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4日公開の映画「容疑者Xの献身」を鑑賞した。

この映画は東野圭吾の物理学者湯川シリーズ

「容疑者Xの献身」を映画化し

2007年10月からフジテレビ月9で放送された

「ガリレオ」の劇場版で天才物理学者湯川学が

天才数学者石神哲哉の仕組んだ完全犯罪に対して

物理学で謎を解いていく作品である。

「ガリレオ」の劇場版という事で公開前から注目度は高く、

完全犯罪に対して湯川学が挑んでいくのだが、

その真実を知った時あまりにも悲劇的な結末には

やり切れない思いに駆られてしまうだろう。
ドラマでは完全犯罪に挑んでいく湯川の物理実験に

見入ってしまっていた私だけれど、

それ以上に犯人との心理戦が

私にとって心を揺さぶられる作品として高評価していた。

今回は既に冒頭から犯人がわかってしまっている中で

この犯罪トリックを立証していく訳だけれど、

今回の事件に対しては私も実にやり切れない事件として

観る事になった。

物事においていかなる理由であれ殺人は許されないものであるが、

場合によっては正当防衛という理由において

無罪という事例が法律では存在する。

つまり殺意なき殺人だ。守るために抵抗した末

死んでしまった場合は確かに難しい。

今回の犯人はその事例に当たるだけに

そこから犯行手口を探っていく事で

犯罪心理に辿り着いた時には天才をも超える

愛のカギを観る事になるだろう。

キャスト

変わり者天才物理学者で容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能。

感情に流されない徹底した合理主義者で

科学で解けない謎はないと実験で犯行を証明する。

しかし今回の事件では底辺×高さ÷愛に苦悩する姿が描かれる

湯川学演じる福山雅治

貝塚北署の刑事で湯川に捜査協力を依頼して

数多くの事件を解決してきた女刑事。

湯川とは見えない友情で結ばれているが、

今回の事件ではその友情が事件のカギとなっていく

内海薫演じる柴咲コウ

本庁の刑事で今回の富樫慎二殺害事件を担当している。

かつては湯川に捜査協力を求めて事件解決に当たっていたが

今回再び謎めく殺人事件に対して捜査協力を求める

草薙俊平演じる北村一輝

自他共に認める美人監察医で貝塚北署で起こる事件の監察を担当する

城ノ内桜子演じる真矢みき

関東第三高校の数学教師で湯川が

唯一の天才と認める数学者で大学の同期。

趣味は登山で仕事以外の時間は殆ど数学の研究を続けている。

今回の富樫慎二殺害事件では容疑者になり、

その犯行を完全アリバイを計算して実行していくが、

その先には彼の中に芽生えたものを観る事になる

石神哲哉演じる堤真一

富樫慎二殺害事件の容疑者で2度の結婚暦がある。

今は中学生の娘美里と2人暮らしで

弁当屋「みさと」を経営する。

富樫慎二殺害事件で暴行を止めようと

抵抗した末に殺害してしまうが、

石神の完全アリバイトリックによって守られるが

最後には石神に対する気持ちに左右される

花岡靖子演じる松雪泰子

花岡靖子の娘で中学校ではバトミントン部に所属する。

義理の父親の富樫慎二に恐怖心を抱いており、

再び再会した富樫に対して嫌悪感を抱く。

その嫌悪感で富樫に抵抗した末に富樫の暴力を受けるが、

とっさに抵抗した反動で富樫を殺害してしまい、

事件のカギに握る事になる

花岡美里演じる金沢美穂

花岡靖子の2番目の元夫で今回の事件の被害者として殺害される

富樫慎二演じる長塚圭史

花岡靖子のホステス時代の得意客。靖子に気があり、

富樫が殺害された事を知り、靖子が経営する弁当屋を訪れる。

靖子さえ構わなければ一緒になりたいと思っている

工藤邦明演じるダンカン

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

天才物理学者・湯川教授が生涯で唯一天才と

認めた男・天才数学者の石神哲哉は、

娘と二人で暮らす隣人・花岡靖子に淡い思いを抱いている。

ある日、靖子の元夫・富樫が顔がつぶされ、

指を焼かれた絞殺死体として発見された。

離婚後も何かと靖子たちに付きまとい、

どこへ引っ越しても現れては暴力を振るっていた富樫。

元妻である靖子が容疑者として捜査線上に上がるが、

彼女には完璧なアリバイが存在していた…。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして富樫慎二殺害事件の容疑者

花岡靖子を石神哲哉が守る事でストーリーが

進行していくわけだけれど、

この事件を語っていく上でまず事件発生の経過を書いていくと、

弁当屋を経営している花岡靖子の元に

2番目の元夫の富樫慎二が靖子の住むアパートに

押しかけてくるところから事件が始まる。

そこでは別れた富樫から逃げていた靖子は

再び現れた事でお金を渡して再び現れないように伝えるが、

靖子の娘の美里は富樫に対して嫌悪感を持っていた。

暴行されそうな心理になった事で美里は富樫に抵抗し、

これに激高した富樫が美里に対して暴力を振るい、

必死で止める靖子に対して抵抗する美里、

その反動で偶然首に掛かったコタツの捻れコードで

富樫に抵抗した結果午後7時に富樫を殺害してしまった

というのが事件発生の流れだ。

つまり冒頭で既に犯人というかある意味

この2人の母子は容疑者になったのだった。

この経緯から考えると止めようとした靖子に対して

抵抗した美里という図式が存在する。

その図式では美里には殺意があったかもしれないが、

靖子には殺意はない。

とはいえ美里の殺意というのは殺すという殺意ではなく

気持ち的な殺意であり、

これは心理的な部分でいえば実際には殺さないが、

気持ちの中では殺すというものである。

この状況からして裁判になったとしたら

計画的犯行によるものではなく、

正当防衛した結果誤って殺害してしまったというケースに当たる。

状況からして無罪とはいかないまでも情状酌量の余地は

十分あり刑期はそれほど重いものにはならないと推測できる。

そういう事件だ。

ただこういう状況では容疑者となってしまった母子に

冷静に対応できる心理状態ではなく、気が動転している。

その中で隣で物音で事件に気づいていた隣人の石神が

この犯行を隠すために協力する隠蔽する

手助けをする事で事件の謎が始まるのだった。

数日後に発見された富樫の遺体は

死亡推定時刻12月2日の午後6時から午後11時の間と

検死解剖の結果で判明する。

ここから容疑者として上がった靖子のアリバイを

徹底的に洗う内海たちだったが、アリバイは完璧であり、

どうやっても犯行を立証する事ができない。

そこで登場するのは湯川という訳だ。

最初は興味すら示さなかった湯川だったが

相手が石神と知るやこの事件の科学的な根拠と立証を始める。

まずアリバイその1の中に12月2日に7時に

映画館で映画を鑑賞したアリバイが存在する。

そのアリバイは劇場鑑賞の半券とパンフレットがあり、

照合しても一致する。

そしてそのアリバイを証明する人物もおり、

死亡推定時刻の12月2日午後7時から11時の間に

殺害するのは不可能という結論だ。

確かに同一人物が2つの場所にいる事は不可能であり、

湯川もその立証は無理だと結論付ける。

しかし隣人に石神が住んでいると知った湯川は石神が

この事件に絡んでいる事を察知して

石神に17年ぶりに再会する事になる。

石神は数学の天才だったが、

母親が寝たきりになり止む無く高校の数学教師となっていた。

そこで湯川は石神に対して数学の論文を持ってきて

石神にその論文の正当性を確認してもらう。

6時間・・・石神の数学の才能は衰えていなかった。

そこから始まる湯川と石神の攻防、

検証すればするほど立証が難しくなるこの事件、

その中には石神と花岡母子との微妙に揺れる心理があり、

靖子の元にホステス時代の客が訪れてきて頻繁に靖子と会う。

そんな姿をみた石神の心は揺れ、次第に事件は大きく展開していく。

その中石神は湯川と最後となる雪山の登山をするのだった。

一方登山をしている中で内海は富樫慎二殺害事件に

大きく動く展開を迎える。

そして湯川も事件の真相に近づくにつれ

この事件の真相に苦悩する。

そして登山から戻った湯川を待っていたものは

石神の殺害自供だった。

確かに供述通りその供述は完璧だ。

何処も間違っていない。

ゆえに容疑者の靖子が殺す事も不可能な犯罪だ。

しかし完全に計算された犯行トリックに対して

思わぬ心理を突くものを知っていく。

果たして石神が計画した犯行トリックは

どのようなトリックだったのか?

そしてそのトリックをカギを握る靖子は?

それに苦悩する湯川の出した結論とは?

結末は劇場で観てほしいけれど、

実に見事な犯行トリックであり、

人の心理を巧みに突いたトリックだ。

湯川が冒頭で語っている底辺×高さ÷愛は

誰にも解けないという台詞が最後の最後まで

犯罪心理に重く圧し掛かってくる事になるとは

私自身想像打にしなかった。

確かにそうなんだ。

人の心理は見方を変える事で違った見方をする事ができる。

1つの計算においても見方次第では難しくても、

見方を変える事で簡単になる。

それが自ら行ったものであれば、

どんなに追い込まれてもその自信は揺るがない。

人の心理というものは嘘を通そうとすれば

必ずボロが出るものだ。

しかし今回の場合はそのボロを出せないほどの心理を石神は計算した。

この計算は底辺×高さ÷愛で解けない。

実に見事な犯罪心理だ。

そして見事な犯行トリックだ。

でもどのような犯行でも必ず答えは存在する。

その答えに辿り着いた時確かにこの事件は誰も救わないし、

誰も充実しない。

石神の心理を知った時、

湯川にも解けなかった底辺×高さ÷愛を解けるカギは

愛なのだと知るのだった。

総評として私自身数多くのサスペンスを観ているけれど、

これほど素晴らしい心理を突いたサスペンスは

歴代においても確実に5本の指に入るだろう。

確かにこの事件において救わないかもしれない。

しかし見方を変えたらこの事件は救われるのかもしれない。

私はそういう見方をしたい。

この結末では多くの人が救われない心理に捉われるだろう。

しかし見方を変えたら石神も靖子も美里も

救われるカギを持っている。

確かに起きた事は変えられない。

しかしそれを背負っていく事はできる。

そのカギを見つけた時石神も靖子も美里も

3人が救われる答えに辿り着けるのかもしれない。

そのカギとは愛だ。

湯川が導き出した底辺×高さ÷愛の答えは

事件を解くカギと共に3人を救うカギを

導き出した答えなのだと私は思いたい。

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