10月15日公開の映画「何者」を鑑賞した。

この映画は就職活動をする5人の大学生がそれぞれの葛藤と思いを抱きながらも

次第にその関係にゆがみが生じていくストーリーである。

自分は何になりたいのか?何をしたいのか?

その答えは大学生で見つける事は簡単じゃない事もわかるし、友情の難しさを知る。
私は大学生になる事はなかったけれど、

就職活動で苦しんだ時期があるので自分は何になりたいのか?

何をしたいのか?と答えすら見つからなかった経験を経ている。

趣味は多彩だったので問題なかったのだが、

仕事をするに当たって何をすべきなのか?何ができるのか?

と問われた時にその答えが全く見つからなった。

運よく仕事に辿り着き今があるけれど、

今の大学生を観ていると仕事をする上で少しでもいい会社というが、

いい会社とは何なのか?を考えても実際に経験しないとわからないし、

ブラック企業と言われている会社が本当にブラックなのか?

を経験せずに語る事はできるものではない。

だからこそ何者になるのか?というのは難しいのだ。

色々考えがコロコロ変わる人ほど何者なのかわからなくなると思うけれど、

それぞれ就職活動を通じてそれぞれの思いが交差していく姿をレビューしたい。

キャスト

二宮拓人演じる佐藤健

田名部瑞月演じる有村架純

小早川里香演じる二階堂ふみ

神谷光太郎演じる菅田将暉

宮本隆良演じる岡田将生

サワ先輩演じる 山田孝之

他多数のキャストでストーリーが進行する。

ストーリー

就活の情報交換のために一つの部屋に集まった、5人の22歳。

かつて演劇サークルで脚本を書いていた、人を分析するのが得意な拓人。

天真爛漫で何も考えていないようで、

着実に内定に近づいていく光太郎。

光太郎の元カノで、拓人が思いを寄せ続ける、実直な性格の瑞月。

人一倍“意識高い系”でありながら、結果が出ず不安を募らせていく理香。

社会の決めたルールには乗らないと宣言しながらも、焦りを隠せない隆良。

海外ボランティアの経験、サークル活動、手作り名刺、SNS、業界の人脈…

様ざまなツールを駆使して戦っていく就活生たち。

企業に入れば“何者”かになれるのか、自分は“何者”になりたいのか。

そんな疑問を抱えて就活を進める中、5人はそれぞれの思いや悩みをツイートするが、

一緒に過ごすうちに、就活のやり方やスタンスに嫌悪感を覚えることもあり、

徐々に人間関係が変かしていき…。

結末は劇場で観てほしいけれど、

今回のレビューとして就職活動をする拓人、瑞月、光太郎は

瑞月の紹介で里香と隆良を知り合い5人で就職活動をしていく事になる。

拓人は演劇で脚本を書いていた経験があり、

光太郎はバンドのボーカルを担当した経験、

瑞月はインターンシップ経験、里香はアメリカ留学経験、

隆良は就職活動を当初はしないと言っていた。

そんな5人は就職活動で色々な企業を受けるのだが、

私は大学経験がないので大学の就職活動はよくわからない。

私は高校と専門学校で就職活動をしたけれど、

高校の就職活動は夏に色々な企業の求人をみて最終的には

物作りをやりたいという事で製造業に就職した。

試験も1度だけで終わったので高校時代の就職活動はこれ1度きりだ。

本来ならこれ以降就職活動はないはずだったが、時代がそうはしてくれなかった。

会社のリストラを受けて会社を退職してその後数年間専門学校に通ったけれど、

この時って本当にどんな仕事をするのか全く見えない時代だった。

ただ趣味で始めたパソコンがそれなりにいじっていたから専門学校へ

行っただけだったので目指す先が見えないというのは

いかに苦しいのかというのを経験した。

学校時代には就職できず1年間就職浪人をした後に

就職したけれどその仕事をしたかったというよりも就職するための就職だった。

当然経験がないから不慣れな事ばかりで社会常識に欠いたものだ。

結局その会社は2年で退職したけれど、その後運よく紹介された会社に入社して今に至る。

今の会社でやれる事を見つけて色々やって今があるけれど、

それまでの自分は仕事で何をやりたいのかを全く見つけられなかった。

社会に出る上で1度会社に入社した後に

全く別の仕事をする事はどれだけ大変なのかという事と

社会は経験が必要だという事だ。

学生経験は社会では経験にならないという事でもあるが、

大学生でも社会経験をするかしないかは大きな違いになるのは確かであり、

この5人で社会経験をしたというのはある意味光太郎だけだった。

バンド活動の場合どうしても観客を集めなければならないので

観客を集める為の活動をしなければならない。

拓人の演劇の脚本はあくまで劇の脚本であり、

正直なところ社会活動というより趣味の活動だ。

そして瑞月、里香はインターンシップ、留学経験があるけれど社会経験ではない。

隆良は組織の中で生きるのは向かないタイプなのだろう。

拓人は演劇経験を活かした就職活動を行っていない。

確かに演劇で食べられるほど簡単じゃないけれど、

それに通じる会社を目指す方向性が必要だったとは思う。

光太郎はある人と再び出会うためにその人と同じ業界で働きたいと目指す。

瑞月は生活のために会社を選ぶより現実を選んで目指す。

里香は留学経験から積極的なタイプだが意識高いのがアダとなっている。

里香の場合確かに主張するのが大きいんだけれど、

会社にとっては主張の強い人物って実はあまり取りたくない。

会社の方針に見合わない発言をされる可能性があるからだ。

これは1度でも会社に就職した経験があるとわかるけれど、

会社とはその会社の方針に見合った人物が必要であり、

自己主張の強い人物って実は好まれない。

これを今は社畜と言われるけれど、

組織の中で組織を乱さない人物が会社では重宝されるという事だ。

私もどちらかというと自己主張の強い人物なので正直組織には見合わない人物だ。

故に私は会社では派閥や仲間との付き合いは全く強くない。

だからと言って接しない訳じゃないので仕事をする上で

コミュニケーションは常に取る事は忘れない事だ。

仕事とプライベートは全く別なのでそういう区切りを持ってやることが必要だ。

自分はその組織で乱さずに組織が求める事を

遂行できる人物である事も必要だという事だ。

瑞月は家庭の事情で生活のために当初目指した会社ではなく、

現実的に就職できる会社を選んでいる。

正直瑞月の考え方が実は現実的であり、

実際に就職しなければその会社が合うか合わないかはわからないものだ。

色々戸惑う事があるのは当然であり、その中でどうやっていくかは就職してからだ。

私は今教える側に立っているけれど、

教える上で1番重要なのはその人に対して怒らない事が必要だ。

もちろん問題点は説明していくけれど、

何もできない新入社員ができるようになるまでは短時間では本当に難しい。

私はそうだったから短時間でできるようになった人って

実は新入社員に教える事は向いているとは思わない。

理由として短時間でできるようになったからだ。

新入社員皆短時間でできるようになるものではない。

その中でできる人できない人は必ず差がある。

私はできる人とできない人という真逆の人を教えた経験として

いかに怒らずに教えられるかが実は本当に大切な事なのだと思う。

今ブラックと言われる会社の教える人はそういう教える上で

色々と知らず知らずに怒っているのだろうと思う。

あと1つにその会社だけじゃなくほかの会社の現実を知らずに終わるよりも、

今自分は他の会社から見てどうなのかをいう知る機会も必要だと思います。

光太郎の動機はある意味単純だけれど、正直こういう単純さが必要だと思います。

就職するのに動機は何でもよい。

問題は就職後に何者になるかなんです。

拓人は色々な人の人間観察をしているけれど、

拓人自身が何者になるのかを実は1番自分を描けていないんですよね。

確かに人物像を観察する観察力はあるに越した事はないけれど、

これは自分が確り自分の考えを構築した上での話であり、

拓人にとって自分を観察する事が実はできていなかった。

それが明らかになる事で自分の現実を知る事になるのだが、

ここでTwitter、LINEなどSNSが数多く登場するけれど、

今の時代はそういう自らの発言をアップする人が多い。

私は裏垢を作った事がないので裏垢はないんだけれど、

中の人はやっているので中の人をやっていると

色々な制約を抱えながらやる事は少なくない。

でも表垢、裏垢を使い分けている人ほど裏表が激しいという事になる。

実際にどうして裏垢がバレたのか?

というのがあるけれど、確かに友達がいると友達に情報を教えてしまうと

繋がりやすくなる傾向があるからね。

実際に情報を登録するとどうしても情報漏れを起こす事がある。

LINEの場合は電話番号をアドレス帳に登録していると

拾いやすい反面知られたくない人にも知られるだけに善し悪しがある。

今の時代はスマホで色々な個人情報があるので

個人情報を知られないために色々な事をしないといけないのだが、

これが意外に面倒だったりする。

知らず知らずのうちに知られてしまうのだ。

思っている事を書くのは悪いとは言わないが、

SNSに書く時にはみんなに観られているという意識が必要だ。

結末は劇場で観てほしいけれど、大学生でも将来何になりたいのか?

を見つけられない人は本当に多いと思う。

ここに登場する大学生もまた何になりたいのか?

を模索しているし、現実と向き合っている。

その中で次々と就職が決まっていく姿は残された人に

とって焦りなど色々な感情が付きまとう。

それは私も経験したけれど私は友達という存在は作っていないので

今はそういう事を教える友達がいないからこういう事は起きない。

今自分が何をやりたいのかがあるからだ。

社会に出る上で就職は生活する場であり、本当に何がやりたいのか?

何を続けたいのかは先にあるという事を言いたい。

総評として何者というタイトルだったけれど、

これは社会人になってからも問われるという事だ。

何をやりたいのか?を見つけられないうちは何者と言われる。

でもやりたい事を見つけれれば何者ではなくなる。

何だって言えるからだ。その過程は近道だったり、遠回りだったりする。

そこまでに辿り着くには大学生では何でもよいから

目的をもって現実的に活動する事が求められる。

就職は生きていくために必要な事!

そう割り切れば就職後に自分が何ができるかを知る事になるだろうし、

その場所で居場所を見つける事ができればよい。

社会とは何をやる為に生きていくのが社会であり、

自分は何を残せるかが社会だという事を現実に向き合ってほしい。

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