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日本代表のロシアW杯の挑戦は終わった。2大会ぶり3度目のベスト16入りという結果はアジア勢として唯一の決勝トーナメント進出国という結果を残せた事はフランスW杯から20年経て大きな成果であり進歩だと思います。4年で3度も監督交代という激動の4年間に感じた事とこれからの4年で何が必要なのかを振り返っていきます。

ブラジルの惨敗から4年という月日は本当にいばらの道でしたし、日本サッカーの衰退というイメージを背負った中で戦い続けた4年間だったと思います。その中でアギーレ、ハリルホジッチ、西野と3人の監督が代表を指揮したというのはそれだけ日本代表の混迷を極めたという事でもある訳です。

まず監督選びについては日本サッカーはどういう方向を目指すのか?という部分が必要であり、その中でメキシコ代表監督経験のあるアギーレに最初は託しましたが、託した事については間違いではありませんでしたが、八百長疑惑に関わっているという事で大きく歯車が狂ってしまったのが正直なところです。

代表監督に出せる年俸が2億5千万前後と言われているだけに、この年俸で代表監督を引き受けてくれる世界の名将は本当にいないのが現状だと思います。大きなビルや記念館を作るお金があるならそういうところに予算を投じる改革がサッカー協会にないといけないところです。

ハリルホジッチについては一言で言ってしまえば縦へのサッカーだった訳ですけれど、アフリカ系やフランスクラブの監督経験をされた方ではありますが、日本人の体格に合わせたサッカーだったとは言えなかったと言えます。

どうしても体格という点は欧州やアフリカ系では対抗できない訳で、どちらかと言えば俊敏性を重視したパスワークのサッカーが適していたという事は西野監督の下でやったサッカーが日本らしいサッカーなのだと思います。

西野監督は非常に難しい仕事をされました。ハリルホジッチの下で選手と監督との関係が壊れた事と、やはり今問題になっているパワハラという観点からもハリルの下では難しかったのだと思います。

日本人監督として2人目となるベスト16入りに導いた事はやはり五輪代表監督経験があったからこそできた事ですし、10年前にクラブW杯にガンバ大阪として指揮した経験があったからこそ導けた事だと思います。

1勝1分2敗得点6失点7で終わりましたが、決勝トーナメント進出する為には最低勝ち点4が必要だった事を踏まえれば1勝する事がW杯ではどれだけ大変な事なのかという事を理解して語らないといけませんし、アルゼンチンのように3点差で完敗した試合は1試合もなくその意味ではすべての試合で可能性を示せた試合だった事は20年間の大きな日本の成長だと思います。

代表に選ばれた選手は今回は確かに平均年齢過去最高でした。でも1つ忘れてはならないのは今回のスタメン中10人は海外のクラブ所属の選手だったという事です。20年前には1人もいなかった事を踏まえれば20年でスタメンだけでなく控えを含めても7割が海外クラブ所属選手で出場したというのは日本のレベルを上げるには欧州でプレーする事がどれだけ重要なのかを示しています。

特に長谷部はドイツ杯王者、長友はトルコリーグ王者、宏樹はELセミファイナリストです。吉田、大迫もELを経験していますし、香川、岡崎、本田はCLを経験していました。この事からもCL、ELを経験する事で代表レベルが大きく上がるという事が20年で証明されてきました。

特にこの4年で大きく成長したのは宏樹ですね。ブラジルの時は1試合も出場できなかった宏樹はドイツでプレーしている時代は内田が故障で代表を外れてからも殻を破れずにいましたが、マルセイユに移籍してレギュラーを獲得してから見違えるように成長してフランスでの日本人の評価を復権させてくれるほどの活躍をしEL出場権に貢献し、ELでも強豪と対戦する事でW杯でも普通に1対1で負けませんでした。

ブラジルの時に内田が唯一普通にプレーできた選手と言われたのはシャルケでCLに数多くの試合に出場し世界トップの選手と普段からやっていたからこそだった訳で、宏樹もそういう部分では内田の背中を見て内田のようにまだまだCLに出場は至っていませんが、そういう経験が大舞台でも対抗できる力なのだという事です。

そしてこの大会で最大の収穫は柴崎と乾だったと言ってよい。遠藤以来中盤の司令塔不在となっていたボランチのポジションを不動にするほどW杯では本当に活躍した。乾もハリルだったら選ばれなかったが、西野監督になり選ばれてスペインでプレーする事も大きさを示してくれた。

柴崎についてはCLに出場できるクラブに移籍してレギュラーを掴めば更なる活躍が期待される。それ以外の選手もCL、ELに出場する選手が増える事で世界に対抗できるようになるという事はこのロシアではっきり示せた。

本田、長谷部、高徳が代表を引退する事になったが、それ以外にも岡崎、長友、川島も代表から外れる事になるだろう。そうなると次の世代の選手達の発掘が必要だが、選ぶ先は海外1部リーグでレギュラーを獲得している選手からまず順当に選ぶべきだ。

今回選ばれなかった中島、久保、南野、堂安ら有望な若手が欧州主要リーグに移籍してレギュラーを獲得する事になれば日本は大きく成長する。攻撃陣には豊富な人材がいるだけに困らないが、問題はディフェンスとゴールキーパーになる。

高徳の代表引退で宏樹に続く右サイドバック、そして長友に代わる左サイドバックが不在だ。事実上南アフリカから8年安泰だったサイドバックも一気に人材不足となる。そしてセンターバックも吉田に続くのが昌子と植田だが、昌子はこの大会での活躍で欧州リーグからオファーがあれば即移籍してほしい。強豪とやれる事が普通になる事で日本の守備ができるのは吉田を見ていればわかる事で、センターバックの海外移籍は今後も必要だ。

そしてゴールキーパーについては川島以外に海外でプレーする選手がいない。ここが今大会最大の泣き所と言われただけに海外欧州主要リーグでプレーするGKが出現してほしいが、簡単な事じゃない。

あとカタールでは久保建英が21歳になって迎える。来年バルサに戻りそこで試合に絡めるようになるまでどれぐらいの期間が必要なのかはわからないが、環境が急成長させるだけに来年即バルサに戻ってトップでプレーする事になれば想像以上の成長をするだろう。メッシの後継者になる位なら尚更良い訳だが、それは高望みとはいえバルサのレギュラーになれば間違いなく日本代表に還元される事だけは間違いない。

最後に次期監督問題だけれど、今の日本代表にはパスワークを主体としたサッカーが体格的にも戦術的にも合っている。ドイツで多くの日本人が活躍し、フランス、スペインと活躍する選手も増えた。体格的に考えた時にはスペインとそれほど変わらない体格なのでパスワーク主体のサッカーを日本サッカーのベースにした方が良い。その上で日本人監督なのか?外国人監督なのか?は日本人に適した和を大事にし、体格に適した起用ができる監督が望ましいと思います。

それがハリルの時の失敗だった訳で、あまりパワハラ的な監督は選手を委縮させてしまうのだけは確かだ。監督選びをした上で田島会長には会長職を退任して頂くという事でよろしいのではないかと思います。

世界と戦う為には欧州主要リーグのレギュラーになる事が1番の近道と示された以上多くの選手は若くして世界に出て戦ってほしいし、世界を知って初めてW杯のベスト8以上が見えてくると思います。