生粋のJazzとは違う新しい音に浸る ─『UNDERGROUND』 fox capture plan「ミカヅキ」酸欠少女 さユり ─ "フツウ"ではない病み(闇)感覚を持ち合わせる少女

2015年05月10日

一般ウケしない<毒>が中和されて<個性>となる ─ 展覧会「蜷川実花:Self-image」

IMG_20150418_144720─ 展覧会「蜷川実花:Self-image」 ─

4月18日、これもかなり前ですが、時間が空いたので前から行きたいと思っていた蜷川実花の展覧会「蜷川実花:Self-image」に行ってきました。

蜷川実花といえば、AKBのジャケ写やモデルなどでも極彩色を使って見せることで有名ですし、映画『さくらん』『ヘルタースケルター』などでもやはり極彩色をつかった映像美などで有名だと思います。

今回の展覧会でもたぶんそういった感じの写真が多いのだろうなぁと思って足を運んだわけですが、これがまたっ、蜷川実花というアーティストの<毒>の部分をまざまざと見せつけられ、正直圧倒されました。

さすが蜷川幸雄の娘というべきか、いや、これは蜷川実花という女性のコアな部分であり、この毒を持っているからこそ、一般的な作品として世に出たときにいろんなところを通って毒が緩和された状態でちょうどいい甘さと苦さを伴った作品となっているのかもしれません。


─ 滅びゆくものの綺麗さ、衰退するもの、腐敗するものの美
実際の写真は下記リンクにあるFashionPressのサイトにいくつか掲載されているので見ていただくとわかりますが、私が個人的に圧倒されたのは極彩色の写真よりは、いろんな動物や虫などの解体写真です。

正直、あまり気分の良いものとは言えず、誰にでも受け入れられるものではない。ただ、その写真の中にも極彩色は存在し、滅びゆくものの綺麗さ、衰退するもの、腐敗するものの美のようなものを捉えています。

そしてこれらの写真を見て思っていたのは、これはいわば蜷川実花というアーティストが様々なメディアで活躍するなかでも、コアとなって持っている<毒>の部分なのではないかということ。
そして、こういった、一般ウケとかは関係ないといえるほど独善的な<毒>を持っていないと、いろんな個性や情報が渦巻く世界ではすぐに埋もれて消えてしまうということではないかと。


─ 決して一般ウケしない<毒>が中和されて<個性>となる
思えば、CAPSULEの中田ヤスタカも、Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅなど一般的な作品を世に出しつつ、自身のユニットCAPSULEでは一般ウケなどは関係ない、エッジの効いた音にこだわって作りこみ、作品によっては理解できないもの、耳障りの悪いものもあります。

音楽業界だけでなく、劇団員、作家、写真家、陶芸家など、アーティストと呼ばれる人は、メジャーに出てきて汎用性の高いものに中和されているものも多いですが、実際その人自身というのは決して一般ウケすることのない、いわば<毒>を持っていて、それが呼び方を変えて<個性>として捉えられるのではないかと思うのです。

蜷川実花の写真を見ながら、極彩色に目を奪われながらも、そういった<毒:個性>の部分について考えさせられる展覧会でした。

蜷川実花、初のセルフポートレイトを中心とした展覧会を原美術館で開催 - 映像インスタレーションも(Fashion Press)

prototype_cr at 10:20│Comments(0)TrackBack(0)mixiチェック 日記 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
生粋のJazzとは違う新しい音に浸る ─『UNDERGROUND』 fox capture plan「ミカヅキ」酸欠少女 さユり ─ "フツウ"ではない病み(闇)感覚を持ち合わせる少女