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9日公開の映画「チーム・バチスタの栄光」を鑑賞した。

この映画は2006年第4回「このミステリーがすごい!」

大賞受賞の同名ベストセラーを映画化で

心臓移植専門のバチスタチームが原因不明の

3連続失敗で内部調査に乗り出し、

そこに厚生省の役人も絡んで事件の真相を

解明していくストーリーである。

内容はバチスタ手術とはどういうものなのか?

という医学的な部分で勉強にもなるし、

事件としては医者の心理を巧に突いた

衝撃的な結末が待っている。
医療関連のミステリー事件という事で、

その犯行手口やその理由を知るには

それなりの医学的な事を知らないと

まずこの手のミステリーは解明する事が難しい。

特に今回の事件ではバチスタ手術というものが何なのか?

という点から入る必要がある。

私も数多くの映画やドラマで医療関連の

シーンを観てきたけれど、

バチスタ手術には今回が最も詳しく描かれた

ケースなのかもしれない。

この手術の成功率は60%と言われているので

確かに27回連続成功の後3回連続失敗という事を

踏まえても確率は90%の成功率なので

これだけでは何が原因なのかわからない。

そこで内部調査から始まる

今回の真相究明には内部の関係ない

部署の人物が選ばれて調査される。

その先にみた真相とは?

キャスト

心療内科で不定愁訴外来医師で内部調査に

渋々協力する事になる田口公子演じる竹内裕子

厚生労働省・大臣官房付技官で外部調査で

この事件を究明する白鳥圭輔演じる阿部寛

容疑者7名

バチスタ執刀医師桐生耕一演じる吉川晃司

病理医鳴海涼演じる池内博之

外科医第一助手垣谷雄二演じる佐野史郎

外科医第二助手酒井利樹演じる玉山鉄二

麻酔医氷室貫一郎演じる田中直樹

臨床工学技士羽場貴之演じる田口浩正

看護婦大友直美演じる井川遥

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

東城大学付属病院では、難易度の高い心臓移植手術

“バチスタ手術”の専門集団「チームバチスタ」を作り、

100%の確率で成功を収めていた。

ところが今、3例続けて術中死が発生している。

はたして患者たちの死は、事故なのか、殺人なのか?

病院長は内部調査を思い立ち、

窓際医師の田口にその厄介な役目を押し付ける。

医大卒業時のテストに手心を加えてもらった

負い目のある田口は、渋々にわか探偵を引き受けるが、

当然のごとく上手くいかない。

単純な事故として報告を締め括ろうとした矢先、

「あなたの報告書、感心しました。

こんなに騙されやすい人がいるとは!」

と一刀両断する男が一人現れた。

厚生労働省から派遣された破天荒なキレモノ役人、

白鳥は「これは殺人だ、

犯人はバチスタメンバーの7人の中にいる!」と断言。

田口と白鳥はコンビを組み、メンバーを調査することに…。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして半径10cmが

犯行現場というだけあって、

その原因を解明するには医学的な検証から

入らなければならなかった。

まず今回初めて失敗してから

3連続失敗は星野響子から

大友直美への看護婦の交代から始まっている。

それを気に始まった3連続失敗に

執刀医の桐生は自らこの調査を依頼する。

それは自分にあるのか?

それとも別にあるのか?

そこから始まった聞き込みだけれど、

まず第一助手の垣谷から始まり、

第二助手酒井、麻酔医氷室、臨床工学技士羽場、

看護し大友、そして病理医鳴海と聞きまわり、

手術にも立ち会うが、

今回のケース31では海外の戦地から

運ばれた9歳児の拡張型心筋症の患者だった。

その手術は無事に成功し、

この手術では原因を特定する事ができなかった。

その原因は結末で知る事になるんだけれど、

確かに結末から逆算するとこの手術が

何故失敗しなかったのか?

そしてその次に行われるケース32の手術が

何故失敗したのか?

その差は年齢に関係している事を

この時点では特定できない。

そして最大の問題点は目の前の遺体に対して

誰も解剖を行おうとしない医者特有の心理を

見事に使っている事だ。

特に手術失敗では医師はその責任を問われる事となり、

事前にそのリスクを説明した上で、

失敗した時の補償について手術への

同意書にサインさせられる。

そうしなければ医療ミスによる訴訟は数多くあり、

物事に置いて絶対はない。

ただ現実問題その現場にいた者でなければ

その辛い空気や痛みを解らないのも納得できる心理だ。

ゆえにその場でその原因を特定したいと

思えない気持ちは十分わかる。

これは医師をやったものでない限り

わからない重圧だと思う。

そしてそこに現れた厚生労働省役人の白鳥は

役人とは思えないほどの変わり者であり、

その切り口は斬新的な部分があった。

これも医学的な検知を知らないと

描けない部分なので原作者が

外科医であり病理医であるからこそ

描ける検知でもあった。

そして事件は結末へと向かうのだが、

そこで依頼者である桐生助教授に失敗の原因が

あるのではと疑いの目を向けられ、

彼にある病状が発覚するのだった。

その病状は確かに医師は目が命なので

見えなければ手術という訳に行かないのは

言うまでもないけれど、それでもケース31を成功させた。

果たしてその病気が本当の原因なのか?

しかし白鳥のアメリカ的解剖調査で

本当の原因が判明する事になる。

その結末は劇場で観てほしいけれど、

とにかく最初から最後まで緊迫した展開だった。

元々医療に関する事に明るさはないんだけれど、

これだけ息詰まった展開も私自身久し振りだった。

医学も進歩し、今では1度心臓を停止させて

人工心肺で手術を可能にしている事を思うと、

その医学の進歩には改めて驚くし、

何よりここまであるのは

そういう情熱を持った医師たちがいたからこそでもある。

もちろん化学の進歩がなくしては

成り立たなかった事も言うまでもない。

実際に本当の死因を知った時には

やはり一般の素人ではわからない手口なので、

これで遺族が本当の死因を知る事ができるのか?と思うと、

やはり病院の名誉で隠蔽させられてしまう

可能性も否定できない事を改めて感じた。

もちろんそれは全ての病院で行われている

というものではなく、

ニュースでも手術の失敗について

数多くのニュースを見るけれど、

手術の失敗は病院のイメージを悪くするのは

否定できない事実でもある。

実際に訴訟している医療事件もあり、

あまり大きく踏み込む事も書き難いが、

失敗は医療が人間の行う事である以上

有得るという事も確り熟知してこういう犯行は

絶対あってはならないと言いたい。

総評としてこの映画ではバチスタ手術を

メインに描かれたけれど、

この手術は高度な技術が求められている事を

この映画から感じた。

犯人の動機は人の心理を突いた者だったが、

あれだけ情熱ある人物がこうなってしまった背景も

忘れてはならないとも思う。

それは医師不足だ!

私も仕事で疲労困憊の毎日を送っているけれど、

どんな優秀な人間でも物量には勝てない。

その物量をこなせるのは短期間であり、

長期間やっていると気持ちも精神的にも病んでしまい

今回のような犯行に陥ってしまうのかもしれない。

これはこういう状態に陥っている人なら

ふざけるなという心境の中で仕事をしているし、

後がいなければ未来すら感じない。

そういうケアが足りなかったゆえに

起きた事件だと私は感じている。

黙っていても何も変わらないが、

何かを訴える事で変わるならこういう事を

起こらない為にも人材を大切に扱う努力を

厚生労働省はすべきだろうし、

一般企業も酷使していると感じているなら

今すぐにもそういう事に気づいてあげるべきだ。

不況不況と叫ばれて10数年経つが、

疲労困憊している人たちには

人事ではないと感じた映画だったかもしれない。

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