9日オシムジャパン初戦となったキリンチャレンジカップ、

日本―トリニダード・トバゴ戦が国立競技場で行われ、

日本が三都主の2ゴールで勝利し初陣を飾った。

試合は川口、坪井、駒野、三都主以外殆ど

経験の浅い選手で構成された日本がジーコジャパンと

全く違うサッカーを展開し、

前半17分にMF三都主のFKからのゴールで先制すると、

前半22分にも2列目から抜け出した

MF三都主がゴールを決めて2対0で折り返す。

後半も終始日本のペースで進み、ピンチも多少あったものの、

優位に試合を運び、オシムジャパン初戦を飾った。
この1戦によりオシム教室のスタートを切った。

まずこの試合で注目すべき事はジーコジャパンと

全く違うサッカーを展開する事にある。

まず戦術面ではジーコジャパンでは中盤を構成する

司令塔サッカーを軸にしたが、

オシムジャパンではそのサッカーを90度否定している。

これは反町ジャパンでも書いたけれど、

オシムジャパンのサッカーは一言でダイレクトサッカー!

ボールを持つ時間を少なくし、

3タッチまでにパスを出して相手に守備を

整える時間を与え難くする。

ジーコジャパンでは個人能力を重視し

それぞれの想像力に任せたけれど

このサッカーの場合ブラジルクラスの選手で

構成しないと持ち味を発揮する事が難しい構成でもあった。

ゆえにこれで機能したのが中田英1人だけという事になった。

しかしオシムの目指すサッカーは司令塔は完全否定しないが、

その半面走れない選手は能力が長けていても

起用されない事を示した。

このダイレクトサッカーの場合は

フランスリーグルマンの松井大輔のように

スピードとクロスに長けた選手にはピッタリな戦術だが、

中村俊輔や小野伸二のように華麗な中盤を

構成する選手には不向きな戦術でもある。

日本のフォーメーションは4−4−2

GK川口

DF、SB田中隼、CB坪井、CB闘莉王、SB駒野

MF、ボランチ長谷部、鈴木啓

右MF山瀬、左MF三都主

FW、田中達、我那覇

ここでのサプライズは三都主のSBから

左MFへコンバートした事が

オシムジャパン最初のサプライズとなった。

守備の要は闘莉王になる事もこの試合でハッキリした。

試合は前半から日本が押し気味に試合を進める。

日本は試合中にシステムを変化させながら展開する。

この4−4−2布陣では反町ジャパンの記事でも書いたけれど、

システムが多彩に変化する4−4−2でも

ダブルボランチの場合は長谷部と鈴木啓が

山瀬をトップ下になる時には長谷部を

右MFになり鈴木啓をワンボランチ(アンカー)

にするという具合に攻撃の展開と守備の展開により

同じ4−4−2でもダブルとダイヤモンドを使い分けている。

そして試合は前半17分にファールで得たチャンスを

MF三都主が直接決めて先制する。

オシム監督が言っていたように枯れた井戸にも

水が残っていると言うのは三都主の再生であり、

かつGK川口の豊富な経験者を確り起用した事でも

経験を決して無駄にしていないという事だ。

そしてこの三都主コンバートが見事に的中する。

前半22分に2列目から飛び出した

MF三都主がループシュートを決めて追加点、

守備はダメだが、攻撃は日本トップクラスの選手なだけに、

守備の負担を減らし攻撃に専念させる事で

本来持っていた攻撃力を発揮した。

これがオシム監督多彩なオプションの1つと言えるだろう。

前半は優位な展開のまま終わった。

後半になると色々な選手が試された。

DF坪井の負傷退場で初選出となったDF栗原が出場し、

MFでは山瀬に代わって、

MF小林大を起用しクロスを上げてチャンスを演出する。

他にも佐藤寿、坂田、中村直など初代表選手も起用し、

ジーコジャパンと90度以上違うサッカーを展開し、

全く別チームで勝利を収めた。

まずこの試合ではシステムは必ずしも

4−4−2で固定される事はない。

オシム監督の場合は相手に応じてシステムを

自由自在に変化させる監督なので、

トルシエジャパンのフラット3や

ジーコジャパンの4−4−2と3−5−2の

併用しかない少ないオプションではないので、

これに慣れるまではシステムに関して

よく解らない人にはオシムジャパンの

サッカーに戸惑うかもしれない。

しかし多彩なシステムを用いる事により

色々な場面で対応できる能力が身につく事がオシム監督、

反町五輪監督のサッカーと考えてほしい。

戦術面では一言でダイレクトサッカーになった事で

1人の選手がボールを持つ時間が非常に短くなるので

目を離しているとあっという間にゴール前

という展開も多くなるだろう。

これは欧州サッカーでは強豪チームでは

当たり前の戦術でもあるので、

練習でも見せていたが、

少ない時間で1番最善な選択をできる練習を

オシム監督と反町五輪監督はしている。

当然ボールをキープする時間が短くなれば

短い時間で状況判断をしなければならないし、

ポジションに応じてベストな動きが要求される。

練習でも同じ選手にパスするなというのは

後ろを向かず前を向いて最善な答えを

探せという事を示している。

これはオシムが答えを与えるのでなく、

選手が答えを見つけなければいけない事だ。

対して守備面ではプレスを軸にした

積極的にポールを奪いに行く守備をする。

それにより前線からプレッシャーを掛ける事により

相手にパスコースを狭め、ミスを誘う事もできる。

最終ラインではまだ課題もあるけれど、

守備面ではジーコジャパンのようにオプションなし

という事はオシムジャパンには無い事は断言できる。

今日の試合は新戦力が台頭したいい試合でもあった。

とにかく長い時間でゴールを求めた

ジーコジャパンから短い時間でゴールを求めるオシムジャパン、

司令塔サッカーからアタッカーサッカーと言ってもいいが、

この戦術を理解するのは選手もサポーターも

時間を要するけれど、完成すれば強豪とも渡り合えるだけの

戦術とシステムのレベルアップになる事だけは確かだ。

次のオシム教室で違うシステムを観る事になるだろう。

ブログランキング・にほんブログ村へ

Ranking ブログランキングに参加しております。

2006FIFA ワールドカップドイツ オフィシャルライセンスDVD 日本代表 激闘の軌跡


オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える


アルビレックス新潟の奇跡―白鳥スタジアムに舞う


ニイガタ現象―日本海サッカー天国の誕生をめぐって


熱戦の軌跡―ALBIREX NIIGATA OFFICIAL YEAR BOOK 2005