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13日公開の映画「愛の流刑地」(R−15指定)

を鑑賞した。

この映画は渡辺淳一原作の恋愛小説で

2004年11月から2006年1月まで

日本経済新聞で掲載されて愛ルケブームを

起こした作品を映画化したものである。

「愛しているから殺した」という恋愛究極のテーマに

賛否両論もあり、

愛するからこそどうするべきなのか?

と考えさせられる事件の行方は何処へ?

なおこの作品は15歳未満の方は観覧をご遠慮願います。
今年映画第1弾はいきなりR−15指定の問題作からと

今年は問題作が立て続けに続く感じだが、

それも色々な事を考えさせてくれる事に

なっていくのかもしれない。

この作品は私は小説では全く未読だが10年前に鑑賞した

「失楽園」から10年が経ち、

かなり話題になった作品なのでやはり興味深い面があった。

性的絵写は確かに過激ではあるものの、

そういう点を差し引いて

この作品はこの事件についてどう考え

どう結論を出したら良いのか?

を観点としてみたいと思う。

正直テーマが相当奥深いゆえ完全な

結論はでないかもしれないが、

それはストーリーを振り返りながら結論を出そうと思う。

キャストは

10数年前「恋の墓標」という恋愛小説の

ベストセラーを放った作家で、

今は長いスランプに陥り、

大学の講師や雑誌のアンカーをしながら

細々と生活している。

妻と娘とは別れ、

ひとり暮らしをしている中元編集者の魚住祥子の紹介で

冬香を紹介されて運命に堕ちていく

村尾菊治演じる豊川悦司

エリートサラリーマンの夫と3人の子供との生活を

送っている平凡な主婦、

菊治の愛読者で魚住祥子に紹介されて菊治に会った事を

キッカケに菊治に溺れていき運命に

翻弄されていく入江冬香演じる寺島しのぶ

その他菊治の通報で現場に駆けつける

脇田刑事演じる佐藤浩市

この事件を立件する為に奮闘するが

自らの過去にも似た経験をしている

織部美雪検事演じる長谷川京子

菊治の弁護士で殺人罪では嘱詫殺人での扱い事を

目指す北岡弁護士演じる陣内孝則

入江冬香の夫で製薬会社の営業のエリートサラリーマンで

忙しい入江徹演じる仲村トオル

織部美雪検事の上司で織部と男女関係にあった過去がある

稲葉検事演じる佐々木蔵之介

菊治の娘で父は利用されたと感じている

村尾高子演じる貫地谷しほり

菊治に冬香を紹介した元編集者で冬香の友人

魚住祥子演じる浅田美代子

菊治行きつけのバーのママ

菊池麻子演じる余貴美子

冬香の母で法廷で娘の事を証言する

木村文江演じる冨司純子

出版社重役で菊治の小説を出版した

中瀬宏演じる津川雅彦

他以上のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

「本当に愛しているなら、私を殺して」。

狂おしい情事の最中、女の発したこのひとことが、

男の運命を変えた。

彼の名は村尾菊治。10数年前、

「恋の墓標」という恋愛小説の

ベストセラーを放った作家だ。

が、いまの彼は長いスランプに陥り、

大学の講師や雑誌のアンカーマンを

しながら細々と生活している。

妻や娘と別れ、ひとり暮らしを営む彼の住まいは、

東京の千駄ヶ谷にある仕事場を兼ねたマンション。

その一室で、菊治が入江冬香との情事の果てに、

彼女の首を絞めて殺害する事件を起こしたのは、

神宮外苑の花火大会の翌早朝のことだった。

菊治と冬香が出会ったのは、1年前の10月。

取材で京都を訪れた菊治が、元編集者の魚住祥子から、

彼の著書の愛読者だという冬香を

紹介されたことがきっかけだった。

控えめな物腰の陰に、

たぎるような情熱を感じさせる冬香に、

たちまち魅せられる菊治。

いっぽう、少女のころから菊治に

憧れを抱いていた冬香にとっては、

彼と過ごす時間はまるで夢のように感じられた。

エリートサラリーマンの夫と

3人の子供たちを気遣いながらも、

「また会ってほしい」という菊治の申し出に、

ときめきを覚えずにはいられない冬香。

数日後、再び京都へやって来た菊治の口から、

彼の創作意欲が自分に触発されて蘇ったことを

聞かされた冬香は、感激のあまり涙を流してしまう。

雨の上賀茂神社の境内で、

重ねあうふたりの唇・・・・・・。

それ以来、菊治は、たった2時間だけ冬香と会うために、

早朝の新幹線に乗って頻繁に京都へ通うようになった。

彼とホテルで密会を重ねるごとに

官能の扉を開かれていく冬香。

そんな彼女が歓びに震える姿を胸に刻みつけ、

東京へ戻った菊治は、

新作の恋愛小説「虚無と熱情」を執筆に打ち込んだ。

正月。富山の実家へ帰省していた冬香が、

東京の菊治のマンションにやって来た。

「わたし、

本当に生きてるって感じがするの・・・・・・」

と言いながら、自分から菊治を求める冬香。

最初のころとは別人のように大胆になった彼女に、

菊治は圧倒されるような思いを抱く。

春の訪れと共に、

冬香が夫の転勤にともなって川崎へ引っ越してきた。

物理的な距離が縮まったことで、

ますます頻繁に密会を重ねるふたり。

出会いから半年を経たいま、ふたりには、

もはやおたがいのいない生活など考えられなくなっていた。

冬香が「死」という言葉を初めて口にしたのは、

彼女の誕生日に箱根へ

一泊旅行に出かけたときのことだった。

「今まで生きてきた中で、今日が一番幸せ。

もう、死んでもいいくらい・・・・・・」。

夕食のワインを飲みながらそうつぶやいた冬香は、

その晩、情事の最中に

「殺して、首を絞めて」と菊治に懇願する。

言われるまま、冬香の喉に手をかける菊治。

冬香の咳き込む声で我に返った彼は、

あわてて両手の力をゆるめた。

それを見た冬香は、

「意気地なし。どうして、

殺してくれなかったの・・・・・・」と、

菊治に責めるようなまなざしを送る。

そして迎えた運命の夜。上京した母に子供たちを預け、

菊治のマンションへ花火見物にやって来た冬香は、

菊治の身体をむさぼるように求めながら、

再び「殺して」と懇願する。

ふたり同時に絶頂に達するのを意識しながら

冬かの首に手をかけた菊治は、

今度は最後まで力をゆるめようとしなかった。

陶酔の表情を浮かべ、

彼のかたわらにガクッと崩れ落ちる冬香。

そのとき菊治は、

この世で一番愛している人を失ってしまった事に気づく。

5時間後。自ら警察に電話して自首した菊治は、

刑事の脇田や検事の織部の厳しい取調べを受ける。

警察にも検察にも、

自分たちがどれだけ深く愛し合っていたかを

理解してもらえず、苛立つ菊治。

いっぽう、菊治の弁護士となった北岡は、

事件当時、菊治と冬香の情事の模様が

テープレコーダーに記録されていたことに着目。

そのテープを証拠とし、事件を、

冬香が菊治に殺害を依頼した

”嘱詫殺人”として扱いたいと菊治に申し出る。

いよいよ裁判が始まった。

最初に検事側の証人として呼ばれた

冬香の夫の証言を聞きながら、

冬香に捧げた「虚無と情熱」を、

彼女が”私たちの子供”と呼んだのを思い出す菊治。

皮肉なことに、

中瀬が重役をつとめる出版社から事件後に出版された

「虚無と情熱」は、

事件の話題性も手伝ってベストセラーになっていた。

その中瀬が証人台に立った第3回公判で、

例のテープが非公開の証拠として採用される。

それに続く織部の質問に答えるために

証言台に立った菊治は、

挑発的な織部の言葉にいきどおり、

思わず

「あなたは、

死にたくなるほど愛したことがあるんですか!」

と叫んでしまう。

それを聞いて絶句する織部。

実は、かつて上司の稲葉との

不倫の恋に苦しんでいた彼女は、

事件の調査を進めれば進めるほど、

愛と幸福の絶頂で死んでいった

冬香のことをうらやましく思い始めていたのだ。

やがて訪れた最終弁論の日。

最後に言っておくことはないかと

裁判長にたずねられた菊治は、証言台に進み、

率直に胸の内を吐露する。

愛すればこその殺人は、正しい行為だったのか?

事件以来、ずっとそのことに悩み、

苦しみ続けてきたと語った彼は、

最後にきっぱりこう宣言する。

「私は選ばれた殺人者なのです。

だから私は、

冬香のためにどんな罰でも受けたいと思います」。

そしてついに、

判決が下される日がやって来た・・・・・・。

結末は劇場で確認してほしいけれど、

今回のレビューとしてまず

この事件の経緯について何だけれど、

この殺人事件は不倫相手の妻が望んだ

殺人事件だという事が最大のポイントとなる。

世間で不倫というのはもちろんよく思われない行為で

ある事は説明しなくても良いと思うんだけれど、

例え結婚していたからといって

恋をしてはならないという事はもちろんないと思う。

結婚していても夫以外の人を

愛している人だっているだろうし、

それは人間としてあっても不思議じゃない事だと思う。

結論からすると複数の人を愛してはならないと

いう結論には至らない訳であり、

結婚してからも誰かを愛してしまう事だってある。

ただ問題として不倫をどこから

捉えるかでこれは違ってくる。

肉体関係まで行く事を不倫と捉えるのか?

ただ会って会話する事だけでも不倫と捉えるのか?

私の感覚で考えると肉体関係までいった場合は不倫とし、

会って会話するだけなら不倫としない境界線と考えている。

これは複数の人を愛してしまう

可能性があるから0とは言えないし、

誰かと会うな!

としてしまうと妻は窮屈になって

孤独を覚えてしまう可能性がある。

同性なら良いが異性はダメというのは

個人的にはその人を束縛し過ぎる結果を招く可能性がある。

ただ確りお互いを理解しあって会う必要はあるだろう。

一緒に暮らす事と誰かと話す事は別ものだから

一緒に倉している事に幸せを感じているなら

他人と話す事は別に気に止めなくても良いのではとも思う。

そこまで割り切れるのは確かに難しいかもしれないが、

それこそその人を愛するという事だと私は感じている。

さて事件についてだけれど、

やはり焦点はどうして冬香は菊治に

殺してほしいと望んだのか?

が最もこの事件のミステリーである。

「本当に愛しているなら、私を殺して」

という台詞が出てくるけれど、

確かに愛する人の望む事を望むとおりにしてあげたいと

思う事は誰でもあると思う。

しかしそれが殺す事でも?

となるとこれは非常に難しい面がある。

死をその人の望みとするのならという事に

なってしまうので殺人者になっても

愛する人の望む死を叶えるのは死んだ相手には本望でも、

叶えた相手はそれを背負わなければならないので、

冬香の望んだ結論には理解を示すが、

残された夫はともかく、

3人の子供についてはどう考えていたのか?

という点についてが非常に気になる部分である。

冬香と夫との関係についてはある意味

冷め切っていた部分は表現されていたので

そこから推測する事ができるんだけれど、

冬香も決して子供達を愛していなかった訳じゃなかった。

それはこの中でも菊治は冬香の3人の子供の事を

気遣っていた事からもわかるんだけれど、

菊治も冬香も体を重ねる関係になっても

その事を気に掛けていた。

しかしある日を境に冬香の気持ちに異変が起きる。

それが冬香と夫とのやりとりである程度察したんだけれど、

冬香の夫入江徹は忙しい製薬会社の

エリートサラリーマンで働く事で家族を愛する事と

考えていた面がある。

その為冬香と会話する事が殆どなくなってしまい、

次第に冬香との距離が離れて行った。

徹は思い込みで冬香は自分を確り愛してくれていると

思ったのだろうが、実際の冬香は孤独に苛まれ、

そんな中に友人の魚住祥子の紹介で菊治に出会った事で

その気持ちは既に徹にはなかった。

忙しすぎた事もあり徹は冬香の異変に全く気付く事無く

事件当日を迎えた。

この経緯のやりとりを察すれば

何故冬香は死を望んだのかは理解できた。

冬香にとっては3人の子供は菊治と共に

命の次に大切な存在だった。

しかしそれが叶わないものだと悟った時、

冬香は死を決意した。

これはある意味表現は悪いかもしれないが、

徹から冬香への死の宣告みたいな行為だった。

徹にはそんな気持ちがなかったのだろうが、

冬香はそう受け取ってしまった。

徹がそこまで気付いてやれていれば

冬香はあのような結論を出さなかったかもしれない。

これは民事裁判上の関連になるが、

もし離婚調停した場合子供の親権が最大の問題になる。

そこで争った場合経済力を考えると安定している

徹の方が圧倒的優位になり、

子供との関係に問題なしと

判断されれれば完全に徹側の勝利となり、

この原因となった冬香は完全敗北となり、

財産の殆どは徹側のものとなるだろう。

そうなれば大事なものを失った冬香にとって

生きていく事は完全に地獄同然であり、

死にたい心境に追い込まれても不思議じゃない。

そして冬香は死ぬことを望んだ。

愛した人に殺してもらうことを・・・

菊治も冬香の望みを叶えるべく殺人に至った・・・

というのがこの事件の経緯であると推測できる。

要するに例えこれが冬香が死を望まなくても、

徹は冬香に3人の子供を渡さないという

末路に至った事に変わりなく、

最終的には生き続けたとしても

徹は冬香と別れただろう。

徹にとっては冬香が生きようが死のうが

同じ結末になった訳だ。

この事件の原因の全ては冬香が菊治と会った事でもなく、

体を重ねた事でもなく、愛した事でもない。

冬香を愛し切れなかった

(相互理解していなかった)徹が全てだった。

「あなたは、死にたくなるほど愛したことがあるんですか!」

という台詞に心にグサと来たんだけれど、

確かに人生で死にたくなるほど愛せる人がいれば

相当違う人生送るだろうね!

この人の為なら例え死んでも後悔はないと思える人と

出会いたいものだね。

それはある意味望みたい部分だ。

でも選ばれた殺人者にはなりたくない。

どんなに苦しくても生きる事を続けなければならない。

その点では冬香の結論は正しいとは言えない。

少なくてもあの時点では冬香は

菊治を失っていなかったのだから・・・

こういう事件をみると愛した人の事を確り

理解して愛さなければいけないのだと痛感する。

もし確り理解して愛していれば

このような事件にはならなかっただろうし、

体を重ねる事までは至らなかったかもしれない。

ただ女性の本能のまま、

男性の本能のままに突き進んでしまったら、

それでも愛し続けられるか?

と問われたら感情的に難しい事は否定できない。

それでも乗り越えられるほどの愛情が

あればいいかもしれないが、

これは究極の難しさがある・・・

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