音楽プロデューサー・中田ヤスタカ (capsule) 〜 ファッション系とアキバ系の両方を股にかける 〜FPMB -Fantastic Plastic Machine Best 〜 気持ちの宵、ほろ酔い空間を作り出す音楽 〜

2007年02月12日

どろろ 〜 失われた人としての感覚と感情を求めて 〜

どろろ〜 失われた人としての感覚と感情を求めて 〜

手塚治虫原作の名作漫画を、実写映画として蘇らせたこの作品。アクション監督に『HERO』のチン・シウトンを迎え、邦画でありながら、香港映画さながらのワイヤーアクションを見せていることも注目です。

キャストは妻夫木聡柴崎コウを中心に、瑛太、土屋アンナなど若手のほか、中井喜一、原田芳雄などの大御所が脇を固めて、作品に深みを出しています。

簡単にあらすじをご紹介します。
戦乱の世、天下を望む武将・醍醐景光は、生まれ来る我が子を生贄に、魔物から強大な力を得る。魔物に体の48箇所を奪われ捨てられた赤子は、呪医師・寿海によって拾われ、呪術で擬体を授かった。身を守るため左腕に仕込まれた妖刀と同じ百鬼丸と名付けられたその子は、魔物を倒すごとに体の一部が1つずつ戻ることを知る。魔物退治の旅に出た百鬼丸は、旅の途中、妖刀を狙う泥棒・どろろと出会い、不本意ながらも一緒に旅をすることになる。。。

この作品、宣伝ではタイアップしているミスチルの新曲『フェイク』をバックに、百鬼丸と魔物の戦いをCGバリバリで派手に見せていますね。アクション&CGでは、スピード感溢れる映像美を実現させ、妖刀で切った敵が粉々に粉砕するシーンは、ヴェズリー・スナイプス主演の『ブレイド』を彷彿させるカッコイイ仕上がりになっています。

ただ、この作品の本筋はアクションよりも、
“人としての感情とは何か?”“生きる意味とは何か?”
ということの探求であるように感じました。

魔物に奪われた体を取り戻すために、呪術で作られた擬体で生きる百鬼丸。戦乱の世の中で生き抜くため、あえて女であることを捨てて生きるどろろ。偽りの姿で生きるという意味ではどこか似ている二人は、一緒に旅を続け、感情をぶつけ合う中で、生きることの意味や感覚、喜びや悲しみを知ります

百鬼丸が本当の声を取り戻し、どろろと一緒になって、大声でお互いの名前を叫びあう二人。それはまるで、お互いが今この瞬間に確かに生きているということを確かめ合うかのような印象的なシーンでした。

物語後半、百鬼丸は自分を魔物に売り渡した父親と対峙します。自分をこんな姿にした原因であり、憎しみの気持ちで支配されながらも、やはり憎みきれない想い。そんな、最も人間らしい心の表現がよく出せていた作品だと思います。

途中、アクションがちょっと中途半端になってしまった部分もありますが、それを差し引いても、百鬼丸とどろろの心の表現はおみごと。一度見てみて損はないと思いますよ。


■ YouTube「どろろ 予告編」




■ YouTube「Mr.Children - FAKE」



■Amazonショッピング
フェイク
Mr.Children


prototype_cr at 20:39│Comments(6)TrackBack(12)mixiチェック 映画(た行) | 邦画

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. どろろ  [ そーれりぽーと ]   2007年02月12日 21:05
手塚治虫の漫画『どろろ』を映画化。 っつうても、手塚作品の中では妖怪漫画ブームの頃にあやかって書かれたマイナーな妖怪漫画だから、俺自身も読んだ事が無かったので、満喫でチェックしてから観てきました。 ★★★ ★2個半って先日観た映画にも付けたばかりだし、どっち...
2. どろろ 07025  [ 猫姫じゃ ]   2007年02月12日 21:25
どろろ 2007年   塩田明彦 監督  手塚治虫 原作妻夫木聡 柴咲コウ 中井貴一 中村嘉葎雄 原田芳雄 土屋アンナ 原田美枝子 瑛太 この監督、「ギプス」と「黄泉がえり」を見ているわね。 原作ファンではありません。でも、どちらが「どろろ」か、もう片方....
3. どろろ  [ ネタバレ映画館 ]   2007年02月13日 07:00
ほげほげたらたらほげたらぽん!
4. どろろ  [ Akira's VOICE ]   2007年02月13日 10:24
自分探しは永遠に終わらない!
5. 映画「どろろ」  [ ミチの雑記帳 ]   2007年02月13日 23:32
映画館にて「どろろ」 昭和42年「週刊少年サンデー」で発表された手塚治虫の作品を実写映像化。体の48か所を魔物に奪われた百鬼丸が、体を取り戻すためにコソ泥“どろろ”とともに魔物退治の旅に出る。 戦国の世を憂う武将の醍醐景光(中井貴一)は、乱世を治める力を得る...
6. どろろ  [ パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ ]   2007年02月14日 10:15
4 父の野望のため体を奪われし者__。 時の権力に両親を奪われし者__。 失われた体と心を取り戻すために、今こそ運命に挑め。 昭和42年「週刊少年サンデー」で発表された手塚治虫の最高傑作とも言われている怪奇漫画を実写映画化したアクション時代劇。体の48か所を魔物...
7. 「どろろ」みた。  [ たいむのひとりごと ]   2007年02月16日 19:08
ひさしぶりに試写会。観ようかどうか迷っていた作品だっただけに、当選はラッキーなのかな?(本当に観たい作品は、お金を出したってみるしねw)原作が”手塚治虫”なだけあって、「いかにも??」というファンタジー作品。(といいつつ原作は未読。手塚作品
8. まだオンナにはなんねーぞっ!~「どろろ」~  [ ペパーミントの魔術師 ]   2007年02月17日 23:24
公式サイトはコチラ。→http://www.dororo.jp/ キャー、もうキャーキャーキャー♪♪♪ なんてカッコいいんざんしょ。 ブッキーのブッキーによるブッキーのための映画で もうファンの方はぜ~~~ったい見て見て見てといいたいくらい 惚れ惚れでございました。 どっちかいう...
9. 【2007-13】どろろ  [ ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!! ]   2007年02月18日 16:35
3 ある戦乱の世─ 魔物に奪われし体の四十八箇所を取り戻す旅をする者がいた そして、その左腕に仕込まれた刀を盗もうと旅を追うもの 運命をぶった斬れ 二人でひとつ 物語が、動き出す。
10. 『どろろ』  [ ラムの大通り ]   2007年08月05日 16:38
「もう、これは『ごめんなさい』って感じ」 ----うん?どういう意味ニャの? 「いやあ、せっかく早く見せてもらったのに、 ぼくにはまったくダメで……」 ----確か、手塚治虫の原作だよね? オモシロそうなお話じゃニャい? 「うん。この原作は子供の頃、確かテレビアニメに...
11. 「どろろ」感想 仮面ライダーっぽかった  [ ポコアポコヤ 映画倉庫 ]   2007年08月05日 18:25
CGがしょぼいだろうな〜下らない娯楽映画だろうな〜と、重々覚悟してDVDレンタルで見ました。思った通りの映画でしたが(爆)、飽きることなく、解りやすい映画で、最後まで結構楽しく?見ました。
12. テレビ映画:どろろ  [ よしなしごと ]   2009年04月21日 07:58
 映画館で観ようか観まいか迷っているうちに終わってしまった作品が、もうだいぶ前ですがテレビでやっていたのでそれを観ました。そう、「映像不可能」と言われていた手塚治虫原作のどろろです。

この記事へのコメント

1. Posted by たいむ   2007年02月12日 22:41
GAKUさん、こんばんは。
個々の出来は悪くないのですが、どうも纏まらない印象です。
とにかく怪獣はいただけませんでしたねー。
どっかの予算をこっちに使って欲しかったです。
2. Posted by GAKU   2007年02月12日 23:15
>たいむさん
コメントありがとうございます。
私もワニと天狗もどきは気になりました。
しかも着ぐるみワニとの戦いがやたら長いのなんのって。。。
アレは蛇足だったように思いますね。
3. Posted by ミチ   2007年02月13日 23:34
こんばんは♪
私も、百鬼丸が声を取り戻した時に「どろろ、どろろ〜〜」と呼ぶところは好きでした。
目でも耳でも声でも、真っ先にどろろを認識しており、2人の絆の強さを感じました。
4. Posted by GAKU   2007年02月14日 00:25
> ミチさん
百鬼丸とどろろが、何度も名前を叫び合うシーン。
良かったですね。この映画の中では一番好きなシーンです。

雨の中、天にむかって叫ぶ百鬼丸の姿を見ながら、
私の一番好きな映画『ショーシャンクの空に』で
主人公アンディが刑務所の脱獄に成功して、
どしゃぶりの雨の中、天を仰ぐシーンを思い出しました。(←マニアック)

生きていること、自由であることを喜ぶシーンという意味では
共通のものを感じました。
5. Posted by 猫姫少佐現品限り   2007年02月14日 22:48
5 こんばんは!コメ、ありがとうございました!
これ、原作者が偉大すぎて、どうしてもこの映画単独では考えられないですからねぇ、、、
原作ファンの方にとっては、やや厳しかったようですね。
あたしはまずまず、楽しめたのですが、やはりぶっきー、
ぼんぼん過ぎて、イマイチでした。
またよろしくお願いしますね!
6. Posted by GAKU   2007年02月15日 01:02
> 猫姫さん
TB&コメントありがとうございます。
私、実は原作はあまり知らなくて、むかし散髪屋の
待ち時間に読んだ記憶があるかないかのレベルなのです。
百鬼丸って、もっとイカツかったですか?
ブッキーの百鬼丸で、あんなものかと思っていました。

> またよろしくお願いしますね!
こちらこそ、よろしくお願いします。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
音楽プロデューサー・中田ヤスタカ (capsule) 〜 ファッション系とアキバ系の両方を股にかける 〜FPMB -Fantastic Plastic Machine Best 〜 気持ちの宵、ほろ酔い空間を作り出す音楽 〜