第二章 母子関係は特別か
未熟に生まれる新生児/家父長制の仕組み
  母子関係と愛着
流布されている愛着と母子関係/愛着とは/愛着の四つの質
  ボウルビィの理論の欠陥
母親の役割を重視/家父長制イデオロギーとボウルビィ/ボウルビィの仮説=母親の偏重・幼児期決定説・世代間伝達説
  母親だけが重要だという幻想
「母親であること」とは/アロペアレンティングという知恵/家庭児と非家庭児の比較研究
  愛着は変化する
愛着の横断研究/愛着が変化する証拠/安定した愛着への発達/無秩序型の愛着と母親の養育行動

第三章 仲間・友人・恋人との関係
仲間関係についての思い込み
  友人とは誰か
「あなたは friend だ」/「あなたの友人を全部挙げてください」/誰とでも仲良くする文化
  友人を選ぶ
みんな友人?/女縁というネットワーク/社会参加活動の縁/物が媒介する縁/ウェブ社会縁
  友人と恋人
友情とは/多様な性愛/性愛の発現/恋愛と性愛

第四章 定年からの人間関係
第二の人生への移行
  定年前後の不安定さ
同僚は友人ではない/孤立する男性/夫の生存・存在は妻のリスク
  支え合う人と人
喜びを共有する人々/悲しみを分かち合う人々
  高齢者の生活
超高齢社会/年寄りへの偏見/老人に扮した女子学生の記録/元気に生きるコツ/人生九〇年時代の暮らし
  人生のしめくくり
自宅で暮らしたい/超高齢者の心理

第五章 人間関係の仕組み
依存と自立の進化
  人間関係の性質を捉える
重要な他者はひとりではない/役割を分担する重要な他者たち/個人のユニークなネットワーク/心的枠組みの柔軟性
  人間関係の心的枠組みの測定
愛情の関係尺度/愛情の関係尺度の回答法/測定結果の整理
  愛情のネットワークとしての人間関係
成人は複数の重要な他者を持つ/愛情のネットワークの類型/人間嫌いの一匹狼型/生涯にわたる類型の出現率
  子どもの愛情のネットワーク
子どもの愛情のネットワークの測定/子どもも複数の重要な他者を持つ/重要な他者のひとりとしての母親/愛情のネットワークの個人差/対人行動の差異=友だち型と母親型の場合

第六章 人と人をつなぐ
さまざまな素朴信念
  おひとりさまが社会の単位
日本は「男性稼ぎ主型」社会/社会の単位は個人/おひとりさまとおひとりさまのつながり/エピジェネティックスという考え方
  つながる仕組み
つながる能力に応答する/無秩序型の愛着の特徴/無秩序型の愛着の原因/遺伝子と環境の相互作用(G×E)研究
  つながりを広げる環境要因
「心の居場所」がないという訴え/問題の「解決」/心の理論を持つ/共感する脳/人間関係のスキル/アサーション・トレーニング
  さらにつながりを広げる環境要因
見知らぬ他者への関心/知識を増やす/社会認識の難しさ/他人事ではないという認識

引用文献


≪著者: ≫ 高橋惠子 (たかはし けいこ) 聖心女子大学名誉教授。1968年東京大学大学院博士課程修了、1972年博士号(教育学博士)を取得。乳児から高齢者までを対象に一貫して人間関係の生涯発達を、理論的、実証的に検討し縦断研究を行ってきた。主な著書に『生涯発達の心理学』(共著、岩波新書)、『感情の心理学』(共著、放送大学教育振興会)、『日本の男性の心理学――もう一つのジェンダー問題』(共著、有斐閣)、『人間関係の心理学――愛情のネットワークの生涯発達』(東京大学出版会)、『第二の人生の心理学――写真を撮る高齢者たちに学ぶ』(金子書房)などがある。
http://www.keiko-takahashi.com/


柏木惠子 『おとなが育つ条件 発達心理学から考える』(岩波新書、2013年) '13/08/22



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本「明治国家をつくった人びと (講談社現代新書2212)」瀧井一博5

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当時の指導者は西洋文明をどのように咀嚼し、どのように日本に活かしたか。明治期、国家が制作されるまでのドラマを描き出す群像劇。福沢諭吉宛の世界的大学者からの手紙、幕末の使節団がみたアメリカのデモクラシー、初代帝大総長がヨーロッパで接した知の精神――。伊藤博文、山県有朋、井上毅から旧幕臣知識人まで、この国のかたちを築いた骨太な指導者たちの幕末明治の文明受容の旅を辿りながら、彼らの思想と行動を読む。『本』好評連載、待望の新書化!


≪目次: ≫
はじめに 明治国家の西洋体験
凡例

第一章 ある書物の運命――『時事小言』の媒介する世界
 1 福沢諭吉とシュタイン――東西文明論の出会い
欧州からの手紙/須多因と国体/国家学とは何か――シュタインと国制
 2 国家をつくる――constitution の思想
「国のかたち」としての国制

第二章 幕末の国制見聞
 1 文久使節団が見た英国国制
議会制度と自由/民衆による統治――文久使節団と議会/「生たる器械」と文明のエートス
 2 二人の和製トクヴィル――万延元年遣米使節団の見たアメリカ国制
玉虫左太夫――幕末の異文化探訪者/親密なる権力――幕末日本人の見た「アメリカのデモクラシー」/村垣範正の「遣米使日記」――もうひとりの和製トクヴィル
 3 徳川昭武使節団と一八六七年パリ万博
ヒト、モノ、そして情報/栗本鋤雲の見た西洋の裁判
 4 幕臣知識人の面目――箕作麟祥と加藤弘之
箕作麟祥――翻訳者の維新/加藤弘之――幕末立憲思想の伝承
 5 ジョセフ・ヒコ(アメリカ彦蔵)――はじめてアメリカ大統領と会った日本人
漂流民がみたホワイトハウス/模範国としてのアメリカ――ジョセフ・ヒコの蒔いた種/立憲君主国としてのハワイ――もうひとつの模範国
 6 高杉晋作の上海体験
反面教師としての中国/千歳丸という“Natio”

第三章 明治国制の周辺
 1 伊藤「博文」の誕生
幕臣大鳥圭介の再生――伊藤博文との出会い/伊藤博文とイタリア美術
 2 知の政治家としての山県有朋
文明への冷めた眼差し――山県有朋の見た西洋/小田原市立図書館の『山県公文庫』――知の政治家としての山県有朋
 3 初代帝国大学総長・渡辺洪基
逆賊から「東大」総長へ/萬年会・帝国大学・国家学会
 4 歴史法学と明治日本
民法典論争と歴史法学――バルタザール・ボギシッチの日本民法論/井上毅と日本の歴史法学/法典から忠孝へ――穂積八束の目的法学

第四章 明治国制への道
 1 明治立憲制の隠れた二人のアドバイザー――クルメツキとグナイスト
『クルメツキ文書』との出会い/チェコに残る伊藤博文の手紙/『グナイスト文書』再訪
 2 明治憲法の成立
明治憲法発布式と文明のまなざし/金子堅太郎の議事堂建築意見
 3 陸奥宗光――エートスとしての知
陸奥宗光の女性観/エートスとしての知――陸奥宗光の遍歴
 4 明治大帝――日本型立憲君主の造形
明治憲法の光と影/明治天皇という身体/日清戦争と明治天皇
 5 伊藤博文と井上毅
井上毅――天皇親政と立憲制のあいだ/責任内閣を求めて――伊藤博文と井上毅の岐路

おわりに 伊藤博文の最後の旅

あとがき (二〇一三年五月 瀧井一博)


※本書は、小社PR誌『本』に連載された「明治国家をつくった人びと」(二〇〇八年八月号〜二〇一一年六月号、全三五回)をもとに再編成、加筆したものです。それ以外の初出は次の通りです。
「明治立憲制の隠れた二人のアドバイザー――クルメツキとグナイスト」(第四章第1節)――「チェコに残る伊藤博文の手紙」(1)(2)(有斐閣『書斎の窓』一九九八年六月号、七・八月号)、「『グナイスト文書』再訪」(同『書斎の窓』一九九八年十二月号)
「日清戦争と明治天皇」(第四章第4節三〇七〜三一五ページ)――「大元帥・明治天皇の誕生」(中経出版『歴史読本』二〇一二年十二月号)


≪著者: ≫ 瀧井一博 (たきい ひろかず) 1967年福岡県生まれ。京都大学法学部卒業。同大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。神戸商科大学助教授などを経て、国際日本文化研究センター准教授(総合研究大学院大学准教授を兼任)(を経て、国際日本文化研究センター教授)。専門は国制史、比較法史。著書に『伊藤博文――知の政治家』(中公新書、サントリー学芸賞受賞)、『文明史のなかの明治憲法』(講談社選書メチエ、角川財団学芸賞受賞、大佛次郎論壇賞受賞)、『伊藤博文演説集』(編著、講談社学術文庫)、『ドイツ国家学と明治国制』(ミネルヴァ書房)などがある。

瀧井一博 『文明史のなかの明治憲法 この国のかたちと西洋体験』(講談社選書メチエ、2003年) '11/12/24
瀧井一博 『伊藤博文 知の政治家』(中公新書、2010年) '11/11/30
瀧井一博 編 『伊藤博文演説集』(講談社学術文庫、2011年) '11/10/31


 明治国家とは、明治の立憲君主国家とは、まさに伊藤博文の「芸術作品(Kunstwerk)」だったといえよう。伊藤は国民統合の表象(レプレゼンテーション)たる主権者天皇と制度化された立憲君主としての天皇という「二つの身体」を見事にデザインし、構築した。
 ・・・・・・   (p333、「おわりに 伊藤博文の最後の旅」)



畳を、かたくしぼった雑巾で拭きあげた。
ファックス複合機は既に届いていて、固定電話の開通工事も前日におえて、そうして、ようやく固定留守番電話機が届いた。設置場所を確保するために、機能的な空間とするために、快適な事務環境を整えるべく、大掃除。
新しいモノを手にすることは、といっても中古品ばかりなのだが、たとえば、子どものころなら、新しいオモチャは嬉しかったし、大人になって、車を買ったり、家を買ったり、物欲がモチベーションを上げたようなときも、そういえば、確かにあったっけなぁ、、、などと思いながら、じっさい、煩わしさばかり、だ、どうにも、、、
あぁ残暑見舞いを出した、ようやっと出せた、ホッ♨
そう、畳を雑巾で拭きあげたのは、じつは、足の裏が黒く汚れることが気になっていた、から。考えてみたら、おおむね窓は開けっ放しで、掃除といってもホウキでザッと掃くだけだから。そう考えて、台所のクッションフロアの雑巾がけの前に。畳の目に沿って、腰を屈めて、両膝ついて、小さくなって、ゴシゴシキュッキュ♪


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本「おどろきの中国  Astonishing China (講談社現代新書2182)」橋爪大三郎/大澤真幸/宮台真司5

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おどろきの中国 (講談社現代新書)
おどろきの中国  Hashizume, Daisaburo & Ohsawa, Masachi & Miyadai, Shinji: “Astonishiing Chaina”, Kodansha Ltd., Tokyo 2013.02 (講談社現代新書2182)

○著者: 橋爪大三郎大澤真幸宮台真司
○出版: 講談社 (2013/2, 新書 384ページ)
○定価: 945円
○ISBN: 978-4062881821




・・・しかし、日本は東洋で真っ先に近代化したなんて称しても、しょせんはその程度のものでしかあり得ないのでしょうかね。ああ、また絶望的な気持ちになります(笑)。 〔宮台〕
 いや、絶望しなくていいと思うよ。日本は、大きな中国に喰らいついて、生きていけばいいんだよ(笑)。 〔橋爪〕  (p320-321)


なぜ日本人の「常識」は彼らに通じないのか?
日本を代表する三人の社会学者が対症療法ではない視座を求めて白熱の大討論!

「中国が、こんなに存在感を増しているのに、私たちは中国のことを知らない。中国についてとてつもなく饒舌に語られているのに、日本人を含む中国の外の者には、中国という社会がわからない。……中国は、日本のすぐ隣にあって、歴史的にも深いつながりがあるのに、現在の日本人にとって、西洋以上に謎である。」(まえがきより)


≪目次: ≫
まえがき (二〇一三年一月 大澤真幸)

第1部 中国とはそもそも何か
 1 中国は「国家」なのか?
 2 二千年以上前に統一できたのはなぜか
 3 政治的統一こそが根本
 4 中国的生存戦略の起源
 5 儒教はなぜ歴代政権に採用されたか
 6 安全保障が何より大事
 7 科挙と宦官の謎
 8 ランキングへの異様なこだわり
 9 漢字の秘密
 10 日本人と漢字の関係
 11 日中のリーダー観のちがい
 12 個人救済としての道教

第2部 近代中国と毛沢東の謎
 1 なぜ近代化が遅れたのか
 2 明治維新とどこがちがったか
 3 中国人はいつ中国人になったのか
 4 天の代替物としてのマルクス主義
 5 中国共産党はどうして勝てたか
 6 「指導部が正しい」というドグマ
 7 毛沢東は伝統中国の皇帝か
 8 毛沢東を欲求する社会
 9 冷戦が終わっても共産党支配が崩れなかった理由
 10 相転移する社会
 11 日本よりも合理的な面
 12 ナチズム、スターリニズムとのちがい
 13 伝統主義か、近代主義か
 14 生かす権力か、殺す権力か
 15 文化大革命とは何だったのか
 16 中華帝国の核心

第3部 日中の歴史問題をどう考えるか
 1 伝統中国は日本をどう見ていたか
 2 中国人の認知地図
 3 日本が大陸に進出した動機
 4 近代の主権概念vs.東アジアの伝統
 5 満洲国の建国
 6 日中戦争とは何だったのか
 7 日本人の傾向
 8 過去を引き受けるために

第4部 中国のいま・日本のこれから
 1 「社会主義市場経済」の衝撃
 2 小平のプラグマティズム
 3 中国の資本主義は振り子のトラか
 4 共産党の支配は磐石か
 5 民主化の可能性は?
 6 中国は二十一世紀の覇権国になるか
 7 日本は米中関係の付属物にすぎない
 8 台湾問題
 9 北朝鮮問題
 10 日本がとるべき針路

あとがき (二〇一三年一月 橋爪大三郎)


≪著者: ≫ 橋爪大三郎 (はしづめ だいさぶろう) 1948年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東京工業大学教授(を経て、東京工業大学名誉教授)。著書に『はじめての構造主義』『はじめての言語ゲーム』(ともに講談社現代新書)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま新書)などがある。大澤氏との共著『ふしぎなキリスト教』(講談社現代新書)で新書大賞2012を受賞。

≪著者: ≫ 大澤真幸 (おおさわ まさち) 1958年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。千葉大学助教授、京都大学教授を歴任。著書に『ナショナリズムの由来』(講談社、毎日出版文化賞)、『〈世界史〉の哲学』(講談社)、『夢よりも深い覚醒へ』(岩波新書)などがある。

≪著者: ≫ 宮台真司 (みやだい しんじ) 1959年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。首都大学東京教授。著書に『権力の予期理論』(勁草書房)、『終わりなき日常を生きる』(ちくま文庫)、『日本の難点』(幻冬舎新書)などがある。



橋爪大三郎 『政治の教室  Politics For Beginners, 2001 』(講談社学術文庫、2012年) '12/07/18
橋爪大三郎×大澤真幸 『ふしぎなキリスト教  Wonders In Christianity 』(講談社現代新書、2011年) '11/11/11

大澤真幸 『生権力の思想 事件から読み解く現代社会の転換』(ちくま新書、2013年) '13/03/25
大澤真幸 『量子の社会哲学 革命は過去を救うと猫が言う』(講談社、2010年) '12/11/13
大澤真幸 『逆接の民主主義 格闘する思想』(角川oneテーマ21、2008年) '12/11/04
見田宗介/大澤真幸 『二千年紀の社会と思想』(atプラス叢書、太田出版、2012年) '12/05/21
大澤真幸 『不可能性の時代』(岩波新書、2008年) '12/04/20
大澤真幸 『近代日本思想の肖像』(講談社学術文庫、2012年) '12/04/17
大澤真幸 『「正義」を考える 生きづらさと向き合う社会学』(NHK出版新書、2011年) '12/04/07
大澤真幸 『夢よりも深い覚醒へ 3・11後の哲学』(岩波新書、2012年) '12/04/03
大澤真幸 『社会は絶えず夢を見ている』(朝日出版社、2011年) '12/03/10
橋爪大三郎×大澤真幸 『ふしぎなキリスト教  Wonders In Christianity 』(講談社現代新書、2011年) '11/11/11
大澤真幸 『近代日本のナショナリズム』(講談社選書メチエ、2011年) '11/07/08



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本「非社交的社交性 大人になるということ (講談社現代新書2008)」中島義道5

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非社交的社交性 大人になるということ (講談社現代新書)
非社交的社交性 大人になるということ (講談社現代新書2008)

○著者: 中島義道
○出版: 講談社 (2013/5, 新書 224ページ)
○定価: 777円
○ISBN: 978-4062882088



オワリマシタ
(解放サレタ?!)
クタビレマシタ、、、なにはともあれ(結果がどうであれ)、まずは、おわってよかった
おわりははじまり、すでにはじまっている
いろいろいろいろ、やらなくてはならないことが山積みで、しかしじっさい、なかなかカラダが言うことをきかない、レスポンスがよろしくない(クタビレ)

大学の、こないだうけた面接授業(はじめての哲学系の授業♪)の課題レポートの締切が水曜日だから、月・火・水でまとめて仕上げて提出する。
七月の末には単位認定試験がある。これまで(三年六回)に比較するにはペースを半分に落として四科目。このところ日夜パソコンにむかっているあいだに繰り返し何度も聴講しつづけている「民法 '13」「事例から学ぶ日本国憲法 '13」、、、
来年、大学生活五年目にして、卒業研究にとりくむ。そのための、大学に提出する書類をまとめなければならない。

ぼくのむすめはいま高校二年生で、大学進学を、就職まで考慮にいれて、、、はたして、ぼくに、なにが、なにを、父親って、なんなんだろう
いっしょに暮らしているわけではないから、、、子どもの意識が何歳からハッキリしているのか、たとえば三歳くらいからだとすると、まもなく別々の生活のほうが長くなる。
まったくぼくにはなにがどうなっているのか、まるで様子がわからない。
それでも、なんとかしたい、と思うのは、ぼくのシッパイの苦しみを、おなじ過ちを重ねるようなことだけは、できるかぎり避けたほうがいいだろうと、ぼくはそう思うのだが、そう思うのは(あくまでも)ぼくであって、それを他人に伝えてさらにそのように仕向けることやなんかは、う〜ん、そうそうカンタンなものではない

シゴトを劣後させて、サイアク、実入り(収入)がゼロになっても、七夕の試験が終わるまではなんとかなる目算を立ててのチャレンジであった。
そう考えるには、ありがたいことに、在宅でのシゴトを許容してくれて、クビにしないでシゴトをくれて、報酬をくれた、カイシャにシャチョウに感謝しなければならない。
むすめの高校と大学の学費として、プールしていたお金を、ここ数カ月で取り崩しているから、リカバーすべく、体制を立て直す、方向修正を試みる、具体策を詳細に組み立てねば



「人間嫌い」のための居心地のいい人間関係のつくりかた

人間は一人でいることはできない。といって、他人と一緒にいると不快なことだらけ――。「人間嫌い」のための、居心地のいい人間関係のつくり方とは。哲学者が、カントの言葉「非社交的社交性」を手がかりに、哲学、日本、若者を考えるエッセイ。


≪目次: ≫
はじめに 大人になる君へ

第I部 非社交的社交性
1 哲学に至る道
根なし草/関門海峡/高家/サクラメント/ケーニヒスベルク/食卓の仲間/自殺/たった一つの絆/横滑り/何もかもわからなくなって……
2 半隠遁という生き方
心の弱さと哲学/克己心/孤立と自立/反対の一致/ネット上の強者/善意という暴力/帰属意識/期待という名の凶器/誇りと差別意識/繊細な精神/他人の痛みのわかる人?/個室/哲学病の効用/嫉妬の虚しさ/嫌いな人/儀式
3 遊びと哲学
ソフィストとソクラテス/「人生の虚しさ」を見つめるという遊び/ニヒリズムという遊び
4 未来は「ない」
哲学者の会話/十分の一秒の差/可能世界?/偶然と必然/自由意志?/未来は「ない」/超越論的観念論/私が死ぬということ
5 西洋と日本のあいだ
結婚/離婚/国際別居夫婦/西洋に暮らして日本の学校を見る/日本人学校という調教現場/アメリカン・インターナショナル・スクールの「自由な」雰囲気/帰国子女のひとりとして/ウィーン半移住/ウィーンの森?/ウィーン気質/言葉とその意味/お節介文化/誠実あるいは誠意/ギレライエ/チュービンゲン

第II部 こころ優しく凶暴な若者たち
1 「生きにくい」人々
朝まで生テレビ/絶望に陥らない不幸/「生きにくい」若者たち/専門哲学者への道/なぜ「哲学塾」に来るのか?/「人生の意味」こそ、哲学最大の問いである
2 過度の「合理性」を求める
なんでもネットで調べて反論する/間違って買った文庫本の代金を払ってください/ここはウソを教えるところですか!/「文字通り」しかわからない/「文字通り」を鍛え上げる/先生が書いているものを次の中から選んでください
3 言われなければわからない!
心から挨拶しなくてもいいんですか?/僕はこう解釈しました/未納問題
4 「ワガママ」にしがみつく
イヤなことは絶対にしない/先生とホワイトボード以外見たくないんです/「カント研究会」での出来事/組織に属するということ
5 成熟を拒否する
ピーターパン・シンドローム?/死ぬのが怖いから、何もしない/無知を恥じない/奢ってもらうときはあまり食べるな!/規則を勝手にラクな方に変えてしまう/コピー機のトレイを壊し、ダンボールで補充する/先生、私を見抜いているんですね?/自暴自棄になって生きていきます
6 軽蔑されたくない!
「もちろん」って言わないでください/みんな平等のはずである/先生とのあいだに深い溝ができました/「無能」と言われたからやめます
7 「リア充」の意味するところ
ぼくが痴漢なんてあんまりです!/三冠王?

哲学へのヘンないざない――あとがきに代えて (二〇一三年四月一〇日 桜が散りあっという間にまぶしい新緑 中島義道)


≪著者: ≫ 中島義道 (なかじま よしみち) 1946年生まれ。東京大学法学部卒業、同大学大学院人文科学研究科哲学専攻修士課程修了。ウィーン大学にて哲学博士号取得。電気通信大学教授を経て、「哲学塾カント」主宰。専攻は時間論、自我論。著書に『哲学の教科書』『「私」の秘密』(以上、講談社学術文庫)、『「時間」を哲学する』『カントの人間学』(以上、講談社現代新書)、『差別感情の哲学』『哲学塾授業』(以上、講談社)、『孤独について』『観念的生活』(以上、文春文庫)、『ウィーン愛憎』(中公新書)、『明るいニヒリズム』(PHP研究所)、『ニーチェ――ニヒリズムを生きる』(河出ブックス)など多数。




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本「民法はおもしろい (講談社現代新書2186)」池田真朗5

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民法はおもしろい (講談社現代新書)
民法はおもしろい (講談社現代新書2186)

○著者: 池田真朗
○出版: 講談社 (2012/12, 新書 256ページ)
○定価: 798円
○ISBN: 978-4062881869



・・・多様なレベルの「一般市民」に対する、多様なレベルの「面白さ」、、、「一般市民の目線に立って、民法という法律の輪郭をとらえ、それを歴史と市民文化の発展のプロセスのなかで理解しながら、その面白さを発見し、さらに現代の日本民法の持つ問題を共に考えようとするものである」ということを本書の意図、として、、、(p5-6、「はしがき」)



知らないと損をしてしまう、「人生の必修科目」!
連帯保証人の悲劇とは? ゴミ集積場に出したゴミは誰のもの?
ネットで誤って承諾をクリックしてしまったら。振り込め詐欺にあったら――。
変わりつつある「現代社会の基本法」を第一人者がわかりやすく紹介する格好の入門書。


≪目次: ≫
はしがき (二〇一二年一一月  池田 真朗)

序章 民法のイメージ
「堅苦しい」「できればかかわりたくない」……?/法律(学)を教える「目線」/生存のための教育――現代版「学問のすゝめ」をめざして/ゆりかごから墓場まで/民法の「いま」と「なぜ」/法律の話はんぜ面白くないのか/決められたルールを守らなくてもいい法律/私法の木/特別法と一般法/民法の売買契約と商法の売買契約/「幹」である民法を学ぶ意味/なぜ法律学にはノーベル賞がないのか/法律学は「科学」か?/毛利さんのサイエンスカフェ/法律学と言葉の世界/これだけ違う民法と刑法の詐欺罪/民法における詐欺取消し/なぜ取消しでいい?/民法の目的――近代市民の「意思による自治」/契約自由と表意者の保護/振り込め詐欺/市民社会の構成原理/民法の別の顔――取引法への傾斜/プロとアマチュア/民法典の性格づけ

第一章 民法は人生の必修科目
人生をめちゃくちゃにする保証/保証契約の基礎知識確認テスト/債務者を多数にする意味/テストの解答 宗淑歉攘戚鵑箸修料蠎衒/テストの解答◆宗淑歉攘戚鵑瞭睛董織謄好箸硫鯏――連帯する相手は?/連帯債務の全額支払義務/「クラス全員の連帯責任」とは違う/民法の対応――個人保証の制限/知っていて助かる民法の規定――不法行為/数人のグループに被害を受けたら――共同不法行為/知っていて得をする? 民法の規定――時効/自己決定を実現する制度/民事の時効期間

第二章 民法典の沿革と全体像
人の一生と民法/民法典の構成/一〇〇年を超える歴史――立法の経緯と沿革/旧民法典――我が国初の近代民法典/法典論争/明治民法典を起草した委員たち/フランス民法とドイツ民法/権利のない人に支払ったら――仏独の違い/日本の取り込みとその後の意外な展開/銀行預金の過誤払いへの活用/通帳・印鑑やカードのデータが盗まれたら/第二次世界大戦後の家族法大改正/民事大立法時代へ/三つの社会変化/高齢化社会への対応/意思能力と行為能力/行為無能力者から制限行為能力者へ/後見・保佐・補助/未成年者の行為の取消し/社会の情報化(電子化)への対応/ネットショッピングの「錯誤」――電子消費者契約法/うっかりクリックした場合/債権譲渡についての電子化登記の創設/社会の国際化への対応/ウィーン売買条約/国連国際商取引法委員会

第三章 実践 市民目線の民法学
電車の網棚のスポーツ新聞/所有権とその放棄/「持っている」とは――所有権と占有権/自転車泥棒から考える/ゴミ集積場に出したゴミは/所有権の移転――どうやって、いつから自分のものになる?/物権と債権/債権・債務と権利・義務/売買契約/マイホームの購入/権利移転と対抗要件/意思主義と対抗要件主義/二重譲渡された不動産/買主の法的救済手段/安心安全な不動産の購入手続き

第四章 市民が作る家族法
子育て夫婦の目から/今日の家族のあり方の原形/特別養子/議論を呼んだ夫婦別姓/生殖補助医療/急増する児童虐待/親権停止制度の創設/法律が先導するか習俗が先導するか/法律が習俗を導く社会とは?/習俗が立法を要求する社会

第五章 民法は中小企業の金融法
中小企業の目線でとらえる民法/金融法――融資法と資金調達法/中小企業の定義/大企業と中小企業の資金調達手段/抵当権というもの――中小企業の資金調達の行き詰まり/個人保証の悲劇ーー中小企業の資金調達の行き詰まり/答は貸借対照表に/流動資産の活用へ/売掛金の活用――債権譲渡担保/将来発生するだろう債権をまとめて担保に/危機対応型から資金調達のための取引へ/債権譲渡の対抗要件/確定日付のある証書/内容証明郵便/債権譲渡特例法がもたらしたパラダイム・シフト/信用保証協会の協力――売掛債権担保融資保証制度の創設/在庫の活用――集合動産譲渡担保/二つの担保融資手段の結合――ABLへ/「生かす担保」論/ABLとはどんな取引か/震災復興の手段としても

第六章 市民文化と民法教育
なぜ民法に関心が持たれないのか/歴史と市民文化のマトリックス/法学教育の伝統的問題点――現代の法科大学院教育から遡る/権威と結びついた法学教育/市民生活のリスク回避という観点/振り込め詐欺からネット売買のトラブルまで――増大するリスク/学生・生徒が知っておくべき民法/持続可能な社会と持続可能な個人生活のために

第七章 「わかりやすい」民法とは――民法(債権関係)改正論議(1)
民法をやさしくする?/法制審議会への見直しの諮問/諮問の理由と見直しの対象範囲/何をどう直す改正か?/世界的な変革期?/改正作業と周辺からの評価/政府と市民のギャップ/歴史と市民文化のマトリックスのなかの改正論議/わかりやすさの難しさ/二〇〇四年の現代語化改正/意味を変えない現代語化の難しさ/「わかりやすくする」提案とその是非/債務不履行と帰責事由/引き受けていなかった事由とは?/契約の拘束力の重視

第八章 古くなった民法を改正する話――民法(債権関係)改正論議(2)
時代遅れの民法典?/国の政策のなかでの民法(債権法)改正の位置づけ/民法の寿命?/判例法リステイト/頻発した賃貸借契約/需要と供給/信頼関係破壊の法理/すべての売買契約に通用する判例法理か/判例の射程距離/条文に入れることの是非/消費者契約法の取り込み/特別法を取り込む必然性は?

第九章 社会・経済の変化への対応――民法(債権関係)改正論議(3)
社会・経済の変化への対応/「先取り」と「時期尚早」/利害対立と力関係――債権譲渡禁止特約の問題/保証をめぐる二つの正反対の提案/催告の抗弁と検索の抗弁/連帯保証の廃止提案を考える/金融取引への影響/金融のあり方自体を再考すべき/経営者のモラル・ハザード/停止条件付きの連帯保証という概念/誓約(コベナンツ)条項の活用/法改正が万能か

第一〇章 民法改正と国際競争力
国際競争のための民法改正?/優秀な民法は準拠法のなるか?/日本のプレゼンスを高めるべきにすること/「それぞれの国にそれぞれの民法」/カンボジアで考えたこと/「民法研究の友人」/先進的なブラジルの消費者法/国際競争と、足元を見ること/国際的な契約ルール統一の動き/契約に関する規定を中心とした改正

結章 日本民法典の未来と市民の未来
あるべきなのにない規定/債務引受と契約上の地位の移転/過払金返還訴訟/「債務引受はしていない」と言えるか/条文があるとないとでは/賃貸人の地位の移転――大家さんが代わったら/複雑化する地位の移転/現代日本社会にとっての最適改正へ/日本市民の成長と将来像――civilisation とは/民法典の市民法としての位置づけ/市民の「民法作り」への参加

あとがき


≪著者: ≫ 池田真朗 (いけだ まさお) 慶應義塾大学法学部・同大学院法務研究科教授。1949年生まれ。旧司法試験・新司法試験考査委員、法制審議会部会委員、国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)国際契約実務作業部会日本代表等を歴任。日本学術会議会員。主著に『債権譲渡の研究』第1〜第4巻(弘文堂)、『ボワソナードとその民法』(慶應義塾大学出版会)。『スタートライン債権法』『スタートライン民法総論』(日本評論社)、『新標準講義 民法債権総論』『新標準講義 民法債権各論』(慶應義塾大学出版会)、『法の世界へ』(共著・有斐閣)など、入門書・教科書の執筆も多い。


野村豊弘/栗田哲男/池田真朗/永田眞三郎 『民法III――債権総論 〔第3版補訂〕』(有斐閣Sシリーズ、2012年) '13/04/27 , '13/05/22
池田真朗/犬伏由子/野川忍/大塚英明/長谷部由起子 『法の世界へ 〔第5版〕』(有斐閣アルマ、2012年) '13/04/20

内田貴 『民法改正 契約のルールが百年ぶりに変わる』(ちくま新書、2011年) '13/04/01
大村敦志 『民法改正を考える』(岩波新書、2011年) '13/03/29



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本「江戸の小判ゲーム (講談社現代新書2192)」山室恭子5

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江戸の小判ゲーム (講談社現代新書)
江戸の小判ゲーム (講談社現代新書2192)

○著者: 山室恭子
○出版: 講談社 (2013/2, 新書 200ページ)
○定価: 777円
○ISBN: 978-4062881920



え、なんで?
ゲーム理論的、お江戸のびっくり
 265年間の安定の謎



松平定信と経済官僚たちの所得再分配のためのプロジェクトX!

幕府も武家も商人も Win-Win の関係だった!?
借金棒引き、貨幣改鋳に込められた真の狙いとは?
支配─被支配という旧来の歴史認識ではわからない江戸時代の実像に迫る興奮の一冊。


≪目次: ≫
はじめに

第一章 お江戸の富の再分配
証言1 五〇年に一度の決まりごと/目的は世上融通/証言2 数代の大借で難儀/証言3 余儀なき不幸/政治の偶然より経済の必然/証言4 武家の潤いは町方の潤い/証言5 融通の回復/証言6 金銀貸付不自由/富の再分配/三大改革における再分配策/紐付き御用金/直接再分配から間接再分配へ/証言7 二〇〇年の国恩/証言8 信用取引の保証/互恵システム/証言9 商人はフリーライド/証言10 課税できないわけ/物価高への恐れ

第二章 改革者たち
【チーム定信の陣容】
1 棄捐令プロジェクト
ある日、突然に/借金棒引き令/三部構成のたくらみ/非公式の脅し/資金提供の囁き/波状攻撃の仕掛け/久世アイディア始動/樽屋の実行プラン/ちゃぶ台返し/裏ルール/守られた均衡/札差たちの反攻/狼狽する定信/二%の攻防
2 町会所プロジェクト
スーパー二割引/三段跳び作戦/助け合いファンドに/これは戦争ではない/八朔の旋回/町入用大調査/三択でどうぞ/二割三分八厘の憂鬱/自主か管理か/強気のリーダー/一〇万両の計算違い/父から子へ

第三章 お江戸の小判ゲーム
貯金する罪/改鋳浮説/元文の陣/公儀の完敗/展開型ゲーム/改元と改鋳の連動/享保の陣/旧貨幣回収作戦/文政の陣/自分の首を絞めている?/世上の貨幣の流通量/少額貨幣化/ターゲットはマーシャルのk/大岡忠相の選択/操作された出目/疑惑の帳簿/あの手この手の古金銀回収/「一己の宝」より「世上の宝」/商人のジレンマ/疑問氷解

終章 日本を救った米相場
未曾有の大値段/江戸の動き/大坂の動き/素人の参入/なぜ高騰したか/なぜ急落したか/日本を救った米相場/慶応三年秋の酒/入道さんの置き土産


本書がお世話になった資料集

おわりに (二〇一三年一月 著者)


≪著者: ≫ 山室恭子 (やまむろ きょうこ) 1956年東京都生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院人文科学研究科博士課程中退。文学博士。東京工業大学大学院社会理工学研究科教授。専攻は、日本史。主な著書に、『中世のなかに生まれた近世』(吉川弘文館、サントリー学芸賞受賞)、『黄金太閤』(中公新書)、『群雄創世紀』『歴史小説の懐』(以上、朝日新聞社)、『黄門さまと犬公方』(文春新書)がある。

山室恭子 『中世のなかに生まれた近世』(講談社学術文庫、2013年) '13/05/29



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本「〈生命〉とは何だろうか 表現する生物学、思考する芸術 (講談社現代新書2193)」岩崎秀雄5

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〈生命〉とは何だろうか――表現する生物学、思考する芸術 (講談社現代新書)
〈生命〉とは何だろうか 表現する生物学、思考する芸術 (講談社現代新書2193)

○著者: 岩崎秀雄
○出版: 講談社 (2013/2, 新書 288ページ)
○定価: 840円
○ISBN: 978-4062881937



・・・とは何だろうか、、、とは何か、とは何だろうか
僕たちの、多様な眼差し、として

 ・・・文中の人物については、原則的に存命中の人物のみ「さんづけ」で書いています。亡くなった方のみを「敬称略」にするのは、かえって失礼な気もするのですが、ご了承ください。(p13、「プロローグ」)


つくりながら見えてきた〈生命〉の本質
生物学者でアーティストでもある著者による〈生命〉への5つのアプローチ


≪目次: ≫
プロローグ

第1章 つくりながら理解する生物学──細胞をつくるとは?
生命をつくる/生命の基本単位としての細胞/ヴェンター・グループの「人工細胞」/ボトムアップ型の人工細胞構築プロジェクト/ヴェンターの合成細菌は「人工生命」か?/細胞の部分をとるためには?/ゲノム・プロジェクトのインパクト/ミニマル細胞とキリン/自己増殖するミニマル細胞?/試験管内の蛋白質合成システムの重要性/体内時計を試験管で再構築する/シアノバクテリアの概日リズム/人工遺伝子回路リズム/つくったら理解したことになるのか?

第2章 「細胞を創る」研究会をつくる
合成生物学の台頭/システム生物学/4つの段階/場をつくる――「細胞を創る」研究会/つくりたい細胞のイメージ/標準化をめぐる議論/自律増殖させるべきか、させざるべきか/安全性に関する懸念/アシロマ会議/何を目標とするのか?/文化的な死生観・生命観との関係性/各種研究助成の波/社会的な取り組み/合成生物学の経済的波及効果は?/社会的な研究システム/テクノロジー・アセスメントの重要性

第3章 合成生物学の源流をめぐって
「何ができたら人工細胞」なのだろうか?/トラウベの人工細胞/ルデュックの合成生物学宣言/ルデュックの「生きていること」の3機能/パストゥールの「自然発生説の否定」と人工細胞/ヘッケルのオウトゴニー(自己発生)説/連綿と続く「生命合成」の夢/柴谷篤弘の合成生物学構想/人工生命

第4章 表現する生命科学──生命美学という試み
チューリング・テストと人工細胞/生命の定義と間主観性/還元論のふしぎ/物質って……?/機械論的生命像/情報概念で生命を語れるか?/生物学の美的含意/ふたたびキリンの話/生命科学と日常的・情動的生命/イケてる細胞/生命科学における視覚デザイン/伝えるためのデザイン/芸術の一ジャンルとしての科学/メビウスの輪

第5章 現代芸術における生命
芸術はなぜ生命にこだわるのか/マイクロヴィーナス/GFPウサギ/培養人形/バイオメディア・アートの「場」/metaPhorest(メタフォレスト)の設立/切り絵とバクテリア/合成生物学のお祭り iGEM/バクテリア写真/オープン・ソース、DIY-BIO/Do it yourself(DIY)から Do it with others(DIWO)へ/人工的生物多様性/合成美学/バイオジェニック・タイムスタンプ/生命の「時間」に焦点を当てる/朽ちていくコンピュータに育つ、バクテリア

エピローグ

おわりに (2013年1月、東京にて 岩崎秀雄)
参考文献


≪著者: ≫ 岩崎秀雄 (いわさき ひでお) 1971年、東京生まれ。名古屋大学大学院理学研究科博士課程修了。名古屋大学助手、科学技術振興機構さきがけ研究員などを経て、早稲田大学教授(電気・情報生命工学科)。専攻は細胞分子生物学、生命美学。生物がリズムやパターンを生じるメカニズムの研究とともに、バイオメディアや切り絵を用いた造形作家として国内外で精力的に創作・展示活動を行っている。生命に関わる芸術・美学の制作・研究を推進する学際プラットフォームmetaPhorestを主宰、科学者と美術作家が混在する研究室を運営。「細胞を創る」研究会の設立にも関わり、社会文化ユニットの世話人も務める。文部科学大臣表彰若手科学者賞、日本時間生物学会学術奨励賞などを受賞。



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本「西郷隆盛と明治維新 (講談社現代新書2202)」坂野潤治5

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西郷隆盛と明治維新 (講談社現代新書)
西郷隆盛と明治維新 (講談社現代新書2202)

○著者: 坂野潤治
○出版: 講談社 (2013/4, 新書 216ページ)
○定価: 777円
○ISBN: 978-4062882026





日本近代史の第一人者が、日本を近代国家に導いた人物を描き出す!
征韓論、西南戦争……、「軍部独裁と侵略戦争の元祖」はつくられた虚像だった!

幕末期に「議会制」を構想し、封建制の打破に尽力し、江華島事件を卑劣と非難した、幕末維新の巨人の実像に迫る一冊。



≪目次: ≫
はじめに

第一章 「攘夷」なき「尊王」論者
1 西郷登場のタイミング
一八五四年、始めて江戸へ/水戸学に内在した矛盾/渋沢栄一の『新論」評価
2 「外圧」と挙国一致
水戸藩主の「尊王攘夷」論/佐久間象山の海防論/「東洋道徳・西洋芸術」/西郷隆盛の八人の同志/西郷隆盛と吉田松陰/吉田松陰の決戦論/上層武士の幕政改革論

第二章 安政の大獄と西郷隆盛
1 先達の挫折と西郷の登場
島津斉彬の信任/「開国改幕」か「開国佐幕」か/「格差社会」としての江戸時代/旧体制の崩壊/「崩壊」に拍車をかけた「安政の大獄」/三者三様の思惑
2 西郷と「留守薩摩」
「留守政府」/保護か流刑か/西郷留守中の薩摩藩/久光と西郷の衝突

第三章 西郷の復権
1 流刑中の中央政治
政治の両極分解/松平慶永と勝海舟/西郷路線と勝路線
2 幕府の復権と西郷の復活
久光構想の挫折/「維新の大業は実に此一挙に基因す」/西郷の議会論と勝海舟への傾倒/西郷と大久保
3 「講義輿論」か「武力倒幕」か
「富藩強兵」/薩長の接近/長州の汚名を雪ぐ/徳川藩をとるか、長州藩をとるか

第四章 大名の「合従連衡」から藩兵の「合従連衡」へ
1 「薩土盟約」と「大政奉還」
「薩土盟約」の到達点と弱点/「薩長盟約」と「薩土盟約」の両立/政府はどこに、議会の実権はどこに?/藩兵間での「横断的結合」
2 「官軍」の形成と二院制
大政奉還と三藩出兵/議会の形骸化と官軍の実体化/「中道派」の敗北/勝海舟との再会/亡びゆく組織と勃興する組織
3 西郷路線の限界
西郷の戦争指導に対する批判/「官軍」の解散

第五章 「革命」の終了と政権復帰
1 議会制か御親兵か
藩兵と公議所/「官軍」の再結成
2 西郷における「革命」の終了
「尊王倒幕」運動の帰結としての廃藩置県/西郷の時代の終焉/統治体験の欠如/西郷頼りの欧米使節団/西郷と大久保の信頼関係/「征韓論」の萌芽

第六章 廃藩置県後の西郷
1 いわゆる征韓論
七転び七起き/「七転び目」としての征韓論/「征韓論」をめぐる一勝一敗
2 台湾出兵と西郷
義勇兵を募る/戦争となれば西郷が元帥/誤った西郷伝説

終章 西郷の虚像と実像
「福沢の右に出候もの之あるまじく」/欧米心酔者が何故?/西郷なりの合理性/「自力優勝」の可能性/それにしても何故反乱を?/それでも何故?/革命の成功と革命軍の一掃

おわりに (二〇一三年一月 著者)


≪著者: ≫ 坂野潤治 (ばんの じゅんじ) 1937年神奈川県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程中退。東京大学社会科学研究所教授、千葉大学法経学部教授を経て、東京大学名誉教授。専攻は、日本近代政治史。著書に、『昭和史の決定的瞬間』『未完の明治維新』『日本近代史』(以上、ちくま新書)、『明治デモクラシー』(岩波新書)、『明治維新 1858-1881』(共著、講談社現代新書)、『自由と平等の昭和史』(編著、講談社選書メチエ)、『近代日本の国家構想』(岩波現代文庫、吉野作造賞受賞)、『明治国家の終焉』(ちくま学芸文庫)、『日本政治「失敗」の研究』(講談社学術文庫)、『日本憲政史』(角川源義賞受賞)『明治憲法体制の確立』(以上、東京大学出版会)など多数。

坂野潤治 『日本近代史』(ちくま新書、2012年) '12/07/06
坂野潤治 『明治国家の終焉 1900年体制の崩壊』(ちくま学芸文庫、2010年) '10/08/11
坂野潤治 『日本政治「失敗」の研究』(講談社学術文庫、2010年) '10/04/20
坂野潤治 『近代日本の国家構想 1871-1936』(岩波現代文庫、2009年) '10/04/01
坂野潤治+大野健一 『明治維新 1858-1881』(講談社現代新書、2010年) '10/02/23
坂野潤治×田原総一朗 『大日本帝国の民主主義 嘘ばかり教えられてきた!』(小学館、2006年) '10/02/20
坂野潤治 『明治デモクラシー』(岩波新書、2005年) '10/02/17
坂野潤治 『未完の明治維新』(ちくま新書、2007年) '10/02/10
坂野潤治 『昭和史の決定的瞬間』(ちくま新書、2004年) '10/02/03
坂野潤治/田村裕美/北村公子、坂野潤治編 『自由と平等の昭和史 一九三〇年代の日本政治』(講談社選書メチエ、2009年) '10/02/01

松浦玲 『勝海舟と西郷隆盛』(岩波新書、2011年) '12/02/07
鳥海靖 『逆賊と元勲の明治』(講談社学術文庫、2011年) '11/12/02



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本「藤原道長の日常生活 (講談社現代新書2196)」倉本一宏5

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藤原道長の日常生活 (講談社現代新書)
藤原道長の日常生活 (講談社現代新書2196)

○著者: 倉本一宏
○出版: 講談社 (2013/3, 新書 288ページ)
○定価: 840円
○ISBN: 978-4062881968




世界最古の自筆日記が語る権力者の知られざる実像!

「この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたる事も無しと思へば」――栄華をきわめた人物の知られざる実像に迫る!
平安貴族の過酷な政務とは? 下級官人、女官たちの人心を掌握する術とは? 物忌、穢、怪異、怨霊といかに向き合ったか?
権力者が綴った世界最古の自筆日記から、その日常や内面を探り、平安という時代の精神を読む一冊。


≪目次: ≫
はじめに

序章 道長と『御堂関白記』
 1 道長の略歴
政権獲得への道/最高のミウチ的結合
 2 『御堂関白記』とは
自分自身のための備忘録/世界最古の自筆日記/『小右記』と『権記』という一級史料/『御堂関白記』の利用

第一章 道長の感情表現
感激――よく泣く道長/自讃と興言/怒気と罵倒――「無量の悪言」/「至愚之又至愚」――顕光への軽侮/愚痴と弱気――「懈怠な愚者」/忘失――忘れられた一条天皇の意向/言い訳――小心な道長

第二章 道長の宮廷生活
 1 人事と政務
深夜までつづく儀式や会議/除目――悲喜交々の人間劇/途中で打ち切った除目/三条天皇と公卿層との乖離/除目奉仕辞退の本心/議定の実態/天皇の最終決定と道長の影響力
 2 儀式について
式次第の確立時期/出欠――「指名しておいたのに参らなかった人」/違例には「弾指」や「咳唾」/九条流・小野宮流の萌芽/奢侈の禁制に対する態度/「憲法はただ一人の御心にあるのか」/勝敗の不思議/作文会への意欲/道長の和歌の素養と機知/「この世をば」の経緯
 3 贈与と貸与
賜禄――道長の人心掌握術/装束と装飾の最大の借り出し先/華麗な装飾品の数々/牛馬の流通センター/再分配システム
 4 国際関係
つづけられた中国との交流/もたらされた唐物/入宋僧たち/高麗への警戒感と奄美海賊

第三章 道長と家族
 1 入内する姫たち
藤原彰子――入内を急いだ理由/物怪のわめきたてる声のなかの出産/藤原妍子――両睨みの皇位継承構想/藤原威子――永久政権を視野に藤原嬉子――敦良親王妃
 2 二人の妻と子女たち
道長の妻たち/源倫子と六人の子女/倫子の呼称/後見のない源明子/突然の出家――明子の子女

第四章 道長の空間
 1 内裏
政治の舞台としての平安宮内裏/あいつぐ焼亡/三条天皇の心労/里内裏としての一条院
 2 邸第と別業
邸第、別業、牧、荘園……/土御門第(附小南第)/行幸に酔い泣き/内裏造営と同じ方式/東三条第――摂関家本邸の地位/宇治別業――乱痴気騒ぎの遊宴/桂山荘――交通の要衝/道長の別業の交通性
 3 寺社
都鄙間の交通が盛んに/興福寺・春日社――藤原氏の氏寺・氏神/浄妙寺――藤原氏の菩提所/宝性寺――藤原北家結集の場/延暦寺――天台密教の総本山/法成寺――仏教界を統合する総合寺院/金剛峯寺への参詣

第五章 京都という町
 1 災害
有益な災害記録/頻発する地震/台風――「万人が失神」/洪水――鴨川の氾濫/炎旱――尽きた井戸の水/蝗害――天帝の啓示/疫病――壊滅状態の政府
 2 京都事件簿
愁訴――興福寺と大和守の紛争/磨り消された答案/呪詛という政治的行為/「悪霊左府」顕光/火事――頻発する放火/乱暴な殺人事件/盗賊の横行する平安京/闘乱――道長と中関白家の争い/「殺害ほど重いものはない」――一条天皇の犯罪観/検非違使をめぐって/凌礫・打擲/敦明親王の濫行/密通・暴行――「荒三位」道雅と当子内親王/うわなり打――前妻の後妻への嫌がらせ

第六章 道長の精神世界
 1 信仰
鎮護国家仏教・密教・浄土信仰/金峯山詣――経塚供養の嚆矢/五日で七十万遍の念仏
 2 夢想
サボるための口実/道長の「夢解き」
 3 物忌と触穢
「禁忌に恐れおののいていた平安貴族」は本当か/守られない触穢
 4 怪異
動物・入魂・虹
 5 物怪と怨霊
道長に取り憑いた邪霊/道兼、三条院、顕光の二女、敦康親王……
 6 病悩と治療
不健康な平安貴族/病悩――三条天皇との生存競争/晩年の病悩/治療――加持祈禱だけではない/服薬/老女による抜歯・蛭喰・湯治
 7 出家・死・葬送
平安貴族の死生観/出家の本意/死と葬送――道長の死生観/道長の死

おわりに 道長の実像 (二〇一二年八月 有馬温泉にて 著者識す)


年譜(康保三・966年〜万寿四・1027年)
略系図
関係地図(平安京北半・北辺)
関係地図(京外)
平安京内裏図
主要参考文献


≪著者: ≫ 倉本一宏 (くらもと かずひろ) 1958年三重県津市生まれ。東京大学文学部国史学専修課程卒業後、同大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位修得退学。博士(文学、東京大学)。国際日本文化研究センター教授。専門は日本古代政治史、古記録学。主な著書に、『摂関政治と王朝貴族』『一条天皇』『壬申の乱』『平安貴族の夢分析』『持統女帝と皇位継承』(いずれも吉川弘文館)、『三条天皇』(ミネルヴァ書房)。講談社学術文庫に『藤原道長「御堂関白記」全現代語訳』『藤原行成「権記」全現代語訳』(いずれも全三巻)がある。


倉本一宏 全現代語訳 『藤原道長「御堂関白記」 〈下〉』(講談社学術文庫、2009年) '12/05/27
倉本一宏 全現代語訳 『藤原道長「御堂関白記」 〈中〉』(講談社学術文庫、2009年) '12/05/02
倉本一宏 全現代語訳 『藤原道長「御堂関白記」 〈上〉』(講談社学術文庫、2009年) '12/04/27
倉本一宏 全現代語訳 『藤原行成「権記」 〈下〉』(講談社学術文庫、2012年) '12/03/24
倉本一宏 全現代語訳 『藤原行成「権記」 〈中〉』(講談社学術文庫、2012年) '12/02/17
倉本一宏 全現代語訳 『藤原行成「権記」 〈上〉』(講談社学術文庫、2011年) '12/02/08
佐藤信 編著 『日本の古代 '05』(倉本一宏/佐々木恵介 著、放送大学教材:専門科目 人間と文化コース、放送大学教育振興会、2005年) '11/05/02

佐々木恵介 『天皇と摂政・関白』(天皇の歴史03、講談社、2011年) '13/04/21
古瀬奈津子 『摂関政治』(シリーズ日本古代史6、岩波新書、2011年) '12/02/25
大津透 『道長と宮廷社会』(日本の歴史06、講談社学術文庫、2009年) '11/01/21
榎本渉 『僧侶と海商たちの東シナ海』(選書日本中世史〈4〉、講談社選書メチエ、2010年) '10/11/15
橋本治 『院政の日本人 (双調平家物語ノートII)』(講談社、2009年) '11/04/27、'09/10/18
橋本治 『権力の日本人 (双調平家物語ノートI)』(講談社、2006年) '11/03/25、'09/09/12






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本「動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書1575)」東浩紀5

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動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書)
動物化するポストモダン オタクから見た日本社会 (講談社現代新書1575)

○著者: 東 浩紀
○出版:講談社 (2001/11, 新書 200ページ)
○定価: 735円
○ISBN: 978-4061495753




注目の批評家による画期的論考!! 物語からデータベースへ
オタクたちの消費行動の変化が社会に与える大きな影響とは? 気鋭の批評家が鋭く論じる画期的な現代日本文化論!


≪目次: ≫
第一章 オタクたちの擬似日本
1 オタク系文化とは何か
「オタク系文化」の構造に現れているポストモダンの姿/オタクの三つの世代
2 オタクたちの擬似日本
ポストモダンとは何か/オタク系文化のもつ日本的なイメージ/オタク系文化の源流はアメリカ/日本のアニメが発達させた独特の美学/日本文化の背景にある敗戦の傷跡/ポストモダニズムの流行とオタク系文化の伸張/日本が最先端という幻想/アメリカ産の材料で作られた擬似日本/江戸の町人文化という幻想/オタク系文化の重要性

第二章 データベース的動物
1 オタクとポストモダン
シミュラークルの増殖/大きな物語の凋落
2 物語消費
『物語消費論』/ツリー型世界からデータベース型世界へ
3 大きな非物語
大きな物語の凋落とその補填としての虚構/イデオロギーから虚構へ/大きな物語を必要としない世代の登場/『エヴァンゲリオン』のファンが求めていたもの
4 萌え要素
物語とマグカップが同列の商品/萌え要素の組み合わせ
5 データベース消費
個々の作品よりもキャラクターの魅力/作品を横断するキャラクターの繋がり/「キャラ萌え」に見る消費の二層構造/「物語消費」から「データベース消費」へ/「アニメ・まんが的リアリズム」小説/ミステリの要素も萌え要素に
6 シミュラークルとデータベース
シミュラークル論の欠点/オリジナル対コピーからデータベース対シミュラークルへ/二次創作の心理/村上隆とオタクの齟齬
7 スノビズムと虚構の時代
ヘーゲル的「歴史の終わり」/アメリカ的「動物への回帰」と日本的スノビズム/オタク系文化が洗練させた日本的スノビズム/シニシズムに支配された二〇世紀/オタクのスノビズムに見られるシニシズム/理想の時代と虚構の時代
8 解離的な人間
ウェルメイドな物語への欲求の高まり/「読む」ゲームがオタク系文化の中心に/ノベルゲームで「泣ける」という意味/より徹底したシミュラークルの制作が可能に/小さな物語と大きな物語がバラバラに共存
9 動物の時代
他者なしに充足する社会/オタクたちの「動物的」な消費行動/オタクたちの保守的なセクシュアリティ/虚構の時代から動物の時代へ/コギャルとオタクの類似性/オタクたちの社交性/大きな共感の存在しない社会

第三章 超平面性と多重人格
1 超平面性と過視性
ポストモダンの美学/HTMLの性質/「見えるもの」が複数ある世界/「見えないもの」の不安定な一/データベース消費はウェブの論理に似ている/異なる階層が並列されてしまう世界/物語が横滑りしていく構造
2 多重人格
二層構造を「見えるもの」にした作品/超平面的な世界に生きる主人公/多重人格を求める文化/ポストモダンの寓話


参考文献・参照作品
謝辞


≪著者: ≫ 東 浩紀 (あずまひろき) 1971年生まれ。東京大学大学院総合研究科修了。批評家。専攻は哲学および表象文化論。著書に『存在論的、郵便的』(新潮社、第21回サントリー学芸賞受賞)、『郵便的不安たち』『不過視なものの世界』(ともに朝日新聞社)などがある。

東浩紀 『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』(講談社、2011年) '13/03/31





・・・
 動物化とは何か。コジェーヴの『ヘーゲル読解入門』は、人間と動物の差異を独特な方法で定義している。その鍵となるのは、欲望と欲求の差異である。コジェーヴによれば人間は欲望をもつ。対して動物は欲求しかもたない。「欲求」とは、特定の対象をもち、それとの関係で満たされる単純な渇望を意味する。たとえべ空腹を覚えた動物は、食物を食べることで完全に満足する。欠乏―満足のこの回線が欲求の特徴であり、人間の生活も多くはこの欲求で駆動されている。
 しかし人間はまた別種の渇望をもっている。それが「欲望」である。欲望は欲求と異なり、望む対象が与えられ、欠乏が満たされても消えることがない。・・・   (p126、「第二章 データベース的動物」)

 本書の論述は、『ユリイカ』誌二〇〇一年二月号、三月号、五月号、七月号に分割して掲載された「過視的なものたち」を大幅に改稿したものである。・・・   (p192、「謝辞」)


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本「世界史の中のパレスチナ問題 (講談社現代新書2189)」臼杵陽5

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世界史の中のパレスチナ問題 (講談社現代新書)
世界史の中のパレスチナ問題 (講談社現代新書2189)

○著者: 臼杵 陽
○出版: 講談社 (2013/1, 新書 432ページ)
○定価: 1,260円
○ISBN: 978-4062881890



……「平和」が、サラーム(パレスチナ人の願う平和)であるか、シャローム(イスラエル人の求める平和)であるかで、あまりにも大きすぎる隔たり


世界史ブームの中、現在最も深刻な様相を呈しているのはパレスチナという土地をめぐる政治的紛争です。イスラエル人パレスチナ人の求める平和が、それほどかけ離れているとは言えません。アメリカ合衆国をはじめ大国が問題解決のために調停をしていますが、和平交渉に進展の兆しは見られません。
本書では、問題をどのように解決するかという視点からではなく、なぜこれまで解決できなかったのかという視点から根本的に考え直すことの必要性を説いてみます。そのための素材提供というささやかながら意欲的な試みを展開します。


≪目次: ≫
はじめに
パレスチナという土地をめぐる政治的紛争/ユダヤ民族が建設した「国民国家」/現状は「泥沼化」/ヨーロッパ・キリスト教社会が生んだユダヤ人問題/本書の構成

第一部 パレスチナという場所
第1講 パレスチナという地域とその宗教と言語
カナン」は約束の地/イスラエルと戦った民族/歴史的シリアの南部地域/中東の心臓部/三つの一神教の聖地エルサレムを抱え込んでいた/アラブ連盟加盟国/イスラーム協力機構/スンナ派ムスリムが多数派/アラビア語を話しているユダヤ教徒/「ヘブライ語を話しているユダヤ教徒」に変身/アラビア語を話しているキリスト教徒/ギリシア正教徒/ネストリウス派キリスト教徒/ユニエート教会の信徒はローマ・カトリック教徒/プロテスタント諸派/「モザイク」のような多文化・多民族社会/エルサレム問題の重要性
第2講 ユダヤ教から見たキリスト教と反ユダヤ主義の起源
「宗教」がどのように政治的に動員されるか/ユダヤ教徒とエルサレム/アブラハムの息子イサクをめぐる物語/ユダヤ教は啓示宗教/ユダヤ教の啓典は「タナフ」/成分律法である聖書と口伝律法/民族宗教と呼ばれるユダヤ教、世界宗教と分類されるキリスト教/誰がイエスの処刑を求めたか/イエスを十字架刑に処した理由/「異邦人」への宣教が決定づけられた/ユダヤ教を教義的に否定するキリスト教/ユダヤ教からの継承ではイスラームの方が忠実/「イエス・キリスト殺しのユダヤ人」と「過越祭」/ユダヤ教徒への差別・迫害
第3講 イスラームから見たユダヤ教とキリスト教
イスラームとは「アッラーへの絶対服従」/アラビア語の造語法/シャハーダを宣誓する/イスラームは起源と継承をアブラハムに求める/人類が同胞であるという普遍性/「イスラームの家」と「戦争の家」/ムスリムの義務としての五行と六信/ジハードの原義は「努力する」/「コーランか、剣か、貢納か」の三択/スンナ派とシーア派/ウンマの指導者が争点
第4講 ヨーロッパ対イスラーム――「一四九二年」という転換点
ヨーロッパのイスラーム世界包囲網/十字軍を機にユダヤ教徒はヨーロッパの「内なる敵」に/十字軍国家の成立と滅亡/サラーフッディーン、エルサレム奪還/十字軍が行った聖所独占と暴虐行為/ユダヤ教徒虐殺問題/中世キリスト教社会のユダヤ教徒嫌悪/ゲットーへの居住を強制する勅書の発布/「大航海時代」のヨーロッパ世界とイスラーム世界/「一二世紀ルネサンス」で起きた翻訳運動/スファラディーンとアシュケナジーム/ディアスポラのイメージの変化/「ガルート」をめぐる思想
第5講 オスマン帝国と東方問題
オスマン帝国の絶頂と衰退/帝国内の三大ミッレト/分離・独立を促進した特権制度/特権制度が変質した「不平等条約」/オスマン帝国をめぐる「東方問題」/「東方問題」最大の事件は「露土戦争」/「東方問題」はヨーロッパ列強からは「外交問題」/現代アラブ政治に結びつく四つの事件/エルサレムの属する行政区の再編/イギリスはパレスチナではユダヤ教徒を支援/ヤング領事によるパレスチナのユダヤ教徒調査/ユダヤ教徒への宗教的愛着/ユダヤ教徒復興論とは「前千年王国論」/キリスト教徒の居住区の成立

第二部 列強の対立に翻弄されるユダヤ人アラブ人
第6講 帝国主義時代の宗教、民族、人種
植民地支配を正当化する理論/「西洋の衝撃」では一方的理解に/ユダヤ教徒はキリスト教徒と「市民」として平等/ユダヤ人解放と国民国家の形成/「反ユダヤ主義」の由来は「反セム主義」/社会進化論と優生学/ポグロムが契機、パレスチナへのユダヤ人移民/シオニズムの起源はユダヤ啓蒙主義運動/政治的シオニズム/実践的シオニストと労働シオニズム/社会主義シオニズム/宗教シオニズムの考え方/イスラームの近代/イスラーム改革運動を継承した人たち/アラブの二つのナショナリズム/シオニズムとアラブ・ナショナリズム衝突の予言/イスラームとアラブ・ナショナリズムの結合/アラブ・ナショナリズムへの期待の消滅
第7講 第一次世界大戦とパレスチナ委任統治
中東地域の主権国家への分断/イギリスの「三枚舌」外交/大きな政治的禍根、バルフォア宣言/サイクス・ピコ秘密協定/達成されなかったアラブ統一国家独立の夢/バルフォア宣言をめぐる論争/ロイド=ジョージ首相の反ユダヤ主義/「アラブ対ユダヤ」という新たな「民族」的対立/「ユダヤ人」か「それ以外の人びと」か/民族対立が固定化する〈場〉/委任統治は新たな「植民地支配」/ヨルダン川東西両岸/イラクという人工国家/アラブ人の反乱/アラブ側に宗教行政機関設立/ユダヤ教側にも首席ラビ庁設置/嘆きの壁事件で破綻した宗教を越えた共存/パレスチナ分割を提言したピール報告/事実上のバルフォア宣言破棄/ナチス占領下、ユダヤ人は避難先を失った
第8講 第二次世界大戦と国連パレスチナ分割決議案
イギリス、アラブ諸国との関係強化に/アラブ、ユダヤが出席するロンドン円卓会議の提案/イギリス省庁もパレスチナ分割案を撤回に/ロンドン円卓会議の決裂/「宥和政策」による「平和」崩壊/反英姿勢でアメリカに支援を求めたシオニスト/シオニストに同情的だったチャーチル/修正主義シオニストの反英武装闘争/労働シオニストと修正主義シオニストの対立/パレスチナのユダヤ社会、分裂の危機に/シオニストのディレンマ/パレスチナ問題の解決を国際連合に委託/国連パレスチナ分割決議案/エルサレムの帰属をめぐる対立/第一次中東戦争勃発/日本のユダヤ政策/満州へのユダヤ難民移住計画
第9講 イスラエル国家建設とナクバ
イスラエル建国を読み直す動き/アラブ政府首脳暗殺事件/パレスチナ・アラブ住民の避難民の波/避難民が難民化するプロセス/富裕層の避難で、パレスチナ社会は機能不全に/パレスチナ・アラブ住民の崩壊感覚/シオニスト軍事攻撃の影響/避難民の故郷への帰還は事実上不可能/新生イスラエル政府と住民の帰還問題/イスラエル世論は避難民の帰還を拒否/アラブ諸国はイスラエルと休戦協定/トランスヨルダンと難民化/シオニストとアブドゥッラーの関係/シオニストとトランスヨルダンの良好な関係/イギリスの目論見/大シリア国家構想阻止が狙い
第10講 アラブ・イスラエル紛争の展開
イスラエル建国と「中東戦争」/大英帝国、中東地域での覇権の維持/米ソ冷戦とアラブ・イスラエル紛争/国際政治学的議論/アラブ諸国とイスラエル秘密和平交渉が白日の下に/イギリスの「大トランスヨルダン」政策/英軍のスエズ運河地帯駐留とアラブ・イスラエル紛争/イラクの秘密工作/イラクとエジプトの相違点/バクダード条約加盟をめぐるアラブ諸国の分裂/アメリカのアルファ計画/アラブ世界の分極化と英米関係/イスラエルは軍事的報復を抑制/ベングリオンとシャレットの対立/イスラエル、アメリカから武器供与がないことを確認/イスラエルとフランス

第三部 「アメリカの平和(パクス・アメリカーナ)」の終わりの始まり
第11講 第三次中東戦争以降のパレスチナ問題とイスラエル
イスラエルの大勝利/イスラエル社会の変化/アラブの敗北はイデオロギー的な敗北/「アラブ・イスラエル紛争のパレスチナ化」の始まり/ヨルダンの「黒い九月」事件/PLOは国家と同等の地位に/エジプトのイスラエル奇襲作戦成功/石油戦略と過激な宗教的政治運動/エジプト・イスラエル平和条約締結/イスラエル軍、レバノン侵攻/PLOとヨルダン和解/ヨルダン川西岸・ガザの重要性/インティファーダの一少年の姿/パレスチナ独立国家樹立宣言/トルーマンの強引なイスラエル建国支持/アメリカとイスラエルの「特別な関係」強化/世界史を変えた三つの事件/イラン・イラク戦争/ソ連のアフガニスタン侵攻
第12講 冷戦終焉後の中東和平の挫折
「二つの戦後」の帰結から/湾岸危機勃発/アラファートのイラク支持という大失策/イスラエルのアジア外交転換期/イスラエル・ヨルダン平和条約締結/イスラエルとPLOの相互承認/オスロ合意に基づくパレスチナ暫定自治/イスラエル首相公選と最終的地位交渉/パレスチナ人の状況と居住地域/パレスチナ人の分類/エルサレム帰属問題とパレスチナ人帰還権問題/離散パレスチナ人にあるPLOの正当性/オスロ合意の問題点/イスラエルのオスロ合意への反対勢力/ハマースも和平に反対/深まるイスラエルとパレスチナの対立/イスラエル、エルサレム妥協案を受け入れる/第二次インティファーダ勃発
第13講 九・一一事件後のパレスチナ/イスラエル紛争
「九・一一事件は世界を変えた」/アメリカの「対テロ戦争」論理への反応/イスラモフォビアという社会現象/「大国」はアメリカに歩調を合わせる/ビン・ラーディンの声明の世界的影響/イスラエル軍の議長軟禁、ハマース攻撃/アメリカ軍のイラク攻撃、フセイン政権崩壊/シャロン首相、「分離壁」の建設開始/ハマース圧倒的勝利/パレスチナ自治政府、事実上の分裂へ/ファイヤード首相のパレスチナ経済戦略/IMFはパレスチナ自治政府の財政改革を称賛/ガザの「トンネル経済」/イスラエル新政権の試金石、レバノン問題/イスラエル国防軍、ガザ軍事攻撃/トルコ、代表的イスラーム国家に
第14講 アラブ革命とパレスチナ問題の現状
民主化を求めた「アラブ革命」/「アラブの春」はアラブ世界では「イスラームの春」/ホブズボームが語るアラブ革命の「失敗」/一八四八年革命と「歴史なき民」/チュニジア青年の焼身自殺/長期的にはアラブ革命は「新市民革命」か/ヨーロッパ中心史観の克服が前提/ファタハとハマースの和解/パレスチナ住民のデモとシリア情勢/オバマ大統領が発言した国境線/パレスチナ国連加盟を求める申請書提出/国連総会でアメリカ拒否権発動/覇権国家アメリカの凋落/「イスラエル・ロビー」の存在/ユダヤ人国家への英米の対応の差/「特別な関係」がアメリカの否定的イメージを決定/アメリカとイスラエル市民が共有する目標と利益/エルサレムとパレスチナへの「思い入れ」/『イノセント・アブロード――聖地初巡礼の旅』/アラブ諸国はアメリカの自由と民主主義に好意的/パレスチナ問題解決への模索
第15講 パレスチナ問題と日本
日本人のパレスチナ認識の出発点/島地黙雷の聖墳墓教会体験/日本人キリスト者徳冨蘆花の意見書/柳田國男のパレスチナ訪問計画/シオニズム運動への関心の高まり/パレスチナでのシオニスト活動への評価/反ユダヤ主義と親ユダヤ主義の両義的認識/日本政府のユダヤ難民問題/ユダヤ排斥論の席巻/主権回復後、イスラエルを承認/PFLPと日本赤軍合流/欧米経由の聖地認識

おわりに (二〇一二年八月吉日 目白台の研究室にて)

今後の読書案内のための文献一覧


≪著者: ≫ 臼杵 陽 (うすき あきら) 1956年大分県に生まれる。東京大学大学院総合文化研究科国際関係論博士課程単位取得退学。京都大学博士(地域研究)。在ヨルダン日本国大使館専門調査員、佐賀大学助教授、エルサレム・ヘブライ大学トルーマン平和研究所客員研究員、国立民族学博物館教授を経て、日本女子大学文学部教授。おもな著書に『見えざるユダヤ人――イスラエルの〈東洋〉』(平凡社)、『中東和平への道』(山川出版社)、『イスラムの近代を読みなおす』(毎日新聞社)、『原理主義』『世界化するパレスチナ/イスラエル紛争』(以上、岩波書店)、『イスラエル』(岩波新書)、『イスラームはなぜ敵とされたのか――憎悪の系譜学』『大川周明――イスラームと天皇のはざまで』『アラブ革命の衝撃――世界でいま何が起きているのか』(以上、青土社)などがある。


片倉もとこ/梅村担/清水芳見 編 『イスラーム世界』(後藤明/大塚和夫/小松久男/中村光男/臼杵陽/私市正年/東長靖/駒井洋/中西久枝/鷹木恵子/佐藤次高 執筆、岩波書店、2004年) '08/10/05





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本「戦前日本の安全保障 (講談社現代新書2190)」川田稔5

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戦前日本の安全保障 (講談社現代新書)
戦前日本の安全保障 (講談社現代新書2190)

○著者: 川田 稔
○出版: 講談社 (2013/1, 新書 296ページ)
○定価: 840円
○ISBN: 978-4062881906



national security


日露同盟か、日米提携か、集団的相互安全保障か、それとも――。第一次世界大戦以降、日英同盟が空洞化し、中国をめぐる欧米との軋轢が進むなか指導者たちが描いた外交構想とは? 山県有朋原敬浜口雄幸永田鉄山という大戦間期を代表する4人の世界戦略を読み解く。現代の安全保障を考える際の手がかりとなる一冊。


≪目次: ≫
はじめに

第一章 第一次世界大戦期 山県有朋の構想――帝国日本の安全保障
1 参戦と山県の対中国政策論
藩閥官僚から議会政党主導へ/山県・桂系中心の第二次大隈内閣/対独開戦/日中協力の必要を自覚させる好機――山県の対中国政策意見書/中国本土への勢力拡大
2 対華二一ヵ条要求問題
欧米列強との利害衝突/強硬な抗議/山県らと加藤外相との感情的対立/第五号をめぐる山県の反応/「大陸に乗り出す」必要/反日運動の起点
3 大隈内閣の改造と排袁政策批判
陸軍増師問題/袁世凱排除の謀略工作/「利益線を確保する」こと
4 日露同名と山県の世界戦略
日英同盟では不十分/外交政策の中心軸としての日露同盟/第四次日露協約の秘密協定/東アジアの新たな勢力均衡/米英からの自主独立/寺内内閣の成立/援段政策の決定
5 ロシア革命の衝撃と援段政策
帝政ロシアの崩壊/「全く水泡に帰し」/強国にしたいという執念/国家予算の二割におよぶ財政援助/シベリア出兵問題
6 寺内内閣総辞職と政党内閣の容認
国際的孤立/原敬内閣誕生へ/山県の外交戦略の崩壊/原との水面下での抗争

第二章 第一次世界大戦期 原敬の構想――国際協調の安全保障
1 原の外交戦略
政友会総裁として/「米国の悪感情を招きたる失策」/日米提携こそ安全保障
2 対華二一ヵ条要求と原敬
「帝国外交の根軸」/国際的孤立を警戒/「今日の情況は痛嘆の外なし」/中国との関係改善/露骨な内政干渉への批判
3 第四次日露協約と初期援段政策へのスタンス
日露同盟をめぐる山県と原/戦後の「各国の大波」/援段政策についての態度/「表面国際的の言い分」
4 ロシア革命後の中国政策とシベリア出兵問題
南北妥協成立のための働きかけ/パワー・ポリティクスとしての日米提携/原の安全保障構想の課題/シベリア出兵に反対する理由/全面出兵か限定出兵か/政権授受
5 原政友会内閣の成立と外交政策の転換
北方政府への援助うちきり/新四国借款団への加入/対米英協調を前提にした中国対策/キャスティング・ボート/原の満蒙経営/山東半島のドイツ権益/アメリカの撤兵通告――飲まされた煮え湯/経済的競争力の抜本的強化が必要/交易型産業国家への転換/国際社会での発言力
6 国際連盟と原の期待
国家理性にもとづく現実主義的な判断/集団的安全保障の原理

第三章 昭和初期 浜口雄幸の構想――集団的相互安全保障
1 田中内閣の対中国政策と浜口の対応
ワシントン体制の一翼/民政党初代総裁/田中内閣の張作霖温存政策/山東出兵は「大なる失敗」/田中内閣の「満蒙特殊地域論」
2 東アジアをめぐる国際環境と浜口の基本姿勢
静観する米英/張作霖爆殺事件の衝撃/南北妥協延期勧告は拙劣/九ヵ国条約というターニング・ポイント/通商・投資の重要な市場/中国全土の統一/対中国関税問題/不戦条約の批准
3 浜口民政党内閣の成立とその内外政策
日米英の協調関係/満蒙問題の一時的棚上げ/金解禁と産業合理化政策
4 国際連盟重視とロンドン海軍軍縮条約の締結
第一次世界大戦という契機/東アジア平和維持のための国際機関/ロンドン海軍軍縮会議への参加/浜口の政治構想の核心/パワー・ポリティクスを超える国際秩序/国際連盟を軸とした「世界平和の保障」/日米英のあいだでの妥協/浜口・若槻・幣原ラインへのアメリカの好意
5 平和維持に関する多層的多重的条約網の形成
内閣と海軍軍司令部の対立/平和維持システムの重要な一環/九ヵ国条約の役割/「戦争放棄」規定の原型
6 国家総力戦の時代における現実主義
総力戦回避の要請/安全保障の方法をめぐる対立/多層的多重的条約網/「米国のなすがまま」を抑制するファクター/条約批准――政党内閣のリーダーシップ

第四章 昭和初期 永田鉄山の構想――次期大戦への安全保障
1 陸軍一夕会の形成と永田
全陸軍に強い影響力/少壮幕僚らのグループ・木曜会/木曜会の満蒙領有論/満蒙での中国の主権を否定/一夕会の結成/主要ポストの掌握
2 国家総動員論と次期大戦認識
「有史以来未曾有の大戦争」のインパクト/国家総動員論/仮想敵国を特定しない/軍備の機械化・高度化/欧米列強との深刻な工業生産力格差/国防資源の「自給自足」体制/次期大戦は不可避/超国家的権威をもたない国際連盟/戦争波動論/平和目的のための軍縮は「順序の転倒」
3 資源自給と対中国戦略
「滿蒙に向かうべき態度」/敵対・提携関係のフリー・ハンド/強制力による自給圏の形成/ワシントン体制への反発
4 満州事変と政党政治の否定
関東軍・一夕会と宇垣派の対立/荒木の陸相就任/満州国建国宣言/政党政治の終焉
5 陸軍派閥対立と『国防の本義』
皇道派と統制派/対ソ戦略をめぐって/平時における国家統制/陸軍パンフレットのなかの安全保障構想
6 皇道派排除と華北分離工作
真崎の罷免/「対北支部政策」とヨーロッパ情勢

むすびに

文献案内
あとがき (二〇一二年初冬  川田 稔)


≪著者: ≫ 川田 稔 (かわだ みのる) 1947年高知県生まれ。名古屋大学大学院法学研究科博士課程単位取得。名古屋大学教授などを経て、日本福祉大学教授、名古屋大学名誉教授。法学博士。専攻は政治外交史、政治思想史。主な著書に、『柳田国男の思想史的研究』『原敬 転換期の構想――国際社会と日本』(以上、未來社)、『原敬と山県有朋――国家構想をめぐる外交と内政』『昭和陸軍の軌跡――永田鉄山の構想とその分岐』(第21回山本七平賞受賞)(以上、中公新書)、『激動昭和と浜口雄幸』(吉川弘文館)、『浜口雄幸――たとえ身命を失うとも』(ミネルヴァ書房)、『浜口雄幸と永田鉄山』『満州事変と政党政治――軍部と政党の激闘』(以上、講談社選書メチエ)がある。

川田稔 『昭和陸軍の軌跡 永田鉄山の構想とその分岐』(中公新書、2011年) '12/03/07
川田稔 『満州事変と政党政治 軍部と政党の激闘』(講談社選書メチエ、2010年) '10/10/21
浜口雄幸 『随感録』(川田稔 解説、講談社学術文庫、2011年) '11/04/05






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本「神聖ローマ帝国 (講談社現代新書1673)」菊池良生5

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神聖ローマ帝国 (講談社現代新書)
神聖ローマ帝国 (講談社現代新書1673)

○著者: 菊池良生
○出版: 講談社 (2003/7, 新書 264ページ)
○定価: 777円
○ISBN: 978-4061496736



神聖ローマ帝国って何なのだ?」という問いを続けることでドイツを中心としたヨーロッパの歴史を辿ることになる   (p23、「序章 神聖ローマ帝国とは何か」)

ぼくが手にしている(図書館から借りて読んだ)のは、第10刷(2008年2月20日発行)版



この国にフランスは嫉妬し、イタリアは畏怖し、ローマ教皇は、愛し、かつ憎んだ。
中欧に存在した不思議な「帝国」に一千年史。ドイツはじめ中欧諸国の母胎となったこの帝国は、教皇や周辺諸国、諸侯と合従連衡と抗争を繰り返しながら、中世史の一極をなし続けた。その実体を解き明かす。


≪目次: ≫
序章 神聖ローマ帝国とは何か
ゲーテが見た帝国の最期/百年後に復活/ドイツ歴史学派による神聖ローマ帝国ルネッサンス/何が「神聖」で何が「ローマ」なのか

第一章 西ローマ帝国の復活
王権と教権の利害が一致/フランクカールの皇帝戴冠/古代ローマこそヨーロッパ人の理想/戴冠による教皇権の確立/「帝国」の中心はあくまでもローマ

第二章 オットー大帝の即位
カールの帝国の分裂/世襲選挙王制だったゲルマン王国/オットー一世による帝国教会政策/皇帝と教会の立場が逆転/イタリア支配のために諸侯に権限を与える

第三章 カノッサの屈辱
「ローマ帝国」が公式文書の初登場/コンラート二世によるドイツ国内の王権強化策/ローマ教皇庁の堕落とクリュニー修道院の改革運動/ハインリッヒ三世の早世と教皇庁の皇帝支配からの脱却/イルデブランドの策略/孤立無援の皇帝権再建/グレゴリウス七世による皇帝破門/「屈辱」後も続く皇帝と教皇の争い

第四章 バルバロッサ――真の世界帝国を夢見て
皇帝党対教皇党/皇帝による世界支配を追い求める/ロンバルディア都市同盟との争い/教皇神権政治の否定と「神聖帝国」の命名

第五章 フリードリッヒ二世――「諸侯の利益のための協定」
早熟の天才/教皇インノケンティウス三世のドイツ−シチリア離反策/シチリア両王国の再建に取り組む/宗教を超えた古代ローマ帝国復活を希求/ドイツは属州のひとつ/臨終までイタリア各地を転戦/「皇帝らしい皇帝」の時代の終焉

第六章 「大空位時代」と天下は回り持ち
実体なき帝国/教皇も憂慮する帝国の乱れ/ルドルフ・フォン・ハプスブルク/イタリアより王家の家領政策/王位はめぐる/フランス王家の教皇庁進出/フランス・アヴィニョン教皇庁時代

第七章 金印勅書
カール四世の現実路線/勅書により諸侯の特権広がる/つかの間の平和とルクセンブルク家の皇帝世襲戦略/ハプスブルク・建設候ルドルフの偽書/カール四世のつまずき

第八章 カール五世と幻のハプスブルク世界帝国
帝国議会と領邦議会/神聖ローマ帝国の大愚図/帝国の版図をドイツのみに画定/当たりに当たったハプスブルクの結婚政策/皇帝選挙でハプスブルクとフランス王が激突/神聖ローマ帝国を超えるたまゆらの世界帝国

第九章 神聖ローマ帝国の死亡診断書
ドイツ国民感情の高まりと分裂の加速/「第三のドイツ」の帝国離脱/プロテスタント諸侯対カトリック諸侯/ドイツ三十年戦争ウエストファリア条約と三百諸侯の主権確立

終章 埋葬許可証が出されるまでの百五十年間
ヨーロッパ普遍主義の崩壊/トルコ戦勝利とウィーン・バロック/スペイン継承戦争プロイセン王国の誕生/オーストリア・ハプスブルクをめぐる国際紛争/名称だけの帝国/フランス皇帝とオーストリア皇帝/幻想の帝国

あとがき
神聖ローマ帝国関連略年表
参考文献


≪著者: ≫ 菊池良生 (きくち よしお) 1948年生まれ。早稲田大学大学院博士課程に学ぶ。明治大学教授。専攻はオーストリア文学。著書に『イカロスの失墜』(新人物往来社)、『犬死』(小学館)、『ハプスブルク家の光芒』(作品社)、『戦うハプスブルク家』『傭兵の二千年史』『ハプスブルクをつくった男』(いずれも講談社現代新書)などがある。

菊池良生 『図説 神聖ローマ帝国』(ふくろうの本・世界の歴史、河出書房新社、2009年) '11/10/26





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本「吉田茂と昭和史 (講談社現代新書1999)」井上寿一5

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吉田茂と昭和史 (講談社現代新書)
吉田茂と昭和史 (講談社現代新書1999)

○著者: 井上寿一
○出版: 講談社 (2009/6, 新書 296ページ)
○定価: 798円
○ISBN: 978-4062879996
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吉田茂(1878-1967)をとおして昭和史を再現する試み


戦後日本はこうしてつくられた
〈自立〉か〈協調〉か、〈自由〉か〈統制〉か――歴代首相の立ち位置は吉田との政治的距離で決まっている。今の日本政治は昭和の歴史から何を学ぶべきか。
吉田を知ることなく、今の日本を語ることはできない! 平和憲法サンフランシスコ講和日米安保――。戦後日本のかたちをつくった宰相と日本人たちのドラマを鮮やかに描き出す。


≪目次: ≫
序章 昭和のなかの吉田茂
今なぜ吉田茂なのか?/吉田茂との政治的な距離/吉田時代=連立政権の時代/昭和史を再現する意義/昭和史の構図

第I章 大陸の嵐のなかで
奉天総領事吉田茂/山東出兵/「満蒙特殊権益」をいかに守るか/内政干渉/予想外の展開/闊歩する「モボ・モガ」/注目を浴びる東方会議/二つの政策体系の対立/「対外政策綱領」/田中義一の訓令/進まない交渉/「二十一ヶ条の再来」/「不肖の息子」からの批判/勇み足/旅順会議/左遷/吉田と/「対満政策私見」/田中、吉田を外務次官に起用する/第二次山東出兵への批判/張作霖爆殺事件という挑戦

第II章 政党政治と外交――外交優位の体制を求めて
列国〈協調〉路線/不戦条約への参加/政友会対民政党/第一回普通選挙/女性票をめぐる争奪戦/〈昭和デモクラシー〉/不戦条約=違憲論/国内政治と対米外交の両立/中国政策をめぐる違い/済南事件の事後処理/災い転じて福となす/天皇の激怒/田中外交から幣原外交へ/謎の死/ロンドン海軍軍縮条約問題/「旅行は飛行機で」――消費社会を享受する上流階層/借金漬けの農漁民/平等化の選択/吉田の描いたシナリオ/苦い教訓/暗い予兆

第III章 危機の時代の外交官=吉田茂
ムッソリーニの振る舞い/満州事変の勃発/上海事変と満州国の建国/日本の「ファッショ」化/あとの祭り/国際連盟脱退/外交巡閲使として/政党の軍部批判/「消費生活の狂瀾」/欧州歴訪/「相当深き」疑惑/天皇機関説問題/現地軍の華北分離工作/「統制派」と「皇道派」/二・二六事件への冷ややかな視線/広田内閣の成立/吉田覚書/日独防共協定の悪影響/日中軍事衝突/強い危機意識/宇垣外相の使命/実用品の需要拡大/模範国としてのドイツ・イタリア/国家社会主義化の進展/ハル・ノート/戦争を支持しつづける国民

第IV章 復活を期して
「此の敗戦必ずしも悪しからず」/生きのびた官僚たちの戦後構想/農民の地位向上をもたらした食糧危機/財閥解体/「日本の男なんて」――自由と解放を実感する女性/降伏文書調印/復活を期す吉田と近衛/外相吉田の誕生/「宮殿下に御同情申上げる」/占領の現実/外交権を奪われた国の外相/「飛んでないもの」――憲法改正案/象徴天皇制と国民感情/地主への同情――農地改革/「行きすぎ」た改革――労働改革/「国際感覚」/屈辱的な任務/戦後構想の中心/〈自由〉経済から〈統制〉経済へ/二系統の情報

第V章 戦前を生きる戦後の吉田茂
戦前と変わらない勢力分布図/連立内閣の可能性/食糧メーデー/経済安定本部の設立/「左向け左」/「国体」は不変か/プラカード事件/吉田の「理想主義」対野坂の「現実主義」/冷戦の現実/降伏条件としての戦後改革/閣内からの挑戦者/吉田と社会党、GHQの接近/「不逞の輩」発言/マッカーサーに感謝する大衆――二・一スト中止/追い風/片山内閣の成立/「官僚支配と統制経済」対「民主政治と自由経済」/〈統制〉経済から〈自由〉経済へ/片山内閣対吉田/「憲政常道」論/短命に終わった芦田内閣/ナショナリズムの感情/吉田長期政権へ

第VI章 占領下の〈自由〉
講和と経済復興/自由主義経済の再興/ドッジのメッセージ/「ドッジ恐慌」下の「九月革命」説/「市民的自由というものはいいものだ」/まやかしの自由/アメリカへの複雑な思い/「われらが復讐記念日!」/ペンタゴンとアメリカ国務省/講和論争/大胆な譲歩案/「曲学阿世の徒」/反ソ感情/社会党左右両派の対立/国内における講和問題の解決/「日本と朝鮮半島の非武装化」/吉田=ダレス交渉/台湾か北京か

第VII章 敗戦国の〈自立〉
国連・平和憲法・安全保障/アメリカの対案/「極東条項」/ヴァンデンバーグ決議/日米安保条約の相互性/戦勝国と敗戦国の条約/サンフランシスコ講和/吉田の受諾演説/「おれひとり署名する」――日米安保条約の調印/「思いだしてもおもしろくない交渉」――日米行政協定交渉/国民の非難/不平等条約としての日米行政協定/アメリカの影――再軍備論者山田の慨嘆/「国民外交討論会」/神川彦松の批判/横田喜三郎の反論/平等性をめぐって/サンフランシスコ体制の擁護/経済的〈自立〉の問題と人民中国/東南アジア諸国の重要性/総選挙の真の争点/「朝鮮特需」の終わり/MSA交渉/長期政権末期の吉田/欧米歴訪の旅/GATTコロンボ・プラン/長期政権の終焉

終章 「吉田ドクトリン」のゆくえ
重光の安保改定交渉/日ソ国交回復ハンガリー事件の東南アジア開発基金構想/安保改定と憲法改正/「所得倍増計画」/「宰相吉田茂論」/吉田路線の確立/アメリカの覇権の後退/「吉田ドクトリンは永遠なり」/「戦後レジーム」への回帰/吉田茂の昭和が今日に示唆するもの

参考文献
吉田茂 年譜 (明治11/1878年9・22〜昭和42/1989年10・20)
あとがき (二〇〇九年五月 井上寿一)


≪著者: ≫ 井上寿一 (いのうえ としかず) 1956年東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。同大学院法学研究科博士課程などを経て、学習院大学法学部教授。法学博士。専攻は日本政治外交史。主な著書に、『危機のなかの協調外交――日中戦争に至る対外政策の形成と展開』(山川出版社、吉田茂賞)、『アジア主義を問いなおす』(ちくま新書)、『日中戦争下の日本』(講談社選書メチエ)、『昭和史の逆説』(新潮新書)がある。

井上寿一 『戦前日本の「グローバリズム」 一九三〇年代の教訓』(新潮選書、2011年) '12/08/11
井上寿一 『戦前昭和の社会 1926-1945』(講談社現代新書、2011年) '12/07/03
井上寿一 『戦前昭和の国家構想』(講談社選書メチエ、2012年) '12/06/23

袖井林二郎 編訳 『吉田茂=マッカーサー往復書簡集 [1945-1951] 』(講談社学術文庫、2012年) '12/08/17





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本「戦前昭和の社会 1926-1945 (講談社現代新書2098)」井上寿一5

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戦前昭和の社会 1926−1945 (講談社現代新書)
戦前昭和の社会 1926-1945 (講談社現代新書2098)

○著者: 井上寿一
○出版: 講談社 (2011/3, 新書 240ページ)
○定価: 777円
○ISBN: 978-4062880985
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〈戦前昭和〉三部作の第一弾♪


「十銭均一売場」に足を運ぶ消費者、女性の地位向上を推進するモダンガール、新興宗教ブーム、就職難にあえぐ学生――。現代社会の原点=戦前を生きた人びとの実像を描き出す一冊。


≪目次: ≫
はじめに アメリカ化・格差社会・大衆民主主義
今の日本と〈戦前昭和〉の日本/アメリカ化/格差社会/大衆民主主義

I章 昭和の大衆消費社会
1 デパート――大衆消費社会の象徴

大衆消費社会のバロメータ・三越/日本初のファッションショー/「なんでも一〇銭均一売場」――高島屋の経営戦略/「プチブルインテリの若奥様」たち/サンソム夫人が見た日本のデパート/デパートをめぐる日本社会の光と影
2 アパート――戦前昭和の縮図
大衆社会の象徴・同潤会アパート/ハイブリッドな集合住宅・江戸川アパートメント/同潤会アパートの暮らし/生活の改善/大塚女子アパートメント・ハウス
3 映画――スクリーンの向こうのアメリカ
最初のトーキー映像/一九二六年映画のベスト3/ハリウッド映画の際立つ影響力/映画をとおしたアメリカ化/アメリカニズム批判/映画と対米協調
4 家庭電化製品という希望
家庭電化製品とアメリカ化/「氷や、アイスクリームを自由に」――電気冷蔵庫/「文化の家庭に此の設備」――扇風機/電化生活の象徴――電球とランプ/「御家庭の必需品」電気アイロン/「絶対安全」電気コタツ/「当選号」ラジオ/アメリカの大衆消費社会と日本の家庭電化製品/希望のしるしとしての家庭電化製品/銀座に君臨するアメリカニズム

II章 昭和の格差社会
1 モダンガールの登場

清沢洌のモダンガール論/「西洋婦人がキモノを着たような風に」/時代の寵児・北村兼子/新しい文化の担い手――片岡鉄兵のモダンガール論/女性参政権の「必然」
2 モダンボーイ――新中間層の苦闘
「青シャツに真赤なネクタイ」/「カフェー」に流れるアメリカのジャズ/新中間層の男性への期待/「大学は出たけれど」/もはやエリートではない――大学の大衆化/昭和恐慌のなかの就職戦線/「ここを志望したことを父上に相談しましたか?」/就職の武器としての英語/「アメリカ型」と「ロシア型」学生
3 プロレタリア文学と大衆
プロレタリア文学の出現/小林多喜二『一九二八・三・一五』/消費社会を享受する大衆――「お恵」の視点/大衆の離反/その後の小林多喜二/「赤色ギャング事件
4 「エロ・グロ・ナンセンス」
世相の転換/「女給」たちと格差社会/坂田山心中事件/「ナンセンスな」二大政党制

III章 格差是正の試み
1 立ち上がる農民――雑誌『家の光』の世界

農村雑誌『家の光』/「共存同栄」/女性参政権と既成政党への疑念/『家の光』と無産政党/複数政党制への懐疑/資本主義批判/都市対農村/共同主義=農業改良主義/五・一五事件と農村青年/農村自力更生運動
2 「婦人」の登場
農村の女性/「働らく婦人」と「澄して居る婦人」/恐慌が促す社会進出/満州事変と兵士の社会的地位/国防婦人会の結成/「エプロン」――〈昭和デモクラシー〉下の女性像への挑戦/国防婦人会への逆風/「非常時小康」下の女性/富裕層のファッション消費文化
3 新しい労働者
満州事変の影響/無産政党の方針転換/漸進的な格差是正/半減する参加者――第一五回メーデー
4 新興宗教の興隆
ひとのみち教/入信の動機/誤解とスキャンダル/急速な拡大の理由/現世利益・新しい倫理・モダン性――検察当局の報告書/教祖に代わる新しいカリスマへ

IV章 カリスマ待望と戦争
1 ラジオと戦争

ラジオのカリスマ・近衛文麿/ラジオによる印象操作/危機のなかの近衛――盧溝橋事件/「不便な土地ほど便利なラヂオ」――戦争とラジオ/ラジオによる国民の慰安/ジャズ音楽の容認/「平和」を求める近衛/戦争の長期化/ラジオ辞令
2 エプロンからモンペへ
エプロン姿と洋装のあいだ/戦時下の服装問題/服装改善委員会/女性の国民服/ファッションとしての「軍国主義」/藤田嗣治の提案/服装の平準化
3 写真壁新聞というメディア
『同盟通信写真ニュース』/選挙粛正運動二・二六事件/日中全面戦争の勃発/写真壁新聞のなかの日米友好関係/ハリウッド女優と「三勇士」/日独伊〈文化〉関係/枢軸国像の転換
4 ファシズムへの共感
ヒトラー・ユーゲントの一大旋風/模範国としてのナチス・ドイツ/ヒトラーの下での平等――山田耕筰がみたドイツ/新しい生活様式のモデル/ファシズム優生学への「期待」/近衛新体制の末路

おわりに 戦前の昭和から戦後の昭和へ
失われる均衡/戦時体制の限界/「親米派」の復権/戦前と戦後の連続

参考文献リスト
あとがき (二〇一一年二月 井上寿一)


≪著者: ≫ 井上寿一 (いのうえ としかず) 1956年、東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。同大学院法学研究科博士課程などを経て、学習院大学法学部教授。法学博士。専攻は日本政治外交史。主な著書に、『危機のなかの協調外交――日中戦争に至る対外政策の形成と展開』(山川出版社、吉田茂賞)、『日中戦争下の日本』(講談社選書メチエ)、『昭和史の逆説』(新潮新書)、『吉田茂と昭和史』(講談社現代新書)、『山県有朋と明治国家』(NHKブックス)がある。

井上寿一 『戦前昭和の国家構想』(講談社選書メチエ、2012年) '12/06/23





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本「日本銀行は信用できるか (講談社現代新書2010)」岩田規久男5

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日本銀行は信用できるか (講談社現代新書)
日本銀行は信用できるか (講談社現代新書2010)

○著者: 岩田規久男
○出版: 講談社 (2009/8, 新書 216ページ)
○定価: 756円
○ISBN: 978-4062880107
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日本経済最悪のシナリオ、デフレが進行している。内需も外需も総崩れの現在、政府は日銀金融政策をまかせきりにするのではなく、インフレ目標を設定せよ。信頼の高い学者の緊急提言!


≪目次: ≫
序章 日本銀行金融政策は信頼できるか

第1章 どんな人が金融政策を決定しているのか
どんな人が日銀総裁になるのか/なぜ、東大法学部出身者が日銀総裁になるのか/エリートは企画局で能力を磨く/金融政策は企画局で作られる?/政策委員会メンバーの資質を確保する条件/不適切な政策委員会委員の選出/学識経験の軽視/FOMCと比べて貧弱な委員に関する情報/正統派経済学軽視は日銀だけの特徴ではない

第2章 日銀の金融政策で大不況を脱出できるか
日銀はもっとも消極的な中央銀行/主要国では日本経済がもっとも厳しい/日銀の伝統的金融政策へのこだわり/FRB「ゼロ金利でもやることは沢山ある」/英米中銀は日銀をしのぐ長期国債買い入れを開始/FRBは低すぎるインフレ率を警戒/過度の円高の恐れ/非伝統的金融政策とは/日銀が損失を被ると日銀券の信認がなくなるか?

第3章 責任逃れに使われる「日銀流理論」
日銀は何をするところか/通貨価値の安定は達成されたか/物価高騰の原因は貨幣の急増/貨幣の急増は銀行の貸し進み?/銀行でなく「日銀」の貸し進み/日銀には「日銀流理論」がある/恩恵としての日銀貸し出し/金融引き締めは戦闘である/責任を認めない「日銀流理論」の構造/日銀に「標準的金融政策論」の理解者はいるのか

第4章 平成デフレ不況をもたらした金融政策
デフレは良いことか――「良いデフレ理論」の誤り/デフレになれば不良債権が増え、失業率も上昇する/デフレを引き起こした急激な金融引き締め/「日銀流理論」は健在/難産だったゼロ金利政策/日銀の「物価の安定」の具体的中身は空っぽだった!/いやいやながらのゼロ金利/金利を引き上げれば消費が増えて景気が良くなる!?/構造改革がなければ金融政策の効果はないのか/不良債権が増えるのはデフレ不況のせいだ/インターバンク・マネー・マーケットの縮小は問題か

第5章 日銀はなぜ利上げを急ぐのか
利上げを急ぐ日銀/「狂乱物価」のトラウマのせいか/「狂乱物価」後の日銀の平和な時代/日銀は成功した金融政策をあっさり捨ててしまった!/なぜ一九九〇年代初めに急激に利上げしたのか/「円の足かせ仮説」/「物価の安定」を検討した結果は「検討継続」/「物価の安定」を目標としない金融政策とは?/海外に比べた低インフレは日銀の金融政策のせいだ/日銀の目標はゼロ・インフレではないか/デフレを恐れず、インフレを極度に恐れる日銀

第6章 日銀に「インフレ目標」の錨を
新日銀法における日銀の「独立性」/インフレ目標採用国の中央銀行の「独立性」/日銀の常套句は「総合判断」/一九三〇年代大不況を招いたFRBの裁量的金融政策/裁量的金融政策が招いたスタグフレーション/マネタリー・ターゲティングの提案/FRBの金融政策はテイラー・ルールだったか/増加するインフレ目標政策採用国/インフレ目標政策とは/インフレ目標政策国の良好なパフォーマンス/イギリスがインフレの安定化に成功した理由/日本でデフレが起きる理由/二〜三パーセントのインフレで、構造改革の成果実現/金融政策の枠組みを評価する基準/日銀に金融政策運営の枠組みはあるのか/専門家である日銀の「総合判断」に任せなさい?/政府は日銀に「インフレ目標」の錨をつけよ

第7章 日銀改革の勧め
第6章までの要約/日銀の透明性と説明責任/ニュージーランド中央銀行の説明責任の取り方/イングランド銀行の説明責任の取り方/日銀の裁量性とは全く異なる/ガバナンスの存在しない日銀/政府がインフレ目標を設定せよ/日銀の正統派経済学軽視は消滅する/日銀よ、改革を恐ることはない

おわりに (二〇〇九年六月 岩田規久男)
参考文献


≪著者: ≫ 岩田規久男 (いわた きくお) 1942年、大阪府に生まれる。1966年、東京大学経済学部卒業。1973年、同大学大学院博士課程修了。1983年、上智大学教授。1998年、学習院大学経済学部教授。この間1976年から1978年までカリフォルニア大学バークレー校において客員研究員を務める。専門は金融・経済政策。主な著書に『インフレとデフレ』(講談社現代新書)、『金融入門 新版』『国際金融入門 新版』(岩波新書)、『経済学を学ぶ』『日本経済を学ぶ』『世界同時不況』(ちくま新書)、『景気ってなんだろう』(ちくまプリマー新書)、『金融危機の経済学』(東洋新報社)などがある。

岩田規久男 『ユーロ危機と超円高恐慌』(日経プレミアシリーズ、日本経済新聞出版社、2011年) '12/05/17
岩田規久男 『デフレと超円高』(講談社現代新書、2011年) '12/05/14
岩田規久男 『インフレとデフレ  Inflation and Deflation, 1990 』(講談社学術文庫、2012年) '12/05/04





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本「デフレと超円高 (講談社現代新書2091)」岩田規久男5

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デフレと超円高 (講談社現代新書)
デフレと超円高 (講談社現代新書2091)

○著者: 岩田規久男
○出版: 講談社 (2011/2, 新書 240ページ)
○定価: 777円
○ISBN: 978-4062880916
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ジッサイぼくは、「デフレ(インフレ)」とか「円高(円安)」とかってキョーミや関心がどうしても持てなくって(ピンとこない)、だからアタマに入ってこない、いまだによく分からない。であって、せっかく(よい機会)?!だから、何冊かつづけて読んでみてもいいかも!?とは、ふと思った感じたのであって(新書スタイルはハードルが高くない♪)、ときどき混ぜ込んで(ニンジンとかピーマンとかの苦手な子どもに食べさせるべく、みじん切りみたいにして)、どうなんだろう、何度か繰り返し語られること(記述・論考)は、繰り返されることによって記憶にひっかかり(意識無意識のうちに)、とくに無理を強いることなく、もっとも飽くことなく中絶せずに読みつづける努力はモチロン必要とされて、努力なくしてはナニゴトをもなしえない


さて、“5,000円”のプライスボードがついていた冷蔵庫は、ぼくがすこしまえに、いつも活用させていただいている自室の最寄駅の近くのリサイクルショップのおじさんに引き取ってもらったモノ('95のNEC製、82L)で、もしかしたら見間違いかもしれないけれど、多分そう。こまかくみるならば、ぼくは2,000円の引き取り処分費をおじさんに支払った、というか、新しく?!購入(買い替え)した中古の冷蔵庫('05のシャープ製、135L)のプライスボードに書いてあった価格8,000円に2,000円を上乗せして都合10,000円を支払った。ジッサイ、ぼくは10,000円をおじさんに支払った時点で、おじさんの軽トラックで配送してくれて引き取ってもらって、そのコスト(タダではない)も10,000円に含まれているのだし、おじさんが再販売(リサイクル)するであろうことを承知していたし、そう願ってもいた(使えるのに捨てるのは廃棄したらゴミになる、モッタイナイ)、また、買い替えた冷蔵庫は何日か使ってみて今のところ快適で10,000円で買ったとしても高くないと思って満足している。
そもそも、モノの値段って、ときに、あってないようなもの(いくらであろうと、いくらであっても、あまりにかけ離れていなければ、かけ離れていたら売買は取引は契約は成立しないのであろうことからも、まァいいんじゃァないだろうか)といったようなところが、ぼくにはあって、、、とくに、おじさんがほぼひとりで(おてつだいのおばさんをひとり見かけるけれど)切り盛りしているようなお店(どうみても儲かっているようにはみえない)だから、ね♨



若者就職難、雇用の不安定、賃金の低下、年金など社会制度は崩壊寸前。終わりなきデフレと円高がこの国を蝕んでいる。経済学の第一人者が提案する日本経済を救う秘策とは!


≪目次: ≫
はじめに
第一章 円高はなぜ起きるのか
世界金融危機・同時不況下でなぜ円高が起きたのか/円高になるケースを図で理解しよう/日米予想実質金利差で考える/日米予想実質金利差が大きくなれば、円高になる/実際に、そうなっているか/九五年四月の八〇円台割れの超円高はなぜ起きたか/何を基準にドル預金を選択するのか/日米金利差と予想為替差益率の大小関係でみると/日米金利差のマイナス幅が縮小すると円高・ドル安になる
第二章 デフレは円高を生む
将来の為替レートの予測は難しい/通貨(お金)の価値と金利/購買力としての通貨の価値/円ドルレートは日米消費者物価指数比と連動しているか/日米予想インフレ率差が小さくなると、為替差損を被る/円ドルレートと日米予想インフレ率差の変化/二〇〇八年九月〜〇九年一月の急速な円高はなぜ起きたか/二〇一〇年七月から一〇月にかけての急速な円高の要因/一九九五年の超円高をもたらしたデフレ予想/長期的にも、円ドルレートは理論通りに動いている
第三章 デフレと円高はなぜ悪いのか
実質実効為替レートで見ると円高ではない?/輸出産業と輸入競争産業の収益率は過去最悪の水準/デフレ下では、企業は利益をあげられない/デフレで、給与所得も減少する/失業者、就職浪人、低所得の非正社員が増える/デフレによる雇用の悪化/デフレ不況で自殺者が急増/デフレが続くと、社会保障制度を維持できなくなる/借金の負担が重くなる/設備投資や住宅投資に影響するのは予想実質金利/デフレになると、予想実質金利は高くなる/世界同時不況下では、予想実質金利は日本の方が米国より高い/デフレは円高を招き輸出・輸入競争産業に打撃を与える/「神風」が吹いて超円高を克服/産業価格の低迷で、需要は減少/デフレでは、財政再建は不可能/年金世代はデフレがよい?/デフレによる円高は企業の海外流出を促し、雇用を減らす/デフレでも、世界経済が絶好調なら企業収益は増加する/デフレと円高で得する特権階層
第四章 構造デフレ説の誤謬
「中国安値輸入デフレ説」――中国からの安値輸入品がデフレの原因――/なぜ、安値輸入品はデフレの原因ではないのか/「中抜きデフレ説」――中抜きがデフレの原因――/「生産性の向上デフレ説」――生産性の向上がデフレの原因――/「銀行の貸し渋りデフレ説」――不良債権を抱えた銀行の貸し渋りがデフレの原因――/「低生産性デフレ説」――生産性が低いから、デフレになる――/「生産年齢人口減少デフレ説」――生産年齢人口が減少するから、デフレになる――
第五章 デフレは貨幣的現象である
デフレとは何か/消費者物価の逆数は貨幣の実質価値である/現金と預金を貨幣(通貨)という/貨幣の実質価値はどう決まるか/デフレもインフレも貨幣的現象である/貨幣の供給とは/貨幣の需要とは/貨幣の価値=物価の決まり方/貨幣の供給は銀行の信用創造に依存する/銀行の貨幣供給活動は金融政策に依存する/日銀の金融スタンスを示すマネタリー・ベース/インフレ予想形成による金融政策の波及メカニズム/「デフレもインフレも貨幣的現象である」という意味/マネタリー・ベースの変化は、予想インフレ率を変化させる/マネタリー・ベースと超過準備の持続的拡大は株価を引き上げる/「ブタ積み」呼ばわりする大誤解
第六章 日銀の金融政策の目的は「デフレの安定化」
長期経済停滞は「バブルつぶしの金融政策」から始まった/マネタリー・ベースの急激な減少はデフレをもたらした/デフレ脱却の金融緩和政策はとられなかった/なぜ、米国は世界同時不況下でデフレにならなかったか/円高・ポンド安、円高・ユーロ安も同じ構造/日本以外はなぜデフレではないのか/日本だけが突出して通貨高/通貨安競争ではなく、まともな金融政策を/曖昧な日銀の「物価の安定」/白川日銀の金融政策はデフレ・ターゲティング/デフレと株安を恐れず、バブルを極端に恐れる日銀
第七章 インフレ目標でデフレも円高も止められる
金融政策のレジームが予想形成を左右する/「金融政策のレジーム転換」で一九三〇年代大デフレ不況から脱出/動学的に不整合な政策は信用されない/超過準備を減らせば、株価は下がる/動学的整合性のある政策が効果を発揮する/インフレ目標政策の特徴/バブルは金融システム安定政策で防止する/インフレ目標達成のメカニズムは目標へのコミットメント/インフレ目標採用国は世界同時不況のダメージが小さい/日銀にインフレ目標の達成を義務付けよ/インフレ目標は三%(±一%)/まずは、「人を代える」ことが必要/インフレ予想形成の手段/予想インフレ率の上昇は円安をもたらす/予想インフレ率の上昇は株価を上昇させる/銀行の貸出に頼らずに投資は拡大/なぜ、貸出増による貨幣が増えずに、デフレから脱却できるのか/二〇〇〇年代前半の量的緩和でデフレ脱却できなかった理由/財政悪化懸念による「悪い金利上昇」を防ぐには/名目成長率を高めれば、財政の持続可能性が増大する/政府の財政再建のコミットメントも必要

付論:それでも納得しない読者のために
長期国債購入でインフレにならないとどうなるか/「構造デフレ説」の致命的欠陥/「構造デフレ説」論者の苦肉の策は「ハイパー・インフレの脅し」/物価はハイパー・インフレ、円相場と国際価格は暴落しかない!?/「高橋蔵相ハイパー・インフレ説」の蒙昧から目を覚ませ/「これ以上の長期国債購入は財政政策だ」は理由にならない

参考文献


≪著者: ≫ 岩田規久男 (いわた きくお) 1942年、大阪府に生まれる。1966年、東京大学経済学部卒業。1973年、同大学大学院博士課程修了。1983年、上智大学教授。1998年、学習院大学経済学部教授。この間1976年から1978年までカリフォルニア大学バークレー校において客員研究員を務める。専門は金融・都市経済学。主な著書に『金融入門 新版』『国際金融入門 新版』(岩波新書)、『経済学を学ぶ』『日本経済を学ぶ』『世界同時不況』(ちくま新書)、『景気ってなんだろう』(ちくまプリマー新書)、『インフレとデフレ』『日本銀行は信用できるか』(講談社現代新書)などがある。

岩田規久男 『インフレとデフレ  Inflation and Deflation, 1990 』(講談社学術文庫、2012年) '12/05/04





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本「聖典「クルアーン」の思想 イスラームの世界観 (講談社現代新書1711)」大川玲子5

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聖典「クルアーン」の思想――イスラームの世界観 (講談社現代新書)
聖典「クルアーン」の思想 イスラームの世界観 (講談社現代新書1711)

○著者: 大川玲子
○出版: 講談社 (2004/3, 新書 236ページ)
○定価: 735円 (品切・重版未定)
○ISBN: 978-4061497115
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なかなかいろいろ、いろいろなかなか
日中のひざしは太陽がまぶしく、夕方の時間は日に日にながくのびゆきて(朝のくらい時間もみじかくなりゆく)、まいとしまいとしおなじことの季節のめぐる春夏秋冬のくりかえしくりかえし周期的な、やがてまもなく寒い冬は寒さを感じる日はそのどあいは傾向としては春にむかってということなのかどうなのか


ユダヤ教・キリスト教への愛憎、運命観、社会の規範…… ムスリムの聖典を読み解き、真のイスラーム理解へ誘う。


≪目次: ≫
はじめに
 《表記方法や資料などに関して》
 「イスラーム世界の今」

第一章 クルアーンとはいかなる聖典なのか?
1 誕生の経緯
――アッラーの啓示から書物へ
商人、ムハンムド/啓示の始まり/ヒジュラ(聖遷)/メッカ征服/スンナ派とシーア派の相違/クルアーンはいかに編纂されたか
2 構成と内容
イスラームの真髄――ファーティハ章/メッカ期とメディナ期の句の違い/「ジハード」の多様な意味/姦通、中傷、飲酒、窃盗、追剝の罪/唯一絶対全知全能の存在/アッラーと人間の間を取り持つしもべ/ムハンマド以外にも多くの使徒・預言者がいる/イスラームの「来世」と「運命」/信仰告白/善行を積むことで天国へ/断食の実際/生涯に一度は巡礼を
3 読誦されるクルアーン――日常生活のなかで
「クルアーン」とは「読誦されるもの」/朗唱の美しさ/アラブ人でも練習が必要
4 クルアーンが語るクルアーン――その自己認識
自ら神の言葉だと繰り返し主張/自己言及はなぜ必要とされたか

第二章 預言者たちとクルアーンに先行する諸啓典
1 「啓典の民」と「純正一神教徒」
――クルアーンのユダヤ・キリスト教徒観
「啓典の民」に対する揺れる意識/「啓典の民」との決別/アブラハムはムスリムだった
2 預言者たちと啓典――アダムからアブラハムへ
二五人の預言者/クルアーンのアダムと聖書のアダム/イスラームの枠のなかで再解釈/クルアーンが語る「ノアの方舟」の意味/ムハンマドのモデル的存在/誰が「直系」で誰が「傍流」か/アブラハムに与えられた「聖なる書」
3 モーセの「律法の書」、ダビデの「詩篇」、イエスの「福音の書」
クルアーンのモーセ/聖書「出エジプト記」との違い/「律法の書」/ダビデに与えられた「ザブール」/クルアーンが描くイエス像/イエスは十字架では亡くなっていない/なぜイエスのエピソードは食い違うのか/イエスの「福音の書」の位置付け
4 クルアーンの優越性
クルアーンは先行啓典を「確証」する/先行啓典の内容を「取り消す」/先行啓典は「歪曲」されている/親近感とそれゆえの憎悪

第三章 「天の書」とクルアーン
1 「天の書」と人間の運命

運命は「天の書」に書かれている/最初に創造されたものは?/「書く」=「運命をあらかじめ定める」/クルアーンの句に読み込まれる「天の書」のイメージ/クルアーンの原型/なぜ「天の書」が必要か
2 「記録の書」と人間の自由意思
イスラームの運命観/最後の審判と「記録の書」/天国か地獄か/天使たちは全てを書く/運命は書き換えられるか/運命の「書き換え」を願う祈禱句/悔い改めの夜
3 「天の書」からクルアーンへ――啓示が下される時
「天の書」とクルアーンの関係/クルアーンが天から下された夜/イスラームの天体観/「星の落ち行く場」/「一度にまとめて」と「分割されて」の関係/先行啓典の下され方/なぜクルアーンは二段階で下されたのか/「カドルの夜」は「ラマダーン月」に含まれる/「祝福された夜」の解釈/啓示理論の精緻化

第四章 日本人とクルアーン
1 英雄「マホメット」への関心
――大正のクルアーン訳
最初の日本語訳/カーライルによるムハンマド再評価/ムハンマド、クルアーンに対する関心の高まり/英訳クルアーンから翻訳
2 「亜細亜との連帯」を目指して――戦前のクルアーン訳
国策としてイスラーム世界を見る/ムスリムとの連帯/高橋五郎・有賀阿馬土訳/「神」から「アッラー」へ/大川周明
3 学問と信仰――戦後のクルアーン訳
政治的要素の消失/クルアーンの言葉の原意を伝える/最も優れた日本語訳極めて読み易い翻訳/信徒による初の訳本

おわりに (二〇〇四年一月二十九日 明日から巡礼(ハッジ)が始まる、ヒジュラ歴一四二四年巡礼月(ズー・アル=ヒッジャ)七日 大川玲子)
主要参考文献


≪著者: ≫ 大川玲子 (おおかわ・れいこ) 1971年、大阪生まれ。文学博士。東京大学大学院を経て、カイロ留学、ロンドン大学大学院東洋アフリカ研究学院(SOAS)修士課程修了(MA)の後、東京大学大学院人文社会系研究科イスラム学博士課程修了。日本学術振興会特別研究員(を経て、明治学院大学国際学部准教授)。専攻はイスラーム学。共著に『聖典と人間』(大明堂)など。

大川玲子 『図説 コーランの世界 写本の歴史と美のすべて』(ふくろうの本・世界の文化、河出書房新社、2005年) '12/02/15





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本「スペイン巡礼史 「地の果ての聖地」を辿る (講談社現代新書1820)」関哲行5

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スペイン巡礼史 (講談社現代新書)
スペイン巡礼史 「地の果ての聖地」を辿る (講談社現代新書1820)

○著者: 関 哲行
○出版: 講談社 (2006/2, 新書 256ページ)
○定価: 777円
○ISBN: 978-4061498204
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世界遺産 「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」、Way of St. James(英)、Chemin de Saint-Jacques-de-Compostelle(仏)


サンティアゴ巡礼への誘い
本書は、巡礼と密接に関わる民衆信仰、シンクレティズム、「観光」、都市開発、慈善をキーワードに、中近世を中心にスペインの巡礼を全体的に読み解いたものである。巡礼というプリズムを通して見た、中近世スペイン史と言い換えることもできる。考察の中心はサンティアゴ巡礼であるが、三つの一神教を意識して、スペインのイスラム教徒とユダヤ人の巡礼についても言及することにする。ヨーロッパ史と宗教との関わりの一端なりとも、ここから汲みとっていただければ幸いである。――〈本書より〉


≪目次: ≫
サンティアゴ巡礼への誘い――まえがきに代えて
巡礼と私/急増する巡礼者、動揺する近代ヨーロッパ的価値観/普遍的宗教現象としての巡礼/聖と俗の狭間に

第1章 海を渡る巡礼者たち
オリエントの聖地へ
1 「モザイク国家スペイン」と宗教
先史時代〜中世前期のスペイン/中世中期〜末期のスペイン/近世スペイン/近現代スペイン
2 「三つの一神教」と巡礼
キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の「共属意識」/俗から聖へ、聖から俗へ/奇跡は神ではなく聖人・聖者・義人に発す
3 「三つの一神教」の巡礼者たち
レオンの聖マルティン――十二世紀のキリスト教徒巡礼者/イブン・ジュバイル――十二世紀のムスリム(イスラム教徒)巡礼者/トゥデラのベンヤミン――十二世紀のユダヤ人巡礼者/ペロ・タフール――中世末期のキリスト教徒巡礼者/近世初期ユダヤ神秘主義者の聖地巡礼

第2章 聖地と聖性
地の果ての聖地
1 聖地サンティアゴと聖ヤコブ
聖地は死なず、連続する/聖ヤコブ伝承/聖ヤコブとカール大帝
2 「奇跡」とは何か
奇跡の類型/捏造される奇跡/ユートピアとしての聖地/サンティアゴの聖性を象徴するもの/聖年
3 巡礼のクロノロジー
中世前期のサンティアゴ巡礼/中世後期のサンティアゴ巡礼/近世〜現代のサンティアゴ巡礼

第3章 巡礼行の実際
「聖なる空間」をゆく人々
1 サンティアゴへの道
「フランス人の道」/「海の道」/「銀の道」
2 巡礼者たちの横顔
巡礼の動機/巡礼者の出身地/性別・年齢構成/職業・身分構成/参入儀礼と巡礼者の服装
3 巡礼講と「苦難の長旅」
巡礼講の理想と現実/旅の危険/日数と旅費/帰路のもつ意味/聖ヤコブ兄弟団

第4章 巡礼と「観光」
巡礼者と観光者と
1 「旅」の情報
移動手段/宿泊施設/情報/観光資源のなかで
2 外国人旅行者の見た観光資源
ベーメン有力貴族レオ・デ・ロズミタールの旅行記/ドイツ人医者ヒエロニムス・ミュンツァーの旅行記/ブルゴーニュ公側近アントワーヌ・ド・ラランの旅行記/世俗化する巡礼
3 巡礼記に描かれた観光資源
「旅のガイドブック」としての『サンティアゴ巡礼案内』/フィレンツェの無名氏による巡礼記/観光資源としての聖遺物

第5章 巡礼と都市の形成
巡礼の盛行とともに発展した都市
1 巡礼路都市ブルゴス
事実上の首都機能を担った中世の国王都市/国際商業都市として
2 巡礼路都市サアグーン
二人の聖人に由来する巡礼路都市/外国が拡大を支えた/近代化に取り残され
3 聖都サンティアゴ・デ・コンポステーラ
「聖なる都市」の誕生/ヘルミレス時代の聖都サンティアゴ/十三世紀以降の聖都サンティアゴ

第6章 巡礼と慈善
「宗教的救済」から「世俗的救済」へ/総合施療院の誕生
1 中世末期の施療院――レオンアストルガ
レオンのサン・フロイラン施療院/アストルガの在地兄弟団/「貧民」への待遇
2 集約化される慈善――サンティアゴ王立施療院
王権直属の施療院/施療院の財政/施療院の組織体制/地元住民に広がった慈善対象者/恵まれた施設とサービス内容
3 慈善と権力
「医療の社会化」が始まった/慈善から社会福祉へ

サンティアゴ巡礼と四国巡礼――あとがきに代えて
サンティアゴ巡礼と四国巡礼の「近さ」/サンティアゴ巡礼と四国巡礼の「遠さ」/宗教間対話と自己の再発見へ向けて

主要参考文献と史料
スペイン巡礼史 年表


≪著者: ≫ 関 哲行 (せき てつゆき) 1950年茨城県生まれ。上智大学大学院文学研究科博士課程修了。流通経済大学社会学部教授。専攻は中近世スペイン史。主な著書に、『スペイン・ポルトガル史』(共著)『スペイン(世界歴史の旅)』(共著)『スペインのユダヤ人』(以上、山川出版社)、『巡礼と民衆信仰』(共著、青木書店)、『新書ヨーロッパ史中世篇』(共著、講談社現代新書)などがある。趣味はテニスとサッカー観戦。

関哲行 『旅する人びと』(ヨーロッパの中世4、岩波書店、2009年) '12/01/07
映画 『サン・ジャックへの道 Saint-Jacques... La mecque』(コリーヌ・セロー 監督、フランス映画、2005年) '07/07/28





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本「ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書2100)」橋爪大三郎×大澤真幸5

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ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書)
ふしぎなキリスト教  Wonders In Christianity (講談社現代新書2100)

○著者: 橋爪大三郎×大澤真幸
○出版: 講談社 (2011/5, 新書 352ページ)
○定価: 882円
○ISBN: 978-4062881005
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対論しましょそうしましょ、おはなしききますそうします、近代社会、西洋、キリスト教


≪目次: ≫
まえがき (大澤真幸)
第1部 一神教を理解する――起源としてのユダヤ教
1 ユダヤ教とキリスト教はどこが違うか/2 一神教のGodと多神教の神様/3 ユダヤ教はいかにして成立したか/4 ユダヤ民族の受難/5 なぜ、安全を保障してくれない神を信じ続けるのか/6 律法の果たす役割/7 原罪とは何か/8 神に選ばれるということ/9 全知全能の神がつくった世界に、なぜ悪があるのか/10 ヨブの運命――信仰とは何か/11 なぜ偶像を崇拝してはいけないのか/12 神の姿かたちは人間に似ているか/13 権力との独特の距離感/14 預言者とは何者か/15 奇蹟と科学は矛盾しない/16 意識レベルの信仰と態度レベルの信仰
第2部 イエス・キリストとは何か
1 「ふしぎ」の核心/2 なぜ福音書が複数あるのか/3 奇蹟の真相/4 イエスは神なのか、人なのか/5 「人の子」の意味/6 イエスは何の罪で処刑されたか/7 「神の子」というアイデアはどこから来たか/8 イエスの活動はユダヤ教の革新だった/9 キリスト教の終末論/10 歴史に介入する神/11 愛と律法の関係/12 贖罪の論理/13 イエスは自分が復活することを知っていたか/14 ユダの裏切り/15 不可解なたとえ話I――不正な管理人/16 不可解なたとえ話II――ブドウ園の労働者・放蕩息子・九十九匹と一匹/17 不可解なたとえ話III――マリアとマルタ・カインとアベル/18 キリスト教をつくった男・パウロ/19 初期の教会
第3部 いかに「西洋」をつくったか
1 聖霊とは何か/2 教義は公会議で決まる/3 ローマ・カトリック東方正教/4 世俗の権力と宗教的権威の二元化/5 聖なる言語と布教の関係/6 イスラム教のほうがリードしていた/7 ギリシア哲学キリスト教神学の融合/8 なぜ神の存在を証明しようとしたか/9 宗教改革――プロテスタントの登場/10 予定説資本主義の奇妙なつながり/11 利子の解禁/12 自然科学の誕生/13 世俗的な価値の起源/14 芸術への影響/15 近代哲学者カントに漂うキリスト教の匂い/16 無神論者は本当に無神論者か?/17 キリスト教文明のゆくえ
あとがき (2011年四月二十四日 復活祭の日に 橋爪大三郎)
参考文献


≪著者: ≫ 橋爪大三郎 (はしづめ だいさぶろう) 1948年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。東京工業大学教授。社会学者。著書に『はじめての構造主義』『はじめての言語ゲーム』(ともに講談社現代新書)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『冒険としての社会科学』(洋泉社MC新書)、『「心」はあるのか』(ちくま新書)などがある。

≪著者: ≫ 大澤真幸 (おおさわ まさち) 1958年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。千葉大学助教授、京都大学教授を歴任。著書に『ナショナリズムの由来』(講談社、毎日出版文化賞受賞)、『不可能性の時代』(岩波新書)、『「正義」を考える』(NHK出版新書)、『量子の社会哲学』(講談社)などがある。思想月刊誌『THINKING「O」』(左右社)を主宰。
大澤真幸オフィシャルサイト(http://www.sayusha.com/MasachiOsawaOfficial/)

大澤真幸 『近代日本のナショナリズム』(講談社選書メチエ、2011年) '11/07/08





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本「歴史認識を乗り越える 日中韓の対話を阻むものは何か (講談社現代新書1819)」小倉紀蔵5

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歴史認識を乗り越える (講談社現代新書)
歴史認識を乗り越える 日中韓の対話を阻むものは何か (講談社現代新書1819)

○著者: 小倉紀蔵
○出版: 講談社 (2005/12, 新書 240ページ)
○価格: 756円
○ISBN: 978-4061498198
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あぁそうかぁ、、、すこしまえにカレンダーをぼんやり見ていて8月15日が月曜日であることを確認して、「もし仕事がその日オフだったら久しぶりに行ってみてもいいかなぁ」とは、それほど積極的な働きかけではないものの、なんなんだろう、いち時期いろいろ関心をもって、ちょうどその当時の勤務先への通勤経路の途中、乗換駅のひと駅手前に在ったこともあってなのか、2007年と2008年と2009年と3年連続して、まさにその日の朝に足を運んだこの目で見た肌で感じた?!、靖国神社、ずいぶんいろいろな人びとがとにかくたくさん集まってきていて、まるでお祭りみたいだったっけなぁ


「アジアの中の日本」を再構築する
「アジアと対話できない日本」の淵源は、日本が精神的にあまりにもアジアから離れてしまっているという「精神的距離」が、使用する言葉の異質性を増幅させていることにあるのだと思われる。アジアの中での発話主体・責任主体をもういちど立たせるために、〈主体〉という概念の東アジア的意味を考察することが必要だと考えた。儒教的伝統と近代化の過程において形成されたそれは、西欧近代の〈主体〉とどのように異なるのか。どのような問題を抱えているのか。その〈主体〉が表象する「歴史」は、いかにして幻影たらざるをえないのか。そしてポストモダン日本において、この古いモダンな〈主体〉はいかに解体されてしまったのか。もういちど「アジアの中の日本」を立たせるためには、幻影をいかに克服して、政治的選択肢における「センター」の軸をいかに構築しなくてはならないのか。おおよそ以上のような事柄が、本書で議論される内容である。それは二十世紀の歴史認識問題とは異なる、すぐれて二十一世紀型の、新しいアジアをめぐる議論となるであろう。――本書より


≪目次: ≫
はじめに――二十一世紀の歴史認識問題
第1章 日本人のあいまいな〈主体〉    1-1 あいまいな廃墟(〈ゼロ価値〉による悲劇/〈敵〉の不在/韓国の場合/「あいまい」な日本)/1-2 「人類」とナガサキ(難しい都市/抑制された筆致/世界の矛盾の結節点/ナショナリズムは存在しない?)/1-3 知覧の孤立(知覧の遠さ/特攻隊員のあいまいな顔/特攻隊員は孤立しているのか/三島由紀夫渡辺一夫/孤絶の意味/儒教的な〈主体〉とは何か)/1-4 ビルケナウの監視塔(収容所を一望する/パプティコンの構造/〈主体性〉付与の欺瞞/監視するのは〈主体〉か〈客体〉か/本当に〈客体〉なのか)
第2章 対等な関係は可能か    2-1 対等でなく、あまりに対等でなく(〈上位〉に立つ韓国人/引用と封じ込め)/2-2 「ゆるす」ということ(〈ゆるし〉と〈優位性〉/歪な関係/〈優位性〉と〈上位性〉の交錯/〈無言のゆるし〉と軽蔑/審判する人/審判される人)/2-3 ポストモダン日本における歴史(歴史の忘却/歴史の忘却への苛立ち――反撃へ)
第3章 「日本人」をもういちど原点から問い直す    3-1 「日本人」をどう立ち上げるか(歴史に対する責任を負う者/「生理的遺産」と「社会的遺産」/「良識ある日本人」)/3-2 「戦後」という枠組み(冷戦と日本人/コミュンテルン的な、あまりに……)/3-3 「戦後」の枠組みからの脱出(「右派」と「左派」/ポストモダンの潮流/グローバリズムと〈主体派〉/グローバリズムと〈非主体勢力〉)/3-4 「第三の道」へ(新しい道はあるか/もういちど原点から)
第4章 東アジアの厄介な〈主体〉    4-1 東アジア的〈主体〉とは何か(中国、韓国の〈主体〉は?/〈朱子学的思惟〉の本質は何か/〈理〉の三重構造/その他の構造/現代新儒家との違い)/4-2 分裂し、序列化される〈主体〉(〈朱子学的主体〉とは何か/〈主体〉の分裂/〈第1の主体〉と〈第2の主体〉の分裂/隠された地平――〈第0の主体〉)/4-3 序列化の問題――中華思想の核心(歴史を生きる〈主体〉/社会変革と〈主体〉)
第5章 東アジアの厄介なモダン    5-1 東アジアの近代化と〈主体〉(〈主体化〉と序列化の東アジア近代/儒教化する明治/朱子学化する近代)/5-2 日本の〈主体化〉(元田永孚福沢諭吉丸山真男)/5-3 東アジアの〈主体化〉(中国の場合/韓国の場合/北朝鮮の場合/社会変革と〈主体〉/〈理〉と歴史――幻影の争奪戦)
第6章 〈主体〉の摩擦    6-1 国家の序列化(『国民の歴史』の既視感/韓国との類似性/日本の韓国化/日本の中華思想)/6-2 バーチャル・ヒストリー(日本と違う中国・韓国の歴史観/仮想道徳歴史に生きる)/6-3 ドイツ・西欧との比較(「ドイツは立派、日本はダメ」/「ドイツと同じ日本」とは/西欧の普遍的レベルは/二十一世紀における歴史認識問題の普遍化へ)/6-4 魂のポリティクス(「生物学的解決」はありえない/歴史認識問題は「魂」の段階に/日本側の魂も/魂の政治化)
第7章 新しい〈主体〉へ    7-1 もういちど原点から考える(〈主体〉の跋扈と不在/「わからないこと」に対して/揺らぐこと・耳を澄ますこと/感情の包摂/たとえば責任の問題)/7-2 〈アイデンティティ〉と〈コンセプト〉(〈主体〉と〈アイデンティティ〉/〈コンセプト〉/〈アイデンティティ〉と〈コンセプト〉の融合)
第8章 日本人の選択肢    8-1 左派・右派・中道、それぞれの限界(二分された国論/「左派」の立場/「右派」の立場/真ん中の立場)/8-2 「センター」を確立する(謝罪し国際貢献する日本/責任〈主体〉としての自覚/若い日本人の使命/国際貢献/不動のセンター)/8-3 教科書問題(共同歴史教科書は可能か/歴史観はばらばらでよいのか/「東アジアの歴史教科書」は可能か/「左派」の本来なすべき仕事/韓国から学ぶことは)/8-4 「靖国」と追悼使節(靖国問題/国立の追悼施設/ドイツの場合)
第9章 東アジアの未来    9-1 韓国との関係(歴史認識問題は日韓関係を前進させた/「右も左も南」/「南」内部での「右と左」/「右」と「左」のメカニズム解体へ/両国の立場の違い/日韓関係のしくみ/一国決定主義からの脱皮を/日本と韓国の連携とは)/9-2 北朝鮮との関係(北朝鮮の「小中華」パラダイム/北朝鮮を含めた枠組みを)/9-3 在日との共生(在日の多様性)
おわりに (二〇〇五年十一月 小倉紀蔵)


≪著者: ≫ 小倉紀蔵 (おぐら きぞう) 1959年、東京都生まれ。1983年、東京大学ドイツ文学科卒業。電通に勤務後、韓国に留学。ソウル大学校哲学科博士課程単位取得。専攻は韓国哲学。東海大学助教授(を経て、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授)、NHKハングル講座講師、「日韓友情年2005」実行委員などをつとめる。主な著書に『韓国は一個の哲学である』『韓国人のしくみ』(ともに講談社現代新書)、『韓国、ひき裂かれるコスモス』(平凡社)、『韓国、愛と思想の旅』(大修館書店)、『韓流インパクト』(講談社)、『心で知る、韓国』(岩波書店)などがある。

小倉紀蔵 『ハイブリッド化する日韓』(エヌティティ出版、2010年) '11/08/05
小倉紀蔵 『日中韓はひとつになれない』(角川oneテーマ21、2008年) '11/07/29
小倉紀蔵 『韓国は一個の哲学である 〈理〉と〈気〉の社会システム』(講談社学術文庫、2011年) '11/06/22





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本「宗教vs.国家 フランス〈政教分離〉と市民の誕生 (講談社現代新書1874)」工藤庸子5

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宗教VS.国家 (講談社現代新書)
宗教vs.国家 フランス〈政教分離〉と市民の誕生 (講談社現代新書1874)

○著者: 工藤庸子
○出版: 講談社 (2007/1, 新書 208ページ)
○価格: 756円
○ISBN: 978-4061498747
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『vs.』の関係、あいだがら

そう、はかそうじ、およそいちじかんはんくらい
ごぜんちゅうにバタバタと黙々と作業を手伝って、印紙やら切手やらのお買い物を頼まれて(どうしたものかレシートを失くしてしまったコマッタ)、「今日はもういいですよ」(とくに依頼する仕事がないから会社に居なくて帰っていい)と社長から郵便物だけ渡されて投函を依頼されたのが、正午前後だったか、その後に会社からの連絡(仕事の依頼、契約予定など)がなければ夕方に事務所に顔を出す必要もなく、もちろん連絡があれば速やかに(有無を言わさず)対応しなければならないのだから、自由なのかどうなのかと考えるには、もっとも自由であろうがなかろうが、そもそもぼくには特定の予定などない(可能な限りで他人との交流を約束を避けている)のだから、ぼくが日々やることといえば、ガッコウに行って視聴覚教材を自習するか、図書館で読書するか、ときどき掃除や洗濯もする、炊事は毎日、そう、行動に優先順位をつけて、いつまで経ってもなかなか着手できない事柄は、とどのつまりは優先順位が低いと考えているのか、はたまた能力の時間配分ができていないダメダメなのか、気がかりなことをいつまでも気がかりのままにしておくのは精神衛生上よくない、しかしじっさい、その判定は容易ではない、こちらを立てればあちらが立たず、人間の能力には時間には限りがあって無限ではないのだから、なにかを選択すれば、すくなくともその分はなにかを放棄して諦めることになるだろう、アレも欲しいしコレも欲しい(なにも失いたくない)悩ましい、あぁ花粉がイッパイ飛散していて悪さをぼくに仕掛けてくるから、ホントは外出を控えたいんだけれども、ちょっと気になることがあって、しばらく足が遠のいていた、いつ以来だろう、すくなくとも寒くなってからは足を運んでいない、春なんだか寒いんだか穏やかなんだか風はつよくなく青空の太陽は午後の陽気は気持ちが晴れる、足どりも軽く歩いたよ渋谷からおよそ2.5km(あらかじめ下調べをして)テクテクと30分弱くらい、首都高速3号線沿いの道、、、で、ナンマンダブナンマンダブ、黙々と落ちてる葉っぱを拾い集めて敷き詰められた砂利の小石のあいだの小さな草木を抜いて、両隣の樹木からのびる枝葉がちょうど上空で交差して屋根のように、まるで守られて手を差し伸べられてやさしく添えられてなにげなくおだやかな



共和国はなぜ十字架を排除したか
権力をめぐって対峙するカトリック教会と〈共和派〉の狭間で、一般市民は、聖職者は、女性たちは何を考え、どう行動したか。『レ・ミゼラブル』などの小説や歴史学文献を読み解きながら、市民社会の成熟してゆくさまを目に見える風景として描き出す。


≪目次: ≫
はじめに    「フランス国民」とキリスト教/「人権とカトリック」という問題提起/現代世界の問題としての「政教分離」/「小説」と「歴史」
第1章 ヴィクトル・ユゴーを読みながら 文化遺産としての『レ・ミゼラブル』/ユゴーは神を信じていたか/ミリエル司教の約束/聖職者のステータス/「正義の人」として/革命の闘士の死/ジャン・ヴァルジャンは三度死ぬ/修道女の遺言/ペール・ラシェーズの墓石
第2章 制度と信仰    「市民」であることの崇高な意味/ナポレオンの「コンコルダート」/発展するコングレガシオン(修道会)/カトリックの「女性化」/告解という制度/「霊的醗酵」の時代/ルルドの奇蹟/「教育の自由」について/修道院で育った娘たち
第3章 「共和政」を体現した男    第三共和政の成立/ジュール・フェリーと環境としての宗教/結婚がもたらしたもの/「プロテスタントは共和派」という構図/フリーメイソンは宗教か/宗教団体と政治活動/「ライシテ」とは法律の問題である/女性参政権のない共和国/「小学校教師への書簡」/「自由・平等・友愛」という標語/「友愛」から「連帯」へ/共和国の「道徳」と市民の「尊厳」/教育の「男女平等」について
第4章 カトリック教会は共和国の敵か    噴出する反教権主義/コングレガシオンへの「宣戦布告」/ドレフュス事件から人権リーグへ/ルルドの聖地巡礼とヴォランティア活動/一九〇一年のアソシアシオン法/一九〇五年の政教分離法/「不可分の非宗教的な共和国」という国是/アソシアシオンと市民社会/スカーフ事件へのアプローチ
おわりに (二〇〇六年一一月)
参考文献


≪著者: ≫ 工藤庸子 (くどう ようこ) 1944年浦和生まれ。東京大学文学部卒業。放送大学教授・東京大学名誉教授。主な著書に『プルーストからコレットへ』(中公新書)、『フランス恋愛小説論』(岩波新書)、『恋愛小説のレトリック――「ボヴァリー夫人」を読む』『ヨーロッパ文明批判序説――植民地・共和国・オリエンタリズム』(東京大学出版会)など、著訳書に『サロメ誕生――フローベル/ワイルド』(新書館)などがある。


工藤庸子 『砂漠論 ヨーロッパ文明の彼方へ』(左右社、2008年) '11/02/24
コレット 『わたしの修業時代  Colette, Mes apprentissages, 1936.』(工藤庸子訳、ちくま文庫、2006年) '11/02/20
工藤庸子+岩永雅也 『大人のための「学問のススメ」』(講談社現代新書、2007年) '11/02/16
『工藤庸子/大石和欣編著、沼野充義/柴田元幸/池内紀著 『世界の名作を読む '07』(放送大学教材、放送大学教育振興会、2007年) '10/11/26





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本「大人のための「学問のススメ」 (講談社現代新書1896)」工藤庸子+岩永雅也5

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大人のための「学問のススメ」 (講談社現代新書)
大人のための「学問のススメ」 (講談社現代新書1896)

○著者: 工藤庸子岩永雅也
○出版: 講談社 (2007/6, 新書 224ページ)
○価格: 756円
○ISBN: 978-4061498969
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そう、よそ(40歳)にしていろいろあっていろいろ考えたすえに(それゆえそれなりの覚悟を決意して)大学に入学して、あぁ、いちねんが経過するんだなぁ、セカンドステージ?!、まず一歩を踏み出して、踏み出した一歩を確実なものとするために、不安定で不安で吹けば飛ぶような消え入りそうな小さなちいさなちっぽけで弱弱しい芽を、ダメでもともと失うものなどなにもない(ホントになんにもないカナシイホドニ)、なんのために?!、なにがたのしくて??!、じぶんで言うのも可笑しいけれど(甘いなぁ)、ガンバッタ、そう、ここまでガンバルことができたのは、もちろん周囲の助力(支援、協力)や理解があっての話で、自力(ぼくじしんの努力)みたいなものは他人の周囲の力量(他力?!)に比するにはちっぽけで、、、そう、考えるに、ぼくには失って困るようなことはなにもない、なにを失おうともコワイものなどオソレルことなど




「いまさら」から「いまこそ」へ――
世に教育論議は花盛り。でも、まずは大人が学んでみたら? 市場原理が拡大するなか、「市民教育」の意義を問い直し、真の教養人とは何かを探る生涯学習論。あなたの「結晶性知力」で、人生の午後を輝かせませんか?


≪目次: ≫
前口上 大人こそ学んでみたら?
イラダチの時代/市民のための教育論を/一緒に怒ってください! --工藤庸子
「ボケ」と「ツッコミ」でいきましょう/「人生の正午」と「ミドルエイジ・クライシス」 --岩永雅也
第章 問題提起--「わたしも主婦です!」
1 「社会人」って誰? (工藤)    では「ボケ」と「ツッコミ」ということで……/内心は憤然/「高度専門職業人」と「資格取得」/主婦は「社会人」でも「職業人」でもない?/第三のターゲットは「虚学」
2 「主婦」と「社会人」 (岩永)    「主婦」という語の国際基準/「社会人」という教育用語の不思議
3 「生涯学習」って何? (工藤)    もう一度、「主婦」にこだわります/行政のヴィジョンと現場の感覚にギャップは?
第2章 市場原理と生涯学習
1 新自由主義と生涯学習 (岩永)    あらためて自己紹介/あらためて「主婦」のこと/「学んだ人ほどよく学ぶ(education more education)」/生涯学習はドロップアウトの受け皿だった!?
2 「団塊の世代」よ…… (工藤)    歴史の復習/大学紛争と大学改革と新自由主義/大学をもう一度、のぞいてみませんか?/「百パーセント企業戦士」と「百パーセント主婦」
第3章 大人のための「教育と国家」論
1 「成人学習」の社会的根拠 (岩永)    「非紛争団塊世代」こそがカギを握る/成人の学習が公的にサポートされる根拠
2 「需要」はどこに? (工藤)    世代論にこだわってみます/「巨大な潜在需要」という神話?/公的にサポートされた教育プログラムの責務/面接授業の教室から
第4章 大人の知力は結晶性
1 成人の知力にあった学び方とは (岩永)    「賢明な市民」と大衆化社会/成人学習者の特性/「流動性知力」と「結晶性知力」/学習メディアと年齢層
2 生涯学習の醍醐味 (工藤)    成人学習とメディアの多様化/生涯学習の醍醐味は知の結晶作用/コピペ!/言葉の風景
第5章 教養と学問と研究と
1 「深さの教養」と「広さの教養」 (岩永)    「教養」について思うこと/教養の来歴/深さの教養/広さの教養/大学における「教養知」の不当な地位
2 ふたたび大学へのお誘い (工藤)    「教養」の次には「研究」を/「研究」にも深さと広さがある/学問の世界のジェンダー構造/放送大学から東大へ……
第6章 「大人の教育」の現場から
1 家庭の教育力と企業の教育力 (岩永)    子どもの「学力」と大人の「教養」/大人の「教養」とスポーツ新聞/内的コミュニケーションの技法と教養/OJT=日本の企業の教育力/OJTの変質/生涯学習としての企業内教育
2 外国語教育と異文化コミュニケーション (工藤)    現場の教師として考える/役に立つ知識と外国語/外国語教育の「第三の道」/社会人教育のための「第四の道」/世界に向けて窓を開く
第7章 海外の生涯学習事情 岩永雅也    イギリス--労働者教育と教養主義の葛藤/フランス--公的継続教育とアソシアシオン/ドイツ--学校教育の補完としての継続教育/アメリカ--生涯教育の最先進社会/韓国--統制と自由市場の狭間で/中国--社会主義体制と巨大な教育市場
第8章 持続する社会のための教育論 工藤庸子    サステイナビリティとは何か/なぜゴーギャンなの?--人文学的解説の試み/「持続する社会」の哲学と生涯学習/多文化の共生と多言語主義/それは「国民教育」の責務です

あとがき (二〇〇七年五月 岩永雅也)


≪著者: ≫ 工藤庸子 (くどう ようこ) 1944年浦和生まれ、東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。東京大学教授を経て、放送大学教授、東京大学名誉教授。主な著書に『フランス恋愛小説論』(岩波新書)、『ヨーロッパ文明批判序説』(東京大学出版会)、『宗教vs.国家』(講談社現代新書)などがある。

≪著者: ≫ 岩永雅也 (いわなが まさや) 1953年佐賀生まれ、東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。放送大学教授。専門は教育社会学。主な著書に『生涯学習論』(放送大学教育振興会)、『創造的才能教育』(共編著、玉川大学出版部)、『高齢化社会への意識改革』(共著、勁草書房)などがある。






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本「イギリス近代史講義 (講談社現代新書2070)」川北稔5

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イギリス近代史講義 (講談社現代新書)
イギリス近代史講義 (講談社現代新書2070)

○著者: 川北 稔
○出版: 講談社 (2010/10, 新書 272ページ)
○価格: 798円
○ISBN: 978-4062880701
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成長パラノイア、ぼくはまだまだ乗り越えられていないんだけど自覚症状ありあり



昼寝よりも残業という心性はいつ生まれたか。近世イギリスの高齢者問題とは? 産業革命はなぜイギリスで起きたか。西洋史の泰斗が大英帝国の「成長」と「衰退」を描く画期的入門書。


≪目次: ≫
プロローグ 歴史学は終わったのか    世界史などいらない?/危機に立たされる歴史学/日本の「失われた二〇年」と英国衰退論/現実に向き合う歴史――本書の立場/イギリス経済の「勃興」と「衰退」
第一章 都市の生活文化はいかにして成立したか――歴史の見方    君は童謡「赤とんぼ」を知っているか/ダイオス現象――近・現代都市研究のはじまり/「都市」と「都会」--匿名社会としての「都会」/家族とライフサイクル/近世イギリスの家族の特徴/晩婚の社会――「一五で『ねえや』は嫁に」行かなかったイギリス/救貧法はなぜ必要になったのか――福祉国家の淵源/首都ロンドンへ向かう若者たち/ジェントルマンレディとは何か/「ロンドンでは、人は身なりで判断されます」/外見の時代/ファッションのはじまり/不況に勝てなかった「ぜいたく禁止法」/需要が引っ張る経済成長/近世都市におけるステイタス/都市上流層の社交/「社交季節」の経済的意味/「都会」と「田舎」/近世都市の諸類型/それぞれの時代のニュータウン/「楽しく、美しい」近代都市/都市化と経済成長
第二章 「成長パラノイア」の起源    現代の病「成長パラノイア」/昼寝と残業のどちらをえらびますか/主権国家のあいだの経済戦争/ヨーロッパの対外進出/博物学政治算術――近世の学/ロンドンとはどこのことか/「政治算術」の成立/グレゴリ・キングのイギリス――貧民社会/「イギリスの人口は減少している」――人口論争/時系列統計の作成/政治算術がもたらしたこと
第三章 ヨーロッパ世界システムの拡大とイギリス    中世とも近代ともちがう時代/近世人の発想――領土と時間と国力/地球は誰のものか――領有権の問題/「先に旗を立てた者の勝ち」/誇張するヨーロッパ世界システム、ひきこもる中華帝国/関西弁はなぜ消えないのか――世界システム論の論理/砂糖と煙草/モノからみた世界システム/イギリスが「帝国」であったことの意味/虚構設定の経済史/植民地保有の社会的意味/ジェントルマン支配の安全弁としての植民地/ジェントルマン支配の安全装置/帝国支配の遺産――英語の経済的価値
第四章 世界で最初の工業化――なぜイギリスが最初だったのか    需要から産業革命を見る/マーケティング上手の東インド会社/輸入代替過程としての産業革命/エリック・ウィリアムズのテーゼ/産業革命の資金源/製造工業を支援しないシティ――イギリス経済構造の二重性/パートナーシップで事足りた創業資金/社会的間接資本の問題/プライヴェイト・アクトの世界/『嵐が丘』の結婚――継承財産設定/産業革命研究が福祉国家への道を用意した/新自由主義につながっていく産業革命論/決着しない論争/実質賃金は計算できるか/誰が買ったのか――需要の問題/女性と子どもの雇用/変容する家族/衣服はどこでつくられたのか――ロンドンの産業革命/港がスラムを生んだ/ダイオスのスラム研究――鉄道がつくったスラム/移民たちとスラム/アメリカとドイツの台頭――第二次産業革命
第五章 イギリス衰退論争――陽はまた昇ったのか    「ドイツの脅威」/福祉国家への道/本格的衰退論の出現/スエズ撤退――対外プレゼンスの縮小/帝国は拡大しすぎていたのか――経済の二重構造/「早すぎたブルジョワ革命」/「早すぎた産業革命」/『英国産業精神の衰退』――衰退論のピーク/『衰退しない大英帝国』――ルービンステインウィーナー批判/サッチャー改革とは何だったのか/「衰退」はまぼろしだったのか/「衰退感」/歴史における「衰退」とは何か
イギリスは「衰退」したのか――基礎データ    図1 イギリスとアメリカ合衆国、全欧州の経済成長/図2 世界の製品輸出に占めるイギリスのシェア/表1 イギリス人一人あたりのGNP成長率/表3 イギリスと他のヨーロッパ諸国の比較(年平均成長率)/表3 1950〜1983年の成長率比較/表4 主要国の経済成長(国内総生産の地域別・国別成長率:1820−1997年)
エピローグ 近代世界の歴史像    「田舎」と「都会」という問題/世界最初の工業化はなぜイギリスだったのか/産業革命の故郷と「イギリス病」/実体経済とヴァーチャル経済

さらに学びたい人のために


≪著者: ≫ 川北 稔 (かわきた みのる) 1940年大阪市生まれ。京都大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程中退。文学博士。大阪大学大学院文学研究科教授、名古屋外国語大学教授を経て、京都産業大学文化学部客員教授、国際高等研究所副所長、大阪大学名誉教授。主な著書に、『工業化の歴史的前提――帝国とジェントルマン』(岩波書店)、『洒落者たちのイギリス史――騎士の国から紳士の国へ』(平凡社ライブラリー)、『民衆の大英帝国――近世イギリス社会とアメリカ移民』(岩波現代文庫)、『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書)、『アメリカは誰のものか――ウェールズ王子マドックの神話』(NTT出版)、『知の教科書 ウォーラーステイン』(編著、講談社選書メチエ)がある。


ヴェルナー・ゾンバルト 『恋愛と贅沢と資本主義  Werner Sombart: “Liebe, Luxus und Kapitalismus”, 1912.』(金森誠也訳、講談社学術文庫、2000年) '11/01/18
樺山紘一編著 『新・現代歴史学の名著 普遍から多様へ』(中公新書、2010年) '10/07/18
玉木俊明 『近代ヨーロッパの誕生 オランダからイギリスへ』(講談社選書メチエ、2009年) '09/12/20





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本「「世間」とは何か (講談社現代新書1262)」阿部謹也5

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「世間」とは何か (講談社現代新書)
「世間」とは何か (講談社現代新書1262)

○著者: 阿部謹也
○出版: 講談社 (1995/7, 新書 259ページ)
○価格: 777円
○ISBN: 978-4061492622
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いわゆる「近代」が西欧からやってきて、「社会(society)」とか「個人」といった概念が、誕生?!するのは、本書においては第五章以降の第六章とのたったの2つの章に及ぶだけのことで、もちろんその影響は大きいのだけれども、それ以前から綿綿と培われてきた、根底にある(と思しき?!)、日本?!に日本人??!における「世間」といったものが



古来から、日本人の生き方を支配してきた「世間」という枠組。兼好西鶴漱石らが描こうとしたその本質とは。西洋の「社会」と「個人」を追究してきた歴史家の視点から問い直す。


≪目次: ≫
はじめに
序章 「世間」とは何か        「世間」という言葉/理屈を越えたもの/世間の掟/なぜらいてうは除名されたのか/世間を騒がせたことを謝罪する/世間がなくなってしまったら/借金と宝くじ/非言語系の知/知識人の責任
第一章 「世間」はどのように捉えられてきたのか    1 歌に詠まれた「世間」(「うつせみ」と「世間」――「万葉集」/むなしき世間/歌人達の生き方/世間と闘う/憶良の「世間」/「無常」を歌うということ――「古今和歌集」/千世に八千世に/宮廷という世の中――「源氏物語」)/2 仏教は「世間」をどう捉えたか(仏教の「世間」/説話の伝える思想――「今昔物語」/「世の人」の口を借りる――「大鏡」)
第二章 隠者兼好の「世間」    1 「顕」と「冥」がつくりなす世の中(山林に居をかまえる――「方丈記」/慈円の思想――「愚管抄」/「冥」の世界/怨霊の出現)/2 神判起請文(神判の意味/盟神探湯/自然界とは/神判のゆくえ)/3 近代人兼好(現世と後世/醒めた個人の意識/かたくななる人/聖法師と俗世/よき人とよからぬ人/「顕」と「冥」に対する姿勢/吉凶の占い/隠者という立場/兼好と漱石)
第三章 真宗教団における「世間」――親鸞とその弟子達    1 親鸞の「世間」を見る眼(「非僧非俗」の立場/末法思想/徹底的な否定の思想)/2 初期真宗教団の革新性(真宗と民俗/親鸞と民衆信仰/講という組織/門徒の集団/「徒然草」再説/「かりにも無常を観ずる事なかれ」)
第四章 「色」と「金」の世の中――西鶴への視座    1 西鶴の時代(貨幣経済の発展/古典の解放)/2 恋に生きる女達(恋の手管/恋に死ぬ女/おまんの情熱/人妻の恋/おさんと茂右衛門/「性」のもつ大きな意味/「無常」ということ)/3 「金」と世の中(いかにして金をためるか/二間間口の借家に住んで千貫の金を持つ/金の恐ろしさ/疎外された人々への眼)/4 「色」と「金」で世をみる(「憂き世」から「浮き世」へ/「好色」の意味/社会体制への反逆/肌を求めて煩悩をはらす/「好色」と「神」と「個人」/男色の場合/若衆の壮絶な最期/小姓の仇討/衆道の純粋さ?/神と呪術/「大晦日世はさだめなき世のさだめかな」)/5 「艶隠者」西鶴(「隠れて住む」ということ/隠居の最期/身分と仕事と仏教)
第五章 なぜ漱石は読み継がれてきたのか――明治以降の「世間」と「個人」    1 「社会」の誕生(「社会」という概念/個人の尊厳)/2 「世間」の内と外――藤村の「破戒」(差別的な世間/二つの言葉の区別)/3 「世間」の対象化――「」と「坊っちゃん」(漱石と「世間」/博士号へのこだわり/「世間知らず」の意味/義捐金を取られる/西鶴から漱石へ/単純素朴な青年/坊ちゃんに身をよせて「世間」をやっつける)/4 「世間」と付き合うということ――「それから」と「門」(他人の細君/世の中に中る/愛のめざめ/二人の微妙なズレ/「世間」に背を向ける視点)
第六章 荷風光晴のヨーロッパ    1 荷風の個人主義(フランスへの旅/荷風のフランス/巴里の寂寥/わがままな暮らし/「気質としての厭世」/時代への洞察力/「ぼく東綺譚」)/2 光晴の歌った「寂しさ」(西欧的なものへの憧れ/ベルギーの田園で/「こがね虫」/再びヨーロッパへ/パリでの生活/フォンテンブローの冬の森で/「洗面器のなかの音のさびしさを」/「鮫」と「おっとせい」/文学者の絶望/光晴と荷風/寂しさはどこから来るのか)
主要引用・参考文献
おわりに (一九九五年二月二七日)


≪著者: ≫ 阿部謹也 (あべ・きんや, 1935-2006) 1935年生まれ。一橋大学経済学部卒業、同大学院社会研究科修了。一橋大学学長(を経て、一橋大学名誉教授)。専攻はドイツ中世史。著書に『ハーメルンの笛吹き男』(平凡社、後にちくま文庫所収)、『中世を旅する人びと』(平凡社)、『西洋中世の愛と人格』(朝日新聞社)、『ヨーロッパ中世の宇宙観』(講談社学術文庫)など。

阿部謹也 『学問と「世間」』(岩波新書、2001年) '10/12/24

中根千枝 『タテ社会の人間関係』(講談社現代新書、1967年) '10/12/27
船曳建夫 『「日本人論」再考』(講談社学術文庫、2010年) '10/12/15





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