2007年02月15日

杉並親子強盗殺人、近所の大学生が殺害供述 窃盗未遂で逮捕

 東京都杉並区桃井2の無職、野元富恵さん(86)宅で先月、富恵さんと長男で建築設計会社社員、新一郎さん(61)が殺害された事件で、野元さん宅から北西約20メートルで家族と暮らす大学生(21)が警視庁荻窪署捜査本部に、2人の殺害を認め、「金が欲しかった」と供述していることが14日、分かった。事件後、「不審な音がする」と警察官を自宅に招き、警察の様子をうかがう偽装工作をしていた疑いがあることも判明。捜査本部で大学生を追及している。

 大学生は、新一郎さんのクレジットカードを使用して現金を引き出そうとした窃盗未遂容疑で今月10日に逮捕された日大理工学部3年の志村裕史容疑者。自宅からは複数のナイフが押収された。

 志村容疑者は、先月25日夕、杉並区のコンビニエンスストアのATM(現金自動預払機)で、新一郎さんのカードで現金を引き出そうとしたが、暗証番号の誤りで失敗した。防犯カメラの映像から浮上したという。

 野元さん宅は室内が激しく物色され、新一郎さんの財布から紙幣が抜き取られカード類が散乱。志村容疑者はカードの不正使用を認め、「使ったカードは捨てた」などと話しているという。

 事件後の先月31日、志村容疑者は「物音がする」と現場で警戒中の警察官を自宅に呼んでいた。捜査本部は警察の様子を探ったり、自分は犯行に関係ないことを示すための工作の疑いもあるとみて、今後、強盗殺人容疑でも捜査。野元さん宅が高齢者の2人暮らしだったことを熟知していた計画的犯行とみて調べる。

 事件は先月28日に発覚。富恵さんは1階寝室、新一郎さんは2階寝室で左胸を刺された。

新一郎さんの脇に凶器とみられる血が付いたナイフが落ちていた。24日夜から25日未明に殺害されたとみられ、志村容疑者は犯行から1日以内に現金を引き出そうとしていた。

                   ◇

 ≪くわえたばこで献花≫


 年老いた親子の殺害に関与した疑いが持たれているのは野元さん宅の斜め裏に住む「裕福な家庭」の「おとなしい」と評判の大学生だった。一方、事件後は現場を訪れ、くわえたばこで花を供え、野元さん宅に向かってたばこの煙を吹きかける場違いな行動が目撃されていたという。

 両親と姉、弟の5人暮らし。日大二高に進学後、平成16年に日大理工学部に推薦で入学した。中学校の同級生は「頭がよいという印象はあるが、影の薄い目立たない存在だった」と話す。

 大学関係者によると、機械工学が専攻だが、ほとんど授業には姿を見せなかった。17年春から1年間病気で休学していたが、卒業に必要な130単位のうち7単位しか取得していなかった。サークル活動もしておらず、クラス担任も「印象に残る学生ではない」。

 一方、昼間から自宅周辺をあてもなく歩き回る姿を住民らは度々目撃していた。事件が発覚した1月末には、警視庁の捜査員が現場検証する様子も遠巻きに眺めていた。

 「怖い世の中になりましたね」「だれがこんなことをやったんでしょう」。野次馬に紛れていた、志村容疑者は顔見知りの住民にこう話しかけていた。話しかけられた女性は「とても事件に関与しているようには見えなかった」。報道陣にも「今日はカメラが少ないですね。事件はこうやって忘れられるのかな」と話したという。

 近所の人によると、家族は地主として知られ、父親は不動産会社を経営し、マンションも所有。近所の住民は「裕福な家庭の息子で、おとなしいがあいさつもきちんとするいい子だったのに…」と“隣人の犯行”の疑いが浮上したことに驚きを隠しきれなかった。

 野元さん宅は、新一郎さんが夜に帰宅することが多く、富恵さんは玄関の鍵をいつも開けていたという。近くの男性は「目と鼻の先に住んでいたなら当然知っていたのでは。それにつけ込んだのか」と話した。

 野元さん宅付近では、事件前、民家2階のベランダに不審な男が出没したり、パチンコ玉が打ち込まれ、ガラスが割れる被害も相次いでいた。 



pqjff1941 at 11:12│Comments(0)ニュース | 新聞の社会面

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔