16日公開の映画「犬神家の一族」を鑑賞した。

この映画は30年前に角川映画第1弾として公開された

「犬神家の一族」のリメークした作品で

日本最大のミステリーとして豪華キャストが話題である。

90歳を越えてなおメガホンを取った市川崑監督も凄いが、

30年前の作品をリアルタイムで知らない世代には

日本映画の最骨頂を観る事になるだろう。
2006年ファイナルに選んだ作品が

日本最大のミステリー「犬神家の一族」と

ホラーで始まり、

ミステリーで終わる今年はこれで60本目となる。

余談はここまでにして、

個人的にもミステリー作品は好きなので、

その場合は事件の真相とその心理を中心に作品を鑑賞する。

30年前の作品をキャストを大幅変更して

そのままリメークする事もなかなか難しいけれど、

やはりそこは日本映画の真髄というべき

ミステリーが描かれていた。

キャストは

30年前同様のキャストで主役、

事件の真相を追う金田一耕助演じる石坂浩二

一代で財閥を築き上げたが、

女にだらしなく正室を持たず、

腹違いの娘3人をもうけて曰く付の遺言状を

残してこの世を去る犬神佐兵衛演じる仲代達矢

佐兵衛の恩人の孫娘で遺言状で佐清、佐武、佐智の

いずれかと結婚する事を条件に

財産相続を託された野々宮珠世演じる松嶋菜々子

佐兵衛の長女で佐清の母犬神松子演じる富司純子

佐兵衛の次女で佐武の母犬神竹子演じる松坂慶子

竹子の夫犬神寅之助演じる岸部一徳

佐兵衛の三女で佐智の母犬神梅子演じる萬田久子

梅子の夫犬神幸吉演じる螢雪次朗

松子の1人息子で戦争で負った傷を隠して戻ってきた為

本人か疑われる犬神佐清?演じる尾上菊之助

竹子の息子で最初の犠牲者となる犬神佐武演じる葛山信吾

竹子の娘犬神小夜子演じる奥菜恵

梅子の息子で2人目の犠牲者となる犬神佐智演じる池内万作

佐兵衛の愛人で佐兵衛の息子静馬を産んだが

犬神家三姉妹の怒りを買って

若き日に病死する青沼菊乃演じる松本美奈子

菊乃の息子でこの事件にも遺言として

残されている重要人物青沼静馬演じる????

犬神家の顧問弁護士で遺言状を

預かっていた古館弁護士演じる中村敦夫

金田一耕助が泊まる那須ホテルの主人演じる三谷幸喜

那須ホテルの女中で金田一耕助の

お手伝いをするはる演じる深田恭子

那須警察署署長で事件の捜査を担当する「わかった」?

が口癖の等々力署長演じる加藤武

那須神社の神官で事件のカギを

握っている大山神官演じる大滝秀治

他豪華キャストで進行する。

ストーリー

信州の製薬王・犬神佐兵衛が亡くなった。

血縁関係者が揃った場で公開された遺言状には、

3人の孫のいずれかとの結婚を条件に全財産を、

佐兵衛の恩人の孫娘・野々宮珠世に

譲渡するという内容だった。

珠世をめぐる3人の男たちによる争奪戦が繰り広げられ、

遂には殺人事件が。

遺言状を預かる法律事務所から仕事の依頼を

受けた名探偵・金田一耕助は捜査に乗り出すのだが、

第2、第3の殺人事件が起きてしまう。

事件が進むにつれ次第に全容が明らかになっていくが、

それは犬神家の呪われた

血で血を争う悲劇へと繋がっていた。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとしてはまずミステリー事件という事で

この事件はどうして起きたのか?

を検証する必要があるだろう。

元々この事件は一代で築いた犬神佐兵衛が

招いた骨肉の争いが発端だった。

当時愛人当たり前の時代だったかもしれないが、

これだけ腹違いの娘3人にその孫4人に

自らの子供が数人いれば揉めない訳がない。

遺言状が存在した時点でその財産贈与に

不可解な点があった事で事件のミステリーが始まった。

確かに財産贈与で

ひとつ、犬神家の全財産、

ならびに全事業の相続権を意味する、

犬神家の三種の家宝である斧、琴、菊は

次の条件のもとに野々宮珠世に譲られるものとする。

ひとつ、但し、野々宮珠世はその配偶者を、

犬神佐兵衛の三人の孫、

佐清、佐武、佐智の中より選ぶこと。

その選択は珠世の自由になるも、

もし珠世がこの三人のうちの何人とも

結婚することを承知せず、他に配偶者を選ぶ場合は、

相続権を失うものとす。

ひとつ、三人が三人とも、珠世との結婚を希望せざる場合、

あるいは死亡せる場合は、

三人は相続権に関するあらゆる権利を失い、

珠世は何人と結婚するも自由とす。

ひとつ、もし珠世が相続権を失う場合、

佐清、佐武、佐智の順で犬神毛の事業を継承し、

全財産を五等分し、その五分の一ずつを三人に与え、

残りの五分の二を青沼菊乃の一子、

青沼静馬に与えるものとす。

ひとつ、珠世、佐清、佐武、佐智の四人が

死亡せし場合は、

犬神家の全財産を青沼静馬が相続することとする。

ひとつ、行方不明の青沼静馬の消息をつかみ得ず、

あるいは静馬の死亡が確認されたるときは、

犬神家の全財産は・・・


これらの条件を見た時点で何かが

おかしいと思うのは当然だし、

この遺言の意図はいかに?という感じだ。

既にこの時点で珠世と静馬に譲ると

記載されている時点で犬神佐兵衛の意図が

あるものと感じなければならない。

ただ犬神家一族の全てはその意図を

冷静に考える事すらできず、ただ感情に流される。

そこで登場するのが名探偵金田一耕助という訳だ。

時代背景が昭和22年という事で、

この時代の操作はとにかく地道に聴きこみ、

並びに現場検証を重ねる事が重要視される。

最初の殺人は遺言状が告げられる前の

金田一耕助の依頼した弁護士の助手が犠牲者となった。

死因は毒物によるもので、それは後ほど明かされる。

これで金田一耕助はこの事件がただ事ではない事を

感じ推理を進行させていく。

そして遺言状を読み上げられたあとに

第2の殺人事件が起こる。

この殺人事件は正直1人での犯行は無理な殺人事件だった。

しかしそれが偶然が偶然をよんで想像を超える結果を招く。

これにより事件は複雑さを増してしまい、

捜査する側も単独犯は不可能と判断するが、

その手口が見えない。

そしてその間に不審人物が宿泊したことが

情報として入ってくる。

この時点でもう1人の別の人物が犬神家に

入り込んでいる事が発覚する。

これにより外部犯の筋が見えて来るんだけれど、

その間に次は第三の殺人事件が発生する。

これも1人ではできない手口で単独犯ではなかった。

しかしその手口がまだ見えない。

手口がわかっても犯人が不透明だった為だった。

そして事件の真相が次第に明らかになっていく中で

佐清の正体が発覚して第4の殺人が発生する。

その犠牲者が白いマスクをした佐清?だったけれど、

これは劇場でその結末を確認してほしい。

という事で事件の総評に入るけれど、

この事件は1つの犯行に3人の思惑が絡んだ

愛情劇が招いた殺人事件だった。

これが単独犯だったら間違いなく

あっけなく解決しただろう。

しかしこれが思惑の違う複数犯だったために

それぞれが犯行の真相を知る事ができない。

この事件の結末に辿り着いた時に

犯人の間違った愛情が招いた事件だった。

もしその犯人が犬神佐兵衛の遺言の

本当の意図をわかったならこの殺人事件は

発生しなかったかもしれない。

犬神佐兵衛は愛する者と愛する者が

結ばれる為に仕組んだカラクリの遺言状だった。

結末から判断するこの遺言状は結末に辿り着いて

初めて犬神佐兵衛が本当に

継がせたかったものが解る気がする。

何故珠世だったのか?

それは珠世が心から愛する人がいたからだ。

その人と結ばせる為には遺言状に珠世に

選ばせる必要がどうしてもあった。

ここでストレートに1つの条件にすれば

良かったのかもしれないが、

それでは仕組まれた遺言状とみられてしまう。

ゆえに3つの条件の中からという遺言状を作成した。

実際犬神佐兵衛がこの選択については

微妙な面もあるのだが、

現法律上ではその遺言状を従うとしても

血縁関係上ギリギリ4親等なのでセーフではある。

世界では親族間で結婚するケースもあるだけに

一概にないとは答えられないが、

この流れだと脚本的に相当修羅場的な場面が出るだけに

その点を踏まえるとこの脚本結構厳しいかもしれない。

この遺言状は実際に実行できるのか微妙な面はある。

これは法律の観点なので、

珠世の思いで考えるとその選択もありでも

確かに間違いではない。

結局は犬神佐兵衛の女癖の悪さが招いた

殺人事件だったというのがある意味の総評といえる。

ミステリーとしては確かに意表のつく

部分があっただけにリメークしてもなかなかだと思うが、

法律観点で考えるとある意味マイナス点はついてしまう。

限りなく4に近い5というのが

この作品に対する評価となります。

ミステリーで締め括った2006ファイナル作品として

いい締めくくりとなりました。

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犬神家の一族


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