26日公開の映画「母べえ」を鑑賞した。

この映画は野上照代さん原作、山田洋次監督作品で、

太平洋戦争へ突入する前の1940年から

太平洋戦争へ突入した1942年を中心に

父べえが治安維持法違反で検挙されて

帰りを待つ母べえら家族とその知人と

親戚の絆を描いたストーリーである。

当時戦争に突き進んだ日本の自由のない時代に生きた

母べえら家族の正直な気持ちとその現実に

苦しんだ中で強く生きた姿が描かれている。
年齢層の高い作品だったので鑑賞した時には

おそらく私が最年少だったかな?

と思うほど年齢層の高い作品でもあった。

大女優である吉永小百合さんの作品を劇場で

鑑賞するのも実はこれが初めてで、

かつての私なら観る事のなかった作品かもしれない。

近年はジャンルを問わず鑑賞しているので

この作品で描かれる当時の家族像と現実を

実に忠実にそして苦しい時代でも真っすぐに

生きた人たちの姿をこれだけ確り描いた

作品も少ないかもしれない。

戦争の時代を描くに当り戦場の出てこない

作品として多くの方にこの作品の良さを

知って頂ける内容となっている。

キャスト

母べえで家族に呼ばれる野上家の心優しき母、

父べえが思想犯で検挙されて家計を1人で

支えるため小学校の代用教員となる

野上佳代演じる吉永小百合

父べえでドイツ文学者、思想犯として捕まるが、

自らの思想を崩す事のなかった

野上滋演じる坂東三津五郎

初べえ家族想いの野上家の長女

野上初子演じる志田未来

照べえ天真爛漫で「元気ビンビン」な

野上家の次女で原作者

野上照美演じる佐藤未来

山ちゃん不器用だが実直な滋の教え子で

捕まった滋不在の野上家を支える

山崎徹演じる浅野忠信

チャコちゃん滋の妹で絵の勉強のため

広島から上京し、美術大学に通っている

野上久子演じる壇れい

豪放らい落な佳代の叔父率直過ぎる物言いから

トラブルを起こす事もしばしばな

藤岡仙吉演じる笑福亭鶴瓶

厳格な佳代の父で元・警察署長の立場から、

佳代に逮捕された滋との離婚を執拗に迫る

藤岡久太郎演じる中村梅之助

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

昭和15年の東京。父と母、娘の初子と照美の野上家は、

お互いを「父べえ」「母べえ」「初べえ」「照べえ」と

愛称で呼び合う仲睦まじい家族だ。

小さな家庭の穏やかな日常は、

文学者である父・滋が治安維持法で

検挙された朝から一変する。

戦争に反対することが、

国を批判するとして罪になる時代だった。

不安を募らせる母と娘たちのもとに、

温かい思いやりを持った人々が次々に訪れる。

父の教え子で出版社に勤める山崎は、

父との面会申請のために奔走し、

やがて一家から「山ちゃん」と呼ばれる

大切な存在になる。

父の妹で美しく快活な久子は、

思春期を迎えた初子とおてんばな

照美の良きお姉さん役で、

いつしか山ちゃんにほのかな想いを寄せるようになる。

そして、変わり者の仙吉叔父さんは、

あけっぴろげで遠慮のない性格のため、

いくつもの騒動を巻き起こすのだった。

離ればなれになった家族をつなぐのは手紙だった。

まるで日記を書くかのように

毎日の出来事を父に綴る初子と照美。

そんな娘たちの成長を見守ることが

母べえの心の支えだった。

そんなある日、野上家に思いがけない便りが届く・・・。

以上母べえHPより


結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして戦時中の家族像を描いた

この作品は今と違い自由のない中で

生きた家族を描いている。

今でこそ日本は自由に色々な事を

言える世の中になったけれど、

当時は軍に統率され、

軍に逆らう事は国賊扱いとされた時代だ。

特に戦争に突き進んでいたこの時代に

戦争反対なんて言ってしまえば

その時点で国家反逆罪扱いを受けた。

このストーリーに出てくる父べえも

ドイツ文学の思想を書いた事により

思想犯として検挙された1人だった。

この戦争今でこそ時代の流れとして過ぎた過ちだが、

当時はそれが正しいと言われた時代だ。

その中で正しい事を間違いというのは

それだけで厳しい目線で観られた。

そんな父べえが捕まった中でも

家族の母べえ、初べえ、照べえらは

父べえを信じてその帰りを待った。

父べえが捕まってからの野上家は

本当に近所の目も世間の目も厳しい中で

暮すことになった。

その中でも父べえの思想の教え子の山ちゃん、

妹のチャコちゃん、叔父の仙吉らが

苦しい野上家の母べえらを支えた。

これから苦しい生活を強いられる母べえら

家族にとってその存在は大きな支えとして

強い絆で結ばれていく。

捕まった父べえとの面会でも思想犯

という扱いからなかなか面会は許されない。

やっと許された面会も私語厳禁

という厳しいものだった。

その中でも家族は何時も強い絆は揺ぎ無かった。

そしてその間にも母べえの父である久太郎から

勘当されても父べえとの絆を大切にした。

そして山ちゃんの存在も母べえ、初べえ、照べえらの

心の支えとなった。

山ちゃんは文学はできるけれど、肉体的には弱く、

不器用な人だったけれど、

その分人間味ある人として

何時も野上家を気に掛けていた。

そしてチャコちゃんも兄が捕まった後の

野上家を献身的に支えた。

2人とも戦争の中で帰らぬ人となっていくんだけれど、

その2人が残した思いと愛はその後の

野上家に大きく影響していく。

そして初べえと照べえも父べえのいない寂しさの中でも

山ちゃんとチャコちゃんの愛に支えられ強くなっていく。

そしてその中での父べえの死・・・

辛い現実だったけれど、

どこかで覚悟している母べえらの姿がそこにあった。

そして戦後にそれぞれの思いを知るのだが、

それは劇場で観てほしい。

総評としてこの作品では戦場は全く出てこない。

それでも苦しい自由のない時代を生きた家族、

その自由のない中でも国の間違った思想に染まる事無く

強く生きた家族がそこにあった。

そしてその家族の絆はどんなに時代を経ても

通じる素晴らしいものだった。

家族だけでなく、親戚や父べえを慕った人たちの愛が

その家族を支えていた事を

この作品から大きく感じる事ができた。

全てのシーンにおいて事細かく確り描かれた作品は

今年を代表する作品として

これからも長く語られて行く事だろうし、

この作品で家族の絆の大切さを

感じてもらえればと思います。

ブログランキング・にほんブログ村へ

Ranking ブログランキングに参加しております。

母べえ