精神と体のSM。
May 30, 2004
ぼくの姿を思い浮かべていってくれ。
彼女はしとやかに、自慰行為をたしなむ。
私は女性の自慰行為に必要以上の幻想を抱いていて、
その癖は43歳になろうとしている今も治っていない。
例えばこうだ。
ぼくの中の彼女が机に向かっている。
世界史のテキストにアンダーラインを引き、
忘れそうな用語をノートに書き出している。
ふと腰のあたりに脱力感を感じて、
彼女はシャープペンシルを動かす手を止め、
右手を足の付け根にはわし、スカートの中の
下着の上から、敏感な部分を軽く押してみる。
今日はうまくいけるかも。
彼女は椅子に腰掛けたまま指を束ね、
滑らかに円を描くようにマッサージを続ける。
頭の中が真っ白になり、腰がふにゃりと力を失い、
彼女は頭を軽くのけぞらし、漏れそうな声を必死に押さえ込んでいる。
押し寄せる波がだんだんと高まり、
限界点を超えそうになった時、彼女ははじめてぼくの名を小さく呼んだ…
そんな妄想を彼女に伝えたら一言。
「ふとんの上でします」
ああ、ぼくはまた新たな作品を構築しなくてはならない。
(42歳。)
私は女性の自慰行為に必要以上の幻想を抱いていて、
その癖は43歳になろうとしている今も治っていない。
例えばこうだ。
ぼくの中の彼女が机に向かっている。
世界史のテキストにアンダーラインを引き、
忘れそうな用語をノートに書き出している。
ふと腰のあたりに脱力感を感じて、
彼女はシャープペンシルを動かす手を止め、
右手を足の付け根にはわし、スカートの中の
下着の上から、敏感な部分を軽く押してみる。
今日はうまくいけるかも。
彼女は椅子に腰掛けたまま指を束ね、
滑らかに円を描くようにマッサージを続ける。
頭の中が真っ白になり、腰がふにゃりと力を失い、
彼女は頭を軽くのけぞらし、漏れそうな声を必死に押さえ込んでいる。
押し寄せる波がだんだんと高まり、
限界点を超えそうになった時、彼女ははじめてぼくの名を小さく呼んだ…
そんな妄想を彼女に伝えたら一言。
「ふとんの上でします」
ああ、ぼくはまた新たな作品を構築しなくてはならない。
(42歳。)
May 22, 2004
ぼくの声。
家から電話をできない彼女は、学校や予備校の帰り道で
ぼくに電話する。
すぐに用事が済むような電話ではないから、
彼女からの電話を一度切って、ぼくの方からかけ直す。
「聞いてる?」
「――うん」
「ぼくばっかりしゃべってるよ」
「えー?」
ネットの上では饒舌な彼女だが、
電話の中ではそうしゃべる方ではない。
ぼくはときどきそれが不安になる。
ぼくの話がつまらないのかなあ、と。
「そんなことないよ、声を聞いてるだけで気持ちいい」
彼女はそんなことを言ってぼくを喜ばせる。
うれしい反面、少し意地悪がしたくなって、
無理にセクハラなせりふを言わせてみようとする。
彼女はなかなか言わない。
通話時間は30分を越える。
「わたしは、ご主人様のことを思って」
「…ひとりエッチをします」
うれしいというより、その言葉でふたりが痛みが
分け合えるような気がするのは、ぼくの気のせいだろうか。
(42歳。)
ぼくに電話する。
すぐに用事が済むような電話ではないから、
彼女からの電話を一度切って、ぼくの方からかけ直す。
「聞いてる?」
「――うん」
「ぼくばっかりしゃべってるよ」
「えー?」
ネットの上では饒舌な彼女だが、
電話の中ではそうしゃべる方ではない。
ぼくはときどきそれが不安になる。
ぼくの話がつまらないのかなあ、と。
「そんなことないよ、声を聞いてるだけで気持ちいい」
彼女はそんなことを言ってぼくを喜ばせる。
うれしい反面、少し意地悪がしたくなって、
無理にセクハラなせりふを言わせてみようとする。
彼女はなかなか言わない。
通話時間は30分を越える。
「わたしは、ご主人様のことを思って」
「…ひとりエッチをします」
うれしいというより、その言葉でふたりが痛みが
分け合えるような気がするのは、ぼくの気のせいだろうか。
(42歳。)
May 20, 2004
セフレというより

SMってけっこうプラトニックラブっぽい。
どっちにしても大人のぼくが気を使ってあげないといけない問題なのだろうと思う。
(AZUもちょっとお友達に話しすぎ。)
実はぼくも子供のころからのMで、年の差はあるけれど、
彼女もそう。
だから彼女が望んでいることも、なんとなくわかる。
Mというのは、実はすごく自分がかわいいナルシストの傾向が強いことも。
彼女はいま、試験期間中。
今日の昼間、学校から帰る途中の彼女と電話した。
朝4時半に起きて試験の準備をしているらしい。
そんな彼女に、ちょっと意地悪な言葉責めをして、
電話の向こうで腰が抜けそうになってる彼女のため息を聞いて、
ニコニコしているぼくは、本当に悪い大人だ。
ごめん。
(42歳。)