2008年12月11日

ガチ☆ボーイ ─ 本気で取り組めば無駄なこと1つもない ─

ガチ☆ボーイ─ 本気で取り組めば無駄なこと1つもない ─

今年、最も盛り上がったドラマのひとつとして、佐藤隆太が熱い先生役で出演していた青春野球ドラマ『 ROOKIES(ルーキーズ) 』があります。そんな佐藤隆太が、学生プロレスに挑戦する大学生役として出演する青春ドラマ、それがこの作品です。

私はプロレスにそれほど興味があるほうではないので、この作品も正直観るつもりはありませんでした。しかし、この作品は”主人公は1日しか記憶が持たない”という、映画『博士の愛した数式』や『メメント』などと同じく、制限条件つくことで、単なる青春ドラマとは違う一面を見せてくれます。

その意味で、見終わった後にはかなり心に残る作品になりました。そして、注目は映画『タイヨウのうた』を手がけた小泉徳宏が監督を務めていること。しんみりし過ぎない不幸、適度な笑いのバランス感は、この監督の特徴かもしれません。ちなみに、出演は佐藤隆太のほか、サエコ、泉谷しげるなど。

簡単にあらすじをご紹介します。
大学在学中に司法試験の一次に合格したほどの秀才・五十嵐は、学園祭で見た学生プロレスが忘れられずプロレス研究会の門を叩く。しかし、プロレス研究会の試合は全て「段取り」どおりの試合。大切なことは全てメモする五十嵐だったが、肝心の段取りが覚えられず、デビュー戦でガチンコの試合をしてしまう。しかし、それが客に大ウケ。五十嵐の人気で研究会は活気付くが、五十嵐には段取りが覚えられない重要な理由があった。。。

── その不幸に負けないだけのエネルギーをもらえる

佐藤隆太 in ガチ☆ボーイ
サエコ in ガチ☆ボーイ
学生プロレス団体HWAの仲間たち in ガチ☆ボーイ
さてこの作品、まず印象的だったのは、主人公・五十嵐の「記憶が1日しか持たない」という不幸を描きながらも、そこまで不幸を深刻に描きすぎず、そういった重荷を背負いつつも「自分の人生をどう生きるか…」といったテーマにより重点を置いた作品となっていること。

これは太陽の下に出れない少女を描いた小泉監督の作品『タイヨウのうた』でも同様で、小泉監督作品は不幸を背負った主人公からその不幸に負けないだけの元気やエネルギーをくれます。

ラストのプロレスの試合で、”記憶はなくとも身体が覚えている”ということを証明するかのように、仲間から教えてもらった技が次々と決まり出すシーンには、その必死な姿にうっかり涙腺が緩んでしまいました(汗)


── 本気で取り組めば無駄な時間は何ひとつない

更に私がこの作品で一番感じたことは、「自分が本当に成長しているのか」「ちゃんと前に進んでいるのか」という、生きている実感が持てない五十嵐の不安と恐怖について。。。毎朝起きると記憶が全くなく、言ってみれば、「人生ゲームのスタートに戻る」の状態では、それも無理もない話です。

ただ、そんな不安は五十嵐に限らず誰もが抱えていること。いま自分がしていることは全く無駄なことで、無駄な時間を過ごしているのではないか…と感じることがあります。

しかし、何かを得るために本気(ガチ)でプロレスに取り組み、1歩1歩、少しづつでも前に進んでいく五十嵐の姿を見ると、どんなことでも本気で取り組めば、ほんの小さな何かでも自分の中に残っていて、無駄な時間は何ひとつないのではないか…、そんな勇気をもらえた気がします。

観る前はもっとふざけた作品かと思いきや、思いのほか心の琴線に触れるシーンも多く、感動できる作品です。ぜひ、一度観てみてください。



■Youtube: Gachi Boy (2008) trailer



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この記事へのコメント

1. Posted by にゃむばなな   2008年12月11日 17:52
TBありがとうございました。

ドロップキックで泣ける映画でしたね。
デビルドクロさんが叫んだあたりから、私は号泣しまくってました。

劇場公開では不振に終わりましたが、是非DVDでもいいのでたくさんの人に見てもらいたいです。
2. Posted by たいむ   2008年12月11日 18:12
GAKUさん、こんにちは。
小泉監督は、ツボとか加減とかを非常に心得てると思いませんか?
確信的に泣ける素材を使いつつ、
おしつけがましくない演出が見事と思います。
五十嵐君は、病気でいろいろ辛い思いをしているけれど、
決して可哀想じゃないんですよね。

監督の次回作も楽しみです!
3. Posted by GAKU   2008年12月11日 23:49
>にゃむばななさん、こんばんは。
私もまさかドロップキックで泣けるとは思いませんでした(笑)

展開はどうしても読めてしまうのですが、
それでもみんなが教えた技を、五十嵐がそれに応えて繰り出す姿と、
それを応援するみんなの、それぞれの本気の姿に胸を打たれてしまう、
そんな熱い作品でした。

劇場は不振だったんですね。宣伝の仕方の問題でしょうか。。。
私も劇場公開時はまったく関心はありませんでしたからね。
それでもDVDで見てみると、本当に良い作品でした。
4. Posted by GAKU   2008年12月11日 23:56
>たいむさん、こんばんは。
そうなんですよ!押し付けがましくない演出が本当にお見事でした。

朝起きてから学校に行くまでのせつなさや、何回も振って振られての
せつなさはとても泣けるのに、マリリン仮面や玉子王子などの脱力感、
そのバランス感覚が絶妙でした!

五十嵐君は不幸なんだけど、それ以上にあんな仲間に囲まれて
本気で打ち込めるモノに出会えて、心配してくれる家族に恵まれて
ある意味でしあわせとも言えるかもしれませんね。

この小泉監督は今後も要チェックです。
5. Posted by Ageha   2008年12月13日 18:38
オヒサです。
現在LivedoorBlogの方のところへTBがすべて送信失敗で
どうもすみません。
またコメント書けるときにかならず来ます。

大阪には大阪プロレスなるものがあって
風貌はこの映画の同好会に近く、
しかも一応基礎ができてないと怪我するから
トレーニングはちゃんとしてるものの
なんというか「笑いをとるパフォーマンスプロレス」なので
この雰囲気案外好きだったりします。
・・スポーツというよりちょっと劇団ぽいですが。

絶対外見でソンしてるというか、
見に行ったひとは一様によかったっていうてますが
確かに映画館そないに入ってなかった。
宣伝の仕方なのかな〜・・・。

ホンマ、ドロップキックで泣ける映画です。

クライマックスは手に汗握るというか
イケ〜〜〜!!!ってまるで
会場に自分がいる気分で心では叫んでましたね。(笑)
6. Posted by GAKU   2008年12月14日 09:33
>Agehaさん、こんにちは。
ご無沙汰しております。お元気ですか?
livedoorへのTBエラーに関しては、こちらこそすいません。
何だかlivedoorって、gooをはじめとするいろんなblogから
弾かれる傾向があるみたいで、本当にお手数お掛けしています。

>大阪プロレス
知ってますよ〜(笑)。
生で観た事はないですが、確かにプロレス団体というよりは、
お笑い芸人や劇団に近い感じがしますね。
(えべっさんとか、変なキャラはガチ☆ボーイに近いか…)

>外見でソンしてる
ホントそうですね〜。私も劇場公開時はスルーしたクチです。
あの宣伝の仕方では、この作品の”熱い部分”がわかりづらい。
宣伝で印象に残ったのは「ドロップキック、低っ」ですから(苦笑)

たぶんこの作品のコメディ色は、内容が重くなりすぎないために
バランス調節用にあえてスパイスとして入れているもの。
それがメインになると、学生プロレスという舞台なだけに
”軽い作品”としてしか受けとられかねないリスクも含んでいます。

私もクライマックスでは、思わず拳を握り締めて、
涙目になってしまったくらいなので、そんな熱さがもっと伝わっていれば
劇場動員数も違っていたかもしれないですね(^^)
7. Posted by latifa   2009年05月07日 11:40
GAKUさん、こんにちは!
GAKUさんは、すごくこの映画、良かったみたいですね^^
私は原作を先に読んじゃっていたので、原作の時に感動しちゃって内容とか全部解った後で映画を見たのは、損しちゃったかな〜って感じですが、でもなかなか良い映画でしたよね。
故郷が札幌なので、知ってる場所とか色々出て来たことも見ていて楽しかったです。
8. Posted by GAKU   2009年05月07日 23:38
>latifaさん、こんばんは。
私は宣伝からあまり面白いという印象がなかっただけに逆に良かったのかもしれません。振り幅効果ですね。マイナススタートから入るとプラスへの反動が大きいと。。。。

ただ、原作スタートの場合、余程の映画オリジナルな部分がない限り、原作を超えられないですからね。(クドカン脚本などではたまに原作を超えることもありますが)どうしても見劣りするところがあったかもしれません。

latifaさんって北海道出身だったのですね。
ロケ地を知っていると「そんな近くないって」みたいなツッコミをしながら見たりとかもしちゃいますよね(笑)。私も大阪の映画ではそんなことを思ってみたりすることもありますよ。

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