【アイ・アム・レジェンド】 公式サイト
監督 フランシス・ローレンス
出演 ウィル・スミス、アリス・ブラガ、サリー・リチャードソン=ホイットフィールド、ウィロー・スミス、チャーリー・タハン、他

アイ・アム・レジェンド
2012年。
人間の姿が消え、
死んだように静まり返るニューヨークの街。
この街が
かろうじて生きている事を伝えるのは、
通りを走り抜けていく1台の真っ赤なマスタングだけ。
運転しているのはロバートネビル。
彼は究極の孤独と闘いながら
愛犬サムと共に3年間もの間、
他の生存者の存在を信じ無線で交信を続け、
人類再生の道を探って来た。
しかし
そんな彼に謎の敵が迫りつつあった・・
リチャード・マシンスンの小説、
【地球最後の男】三度目の映画化。

スポーツコーナーに続き、

画期的な医学の進歩と明るい未来を
予感させるかのような治療法


報道するテレビのニュース。
一見なんの変哲もない朝の風景…
しかし
その窓の外に広がる光景は
世界が一変した事を知らしめるには
十分過ぎる程のインパクトを放ち目に飛び込んでくる。

文明の崩壊
ひしひしと感じさせる荒れ果てたニューヨーク

かつては途絶える事無く
人が行き来していた5番街に人影は見当たらず

【ウィキッド】や【ヘアスプレー】など
ブロードウェイで上演されていた、
ミュージカルの看板達だけが
唯一この街のかつての賑わいと栄光を示す


世界的反映を誇った超巨大都市が
音もなく静まり返り

巨大ビル群は機能とその主を失い
かつての面影をなくし死んだように佇む…

この
圧倒的な虚無感を湛えたビジュアルそのものが
大きな見所の1つであるのは言うまでもない。

淡々と
『日常』をこなしていく主人公の姿と
この尋常ならざる世界観の対比からは

『たった一人生き残った』ネビルが抱える孤独感

これからも続くであろう堪え難い日々を
甘受した彼の

ギリギリの精神バランスが浮き彫りにされ、

観る者の不安を煽る。

夕闇が近付くに釣れ精彩を失い、
恐怖感を顕わにしていく
ネビルの姿を
丹念に捉えた描写から

未知なるモノ出現までのプロットや
タイミングも絶妙で
始終一貫した緊迫感を味わえた。

中盤以降の展開については
大きく好みが分かれる所だと思うが
『ハリウッド映画』の範疇では想定内であると思うし
個人的にはなかなかに楽しめた。