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7月20日公開の映画「風立ちぬ」を鑑賞した。

この映画は宮崎駿監督5年ぶりの新作で関東大震災から太平洋戦争に掛けて描かれ、

零戦の設計者堀越二郎を主人公に堀越二郎が飛行機設計に注ぎ込みながらも

その間に出会った1人の女性との一途な恋も描かれていくストーリーである。

零戦は太平洋戦争時に日本海軍が戦争時に展開した機体だが、

設計者である堀越二郎が目指したものは戦争で使うものでなく

人を運ぶ者だった事を中心に描かれ彼もまた

戦争の犠牲者の1人なのだと感じることになるだろう。
零戦の設計者となると戦争をするために作った機体と捉えがちだが、

彼はただ純粋に飛行機を作りたかっただけの設計者だった。

戦争が無ければ彼もまた違った機体を設計したであろう事だろうし、

時代が堀越二郎を飲み込んで行った。

この時代に拒否できるほどの事が許される時代ではなかった事は言うまでもないが、

日本は日露戦争後軍備を増大し中国を中心に軍事拡大路線を広げていった。

これは欧州列強が中国を植民地していた事により

力なくては国を守れないという事情があった。

この時代の中国がそれだけ対抗できないほどの弱体化していたという事になるのだが、

その影響で日本は更なる戦争に突き進むしかなくなるのだった。

国連を脱退しイタリア、ドイツとの3国同盟で中国と戦争に突入し、

さらにアメリカと戦争に突入して行った悲劇の歴史の中で

堀越二郎はこの時代をどう生き抜いたのだろうか?

キャスト

堀越二郎の声演じる庵野秀明

里見菜穂子の声演じる瀧本美織

本庄の声演じる:西島秀俊

黒川の声演じる西村雅彦

カストルプの声演じるスティーブン・アルパート

里見の声演じる風間杜夫

二郎の母の声演じる竹下景子

堀越加代の声演じる志田未来

服部の声演じる國村 隼

黒川夫人の声演じる大竹しのぶ

カプローニの声演じる野村萬斎

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

幼い頃から飛行機が大好きだった堀越二郎は、

飛行機の設計をすることを夢見て、

ドイツの飛行機製作者、ジャンニ・カプローニと通じ合うものを感じていた。

東京の大学を卒業し、三菱内燃機製造の航空技術者となった二郎は、

飛行機の設計を手がけるように。

しかし、自分の設計した飛行機が墜落し、傷心した二郎は避暑地に向かう。

そこで里見菜穂子という女性と恋に落ちた二郎は、彼女と婚約。

しかし、菜穂子の体は肺病に冒されていた…。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして二郎は夢の中でジャンニ・カプローニと

飛行機の創大な夢を語り合うのだった。

その夢をキッカケに飛行機の設計士を目指す二郎は東京へ進出しようとした年に

関東大震災に遭遇する。

この地震で東京は火の海となり焼け野原となった。

そこで助けた菜穂子とは運命的な出会いをするが、再会はそれから10年以上先となる。

東京の大学を卒業した二郎は三菱内燃機製造に入社しそこで航空技術者となる。

それだけ設計に長けていたという事になるけれど、

本来二郎が目指したのは人を運ぶ飛行機であり戦闘機ではなかった。

当時の戦闘機は精度が悪く機械不良によって不時着するほど未完成なものだった。

無理もないライト兄弟が初飛行に成功してからわずか20年ほどだ。

日露戦争までは飛行機は存在せず戦争の手段としては使われなかった。

しかしわずか20年で世界の戦争は飛行機が戦争の主役となっていく事により

その戦局を大きく変えるものとなった。

日本もアメリカや欧州列強に遅れる形で飛行機製造して行く訳だけれど、

この当時はまだ日露戦争で勝利した戦艦の数で勝利するという考えが大きく残っていた。

そんな時代ゆえに二郎は自然と戦争という渦に飲み込まれていく。

それだけ優れた設計者が必要だったのだ。

そしてそんな最中に二郎は関東大震災で助けた菜穂子と運命的な再会を果たす。

しかしこの時菜穂子は結核に冒されており余命は長くないと宣告されていた。

当時は結核は不治の病とされた時代ゆえに運命の再会が悲しい再会となる。

しかし二郎はそんな菜穂子を受け入れて二人は結婚をする。

そして二郎は日本帝国から戦闘機の製作を依頼され

様々な工夫を経て零戦が完成するのだった。

しかしそれは日本が破滅へと進む道でもあり、

二郎もまた菜穂子との別れが訪れる時でもあった。

果たして二郎はその結末に辿り着いた時何を想うのだろうか?

結末は劇場で観てほしいけれど、

ストーリーの流れは1人の飛行機技術者が純粋に飛行機を制作する

というストーリーに終始しているので戦争による悲惨なシーンは出てこない。

どうしてそういう描き方をしたのかと問われれば二郎が目指したのは

人を運ぶ飛行機であり、彼は純粋に飛行機を作っただけだからだ。

彼は断じて人を殺すために飛行機を作った訳じゃない

という事を描きたかったのだという事を強調するためでもあると思う。

零戦は戦争で相手と戦うための戦闘機であり、人を殺す事が前提ではある。

しかしこの時代はその製作を断れば言うまでもなく

軍に背く国賊と見なされ銃殺当然の時代だ。

もし拒否できるものであれば二郎も拒否したかっただろうと思う。

でもできなかった。

その中で本当に彼が目指したかったものは純粋に故障しない高性能の飛行機だった。

技術者として不完全なものを作る事は許せないものだから

二郎も航空技術者としてのプライドがあったし、

故障しない飛行機を作成したに過ぎない。

その純粋な気持ちも戦争の渦に巻き込まれてしまった1人の犠牲者だという事だ。

時代が違っていたら違った飛行機を作っていたかもしれないと思うと

その時代というものを感じるのだった。

総評として菜穂子とはわずかな時間しか幸せな時を過ごせなかったけれど

その短い時間の幸せを2人は過ごせた。

菜穂子が自ら去るシーンはいい思い出のままの自分であってほしい

という気持ちが菜穂子にあったのだと思うし、

二郎の事を配慮した結果だと思う。

そして二郎も故障しない飛行機を作ったものの

それは悲劇の1つでしかなかったが

それでも生きなければならないという事を回想している。

どんなに辛くても生き続けなければならない。

そしてその悲劇が今後無い事を信じて二郎が生きた足跡を残していった。

今の時代に二郎と菜穂子が生きることができたなら

2人は長く幸せな人生を歩んだと思うと戦争は悲劇の1ページにしかならない事を痛感するし、

私たちは二度と戦争をしてはならないと誓いたい。

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