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1月14日公開の映画「ヒミズ」を鑑賞した。

この映画は古谷実原作の「ヒミズ」を映画化し

第68回ヴェネツィア国際映画祭にて出演した染谷将太さんと二階堂ふみさんが

新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した作品で

東日本大震災後を舞台に15歳の少年が普通の生活を夢見るも父親のDV、

母親の駆け落ちにより天涯孤独な身になりある事件を起こすも、

1人の少女とのふれあいでこれからの人生について考え、

そして希望を持って生きて行く事に気づかされるストーリーである。

東日本大震災で全てを失った人たちの絶望の中で家庭に恵まれない少年、少女が出会った事で

1つの夢と希望を見つけて再びやり直しを近い未来を託していく姿には

絶望の中でも必要とする事、できる事をさらに考えさせられる事になるだろう。
年明け早々からかなりの話題作だった事もあり評判はかなり良いけれど、

私自身やはり自ら観てから判断したいという事もあり

何時もお世話になるブロガーの方のBlogなどは読まずに

今回のこちらでの公開日を待っていたところだ。

園子温監督作品は昨年冷たい熱帯魚の鑑賞などで

かなり衝撃的であり実際に書きつづるまでに数か月かかってしまった事もあったけれど、

観てから数か月後ではなく、今観て感じた事を書かなければという事もあるし、

やはり新鮮なうちに思った事を書かないと記憶が薄れてしまうだけなので

観てきた衝撃を確りレビューしていきたいと思う。

東日本大震災から2週間後に1年を迎えるけれど、

震災で全てを失った人たちにとってこれから生きて行く糧を

見つけられない人たちは非常に多いと思う。

特に家族も財産も失った人にとってはこれから残して行けるものは何か?

という点を考えると難しい側面もあるし、

そんな中で集まった人たちは家庭環境に恵まれない2人の少年少女との出会いで

それぞれ新たな道を見つけていく。

さらに少年少女も家庭環境によって人生を絶望するが

2人は出会った事によりその絶望から夢と希望を見つけていく。

それは例え小さな事でもその2人には大きな希望だった。

そんな2人の事を追いながらレビューしていく。

キャスト

住田祐一演じる染谷将太

茶沢景子演じる二階堂ふみ

夜野正造演じる渡辺哲

まーくん演じる諏訪太朗

藤本健吉演じる川屋せっちん

田村圭太演じる吹越満

田村圭子演じる神楽坂恵

住田の父演じる光石研

住田の母演じる渡辺真起子

てつ演じるモト冬樹

茶沢の母演じる黒沢あすか

茶沢の父演じる堀部圭亮

金子演じるでんでん

谷村演じる村上淳

テル彦演じる窪塚洋介

ミキ演じる吉高由里子

YOU演じる西島隆弘

ウエイトレス演じる鈴木杏

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

15歳の少年・住田祐一は、実家の貸しボート屋に集まる、

震災で家を失くした夜野さん、田村さんたちと平凡な日常を送っていた。

住田のクラスメイトの茶沢景子は、大人びた雰囲気の住田が好きで猛アタックをかける。

疎まれながらも彼との距離を縮めていく茶沢。

ある日、借金を作り蒸発していた住田の父が帰って来た。

金をせびりながら殴りつける父親の暴力に耐える住田。

ほどなく母親も中年男と駆け落ちしてしまい、住田は天涯孤独となってしまう。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして祐一と景子は同じ中学校の同級生、

景子は祐一を好きになり積極的にアタックして行くのだが、

祐一の家庭は複雑で、ボート屋をやっているものの恵まれず、

父親は祐一をDVで苦しめ、母親も男を作っている。

一方景子の家も見た目は普通の家庭だが、

その中は家庭崩壊の中で景子の居場所は何処にもなかった。

居場所のない2人はその時点で共通点を持っていた。

祐一のボート屋の周辺には東日本大震災で家も財産も失った人たちが

集まってテント生活を送っている。

そんな中祐一は毎日のように父親にDVで暴力を受け、

それを周りが止めようとするも何もできない日々が続いていた。

一方景子は祐一の事を知ろうと積極的に接するも

祐一はそれをなかなか受け入れない。

そんな祐一は普通の生活が夢であり、景子は愛のある家庭が夢だった。

学校の授業のシーンが登場するけれど、

東日本大震災でこの時期の授業は普通じゃない授業を送る事になっていたと思う。

私のように社会人として働いているとなかなか学校では

どういう授業をされているのかわからない部分は多いけれど、

道徳や社会関連の授業では様々な事を考えさせられ、

そしてこれからどうあるべきなのか?

も考える授業になったと思う。

ただこの状況ではなかなか教師が自分なりに言葉を述べても

子供たちに通じるものなのか?

という部分については色々議題として残るだろうけれどね。

そんな授業で祐一は夢を持てと先生に言われるも、祐一は普通が夢ですと答える。

祐一にとって普通じゃない生活をしていると、

普通に生活する事が夢だったりするものであり、

これはそれぞれの立場から観るのではなく、

祐一の立場から見た場合は普通の家庭の生活がしたいという願望があって当然の事だ。

しかし周りにはそんな事情も知らず笑いも、景子だけは異議なしと手を上げたのだった。

景子もまた愛のない家庭の中で育っており愛のある家庭が夢だった訳で

そこで2人の共通点がハッキリした。

祐一は明日も見えない中で景子が積極的に接してくることをなかなか受け入れられない。

時にはそれを暴力で返すものの、景子はそれに怯まない。

これもお互い恵まれない環境だからこそ景子は祐一の心境を理解していたからでもあり、

景子は自分と同じ境遇の人が近くにいた事でそれぞれが寄り添いあう事で

今の境遇を抜け出せるのではないかと思ったのだろう。

そんな中景子はヴィヨンの詩集の言葉を多用して祐一に言葉を投げかける。

しかしまだ祐一にはその言葉は届かなかった。

そんな中祐一の母親が男と駆け落ちして祐一は捨てられた。

それから祐一は学校へは行かずボート屋で働くが、そこに景子も手伝いに来るようになる。

その直後にサラ金から600万のお金を借りている事を知り明日に持ってこいと脅迫されたのだった。

それを見ていた震災で全てを失った1人の元社長が祐一を救いたいと

ある人物の元へ向かったのだった。

その元社長は自宅も財産も会社も家族も失い、生きる糧を全て無くしていたが、

これから未来のある祐一を何とか助けたいと金策に奔走する。

そんな時に出会った男を再び訪ね、表に出せないお金を奪う手伝いをするのだった。

そしてその中でその男と絡んだ男が死んでしまい、

遺体遺棄をしようと手伝わさせた中でお金を持って逃げ、

サラ金に借金を返済したのだった。

やった事は良くないが、表に出せない金であり、

それを祐一を救うために使ったという事を踏まえると

元社長にできる事をした結果だと受け止めたい。

なかなか闇金的な相手には法律でどうする事もできない相手でもある。

そんな間に祐一は父親からある衝撃的な事を言われる。

と言っても何度も言っているようですが、

最近望まぬ妊娠で結婚をしてその後上手くいかず離婚してしまう夫婦がいますけれど、

確かに望まぬ事だったとしてもその責任を確り果たす役割は担っている事を最近忘れている。

今回登場する祐一の家庭も景子の家庭も望まぬ妊娠だったと思う。

しかしだからと言って言って良い事と悪い事がある訳であり、

祐一の父親も暴力だけでなく暴言も放っており、

この後起きる事件に犠牲者になってしまった事は起こり得た現実というところだ。

この件は後で再び触れるが、生きる糧をさらに失った祐一はそんな自分に絶望し、

何かの役に立ってから死にたいと考え始める。

そんな状況を察した景子は祐一をどうすれば救えるのかを考え始める。

景子も祐一が一体何をしたのか十分理解した上で

それでもまだ祐一に希望があると思ってもらう事が

自分自身も救う事になるという結論に至った中で

ボート屋のチラシ作りやボート屋のリニューアルなど積極的に祐一に接する。

そんな祐一はサラ金へ乗り込むとある事実を告げられたのだった。

そしてサラ金の社長からある物を渡される。

そんな中街を徘徊していると色々な人の行動に出会って

それに関わりを持つ事でそれぞれ救っていく事になる。

そして景子からの問いに祐一は真実を話し出すのだった。

果たして祐一と景子は最後にどのような結論を導き出すのか?

結末は劇場で観てほしいけれど、

本当に祐一と景子のインパクトある行動には色々考えさせられたし、

恵まれない家庭環境の人にとって普通とはいかに難しいものなのか?

という事を突きつけられたという印象が強い。

祐一は普通にボート屋を営みながら暮らしたいと願い、

景子も愛のある家庭を営みたいと願った。

それぞれの願いは2人になって初めて実現へ動き出す訳だけれど、

祐一も本当は自分が手を出したいと思ったところに制止させられるも、

その行動は助ける行動となるところは何処までやって良くて

何処までで止めるべきなのかという事を周りが客観的に教えてくれた。

確かに自身では判断できない部分が多いですからね。

そんな祐一は景子から本当の事を聞かれ、

そして景子からこれからの未来を語られるのだが、

祐一のやった事はもちろん許される事じゃないという事は断っておくけれど、

そうなってしまった経緯とその要因を踏まえれば

その原因である元凶に対して行った事であり、その元凶に対して同情の余地はない。

しかし祐一についてはそうなってしまった要因については同情の余地があり、

命の危険があった事を踏まえても情状酌量の余地があり、

十分更生できるものと判断する。

そしてその引き受けるべき景子が確りその道筋を指してくれたことで

祐一は更生後受け入れてくれる先がある事も希望があると言える部分である。

これも景子が祐一の支柱になった事で祐一は救われたし、

それは景子自身も祐一という支柱によって自身が救われた。

それぞれ望んだものが2人で1つになった事で2人の未来は開け

希望は続いていく事になるのだろう。

総評としてそれぞれ絶望の中にあった人たちにとって

それぞれの希望が見つかった事で再び生きる糧、

そして生きる支柱を見つける事ができた。

もちろんこれから先も苦難な事は当然あるし、苦難な事ばかりかもしれない。

それでも希望を見つけられた事、

支柱を見つけられた事で生きる意味を確り見つけられた事に意味があり、

その意味を活かすためにこれから私たちは生き続けていくのだと思います。

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