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5月26日より順次上映されている「先生を流産させる会」を鑑賞した。

この作品は2009年に愛知県で実際に起きた事件を

モチーフに事件の概要を描いたフィクション作品である。

実際に起きた事件ゆえにその多くは事件の概要を追っているが、

タイトルよりも過激ではないが、今大問題になっているいじめの根源を観る事になり、

今の子供たちに命の重さの授業が必要だと最後に感じる事になるだろう。
今1番タイムリーな問題の時にタイムリーな作品を

観る事ができたというのがまず観終えて率直な感想だ。

作品のタイトルだけだと何を不謹慎な作品作っているんだ?

という人も少なくないが、

それなら実際に鑑賞した上で批判しなければならないのが

映画を観る人の使命だと思っただけに、

やはり私も色々なBlogなどで書かれている内容も多少目にしたが、

やはり自らの目で観た上でこの作品を評価したかった。

映画を観ないで批判する映画評論家ほど映画を冒涜している事はないからね。

さてその作品内容の中身なんだけれど、

私も実際に事件の内容は記事程度でしか知らないので

妊娠した女性教師を流産させようと企んだ男子生徒5人が流産させるために

色々な悪戯を起こしていくというのが実際の事件だが、

この作品では男子生徒から女子生徒に代わっている。

ただ事件の流れは途中まで同じでも結末が違っているので

この結末通りの事件だったら更なる展開があったのだろうけれど、

やはりこの作品から言える事は今の時代教師ほど無力な存在はないのだという事だ。

学校はもやは何もできなくなった時代において

この事件を本当に落としどころを付けるとしたらどこに落としどころを付けるべきだったのかを

レビューしていきたい。

キャスト

宮田亜紀演じるサワコ先生

小林香織演じるミヅキ

他4人の生徒と多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

ある郊外の女子中学校教員・サワコは、

難しい年頃の生徒たちや子供に過剰な愛情を注ぐ父兄らに手をこまねながらも、

時に厳しく教え子たちを指導する。そんなサワコが妊娠した。

一気に色めく立つ生徒たち。

退屈な毎日に刺激が欲しい生徒たちにとって、それはひとつの事件だった。

担任のおめでたに過度に反応したのは、複雑な家庭環境に育ったミヅキたちのグループ。

「サワコ、セックスしたんだよ。気持ち悪くない?」思春期の少女たちにとって、

それは汚らわしい行為にしか思えない。

彼女たちは廃墟となったラブホテルの一室で、ある会の結成の儀式をたてる。

名付けて、“先生を流産させる会”。

早速サワコに嫌がらせを始めるミヅキたち。

理科室で薬品を盗み、サワコの給食に混入する。

異変に気付いたサワコはすぐに口に入れたものを吐き、保健室のベッドに運ばれた。

何食わぬ顔で眠るサワコの元を訪れたミヅキは、サワコの腹部に触れながら保健の先生に問う。

「何カ月から人間になるんですか? もう人間なんですか?」 答えに詰まる保健の先生。

ホームルームで、心当たりの生徒の名前を配った紙に書くよう告げるサワコ。

そこから犯人を割り出したサワコは、放課後ミヅキたちを教室に残す。

「私は赤ちゃんを殺した人間を殺す。先生である前に女なんだよ」。

しかしサワコの怒りを込めた訴えも、罪の意識が希薄なミヅキたちには通じない。

逆に嫌がらせはエスカレート、後ろめたさを感じ始めたメンバーも、

仲間外れにされる恐怖感からかミヅキに異を唱えることができない。

サワコにあからさまな対決姿勢をとるミズキらに、

大人として、そして母親として毅然として立ち向かうサワコだったが…。

以上先生を流産させる会HPより


結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして実際の事件を描いているだけあって

その内容は今の大津中学2年自殺事件で再三指摘している

加害者の生徒たちはいじめでなく遊びなのだという感覚でこの事件は進行していく。

この作品では担任女教師が妊娠して4、5か月で

それを知った生徒たちが女教師がセックスした事について話題にして

それを汚らしい行為と反感を覚えて反抗を企てる事にした

ミズキら5人の女生徒たちは先生を流産させる会を結成する。

まずこの動機についてだけれどこれは日本の学校教育の問題定義を示していると言って良いだろう。

子供の性教育だけれど、今も時代でも子供に確りした性教育をしていない訳で、

私の学生時代でも性教育は教科書でしか教えてもらわなかったし、

確かに小学校時代にそんな話はされた事は記憶にあるもののその事が将来どうなるのか?

と具体的に習った記憶は私にはあまりない。

小学校時代の記憶ってそんな感じだから中学校に進学してから

正確な性についての指導を受けた記憶はあまりない。

外国では10歳位で性交渉について話し、

そしてビデオまで見せる位だからその点では日本は完全に遅れている。

それがどういう事で、将来どうなるのか?

という事を学校では殆ど教えていない訳で、

それが中学生になって女教師が妊娠した事を汚らしいと感じるのは

性に対して十分な教育がなされていないからに他ならない。

そんな中第1の事件が起きる訳だけれど、

サワコ先生の給食に薬品を混入させて流産させようと企むミズキたちだったが、

これに気づいたサワコ先生は犯人捜しをする。

その中でミズキたちの名前が挙がったが、

それぞれ流産したらどうする?

という質問に3人が訴える。

1人がわからない。

そしてミズキがなかった事にする。

という回答だった。

その直後保護者が押しかけて犯人扱いするな!と怒鳴り込んでくる。

サワコ先生は事情を説明しても保護者は自分の娘たちを疑わない。

このシーンを観て頂ければ今の保護者は自分の息子や娘が犯人だと信じないものであり、

むしろ疑った教師が悪いというモンスターペアレント状態だ。

最近の学校は保護者に弱く、体罰すら教師が首になる口実となるケースも多数ある。

教育委員からはそういう教師を問題教師扱いし、

保護者も頼りにならない教師というレッテルを貼られる。

そんな状況で果たして本当に教師たちが犯人探しができて解決できるのか?

と問われればできません。

大津市立中学2年自殺事件でもそうだが結局教師が解決する能力を保持していないし、

その権限もない以上もやは学校に解決する手段はないというところだ。

そんな状況でもサワコ先生は毅然として生徒たちに厳しく接するが、

それをすればするほどミズキら5人は反抗を強め、保護者からは散々罵られる。

教育すれば生徒たちの反発を招き、

叱れば保護者からさらに猛烈な抗議を受ける中でどうやって教育するのか?と逆に問いたくなる。

そんな中でサワコ先生が1人の生徒に事情を聞きだした事で、

この先生を流産する会の存在が発覚する。

そしてこの悪戯はもうするな!と忠告するが、

それにさらに反発したミズキがさらにエスカレートしていく。

サワコ先生にチクった1人の女生徒の裏切りへの報復を企てるために理科室から薬品を持ち出し、

女生徒に裏切りの報復を起こすのだった。

その異変に気付いたサワコ先生とその保護者はそれを止めるべく追いかけるが、

果たしてこの事件の辿り着く先とは?結末は劇場で観てほしいが、

やはりここで出てくる女生徒たちはこの行為そのものを犯罪とは全く思っておらず、

遊びの延長線上としか思っていないという事だ。

それをどれだけ大変な事なのかを教えようとするサワコ先生に対して生徒が反発し、

保護者が問題教師扱いをするようでは

どうしてこの生徒たちに事の重大さを教える事ができるのか?という事だ。

昔の教師は怪我するほど殴り飛ばしたが、今はそれができない時代だ。

それゆえせめて学校では悪い事をしたら厳しい言葉を投げかける位の権限を持たせるべきだろうし、

そうでもしなければ勉強を教える以外は教師の存在意義はないに等しい。

勉強だけ教える教師なら私は先生の意味はないと思っている。

むしろ先生とはその人にとって人生に影響をもたらした人こそが

先生と認識しているので勉強を教えた人が先生というのは

やはり認識を変えなければならないのかもしれない。

そしてこの事件で1番悲しかったのは事が起きて初めて事の重大さに気づくか、

事を起こしても気付かないかという事だ。

それが1番の問題だろうね。

事が起きてから事の重大さを知るのではなく事前に事の重大さを知らなければならない。

今の人たちの多くは事が起きて初めて事の重大さを認識する人が非常に多いが、

この事件はまさにその悪しき事例という事件だった。

総評としてもし今大津市立中学2年自殺事件で教師が

何故何もできないのかを知りたいのであれば

是非この作品を鑑賞して頂きたい。

この作品にいじめる生徒側の本性、いじめる保護者側の本性、

それに挟まれる教師の苦悩を知る事になるだろう。

そしてこの事件で1番言いたいのは事は起きる前にその重大さを知れ!という事だ。

命を落とせばその命は戻らない!

それは自分が生まれてきた事を否定する事そのものだ。

現実になっても解らないのであれば更生する見込みはない。

何でも更生できないと認識し、一生刑務所で終身刑になるか、

処刑する以外には処分の決着は見ないだろうし、

そうでもしなければ解らないという現実にある意味悲しさを感じる。

大津市立中学2年自殺事件のいじめた主犯者は

本当に反省しているのか色々な情報ではその限りでないが、

いじめを解決するにはもはや学校の教師ではなく

自分で守るしかなくなっている現実を痛感する作品だった。

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