6月5日公開の映画「告白」R15+指定を観賞した。

この映画は2009年本屋大賞に輝いた湊かなえの

同名ベストセラー小説を映画化した作品で、

シングルマザーの女性教師が教え子に娘を殺され、

1年の終業式で衝撃的な告白をし、

犯人はこの中にいますと告げて教壇を降りるが、

その先に犯人の心理と女性教師の復讐劇が描かれていくストーリーである。

少年法に守られた犯人は罰せられない

法律下の中で被害者ができる復讐とは?

そして犯人に与えるべき罰とは?

そしてどうしてこういう事になってしまったのか?

被害者が報われるべき答えがその先にあるのか?

色々考えさせられる作品となるだろう。

神戸須磨区の事件から13年という月日が経ち

もうその頃生まれた人たちがこういう年齢の役を演じる

時代になったのだという事を時の流れの速さを感じるものだ。

私はこの映画を観るにあたり1997年に起きた

あの事件がどれだけ世間を震撼させたかを

思い出しつつ13年を経て観る同じような

事件の心理を観て感じたいと思った。

R15+指定という事になっており

ここに出演する15歳以下の人たちは観賞する事はできない。

確かに15歳以下が観れない制度がないので

この処置は仕方ないかもしれないが、

中学生の今を描いた作品でもあり、

そういう世代に現実を観る必要もあるのではないかと

思うシーンも少なくなかった。

現少年法では残念ながらここに登場する少年を裁く事はできない。

でもそれが本当に良い事なのだろうか?

という疑問も今だに消えない。

少年法に守られた人たちは何人殺しても

生きられるというのがはたして世の中にとって

良い事なのだろうか?

そして1番のテーマである命の重さについても考えていきたい。

それぞれの視点から語られる告白をした先に観る結末とは・・・

その衝撃的な内容をレビューしたい。

キャスト

シングルマザーとして娘の愛美を育ててきたが少年に殺され、

HIVに感染した配偶者とは結婚せず死別した。

少年に殺された真実を知り少年法に守られた少年に

復讐をする森口悠子演じる松たか子

愛美を殺した少年の母親で、

溺愛する息子が引きこもりとなり悩み続けるが、

それでも息子を信じ続ける下村優子演じる木村佳乃

悠子に代わって赴任した若い新任教師で同じ目線で生徒たちと接するが、

次第に生徒たちの暴走、そしてその事実の大きさに

飲み込まれていく寺田良輝演じる岡田将生

愛美を殺した少年の1人でその後に起こる殺人事件の主犯で

頭が切れる少年A

少年Aに利用され愛美を殺してしまった事で引きこもりになり

悲劇の連鎖を生む少年B

少年A、Bの仲介役として良輝に指名され接するが

その少女も実は大きな事件を起こした1人だった少女A

他34人の生徒と多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

女教師・森口悠子の3歳の一人娘・愛美が、

森口の勤務する中学校のプールで溺死体にて発見された。

数ヵ月後、森口は終業式後のホームルームにて

「私の娘はこの1年B組生徒ふたりに殺されたのです」

と衝撃の告白をし、ある方法にてそのふたりの生徒に復讐する。

そして4月、クラスはそのまま2年生に進級。

犯人のひとり・Aはクラスのいじめの標的になっていた。

そしてもうひとりの犯人・Bは登校拒否し、自宅に引きこもっていた…。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして冒頭から衝撃的な悠子の告白から

始まるこのストーリーは本当に衝撃的な一言から始まる。

シングルマザー、少年A、少年BそしてHIV・・・

具体的内容や劇場で聞いてほしいけれど、

この現実を1年の終業式で告げるのだった。

まずこの話に入る前に愛美が殺された

事件の経緯と真相を振り返りたいけれど、愛美は悠子の1人娘だった。

夫になるはずだった男性はHIVに感染しており

それを話し合った結果結婚しない事になった。

結婚しなかった事についてはそれぞれの判断だし、

結婚したからと言って同じ結末を迎えただろうから

この事は特に問題視しないものの、

1番悠子を復讐に追い込んだのは2人の死であった事だけは間違いない。

愛美はプールサイトの隣の家に預けられていた。

それを知っていた少年はただの思いつきで愛美を標的にし

電気ショックを与えて気絶した後プールに放り込まれて愛美は溺死した。

この事件は事故として処理されたが真実は殺されたのだった。

事故扱いする警察も捜査能力を問わなければならないが、

この犯行動機を知るにつれてやり切れない思いと、

物事の軽さに気づかされていく。

悠子を演じた松たか子さんは13年前の事件を

許せない事件と雑誌で語っていた事を覚えているけれど、

そういう似た事件を演じる事になり

それぞれ色々思うところはあったと思う。

そしてそこから復讐の序曲が始まった。

悠子は少年Aと少年BにHIVの血の混ざった牛乳を

その少年A、少年Bに入れた。

もちろんそんな事で感染するほどHIVに感染する訳がないのだが、

それを知っていたのは少年Aであり少年Bを

それを知らずこの一件以降引きこもりになるのだった。

これは言葉の心理トリックなのだが、

中学生位だとあやふやな知識の中で

成長途中の過程だからこういう正しい知識を持っている人は

実に少なかったりする。

誤った知識が先行し、その誤った知識が

それぞれの心理を追い込んでいく訳だが、

さすが少年Aはそれを見抜いていた。

ここで犯人である少年2人ともう1人の少女についての

人物像を書きたいと思う。

少年A

この少年は頭が切れて何時も学年1位の成績を収めるほど優秀だ。

しかも母親は世界工学の第一人者になれるほどの人物だったが、

小さい時に離婚し、今は父と継母とその娘の4人暮らしだ。

両親が離婚する前まで母親から自分の子なのになんでできないの?

とできないだけで体罰をする母親だった。

それが原因で母親は再び工学の研究に戻った訳だけれど、

それがこの少年に影を落とすことになった。

それから少年は家族と離れた感じで暮らすようになり、

母親譲りの才能を受け継ぎ小中工学コンクールで優秀賞を獲得した。

しかしその工学は悲劇の序曲に過ぎなかったのだった。

少年B

中学入学とともにテニス部に入ったが、

馴染めず退部し現在は帰宅部、家では母親に過保護にされている。

塾通いするも成績は上がらず、それが少年Aの標的となる。

少年Aの巧みな誘導により、少年Bはその誘導にまんまと

動かされ愛美を殺害してしまった。

そしてそこから悠子の偽りのHIVの話を

信じ込み以後引きこもりとなる。

引きこもった少年Bは誰とも会おうとせず、

母親は少年Bが殺人を犯した事実を知っても少年Bを庇った。

世間の扱いはあくまで事故死である以上

それが真実だったとしても庇おうとするのが親だったりするし、

それが事実でも守りたいと思うのが親だから

これはある意味親の宿命と言える。

それが悠子には許せなかったのは言うまでもないが、

溺愛し過ぎた結果少年Bはさらなる悲劇の底へ向かう事になるのだった。

少女A

この物語のもう1つのカギを握る少女A、

この少女は小学生時代からいじめを受けており、

それが原因で友達はいない。

そして何時も嫌な役回りを押しつけられ、

少年Bとの橋渡し役にされる。

そしてさらに少年Aと接するが、

少年Aに対して理解を示したただ1人の人だった。

しかしその少年Aが狂気に走る原因の1つとなった

事件の主犯だったのだった。

以上が3人の人物像だけれど、

少年Aは頭が切れる、

少年Bは頭が悪い、

少女Aはもう1人の自分がいるという感じだ。

ここでは少女Aから述べたいと思うけれど、

少女Aは少年Aが狂気に走るキッカケの事件を起こしていた。

その事件がL事件だけれど、確かにこの事件の経緯を考えると、

今の世の中って知識さえあれば小学生、

中学生でも手に入れられるものは少なくない。

それが危険物であっても・・・

ゆえに少女Aがこの事件を起こそうとすれば当然できるわけだ。

ただ少女Aはその事件では裁かれない。

それは少年法に守られているために・・・

この事件も振り返れば恐ろしい事件だけれど、

恐ろしい事件だからこそ世間を注目する。

逆にそういう事件だからこそ注目を浴びると

言った方が正解かもしれないが、

世の中は良い事よりも悪い事の方が

記事の重要性が上になるという事を少年Aに教えてしまった事件だった。

少女Aも元々孤独だった。

でも今はネットにもう1人の自分を作る事が

出来るからそれがある意味今の時代背景を物語っているのかもしれない。

少年Bは正直なところこの事件を総じて見れば

被害者の1人でもあった1人だ。

物事って頭の悪い人ほど利用され易い。

それを知れば知るほど私自身は人は信じ過ぎてはならない

という気持ちになるのだが、

この年代でそれを判断する事はできない。

特に友達がいなかった少年Bは少年Aに

話しかけられた事がうれしかった。

でもそれは少年Aにとっては利用する人でしかなかった。

その結果少年Bは見事に誘導されてしまったのだった。

私もこの時代は騙された事はあるし、

私も高い代償を払った事もある。

その経験などもあり、

今では身近に友達は誰もいない訳だけれど、

私は友達がいなくても楽しむ術を身につけたから

それはそれで私自身こういう危険を回避する1つだと思う。

友達は利用するものという言葉は

3年前にレビューしたディアフレンズでもレビューしているけれど、

本当に信じられる人ってそれは友達ではなく

同志なのだという事を私は述べている。

友達はこの年代は特にそうだけれど、

何かと都合よく利用されるケースが少なくない。

今日の友は明日の敵という感じで、

イジメの対象にされるものだ。

ゆえにイジメ対象に何時なってもおかしくないのだ。

それを集団でよってたがって攻撃するこれはまさに悪質でもあり、

日本人の陰湿的な部分が描かれている。

私も集団でいじめられた経験があるからわかるけれど、

こういう経験をするとそういう人たちを信じろというのが難しい。

それが確り描かれている点では私自身

この作品の評価を高める1つになっているけれど、

こういう現実は現実に経験した人じゃなければ解らないままだ。

学校の先生になった人でそういう集団いじめにあった人は

どれぐらいいるだろうか?

私自身逆にした方にいたのではないかという感じがある。

した側にしかいなかった人にイジメの苦痛など理解できる訳がないのだ。

悠子の後任になった良輝は同じ目線と言ったけれど、

逆に同じ目線しか立てないから少年少女が

悠子から告げられた言葉を理解できないままだったし、

この人も非行に走ったようだけれど、

イジメられた側には立っていないだろう。

そう考えると生徒たちの気持ちを理解していなかったし、

逆にそれを見透かしていた悠子にコントロールされる事になるのだった。

そして最後に少年Aだけれど、

すべての事件の実行犯な訳だが、

私自身こういう人物ほど嫌う人物もない。

母親が工学の第一人者だからその才能は

受け継がれているからIQは相当高いのだろう。

しかしその少年Aがどうして史上最悪な犯罪に染める事になったのか?

13年前の神戸須磨区の事件の時も精神的サティズムなんて

色々報道されていた事を思い出すけれど、

はたして精神的な障害だったのか?

と言われると疑問符が残るものだ。

確かにこの事件ではその精神的障害があるので

はないかと装っているが、それは世間に注目されたいだけであり、

そんな障害などないに等しい。

人はそういう狂気ほど興味が湧く事を少年Aは知ったのだった。

そして決定づけたのはL事件だ。

これで世間がどうやったら注目してくれるか知る訳だが、

この狂気に走った原因はやはり母親の育て方が

原因していると言わざる得ないだろう。

母親は自分の持っている才能が子供にもあると思い込んだ。

しかし決定的に間違ったのはそれを早期に期待してしまったためだ。

4,5歳の子供がいきなり工学の仕組みを理解できたら

世界には天才であふれるだろうが、

現実そんな奇跡は申し訳ないが10億分の1あるかないかだろう。

確かに両親は子供に自分の夢を継がせて、

才能があるものだと思っている。

でも現実は子供は子供であり、両親は両親なのだから、

子供が必ずしも同じ才能を秘めているとはいえないのが現実だ。

その中で子供に正しい道に導いて上げる事こそ

両親が子供に教えなければならない事だった。

だから母親はそれを教えず、仕組みだけを教えた。

ゆえにその正しい使い方を教えなかった。

子供にとって絶対的な存在は両親だ。

その両親が正しい使い方を教えなければ

こういう間違いは起きやすい。

そしてそれを知らないまま少年Aは成長し、

頭が切れる事がさらなる悲劇を招く。

頭の良い人の口癖って何か解ります?

それは「簡単!」成績優秀な人から

そういう言葉を聞きませんか?

それは当人にとって解けるものは簡単に感じる。

しかしすべての人がそれが簡単とは感じないのが人間だ。

これは世の中に出れば大きく感じることだけれど、

物事簡単に解決すれば長年の月日を要する必要など何もないのだ。

しかし現実は違う。

この世の中に簡単に行くような事などないのだ。

それは難しい中で重い事なのだ。

人はそれぞれある能力、ない能力が必ずある。

ある能力についてはそれは簡単に感じるかもしれない。

しかしそれがない才能なら難解複雑に感じる。

当然だろうできる事できない事で感じ方も違う訳だからね。

私の考えは簡単に考えるな!難しく考えろ!という口癖を使う。

これは簡単に考えるとどうして難しいのかわからないし、

難しく考えその難しい事を解けた先に

物事の真実が見えると考えるからだ。

真実が見えればどうやって難しく

そしてどうやって解くのかという答えを導き出せる。

正直教えるってそれが理解しなければ教えられないのだ。

使えるから理解しているとは限らない。

私の最終的結論は頭が良い人ほど簡単に物事を

考える癖があるという事だ。

しかしそれが少年Aのアダと最終的にはなる訳だけれど、

すべてがすべて人は万能ではない。

少年Aにももちろん欠点はあった。

それは劇場で観てほしいところだけれど、

もちろん悠子もそれを確り考えた上で行動している。

悠子はこの復讐を簡単には考えずどうやったら復讐できるのか考えた。

その結果まず少年Aを知ることから始めた。

当然相手を知ればその動きと考えを理解し、

その行動に対して動けばよい。

そして簡単に軽く考えている少年Aは自分の行動や

言葉すら簡単に軽くなっている事に気付かなかった。

それを悠子は利用した。

本当の答えにたどり着いた時少年Aのすべては終わったのだった。

総評として私自身少年法に守られた少年Aが

このまま生きる事の意味は私にはないと思う。

それはこれまでの犯行全てが簡単に軽く考えていたからだ。

これは年齢だから裁かず、年齢だから裁く理由が何なのか?という事だ。

裁かなければ私たちの首を絞める事はあっても

人々の苦しみは増すだけである。

しかし裁けば少なくてもこれ以上苦しむ事はなくなる。

裁く事は難しく重い。

精神障害を口実にして生かそうとする現実が全てとは言わないが、

生かす事もまた難しく重い。

そして1番報われないのは悠子が復讐するしかなかった事だ。

これは前から書いているけれど、

被害者が報われる法律こそ求められる1つだ。

もし悠子に代わって加害者に報いる事ができれば

悠子もこのような復讐をしなくても済んだかもしれない。

そう思うとやり切れないし、彼女もまた重い罪を背負った。

物事は簡単で軽いものじゃない。

物事は難しく重いものだ。

それが命だけに限った事じゃないという事を

私たちは確り認識できているのだろうか?

と確り受け止めなければならないのだと思う悲劇の事件でした。

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