May 2004

May 30, 2004

ぼくの姿を思い浮かべていってくれ。

彼女はしとやかに、自慰行為をたしなむ。

私は女性の自慰行為に必要以上の幻想を抱いていて、
その癖は43歳になろうとしている今も治っていない。
 
例えばこうだ。

ぼくの中の彼女が机に向かっている。
世界史のテキストにアンダーラインを引き、
忘れそうな用語をノートに書き出している。

ふと腰のあたりに脱力感を感じて、
彼女はシャープペンシルを動かす手を止め、
右手を足の付け根にはわし、スカートの中の
下着の上から、敏感な部分を軽く押してみる。

今日はうまくいけるかも。
彼女は椅子に腰掛けたまま指を束ね、
滑らかに円を描くようにマッサージを続ける。

頭の中が真っ白になり、腰がふにゃりと力を失い、
彼女は頭を軽くのけぞらし、漏れそうな声を必死に押さえ込んでいる。

押し寄せる波がだんだんと高まり、
限界点を超えそうになった時、彼女ははじめてぼくの名を小さく呼んだ…
 
そんな妄想を彼女に伝えたら一言。

「ふとんの上でします」

ああ、ぼくはまた新たな作品を構築しなくてはならない。

(42歳。)

princetights at 03:44|PermalinkComments(1)TrackBack(0) 精神と体のSM。 

May 29, 2004

顔の白い牛。

『ハワイにいる牛は顔がぜんぶ白いんだよ。』

『えっ!そうなん? なんで?』

『いや、わかんない。』

雑貨屋さんで牛のキーホルダーを見ながらした会話。

その会話を思い出すとハワイで顔の白い牛を見ている自分が安易に想像できてしまう。

私はいつかハワイに行くかもしれないし、行かないかもしれない。

恋を終わらせたひとの多くに思い出を切り捨ててしまう人たちがいるけれど、

私はきっとそうはならないよ。

いつか恋人をやめざるを得なくなっても楽しかったときのことを

否定することができない気がするから。

いつか顔の白い牛を見たいと少し思う。

(AZU)


tokotoko3 at 15:55|PermalinkComments(7)TrackBack(0) AZUより。 

May 26, 2004

そしてぼくはけいさつに捕まる。

まさか17歳の女の子と恋愛するとは思っていなかったので、
ぼくはそれまで、女子高生とセックスするような奴は、
淫行条例で捕まってしまえ! と思っていたりした。

そのあたりがちょっと気になったので、少し調べていたら、
こんなサイトを見つけた。
「私たちの愛は縛られない」
「恋愛規制条例に反対します」
と切ないスローガンを掲げ、グレーリボンキャンペーンという
淫行条例反対運動を展開している。

中を覗いてみると、生徒と恋愛関係になって、
逮捕されて裁判で敗訴した松戸の高校教師のことや、
各都道府県のいわゆる淫行条例について書かれている、とてもまじめなサイトだ。

でも、とぼくは夢想する。
彼女の処女を奪って、愛欲の限りを尽くして
その結果警察に捕まるようなことがあってもそれはそれで仕方ないなあ、と。

現実にはなかなかなさそうだけど、
パトカーに追い詰められて、空き地で彼女をひしと抱きしめて、
彼女にしばし別れのキスをして、連行される自分の姿を想像すると、
それで捕まるなら悔いはないと思ったりするのはぼくがMだからだろうか。

(42歳。)


princetights at 07:37|PermalinkComments(11)TrackBack(0) 障壁。 

May 25, 2004

私は処女です。

しかもたぶん耳年増です。

周りの子に比べて性の抵抗というものが少ないほうな気もする。

しかしながら、実際にするとなると好きでない人とキスとかできない人です。

実は昔そのようなことをしそうになって結局しなかったのだけれど、

ごはんが少ししか食べられなくなった経験があったりします。

そんなにデリケートなほうではない気がしていたので自分でも驚きました。

すぐに治ったけど、ちょっとつらかったなぁ。

なつかしい思い出です。

(AZU)


tokotoko3 at 19:24|PermalinkComments(5)TrackBack(1) AZUより。 

今度のデートは。

6月の始めに三宮に行くつもりです。
彼女が「クラクラするほどかわいい」雑貨屋さんがあるというので、
ふたりで見に行こうと思います。

でも彼女はあまり物をねだらない。
4月にお買い物デートをしたときも、
買ったのは本と、シールと、1500円のブレスレッド。

縛ったり、お尻を叩いたりというSMプレイをしているふたりですが、
彼女は処女です。

彼女が拒んでいるのではなく、彼女の痛そうな声と表情を見て、
ぼくは躊躇してしまいました。
 
恋愛においてインサートすることにどれだけの意味があるのか、
42歳にもなるのに、ぼくにはいまだによくわからない。

ただひとつ思うのは、無理をすることなく、
彼女とはずっと恋人でいたいということ。
彼女はこんなぼくを「甘いなあ」と揶揄します。

「いつか、ぼくの女にするから」

そう冗談めかして言っても、彼女はまだ夢見る瞳で
ぼくを見つめるだけなのです。 

(42歳。)


princetights at 10:15|PermalinkComments(5)TrackBack(0) 性。 

May 23, 2004

門限は午後6時半。

朝一番の「のぞみ」に乗って、10時に大阪に着く。

阪急梅田駅の改札で待ち合わせしたはずが、
彼女のほうが改札がいくつもあるのを忘れていて、
方向音痴のふたりはなかなか会えない。

電話の向こうで泣きそうな声を出している彼女をなだめて、
その場で待っているように言い聞かせて、
やっと二人は再会する。

「もう会えへんかと思った」

人目もはばからず、彼女の頭を胸に抱き寄せ、
梅田駅構内のカフェで手をつないでお互いを見つめる。

「これ、予備校のテキスト」

彼女が差し出した無機質な装丁の冊子をぱらぱらめくり、
ぼくは違うことを考えている。

「今日は何時までだいじょうぶ?」

「うーん、6時ころまでかなあ」

「夕方の?」

帰りの「のぞみ」の指定券は午後8時新大阪発。


夕方。
約8時間の逢瀬を過ごしたふたりは、再び梅田駅に。

「さみしいわあ」(※神戸イントネーションで)

「ん。」

彼女が乗る阪急梅田の改札までふたりで歩く。
時計を見ると18時15分。

「またくるから」

「わかった」

くるりと身を翻した彼女は、改札を抜け、
こちらを振り返ることなく駅の雑踏に消えていった。

(42歳。)


princetights at 18:43|PermalinkComments(5)TrackBack(1) ふたりの小景。 

May 22, 2004

ぼくの声。

家から電話をできない彼女は、学校や予備校の帰り道で
ぼくに電話する。

すぐに用事が済むような電話ではないから、
彼女からの電話を一度切って、ぼくの方からかけ直す。

「聞いてる?」
「――うん」
「ぼくばっかりしゃべってるよ」
「えー?」

ネットの上では饒舌な彼女だが、
電話の中ではそうしゃべる方ではない。
ぼくはときどきそれが不安になる。
ぼくの話がつまらないのかなあ、と。

「そんなことないよ、声を聞いてるだけで気持ちいい」

彼女はそんなことを言ってぼくを喜ばせる。
うれしい反面、少し意地悪がしたくなって、
無理にセクハラなせりふを言わせてみようとする。

彼女はなかなか言わない。

通話時間は30分を越える。

「わたしは、ご主人様のことを思って」

「…ひとりエッチをします」
 
うれしいというより、その言葉でふたりが痛みが
分け合えるような気がするのは、ぼくの気のせいだろうか。

(42歳。)

princetights at 23:56|PermalinkComments(4)TrackBack(0) 精神と体のSM。 

May 21, 2004

彼女は電話の向こうで泣く。

彼女の中間試験も二日目が終わり、
12時前に彼女から電話がかかってくる。
 
「昨日はなかなか集中できなくて、つい気が散ってしまうの」

そういう彼女に、ぼくは柄にもなく説教をする。
ただでさえ、彼女の人生に踏み込んでいろいろと影響を
与えてしまっているのに、
それに加えて勉強の邪魔をしているのがぼくでは彼女に申し訳ない。

約束の守れない人は、大人失格だよ、たとえそれが自分との約束でも。
 
強い調子でそういうと、電話の向こうでしゃくりあげる彼女の声が聞こえた。

ああ、すぐそばにいたなら、この腕に抱きしめてあげるのに。
(それが彼女の勉強の邪魔?)

彼女も悲しくなる。
ぼくも電話を切った後に頭を手を当てて、
どうしていいかわからなくなるほど狼狽する。

(42歳。)


princetights at 14:41|PermalinkComments(3)TrackBack(0) 500キロ遠くはなれて。 

May 20, 2004

セフレというより

157fff75.jpgSMパートナーなのにね。
SMってけっこうプラトニックラブっぽい。

どっちにしても大人のぼくが気を使ってあげないといけない問題なのだろうと思う。
(AZUもちょっとお友達に話しすぎ。)

実はぼくも子供のころからのMで、年の差はあるけれど、
彼女もそう。
だから彼女が望んでいることも、なんとなくわかる。
Mというのは、実はすごく自分がかわいいナルシストの傾向が強いことも。
 
彼女はいま、試験期間中。
今日の昼間、学校から帰る途中の彼女と電話した。
朝4時半に起きて試験の準備をしているらしい。

そんな彼女に、ちょっと意地悪な言葉責めをして、
電話の向こうで腰が抜けそうになってる彼女のため息を聞いて、
ニコニコしているぼくは、本当に悪い大人だ。
ごめん。

(42歳。)



princetights at 21:15|PermalinkComments(11)TrackBack(0) 精神と体のSM。 

May 19, 2004

それってセフレってことだよね。

友達から痛いことを言われてしまいました。

私はわりとサービス精神の強いほうなので聞かれたことには、たいてい正直に答えます。

なので、私の好きなひとが42歳であることや奥さんがいることを友達は知っていたりします。

たしかに、傍から見ればそう見えないこともないって分かるよ。

でも違うってひとこと言ったあとにそれ以上の言葉が思い浮かばなかった。

別に理解されることなんて求めていないし、私は私なのでいいんです。

でも、少しだけ泣きそうになった。

でも、胸が痛いのは嫌いじゃない、むしろ心地いいくらいだと思う。

(AZU)

tokotoko3 at 17:13|PermalinkComments(4)TrackBack(0) AZUより。