2011年1月に、渋谷のシアターコクーンで
串田和美演出のW・シェークスピアの戯曲「十二夜」を観劇して以来 の
「十二夜」を、今度は ジョン・ケアード 演出版で 先日梅芸で観劇した。
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左 2011年 の串田演出 「十二夜」 プログラム
右 2015年 ジョン・ケアード演出「十二夜」プログラム
2011年版 キャスト ↑
2015年 今回のキャスト ↑
同じ、W・シェークスピアの戯曲なのに、喜劇なのに
演出家や俳優が変わると、こうも印象が変わるものなのか~と唸ってしまった。
串田演出版 も ジョン・ケアード演出版も、私にとってはどちらも印象的で好きな舞台だけど…
やはり、シェークスピアが書き下ろした物語に時代や場所や、登場人物の息づかいが近いのは
同じ英国人のジョン・ケアード氏の演出の 今回上演の「十二夜」だろうと確信した。
演出家ジョン・ケアードは、やはり素晴らしい人だわ!
以前から、彼が演出するミュージカルや舞台作品が好きだったけど、
今回も、とっぷりとハマッテしまいました!!
観劇してからの方が、余韻がジワジワジワ~と、今来ているんです。
YouTube で、「十二夜」のPVを、何回も見ては、作品の余韻に浸っています。
この動画の中で、演奏される音楽と歌 ジョン・キャメロン氏作曲だそうで
オリジナルな雰囲気を感じる、とても素敵な曲ばかりで、
「恋人達の な~みだ。もう 見たくないから~人知れない場所へ
我を ほうむり給え~」 と フェステとオーシーノが歌う曲が、本当に素晴らしく
耳に心地よくて、何回も見ているうちすっかり覚えてしまったほど、お気に入りの歌になったわ。
シザーリオ(ヴァイオラ)役の 音月桂 さん がとてもみずみずしく片思いを秘めるシザーリオと
その双子の兄のハツラツとしたセバスチャンを 演じ分けられていて、ブラボー!!でした♪
お歌もお上手だし、生き生きした表情 と 軽やかな所作や剣舞いが、
本当にみずみずしくて爽やかでカッコイイ♪ 宝塚男役のトップスターだったそうで
素敵な方でした。
オーシーノ公爵に目をかけられて可愛がられるシザーリオに納得。
オーシーノが、実は女とは知らずに、でも無意識の内に彼女の魅力を感じとって
シザーリオにピタっと寄り添って可愛がるシーン には、
あまりにも 美男美女(笑)でお似合いで ドキドキ☆しっぱなし。
オーシーノ役の小西遼生さん、元からイケメンですが…
今回は、クラシカルな貴族の衣装が超☆お似合いで、しかもお髭もよくお似合いで
本当ビジュアル、カッコよくで素敵でしたわ。
ただし、性格は、ちょっとナルシスト気味かな~オリヴィアに恋している自分に酔いしれて
いるような ナルシスト的なオーシーノ公爵 の雰囲気、小西さん上手く演じられていました。
オリヴィア役の中島朋子さん、 う~ん、オリヴィアってこんな感じなのかな?
私的には、ちょっとよく判らない心情の女性。。。。
フェステ役の 成河 さん 。歌上手で、知性ある道化の印象で、そして、ストーリーテーラーの
ように、結構出番多かったのには、びっくり!!
反対に、サー・アンドルー役の石川禅さんや、オーシーノ公爵の役人役のキム・スンラさん達は
思ったより出番が少なくて、ちょっと残念だった。
そしてオリヴィアの執事マルヴォーリオ役の 橋本さとしさんが堅物で融通がきかず
しかも、いささか自惚れが強く、オリヴィアに想いを寄せているマルヴォーリオを
時に堅物のように、時に妄想を抱いて滑稽に 変幻自在に演じられて、観客の笑いを
誘って、躍らされた執事の妄想の行方がどうなるのか?で観客をグイグイ引き込んでいって
くれて楽しかった、が、祭りのあとは……マルヴォーリオだけに悲劇が待っていて、
可哀想だった。 たぶん橋本さとしさんのマルヴォーリオだったから、強くそう感じたんだと
思う… 以前に観た 串田演出の「十二夜」マルヴォーリオは 串田和美さんだったけど
なんか、しゃがれ声でまくしたてていた印象が強く、可哀想だとは思わなかった と思う。
ただ、 串田さんの「十二夜」 も、舞台のシチュエーションが海岸の風景で、海の波の音や
風の流れが感じられ、フェステの他に 吟遊詩人たちがあらわれて、リュートや様々な楽器の
音楽を奏でてくれたりして、抒情的で幻想的なシーンもあって良かったので
それもとても印象に残っている。
シザーリオ役の 松たかこさんも、ケアード演出の音月桂さんも どちらも
本当に 素晴らしい双子役で、 印象に残った。
J・ケアード氏の素晴らしい演出で観れた「十二夜」
やはり、私はケアード演出が肌にあうみたい…大好きです。
そして、こんなに好きになった「十二夜」
シェークスピアの原作を読まなくちゃ!!と、あらためて思った。
あ、そうそう、アカデミー賞を受賞した映画「恋に落ちたシェークスピア」
この映画の中にも、「十二夜」と繋がるインスピレーションがいっぱい込められて
いるんだなあ!と、 今さらながらに気づいた。
私のこの歳になっても、知らないことや気づかない事が多くて、本当恥ずかしい。
けれど、こうやって、いまだに光を放つ文学作品の魅力に触れることができて
本当に幸せ。