9月13日公開の映画「舞妓はレディ」を鑑賞した。

この作品は地方から舞妓になりたいとやってきた少女が舞妓になるために

様々な厳しい修行を経て舞妓になっていくストーリーである。

昨今の人手不足により伝統芸能の存続危機に瀕している中で

どういう人が後継者に相応しいのかを考えて行く必要はあるだろう。
京都の舞妓、芸妓のお茶屋遊びの世界は一見さんお断りという世界であり、

実際にこの世界に行ける人は莫大な資産を持つ

お金持ちの人たちしか行く事ができない世界だ。

故にここへ行くにはそういう人の伝手を経ないと行く事ができない訳で

その意味ではお金持ち相手の商売である。

実社会で言えば飛行機ならファーストクラス、新幹線ならグリーン車、

ホテルならロイヤルクラスと本当に高級な世界ゆえに行く人が限られるので

行く人の特長を掴むのはそれだけ親身になって接する商売である。

そういう世界で生きて行く事は実際に想像以上に難しい訳で教養も必要とする。

昨今の人手不足が深刻なのはそういう人が身近にいなくなった事にもある。

そんな世界に1人の田舎育ちの少女が飛び込んできた。

果たして少女は舞妓になるまでの厳しい試練を乗り越える事ができるだろうか?

キャスト

西郷春子演じる上白石萌音

小島千春演じる富司純子

百春演じる田畑智子

里春演じる草刈民代

豆春演じる渡辺えり

青木富夫演じる竹中直人

京野法嗣演じる長谷川博己

北野織吉演じる岸部一徳

高井良雄演じる眦萓宏

市川勘八郎演じる小日向文世

西野秋平演じる濱田岳

原田千代美演じる中村久美

鶴一演じる岩本多代

西郷田助演じる高橋長英

西郷梅演じる草村礼子

赤木裕一郎演じる妻夫木聡

福名演じる松井珠理奈

福葉演じる武藤十夢

三味線の師匠演じる徳井優

長唄の師匠演じる田口浩正

鳴物の師匠演じる彦摩呂

馴染の客演じる津川雅彦

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

京都にある「下八軒(しもはちけん)」は、小さいけれども歴史がある花街(かがい)。

だが、舞妓が百春(田畑智子)ひとりしかいないのが悩みのタネ。

しかもその百春も、舞妓になってもう10年が経とうとしていた。

そんなある日、下八軒に「舞妓になりたい」という少女・春子がやってきた。

彼女が扉をたたいたのは、八軒小路の老舗のお茶屋・万寿楽(ばんすらく)。

唯一の舞妓の百春と、芸妓の豆春、里春を抱えるこのお茶屋に春子がやってきたのは、

百春のブログを見たからだった。

新しい舞妓が欲しいとはいえ、コテコテの鹿児島弁と津軽弁を話す、

どこの馬の骨ともわからない春子を引き取るわけにはいかず、

万寿楽の女将・千春は彼女を追い返そうとする。

だが、たまたまその場に居合わせた、

言語学者の「センセ」こと京野が春子に興味を抱いたことから、

彼女の運命は一転する。

「春子の訛りでは舞妓は無理だ」と言う、

万寿楽の客で老舗呉服屋の社長・北野に対し、

京野は「絶対に春子の訛りを直してみせる」と宣言。

「春子を一人前の舞妓にしたら、

京野のお茶屋遊びの面倒をすべて北野がみる」という約束を取り付けてしまう。

かくして、その賭けのおかげで、

春子は晴れて万寿楽の仕込み(見習い)になることに。

しかし、仕込みになったからといって、すぐにお座敷にあがれるわけではない。

春子を待ち受けていたのは、厳しい花街のしきたりと、唄や舞踊の稽古の日々。

そして何より春子が苦戦したのは、訛りの矯正だった。

舞妓になりたい一心で、懸命に稽古や言葉の矯正に励むが、

師匠からは「違う違う」と叱られ、

先輩芸妓からは「いつになったら、ちゃんとできるの?」と責められる。

ついには、京野の弟子・秋平から

「君には舞妓は似合わない」と、とどめを刺され、ショックを受ける。

果たして春子は、一人前の舞妓になることができるのか?

そして、春子が舞妓になりたい本当の理由とは……?

以上舞妓はレディHPより


結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして田舎から京都へやってきた

西郷春子は突然花街・下八軒の敷居を跨ぎ舞妓にしてくださいと申し出る。

ただ当然何処の誰かも知らない相手を受け入れる訳は無く1度は追い返されてしまう。

しかしそこに居合わせた言語学者している京野法嗣が

もし春子が舞妓になれたらお茶代を全て面倒見ると常連客である

北野織吉が言い出した事で春子を受け入れることにした。

もちろん身辺調査をした上でだったが、春子は以前この京都にいた経験があり、

母親は元舞妓だったという事を聞かされるが、北野だけの秘密という事にした。

そして稽古を開始した訳だけれど、

まず春子は薩摩弁と津軽弁が入り混じった言葉で標準語が殆ど話せない状況だった。

それ以上に聞く立場の人たちも何を話しているのか半分解り半分解らないというほどだった。

ただ今の時代地方に住んでいるからといって標準語が離せないという時代ではないので

極端な事は少ないものの、その地域独特の方言があるので

関西圏でも京都、大阪、神戸ではかなり違う訳で、

これがなまりが激しい九州や東北地方はなかなか難しい意味になってしまうケースもある。

そしてそれ以上に関西圏に住んでいない人がいきなりやってくると

言葉のカルチャーショックは英語並みの大きさはあるだろう。

そしてさらに問題なのは今の時代後継者不足により

伝統芸能と言われるものが消え去ろうとしている事だ。

近年こうゆう職人芸と呼べるものは時代を経ても変わらない為に

どうしてもその時代背景が進むと受け入れられないケースも少なくない。

特に舞妓は舞妓になるためには中学卒業後すぐに入らなければならないほどだから

1度入ると引き返しがかなり難しい世界だ。

今の時代中卒で満足に就職できる仕事は限られるし、

こういう職人芸でもある伝統芸能の世界はハードルがかなり高いと言える。

そして劇中でも語られているけれど、

見習いでは確かに費用は全てお茶屋が見るものの、

その後舞妓なってから数年ほぼただ働きという話がされる。

これは芸能界もそうなんだけれど、

売り出すために先行投資で多額の費用が掛かっている。

芸能界で今活躍している若手の多くは先行投資された莫大の費用が投じられている。

故にデビューから数年間は月額10万から20万という一般の正社員よりも

少ない給料しかもらっていない。

それが実績を重ね先行投資分が無くなればギャラの取り分が増えて

月給制で100万〜200万、歩合制だと億という人もいる訳で、

一人前にして自ら稼げるようになるまでかなりの月日が掛かるという事だ。

舞妓の世界では石の上に3年ではなく、

石の上に6年以上立たないといけない分ハードルはかなり高い。

最も普通の世間一般の仕事でも確り把握して仕事をできるには

やはり3年以上の月日が掛かる訳で簡単にすぐできないからと

切り捨てる最近の傾向には正直違和感を感じている。

仕事が数か月で一人前になるなら誰も苦労しない。

今の社会は昔の人たちが述べた言葉を今一度思い出すべきだと思う。

そんな厳しい稽古に加えて、方言をお茶屋の世界の言葉と

京都弁を覚える事が春子にとって苦痛であり、

それが原因で声が一時出なくなるほどだった。

果たして春子は厳しい稽古と修行を経て舞妓になる事ができるのだろうか?

結末は劇場で観てほしいけれど、

劇中はミュージカル風に仕立てた流れなのでそれはそれで見ている方も楽しいし、

その中で舞妓になる事がいかに大変かも確り描かれていた。

最も相手にする客の殆どが大企業、老舗の社長、

幹部クラスですから今でいう東京六本木の高級クラブで飲むようなものですからね。

そういうお客を丁重に接待する事がいかに大変かという事です。

でもそれゆえに一見さんお断りという伝統もある訳ですが、

それだけ客は選びますという事でもあり、

庶民にはとても味わえない世界でもあるという事ではある。

その中でも是非舞妓になりたいと思ってくれる人が出てほしいと

百春はブログで書き綴っているけれど、

舞妓の仕事を知ってもらうにはやはり現役の舞妓や芸妓でないと伝えられない事が

あるからこれも時代の1つの方法論であると思いますけれどね。

総評として厳しい稽古、方言の矯正、

そして修行を経て春子は小春として舞妓デビューを果たす事になる。

もちろんこれで終わりではなく始まりなのだけれど、

舞妓になるためには方言や伝手以上になりたいという情熱が

1番重要なのだという事を描いたのは非常に良かったと思います。

何事に何になりたいという気持ちがなければ何にもなれません。

その中で小春は母親の面影を追った故に舞妓になる事が

ある意味宿命だったのかもしれないと感じるのでした。

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