日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会のブログ

日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会の公式blogへようこそ!



日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会の公式blogになります。

私達は日々、プライマリ・ケアをはじめとして、家庭医療学・総合診療・地域医療などを学んでいる医療系学生の団体です。日本プライマリ・ケア連合学会を親学会としてその下部組織として先生方の協力を得ながら、主体的に活動しております。

全国に各支部があり支部ごとの活動報告やその全国総会である『学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー』の開催の要項などを更新していきます。

興味のある方はご覧ください!
また活動に興味のある学生・研修医の方の参加をお待ちしております!
お問い合わせ先はこちらまで気軽にどーぞ♪ 

学生・研修医部会の公式HPはこちら:http://family-s.umin.ac.jp/

2012年12月

【報告】家庭医療×教育~家庭医療の学び場×情熱のたまり場 Episode.4~③

③卒後の家庭医教育はこれからどうなるのか

講師:日本プライマリ・ケア連合学会副理事長、北海道家庭医療学センター理事長 草場鉄周 先生

卒前・卒後教育について、各スタッフによる発表やワークショップを通して理解が深まってきたところで、本日のメインイベントである草場先生による御講演を行って頂きました。

皆が聞き入る非常に興味深い内容で、貴重なお話を聞けました。具体的には、主に、

・先生自身のキャリアのお話

・家庭医療を取り巻く時代背景について

・家庭医療教育の方向性

HCFMについて 

・後期研修後のキャリアデザイン       

 などについてじっくり話して頂きました。

 

特に専門医制度の改革について話して下さったことが、参加者にとって新たな情報であり、とても興味深く考えさせられる内容でした。また、全体を通して、先生がおっしゃっていた「世の中の動きをしっかりみておくこと」「手段が目的にならないようにする」「これからは期待以上の成果が求められる」等が印象的で心に残りました。

DSC03295
 

 

 

わたしたちの未来

担当:横浜市立大学4年 富田詩織

   横浜市立大学5年 黒岩冴紀

   聖マリアンナ医科大学5年 島田真実

最後のセッションとして、これからの未来について、ワークショップを通して皆に考えてもらいました。

まず初めに、島田が簡単に今までの3つのセッションについてまとめたスライドを発表し、これまでの内容を整理しました。

そして次に、富田がワークショップを進行し、

今までのセッション内容の感想共有

これからの自分の目標を設定

明日からどのように行動していくか

についてグループごとにディスカッションしてもらいました。

とても盛り上がる話し合いとなり、勉強会に参加する前と比べて皆よりビジョンが深まった様子が伝わって来て、とても意義のある勉強会になったのではないかと思いました。

DSC03283
 

 
《まとめ》

今回の勉強会は教育というテーマで難しくて奥が深く、どのようなものになるのか、果たして理解出来るのか個人的に不安もあったのですが、テーマを4つの段階に絞って、一から分かりやすくスタッフがスライドを作って来てくれたために、低学年にも分かりやすく高学年にとっても卒後を具体的に考えられるような、満足度の高い良い勉強会になったと思います。また、草場先生の御講演が教育に関する大変貴重なお話ばかりで、それを聞けただけでも参加者にとって非常に価値のあるものになったと思います。

今回のテーマを通して、より自分が今受けている教育に関して積極的になっていかなければならなく、また参加者にも今後そうあって欲しいと感じました。

最後になりましたが、この勉強会を開催するに当たりお世話になった、企画アドバイザーとしてお忙しい中御協力頂きました宮地先生、またスタッフの皆様に、この場をお借りして感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 

 

    文責:聖マリアンナ医科大学医学部医学科5年 島田真実

 

DSC03297

 

 

 

 

 

【報告】家庭医療×教育~家庭医療の学び場×情熱のたまり場 Episode.4~②

②現在の卒後家庭医教育について

担当:東京医科歯科大学2年 松本惇奈

   東京医科歯科大学4年 原萌

   順天堂大学3年 久保伸貴

では実際に、卒後教育はどのような流れになっているのかということについて、東京医科歯科大学の二人と順天堂大学の一人のスタッフに発表してもらいました。

まず初めに、卒後教育の一般的な流れに関して、『卒後教育の全体像』として松本が調べて来たことを発表しました。

マッチング=スーパーお見合い制度!というところから始まり、初期研修、後期研修、専門医・認定医の取得や大学院への進学までの流れを簡単に提示し、低学年にも分かりやすく理解してもらえる内容になったのではないかと思います。

ここで、最終的な生涯教育とは何か?という疑問を残しながら、次に『家庭医への道』というテーマに続きました。

まず、家庭医療を学べる研修にはどのようなものがあるのかについて、久保が調べたことを発表しました。具体的には、初期研修では大きく分けて2つ学ぶ方法があり、家庭医療が必修のプログラムを選ぶかあるいは地域医療の枠で家庭医療を行っている診療所へ行くこと、後期研修では日本プライマリ・ケア連合学会が認定するプログラムがあること、さらに専門医認定試験について示しました。

次に、今回講師を務めて頂いた草場先生が現在理事長をしていらっしゃる北海道家庭医療学センターについて、原が実際に行ってみてインタビューしてきたことをまとめて発表しました。北海道家庭医療学センターが行っている家庭医の教育に関して、主にポートフォリオ・プリセプティング・振り返り・FaMReF(Family Medicine Resident Forum)・ジャーナルクラブについて説明し、ここまでで家庭医になるまでの道のりがより具体化されて来ました。^^

 

ここでランチタイムを挟み、皆わいわいした雰囲気で仲が深まって来たところで、教育について話し合うワールドカフェ風ワークショップを行いました。具体的には、

・テーマ①

「我々学生はどんな教育を受けたいか」

・テーマ②

「医療者・医療系学生は社会からどう求められているか」

 という二つのテーマで話し合いました。
主観的にみた自分が受けたい教育と、客観的にみて社会から求められていることの、二つの側面から考える非常に面白いワークショップになったのではないかと思います。

DSC03261
 (③へつづく)

【報告】家庭医療×教育~家庭医療の学び場×情熱のたまり場 Episode.4~①

お世話になっております。聖マリアンナ医科大学医学部医学科5年の島田真実と申します。

このたび1215日に順天堂大学で開催されました【家庭医療×教育~家庭医療の学び場×情熱のたまり場 Episode.4~】について御報告させて頂きます。

 

日時:1215() 10:3016:50

場所:順天堂大学本郷キャンパス10号館8803

参加者:30名(講師、見学の先生方含)

講師:草場 鉄周 先生(日本プライマリ・ケア連合学会副理事長、北海道家庭医療学センター理事長)

企画アドバイザー:宮地 純一郎 先生(北海道家庭医療学センター、あざいリハビリテーションクリニック 副院長)

内容:

現在の卒前教育(担当:埼玉医科大学)

・学生が家庭医療を学ぶにあたり、今から出来ることは何か?

・各大学における教育カリキュラムの違いは?

現在の卒後家庭医教育(担当:順天堂大学、東京医科歯科大学)

・今の家庭医の先生はどうやって育っているのか?

卒後の家庭医教育はこれからどうなるのか(講師:草場先生)

・家庭医の卒後教育の現状と未来(家庭医教育の手法、今後どのように家庭医教育が変化していくか)

わたしたちの未来(担当:横浜市立大学、聖マリアンナ医科大学)

 

 今回は4回目ということで、皆の興味・関心はありますが今までなかなかテーマにされて来なかった、卒前教育・卒後専門教育の過去・現在・未来について、家庭医療に焦点を当てながら学び、医学教育の大切さや家庭医教育の特殊性を考えていく目的で行われました。

 

  現在の卒前教育について

担当:埼玉医科大学2年 長谷川優

   埼玉医科大学2年 高山瑠衣

まず導入として、埼玉医科大学の二人のスタッフが現在の卒前教育について発表しました。

最初に長谷川が作ったスライドを元にして、各参加者にアイスブレーキングとして簡単な自己紹介と理想の医師像について話し合ってもらいました。大学入学前と入学後で医師像に変化があったかをポイントに話し合ってもらったのですが、皆の医学部に入った様々なきっかけを聞けて面白かったです。長谷川の元気良い進行もあって打ち解けられたとても良い雰囲気で始められたのではないかと思います☆

DSC03230
 

次に大学入学から卒業までについて、いくつかの大学のカリキュラム比較をもとに、一般的な六年間の教育課程について示しました。ここでは、大学ごとに多少差はあるもののおおまかな教育の流れはどの医学部も共通していることが分かりました。

卒前教育について流れを理解したところで、そもそも家庭医療とは何なのか、皆どのように認識しているのかを一旦話し合い、発表してもらいました。結果、「家族を診る」「地域に出向く」等から「空間的、時間的広がりを持って診れる」や「女性も働きやすい」まで、参加者の様々なイメージを聞くことが出来ました。

皆のイメージを共有したところで、高山が『家庭医になるために学生がやるべきこととは?』というテーマで、調べて来たことを発表しました。具体的には、王子生協病院の学生担当スタッフにインタビューした内容について、医学生が学外で行えること・学内で行えること、医学部の現状、まとめの流れで行いました。

医学部の現状では、地域医療実習がある大学もありますが、ポリクリからでは遅い・期間も短いという問題点が挙げられ、また、定期的に患者さんを訪問することが大切ということから、まとめとして

 
家庭医=臨床医になるためには

・信頼関係を築くという過程の体験

・一般住民が医療に求めるものは何か?(common diseaseを診る)

・低学年から長いスパンで取り組む

 という3つのことが提示されました。

DSC03254
 (②へ続く)

【報告】東海大学家庭医療ワークショップ (後半)

前半から続く.前半はこちら

『キャリアデザイン 〜医師の人生をどう過ごす?結婚・子育て・医師のキャリアについて〜 』
講師:あさお診療所 西村真紀先生

 講師の西村真紀先生は新百合ヶ丘の住宅街の中で家庭医をされながら,子育て真っ最中でもいらっしゃいます.

西村先生は,まず,私たちの生活(人生)を,『プロフェッショナル(仕事)』,『社会貢献』,『プライベート(趣味・家庭)』の3つの円として描き,その3つの円のバランスはどうなっているか,どうしていきたいか?と,私たちに問いかけました.

ちなみに,先生の場合は,言わずもがなプロフェッショナルの円がとても大きいそうですが…,休日は,お子さんの部活の試合で,‘お茶汲み当番’という『社会貢献』にもお忙しいご様子(笑).西村先生の楽しいトークによって,雰囲気も和みます.

今回は「ワールドカフェ形式」ということで,この雰囲気作りも非常に大切な要素です.


ワールドカフェとは,カフェのようなリラックスした雰囲気で,あるテーマに集中した対話を行うことです.


今回のテーマは…

「10年後の自分を想像してみよう.仕事は?私生活は?」

「そこで問題になりそうなことは?」

「よりよく仕事と私生活のバランスを取るためにどんな工夫が必要?」

西村先生から,ワールドカフェを効果的に進めるために,

「自分が最も大切だと思うことにフォーカスして話しましょう.」

「感覚を研ぎ澄ませましょう.」

というアドバイスを頂き,さぁ,ワールドカフェを始めよう!と,カーテンをあけたところ…綺麗なオレンジ色の夕焼けが差し込んで来て,なんだか本当にカフェっぽいイイ感じの雰囲気になりました!

まずは,5~6人で1つのテーブルを囲み,お菓子やコーヒー頂きながら,対話スタート.テーブルには,模造紙とマジックが用意されていて,共有された意見,思ったことなど,なんでも書き込んでOKです.

私が参加したテーブルでは,「10年後は専門医を取得している!」「結婚していたい!」など皆さんの夢や目標が飛び交いました.

15分経過したところで,各テーブルに1人だけ残り,残りのメンバーはランダムに席を移動します.出来るだけ違うメンバーと新たにグループを作り,再び同じテーマで対話をスタート.

今回のWSには1年生から6年生,さらには現役の医師まで幅広い年齢層の方が参加してくださったので,メンバーが変わることで,まったく違った視点からの意見を聞くことが出来ました.

私が1回目に参加したテーブルでは,特に女性の方々から「10年後,結婚・子育てと,自分のキャリアと…両立するにはどんな工夫をすればよいのだろうか?」という不安や悩みが聞かれました.

 ワールドカフェでは,メンバーの意見をまとめたり,最後に班ごとに発表をしたりすることもなければ,ディベートのように勝ち負けを決めたりすることもありません.「回収されない」と聞くと,模造紙もテンポ良く,カラフルに書き込まれていきます♪(笑)

更に15分経過したところで,元のテーブルに戻り,再び同じメンバーと同じテーマで対話をします.先のテーブルで出た話題などを各々がシェアしながら,更に対話は盛り上がりました.

 特にファシリテーター役などもおいていなかったのですが,どのテーブルも,シーンとなることなく,盛り上がったり,みんなで悩んでいたりして,スタッフとしては正直ほっといたしました.

 そして,最後に,全員が,各々に「一番印象に残った言葉,思ったこと」を,1人10秒程度で発表.

「自分の好きなことをやります!」

「自分を知ることが大切!」

「仕事50,家庭50を目指します!」

などなど,実にスムーズに,十人十色な想いが発表されました!!(参加者のみなさんのご協力に本当に感謝です.)

キャリアデザインやライフデザインって,唯一無二の正解があるわけではなく,その人その人の,その時に,いちばんフィットする選択ができれば幸せなのかなー,と私は思います.


今回のWSは,ワールドカフェ形式をとったことで,「みんなで出した結論」ではなく,みんなの考えを聞いたうえでの「自分だけの結論」にたどり着く,‘ヒント’が見えてきたように感じました.

 10年後のあなたは,どんな人生を送る「あなた」ですか?

『プロフェッショナル(仕事)』,『社会貢献』,『プライベート(趣味・家庭)』の3つの円は,其々どんな大きさで,どんなバランスで,どう交わっていますか?

このWSで得た‘ヒント’を元に,自分にフィットする人生を,楽しく探し続けていきたいな,と思いました.

(東海大学医学部3年 山口美穂)



『特別講演 「ジェネラリストの魅力」』
講師:亀田ファミリークリニック館山 岡田唯男先生

午前診療を終え,早めの東海大学入りを予定されていたようですが,強風のため,千葉県から東京都内への近道であるアクアラインが通行止めで,遠回りでお越しいただきました.お気に入りのスーツ,お気に入りのシューズまでお持ちいただいていたのに着替える時間もなく,お越しいただくことになりました.

待ちに待った岡田先生の講演は,非常にユニークな切り口からのお話で,参加者全員が引きつけられるようなお話でした.

「スペシャリスト」と「ジェネラリスト」という表現は私達が学んでいる医療の世界だけでなく,昆虫の世界,動物の世界などにも存在しているそうです.検索エンジンで検索すると,医療の表現よりはむしろ虫,動物についての方がメジャーであり,その言葉の意味することは,医療における意味と同じように使われているようです.つまり,昆虫や動物における「スペシャリスト」とは,決まったものを食糧にして生きる種のことを指し,「ジェネラリスト」とは何でも食糧にして生きる種のことを指しています.つまり,スペシャリストは食糧にできるものが決まっているので,その食糧がなくなってきたら生存が危うくなり食糧のあるところに移動していかなくてはなりません.それに対してジェネラリストは何でも食糧にできるので,一定の場所で生存でき,またどんな場所でも生存が可能です.

医療に当てはめて考えてみると,同様にスペシャリストは専門にしている疾患の方がいれば専門性を発揮できるが,いなければその専門性は生かせません.ジェネラリストは一般的な疾患を診ることができるので,どんな場所でも診療が可能です.つまり,必ず求められるということです.

岡田先生にとってジェネラリストの魅力とは,「様々な疾患を診ることができるので,診療が楽しいし,飽きない.そしてどの地域でも求められるため,常にやりがいを感じ続けることができる」ということです.

日本の医療は細分化されてきましたが,近年基本的な疾患は診ることができるようにジェネラリストの重要性が見直されています.臨床研修医制度はまさにジェネラルの重要性が見直された証拠でもあります.

将来どのような診療科で働くかは分かりませんが,今日の岡田先生のお話は将来の診療科の選択に大きく参考になるお話でした.ジェネラリストの良さに魅了されました.


『対談「ジェネラリストの魅力〜それぞれの立場から〜」』 
講師:東海大学総合内科 高木敦司先生
   亀田ファミリークリニック館山 岡田唯男先生

   

どちらの先生もジェネラリストとしてご活躍されていますが,地域のクリニックの家庭医と大学病院の総合診療医と言うそれぞれの立場で,参加者からの質問についてお答え頂きました.また,質問によっては他の講師の先生にもお答え頂きました.


「キャリアデザインについて」

岡田先生 ⇒ジェネラリストとして働いていきたいという思いがあるのなら,臓器別専門医を経るなど敢えて遠回りをする必要はないのではないかと思います.

小宮山先生 ⇒呼吸器内科医から家庭医になった立場としては,臓器別専門医の知識は生かすことができるが,専門科から離れると使わなくなる技術や治療もある.もし専門科も持ちたいと思うなら,家庭医の知識をもった臓器別専門医のほうが視野も広くなり,生かしやすいのではないかと思います.


「地域病院だからできること,大学病院だからできること」

岡田先生 ⇒地域病院は学生との接点がないことと,研究部門は弱いところがあります.ただ,色んなしがらみはないので,好きなことができるという部分があります.

高木先生 ⇒大学病院は学生や若手医師が多いので,刺激を受けることができます.また,職員数も多く,それぞれの分野のスペシャリストがいるので研究がしやすい環境があります.

それぞれの環境で良し悪しはあり,将来のキャリアアップに必要な環境を選ぶことが必要だと思いました.何れの環境でも目標設定をしておけば,しっかりとした研修は可能で,キャリアアップも可能だと感じました.

(東海大学医学部6年 中村大輔)



『まとめ』 

今回,東海大学でこのようなワークショップを開催するのは初めてでしたが,40名もの方に参加して頂くことが出来ました.参加者の方から第2回開催の要望もあり,このまま継続して家庭医療について勉強できる機会を設けていきたいと思います.

岡田先生の到着が遅れるというハプニングもありましたが,講師の先生方や参加者のみなさんのご協力で無事全てのプログラムを終えることができました.また,このワークショップを開催するに当たり日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会の先生方には大変お世話になりました.この場を借りてお礼申し上げます.本当にありがとうございました.

文責:東海大学医学部医学科 6年 原嶋 渉




P1010663


【報告】東海大学家庭医療ワークショップ (前半)

お世話になっております.東海大学医学部6年の原嶋渉です.

12月8日に東海大学で開催されました「東海大学家庭医療ワークショップ」の報告をさせて頂きます.


日時:12月8日(土) 14:00~18:40

場所:東海大学伊勢原キャンパス 3号館204教室

参加者:医学生36名 初期研修医1名 その他医師3名


講師:

西村真紀先生(川崎医療生活協同組合 あさお診療所 所長)

小宮山学先生(湘南真田クリニック 院長)

桧原史子先生(諏訪中央病院)

岡田唯男先生(鉄蕉会 亀田ファミリークリニック館山 院長)

高木敦司先生(東海大学総合内科)


主催:東海大学医学部勉強会サークル T-action

共催:日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会
   「80大学行脚プロジェクト」

   日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会 関東支部

   東海大学総合内科/東海大学医学振興会


『家庭医とは何?初学者のための家庭医”超”入門』
講師:湘南真田クリニック 小宮山 学先生


伊勢原市の隣,平塚市で家庭医療を実践されている小宮山先生の講演です.最近よく耳にする“家庭医”“総合診療医”“プライマリケア”・・・漠然としたイメージはもっているけれど,具体的にどんなことをしているのかわからない,そんな初学者のために小宮山先生が3つのテーマでお話ししてくださいました.私はまさにそんな初学者の1人だったのですが,先生の分かりやすく興味深いお話を聞いて,目からウロコが落ちる思いでした.またこれからの医療とはどうあるべきか,自分はどんな医療を実践していくか,改めて考えさせられる機会でした.


テーマ① 家庭医って何?

“医療”と聞くと,私たちは“診療科別”,“臓器別の専門医”を思い浮かべます.実際に病院には必ず診療科が標榜してあり,病気かな?と思ったら,症状のある臓器の診療科を選んで病院にかかります.ところが多くの場合,1人の人が同時に複数の健康問題を抱えているので,複数の診療科,複数の病院を掛け持ちすることになります.


例えるならば,家庭医は小学校の先生,臓器別専門医は高校や大学の教科別の先生のようなものだそうです.学校は小学校に始まり,中学・高校・・と教科ごとに深く学んでいきます.小学校の先生が1人で全教科の基礎を教えつつ,生活習慣や家庭など,勉強以外のことにも幅広く関わるように,家庭医は基本的な病気やケガ全般を扱い,患者さんのもつ複数の病気を包括的に診ます.家族にもかかわったり,健康な人に対して予防医療も行います.家庭医は広い接点で患者さんやその家族,地域にも関わっていく総合医なのです.


では,総合医でも家庭医と総合内科医では何が違うのでしょうか?例えると小学校の先生(→家庭医)と中学校の先生(→総合内科)なのだそうです.家庭医は「外来診療中心,疾患と生活の両方の接点をもち,子供から大人まで診る」のに対し,総合内科はどちらかというと「病棟中心,より専門的な知識を必要とする疾患,主に成人の内科疾患を対象とする」のです.


このように,医療には家庭医,総合内科医,プライマリケア医,General Practitioner,ホスピタリなど,在宅医・・・など,臓器の枠組みを越えたいろいろな分野があるのです.


 ・・・ここまでお話を聞いたところで,気持ちよさそうに伸びをしている猫のスライドが登場.「はい,みんな伸びをしましょう^_^」と小宮山先生.全員うーん,と体を伸ばして深呼吸.リフレッシュしたところで次のテーマへ.


テーマ② 家庭医の「専門」?

“総合”医の“専門”とは何か,ということを考えます.

1.家族志向性アプローチをする

2.病気を発症する前に生活習慣にも関わっていく予防の専門医である

3.継続的なケアの専門医,即ち主治医である

4.患者さんを中心として,その周囲の福祉,行政の連携や調整,チーム医療の専門医

5.地域志向性アプローチ

ということです.「総論的なあたりまえのことを理念や道徳でなく知識体系に基づき技術と誇りをもって実践している」のです.


・・・と,再びここで「はい,ハイタッチ!^0^」と小宮山先生の一言.今度は隣の人とハイタッチをして盛り上がったところで最後のテーマに入ります.


テーマ③ パラダイムシフト

最後のテーマはパラダイムシフト.小宮山先生が考えるこれからの医療についてお聞きしました.


過去当たり前と考えられてきたことが,現在では疑問視されていることがある.(例えば,ロボトミー手術など)時代が変わり,社会が変われば,価値観や考え方は劇的に変わることがあります.これから少子高齢化で人口構成はがらりと変わり,社会構造も変わっていくでしょう.これまでの医療では,病気を治して命を救うことに何の疑問もありませんでしたが,この考え方にパラダイムシフトが起きる可能性もあるのです.いままでの考え方は絶対的ではなく仮説となりうるのです.


平均寿命200歳の世界は幸せだろうか?病院や施設で寝たきりで命をつなげていることが幸せだろうか?2055年65歳以上人口が4割を超えたときに,医師は,医療はどんな役割を担えばよいのでしょうか?


一番大切なことは,“パラダイムを捉える力を養うこと”.患者さんや社会が必要とする医療を自分で見極め,そして対応していくことが大切なのでは,という先生のメッセージでした.

(東海大学医学部2年 塚原 麻希子)


『家庭医的アプローチ~患者の立場に立ってみよう~』 
講師:諏訪中央病院 桧原史子先生

WSを通して,家庭医が普段どういったことを考えながら問診しているかを理解し,患者の立場に立って考えるための技術として「かきかえ(FIFE)」を学びました.


「かきかえ(FIFE)」とは

か 解釈(ideas)
き 期待(expectations)

か 感情(feelings)

え 影響(function)

の4つをまとめたものです.

解釈とは,患者にとって自分の病気をどう考えているのかをたずねること.

期待とは,患者が医師,医療者に何を求めて来院したかをたずねること.

影響とは,今起こっている問題が,患者の日常生活や人生に与える影響をたずねること.

感情とは,今,どんな気持ちでいるのかをたずねること.

こういった4つのことを問診中にたずねることによって,患者は医師が自分の話を聴いてくれていると感じて,ラポールが形成しやすくなり,医師も患者の考えていることを知ることによって,より円滑に医療を進めていくことができます.

WSでは,実際に2人1組になって医師役と患者役に分かれ,「かきかえ(FIFE)」を使いながら問診を進めていく練習をしました!いざやってみると・・・・難しい!!!

まず,5分以内に問診をするということで始めたんですが,「かきかえ(FIFE)」まで聴き終わりませんでした!そして,問診の中でどのタイミングで正しいのかわからずにあたふた・・・練習が必要だなと思いました.

でも,実際に患者の側になって「かきかえ(FIFE)」を聴いてみると,確かに,話を聴いてもらえているように思いました.

また,医師の立場としても,患者さんと良好な医師―患者関係を築きやすくなるなと思いました!

これからも,学んだことを実践していきたいと思います!!!

(東海大学医学部5年 貴達 俊徳)
後半へ続く


 

analyze
Analytics
  • ライブドアブログ