2008年07月25日

崖の上のポニョ ─ 子供の不思議や勢いをただ感じるべし ─

崖の上のポニョ─ 子供の不思議や勢いをただ感じるべし ─

2006年の『ゲド戦記』以降、スタジオジブリが製作した話題の新作『 崖の上のポニョ 』(2008年/日本:アニメ)。ゲドは宮崎吾郎が製作し“心の闇”をテーマにした毒のある内容でしたが、今作はそれとは対極に位置するような完全子供向け作品で、言わば“海版となりのトトロ”。監督はおなじみ宮崎駿です。

CMなどではあのやや音程の外れた「ポ〜ニョポ〜ニョポニョ、さかなのこ〜」という主題歌が耳障り(失礼!)、耳に残って離れませんが、あの歌こそがこの作品全体を表しているかのような、シンプルでわかりやすく溢れる勢いで持って行く感じ…、そして何か印象に残って離れない作品でもありました。

声の出演には、最近ではCMでしか見かけない山口智子の他、長嶋一茂、天海祐希、所ジョージ、さらには歌手・矢野顕子まで参加しており、相変わらず豪華なキャストを揃えています。

簡単にあらすじをご紹介します。
海に面した崖の上の一軒家に住む5歳の少年・宗介は、ビンに入り込んで動けなくなっている魚の子を助け、ポニョと名づける。一緒に過ごす内にお互いを好きになる二人だが、ポニョの父親・フジモトによってポニョは海へ返されてしまう。しかし、宗介を忘れられないポニョは、フジモトの蓄えた魔法の力を盗み出し、人間の女の子になって宗介に会いに行く…。

── ただ感じるべし!海版となりのトトロ
ポニョと妹たち in 崖の上のポニョ
宗介 in 崖の上のポニョ
宗介の母・リサ in 崖の上のポニョ
さてこの作品、前述でも言ったように“海版となりのトトロ”のような話で古代の海に生息していた不思議な生物たちや、後半で海に沈んでしまう島を小型ボートで冒険に漕ぎ出す宗介とポニョの姿などは、子供の頃に思い描いた海の中の不思議そのもの。おそらく、宮崎駿は完全に子供に戻って作っていたのではないだろうか。

そのためか、この作品は今までのジブリ作品のような大人向けのメッセージ性は薄い。細かく見るとツッコミどころは数知れず「全部ポニョのやりたい放題が引き起こした大騒動やん!」と感じていた私の心は、そうです汚れていますとも!(汗) 同じくこの作品観た同僚は「深く考えてはいけない!ただ感じる作品」と言います。まさにその通り。考えちゃ駄目なんでしょうね、これは。。。


── 子供の不思議を受け止める心の余裕
作品中で一番印象的だったのは、宗介の母・リサの言葉。
「不思議なことが起こっているけど、まずは落ち着いてお茶でも飲みましょう」

周りがどんな状況になっていたとしても、余裕を忘れずに対応する心の広さは見習いたい。子供の不思議をしっかり受け止めてあげる大人としての姿勢は、ある意味でこの作品のメッセージなのかもしれない。

そして、個人的にこのリサの性格はとても好印象で、男勝りでサバサバしているのにとても温かく、子供と同じ目線で大事なことを伝えてくれる。このハチャメチャな物語のキーパーソンは彼女ではないかとも思えました。

何にしても、デパートなどで家族連れを見ると子供だけでなく、その父親あたりがポニョの主題歌を口ずさんでいるのをよく見かけ、そこまで日本の家族を洗脳、もとい、心を掴んだという意味で見る価値がある作品だと思いました。賛否両論もありそうですが、ぜひ一度見てみてください。



■YouTube: 崖の上のポニョ 予告編
この音の外し方までが狙いだとしたら、恐るべし「ジブリ洗脳大作戦」


prototype_cr at 00:33│Comments(8)TrackBack(15)mixiチェック 映画(か行) | アニメ

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 崖の上のポニョ  [ ネタバレ映画館 ]   2008年07月25日 00:54
帽子は小さくなってしまったけど・・・いいのか?
2. ★「崖の上のポニョ」  [ ★☆ひらりん的映画ブログ☆★ ]   2008年07月25日 01:01
今週はハッピーマンデー付きの3連休なので、二日連続オールナイト敢行のシネコンたち。 一日目は、前作「ゲド〜」でズッコケたスタジオジブリの反撃作。 やっぱり宮崎駿が監督しないと、ダメなのねーーー。
3. 『崖の上のポニョ』  [ Sweet*Days** ]   2008年07月25日 06:30
監督・原作・脚本:宮崎駿   声の出演:山口智子、天海祐希、所ジョージ 他 海の側の崖の上に住む5歳の宗介は、ある日海で空き瓶にハ...
4. 映画 【崖の上のポニョ】  [ ミチの雑記帳 ]   2008年07月25日 08:41
映画館にて「崖の上のポニョ」 宮崎駿監督の4年ぶりの新作は、手書きアニメーションによる素朴な童話的作品。 おはなし:父親が海に出て留守がちで、母親と二人で暮らす5歳の宗介。ある日彼はビンに頭をつっこみ抜けずに困っている奇妙な魚を発見。ポニョと名づけて育て始...
5. 崖の上のポニョ  [ ★YUKAの気ままな有閑日記★ ]   2008年07月25日 09:05
宮崎駿監督の作品は大好き持っているDVDやビデオを観る機会も一番多いかもしれないなぁ〜『ハウルの動く城』以来4年ぶりの新作を家族で楽しみにしていた―【スタッフ・キャスト(声優)】*監督・原作・脚本 宮崎駿 *音楽 久石譲*宗介の母・リサ(山口智子)     ...
6. 天海祐希  [ ありの出来事 ]   2008年07月25日 15:25
宮崎駿監督の最新『崖の上のポニョ』遂に公開 TimeWarp19日、宮崎駿監督4...
7. 崖の上のポニョ  [ パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ ]   2008年07月25日 15:38
5 ポーニョ ポーニョ ポニョさかなの子 青い海からやってきた___。 とっても可愛らしい声で歌う、大橋のぞみちゃんに感激!! 全世界待望のスタジオジブリ最新作は、4年ぶりとなる、宮崎駿監督のオリジナル作品。 少年と少女、愛と責任、海と生命。神経症と不安の....
8. 天海祐希 ドラマ  [ 月 ]   2008年07月25日 17:55
崖の上のポニョ 子供の不思議や勢いをただ感じるべし声の出演には、最近ではCMでしか見かけない山口智子の他、長嶋一茂、天海祐希、所ジョージ、さらには歌手・矢野顕子まで参加して...
9. 『崖の上のポニョ』・・・宮崎駿の優しい世界  [ SOARのパストラーレ♪ ]   2008年07月25日 18:38
劇場で観る予定のなかった『崖の上のポニョ』を、休日にしては珍しく早起きしたせいなのか、それとも昨夜テレビでやってた『となりのトトロ』のせいなのか、急に観たくなり初日にフラリと衝動鑑賞(笑) 家を出る前にネットで席を確保しておいてよかった。早めに劇場に着い...
10. 「崖の上のポニョ」みた。  [ たいむのひとりごと ]   2008年07月25日 19:46
金魚、人面魚、半漁人から人間の女の子へ。「人魚姫」がモチーフ。思い描いていたものとはちょっと違っていたが、純真な子供たちを描いたファンタジーがとても清清しい。若干5歳の宗介の王子さまっぷりがとてもいじ
11. 『崖の上のポニョ』  [ ラムの大通り ]   2008年07月25日 23:23
----この夏の大本命! 宮崎駿アニメ、ついに登場。 確かこれって『人魚姫』をモチーフにしているんだよね。 でも、この目と目が離れたファニーフェイスの女の子が人魚姫って ちょっと想像つかないニャあ。 「そういえば、この子が人間になった姿は まだどこにも出ていないな...
12. 「崖の上のポニョ」感想  [ ポコアポコヤ 映画倉庫 ]   2008年08月24日 16:04
今更ですが、見ました。見終わった感想は、「面白かったよ」という一言が家族全員から出て来る映画でした。3つ☆半 こりゃ〜子供が飽きずに...
13. 「崖の上のポニョ」感想  [ ポコアポコヤ 映画倉庫 ]   2008年08月25日 08:52
今更ですが、見ました。見終わった感想は、「面白かったよ」という一言が家族全員から出て来る映画でした。3つ☆半 こりゃ〜子供が飽きずに...
14. 崖の上のポニョ  [ Addict allcinema 映画レビュー ]   2009年07月02日 18:13
生まれてきてよかった。
15. 『崖の上のポニョ』は大人には厳しいか?  [ 映画のブログ ]   2010年02月07日 18:55
 宮崎駿監督は、自分の子供の世代を対象に作品をつくっていたという。  長男の宮崎吾朗氏は1967年1月の生まれ。  たしかに息子さんが成長...

この記事へのコメント

1. Posted by ミチ   2008年07月25日 08:44
こんにちは♪

>深く考えてはいけない!ただ感じる作品
アハハ、本当にそのとおりですね〜。
でも、感性の鈍っているワタクシとしては、ひたすらポニョの可愛らしさに見とれるばかりの作品でした。
宗介が母親のことを呼び捨てにするのが非常に気になってしまいました(汗)
2. Posted by たいむ   2008年07月25日 19:44
GAKUさん、こんにちは。
>子供の不思議を受け止める心の余裕
まったくですよね。
「後で分るでしょ」って言えそうでなかなか言えない言葉ですよね。
宗介が良い子なのは、この母親だからかなーって思いました。

見たマンマ、それ以上に何がある?って物語でしたね。
3. Posted by GAKU   2008年07月26日 01:19
ミチさん、こんばんは。
ポニョは可愛いといえば可愛いのですが、アラレちゃんばりに
無茶ではた迷惑な行動に出るので、周囲はたまったもんじゃないでしょう。
今後の宗介の気苦労を考えると、少し心配になってしまいます(苦笑)

宗介が母親を「リサー」と呼び捨てにするのは私も気になりました。
クレヨンしんちゃん同様、最近の流行なのでしょうか。
変なPTAからクレームが入らないと良いですが。。。
4. Posted by GAKU   2008年07月26日 01:40
たいむさん、こんばんは。
リサのキャラクターはとても好感が持てました。
ダンナが急な仕事で帰って来れないシーンでのふて酒&ライトでの
「B・A・K・A・B・A・K・A・B・A・K・A・B・A・K・A・・・・」
には思わず笑ってしまいました(笑)。そんな子供っぽいところを
持ちつつも、宗介やポニョのことをわかってあげられる心の余裕は
良いですよね〜。うらやましいです。

>それ以上に何がある?
そうそう(笑)。それ以上には何もありませんね。
直球ストレート!「めでたし。めでたし。」以外に考えてはいけない。
…と同僚に言われました。だって考え出すと「島は水没したきり?」
「宗介のお父さんが死んでたりしたらポニョの責任でしょ?」
「赤ちゃんのエピソードは何か意味があったの?」なーんて。
そのあたりは、あえて「考えない」ということにしておくのが良いでしょう。
5. Posted by non   2008年07月28日 10:37
こんにちは♪ TB、コメントありがとうございました☆

色々メッセージもあるのかもしれないけど、
ほんと、本能で感じるべし!と言った作品でしたね(^^)
不思議な部分も色々あるけど、実にパワフルで
生命のエネルギーを感じる物語でした♪
6. Posted by GAKU   2008年07月28日 23:18
>nonさん、こんばんは。
そうですね〜。あのエネルギーは一体何なんでしょう。。。
ポニョが人間化して宗介を追ってくるシーンは、もう
しっちゃかめっちゃか(苦笑)。
あれが子供の持つ理屈抜きのエネルギーなんでしょうね。
7. Posted by latifa   2008年08月24日 16:07
GAKUさん、こんにちは☆
今更ですが見ました。なかなか面白かったですよ。
元々全然期待をしていなかったのも良かったかもしれません。

ところで、この映画を見る前に、「人のセックスを笑うな」をレンタルでですが見ました。
確かGAKUさん、永作さんのこと結構気にいっていらっしゃいましたよね?^^ 過去リストはまだ捜していないのですが、ご覧になられているかな〜。
今度感想書くことがあったら、またお邪魔します♪
8. Posted by GAKU   2008年08月24日 22:56
>latifaさん、こんばんは。
観客動員数もかなりの数になっているようですねー。
あの狙っているのか、天然なのかわからない、ポニョのライトな感覚が
いろいろ考えることの多い現代の癒しになっているのではないかと。。。
ウチの相方からも「もう一回観てもいいかな」という声が。
あの平和的で何も考えなくてもいいのが良いのだそうです(笑)

>「人のセックスを笑うな」
まだ観てません(汗)。と言うか、松ケンが出演しているのは知っていた
のですが、永作さんが出ていることは知りませんでした(汗汗)。
確かレンタルの新作で出ているなーとは思っていましたが、新作は高いし
他の方のレビューがあまりないのでどうなのかなと思案していたところ(汗汗汗…)
どうでしたか?良さそうなら一度借りて観てみたいと思います。

コメントする

名前
URL
 
  絵文字