2006年07月29日

- 消された一家 -

消された一家

 北九州連続監禁殺人事件のルポ本、「消された一家」を読んだ。この事件、その内容ゆえかあまり詳しい報道がなされなかった気がするが、その凄惨さ醜悪さは「女子高生コンクリ詰め殺人」をも凌ぐと思われる。犯人は6歳の少年、10歳の少女を含む計7人(うち6人は血のつながった家族)に熾烈な暴行を加えた挙句殺害し、死体を細かく解体して鍋などで煮込み、ペットボトルに詰めたり味噌団子にした後、海や下水道に無造作にバラまいた。解体されて文字通り「この世から消えてしまった」7人の痕跡は、今日に至るまでほとんど何も発見されていない。

 特筆すべきは主犯の男に監禁された一家が、男に反抗するどころか、互いに憎みあい、互いに殺し合ったという部分。男は独自に開発した「通電装置」による制裁と、厳しい生活規制を一家に課し、恐怖で一家の心をボロボロにした後、互いに殺し合わせ、死体の後始末をさせた。前述した10歳の少女も実の母親、実の父親を殺すことに同意させられ、殺害を手伝わされ、その死体を解体させられたというのだから物凄い。その少女はその後6歳の弟を自らの手で殺した挙句、自分も殺され、今では骨の一片すら残っていない。自身の破滅を予期しながら恐怖に立ちすくみ、生きる気力を萎えしぼませてしまった被害者達。人間の善性など、圧倒的な恐怖の前ではいとも簡単に凍りついてしまう。10歳の少女は、実の両親をその手で解体する時、一体何を想ったのか。人間の悪性は、自分の想像力の範疇をここまで軽々と飛び越えていくものだろうか。非常に畏怖すべき事件。こういう犯人は凌遅刑とかに処した方がむしろ「人道的」なのでは?

profondo_rosso at 06:10│Comments(0)TrackBack(0)読書 

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