<グローバル・ファンド・アップデート第1号掲載記事>

(ニュース)
世界基金の成果、昨年の新規案件募集停止で危機に



◎ニュース:グローバル・エイズ・アップデート特約記事
・原題:Global Fund Details Progress in Fight Against AIDS, Tuberculosis and Malaria
・出典:Action
・日付:2012/07/23
・URL:ACTION Website

【2012年7月23日 アクション・プロジェクト(米国)】過去10年にわたり、世界中の援助国・援助機関や医療関係者とともに、各国のエイズ・結核・マラリア対策を主導してきた世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)が危機に直面している。

世界基金はこれまで、以下の様な成果を上げてきた。

・HIV感染拡大防止と治療のために、360万人以上に抗レトロウイルス治療(ART)を提供
・930万人以上の結核患者を治療
・マラリア感染予防に殺虫剤処理をした2億7千万張の蚊帳を配布

これらの成果は、過去10年にわたり世界基金を支援してきた各国の政府や財団そして民間セクターの努力で成し遂げることができた。このような成功にもかかわらず、世界基金の将来は不安定となっている。昨年11月にガーナで開催された世界基金の理事会で、第11次新規案件募集(ラウンド11)の中止を決定したからだ。

今年5月に理事会は、資金が2013年初めから供給できるように、新たな資金メカニズムの創設を決定した。しかしこの新しい資金モデルの構想は、検討の方向性によっては、被援助国の野心的な取り組みに制限を加えることで、各国の要求を制限するよう導いたりするものになりかねず、被援助国の主導で行われてきた世界基金の援助体制の最も重要な側面が失われる可能性がある。

結核対策に取り組むために設立された、アドボカシー団体の国際ネットワークであるアクションACTIONは、同組織が発行した「世界基金:危機に瀕する進歩 The Global Fund: Progress At Risk」の中で、ドナーが必要な資金を提供しなければ結核対策の進展は滞るが、世界基金が新たな資金モデルの創設によって資金拠出が継続できれば、結核やHIV対策の進展も継続可能だと言及している。

世界中で多くの人々がHIV/AIDS、結核、マラリアの感染拡大を抑えるために尽力しているが、資金拠出が確定しない中で、マラウィ政府は1万5,000人の子どもに結核治療を提供する計画を留保しなければならなくなっている。タンザニアでは、結核対策の資金拠出が11月で終了するが、未だ6,000人の子どもを含むおよそ6万8,000もの結核予備軍の人々が診断を受けられない状態である。

世界基金は、創設から10年目を迎え、2013年分の十分な資金拠出を含め更なる資金が必要となる。新しい資金モデルでは、案件の提案や履行において、すべての国の関係者にとって有益となるよう計画され、国の要求や利益、結果を考慮した質の高い援助が行われ、そして国内の投資のてこ入れを確実なものとしなければならない。

新しい資金モデルがうまくいけば、被援助国の戦略改善や要求を満たし、三大感染症の闘いの進展は加速するだろう。しかし、うまくいかなければ、三大感染症と闘う主要な手段を失うと予想される。


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