2017シーズンも終わり毎年恒例のアルビレックス新潟総括を行います。

今季は本当に苦しいシーズンでしたし、J2降格という結果で来季からJ2のステージに移す事になりました。原因が色々ある訳なんですけれど、今季の戦いにおいて何が私たちに必要だったのか?そして何が今後必要なのか?という事を踏まえて振り返りたいと思います。

振り返るだけでとにかくこれだけ上手くいかないシーズンは初めてでしたし、何よりもこの予算でこの戦力で戦うという事を踏まえるとよく14年もJ1で戦い続けた事はまず健闘したという事です。

14年間クラブ規模を大きくするチャンスはあった訳ですけれど、一度染み付いた習慣は簡単には直らないという事もあります。それは後ほど触れていきますが、まず今季の戦いについてですけれど、やはり1番感じた事は監督は重要という事です。

そして簡単に監督を代えてはならないという事です。ここ3年毎年のように監督交代ばかり述べている人がいた訳ですけれど、そういう人って色々なチームを見ているのでしょうかね?そしてそれを見て何を学んだんでしょうかね?と問いたくなるような人が実際に何人もいました。

私自身この3年間シーズン中に監督交代と述べた事はありません。シーズンの区切りで考えるのが最低限の区切りと考えている立場としてシーズン中の監督交代は監督が病気で指揮する事が不可能な場合のみ交代止む無しと考えています。

特に戦力の揃わない新潟にとって同じ監督で4年を区切りとしてチーム作りをしていく訳です。監督1人1人色々な戦術、システムの考え方があり当然監督が代われば起用される選手も異なる訳で、途中解任してしまうとどうしても次の監督のリクエストに応えられない状況で采配を振るわなければならない訳で今季は特にシーズン中に戦術、システムも変わった為にただですら加入した選手が多い中で機能させる事は本当に困難を極めたと思います。

それについてはどうして2012シーズンは立て直せたのか?と言えば私自身あの時に黒崎監督が2シーズン掛けて組み立てたシステムがあり、それを柳下監督が大きく崩さずに黒崎監督とそれほど変わらないシステムを採用し戦術を多少変更したに過ぎなかった事で2年間積み重ねてきたものを大きく崩さずに戦えた事が最終的には奇跡の残留になった訳です。

ところが今シーズンは柳下監督が積み上げたものを吉田監督の下で進化させようとした中で上手くいかず4試合を残して解任された訳ですけれど堅守速攻に慣れ親しんでしまった新潟サポーターにとって柳下監督が2014シーズンから取り組んだポゼッション率を上げていくサッカーの変化に対応できなかった事で柳下監督に不信感を持ち始め、そして吉田監督時代に不満の頂点に達したという所があります。

私も周りのサポーターの声が耳に入ったりするのですが元々周りに滅茶苦茶詳しい人がいるエリアではないのですが、やはり柔軟にサッカーが観れないという人が多いんですよね。サッカーは人ぞれぞれ理想のサッカーがあると思うんですよね。

新潟サッカーがブームになった時代は反町監督のカウンターサッカーがハマりそのサッカーが新潟サッカーの原点的な部分が多くのサポーターにあると思うんですよね。それ故にボールを持って展開するサッカーははたから見て動きが悪い、選手が動かないと見えてしまう人が多いと思うんですよね。今季ラスト10試合で見せたサッカーが新潟サポーターが求めていたサッカーだというのならポゼッション率を上げたサッカーは新潟サポーターに合わないという事になるんですよね。

確かに私自身もカウンターとボールを回して崩す展開を融合したサッカーを好むのでわからないではないのですが、サッカーは1つじゃないという事を今のサポーターに覚えてほしいんですよね。昨今新潟サポーターが求めるサッカーは何か?という議題が上がるのですが、通常アグレッシブ(積極性)、運動量が新潟の持ち味というけれど、90分間走り続ける事は基本的に難しい訳で当然アップダウンはあるんですよ。

当然流れの良い時間と悪い時間があるので展開に応じたプレーが必要になります。そこで今年は三浦監督はゴール前でブロックを形成する4−4−2の守備戦術に攻撃は速攻カウンターでゴールを狙うサッカーを志向しました。

昨年はゾーンディフェンスでしたが、その分ポゼッション率の高いサッカーだったので奪ってからの速攻は全くないサッカーだった事が新潟には合わないという結論が出ていたのでそれはそれで間違いとは言いませんが、そこからいきなり速攻カウンターサッカーに変わる事は選手にとって非常に難しい事であり戦術理解度が求められる訳です。

そして呂比須監督になった事で今度はシステムを4−2−3−1に変更しサイドから崩すサッカーを目指し序盤は守備戦術立て直しのためにプレスにあまりいかずゴール前を固める守備戦術をしましたが、結果が出ない中で守備戦術を色々変更していきました。

現状守備が完全に崩壊している中で守備を立て直しながら戦術を向上させていく事がいかに困難なのかというのをその後16試合勝ちなしで思い知る訳です。前年の名古屋のように開幕から同じ監督で17試合勝ちなしという状況とは異なり途中から監督が代わり時間のない中で戦術を変えようというのはキャンプなしでやるにはあまりにも無謀過ぎたと言えます。これも戦術を変えるという事がいかにリスクを伴い、選手たちが理解するまでに時間を要するかという事です。

新潟の場合は基本となる戦術をやり続けてきた事で残ってきたチームとしてこの3年で5人も監督が代わりその都度戦術が変わり続けた事によりチームは崩壊してしまったと言えます。これが冒頭に上げた監督解任を求める人が解っていないと言った部分になる訳ですけれど、私も野球、サッカーと数多くの監督交代劇を観てきましたが、正直言いまして監督交代して劇的に良く成った事例は1割もないと言えるほど低い確率です。

大体良くて野球ならAクラス、サッカーなら1桁順位というところです。それ以外は良くても本当にギリギリの順位となるケースが殆どで選手が揃っていても難しいのに選手が揃わないチームほど監督交代は容易にしてはならないという事です。

もちろんそれ以外にも川又堅碁が移籍して以来常時30試合出場する10得点以上のストライカーが不在となった事も低迷した一因です。2013シーズンまでだと2012シーズンを除けば必ず2桁得点する選手おり得点できるだけのより何処とが必ずありました。しかし2014シーズン以降30試合出場した選手でリーグ戦で2桁得点を獲った選手は誰もいません。

昨シーズンラファが12得点獲りましたけれど10試合以上も欠場しており1番勝ちたい時に不在だった事が最終的にチームを苦しめた訳で結果的に新潟は30試合前後出場する選手を4シーズンも不在にして戦い続けてきました。1、2シーズンなら持ちこたえられますがさすがに4シーズンも30試合前後10ゴールする選手がいないとなると選手たちに得点を獲れるムードを無くし次第にジャブのように守備陣が精神的に追い込まれてしまった。それが守備崩壊に繋がっていったと言えます。

得点が獲れないというのは1点の重みが全然違うんですよね。ここ数年どうして1点を獲られると選手たちが落ち込んだのか?と言ってしまえば得点を獲れる選手がいなかった事に尽きるんですよね。鳥栖を見ればわかりやすいのですが昨シーズンまで豊田選手がJ1昇格からずっと2桁ゴールを決め続けてきました。その結果J1定着に繋がった訳でいかにチームに2桁ゴールを決められる選手がいるといないで違うのかというのを本当に突きつけられています。

2桁ゴールを奪える選手がいない事はそれだけチームの選手たちの精神的なダメージが蓄積されていくという事なのです。新潟にとって誤算は2桁得点を獲れる選手がいなかった事により長年蓄積した精神的なダメージが頂点に達したのが今季だったという事です。

必ずしもこのシーズンだけが原因と言う訳じゃなく4シーズン前から30試合前後出場できるストライカーがいなかった事に尽きるのです。

新潟というチームは得点が獲れるならそれなりの守備ができるチームであると私は感じていたし、実際に終盤戦の戦いも得点が獲れるというムードがあったからこそ攻守に精神的な部分で余裕も生まれてきたという事もあります。得点が決められるというムードや確信がなければあれだけ勝ち続ける事はできなかったと感じます。

4シーズン毎年言い続けてきましたけれど、とにかく2桁得点が獲れる30試合前後出場可能な選手が必要という事だけは間違いありません。42試合になるJ2でもそれは変わりません。1番良いのは20ゴール獲れる選手が1人いるか?2桁得点獲れる選手が2人いるか?どちらかがいないとJ1復帰は非常に厳しいものになります。どちらかいるなら周りも刺激を受けてコンスタンスに得点ができるようになるのでそれが守備の軽減に繋がっていく事になります。

話ではブラジル外国人はFWをリストアップしているという事で鈴木新監督もFWに得点を獲れる選手必要と位置付けている。それがCFの1トップなのか?それとも2トップの一角なのか?戦術次第で変わるのでどちらになっても得点を獲れる選手であってほしいところです。

あとやはりカンファレンスに3年連続で出席してきましたが補強しろと言う人は一体どういう補強なら補強といえるのだろうか?逆に聞きたいところがあるんですよね。その人が望むような選手が獲れた時だと思うのですが、補強するにもお金が必要な訳です。

でも色々な意見を聞いていると来季から今季まで18歳以下の料金を22歳以下まで拡張したのですが、これに不満があるサポーターもいる訳です。でもこれまで無料券で入場してきた社会人が多数いる事を踏まえれば学生が多くなる22歳以下でシーズンパス1万円で入場できる事は英断でもありますし、社会人はお金を出して観るべきです。

それを割り引きしてほしいと要求するのは補強しろと矛盾する訳です。お金のない学生に大人料金を求めるのは私も酷だと思います。それは私自身も学生になり試合を観れない時代を経験しているからこそわかるので社長も話されていましたが学生にはシーズンパスで1万円で観戦してもらい、社会人になってから大人料金で観戦してもらう事お金を払う意識を持ってほしいと考えているのでこの件については私自身も望んだ事なので賛成なのです。

それに新大プロジェクトなど各大学のプロジェクトを観ているとこういう情熱ある人たちにスタジアムに足を運んでほしいし、卒業して社会人になってから自分の給料で試合を観てほしいという想いが強いんですよね。

大学最後の1年は就職が決まったらバイトしてシーズンパス代を稼いでほしいと思います。高校生がバイトして大人料金を貯める方が難しいので大学生の方がバイトする事に問題が生じないという点も考慮しております。

チームを強くするためにはお金を払って試合を観る事も重要ですが、1番はホームゲームを大切にする事です。ホームでお金を払わなければアウェイに良く以前の問題なので余裕があればアウェイに行ってもらい基本ホームで試合を観る事を重視してほしい。

そしてグッズだけでなく、スポンサーに絡む商品やカードなどを使って日常生活からチームを強化する事を意識する事も必要です。実は新潟のサポーターはこの意識が高くない。お金を払わないとわかっていたらスポンサーは絶対にお金を出しません。しかしお金を出すとわかれば必ずスポンサーはお金を出してくれます。その意識を無料券を配り続けて間違い続けた教育をした16年間を16年掛けて戻す作業がこれから待っているという事です。1番ショックなのは試合は無料で観るものだという人がいる事に私自身ショックを受けているんですよね。

これは今後タダより高い物はない!と口酸っぱく言っていくつもりです。お金があればデカい事はできますが、お金がなければできる事は限りなく限られます。
お金が充実すればその分補強にも使える訳で今より質の高い選手の獲得が可能になります。使った分だけ得るものがあるという意識を植え付けるには長い月日が必要だと感じております。

来季より魔境と言われるJ2でのステージとなる訳ですけれど、もちろん1シーズンでの復帰を目指す事に変わりありませんが過去セレッソ大阪、ジュビロ磐田が復帰に2シーズン要した事を踏まえれば本当に過酷な戦いが待っているのは間違いありません。J1に残留するより厳しい戦いが待っていると私自身感じているだけに気を引き締めてJ2の戦いに挑みます。



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