8月28日公開の映画「青くて痛くて脆い」を観賞した。

この映画は住野よる原作の作品を映画化したもので、大学生になり出会った彼女とあるサークルを作るが次第に意見が食い違った事により彼女に復讐していくストーリーである。

全ては1つの出会いから崩れていく事になるが、何がやりたいのか見つけられないとこういう結果になってしまうのかもしれない。





大学生となり自分は何者なのかが確立していく中で出会った2人が意見の食い違いから対立していく訳だけれど、誰かと関わらないという事は非常に難しく必ず何かに関わって生きている。

そんな中で出会った2人が最初は些細なサークルを始めるもそれが大きくなっていく事で次第に距離感が離れて行ってしまった事で始まった復讐劇という流れだが、どうしてこうなってしまったのかレビューしていく。

キャスト&ストーリー



結末は劇場で観てほしいけれど、今回のレビューとして人付き合いが苦手で、常に人と距離をとろうとする大学生・田端楓はとにかくなるべく人との関わりを避けるように生きてきた。

そんな中で出会ったのが空気の読めない発言ばかりで周囲から浮きまくっている秋好寿乃だった。

2人は当初秘密結社モアイというサークルを初めて「世界を変える」という大それた目標を掲げてはじめ慈善事業をしていった。最初は田端も秋好も小さいサークルだったからそれぞれ意見の食い違いも少なく上手くいっていた。

しかし次第にサークルが大きくなると田端と秋好の距離が広がっていき、田端はサークルから自ら離れていく。これはサークルが小さいうちはそれほどひずみは出ないものだけれど、大きくなる事で人数が増えていくだけに纏める力が必要になる。秋好にはそういう纏める力があったけれど、秋好にはそれがなかった。

秋好は田端にどうしたい?と聞いたが田端は答える事ができなかった。私自身田端っていう人物像に問題があるように感じるんだけれど、18歳の田端にはまだ自分がどうしたいのか?というのが何もなかったからこそこのような復讐劇に繋がってしまったのだと感じる。

一方秋好はやりたい事が18歳にしてハッキリしていたからこそ、その後サークルを広げていった訳だけれど、組織って大きくなればなるほど理想と現実の狭間に立ってしまう訳だけれど、秋好は理想と現実を叶える為に奔走していた。

私自身常々現実無くして夢はないと言っているけれど、実際に何かの組織のトップになってしまうと本当に理想と現実の狭間に苦しむものだ。理想は会ってもそれを現実にするというのは相当困難だからだ。

秋好もそういう立場になっていた事で理想と現実の狭間で理想を実現しようとしていた。しかし田端には元々そういう理想はなかったと言える。結論を論じてしまえば田端は秋好と2人で静かに活動していたかったと言ってしまえばそれまでだ。大人数での活動は彼にはあまりにも不向きだったという事だ。

いくら集団活動が苦手でも目指すものがあるなら集団活動が苦手でも案外やれてしまうことってあるのですけれど、目指すものが無いとただ共感するだけだと共感だけで終わってしまう。田端はそういう人だった。

でも2人だけで活動している小さな幸せは秋好が色々な人と関わるようになってから嫉妬へと変わっていく。それが田端の復讐へと変わってしまったのだった。

結末は劇場で観てほしいけれど、田端は一体何をしたかったんだ?と単刀直入に言えば、田端は秋好を以前の秋好であってほしかったという事だ。人は理想を求めてしまい過ぎるとあの時の秋好が好きで今の秋好が好きではないという言い方の方が正しいかもしれない。

人物像は以前も以後も秋好は秋好だったんですよ。でも田端は以前の秋好の状況と今の秋好の状況では今の秋好の状況に嫉妬したからそれらに関わるものを壊そうとし始めた。

20歳前後ってどちらかと言えば現実より理想の方が強くなる訳だけれど、田端が理想なら、秋好は現実だったんですね。当初は2人とも理想と現実の狭間にいた訳ですが、現実に直面して現実を受け止められた秋好、受け止められなかった田端という大きな隔たりが2人の距離を大きくしてしまった。

人って月日を重ねて色々な経験をしていくと同じ人でも色々な考えも変わるし、色々な状況も変わる訳で、本来ならどんな状況になろうとも受け入れられるとどんな状況でも共に歩めるのだが、田端にはそれができなかったからこその痛い復讐劇になってしまった。

もっと突き詰めてしまえば秋好を応援もしくはサポートできなかった田端がいたと言ってしまえばわかり易い。秋好を愛するに至らず秋好を好きなままの田端があまりにも脆かったという事だ。

総評として理想と現実の狭間で起きたこの復讐劇は田端の一方的な気持ちによるものだった。秋好と話田端がお互いを理解するに至っていたならこのような事はなかったが時としてそういう理解に至らずに起きる悲劇はあるものだ。

もしもう1度やり直せるならと言いたいが1度壊れた関係は元に戻す事は現実として非常に難しいという事を忘れてはならないという事を肝に銘じてほしい。