2011年06月27日

ニュージーランド出張 (PF386)

9fa09911.jpgニュージーランドは南半球に位置する。オーストラリアの東側にあり、南北に細長い島国である点は日本と似ている。国土の面積は日本の約4分の3程度。南緯35度から45度程度に及ぶ。日本が北緯30度から45度程度に及ぶのと比較すると興味深い。季節は北半球と正反対なので、6月はニュージーランドの初冬である。加えて、冬は降雨量が多い。日本の冬が乾燥しているのとは、大きく異なる。

今月(2011年6月)初めてニュージーランドに出張した。多くの観光客が訪れる国ではあるが、ビジネスの機会もある。成田空港からシドニー経由ウエリントンに入った。到着後ウエリントンの空港で荷物を受け取ろうとすると、自分の荷物が見当たらない。そういえば、入国審査の際、行列の中で待っていると自分の名前を呼ぶアナウンスメントがあった。用件を言わないので当方も何故呼び出しを受けているのか理解しかね、そのときは後刻対応すればいいと考えた。入国審査終了後Buggage Claimでなかなか自分の荷物が現れないので、アナウンスメントを思い出したのである。

自分の荷物は宿泊先のホテルに明朝届いた。その日は朝9時から顧客との面談があったので、スーツケースの中にあるスーツやネクタイがどうしても必要であった。朝7時過ぎにホテルのコンシャルジェで自分のスーツケースを発見した。

ウエリントンでは小雨が降ったり止んだりしていた。街行く人は傘をさしていない人も多い。ウエリントンはニュージーランドの首都とはいえ、人口40万に満たない。マウンテン・ビクトリアへタクシーで登ったが、天候不順で視界不良、ウエリントンの港と町並みを十分に眺めることは出来なかった。

ウエリントンからタウポ湖に隣接するタウポの街には、20-30人しか搭乗できないような小さなプロペラ機で飛んだ。飛行時間は1時間弱。タウポ湖はニュージーランド最大の湖である。ここで2泊を過ごし、最終目的地オークランドへ向かった。再び20-30人しか搭乗できないような小さなプロペラ機である。タウポからオークランドまでは自動車でも3時間半程度で到達することができる。現地の関係者は、日程が許せばタウポからオークランドの道程はクルマでの移動も悪くないと勧めてくれた。小さなプロペラ機よりクルマでの移動に興味があったが、やはり日程が厳しい。

オークランドは人口150万のニュージーランド最大の都市である。首都ウエリントンが思いの外閑散としていたので、オークランド市内に入った時にはニュージーランドで初めて都市らしい都市に来たと感じたものである。街を歩く人の中に日本人らしい人を見かけたのも、ここが初めてである。オークランドでも曇り空と時折降るにわか雨に、気分は晴れなかった。1泊した後日中の仕事を終えると、午後遅くホテルの洗面所で着替えて空港へ向かった。シドニー経由夜行便で日本に帰国する。

オークランド空港に到着して唖然とした。オーストラリア行きのフライトが続々とキャンセルされているのである。原因は6月初めにチリで発生した火山の噴火である。火山灰が南半球を回遊し、オーストラリア南方やニュージーランド付近に滞留しているらしい。このため、断続的に旅客機の運行に支障が出ていた。インターネットの情報で同日運行再開を確認していたが、夕刻から急に状況が変わったらしい。空港に到着するまで知らなかった。

シドニーを同夜発つ成田行きの便は平常通りである。しかし、オークランドを予定通り発ちシドニーに到着しないことには、シドニー発の便に搭乗することができない。オークランドを発つタイミングを外すと、成田への到着は丸1日遅れることになりかねない。

航空券を発券してくれた日本の旅行会社に連絡を入れてみた。なにかいい知恵はないか、助言を求めた。しかし、旅行会社もオークランド発シドニー行きの便がキャンセルされた事実を初めて知ったという状況で、埒が明かない。オークランドでもう1泊過ごす考えも頭を過ぎった。

出発便の電光掲示板を眺めていて、気付いた。午後6時以降のシドニー行きの便が悉くキャンセルになってはいるが、午後6時ちょうど発のエミレーツ運航のシドニー経由デュバイ行きの便が今まさに搭乗中である。これが本日最終のシドニー行きの便のようである。時計を見ると午後5時25分。まだ航空券を購入できるかもしれない。目に入ったエミレーツのチェックイン・カウンターに行き尋ねると、担当者は「エミレーツのデスクで確認してほしい。5時30分までなら可能性がある。」と教えてくれた。エミレーツのデスクに着いたのは、それから数分後。

口早に航空券を求めた。そうすると、「パスポートを見せろ」「オーストラリアのビザは持っているか」等々質問はされたが、辛うじて航空券を購入することができた。購入して一安心したのも、つかの間。エミレーツのシドニー経由デュバイ行きの便の搭乗口は、そこから1,000メートル近く離れていることが分かった。もちろん、既に乗客は搭乗を開始している。スーツケースを転がしながら、オークランドの空港内を疾走した。搭乗口に着いたのは5時45分。なんとか間に合った。

往路のスーツケース紛失騒ぎといい、ニュージーランド滞在中の天候不順といい、帰路のフライト・キャンセルといい、随分と愉しい経験をさせてもらった。日本から持っていった文庫本2冊は、ほとんど読む機会がなかった。
  

Posted by projectfinance at 00:34Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック プロジェクトファイナンス